JPS63144306A - 誘電体多層膜及びその製造方法 - Google Patents

誘電体多層膜及びその製造方法

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JPS63144306A
JPS63144306A JP29204486A JP29204486A JPS63144306A JP S63144306 A JPS63144306 A JP S63144306A JP 29204486 A JP29204486 A JP 29204486A JP 29204486 A JP29204486 A JP 29204486A JP S63144306 A JPS63144306 A JP S63144306A
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multilayer film
dielectric multilayer
film
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silicon dioxide
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Hirotaka Nakano
博隆 中野
Tomoko Kitazawa
倫子 北沢
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的1 (〕T業上の利用分野) この発明は、例えば光波最多(伝送システムにおける光
合分波器のバンド・パス・フィルタや航空感等の搭載用
慣性航法装買に使用するリング・レーザ・ジャイロのミ
ラーに使用して好適・な誘電体多層膜及びその製造方法
に関づる。
(従来の技術) 一般に、光波長多重伝送システムにおける光合分波器の
バンド・パス・フィルタや航空機写の搭載用慣性航法装
首に使用するリング・レーザ・ジャイロのミラーには、
誘電体多否;4)が使用さrlている。
上記バンド・パス・フィルりとしては、光源を半導体レ
ーザとした場合、下記構成(1)の3キャビティを有す
る暦数23のものが知られており、第1図に示す。
基板IA−L−A−L−AI接着剤(又は空気)・・・
・・・構成(1) ここで、A   )−1−L−H・2L−H−L−)−
1但し、H,Lは夫々光学的膜厚がλ/4の高屈折率物
質、低屈折率物質である。λは中心波長である。2Lは
光学的膜厚がλ/2の低屈折率物質であり、キャビティ
を表わす。
又、リング・レーザ・ジャイロのミラーには、出力側ミ
ラーと高反射側ミラーとがあるが、上記バンド・パス・
フィルタの場合と同様な誘電体多層膜からなっている。
さて、上記のような誘電体多層膜を製造方法するには、
電子ビーム加熱による蒸着方法が知られており、高屈折
率物質Hとしては二酸化チタン(TiO2)が、低屈折
率物質りとしては二酸化シリコン(SiO2)が用いら
れる。又、中間の・屈折率を有する物質として、酸化ジ
ルコニウム(Zr02)やアルミニウム(A1203)
が用いられる。そして、上記構成(1)のバンド・パス
・フィルタの製造に対しては、高屈折率物質Hとして二
酸化チタン、低屈折率物質りとして二酸化シリコンのみ
から形成されるのが、通常である。
尚、リング・レーザ・ジャイロの出力側ミラーについて
は、透過率を調整するために、二酸化チタンや二酸化シ
リコン以外の中間の屈折率を有する物質を用いる場合も
ある。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、電子ビーム加熱による蒸着法による誘電体多
層膜、特に光合分波器に用いられるバンド・パス・フィ
ルタにおいて、製造上置も問題となるのは、各波長帯に
ついて、バンド・パス・フィルタの中心波長の精度を高
精度に、例えば±4nmの範囲に合せることである。
構成(1)のバンド・パス・フィルタの有する通過帯域
幅が、規格に対して僅かの許容範囲しか持たないため、
中心波長がやや異なった頭の2枚のバンド・パス・フィ
ルタを重ね合せて用いると、2枚結合された光合分波器
の特性としては、通常帯域幅が非常に狭くなってしまう
のである。中心波長を高精度で士数nmの範囲内に合せ
ることを困難にしている製造上の最も大きな問題点とし
