JP2936103B2 - 酸化アルミニウム薄膜 - Google Patents

酸化アルミニウム薄膜

Info

Publication number
JP2936103B2
JP2936103B2 JP3288393A JP3288393A JP2936103B2 JP 2936103 B2 JP2936103 B2 JP 2936103B2 JP 3288393 A JP3288393 A JP 3288393A JP 3288393 A JP3288393 A JP 3288393A JP 2936103 B2 JP2936103 B2 JP 2936103B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
film
substrate
refractive index
aluminum oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3288393A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06248428A (ja
Inventor
誠 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ASAHI TEKUNO GURASU KK
Original Assignee
ASAHI TEKUNO GURASU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ASAHI TEKUNO GURASU KK filed Critical ASAHI TEKUNO GURASU KK
Priority to JP3288393A priority Critical patent/JP2936103B2/ja
Publication of JPH06248428A publication Critical patent/JPH06248428A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2936103B2 publication Critical patent/JP2936103B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学膜あるいは保護膜
として使用される、改良された酸化アルミニウム薄膜に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、酸化アルミニウム(Al
2 3 )薄膜は、反射防止膜の中間屈折率物質や各種基
体の保護膜として幅広く使用されている。
【0003】従来、例えば、プラスチック基体上に真空
蒸着法を用いて、Al2 3 薄膜を基体加熱温度80℃
で被着すると、以下の欠点を示す。すなわち、 プラスチック基体であるため加熱温度を高くすること
ができず、被着された単体Al2 3 薄膜は粗な膜とな
り、ガラス基体上に基体加熱温度300℃で被着された
単体Al2 3 薄膜に比べ、著しく耐久性において劣
る。 プラスチック基体上に基体加熱温度80℃で被着され
た単体Al2 3 薄膜の屈折率は1.5前後となり、ガ
ラス基体上に基体加熱温度300℃で被着された単体A
2 3 薄膜の屈折率1.63より低くなる。 などである。
【0004】このため、従来、プラスチック基体上にA
2 3 薄膜を被着する場合、イオンプレーティング法
やイオンアシスト法などの被着方法の改善により上記欠
点を克服していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記被
着方法の改善には以下の問題点があった。すなわち、 装置が高価である。 操作方法が複雑である。 被着条件の設定が困難である。 などである。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、被膜時に基体加熱温度を高くできない基体上へ高耐
久性を有して被着される酸化アルミニウム薄膜を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、基体加熱温度を高くできない基体上に酸
化タンタルを3〜10重量%含有した酸化アルミニウム
からなる薄膜を形成したことを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明は上記のように構成したので、基体加熱
温度を高くできない基体上に、基体加熱温度を高くして
被着された単体酸化アルミニウム薄膜と同等の屈折率と
耐久性を有する酸化アルミニウム薄膜が形成される。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0010】図1はプラスチック基体に保護膜を被着し
た例を示す図で、同図において、1は被膜時に基体加熱
温度を高くできない基体、例えばポリカーボネイトから
なるプラスチック基体で、このプラスチック基体1 上に
は保護膜として酸化タンタル(Ta2 5 )を含有した
Al2 3 で形成されたAl2 3 薄膜2 が所定の膜厚
を有して被着される。
【0011】Al2 3 薄膜2 を形成するTa2 5
Al2 3 の混合重量比と、この混合重量比に対応する
Al2 3 薄膜2 の屈折率との関係を実験し、図2に示
す結果が得られた。Al2 3 薄膜2 は真空蒸着法によ
り、 (1) 基体 プラスチック(ポリカーボネイ
ト) (2) 真空度 6.65×10-3〜1.06×1
-2Pa(5×10-5〜8×10-5Torr) (3) 基体加熱温度 80℃ (4) 蒸発源 エレクトロンビーム (5) 蒸発剤 Ta2 5 とAl2 3 の混合物 の蒸着条件で成膜した。
【0012】上記実験の結果、Ta2 5 の添加量がA
2 3 に対して3〜10重量%の範囲においては、A
2 3 薄膜2 の屈折率は、Al2 3 の屈折率1.6
3とほぼ同一の値を示し変化しないことが判明した。さ
らに、Ta2 5 の添加量がAl2 3 に対して3重量
%未満ではTa2 5 の添加の効果が見られず、また1
0重量%を越えるとはTa2 5 の添加の効果が顕著に
見られ、Ta2 5 の屈折率2.1に近づくことが判明
した。
【0013】次に、Ta2 5 の添加量が15重量%以
下におけるAl2 3 薄膜2 およびガラス基体上に基体
加熱温度300℃で被着した単体Al2 3 薄膜の高温
