JP5685337B1 - 照明装置及び照明装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材に対する多層膜の密着性が良く、製造が容易な照明装置及び当該照明装置の製造方法を提供する。【解決手段】光を発する光源16と、光源16が発した光を透過又は反射させる基材40と、基材40の光源16が発した光を透過又は反射させる部位に設けられた青色光低減膜30とを備える。青色光低減膜30は、透過又は反射する光の400nm〜600nmの波長領域における光強度を主として低減させる多層膜34と、多層膜34を基材40に接着させる接着層32とを有する。接着層32は、酸化アルミニウム(Al2O3)を主成分とする材料から形成されており、屈折率が1.38〜1.53である。【選択図】図1

Description

本発明は、照射対象物に対して光を照射する照明装置及び当該照明装置の製造方法に関するものである。
従来、照明装置には、放電式蛍光灯や白熱電球などが広く用いられている。しかしながら、これら放電式蛍光灯や白熱電球は、水銀などの有害な物質が含まれており、また、寿命が短いという問題がある。一方、近年になって、青色に発光する高輝度の青色LEDが開発されたことにより、従来の放電式蛍光灯や白熱電球に代えて、光源としてLEDを使用したLED照明装置が用いられるようになってきている。LEDを使用した照明装置は、水銀などの有害な物質を含んでおらず、また、長寿命で信頼性が高く低消費電力である等の利点がある。
しかしながら、従来のLED照明装置では、図10に示すように、その分光スペクトルにおいて、青色LEDの発光波長である450nm前後に特に鋭いピークが存在する。このような450nm前後の短波長の鋭いピークは、エネルギーが強く、光が拡散しやすいため、眼に大きな負担をかけるおそれがあり、眼精疲労や眼の痛み、網膜障害等の原因となるおそれがある。また、このような分光スペクトルを有するLEDの光は、メラトニンの分泌量を低下させるおそれがあり、睡眠不足等の健康障害を引き起こすおそれがある。そして、このような人体への負担の問題は、特に医療用照明装置において顕著に生じるものである。すなわち、従来のLEDを手術室の室内照明や無影照明灯に用いた場合、室内照明による1000ルクス以上の光と、無影照明灯による10万ルクス以上の光が手術室内に照射されることとなり、施術者や医療従事者は、長時間にわたり、通常の室内照明(200ルクス程度)の5倍〜500倍以上という高照度の環境におかれることとなるため、人体に対する負担が特に大きいと考えられる。
そこで近年、アクリル系樹脂やポリカーボネート系樹脂等のプラスチックや無機ガラスからなるレンズ基材上に、高屈折率材料と低屈折率材料とを交互に複数積層させた無機多層膜を設けることにより、青色光が眼に与える影響を低減させた眼鏡レンズが開発されている(特許文献1及び2)。
特開2013−84017号公報 特開2013−97160号公報
しかしながら、真空蒸着法においては、アクリル系樹脂やポリカーボネート系樹脂等のプラスチックや無機ガラスからなる基材上に無機多層膜を直接積層させた場合には、接着力が弱く、無機多層膜が基材から剥がれてしまうおそれがある。また、特許文献2の眼鏡レンズは、基材と無機多層膜との間にポリウレタン系樹脂を主成分とするプライマー層(接着層)が設けられ、基材と無機多層膜との密着性が強化されているが、プライマー層が光の屈折に害を与えないようにするために、基材の屈折率に応じてプライマー層の樹脂の種類を選択するか、又は、その主成分となる樹脂に添加する微粒子の種類を選択する必要があり、製造が非常に煩雑になるという問題がある。
そこで、本発明は、基材に対する多層膜の密着性が良く、製造が容易な照明装置及び当該照明装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る照明装置は、照射対象物に対して光を照射する照明装置であって、光を発する光源と、前記光源が発した光を透過又は反射させる基材と、前記基材の前記光源が発した光を透過又は反射させる部位に設けられた青色光低減膜とを備え、前記青色光低減膜は、透過又は反射する光の400nm〜600nmの波長領域における光強度を主として低減させる多層膜と、前記多層膜を前記基材に接着させる接着層とを有し、前記接着層は、酸化アルミニウム(Al)を主成分とする材料から形成されており、屈折率が1.38〜1.53であることを特徴とする。
本発明に係る照明装置において、前記接着層は、屈折率が1.38〜1.53に調整されたサファイアから形成されることが好ましい。
本発明に係る照明装置において、前記多層膜は、前記接着層よりも屈折率が高い高屈折率層と、該高屈折率層よりも屈折率が低い低屈折率層とが交互に積層されることにより形成されており、最上層に位置する前記高屈折率層が前記接着層上に積層されることが好ましい。
本発明に係る照明装置において、前記基材は、プラスチック又はガラスから形成されることが好ましい。
