JPH077126B2 - 合成樹脂部材の反射鏡 - Google Patents

合成樹脂部材の反射鏡

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JPH077126B2 JP15173186A JP15173186A JPH077126B2 JP H077126 B2 JPH077126 B2 JP H077126B2 JP 15173186 A JP15173186 A JP 15173186A JP 15173186 A JP15173186 A JP 15173186A JP H077126 B2 JPH077126 B2 JP H077126B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はレーザビームプリンター、特にレーザ光学系な
どの45゜ミラーおよびポリゴンミラー等に用いうる、合
成樹脂部材の反射鏡に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、光学系部材としての反射鏡、特に45゜ミラー、ポ
リゴンミラーは、ガラス部材の表面に第1層としてCrを
第2層として銅を蒸着したものが用いられており、蒸着
させた銅の耐腐食性向上のために、高温に加熱し、銅の
上層部に増反射を兼ねた保護膜を形成していた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
反射鏡の製作コストダウンのために、ガラスにかえて合
成樹脂部材を基板としてその表面に銅を真空蒸着したも
のを使用することが試みられたが、この場合は基板を高
温に加熱しておいて蒸着することが出来ず、低温で真空
蒸着する必要があり、成膜された銅の耐腐食性が充分で
なく、これが実用化をさまたげるネックとなっていた。
また、合成樹脂基板の表面を精密仕上げしておいても、
その表面に直接銅を真空蒸着した場合、銅の密着性が充
分ではなく、耐久性に問題があった。
本発明は上記問題点を解決して、合成樹脂部材を用いな
がら密着性および耐腐食性の充分な反射鏡を提供するこ
とにより、反射鏡の製作コストダウンを可能とすること
を目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は合成樹脂部材よりなる基板面上に、SiO,Crおよ
びCuの各層がこの順序に形成されており、かつ少くとも
Cu層の上層として更にCuの酸化物層が形成されているこ
とを特徴とする合成樹脂部材の反射鏡である。
本発明の反射鏡はレーザ光学系の45゜ミラー、ポリゴン
ミラー等の近赤外反射ミラーなどに特に適している。
本発明で用いる合成樹脂部材は、キャスティング精密成
形またはインジェクション精密成形されたポリスチレ
ン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリメチル
メタクリレート、ポリカーボネートなどが好ましく、更
に通常その基板面は超研削してから積層に供する。
積層される第1層はSiO層、第2層はCr層であり、これ
らは第3層とて積層するCuの基板面への密着性を向上す
るためのものであり、SiO層は光学的膜厚約0.5λ程度の
ものを真空蒸着法により積層するのが好ましい。また、
Cr層は機械的膜厚300〜500Å程度のものを真空蒸着法に
より積層するのが好ましい。
本発明においてはCu層はCr層よりも上に積層されてお
り、かつCu層の上層として少くともCuの酸化物層が形成
されていることが必要であり、Cuの酸化物層はCu層の耐
腐食性向上の目的で設けるものであり、この目的は、Cr
層とCu層との間にもCuの酸化物層が形成されていると更
に効果的に達成される。
Cu層は、機械的膜厚約1000Å程度のものを真空蒸着法に
より形成するのが好ましく、Cuの酸化物層は機械的膜厚
50乃至400Å程度のものが好ましく、その形成手段は真
空度1〜3×10-4Torr程度の酸素環境の高周波プラズマ
雰囲気にてCuの活性化反応性蒸着によるのが好ましい
が、Cu層の上層として形成する場合は、Cu層の成膜後、
その表面を真空度2〜4×10-4Torr程度の酸素環境の高
周波プラズマ雰囲気に数分間晒すと、Cu層の表面が酸化
されて酸化物層を形成するので、上述のCuの活性化反応
性蒸着法に代えて好適に採用しうる。
本発明の反射鏡は、上記の如く形成したCuの酸化物層の
上に、更に増反射の目的で、低屈折率で の金属酸化物被膜および高屈折率で の金属酸化物被膜をこの順序に積層し、更に最上層とし
て表面硬化の目的で、低屈折率で光学的膜厚約0.05λの
金属酸化物被膜を形成すると、より品質のすぐれた反射
