JPH0718961B2 - 帯域透過フィルタ - Google Patents
帯域透過フィルタInfo
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- JPH0718961B2 JPH0718961B2 JP59054661A JP5466184A JPH0718961B2 JP H0718961 B2 JPH0718961 B2 JP H0718961B2 JP 59054661 A JP59054661 A JP 59054661A JP 5466184 A JP5466184 A JP 5466184A JP H0718961 B2 JPH0718961 B2 JP H0718961B2
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- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B5/00—Optical elements other than lenses
- G02B5/20—Filters
- G02B5/28—Interference filters
- G02B5/285—Interference filters comprising deposited thin solid films
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- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Optical Filters (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、帯域透過フィルタ、特に、測定セル内で赤
外線吸収が起こり検出器に到達する赤外線の量が変化す
ることで測定成分ガスの濃度を測定する赤外線ガス分析
計の測定セルと検出器との間または測定セルと光源との
間に配置され、それによって、測定成分ガスと妨害成分
ガスとの吸収帯が重なっていたり、検出器内に妨害成分
ガスが微量に残存したりする場合に表れる干渉影響を低
減または除去しうる帯域透過フィルタに関する。
外線吸収が起こり検出器に到達する赤外線の量が変化す
ることで測定成分ガスの濃度を測定する赤外線ガス分析
計の測定セルと検出器との間または測定セルと光源との
間に配置され、それによって、測定成分ガスと妨害成分
ガスとの吸収帯が重なっていたり、検出器内に妨害成分
ガスが微量に残存したりする場合に表れる干渉影響を低
減または除去しうる帯域透過フィルタに関する。
従来、高屈折率物質として屈折率がほぼ4のゲルマニウ
ム(以下、Geと表す)、低屈折率物質として一酸化ケイ
素(以下、SiOと表す)を交互に真空蒸着した多層膜干
渉フィルタが赤外領域の帯域透過フィルタとして用いら
れている。前記GeとSiOは、蒸着基板となじみの良さお
よび両材料どうしのなじみの良さ、さらには、蒸着中に
安定であることから、赤外の蒸着材料として多用されて
いる。
ム(以下、Geと表す)、低屈折率物質として一酸化ケイ
素(以下、SiOと表す)を交互に真空蒸着した多層膜干
渉フィルタが赤外領域の帯域透過フィルタとして用いら
れている。前記GeとSiOは、蒸着基板となじみの良さお
よび両材料どうしのなじみの良さ、さらには、蒸着中に
安定であることから、赤外の蒸着材料として多用されて
いる。
ところで、これらの蒸着材料を用いて構成した帯域透過
フィルタは、その物性的な良さを有する反面、次のよう
な光学的欠点を有している。すなわち、高屈折率物質と
低屈折率物質とからなる多層膜構成が基板あるいは空気
または両者との光学的マッチングが悪い場合、その透過
帯においてリップルが発生し、かつその透過率が低いと
いう欠点がある。
フィルタは、その物性的な良さを有する反面、次のよう
な光学的欠点を有している。すなわち、高屈折率物質と
低屈折率物質とからなる多層膜構成が基板あるいは空気
または両者との光学的マッチングが悪い場合、その透過
帯においてリップルが発生し、かつその透過率が低いと
いう欠点がある。
この欠点を改善するために、基板と多層膜との間および
多層膜と空気との間に対称な三層膜(等価膜)を設け、
この三層膜により光学的マッチングをとるという所謂等