本発明に係る照明装置において、前記基材は、透光性を有するカバー部材であり、前記青色光低減膜は、前記カバー部材の入射面及び出射面の少なくとも一方に設けられるとしても良い。また、本発明に係る照明装置において、前記基材は、反射面を有する反射鏡であり、前記青色光低減膜は、前記反射鏡の反射面に設けられるとしても良い。さらに、本発明に係る照明装置において、前記光源は、LED素子であり、前記基材は、前記LED素子の周囲に設けられる透光性キャップ部材であり、前記青色光低減膜は、前記透光性キャップ部材上に設けられるとしても良い。
また、本発明に係る一の照明方法は、上述した照明装置を製造するための方法であって、前記基材上に前記接着層を積層させる接着層積層工程と、前記接着層上に前記多層膜を積層させる多層膜積層工程とを備え、前記接着層積層工程は、真空チャンバ内に、前記基材と、酸化アルミニウム(Al)を主成分とする材料からなる試料とを配置する配置工程と、前記配置工程後に、前記真空チャンバ内を真空にする真空工程と、前記真空工程後に、前記試料を蒸発させ、前記基材上に蒸着させる蒸着工程とを含み、前記蒸着工程は、前記基材を加熱することなく実行されることを特徴とする。ここで、基材を加熱することがないとは、ヒータ等の加熱手段により基材を積極的に加熱しないことをいうものとする。また、本発明に係る他の照明方法は、上述した照明装置を製造するための方法であって、前記基材上に前記接着層を積層させる接着層積層工程と、前記接着層上に前記多層膜を積層させる多層膜積層工程とを備え、前記接着層積層工程は、真空チャンバ内に、前記基材と、酸化アルミニウム(Al)を主成分とする材料からなる試料とを配置する配置工程と、前記配置工程後に、前記真空チャンバ内を真空にする真空工程と、前記真空工程後に、前記真空チャンバ内に酸素又はアルゴンガスを導入し、前記真空チャンバ内の圧力を前記真空工程における前記真空チャンバ内の圧力よりも高くするガス導入工程と、前記ガス導入工程後に、前記試料を蒸発させ、前記基材上に蒸着させる蒸着工程とを含むことを特徴とする。
本発明に係る照明方法において、前記試料は、サファイアであることが好ましい。
本発明に係る照明方法において、前記多層膜積層工程は、前記接着層上に該接着層よりも屈折率が高い高屈折率層を積層させる高屈折率層積層工程と、前記高屈折率層上に該高屈折率層よりも屈折率が低い低屈折率層を積層させる低屈折率層積層工程とを含むことが好ましい。
本発明によれば、基材と多層膜とが、酸化アルミニウム(Al)を主成分とする材料から形成された屈折率が1.38〜1.53の接着層により接着されていることにより、基材に対する多層膜の密着性が良く、製造が容易な照明装置及び当該照明装置の製造方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る照明装置の概略構成を示す断面図である。 第1実施形態に係る基材及び青色光低減膜の概略構成を示す断面図である。 第1実施形態に係る青色光低減膜の透過特性を示すグラフである。 第1実施形態に係る照明装置の分光スペクトルを示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る照明装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る照明装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の第4実施形態に係る照明装置の概略構成を示す断面図である。 図8(a)は、本発明の第5実施形態に係る照明装置の概略構成を示す斜視図であり、図8(b)は、図8(a)のA−A´線に沿った断面の概略構成を示す断面図であり、図8(c)は、図8(a)のB−B´線に沿った断面の概略構成を示す断面図である。 本発明の第6実施形態に係る照明装置の概略構成を示す断面図である。 従来の白色LEDの分光スペクトルを示すグラフである。
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態に係る照明装置について、図面に基づいて説明する。なお、本発明に係る照明装置は、特に用途が限定されるものではないが、例えば、病院・診療所(クリニック)の手術室、処置室、診察室、分娩室などの医療施設や、老人ホームなどの介護施設や、化粧品、衣服及び生鮮食料品などを扱う各種商業施設や、美術館や博物館などの展示施設などの照明装置として好適に用いることができる。以下、第1実施形態の説明では、手術室に用いられる医療用照明装置(無影照明灯)を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。
第1実施形態に係る医療用照明装置1は、手術室の天井に多関節アーム(図示せず)を介して水平方向及び垂直方向に移動可能に取り付けられた無影照明灯であり、図1に示すように、複数の白色LED(光源)16と、これら白色LED16が取り付けられた回路基板18と、各白色LED16が露出するように回路基板18上に取り付けられた反射鏡20と、各白色LED16が発した光が照射対象物に向かう経路上に設けられ、各白色LED16が発した光を透過させる透光性カバー部材40(基材)と、透光性カバー部材40上に積層された青色光低減膜30とを備えている。
