JP2009192706A - 非偏光ビームスプリッター及びそれを利用した光学計測機器 - Google Patents

非偏光ビームスプリッター及びそれを利用した光学計測機器 Download PDF

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Abstract

【課題】広い波長域で非偏光性を有する非偏光ビームスプリッターを安いコストで提供する。
【解決手段】40〜1,000 nmの物理間隔を有するように配置した屈折率が等しい二つの透明基体と、前記二つの透明基体の間隙を満たす媒質とからなる非偏光ビームスプリッターであって、前記透明基体の屈折率Ns、前記媒質の屈折率Nf、及び前記透明基体と前記間隙との界面への光線入射角θ0が、
(2−sin2θ0)1/2・Nf/sinθ0−0.1<Ns<(2−sin2θ0)1/2・Nf/sinθ0+0.1
の関係を満たすことを特徴とする。
【選択図】図1-3

Description

本発明は、一つの光束を二つの光束に分離する光学素子であって、それぞれの光束が広い波長域で非偏光性を有する非偏光ビームスプリッター及びそれを利用した光学計測機器に関する。
非偏光ビームスプリッターはレーザープレーナー等の光学計測器に利用されており、一つの光束を二つの光束に分離する光学素子である。レーザープレーナー(水平面設定機)は、図6に示すように、レーザー光源2と、レーザー光源2から出射されたレーザー光Lを反射光L1及び透過光L2に分離するビームスプリッター4と、ビームスプリッター4を保持し回転自在に支持された円盤3とからなる。円盤3が水平回転することにより、ビームスプリッター4からの反射光L1は水平方向に照射され水平面を形成し、透過光L2は天井面に照射され鉛直点をマーキングできる。レーザー光源2には電気配線などがされているため、円盤3と一緒に回転しない構造となっている。通常レーザー光源2から出射するレーザー光Lは偏光成分が偏っているため、ビームスプリッター4に偏光特性の偏りがあると、ビームスプリッター4からの反射光L1の明るさは円盤3の回転に応じて変化してしまう。このため、ビームスプリッター4には非偏光のビームスプリッターを利用することが必要である。
近年、レーザー光源として半導体レーザーが用いられるようになってきており、特にレーザープレーナー用には可視域の半導体レーザーがよく使用されている。可視域の半導体レーザーとしては、赤系の波長630〜690 nm、緑系の波長532 nm、青系の波長405〜410 nmのものがあり、各種レーザーで非偏光ビームスプリッターを共有化できることが望ましい、即ち、波長400〜700 nmで共有化できる非偏光ビームスプリッターが望まれている。
特開平9-184908号公報(特許文献1)には、平板タイプの非偏光ビームスプリッターが開示されている。特開平9-184908号公報(特許文献1)に記載の非偏光ビームスプリッターは、透明な光学ガラス基板上に屈折率の異なる複数の誘電体層を第1層から第20層まで積層一体化したもので、第1層として、ZrO2とTiO2の混合物(屈折率2.07)をλ/2の膜厚に形成し、第2、8及び10層として、MgF2(屈折率1.37)をλ/4の膜厚に形成し、第3、5、7、9、11、13、15、17及び19層として、Al2O3(屈折率1.61)をλ/4の膜厚に形成し、第4及び6層として、上記ZrO2とTiO2の混合物をλ/4の膜厚に形成し、第12、14、16及び18層として、TiO2(屈折率2.27)をλ/4の膜厚に形成し、最外層である第20層として、上記MgF2をλ/2.4〜λ/1.9の膜厚に形成したことを特徴とする。しかし平板タイプの非偏光ビームスプリッターの場合、基板の厚さの分だけ透過光路のずれが発生し、正確に天井面に鉛直点をマーキングできなくなる。
特開平1-92702号公報(特許文献2)には、透過光路のずれが発生しない非偏光ビームスプリッターとして、直角二等辺三角形プリズムの接合面にTiO2等の誘電体層及びAg等の金属層を形成した非偏光ビームスプリッターが開示されている。しかし特開平1-92702号公報(特許文献2)に記載の非偏光ビームスプリッターは、金属層の吸収による光量低下の問題がある。