価膜理論が提案されている。この理論は、L.Epstein氏
の論文〔J.Opt.Soc.Amer,Vol.42,806(1952)〕と、A.T
helen氏の論文〔J.Opt.Soc.Amer,Vol.56,1533(196
6)〕に詳しい。
多層膜と空気との間に対称な三層膜(等価膜)を設け、
この三層膜により光学的マッチングをとるという所謂等
価膜理論が提案されている。この理論は、L.Epstein氏
の論文〔J.Opt.Soc.Amer,Vol.42,806(1952)〕と、A.T
helen氏の論文〔J.Opt.Soc.Amer,Vol.56,1533(196
6)〕に詳しい。
そして、この理論によれば、一つの波長においてのみ所
望の等価屈折率が得られるというもので、その波長から
ずれると等価屈折率が大きく変化し(これを等価膜理論
における分散効果と言う。多くの場合、この傾向を示
す。)。所望の透過帯の大部分においてミスマッチを起
こすことが多い。
望の等価屈折率が得られるというもので、その波長から
ずれると等価屈折率が大きく変化し(これを等価膜理論
における分散効果と言う。多くの場合、この傾向を示
す。)。所望の透過帯の大部分においてミスマッチを起
こすことが多い。
また、この等価膜理論と同じ観点から、特開昭57−2681
1号公報には、基板と多層膜との間に基板へ光学的に整
合させるための整合層がスペーサ層を介して基板に隣接
して設けられているとともに、多層膜と入射媒質(空
気)との間に、入射媒質へ光学的に整合させるための整
合層がスペーサ層を介して入射媒質に接して設けられ、
それによって、斜めからの入射光線に対し偏向特性を改
善した狭い帯域濾波フィルタが提案されている。
1号公報には、基板と多層膜との間に基板へ光学的に整
合させるための整合層がスペーサ層を介して基板に隣接
して設けられているとともに、多層膜と入射媒質(空
気)との間に、入射媒質へ光学的に整合させるための整
合層がスペーサ層を介して入射媒質に接して設けられ、
それによって、斜めからの入射光線に対し偏向特性を改
善した狭い帯域濾波フィルタが提案されている。
さらに、この等価屈折率の分散を改善するために、特公
昭49−19814号公報には、非対称性を導入した擬似等価
膜の理論が提案されている。
昭49−19814号公報には、非対称性を導入した擬似等価
膜の理論が提案されている。
このような分散効果を低減するために、等価膜の材料と
して多層膜に使用される材料とは違った第三の屈折率を
もった材料を用いるといった提案(例えば前記A.Thelen
氏の論文やC.Jacobs女史の論文〔Appl.Optics.Vol.20,1
039(1981)〕がなされているが、第三の材料を使用す
ることは真空蒸着時の困難性を倍加するし、蒸着材料の
物性的利点を損なうという欠点がある。
して多層膜に使用される材料とは違った第三の屈折率を
もった材料を用いるといった提案(例えば前記A.Thelen
氏の論文やC.Jacobs女史の論文〔Appl.Optics.Vol.20,1
039(1981)〕がなされているが、第三の材料を使用す
ることは真空蒸着時の困難性を倍加するし、蒸着材料の
物性的利点を損なうという欠点がある。
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、第
三の材料を使用しなくても、基板と多層膜、多層膜と空
気との間の光学的マッチングが良好で、透過率を高める
とともに、透過帯におけるリップルを低減することがで
きる帯域透過フィルタを提供することを目的としてい
る。
三の材料を使用しなくても、基板と多層膜、多層膜と空
気との間の光学的マッチングが良好で、透過率を高める
とともに、透過帯におけるリップルを低減することがで
きる帯域透過フィルタを提供することを目的としてい
る。
上記目的を達成するため、この発明は、測定セル内で赤
外線吸収が起こり検出器に到達する赤外線の量が変化す
ることで測定成分ガスの濃度を測定する赤外線ガス分析
計の測定セルと検出器との間または測定セルと光源との
間に配置され、それによって、測定成分ガスと妨害成分
ガスとの吸収帯が重なっていたり、検出器内に妨害成分
ガスが微量に残存したりする場合に表れる干渉影響を低
減または除去しうる帯域透過フィルタにおいて、サファ