各白色LED16は、400〜500nmの波長領域、特に450nm付近に主発光ピークを有する青色光を発する青色LED(励起光源)と、この青色LEDから発生する青色光で励起される蛍光体とを組み合わせることにより、白色光を作出するよう構成されている。蛍光体としては、例えば、黄色蛍光体や、赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体からなる複合蛍光体等の種々の蛍光体を用いることができる。このように構成された各白色LED16は、図10に示す従来の白色LEDと同様に、4000〜5000Kの色温度において、青色LEDの発光波長である450nm前後に特に鋭いピークが存在する分光スペクトルを有している。
反射鏡20は、プラスチック等の適宜の材料から形成された所定の厚みを有する板材であり、図1に示すように、回路基板18のLED設置面上に設けられている。この反射鏡20は、各白色LED16と整合する位置にそれぞれ、各白色LED16を露出させるための開口部24が形成されている。各開口部24は、基板18との接触面側(背面側)から照射対象物に対向する面側(正面側)に亘って拡径となる略円錐台形状に形成されている。各開口部24は、その内壁面に鏡面加工が施されるか、又はその内壁面が鏡面となる材質、例えばアルミニウム等で形成されることにより、各白色LED16が発した光を照射対象物に向けて反射させ、照射対象物上に照明の光野を形成する反射面22として機能するよう構成されている。
透光性カバー部材40は、例えばプラスチックやガラス等から形成された透明な板部材であり、反射鏡20の開口部24を覆うように反射鏡20の正面側(照射対象物に対向する面側)に設けられている。透光性カバー部材40をプラスチックから形成する場合には、例えばアクリル系樹脂、チオウレタン系樹脂、メタクリル系樹脂、アリル系樹脂、エピスルフィド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エピスルフィド樹脂、ポリエ−テルサルホン樹脂ポリ4−メチルペンテン−1樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂(CR−39)、ポリ塩化ビニル樹脂、ハロゲン含有共重合体、及びイオウ含有共重合体等を好適に用いることが可能である。また、透光性カバー部材40をガラスから形成する場合には、石英ガラス、軟質ガラス、ホウケイ酸ガラス等を好適に用いることが可能である。透光性カバー部材40の屈折率(nd)は、1.4〜1.8程度である。なお、本実施形態の説明において、屈折率(nd)とは、波長589.3nmの光に対する屈折率をいうものとする。第1実施形態では、この透光性カバー部材40が、青色光低減膜30が設けられる基材として機能する。
青色光低減膜30は、図1及び図2に示すように、透光性カバー部材40の出射面(照射対象物に対向する面)上の略全域に積層されたコーティング材である。この青色光低減膜30は、図2に示すように、透光性カバー部材40及び青色光低減膜30を透過する光の400nm〜600nmの波長領域における光強度を主として低減させる多層膜34と、多層膜34を透光性カバー部材40(基材)に接着させる接着層32とを有している。なお、本実施形態では、透光性カバー部材40の出射面上の略全域に青色光低減膜30が設けられるものとして説明するが、これに限定されず、青色光低減膜30は、各白色LED16が発した光が透過する部位(すなわち、反射鏡20の開口部24と対応する部位)にのみ設けられるものとしても良く、また、入射面のみ又は入射面と出射面の双方に設けられるとしても良い。
接着層32は、酸化アルミニウム(Al)を主成分とする材料、好適にはサファイアから形成されている。ここで、サファイアの屈折率(nd)は、1.7程度であるが、本実施形態の接着層32は、後述する蒸着方法により、屈折率(nd)が1.38〜1.53、好ましくは1.49〜1.53、さらに好ましくは1.50となるよう調整されている。接着層32の屈折率(nd)が1.53を超えると、減衰量を低下させることとなり、多層膜34の後述する高屈折率層36が機能しなくなるため、好ましくない。
多層膜34は、図2に示すように、接着層32よりも屈折率が高い高屈折率層36と、高屈折率層36よりも屈折率が低い低屈折率層38とが交互に積層されることにより形成されており、最上層に位置する高屈折率層36が接着層32上に積層されている。具体的には、多層膜34は、接着層32側から順に、高屈折率層36である第一層、低屈折率層38である第二層、高屈折率層36である第三層、低屈折率層38である第四層、高屈折率層36である第五層、及び、低屈折率層38である第六層が積層されることにより、構成されている。
高屈折率層36は、屈折率(nd)が1.60以上、好適には1.60〜2.40程度である高屈折率材料から形成されている。高屈折率材料としては、例えば、プラセオジム(Pr,屈折率1.70程度)、酸化ジルコニウム(ZrO,屈折率2.05程度)、酸化チタン(TiO,屈折率2.50〜2.72程度)、酸化ハフニウム(HfO,屈折率1.95程度)、酸化マグネシウム(MgO,屈折率1.74程度)、酸化イットリウム(Y,屈折率1.87程度)、酸化タンタル(Ta,屈折率2.16程度)及び二酸化ニオブ(Nb,屈折率2.33程度)等から選択される1つを主成分とする材料を用いることができる。高屈折率層36(第一層、第三層及び第五層)の膜厚は、0.5〜1.5nm、好ましくは0.7〜1.0nm、さらに好ましくは0.8nmである。