ては、誘電体多層膜フィルタの分光特性に、測定時の温
度や湿度、成膜終了時から測定時の時間によって、又、
測定後から時間を経て実際に使用する段階になって、分
光特性の変動があることである。
この要因によって、各波長帯において、バンド・パス・
フィルタの中心波長を高精度で、しかも再現性良く、所
定の波長範囲内に制御することが非常に困難であった。
又、リング・レーザ・ジャイロ用ミラーとして用いた場
合の最も大きな問題点は、ミラーの散乱値を低減出来な
かったことである。即ち、電子ビーム加熱による蒸着法
により基板上に形成された誘電体多層膜には、光の吸収
・散乱が存在する。
特にミラーの散乱が、以下に述べるリング・レーザ・ジ
ャイロの性能並びに寿命に大きな影響を与える。
一般にリング・レーザ・ジャイロの寿命は、通常10万
時間が要求されており、寿命劣化は出力低下により生じ
る。即ち、レーザ光の出力は初期値で50乃至60μW
であるが、しばしば寿命試験中に劣化して10μWを割
り、発掘停止となる。
このように従来は、航空機搭載用の慣性航法装置しいて
はリング・レーザ・ジャイロの高信頼性化、長寿命化は
大きな問題であり、その主要な原因はミラーの低散乱化
が出来なかったことである。
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みなされたもの
で、成膜後の分光特性の経時変化による変動を抑制した
誘電体多層膜、並びに低散乱値を有する誘電体多層膜及
びその製造方法を提供することを目的としてなされたも
のである。取分け、中心波長を高精度で再現性良く制御
するために、経時変化による中心波長の移動を抑制した
光合分波器用バンド・パス・フィルタや、高性能・長寿
命のリング・レーザ・ジャイロ用低散乱ミラーに使用し
て好適な誘電体多層膜及びその製造方法を提供すること
を目的とする。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) この発明は、基板上に、主に高屈折率物質と低同折率物
質の交互層を積雪形成してなる誘電体多層膜において、
上記高屈折率物質が二酸化チタンであり、上記低同折率
物質が二酸化シリコンであり、且つこれら各物質が全て
アモルファスである誘電体多層膜である。
又、この発明は、真空槽中のルツボに具備された主に二
酸化チタンと二酸化シリコンの蒸着材料を交互に加熱・
蒸発し、回転ドーム上に具備された基板上へ、主として
二酸化チタンと二酸化シリコンよりなる交互層を形成す
る誘電体多層膜の製)門方法において、上記二酸化チタ
ンの形成時には、背景とする酸素ガス雰囲気中で、不活
性ガスと酸素の混合ガス、又は酸素ガスのみのイオンと
、中和化のための電子ビームを上記回転ドーム上の基板
上へ断続的に照射しながらアモルファスの二酸化チタン
姿を形成し、 上記二酸化シリコンの形成時には、背景にはガスを導入
せず、不活性ガスと酸素の混合ガス、又は不活性ガスの
みのイオンと、中和化のための電子ビームを上記回転ド
ーム上の基板上へ断続的に照射しながらアモルファスの
二酸化シリコン摸を形成することにより、主としてアモ
ルファスの二酸化チタン膜とアモルファスの二酸化シリ
コン幌の交互層よりなる誘電体多層膜を形成する誘電体
多層膜の製造方法である。
(作用) この発明によれば、成膜後、分光特性の経時変化が無く
、又、膜の吸収並びに散乱が殆ど無い透明な誘電体多層
膜を提供することが出来る。それ故、光合分波器用バン
ド・パス・フィルタのように、波長精度の規格値範囲が
高精度で厳しいものに対しても、成膜後の経時変化が無
いため、容易に分光特性、特に中心波長を規格範囲内に
納めることが出来、その結果、歩留り向上に貢献する。
又、リング・レーザ・ジャイロ用ミラーとしても、散乱
値を低く押えられることが可能となり、この発明の誘電
体多層膜からなるミラーを用いたリング・レーザ・ジャ
イロの高信頼性、高寿命化が可能となる。
(実施例) 以下、図面を参照して、この発明の一実施例につき詳細
に説明する。
この発明の誘電体多層膜は、成膜装置により製造される
が、先ず成膜装置について述べることにする。
即ち、この発明で用いる成膜装置は、第2図に示すよう
に構成され、真空槽20内の上方にはモニタ基板11,
12.13と製品となる基板22.23.24が配置さ