イアまたは石英からなる基板と、この基板の屈折率に対
して実質的に大きな屈折率をもつ高屈折率材料としてG
e、低屈折率材料としてSiOを用いて構成された多層膜と
の間に三層構造の調整層を挿入するとともに、この調整
層の外側層である第一層および第三層をSiO、内側層で
ある第二層をGeで構成している。
外線吸収が起こり検出器に到達する赤外線の量が変化す
ることで測定成分ガスの濃度を測定する赤外線ガス分析
計の測定セルと検出器との間または測定セルと光源との
間に配置され、それによって、測定成分ガスと妨害成分
ガスとの吸収帯が重なっていたり、検出器内に妨害成分
ガスが微量に残存したりする場合に表れる干渉影響を低
減または除去しうる帯域透過フィルタにおいて、サファ
イアまたは石英からなる基板と、この基板の屈折率に対
して実質的に大きな屈折率をもつ高屈折率材料としてG
e、低屈折率材料としてSiOを用いて構成された多層膜と
の間に三層構造の調整層を挿入するとともに、この調整
層の外側層である第一層および第三層をSiO、内側層で
ある第二層をGeで構成している。
そして、この発明において、基板の屈折率に対して実質
的に大きな屈折率比をもつ帯域透過フィルタの基板とし
ては、通常、サファイヤ、石英が多用されており、これ
らの屈折率に対するきわめて大きな屈折率比(高屈折率
材料の屈折率/基板の屈折率)、すなわち、2.5以上の
屈折率を有する、例えばGeのように、屈折率がほぼ4で
ある高屈折率材料を意味する。したがって、当該分野の
赤外領域を透過帯域にもつ帯域透過フィルタでは、基板
の屈折率と蒸着材料と屈折率との屈折率比が大きいほど
リップルが発生しやすい、その調整も難しいというのが
一般的である。
的に大きな屈折率比をもつ帯域透過フィルタの基板とし
ては、通常、サファイヤ、石英が多用されており、これ
らの屈折率に対するきわめて大きな屈折率比(高屈折率
材料の屈折率/基板の屈折率)、すなわち、2.5以上の
屈折率を有する、例えばGeのように、屈折率がほぼ4で
ある高屈折率材料を意味する。したがって、当該分野の
赤外領域を透過帯域にもつ帯域透過フィルタでは、基板
の屈折率と蒸着材料と屈折率との屈折率比が大きいほど
リップルが発生しやすい、その調整も難しいというのが
一般的である。
このように、元来、赤外領域の技術にはリップルの低減
が難しいという独特の問題点が存在するものであって、
これを克服しようと多くの技術者が鋭意努力を重ねてい
る。その結果として、既に従来技術として挙げたよう
に、三層等価膜や三層擬似等価膜によって光学的なマッ
チングなどの改善策が提案されている。
が難しいという独特の問題点が存在するものであって、
これを克服しようと多くの技術者が鋭意努力を重ねてい
る。その結果として、既に従来技術として挙げたよう
に、三層等価膜や三層擬似等価膜によって光学的なマッ
チングなどの改善策が提案されている。
この発明の発明者も、これらの従来技術を踏まえたうえ
で、鋭意研究の結果、基板と多層膜との間に三層との間
に三層構造の調整層を挿入し、この調整層をSiO−Ge−S
iO型のLHLという特徴ある構成とすることにより、従来
技術では解決できなかった、透過率の向上、リップルの
低減などを簡単な構成で実現できることを見出した。
で、鋭意研究の結果、基板と多層膜との間に三層との間
に三層構造の調整層を挿入し、この調整層をSiO−Ge−S
iO型のLHLという特徴ある構成とすることにより、従来
技術では解決できなかった、透過率の向上、リップルの
低減などを簡単な構成で実現できることを見出した。
そして、ここで、調整層の第一層、第二層および第三層
の厚みは、この発明の効果を顕著に発揮するよう適宜選
択する必要がある。次に、この厚みを決定する手順を、
第1図に示すこの発明の帯域透過フィルタの基本構成図
を参照しながら説明する。
の厚みは、この発明の効果を顕著に発揮するよう適宜選
択する必要がある。次に、この厚みを決定する手順を、
第1図に示すこの発明の帯域透過フィルタの基本構成図
を参照しながら説明する。
第1図において、1はr層からなる多層膜、2は基板、
3は調整層である。ここでは簡単化のため、第一層と第
三層とが同じ厚み(aL)の三層等価膜としている。Hは
光学膜厚が所望の中心波長(λc)の1/4の高屈折率層