低屈折率層38は、屈折率(nd)が1.60未満、好適には1.0〜1.55程度である低屈折率材料から形成されている。低屈折率材料としては、例えば、二酸化ケイ素(SiO,屈折率1.46程度)、フッ化マグネシウム(MgF,屈折率1.38程度)及び一酸化ケイ素(SiO,屈折率1.55程度)等から選択される1つを主成分とする材料を用いることができる。低屈折率層38(第二層、第四層及び第六層)の膜厚は、1.0〜1.5nmであることが好ましく、1.5nmであることがさらに好ましい。
このような構成を有することにより、青色光低減膜30は、図3に示すように、400nm〜600nmの波長領域の光の平均透過率が、600nm〜800nmの波長領域の光の平均透過率よりも低い透過特性を有している。具体的には、青色光低減膜30は、図3に示すように、青色光低減膜30に入射する入射光(白色LED16が発した光)の400nm〜500nmの波長領域における最大強度X(図10参照)と、青色光低減膜30を透過した透過光(照射対象物に照射される光)の400nm〜500nmの波長領域における最大強度X(図4参照)とから算出される透過率が、入射光の500nm〜800nmの波長領域における最大強度Y(図10参照)と、透過光の500nm〜800nmの波長領域における最大強度Y(図4参照)とから算出される透過率よりも低い透過特性(透過スペクトル)を有している。
また、青色光低減膜30は、図4に示すように、透過光の400nm〜500nmの波長領域における最大強度Xが、入射光の400nm〜500nmの波長領域における最大強度Xの97%以下、好ましくは93%程度となるよう構成されている。すなわち、青色光低減膜30は、図3に示すように、380nm〜500nmの波長領域において最大強度となる波長(図4及び図10に示す例では450nm前後)の光の透過率が97%以下、好ましくは93%程度である。なお、上述した青色光低減膜30の透過率は、あくまでも一例であり、LED光源(青色光)の特性に応じて、適宜調整することが可能である。具体的には、多層膜34を構成する高屈折率層36及び低屈折率層38の積層数を増やすことにより、青色光低減膜30の透過率が90%以下、さらには85%以下となるよう調整することが可能である。また、多層膜34を構成する高屈折率層36及び低屈折率層38の積層数を減らすことにより、青色光低減膜30の透過率を97%以上に調整することも可能である。
以上の構成を備える青色光低減膜30は、真空蒸着法によって、透光性カバー部材40の出射面上に蒸着されている。以下、青色光低減膜30を透光性カバー部材40上に蒸着させる方法、すなわち、本実施形態に係る医療用照明装置を製造する方法について、説明する。
本実施形態に係る製造方法は、概略的には、透光性カバー部材40(基材)上に接着層32を積層させる接着層積層工程と、接着層32上に多層膜34を積層させる多層膜積層工程とを備えている。
接着層積層工程は、まず、透光性カバー部材40(基材)と、酸化アルミニウム(Al)を主成分とする材料からなる試料(例えばサファイア)とを真空蒸着装置の真空チャンバ内に配置する(配置工程)。次に、真空蒸着装置の減圧手段によって真空チャンバ内を真空状態(例えば、10−6Torr以下)にする(真空工程)。次に、真空チャンバ内の試料に対して電子ビームを照射することにより試料を蒸発させ、真空チャンバ内に配置されている透光性カバー部材40(基材)上に供給し、蒸着させる(蒸着工程)。
この蒸着工程は、真空チャンバ内に配置された透光性カバー部材40(基材)を加熱することなく行われる。すなわち、通常の真空蒸着法では、蒸着対象となる基材をヒータ等の加熱手段により一定温度、例えば200℃〜400℃程度に加熱した状態で蒸着工程を実施している。これに対し、本実施形態では、蒸着対象となる透光性カバー部材40(基材)や膜圧測定・減衰量測定用ガラスに対して、ヒータ等の加熱手段による加熱を一切行うことなく蒸着工程を実施する。このように、本実施形態に係る製造方法は、透光性カバー部材40(基材)を積極的に加熱することなく蒸着工程を実行することにより、酸化アルミニウム(例えばサファイア)の屈折率(nd)を1.7程度から1.38〜1.53にまで低下させることができる。また、本実施形態に係る製造方法は、本来高屈折率材料である酸化アルミニウム(例えばサファイア)を低屈折率化させながら透光性カバー部材40(基材)上に蒸着させることにより、酸化アルミニウム(例えばサファイア)を透光性カバー部材40(基材)に対して強固に密着させることができる。なお、本実施形態の説明において、基材を加熱することがないとは、接着層積層工程前及び接着層積層工程中に、ヒータ等の加熱手段により基材を積極的(意図的)に加熱しないことを意味している。よって、仮に、試料(蒸着材料)に対する加熱に伴う真空チャンバ内の温度の上昇や、蒸発した試料が基材に衝突する際の熱に起因して、基材の温度が数十℃(例えば40℃程度)上昇した場合であっても、ヒータ等の加熱手段により基材を積極的に加熱していない場合には、基材を加熱していないといえる。