特開昭64-35402号公報(特許文献3)には、透過光路のずれが発生しない他の非偏光ビームスプリッターとして、直角二等辺三角形プリズムの接合面に3種類以上の誘電体材料からなる多層膜を形成した非偏光ビームスプリッターが開示されている。しかし特開昭64-35402号公報(特許文献3)に記載の非偏光ビームスプリッターは、3種類以上の誘電体材料を使用して9層以上の多層膜を形成してなるため、製造するのにコストがかかるという問題がある。また使用波長範囲を広げようとすると、さらに多くの層数が必要となる。
特開平9-184908号公報 特開平1-92702号公報 特開昭64-35402号公報
従って、本発明の目的は、広い波長域で非偏光性を有する非偏光ビームスプリッターを安いコストで提供することである。
上記課題に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、二つの透明基体の間に設けた間隔を調節することによって、簡単に光線分割比の変更が可能であることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の非偏光ビームスプリッターは、40〜1,000 nmの物理間隔を有するように配置した屈折率が等しい二つの透明基体と、前記二つの透明基体の間隙を満たす媒質とからなり、前記透明基体の屈折率Ns、前記媒質の屈折率Nf、及び前記透明基体と前記間隙との界面への光線入射角θ0が、
(2−sin2θ0)1/2・Nf/sinθ0−0.1<Ns<(2−sin2θ0)1/2・Nf/sinθ0+0.1
の関係を満たすことを特徴とする。
前記透明基体の間隙を満たす媒質は気体であるのが好ましい。前記気体は真空度10+2 Pa以下であるのが好ましい。前記気体は空気、二酸化炭素又は窒素であるのが好ましい。
前記透明基体の間隙を満たす媒質はシリカエアロゲルであるのが好ましい。
前記物理間隔が傾斜的に変化するように二つの透明基体を配置し、入射角度θ0を維持したまま物理間隔が異なる位置に光線入射位置を移動させることで、光線分割比を変更可能にするのが好ましい。
本発明の光学計測機器は、前記非偏光ビームスプリッターを使用したことを特徴とする。
本発明の非偏光ビームスプリッターは、S偏光成分とP偏光成分がどのような割合であっても、広い波長範囲で反射光(透過率)を1〜90%の範囲で任意に分割することができるので、光学系によって生じた入射光の偏光割合を考慮する必要がなくなり、どのような光学系であっても等しい比率で光を分割できる。そのため光学計測機器の光学設計上の自由度が広がり、非常に有用である。
[1] 非偏光ビームスプリッター
(1)構成
非偏光ビームスプリッターは、例えば屈折率の等しい二つの直角二等辺三角形プリズム(図1-1)を貼り合わせてなる構成、又は屈折率の等しい二つの台形プリズム(図1-2)を貼り合わせてなる構成であり、二つの透明プリズム基体間は40〜1,000 nmの物理間隔を有する。前記透明プリズム基体の屈折率Ns、前記透明プリズム基体の間隙を満たす媒質の屈折率Nf、及び前記透明基体と前記間隙との界面への光線入射角θ0が、
(2−sin2θ0)1/2・Nf/sinθ0−0.1<Ns<(2−sin2θ0)1/2・Nf/sinθ0+0.1
の関係を満たす。これにより、非常に簡単な構成で非偏光ビームスプリッターを作製することができる。
例えば、図1-1に示すような屈折率Nsの直角二等辺三角プリズムを、図1-3に示すように二つ対称に配置して、二つのプリズムの間隙を空気(Nf=1.0)で満たした非偏光ビームスプリッターを作製し、光線を入射角θ0=45°で照射した場合、本発明に規定する関係式から透明プリズム基体の屈折率Ns=1.63〜1.83となる。