を表し、Lは同様な光学膜厚を有する低屈折率層を表
す。この発明においては、HはGe、LはSiOで構成して
いる。また、bは調整層3の内側層の光学膜厚が多層膜
1の各層の膜厚(1/4・λc)の何倍であるかを示す係
数、aは外側層の光学膜厚が内側層のそれの何倍である
かを示す係数である。
3は調整層である。ここでは簡単化のため、第一層と第
三層とが同じ厚み(aL)の三層等価膜としている。Hは
光学膜厚が所望の中心波長(λc)の1/4の高屈折率層
を表し、Lは同様な光学膜厚を有する低屈折率層を表
す。この発明においては、HはGe、LはSiOで構成して
いる。また、bは調整層3の内側層の光学膜厚が多層膜
1の各層の膜厚(1/4・λc)の何倍であるかを示す係
数、aは外側層の光学膜厚が内側層のそれの何倍である
かを示す係数である。
調整層3の厚みを決定するということを言い換えると、
前記係数a,bの値を決定することである。この係数a,bの
値を決定するに際しては、まず、調整層3の屈折率を求
める必要がある。等価膜理論によれば、三層等価膜は、
屈折率Eをもった単層と同様の振る舞いを示す。今、多
層膜の各層の屈折率を空気側から順に、n1,n2,…,n
r-1,nr、基板の屈折率をnS、全体の光学アドミッタン
スをY、三層等価膜3の等価屈折率をEとすれば、 rが奇数の場合 ここで、反射防止条件Y=1より と表される。
前記係数a,bの値を決定することである。この係数a,bの
値を決定するに際しては、まず、調整層3の屈折率を求
める必要がある。等価膜理論によれば、三層等価膜は、
屈折率Eをもった単層と同様の振る舞いを示す。今、多
層膜の各層の屈折率を空気側から順に、n1,n2,…,n
r-1,nr、基板の屈折率をnS、全体の光学アドミッタン
スをY、三層等価膜3の等価屈折率をEとすれば、 rが奇数の場合 ここで、反射防止条件Y=1より と表される。
一方、rが偶数の場合 ここで、反射防止条件Y=1より と表される。
ここで、前記多層膜1が対称な偶数層であると、(2)
式は簡単になり、 と表される。
式は簡単になり、 と表される。
次に、x軸に内側層の光学膜厚をとり、y軸にEをとっ
たグラフを作成する。なお、三層等価膜からEを求める
方法は、前記Epsutein氏の論文に詳しい。
たグラフを作成する。なお、三層等価膜からEを求める
方法は、前記Epsutein氏の論文に詳しい。
ここでは、その理論を応用して作成したグラフを第2図
および第3図に示す。但し、これらのグラフは、係数a
を色々な値としたときのEの変化を表わしている。特
に、第3図のグラフは、係数aが1以下の場合の変化を
示すグラフである。基板の材質、多層膜の層数および各
種の屈折率が定まれば、前記(1)〜(3)式から必要
な等価屈折率Eが求められるので、そのEを第2図およ
び第3図に描き、第2図中の直線l、第3図中の直線m,
nとグラフとの交点から係数a,bを決定するのである。
および第3図に示す。但し、これらのグラフは、係数a
を色々な値としたときのEの変化を表わしている。特
に、第3図のグラフは、係数aが1以下の場合の変化を
示すグラフである。基板の材質、多層膜の層数および各
種の屈折率が定まれば、前記(1)〜(3)式から必要
な等価屈折率Eが求められるので、そのEを第2図およ
び第3図に描き、第2図中の直線l、第3図中の直線m,
nとグラフとの交点から係数a,bを決定するのである。
次に、この発明の実施例を説明する。
〔第1実施例〕 基板としてサファイヤ(Al2O3、屈折率n=1.68)を使
用し、多層膜を対称な18の層(Al2O3/HL(LHLHLHL)2LH
/空気)より構成した。λcは4.33μmとし、a=0.3
7、b=1.766767を採用した。
用し、多層膜を対称な18の層(Al2O3/HL(LHLHLHL)2LH
/空気)より構成した。λcは4.33μmとし、a=0.3
7、b=1.766767を採用した。
この構成の帯域透過フィルタの分光特性を第4図に一点
鎖線で示す。実線は従来の帯域透過フィルタの分光特性
である。この図から判るように、透過率が低いという従
来の帯域透過フィルタの欠点を見事に解決している。な
お、従来構成の帯域透過フィルタとは、この発明に係る
調整層を有しないフィルタ、すなわち、基板に直接、多
層膜が真空蒸着により形成してあるものを言う。