なお、本実施形態の説明においては、真空チャンバ内に配置された透光性カバー部材40(基材)を積極的に加熱することなく蒸着工程を実行することにより、酸化アルミニウム(例えばサファイア)の屈折率(nd)を1.7程度から1.38〜1.53にまで低下させるものとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、基材を加熱させない方法に加え、又はこれに代え、真空工程後に、真空蒸着装置のガス供給手段から真空チャンバ内にガスを導入し、真空チャンバ内の圧力を、真空工程における真空チャンバ内の圧力よりも高くした状態で蒸着工程を実行する方法(ガス導入工程)を採用することもできる。具体的には、ガス導入工程は、真空工程において絶対真空(0Torr)〜10−6Torr程度の真空状態とされた真空チャンバ内に酸素又はアルゴンガスを導入し、真空チャンバ内の圧力を10−6Torrより高く、好適には10−5Torr〜10−4Torr程度まで上昇させる工程である。そして、このガス導入工程を実行した後に、上述した蒸着工程を実行する。このような真空チャンバ内に酸素又はアルゴンガスを導入し、真空チャンバ内の圧力を真空工程における真空チャンバ内の圧力よりも高くした状態で蒸着工程を実行する方法によっても、酸化アルミニウム(例えばサファイア)の屈折率(nd)を1.7程度から1.38〜1.53にまで低下させることができる。
多層膜積層工程は、接着層32上に接着層32よりも屈折率が高い高屈折率層36を積層させる高屈折率層積層工程と、高屈折率層36上に高屈折率層36よりも屈折率が低い低屈折率層38を積層させる低屈折率層積層工程とを交互に実施する工程である。
高屈折率層積層工程は、接着層32若しくは低屈折率層38が積層された透光性カバー部材40(基材)と、上述した高屈折率材料とを真空蒸着装置の真空チャンバ内に配置し、真空チャンバ内をほぼ真空となるまで減圧させた後に、真空チャンバ内の高屈折率材料に対して電子ビームを照射することにより高屈折率材料を蒸発させ、真空チャンバ内に配置されている透光性カバー部材40(基材)の接着層32若しくは低屈折率層38上に供給し、蒸着させる工程である。
低屈折率層積層工程は、高屈折率層36が積層された透光性カバー部材40(基材)と、上述した低屈折率材料とを真空蒸着装置の真空チャンバ内に配置し、真空チャンバ内をほぼ真空となるまで減圧させた後に、真空チャンバ内の低屈折率材料に対して電子ビームを照射することにより低屈折率材料を蒸発させ、真空チャンバ内に配置されている透光性カバー部材40(基材)の高屈折率層36上に供給し、蒸着させる工程である。
このように、多層膜積層工程では、高屈折率材料に対する電子ビームの照射と、低屈折率材料に対する電子ビームの照射とを交互に行うことにより、接着層32が積層された透光性カバー部材40(基材)上に、高屈折率層36と低屈折率層38とを交互に形成し、積層することができる。
そして、以上の接着層積層工程及び多層膜積層工程により、透光性カバー部材40(基材)上に青色光低減膜30を成膜させることができる。また、このようにして形成された青色光低減膜30付きの透光性カバー部材40(基材)を、複数の白色LED16、回路基板18及び反射鏡20等からなる照明装置と組み合わせることにより、第1実施形態に係る医療用照明装置1を製造することができる。
以上のような構成要素を備える医療用照明装置1は、白色LED16が発した光が照射対象物に到達する光経路に、透過する光の400nm〜600nmの波長領域における光強度を主として低減させる青色光低減膜30が設けられており、青色光低減膜30を透過した透過光が照射対象物に対して照射されるよう構成されている。すなわち、第1実施形態に係る医療用照明装置1を用いて照射対象物を照射する方法(照明方法)は、光を発する白色LED16と照射対象物との間に、上述の透過特性を有する青色光低減膜30を介在させ、青色光低減膜30を透過した透過光を照射対象物に対して照射するものである。
このような医療用照明装置1によれば、光源として、図10に示すような450nm前後に特に鋭いピークが存在する分光スペクトルを有する白色LED16を用いた場合であっても、特定の透過特性を有する青色光低減膜30を光経路上に介在させることによって、450nm前後の波長の光をカット(低減)させることができる。これにより、第1実施形態に係る医療用照明装置1によれば、照射対象物に対して照射される光を、図4に示すような、450nm前後の鋭いピークが抑えられた(低減された)人体にやさしい光とすることができる。そして、このような利点は、施術者や医療従事者が長時間にわたり高照度環境下におかれる医療施設において、特に顕著となるものである。