・高湿における耐久性について実験し、表1に示す結果
が得られた。
【0014】
【表1】 この実験においては、膜厚0.2μmで、かつTa2
5 の添加量として0、0.5、2、3、5、7、10、
および15重量%でそれぞれ真空蒸着法により成膜した
Al2 3 薄膜2 を温度50℃・湿度90%の高温・高
湿の雰囲気中に所定時間放置したときのAl2 3 薄膜
2 の外観変化、および放置後に幅1/2インチ、長さ1
00mmの#600のスコッチテープ(商品名)を貼着
し急激に引剥した後の膜剥れについて評価するテープ引
剥がしテストについて評価し、以下の評価記号、すなわ
ち、 ○=変化なし ×=膜剥れ・膜クラック発生 −=評価不可 で表1に示している。
【0015】この実験の結果、Ta2 5 の添加量が3
重量%以上で著しく耐久性が向上し、ガラス基体上に基
体加熱温度300℃で被着した単体Al2 3 薄膜と同
程度の耐久性を有することが判明した。これは、Ta2
5 を添加することにより、低温基体加熱(80℃)で
は粗な構造となる単体Al2 3 薄膜が密な構造を有す
るTa2 5 含有のAl2 3 薄膜2 に変化するためと
推測される。
【0016】上記した屈折率と耐久性の実験により、プ
ラスチック基体1 上に基体加熱温度80℃で被着された
Ta2 5 を3〜10重量%含有したAl2 3 薄膜2
は、ガラス基体上に基体加熱温度300℃で被着した単
体Al2 3 薄膜と同程度の屈折率と耐久性を有するこ
とが判明したことにより、単体Al2 3 薄膜と同様の
用途に使用することが可能となり、例えばプラスチック
基体1 の保護膜として使用することが可能である。
【0017】次に、Ta2 5 含有のAl2 3 薄膜2
を中間屈折率物質として反射防止膜に応用した例につい
て説明する。
【0018】図3はガラス基体に反射防止膜を被着した
例を示す図で、同図において、3 はガラス基体で、この
ガラス基体3 に入射する入射光の反射損失を減少させ、
透過率を増加させる目的で反射防止膜4 がガラス基体3
に被着される。反射防止膜4は、例えばガラス基体3 側
から順に第1層に中間屈折率物質5 、第2層に高屈折率
物質6 、および第3層に低屈折率物質7 をそれぞれ被着
して形成される。
【0019】表2乃至表5に示す膜構成・膜厚で反射防
止膜4 を形成し、それぞれの反射防止膜4 の耐久性につ
いて上記保護膜の同様の評価実験を行ない、表6に示す
評価結果が得られた。
【0020】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】 ここで、表2に示す反射防止膜4 の膜構成は、第1層の
中間屈折率物質5 は図1と同様の屈折率1.63のTa
2 5 含有のAl2 3 薄膜2 (Ta2 5 +Al2
3 と表記)、第2層の高屈折率物質6 は屈折率2.1の
Ta2 5 、および第3層の低屈折率物質7 は屈折率
1.38のMgF2 からなり、表3の膜構成は、第1層
は屈折率1.63の単体Al2 3 (Al2 3 と表
記)、第2層はTa2 5 、および第3層はMgF2
らなり、表4の膜構成は、第1層はTa2 5 +Al2
3 、第2層は屈折率2.1のZrO2 、および第3層
はMgF2 からなり、さらに、表5の膜構成は、第1層
はAl2 3 、第2層はZrO2 、および第3層はMg
2 からなっている。なお、Al2 3 薄膜2 のTa2
5 の含有量はAl2 3 に対し、7重量%に設定され
ている。
【0021】また、上記各反射防止膜4 は真空蒸着法に
より、 (1) 基体 ガラス (2) 真空度 6.65×10-3〜1.06×1
-2Pa(5×10-5〜8×10-5Torr) (3) 基体加熱温度 80℃、250℃ (4) 蒸発源 エレクトロンビーム (5) 蒸発剤 各反射防止膜4 毎にそれぞれを構
成する物質の混合物 の蒸着条件で成膜した。
【0022】この実験の結果、基体加熱温度80℃で成
膜した表3と表5に示す膜構成の反射防止膜4 において
膜剥がれが発生した。すなわち、表3の第1層と第2層
との間(Al2 3 −Ta2 5 )と、表5の第1層と
第2層との間(Al2 3 −ZrO2 )にそれぞれ両方
のテスト時に膜剥がれが発生した。
【0023】また、Ta2 5 を含有したAl2 3
膜2 を第1層に被着した表2と表4に示す反射防止膜4
においては膜剥がれが発生しておらず、Ta2 5 を含
有したAl2 3 薄膜2 はTa2 5 薄膜およびZrO
2 薄膜との接着強度強く、高い耐久性を示すことが判明
した。
【0024】従って、Ta2 5 を3〜10重量%含有
したAl2 3 薄膜2 は、中間屈折率物質として反射防
止膜4 に使用することが可能である。
【0025】なお、上記実施例では、各薄膜を真空蒸着
法により成膜したが、これに限定されることはなく、ス
パッタリング法やイオンプレーティング法など他の方法
でもよく、同様の作用効果が得られる。
【0026】また、上記実施例では、被覆手段をエレク
トロンビームとしたが、これに限ることはなく、抵抗加
熱などの被覆手段であっても同様の作用効果を得ること
ができる。
【0027】また、本発明は上記実施例に限定されるこ
となく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々
変形可能なことは勿論である。
【0028】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の酸化アル
ミニウム薄膜によれば、基体加熱温度を高くできない基
体上に酸化タンタルを3〜10重量%含有した酸化アル
ミニウムからなる薄膜を形成する構成としたので、複雑
で高価な真空蒸着装置を必要とせずに、基体加熱温度を
高くして被着された単体酸化アルミニウム薄膜と同等の
屈折率と耐久性を有する酸化アルミニウム薄膜を基体加
熱温度を高くできない基体上に形成することが可能とな
り、基体の保護膜あるいは中間屈折率物質として反射防
止膜に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスチック基体に保護膜を被着した例を示す
図である。
【図2】本発明のTa2 5 を含有するAl2 3 薄膜
のTa2 5 含有量と屈折率との関係を示す図である。
【図3】ガラス基体に反射防止膜を被着した例を示す図
である。
【符号の説明】
1 …プラスチック基体(基体) 2 …酸化アルミニウム薄膜