光源としてHe-Neレーザー(波長632 nm)を使い、直角二等辺三角プリズムとしてHOYA株式会社製E-FD13(NHe-Ne=1.7354)を用いたときの物理間隔に対する反射率の関係を図2-1に示す。同様に、直角二等辺三角プリズムとしてHOYA株式会社製E-FD2(NHe-Ne=1.6438)を用いたときの反射率の物理間隔に対する反射率の関係を図2-2に、直角二等辺三角プリズムとしてHOYA株式会社製E-FD10(NHe-Ne=1.8294)を用いたときの反射率の物理間隔に対する反射率の関係を図2-3に示す。
図2-1〜図2-3から、本発明に規定する関係式から求めた屈折率範囲のプリズムを使用することにより、S偏光とP偏光の反射率がほぼ等しくなり、非偏光ビームスプリッターとして利用できることがわかる。特に、本発明に規定する関係式から求めた屈折率範囲の中心に近い屈折率を有するE-FD13の場合、S偏光とP偏光の反射率が全<一致しており、高精度の非偏光ビームスプリッターであることがわかる。さらに、物理間隔の大きさに応じて反射率が大きくなり、物理間隔の大きさを変えるだけで非偏光ビームスプリッターの分割比を自由に変化させることもできる。
(2)媒質
前記透明基体の間隙を満たす媒質はどのようなものであっても良いが、屈折率が1に近いものであればよく、気体であるのが好ましい。前記気体としては、使用する波長域において透明であり、前記透明基体に対して不活性であるものが好ましく、空気、二酸化炭素、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、酸素等が使用できる。中でも、空気、二酸化炭素又は窒素が好ましく、空気が最も好ましい。
前記気体は減圧状態であってもよい。真空度は絶対圧で10+2 Pa以下が好ましく、10+1 Pa以下がさらに好ましい。
前記透明基体の間隙を満たす媒質はシリカエアロゲルであってもよい。シリカエアロゲルは、例えば特開2007-94150号に記載された方法で形成することができる。このようにして作製したシリカエアロゲルは、1.05〜1.30の屈折率を有するため、本発明の非偏光ビームスプリッターに使用する媒質として好適である。
[2] 光学計測器
前記のような非偏光ビームスプリッターは、各種波長のレーザーを利用するレーザープレーナー等の光学計測器に共通に使用できる。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
HOYA株式会社製光学ガラスE-FD13(NHe-Ne=1.7354)を用いて図1-1に示すような斜面cの長辺の長さが5 mmの直角二等辺三角プリズムの二つの面a,bにイオンプレーティング装置で反射防止膜を形成し、そのプリズム斜面cの中央部を4 mmの長さマスキングし、両端の各0.5 mmに物理膜厚110 nmのSiO2膜をスペーサーとしてイオンプレーティング装置で成膜した。マスキングを外した後、SiO2膜を成膜した斜面cと、SiO2膜を成膜していないもう一つの直角二等辺三角プリズムの斜面cとを合わせて、図3-1に示すように二つのプリズム周辺を接着剤で固定して非偏光ビームスプリッターを作製した。この非偏光ビームスプリッターの斜面cに、図3-1に示すように、入射角θ0=45°で光線を照射し、分光反射率と分光透過率を測定した。その測定結果を図3-2及び図3-3に示す。図3-2及び図3-3から、He-Neレーザーの波長(632 nm)で、反射率ほぼ50%及び透過率ほぼ50%の非偏光ビームスプリッターが得られたことがわかる。
実施例2
HOYA株式会社製の光学ガラスBSC7(NHe-Ne=1.51509)を用いて図1-2に示すような斜面cの長辺の長さが5 mmの台形プリズムの二つの面a,bにイオンプレーティング装置で反射防止膜を形成し、そのプリズム斜面cの中央部を4 mmの長さマスキングし、両端の各0.5 mmに物理膜厚133 nmのSiO2膜をスペーサーとしてイオンプレーティング装置で成膜した。マスキングを外した後、SiO2膜を成膜した斜面cと、SiO2膜を成膜していないもう一つの台形プリズムの斜面cとを合わせて、図4-1に示すように二つのプリズム周辺を接着剤で固定して非偏光ビームスプリッターを作製した。この非偏光ビームスプリッターの斜面cに、図4-1に示すように、入射角θ0=51°で光線を照射し、分光反射率と分光透過率を測定した。その測定結果を図4-2及び図4-3に示す。図4-2及び図4-3から、He-Neレーザーの波長(632 nm)で、反射率ほぼ50%及び透過率ほぼ50%の非偏光ビームスプリッターが得られたことがわかる。