また、第1実施形態に係る医療用照明装置1は、青色光低減膜30の接着層32が、酸化アルミニウム(Al)を主成分とする材料、特にサファイアから形成されており、上述した蒸着方法により屈折率が1.38〜1.53となるよう調整されている。このような第1実施形態に係る医療用照明装置1によれば、蒸着時に酸化アルミニウム(特にサファイア)の屈折率を低下させた上でプラスチック又はガラスからなる基材(透光性カバー部材40)上に積層させ、この低屈折率化させた酸化アルミニウム(特にサファイア)を介して、多層膜34を基材(透光性カバー部材40)に積層させているため、多層膜34を基材(透光性カバー部材40)上に直接積層させる場合よりも、多層膜34と基材(透光性カバー部材40)との密着性を飛躍的に向上させることができる。すなわち、第1実施形態に係る医療用照明装置1では、本来高屈折率材料である酸化アルミニウム(特にサファイア)を低屈折率化させてプラスチック又はガラスからなる基材上に積層させているため、屈折率を調整せずに高屈折率材料又は低屈折率材料をプラスチック又はガラスからなる基材上に積層させる場合よりも、基材に対する密着性を飛躍的に向上させることができる。また、第1実施形態に係る医療用照明装置1では、低屈折率化された酸化アルミニウム(特にサファイア)に高屈折率材料からなる高屈折率層を積層させているため、酸化アルミニウム(特にサファイア)と高屈折率層との密着性を十分に確保することができる。
さらに、第1実施形態に係る医療用照明装置1の製造方法は、上述のとおり真空蒸着法により基材(透光性カバー部材40)に青色光低減膜30を積層させるものであるため、クライオポンプ成膜法やイオンアシスト成膜法等の他の成膜法と比べ、青色光低減膜30の成膜を簡単かつ低コストで行うことができる。
本発明に係る照明装置及び照明方法は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内において種々の改変を行なうことができる。
[第2実施形態]
例えば、上述した第1実施形態に係る医療用照明装置1では、青色光低減膜30が設けられる基材が、透光性カバー部材40であるものとして説明したが、これに限定されず、青色光低減膜30が設けられる基材は、例えば図5に示す第2実施形態のように、反射鏡であるとしても良い。
すなわち、第2実施形態に係る医療用照明装置110は、図5に示すように、複数の白色LED(光源)116と、これら白色LED116が取り付けられた回路基板118と、各白色LED116が露出するように回路基板118上に取り付けられ、各白色LED116が発した光を照射対象物に対して反射させる反射鏡120と、反射鏡120の反射面122上(すなわち、白色LED116が発した光を反射させる部位)に積層された青色光低減膜130とを備えている。なお、これら白色LED116、回路基板118、反射鏡120及び青色光低減膜130は、第1実施形態に係る医療用照明装置1の白色LED16、回路基板18、反射鏡20及び青色光低減膜30と同様のものを用いることが可能であるため、その説明を省略する。また、図示の例では、透光性カバー部材が設けられていないが、透光性カバー部材が設けられる構成としても良く、この場合には、反射鏡120の反射面122に加え又はこれに代え、透光性カバー部材に青色光低減膜が設けられる構成としても良い。
[第3実施形態]
例えば、上述した第1実施形態に係る医療用照明装置1では、白色LED16を露出させるための開口部24を反射面22として機能させる構成を例に挙げて説明したが、これに限定されず、反射鏡は、白色LEDが発した光を照射対象物に向けて反射させるように構成されるものであれば良く、例えば図6に示す第3実施形態のように、白色LED216を反射面222に対向配置させる構成としても良い。
すなわち、第3実施形態に係る医療用照明装置210は、図6に示すように、照射対象物に向けて開口する複数の凹部が形成された反射鏡220と、反射鏡220の開口面側(照射対象物側の面)上に設けられた回路基板218と、回路基板218の反射鏡220の各凹部と整合する位置に設けられた複数の白色LED216と、反射鏡220の各反射面222上に設けられた青色光低減膜230とを備えている。
反射鏡220の各凹部は、白色LED216に向かって凹状の円錐曲面を有し、その内壁面に鏡面加工が施されるか、又はその内壁面が鏡面となる材質、例えばアルミニウム等で形成されることにより、各白色LED216が発した光を照射対象物に向けて反射させ、照射対象物上に照明の光野を形成する反射面222として機能するよう構成されている。
白色LED216は、反射面222の焦点位置に位置するように配置されており、回路基板218は、反射面222により反射された光が通過可能な形状、例えば三叉状に形成されている。なお、白色LED216及び青色光低減膜230は、第1実施形態に係る医療用照明装置1で用いた白色LED16及び青色光低減膜30と同じものを用いることができるため、その説明を省略する。また、図示の例では、透光性カバー部材が設けられていないが、透光性カバー部材が設けられる構成としても良く、この場合には、反射鏡220の反射面222に加え、透光性カバー部材にも青色光低減膜が設けられる構成としても良い。すなわち、第3実施形態では、反射鏡220が、青色光低減膜230が設けられる基材として機能しても良いし、反射鏡220及び透光性カバー部材の双方が、青色光低減膜230が設けられる基材として機能しても良い。
[第4実施形態]
上述した第1実施形態では、医療用照明装置(無影照明灯)を例に挙げて説明したが、これに限定されず、例えば図7に示す第4実施形態のように、天井等に埋設される円形状の埋込型照明装置(ダウンライト)であるとしても良い。