鏡となるので好ましい。低屈折率で の金属酸化物はAl2O3またはSiO2、高屈折率で の金属酸化物はTiO2,CeO2,ZrO2,Ta2O5またはZrO2とTiO2
の混合物、最上部の表面硬化層はSiO2が好ましく、これ
らの酸化物被膜の形成手段はCuの酸化物被膜形成の場合
と同様に、1×10-4〜3×10-4Torrの酸化環境の高周波
プラズマ雰囲気において、それぞれ対応する金属もしく
は低次酸化物の活性化反応性蒸着により行うのが好まし
い。
本発明は元来合成樹脂部材の反射鏡であるが、これを製
造するために採用する成膜手段は、部材がガラスまたは
アルミニウムなどの軽金属である場合にも適用可能であ
り、成膜手段がすべて低温で行われるので、合成樹脂以
外の部材を用いた反射鏡の製造に適用した場合、成膜後
すぐに成膜装置よりとり出すことが出来るので、その製
造コストの低減が可能である。
〔発明の効果〕
本発明の反射鏡は耐腐食性に秀れ、反射面の密着性に秀
れている上に、合成樹脂部材上に形成されているので低
コストで製造可能である。また、Cuの酸化物層上に更に
増反射層および表面硬化層を設けることにより耐摩耗
性、耐溶剤性にすぐれ、且特に近赤外領域にすぐれた反
射特性を有するものとすることが出来る。
〔実施例〕
以下に図面を参照しながら実施例をあげて更に本発明を
説明する。
実施例1 第1図にその構造断面図を示すポリゴンミラーを、下記
の成膜手段で作製した。
キャスティング精密成形して得られたポリカーボネート
のポリゴンミラー用部材1.1の表面を超研削したのち、
真空度2×10-5TorrにおいてSiOを光学的膜厚が0.5λ
(設計波長λ=480nm)になるまで蒸着してSiO層2.1を
成膜した。次いで同じ真空度において機械的膜厚が400
Åに達するまでCrを蒸着してCr層3.1を成膜した。次い
で同じ真空度において機械的膜厚が1000Åに達するまで
Cuを蒸着してCu層4.1を成膜した。
次に酸素を蒸着装置内に導入することにより真空度を2
×10-4Torrとし、酸素環境の高周波プラズマ(印加高周
波13.56MHz,100W)雰囲気にてCuの活性化反応性蒸着を
機械的膜厚150Åに達するまで行い、Cuの酸化物層5.1を
成膜することにより本発明のポリゴンミラーを得た。
実施例2 第2図にその構造断面図を示すポリゴンミラーを、下記
の成膜手段で作製した。
インジェクション精密成形して得られたポリメチルメタ
クリレートのポリゴンミラー用部材1.1の表面を超研削
したのち、実施例1と同じ方法でSiO層2.1およびCr層3.
1を順次成膜した。
次に酸素を蒸着装置内に導入することにより真空度を2
×10-4Torrとし、酸素環境の高周波プラズマ(印加高周
波13.56MHz,100W)雰囲気にてCuの活性化反応性蒸着を
機械的膜厚150Åに達する迄行い、Cuの酸化物層3.2を成
膜した。
次いで再び実施例1と同じ方法でCu層4.1およびCuの酸
化物層5.1を順次積層することによりCu層4.1がCuの酸化
物層3.2および5.1によってサンドイッチされた本発明の
ポリゴンミラーを得た。
実施例3 第1図にその構造断面図を示すポリゴンミラーを、下記
の成膜手段で作製した。
インジェクション精密成形して得られたアクリロニトリ
ル−スチレン共重合体のポリゴンミラー用部材1.1の表
面を超研削したのち、実施例1と同じ方法でSiO層2.1,C
r層3.1およびCu層4.1を順次成膜した。
次に酸素を蒸着装置内に導入することにより真空度を3
×10-4Torrとしておいて、酸素環境の高周波プラズマ
(印加高周波13.56MHz,150W)雰囲気に4.5分間晒すこと
により、先に成膜したCu層4.1のうち表面から約100Åを
酸化銅層5.1に変えて、本発明のポリゴンミラーを得
た。
実施例4 第3図にその構造断面図を示すポリゴンミラーを、下記
の成膜手段で作製した。
キャスティング精密成形して得られたポリスチレンのポ
リゴンミラー用部材1.1の表面を超研削したのち、実施
例1と同じ方法でSiO層2.1,Cr層3.1,Cu層4.1およびCuの
酸化物層5.1を順次成膜した。
次いで3×10-4Torrの酸素環境の高周波プラズマ(印加
高周波13.56MHz,100W)雰囲気にて低次のAl2O3の活性化
反応性蒸着を (設計波長λ=700nm)に達するまで行い、高次のAl2O3
層6.1を成膜し、更に3×10-4Torrの酸素環境の高周波
プラズマ(印加高周波13.56MHz,100W)雰囲気にて低次
のTiOの活性化反応性蒸着を (設計波長λ=450nm)に達するまで行い、高次のTiO2
層7.1を成膜し、最後に1.5×10-4Torrの酸素環境の高周
波プラズマ(印加高周波13.56MHz,100W)雰囲気にて低
次のSiOの活性化反応性蒸着を光学的膜厚0.05λ(設計