れている。21はドームである。又、真空槽20内の下
方には、蒸着源30の入ったルツボ33と電子銃34が
設けられている。
更に、真空槽20内には、ニュートラライザ41とイオ
ン銃40とが配設され、このイオン銃40はガス導入口
42に接続されている。又、真空槽20外の上部には光
、l!31が設けられ、下部には受光素子32と制御フ
ィルタ35が設けられている。尚、図中の43はガス導
入口である。
このように、この発明の製造方法で用いる成膜装置には
、電子ビームによる加熱装置の他に、大きなオイオン電
流を発生することが出来る良く知られたカウフマン型の
イオン銃40と、イオンを中和し基板上でのチャージ・
アップを防止するためにのニュートラライザ41が具備
されている。
さて次に、上記成膜装置を用い、誘電体多層膜として光
合分波器用バンド・パス・フィルタとリング・レーザ・
ジャイロ用ミラーの場合を例にとり、以下に説明する。
(実施例その1)・・・・・・光合分波器用バンド・パ
ス・フィルタの場合 この実施例その1では、光合分波器用の0.81μm帯
のバンド・パス・フィルタにつき詳細に説明するが、摸
構成は既述の構成(1)に挙げた23層、3キヤピテイ
の場合とする。
即ち、上記成膜装置において、蒸着源30を何するルツ
ボ33は、二酸化チタンと二酸化シリコンの2種類を複
数個ずつ具備可能な円盤型のものである。そして、所定
の物質を蒸着させる場合、電子銃34からエミッション
電流が到達する位置へ回転させて持ってくる。上記電子
銃34の加速電圧は例えば10KVであり、エミッショ
ン電流値は二酸化チタンの場合280mA、二酸化シリ
コンの場合60mAである。二酸化チタンの蒸着の場合
、二酸化チタンが還元して黒色に着色した膜となるのを
防ぐため、真空槽20内を高真空に排気後、酸素を例え
ば1x10’Torr導入する反応性蒸着を用いる。基
板温度は例えば300℃とした。
各層の膜厚制御は、蒸着中のモニタ基板11の透過率(
あるいは図示しない方法で反射率)の変化による極値を
検出することによって、製品となる基板22.23.2
4の膜厚を制御する光学的な膜厚制御方法を用いた。
即ち、光源31からの白色光は3mが蒸着されつつある
モニタ基板1]を通過し、波長が例えば波長λ。を有す
る単色フィルタ35を通過して受光部32に到達する。
このようにして測定された蒸着中の光量変化を信号とし
て、図示しない増幅器やペン・レコーダを経て透過率の
変化を表示、記録し、λ。/4に相当する極値を検出し
て光学的膜厚を制御する方法である。
尚、モニタ基板は11に置かれている1枚のみでバンド
・パス・フィルタの23@を全で制御しても良いし、1
2.13・・・・・・に示すように、複数枚用いること
によって、バンド・パス・フィルタの23層を制御して
も良い。又、各波長帯に応じて、λ。を選べば、所望中
心波長を有するバンド・パス・フィルタが形成される。
例えば、0.81μm帯用のパンド・パス・フィルタで
は、λ5として770nmを有する単色フィルタを、弔
いた。
ところで、イオン化のための導入ガスは、二酸化チタン
膜形成時には酸素と不活性ガスの混合ガス又は酸素のみ
を用い、二酸化シリコンqQ形成時には酸素と不活性ガ
スの混合ガス又は不活性ガスのみを用いる。
この実施例その1では、二酸化チタン膜と二酸化シリコ
ン膜の両方に対して、酸素を10%含むアルゴンとの混
合ガスをガス導入口42から導入しイオン化した。尚、
成膜中のガス・イオン照射時のドーム21上でのチャー
ジ・アップを防止するため、ニュートラライザ41によ
りフィラメントから発生する熱電子による電子ビームを
同時に照射する。
又、二酸化チタン膜形成時には、ガス導入口42から導
入されイオン銃40を経るガスのみではなく、背景とし
てガス導入D43から酸素を導入し、全圧として1.2
X10’Torrとした。
一方、二酸化シリコン膜形成時には、背景としてのガス
導入は行なわない。そして、二酸化チタン膜と二酸化シ
リコン膜の両方に対して、イオン化のためにガス導入口
42から導入した混合ガスによる圧力は、2x10’T
orrとした。イオン銃40の条件は、例えば加速電圧
IKV、電流値〈イオン・ビーム電流値)は90mAと
した。ニュートラライザ41の電流値(電子電流値)は
90mAとした。
以上の条件により、構成(1)の23層の多層膜を真空