すなわち、第4実施形態に係る埋込型照明装置301は、天井等に埋設可能に構成されており、図7に示すように、白色LED316が取り付けられた回路基板318と、白色LED316が露出するように回路基板318上に取り付けられた反射鏡320と、反射鏡320の開口部を覆うように反射鏡320の正面側(照射対象物に対向する面側)に設けられた半円球状の透光性カバー部材340と、反射鏡320の反射面322上及び透光性カバー部材340上に設けられた(積層された)青色光低減膜330a,330bとを備えている。なお、白色LED316及び青色光低減膜330a,330bは、第1実施形態に係る医療用照明装置1で用いた白色LED16及び青色光低減膜30と同じものを用いることができるため、その説明を省略する。また、第4実施形態に係る埋込型照明装置301において、例えば図6に示す第3実施形態と同様に、白色LED316を反射面322に対向配置させる構成としても良い。さらに、第4実施形態に係る埋込型照明装置301において、青色光低減膜330a,330bは、反射鏡320の反射面322及び透光性カバー部材340のいずれか一方にのみ設けられるとしても良い。すなわち、第4実施形態では、反射鏡320及び透光性カバー部材340の双方が、青色光低減膜330が設けられる基材として機能しても良いし、反射鏡320及び透光性カバー部材340のいずれか一方のみが、青色光低減膜330が設けられる基材として機能しても良い。
[第5実施形態]
また、本発明に係る照明装置は、上述した第4実施形態の円形状埋込型照明装置(ダウンライト)の他にも様々な種類の照明装置として用いることができ、例えば図8に示す第5実施形態のように、天井等に埋設される矩形状の埋込型照明装置(スクエア照明装置)としても良い。
すなわち、第5実施形態に係る埋込型照明装置401は、図8(a)〜図8(c)に示すように、天井等に埋設可能に構成された矩形筒状のハウジング414と、ハウジング414の下端開口を覆うように設けられた矩形状の透光性カバー部材440と、ハウジング414の上端開口を覆うように設けられた矩形状の回路基板418と、回路基板418の透光性カバー部材440と対向する面に取り付けられた複数の白色LED416と、複数の白色LED416が発した光を照射対象物に向けて反射させるように設けられた反射鏡420と、反射鏡420の反射面422上及び透光性カバー部材440上に設けられた(積層された)青色光低減膜430a,430bとを備えている。
白色LED416は、基板418の長手方向に沿って一列設けられている。反射鏡420は、基板418の幅方向に沿った断面形状が、白色LED416を中心として背面側(基板418との接触面側)から正面側(照射対象物に対向する面側)に亘って拡径となる略円錐台形状に形成されている。なお、白色LED416及び青色光低減膜430a,430bは、第1実施形態に係る医療用照明装置1で用いた白色LED16及び青色光低減膜30と同じものを用いることができるため、その説明を省略する。また、第5実施形態に係る埋込型照明装置401において、例えば図6に示す第3実施形態と同様に、白色LED416を反射面422に対向配置させる構成としても良い。さらに、第5実施形態に係る埋込型照明装置401において、青色光低減膜430a,430bは、反射鏡420の反射面422及び透光性カバー部材440のいずれか一方にのみ設けられるとしても良い。すなわち、第5実施形態では、反射鏡420及び透光性カバー部材440の双方が、青色光低減膜430a,430bが設けられる基材として機能しても良いし、反射鏡420及び透光性カバー部材440のいずれか一方のみが、青色光低減膜430a(430b)が設けられる基材として機能しても良い。
[第6実施形態]
また、上述した第1〜第5実施形態では、反射鏡の反射面上、及び/又は、透光性カバー部材上に青色光低減膜が設けられるものとして説明したが、これに限定されず、例えば図9に示す第6実施形態のように、白色LED516の表面上に青色光低減膜530が設けられるとしても良い。
すなわち、第6実施形態に係る照明装置は、図9に示すように、LED素子516a(光源)と、このLED素子516bの周囲に設けられた透光性キャップ部材516b(モールド部材、基材)とを有する白色LED516と、透光性キャップ部材516bの表面上に設けられた(積層された)青色光低減膜530とを備えている。なお、青色光低減膜530は、第1実施形態に係る医療用照明装置1で用いた青色光低減膜30と同じものを用いることができるため、その説明を省略する。また、第6実施形態に係る照明装置において、青色光低減膜530が積層された白色LED516以外の構成は、第1〜第5実施形態に係る照明装置と同様とすることができるため、その説明を省略する。
[その他の代替例]
上述した第1〜第6実施形態の他に、例えば、以下の代替例を採用することができる。なお、これら代替例は例示であり、以下の態様に限定されるものではない。
第1〜第6実施形態に係る説明では、青色光低減膜の特性を透過スペクトル(透過率)により定義したが、これに限定されず、上述した透過特性と同視し得るものであれば、反射スペクトル(反射率)等の種々の方法により青色光低減膜の特性を定義しても良い。なお、上述した実施形態において、透過率とは、透光性カバー部材上又は透光性キャップ部材上に青色光低減膜を設ける場合においては、青色光低減膜に入射した光が青色光低減膜から出射される光経路における透過率をいい、反射鏡の反射面に青色光低減膜を設ける場合においては、青色光低減膜に入射した光が反射面に反射されて青色光低減膜から出射される光経路における透過率をいうものとする。