波長λ=400nm)に達するまで行ってSiO2層8.1の表面硬
化膜を形成し、本発明のポリゴンミラーを得た。
実施例5 実施例4において、TiO2層7.1の代りに、CeO2,ZrO2,Ta2
O5またはZrO2とTiO2との混合物よりなる層7.1を、真空
度1×10-4〜3×10-4Torrの酸素環境の高周波プラズマ
(印加高周波13.56MHz,100W)雰囲気にて、それぞれの
金属または低次酸化物の活性化反応性蒸着を光学的膜厚
λ/2(設計波長λ=450nm)に達するまでそれぞれ行う
ことにより成膜した以外は、実施例4と同様に積層膜を
形成することにより、本発明のポリゴンミラーを得た。
第4図は実施例4および5で得られた反射鏡の分光反射
率特性(S偏光)を示したもので、図を見てわかるよう
に該反射鏡は近赤外波長域において高反射率を有してい
る。又、従来の近赤外反射鏡の増反射膜が光学部材を25
0℃前後に加熱し、その後成膜し、数時間徐冷後蒸着装
置より取り出しているのに対し、実施例4および5では
低温で成膜処理が行われるため成膜後即時蒸着装置より
取り出すことが出来るため、コストの大幅な低減が出来
ると同時に従来の光学部材(ガラス材、軽金属研削部
材)に対しても本発明が適用できる。
実施例4および5で得た合成樹脂部材の反射鏡の強度を
調べるために、密着性テスト、耐摩耗テスト、耐溶剤性
テスト、耐環境性テストの4つのテストを行った。各テ
ストの内容は以下に示すとおりである。
1) 密着性テスト:上記反射鏡の表面にセロハンテー
プ(ニチバン)を接着させた後この表面にほぼ垂直な角
度で、すばやくとりのぞくテストを15回繰返し、蒸着膜
の剥離が生ずるかを調べる。
2) 耐摩耗テスト:上記反射鏡の表面をレンズ拭き紙
(シルボン紙)で包んだ測定子で耐摩耗往復動試験機を
用い3kg/cm2の圧で50往復こすり、異状が生ずるか調べ
る。
3) 耐溶剤テスト:上記反射鏡の表面をエーテル、ア
ルコール(7:3)混合液をふくんだレンズ拭き紙(シル
ボン紙)で500g/cm2圧で50往復こすり、異状が生ずるか
調べる。
4) 耐環境テスト:上記反射鏡を温度45℃、相対湿度
95%の恒温恒湿槽中に1000時間放置し、異状が生ずるか
調べる。
この4テストの結果はどのテストにおいても異状がみら
れず、従来のガラス部材及軽金属(主としてアルミ)に
対する高温成膜法で作られた膜に比べて、実施例4およ
び5で得た反射鏡の膜は、極めて強い膜であることが判
明した。
【図面の簡単な説明】
第1乃至第3図は本発明の反射鏡の構造断面図であり、
第4図は本発明の実施例4および5で得られた反射鏡の
分光反射率特性を示すグラフで、横軸は波長、たて軸は
反射率、θは光の入射角を表わす。 1.1:合成樹脂部材の基板 2.1:SiO 3.1:Cr 3.2:Cuの酸化物 4.1:Cu 5.1:Cuの酸化物 6.1:低屈折率の金属酸化物 7.1:高屈折率の金属酸化物 8.1:低屈折率の金属酸化物

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂部材よりなる基板面上に、SiO,Cr
    およびCuの各層がこの順序に形成されており、かつ少く
    ともCu層の上層として更にCuの酸化物層が形成されてい
    ることを特徴とする合成樹脂部材の反射鏡。
  2. 【請求項2】Cr層とCu層との間にもCuの酸化物層が更に
    形成されている特許請求の範囲第1項記載の反射鏡。
  3. 【請求項3】Cu層の上層として形成されているCuの酸化
    物層の上に、更に低屈折率で の金属酸化物被膜、高屈折率で の金属酸化物被膜、および低屈折率で光学的膜厚約0.05
    λの金属酸化物被膜よりなる各層がこの順序に形成され
    ている特許請求の範囲第1項または第2項記載の反射
    鏡。
  4. 【請求項4】上記低屈折率で の金属酸化物がAl2O3またはSiO2であり、上記高屈折率
    の金属酸化物がTiO2,CeO2,ZrO2,Ta2O5またはZrO2とTiO2
    の混合物であり、上記低屈折率で光学的膜厚約0.05λの
    金属酸化物がSiO2である特許請求の範囲第3項記載の反
    射鏡。
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JPH04253001A (ja) * 1991-01-30 1992-09-08 Seikosha Co Ltd 赤外線反射ミラー
JP3005971B2 (ja) * 1992-05-09 2000-02-07 株式会社堀場製作所 多層膜光学フイルタ
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