鎖線で示す。実線は従来の帯域透過フィルタの分光特性
である。この図から判るように、透過率が低いという従
来の帯域透過フィルタの欠点を見事に解決している。な
お、従来構成の帯域透過フィルタとは、この発明に係る
調整層を有しないフィルタ、すなわち、基板に直接、多
層膜が真空蒸着により形成してあるものを言う。
〔第2実施例〕 多層膜の構成は第1実施例と同じであるが、基板に石英
(SiO2、屈折率n=1.4)を用いた。λc=4.33μmと
し、a=0.37、b=1.7116106を採用した。
(SiO2、屈折率n=1.4)を用いた。λc=4.33μmと
し、a=0.37、b=1.7116106を採用した。
この構成の帯域透過フィルタの分光特性を第5図に一点
鎖線で示す。実線は従来の帯域透過フィルタの分光特性
である。透過率について従来の帯域透過フィルタの欠点
を見事に解決しているのが判る。
鎖線で示す。実線は従来の帯域透過フィルタの分光特性
である。透過率について従来の帯域透過フィルタの欠点
を見事に解決しているのが判る。
〔第3実施例〕 多層膜を対称な32の層より形成し、基板に石英を用い
た。λc=3.43μmとし、a=0.37、b=1.7116106を
採用した。
た。λc=3.43μmとし、a=0.37、b=1.7116106を
採用した。
この構成の帯域透過フィルタの分光特性を第6図に二点
鎖線で示す。実線は従来の帯域透過フィルタの分光特性
である。透過率が低いといった欠点の改善のみならず、
リップルの改善をも成しえていることが判る。
鎖線で示す。実線は従来の帯域透過フィルタの分光特性
である。透過率が低いといった欠点の改善のみならず、
リップルの改善をも成しえていることが判る。
なお、上記実施例はいずれも、a=0.37を採用している
が、他の値を採用してもよいことは勿論である。この発
明の発明者が試作したうちで、第1実施例とほぼ同等の
分光特性を示したものの係数(a,b)の組合せを次に列
挙する。(a,b)=(0.43,1.78725),(0.35,1.768
5),(0.4,1.77075),(0.3,1.783),(0.36,1.7672
3),(0.38,1.767084),(1.55,1.789) また、a=0.37付近の解の安定性をみるために、第1実
施例の最適解(a,b)=(0.37,1.766767)から係数bを
1.8%ずらせた組合せ(0.37,1.77)について実験したと
ころ、良好な結果が得られた。
が、他の値を採用してもよいことは勿論である。この発
明の発明者が試作したうちで、第1実施例とほぼ同等の
分光特性を示したものの係数(a,b)の組合せを次に列
挙する。(a,b)=(0.43,1.78725),(0.35,1.768
5),(0.4,1.77075),(0.3,1.783),(0.36,1.7672
3),(0.38,1.767084),(1.55,1.789) また、a=0.37付近の解の安定性をみるために、第1実
施例の最適解(a,b)=(0.37,1.766767)から係数bを
1.8%ずらせた組合せ(0.37,1.77)について実験したと
ころ、良好な結果が得られた。
〔実施例4〕 多層膜、基板は第1実施例と同じものを用い、三層膜と
して内側層を0.013%シフトさせ、外側層2層を互いに
逆方向に5%ずつずらせたものを用いた。すなわち、三
層構造は、〔(0.37×1.05L)1.767H(0.37×0.95L)〕
である。この三層構造は、対称性が崩れているので、も
はや等価膜とは言えないけれども、試作結果によれば、
第7図の二点鎖線に示すように、良好な分光特性が得ら
れた。なお、蒸着精度からすれば、狙った膜厚に対して
1%ずれることはまれであるので、この点から、a=0.
37の安定性は優れていると言える。
して内側層を0.013%シフトさせ、外側層2層を互いに
逆方向に5%ずつずらせたものを用いた。すなわち、三
層構造は、〔(0.37×1.05L)1.767H(0.37×0.95L)〕
である。この三層構造は、対称性が崩れているので、も
はや等価膜とは言えないけれども、試作結果によれば、
第7図の二点鎖線に示すように、良好な分光特性が得ら
れた。なお、蒸着精度からすれば、狙った膜厚に対して
1%ずれることはまれであるので、この点から、a=0.