1,110,210,301,401 照明装置、16,116,216,316,416,516a 光源、20,120,220,320,420 反射鏡(基材)、22,122,222,322,422 反射面、30,130,230,330a,330b,430a,430b,530 青色光低減膜、32 接着層、34 多層膜、36 高屈折率層、38 低屈折率層、40,340,440 透光性カバー部材(基材)、516b 透光性キャップ部材(基材)

Claims (11)

  1. 照射対象物に対して光を照射する照明装置であって、
    光を発する光源と、
    前記光源が発した光を透過又は反射させる基材と、
    前記基材の前記光源が発した光を透過又は反射させる部位に設けられた青色光低減膜と
    を備え、
    前記青色光低減膜は、透過又は反射する光の400nm〜600nmの波長領域における光強度を主として低減させる多層膜と、前記多層膜を前記基材に接着させる接着層とを有し、
    前記接着層は、酸化アルミニウム(Al)を主成分とする材料から形成されており、屈折率が1.38〜1.53である
    ことを特徴とする照明装置。
  2. 前記接着層は、屈折率が1.38〜1.53に調整されたサファイアから形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記多層膜は、前記接着層よりも屈折率が高い高屈折率層と、該高屈折率層よりも屈折率が低い低屈折率層とが交互に積層されることにより形成されており、最上層に位置する前記高屈折率層が前記接着層上に積層されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
  4. 前記基材は、プラスチック又はガラスから形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の照明装置。
  5. 前記基材は、透光性を有するカバー部材であり、
    前記青色光低減膜は、前記カバー部材の入射面及び出射面の少なくとも一方に設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の照明装置。
  6. 前記基材は、反射面を有する反射鏡であり、
    前記青色光低減膜は、前記反射鏡の反射面に設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の照明装置。
  7. 前記光源は、LED素子であり、
    前記基材は、前記LED素子の周囲に設けられる透光性キャップ部材であり、
    前記青色光低減膜は、前記透光性キャップ部材上に設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の照明装置。
  8. 請求項1〜7いずれか1項に記載の照明装置を製造するための方法であって、
    前記基材上に前記接着層を積層させる接着層積層工程と、
    前記接着層上に前記多層膜を積層させる多層膜積層工程と
    を備え、
    前記接着層積層工程は、
    真空チャンバ内に、前記基材と、酸化アルミニウム(Al)を主成分とする材料からなる試料とを配置する配置工程と、
    前記配置工程後に、前記真空チャンバ内を真空にする真空工程と、
    前記真空工程後に、前記試料を蒸発させ、前記基材上に蒸着させる蒸着工程と
    を含み、
    前記蒸着工程は、前記基材を加熱することなく実行される
    ことを特徴とする照明装置の製造方法。
  9. 請求項1〜7いずれか1項に記載の照明装置を製造するための方法であって、
    前記基材上に前記接着層を積層させる接着層積層工程と、
    前記接着層上に前記多層膜を積層させる多層膜積層工程と
    を備え、
    前記接着層積層工程は、
    真空チャンバ内に、前記基材と、酸化アルミニウム(Al)を主成分とする材料からなる試料とを配置する配置工程と、
    前記配置工程後に、前記真空チャンバ内を真空にする真空工程と、
    前記真空工程後に、前記真空チャンバ内に酸素又はアルゴンガスを導入し、前記真空チャンバ内の圧力を前記真空工程における前記真空チャンバ内の圧力よりも高くするガス導入工程と、
    前記ガス導入工程後に、前記試料を蒸発させ、前記基材上に蒸着させる蒸着工程と
    を含む
    ことを特徴とする照明装置の製造方法。
  10. 前記試料は、サファイアである
    ことを特徴とする請求項8又は9に記載の照明装置の製造方法。
  11. 前記多層膜積層工程は、
    前記接着層上に該接着層よりも屈折率が高い高屈折率層を積層させる高屈折率層積層工程と、
    前記高屈折率層上に該高屈折率層よりも屈折率が低い低屈折率層を積層させる低屈折率層積層工程と
    を含む
    ことを特徴とする請求項8〜10いずれか1項に記載の照明装置の製造方法。
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