中で形成後、例えば基板温度を250℃以下に冷却後、
大気圧に戻し、取出す。取出し後、分光測定を行なうが
、例えば0.81μm帯のバンド・パス・フィルタの分
光特性の一例を、透過率で測定したものについて第4図
に、又、損失(dB)で表わしたものを第5図に示す。
バンド・パス・フィルタは、光合分波器に接着剤を介し
て貼合され、15°の入射角でレーザ光が入射するよう
に設計されている。
蒸着後の貼合せ前の状態では、接着剤を介さずに空気か
ら誘電体多層膜へ光が入射するので、15°とは異なる
。上記貼合せ工程において、接着剤として、例えばノー
ランドNo、61 (屈折率は1.51>を用いる場合
には、スネルの法則より、貼合せ前の状態では入射角2
3°にて分光特性を測定する。。
イオン・ビームを照射しない電子ビームのみの扉着では
、蒸着後、室温で大気中に放置すると、経時変化により
分光特性が変動する。バンド・パス・フィルタの場合、
中心波長は長波長側へ移動する。一方、この発明による
バンド・パス・フィルタでは、大気中での室温放置では
、第4図並びに第5図に示すままであり、経時変化によ
る中心波長の移動を始め、分光特性の変動は全く生じな
かった。
この発明によるバンド・パス・フィルタは、膜面を大気
側に向けて、60℃、RH90%、500時間の高温高
湿試験や、−20℃〜60℃、20サイクルの温湿度サ
イクル試験の終了後の分光測定結果でも、分光特性の変
動は生じなかった。
成膜後、分光特性が第4図及び第5図であるこの発明に
よるバンド・パス・フィルタに、接着剤を介してガラス
基板に貼合せた後、分光測定を行なった結果を、透過率
(%)表示で第6図に、又、損失(dB)表示で第7図
に示す、i′4、第5図乃至第7図において、斜線部は
規洛恥囲外であることを示す。
この発明によるバンド・パス・フィルタのX線回折の実
験結果を第9図に、又、参考として、電子ビーム加熱に
みにより蒸着を行なった経時変化を有する従来のバンド
・パス・フィルタのX線回折の結果を第8図に示す。こ
れより、いずれの場合についても、二酸化シリコン膜は
アモルファスであるが、二酸化チタン膜は、従来の蒸着
法のみではアナターゼの結晶となるのに対し、この発明
のように断続的にもイオンを照射すると、アモルファス
となることが分る。
尚、この発明によるイオンの照射により、形成される膜
をアモルファスとして、誘電体多層膜の経時変化を抑制
するには、照射するイオン電流(直は大きければ効果が
あり、この発明の成悦装置のように、ドーム21を回転
してイオン照射を行なう場合、50mA乃至200mA
の範囲で効果があることを発明者達は確認している。
そして、加速電圧が1KV以上、例えば2にで行なった
場合、つまりイオンのエネルギーが高くなり過ぎると、
50mA乃至200mAの範囲にある場合でも、ドーム
2つ上の基板22.23.24・・・・・・に形成され
る誘電体多層膜はスパツクされ、形成され難くなる。又
、50mA以下の低イオン電流値では、ドーム21を回
転している場合は、成膜後の誘電体多層膜の経時変化を
抑制することは出来なくなる。
(実施例その2)・・・・・・リング・レーザ・ジャイ
ロ用ミラーの場合 リング・レーザ・ジャイロ用ミラーは、基本的には1/
4波長の光学的膜厚を有する高屈折率物質(H)と低屈
折率物質(L)の繰返しの次の膜構成よりなる。
基板+[H−Lコ”−H−2Ll空気 ・・・・・・構成(2) この場合、所定の透過率値を得るためにはnの値を定め
、出力側ミラーや高反射側ミラーとする。
又、基板は低い熱膨張係数のからす例えばショット社の
ゼロデユアが使用されている。そして、誘電体多層膜が
形成される面は、図示しないが、高反射側ミラーの場合
、所定の曲率半径を有する凹面であり、又、出力側ミラ
ーの場合は平面である。
尚、いずれも所定の表面精度に研磨仕上げられている。
上述の基板上に、第2図の成膜装置を用いて、イオンを
照射しながら高屈折率物質(H)として二酸化チタン膜
、低屈折率物質(L)として二酸化シリコン膜を夫々形
成する。二酸化チタンや二酸化シリコンの成膜のための
電子銃34の条件、膜厚モイニタ沫、基板温度は、上記
実施例その1に述べたものと同じ条件・方法である。但
し、ヘリウム・ネオンのレーザ光がミラーに対し入射角