37の安定性は優れていると言える。
上記実施例はいずれも多層膜が対称な偶数層であり、し
たがって、等価屈折率Eは前記(3)式によって、 の場合を示す。
たがって、等価屈折率Eは前記(3)式によって、 の場合を示す。
基板として、SiO2を用い、多層膜は非対称の16層(Si
O2/LHLLHLHLHLHLLHLH/空気)とし、(a,b)=(1.5,0.2
849229)を採用した構成。
O2/LHLLHLHLHLHLLHLH/空気)とし、(a,b)=(1.5,0.2
849229)を採用した構成。
基板、多層膜はと同じであるが、(a,b)=(1.0,
0,3101018)を採用した構成。
0,3101018)を採用した構成。
前記の構成の帯域透過フィルタの分光特性を第8図に
一点鎖線で、の構成の帯域透過フィルタの分光特性を
同図に二点鎖線で示す。実線は従来の帯域透過フィルタ
の分光特性である。いずれの帯域透過フィルタにおいて
も、従来構成の帯域透過フィルタに比べて分光特性の改
善が見られる。
一点鎖線で、の構成の帯域透過フィルタの分光特性を
同図に二点鎖線で示す。実線は従来の帯域透過フィルタ
の分光特性である。いずれの帯域透過フィルタにおいて
も、従来構成の帯域透過フィルタに比べて分光特性の改
善が見られる。
なお、第9図に、前記、の構成の係数a,bを決定す
るための等価屈折率のグラフを示す。
るための等価屈折率のグラフを示す。
基板としてシリコン(Si)を用い、多層膜は非対称の
16層(の構成と同じ)とし、(a,b)=(0.25,0.7642
12575)を採用した構成。
16層(の構成と同じ)とし、(a,b)=(0.25,0.7642
12575)を採用した構成。
基板、多層膜はと同じであるが、(a,b)=(0.1,
0.924224108)を採用した構成。
0.924224108)を採用した構成。
前記の構成の帯域透過フィルタの分光特性を第10図に
一点鎖線で、の構成の帯域透過フィルタの分光特性を
同図に二点鎖線で示す。実線は従来の帯域透過フィルタ
の分光特性である。いずれの帯域透過フィルタにおいて
も、従来構成の帯域透過フィルタに比べて分光特性の改
善が見られる。
一点鎖線で、の構成の帯域透過フィルタの分光特性を
同図に二点鎖線で示す。実線は従来の帯域透過フィルタ
の分光特性である。いずれの帯域透過フィルタにおいて
も、従来構成の帯域透過フィルタに比べて分光特性の改
善が見られる。
以上説明したように、この発明によれば、基板と多層膜
との間に三層構造の調整層を設けるだけで、透過率の高
い、かつ、リップルの少ない分光特性が著しく改善され
た帯域透過フィルタを得られるに至った。そして、この
発明の帯域透過フィルタにおいては、第三の蒸着材料を
用いないで、多層膜と同じ材料を調整層として用いるだ
けであるから、基板と多層膜とが剥離するといったおそ
れが皆無となる。
との間に三層構造の調整層を設けるだけで、透過率の高
い、かつ、リップルの少ない分光特性が著しく改善され
た帯域透過フィルタを得られるに至った。そして、この
発明の帯域透過フィルタにおいては、第三の蒸着材料を
用いないで、多層膜と同じ材料を調整層として用いるだ
けであるから、基板と多層膜とが剥離するといったおそ
れが皆無となる。
加えて、前記調整層は、基板と多層膜との間に設けるだ
けであり、多層膜と空気との間に設ける必要がないの
で、帯域透過フィルタの構成がきわめて簡単であるとい
った効果がある。
けであり、多層膜と空気との間に設ける必要がないの
で、帯域透過フィルタの構成がきわめて簡単であるとい
った効果がある。
第1図はこの発明の帯域透過フィルタの基本的構成を示
す図、第2図および第3図は係数a,bを決定するための
図、第4図はこの発明の第1実施例の分光特性を示す
図、第5図はこの発明の第2実施例の分光特性を示す
図、第6図はこの発明の第3実施例の分光特性を示す
図、第7図はこの発明の第4実施例の分光特性を示す
図、第8図はこの発明の他の実施例の分光特性を示す
図、第9図は第8図の実施例における係数a,bを決定す
るための図、第10図はこの発明の他の実施例の分光特性
を示す図である。 1…多層膜、2…基板、3…調整層。
す図、第2図および第3図は係数a,bを決定するための
図、第4図はこの発明の第1実施例の分光特性を示す
図、第5図はこの発明の第2実施例の分光特性を示す
図、第6図はこの発明の第3実施例の分光特性を示す
図、第7図はこの発明の第4実施例の分光特性を示す
図、第8図はこの発明の他の実施例の分光特性を示す
図、第9図は第8図の実施例における係数a,bを決定す
るための図、第10図はこの発明の他の実施例の分光特性
を示す図である。 1…多層膜、2…基板、3…調整層。
Claims (4)
- 【請求項1】測定セル内で赤外線吸収が起こり検出器に
到達する赤外線の量が変化することで測定成分ガスの濃
度を測定する赤外線ガス分析計の測定セルと検出器との