実施例3
HOYA株式会社製光学ガラスE-FD13(NHe-Ne=1.7354)を用いて図1-1に示すような斜面cの長辺の長さが5 mmの直角二等辺三角プリズムの二つの面a,bにイオンプレーティング装置で反射防止膜を形成し、そのプリズム斜面cの中央部を4 mmの長さマスキングし、両端の各0.5 mmに物理膜厚50 nmのSiO2膜をスペーサーとしてイオンプレーティング装置で成膜した。次に中央部の4 mmに加えて物理膜厚50 nmのSiO2膜を成膜した両端部のうち片側のみをマスキングし、他方の端部にさらに物理膜厚100 nmのSiO2膜を同様にして成膜し、プリズム斜面cの片側の端部0.5 mmに物理膜厚50 nmのSiO2膜のスペーサーを有し、もう一つの片側の端部0.5 mmに物理膜厚150 nmのSiO2膜のスペーサーを有する直角二等辺三角プリズム作製した。マスキングを外した後、SiO2膜を成膜した斜面cと、SiO2膜を成膜していないもう一つの直角二等辺三角プリズムの斜面cとを合わせて、図5-1に示すように二つのプリズム周辺を物理間隔が傾斜的に変化するように接着剤で固定して非偏光ビームスプリッターを作製した。この非偏光ビームスプリッターの斜面cに、図5-1に示すように、入射角がθ0=45°の状態を維持したまま、二つのプリズムの物理間隔が異なる位置に光線を照射し分光反射率を測定した。斜面cにおける光線入射位置pl(物理間隔75 nmの部分)、p2(物理間隔100 nmの部分)及びp3(物理間隔125 nmの部分)における分光反射率をそれぞれ図5-2、図5-3及び図5-4に示す。図5-2、図5-3及び図5-4から、He-Neレーザーの波長(632 nm)において、反射率を30〜60%(透過率として70〜40%)の間で任意に変えることができる非偏光ビームスプリッターが得られたことがわかる。つまり、光線入射位置を変えることで反射光と透過光の割合(光線分割比)を変更することができる。
比較例1
特開昭64-35402号の実施例に記載に従って、HOYA株式会社製光学ガラスTAFD5(NHe-Ne=1.83097)を用いて図1-1に示すような斜面cの長辺の長さが5 mmの直角二等辺三角プリズムの二つの面a,bにイオンプレーティング装置で反射防止膜を形成し、そのプリズム斜面cに高屈折率材料としてNb205(Nd=2.25)、中間屈折率材料としてAl2O3(Nd=1.64)、低屈折率材料としてMgF2(Nd=1.39)を用いて表1に示す9層膜を形成した。この9層膜を形成した斜面と、膜を成膜していないもう一つの直角二等辺三角プリズムの斜面cとを合わせて、図7-1に示すように二つのプリズム周辺を接着剤で固定して非偏光ビームスプリッターを作製した。この非偏光ビームスプリッターの斜面cに、図7-1に示すように、入射角θ0=45°で光線を照射し、分光反射率と分光透過率を測定した。その測定結果を図7-2及び図7-3に示す。図7-2及び図7-3から、He-Neレーザーの波長(632 nm)で反射率ほぼ50%及び透過率ほぼ50%の非偏光ビームスプリッターが得られたことがわかる。
実施例1及び2で得られた非偏光ビームスプリッターは、従来の非偏光ビームスプリッター(比較例1)に比べて少ない膜材料(従来は3種類以上に対して1種類)で、少ない層数(従来は9層以上に対して1層)で同様の性能が得られることがわかった。しかも実施例3のように、物理間隔を変更するだけで、反射率(透過率)を10〜90%の範囲で任意に選ぶことができる非偏光ビームスプリッターを得ることができた。なお、本実施例ではスペーサーとしてSiO2膜を使用したが、本発明はこれに限らず、厚さを容易に調節でき、圧力や熱による厚さ変動の少ない膜であればどのようなものでも良い。本発明の非偏光ビームスプリッターは図6に示すようなレーザープレーナー等の光学計測機器に適用した場合に非常に有用である。