45°で入射する。それ故、入射角45°で入射した場
合の分光特性上の高反射帯において、6328人がほぼ
中央に来るように、単色フィルタ35の波長を選択する
。この実施例その2では、640nmとした。
イオン銃40及びニュートラライザ41の条件は、導入
ガス種、圧力等は全て実施例その1に;ホべたものと同
じで、異なる条件のみを次に述べる。
リング・レーザ・ジャイロ用ミラーの成膜の場合、光合
分波器用バンド・パス・フィルタと比較し、低エネルギ
ーのイオンを高電流密度で流すところに特徴がある。
即ち、イオン銃40の条件は、例えば加速電圧200V
、電流値(イオン・ビーム電流値)120mAとした。
又、ニュートラライザ41の電流値(電子電流)も12
0mAとした。
以上の条件により、出力側ミラーとして構成(2)にお
いてn=’5とした層数14層の多薯摸を、又、高反射
側ミラーとして構成(2)においてn=8とした層数1
8@の多層膜を夫々成膜した。
成膜後、45°の入射角で分光測定を行なった結果を、
出力側全反射ミラーにつき第10図に、又、高反射側ミ
ラーにつきて第11図に示す。
ヘリウム・ネオンのレーザ光を用い、パワー・メータに
より夫々の全反射ミラーの6328人における透過率、
反射率、散乱値を測定した。結果は、次の通りである。
出力側ミラーについては透過率0.7%、反射″199
.25%、散乱値30ppm、又、高反射側ミラーにつ
いては透過率0.01%、反射率99.20%、散乱値
35p、p mであった。
尚、イオン照射を行なわない電子ビームのみの蒸着では
、通常、散乱値が出力側ミラー及び高反射側ミラー共に
200乃至300ppmの程度である。一方、この発明
によれば、低散乱値のミラーを得ることが出来る。
低散乱値のミラーをiqるためには、加速電圧が50V
乃至500Vの範囲にあれば良く、低電圧であるために
高電流密度でも膜のスパッタは生じ難くく、ドーム21
を回転しながらで、70mA乃至500rr+Aの範囲
で低減に効果のあることを見出した。
又、この発明による出力側ミラー及び高反射側ミラーの
X線回折の測定結果では、第9図に示すものと同じであ
り、二酸化チタン膜、二酸化シリコン膜の両方共アモル
ファスであることが判明した。
更に、この発明による出力側ミラー及び高反射側ミラー
を用いて、リング・レーザ・ジャイロを製作し、発振初
期試験及び加速寿命試験を行なった結果では、初期出力
特性は70!、lWであり、約10万時間に相当する加
速試験でも、57μWと、高信頼性のものが得られてい
る。
又、この実施例その2の出力側ミラーの膜構成は、構成
(2)においてn=6とした層数14層としたが、透過
率値の範囲が0.3%乃至1.2%の範囲なら良く、そ
のためにはn=7とし層数16層でも、充分出力側ミラ
ーとして灘能する。
又、この発明の高反射側ミラーのIII構成は、構成(
2〉においてn=3とした層数18層の場合を例にとり
説明したが、透過率値が0.3%以下で高反射率ならば
、使用出来、そのためにはn=7で層数16層以上の多
層ならば良い。但し、余り層数を多くしても意味が無い
尚、この実施例その2では、出力側ミラー及び高反射側
ミラー共に構成(2)に示す多@摸構成としたが、基板
fllll@1層に21@を挿入したもの、あるいは空
気側の最終@2Lを省略した構成でも、この発明は適用
出来る。
[発明の効果] この発明によれば、次のような優れた効果が得られる。
即ち、この発明による誘電体多層膜は、二酸化チタンや
二酸化シリコンを初め、酸化ジルコニウムや酸化アルミ
ニウム等、構成材料が全てアモルファスである。従って
、分光特性の経時変化が無い誘電体多層膜を得ることが
出来、その結果、光合分波器用のバンド・パス・フィル
タに適用すると、中心波長の移動を抑制することが可能
となり、容易に所望の規格波長範囲内に中心波長値を制
御することが出来る。
又、低散乱値を有する誘電体多層膜を得ることが出来、
リング・レーザ・ジャイロ用の出力側ミラー及び高反射
側ミラーに適用すると、低散乱値が40 pl)m以下
のミラーを提供することが出来、以てリング・レーザ・
ジャイロの高性能化、高信頼性化が可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来及びこの発明の一実施例に係る誘電体多層