間または測定セルと光源との間に配置され、それによっ
て、測定成分ガスと妨害成分ガスとの吸収帯が重なって
いたり、検出器内に妨害成分ガスが微量に残存したりす
る場合に表れる干渉影響を低減または除去しうる帯域透
過フィルタにおいて、サファイアまたは石英からなる基
板と、この基板の屈折率に対して実質的に大きな屈折率
をもつ高屈折率材料としてゲルマニウム、低屈折率材料
として一酸化ケイ素を用いて構成された多層膜との間に
三層構造の調整層を挿入するとともに、この調整層の外
側層である第一層および第三層を一酸化ケイ素、内側層
である第二層をゲルマニウムで構成したことを特徴とす
る帯域透過フィルタ。 - 【請求項2】調整層の第一層と第三層が同じ膜厚である
特許請求の範囲第(1)項に記載の帯域透過フィルタ。 - 【請求項3】外側層の光学膜厚と内側層の光学膜厚の比
aが、 0.37×0.95≦a≦0.37×1.05 である特許請求の範囲第(2)項または第(3)項に記
載の帯域透過フィルタ。 - 【請求項4】多層膜が対称な偶数層で構成されている特
許請求の範囲第(1)〜(3)項のいずれかに記載の帯
域透過フィルタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59054661A JPH0718961B2 (ja) | 1984-03-21 | 1984-03-21 | 帯域透過フィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59054661A JPH0718961B2 (ja) | 1984-03-21 | 1984-03-21 | 帯域透過フィルタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60198504A JPS60198504A (ja) | 1985-10-08 |
JPH0718961B2 true JPH0718961B2 (ja) | 1995-03-06 |
Family
ID=12976968
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59054661A Expired - Lifetime JPH0718961B2 (ja) | 1984-03-21 | 1984-03-21 | 帯域透過フィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0718961B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2602035B2 (ja) * | 1987-10-21 | 1997-04-23 | 株式会社堀場製作所 | 帯域透過光学フィルター |
JP3005971B2 (ja) * | 1992-05-09 | 2000-02-07 | 株式会社堀場製作所 | 多層膜光学フイルタ |
US5624709A (en) * | 1995-06-07 | 1997-04-29 | Santa Barbara Research Center | High resolution differential spectrometry system |
JP4653912B2 (ja) * | 2001-08-30 | 2011-03-16 | 光伸光学工業株式会社 | 多キャビティバンドパスフィルタ及びその製造方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS53147548A (en) * | 1977-05-27 | 1978-12-22 | Canon Inc | Dichroic film removed of ripples |
JPS5932965Y2 (ja) * | 1979-01-19 | 1984-09-14 | 横河電機株式会社 | 光学干渉フィルタ |
JPS55105405A (en) * | 1979-02-06 | 1980-08-13 | Furuno Electric Co Ltd | Manufacture of wave reflector film |
US4373782A (en) * | 1980-06-03 | 1983-02-15 | Optical Coating Laboratory, Inc. | Non-polarizing thin film edge filter |
-
1984
- 1984-03-21 JP JP59054661A patent/JPH0718961B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60198504A (ja) | 1985-10-08 |
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