Figure 2009192706
実施例4
SiO2膜をスペーサーとして成膜した斜面cと、SiO2膜を成膜していないもう一つの直角二等辺三角プリズムの斜面cとを合わせて、真空度10+1 Paに減圧した状態で二つのプリズム周辺を接着剤で固定した以外は実施例1と同様にして、プリズムとプリズムとの間隙が真空度10+1 Paの減圧状態である非偏光ビームスプリッターを作製した。この非偏光ビームスプリッターの斜面cに、図3-1に示すように、入射角θ0=45°で光線を照射し、分光反射率と分光透過率を測定した。その測定結果を図8-1及び図8-2に示す。図8-1及び図8-2から、He-Neレーザーの波長(632 nm)で、反射率ほぼ50%及び透過率ほぼ50%の非偏光ビームスプリッターが得られたことがわかる。
実施例5
(1)有機修飾シリカ含有ゾルの準備
テトラエトキシシラン5.21 gとエタノール4.38 gとを室温で混合し、0.01 N塩酸0.4 gを加えて90分間撹拌した。エタノール44.35 gと0.02 Nアンモニア水0.5 gとを添加し46時間撹拌した後、60℃に昇温して46時間エージングし、湿潤状態のシリカゲルを得た。デカンテーションを繰り返すことによりシリカゲルの分散媒をエタノールに置換し、さらにデカンテーションにより分散媒をエタノールからヘキサンに置換した。このシリカゲルにトリメチルクロロシランのヘキサン溶液(濃度5体積%)を加え30時間撹拌し、酸化ケイ素末端を有機修飾した。得られた有機修飾シリカゲルをヘキサン洗浄後1質量%に調製し、超音波処理(20 kHz、500 W、5分間)を行い、有機修飾シリカゾルを得た。
(2) 非偏光ビームスプリッターの作製
HOYA株式会社製光学ガラスS-LAH58(NHe-Ne=1.87853)を用いて図1-1に示すような斜面cの長辺の長さが5 mmの直角二等辺三角プリズムの二つの面a,bにイオンプレーティング装置で反射防止膜を形成し、そのプリズム斜面cに前述の有機修飾シリカゾルをディップコートし、室温で乾燥させたところ、ゲルの収縮及びスプリングバックが起こり空隙率84.8%の多孔質が形成した。これを300℃で2時間焼成することにより、光学膜厚108 nmの疎水性シリカエアロゲル(nd=1.07)膜を成膜した。疎水性シリカエアロゲル膜を成膜した斜面cと、疎水性シリカエアロゲル膜を成膜していないもう一つの直角二等辺三角プリズムの斜面cとを合わせて、二つのプリズム周辺を接着剤で固定して非偏光ビームスプリッターを作製した。この非偏光ビームスプリッターの斜面cに、図3-1に示すように、入射角θ0=45°で光線を照射し、分光反射率と分光透過率を測定した。その測定結果を図9-1及び図9-2に示す。図9-1及び図9-2から、He-Neレーザーの波長(632 nm)で、反射率ほぼ50%及び透過率ほぼ50%の非偏光ビームスプリッターが得られたことがわかる。
直角二等辺三角形プリズムの一例を示す模式図である。 台形プリズムの一例を示す模式図である。 直角二等辺三角形プリズムを利用した非偏光ビームスプリッターの一例を示す模式図である。 本発明の非偏光ビームスプリッターの透明基体の物理間隔と、S偏光及びP偏光の分光反射率との関係を示すグラフである。 本発明の他の非偏光ビームスプリッターの透明基体の物理間隔とS偏光及びP偏光の分光反射率との関係を示すグラフである。 本発明のさらに他の非偏光ビームスプリッターの透明基体の物理間隔と、S偏光及びP偏光の分光反射率との関係を示すグラフである。 実施例1で作製した非偏光ビームスプリッターを示す模式図である。 実施例1で作製した非偏光ビームスプリッターのS偏光及びP偏光の分光反射率を示すグラフである。 実施例1で作製した非偏光ビームスプリッターのS偏光及びP偏光の分光透過率を示すグラフである。 実施例2で作製した非偏光ビームスプリッターを示す模式図である。 実施例2で作製した非偏光ビームスプリッターのS偏光及びP偏光の分光反射率を示すグラフである。 実施例2で作製した非偏光ビームスプリッターのS偏光及びP偏光の分光透過率を示すグラフである。 実施例3で作製した非偏光ビームスプリッターを示す模式図である。 