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体加熱温度を高くできない基体上に酸
    化タンタルを3〜10重量%含有した酸化アルミニウム
    からなる薄膜を形成したことを特徴とする酸化アルミニ
    ウム薄膜。
JP3288393A 1993-02-23 1993-02-23 酸化アルミニウム薄膜 Expired - Lifetime JP2936103B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3288393A JP2936103B2 (ja) 1993-02-23 1993-02-23 酸化アルミニウム薄膜

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3288393A JP2936103B2 (ja) 1993-02-23 1993-02-23 酸化アルミニウム薄膜

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06248428A JPH06248428A (ja) 1994-09-06
JP2936103B2 true JP2936103B2 (ja) 1999-08-23

Family

ID=12371278

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3288393A Expired - Lifetime JP2936103B2 (ja) 1993-02-23 1993-02-23 酸化アルミニウム薄膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2936103B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT404027B (de) * 1996-06-14 1998-07-27 Boehler Edelstahl Austenitische, korrosionsbeständige legierung, verwendung dieser legierung und amagnetisch geschweisster bauteil
JP2013147738A (ja) * 2011-12-22 2013-08-01 Kobe Steel Ltd Taを含有する酸化アルミニウム薄膜
JP5685337B1 (ja) * 2014-05-02 2015-03-18 山田医療照明株式会社 照明装置及び照明装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06248428A (ja) 1994-09-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3934961A (en) Three layer anti-reflection film
JPS6064301A (ja) 光学部品の反射防止膜とその形成方法
JP2000233947A5 (ja)
US4944581A (en) Rear face reflection mirror of multilayer film for synthetic resin optical parts
AU679204B2 (en) Durable first and second surface mirrors
JP2936103B2 (ja) 酸化アルミニウム薄膜
JP3221764B2 (ja) 合成樹脂製光学部品の反射防止膜
JPH073483B2 (ja) 銀 鏡
JP2537773B2 (ja) プラスチツク製ミラ−コ−トレンズ
JP3481997B2 (ja) 耐湿反射防止膜
JP2532901B2 (ja) 高反射フイルム
JPH07270601A (ja) 光学薄膜
JP2724260B2 (ja) 反射防止膜を有する光学部材
JPH0553001A (ja) 合成樹脂製光学部品の多層反射防止膜
JP2546203B2 (ja) TiOx薄膜を用いた光学素子
JP3111243B2 (ja) 積層反射防止膜を有する光学部品
JPH01168443A (ja) 高反射フイルム
JP3067134B2 (ja) 光学部品用多層膜
JP2894530B2 (ja) 反射防止膜を有する光学部材
JPH0763903A (ja) プラスチック製光学部品の光学薄膜およびその成膜方法
JP2979327B2 (ja) 低融点基体上蒸着反射防止膜
JP3412302B2 (ja) 反射防止膜を有するプラスチック製光学部品の製造方法
JPS5657001A (en) Reflection preventing film
JPS63217302A (ja) 多層光学素子
JP2754516B2 (ja) 二酸化珪素薄膜