膜の膜構成を示す断面図、図、第2図はこの発明の製造
方法で用いる成膜装置を示す構成図、第3図は誘電体多
層膜の典型的分光特性を示す特性曲線図、第4図乃至第
7図はこの発明による誘電体多層膜の分光特性を示す特
性曲線図、第8図及び第9図は夫々従来及びこの発明に
よる誘電体多層膜のX線回折の結果を示す特性曲線図、
第10図及び第11図はこの発明による誘電体多層膜を
リング・レーザ・ジャイロ用ミラーに適用した場合の分
光特性を示す特性曲線図ある。 H・・・高屈折率物質、L・・・低屈折率物質、20・
・・真空槽、21・・・ドーム、22.23.24・・
・基板、30・・・蒸着源、33・・・ルツボ。 出願人代理人 弁理士 鈴江武彦 第1r1!! 第3図 3皮長(nm) 第4 図 第5図 才須失 (dB) )込た過卑°(・ん)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)基板上に、主に高屈折率物質と低屈折率物質の交
    互層を積層形成してなる誘電体多層膜において、 上記高屈折率物質が二酸化チタンであり、上記低屈折率
    物質が二酸化シリコンであり、且つこれら各物質が全て
    アモルファスであることを特徴とする誘電体多層膜。
  2. (2)上記基板がガラス基板であり、上記誘電体多層膜
    がバンド・パス・フィルタである特許請求の範囲第1項
    記載の誘電体多層膜。
  3. (3)上記バンド・パス・フィルタの基本膜構成が、層
    数23層、3キャビティ、あるいは層数37層、5キャ
    ビティである特許請求の範囲第1項及び第2項記載の誘
    電体多層膜。
  4. (4)上記基板が低熱膨脹係数を有するガラス基板であ
    り、上記誘電体多層膜がリング・レーザ・ジャイロ用ミ
    ラーである特許請求の範囲第1項記載の誘電体多層膜。
  5. (5)上記ミラーが、レーザ光発振波長における透過率
    が0.3%乃至1.2%の範囲にある出力側ミラーであ
    る特許請求の範囲第1項及び第4項記載の誘電体多層膜
  6. (6)上記出力側ミラーが、高屈折率物質の二酸化チタ
    ンの1/4波長の光学的膜厚の層をT、低屈折率物質の
    二酸化シリコンの1/4波長の光学的膜厚の層をSとし
    た場合、[T・S]^n・Tでn=6又は7を基本とす
    る多層膜構成である特許請求の範囲第1項、第4項及び
    第5項記載の誘電体多層膜。
  7. (7)上記ミラーが、レーザ光発振波長における透過率
    が0.3%以下である高反射側ミラーである特許請求の
    範囲第1項及び第4項記載の誘電体多層膜。
  8. (8)上記高反射側ミラーが、高屈折率物質の二酸化チ
    タンの1/4波長の光学的膜厚の層をT、低屈折率物質
    の二酸化シリコンの1/4波長の光学的膜厚の層をSと
    した場合、[T・S]^n・Tでn=7又は8を基本と
    する多層膜構成である特許請求の範囲第1項、第4項及
    び第7項記載の誘電体多層膜。
  9. (9)真空槽中のルツボに具備された主に二酸化チタン
    と二酸化シリコンの蒸着材料を交互に加熱・蒸発し、回
    転ドーム上に具備された基板上へ、主として二酸化チタ
    ンと二酸化シリコンよりなる交互層を形成する誘電体多
    層膜の製造方法において、 上記二酸化チタンの形成時には、背景とする酸素ガス雰
    囲気中で、不活性ガスと酸素の混合ガス、又は酸素ガス
    のみのイオンと、中和化のための電子ビームを上記回転
    ドーム上の基板上へ断続的に照射しながらアモルファス
    の二酸化チタン膜を形成し、 上記二酸化シリコンの形成時には、背景にはガスを導入
    せず、不活性ガスと酸素の混合ガス、又は不活性ガスの
    みのイオンと、中和化のための電子ビームを上記回転ド
    ーム上の基板上へ断続的に照射しながらアモルファスの
    二酸化シリコン膜を形成することにより、主としてアモ
    ルファスの二酸化チタン膜とアモルファスの二酸化シリ
    コン膜の交互層よりなる誘電体多層膜を形成することを
    特徴とする誘電体多層膜の製造方法。
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