実施例3で作製した非偏光ビームスプリッターの位置plにおけるS偏光及びP偏光の分光反射率を示すグラフである。 実施例3で作製した非偏光ビームスプリッターの位置p2におけるS偏光及びP偏光の分光反射率を示すグラフである。 実施例3で作製した非偏光ビームスプリッターの位置p3におけるS偏光及びP偏光の分光反射率を示すグラフである。 非偏光ビームスプリッターを利用したレーザープレーナーの一例を示す模式図である。 比較例1で作製した非偏光ビームスプリッターを示す模式図である。 比較例1で作製した非偏光ビームスプリッターのS偏光及びP偏光の分光反射率を示すグラフである。 比較例1で作製した非偏光ビームスプリッターのS偏光及びP偏光の分光透過率を示すグラフである。 実施例4で作製した非偏光ビームスプリッターのS偏光及びP偏光の分光反射率を示すグラフである。 実施例4で作製した非偏光ビームスプリッターのS偏光及びP偏光の分光透過率を示すグラフである。 実施例5で作製した非偏光ビームスプリッターのS偏光及びP偏光の分光反射率を示すグラフである。 実施例5で作製した非偏光ビームスプリッターのS偏光及びP偏光の分光透過率を示すグラフである。
符号の説明
a,b・・・面
c・・・斜面
1・・・レーザープレーナー
2・・・レーザー光源
3・・・円盤
4・・・ビームスプリッター
10・・・直角三角形プリズム
20・・・台形プリズム
11・・・物理間隔
12・・・反射防止膜
13・・・接着剤
14・・・SiO2
14a・・・物理膜厚50nmのSiO2
14b・・・物理膜厚150nmのSiO2
15・・・空気層
16・・・9層膜
p1、p2、p3・・・物理間隔
L・・・レーザー光
Lin・・・入射光
L1・・・反射光
L2・・・透過光

Claims (7)

  1. 40〜1,000 nmの物理間隔を有するように配置した屈折率が等しい二つの透明基体と、前記二つの透明基体の間隙を満たす媒質とからなる非偏光ビームスプリッターであって、前記透明基体の屈折率Ns、前記媒質の屈折率Nf、及び前記透明基体と前記間隙との界面への光線入射角θ0が、
    (2−sin2θ0)1/2・Nf/sinθ0−0.1<Ns<(2−sin2θ0)1/2・Nf/sinθ0+0.1
    の関係を満たすことを特徴とする非偏光ビームスプリッター。
  2. 請求項1に記載の非偏光ビームスプリッターにおいて、前記透明基体の間隙を満たす媒質が気体であることを特徴とする非偏光ビームスプリッター。
  3. 請求項2に記載の非偏光ビームスプリッターにおいて、前記気体が真空度10+2 Pa以下であることを特徴とする非偏光ビームスプリッター。
  4. 請求項2又は3に記載の非偏光ビームスプリッターにおいて、前記気体が空気、二酸化炭素又は窒素であることを特徴とする非偏光ビームスプリッター。
  5. 請求項1に記載の非偏光ビームスプリッターにおいて、前記透明基体の間隙を満たす媒質がシリカエアロゲルであることを特徴とする非偏光ビームスプリッター。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の非偏光ビームスプリッターにおいて、前記物理間隔が傾斜的に変化するように前記二つの透明基体を配置し、入射角度θ0を維持したまま物理間隔が異なる位置に光線入射位置を移動させることで、光線分割比を変更可能にしたことを特徴とする非偏光ビームスプリッター。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の非偏光ビームスプリッターを使用した光学計測機器。
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JP2008031802A Pending JP2009192706A (ja) 2008-02-13 2008-02-13 非偏光ビームスプリッター及びそれを利用した光学計測機器

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018139486A1 (ja) * 2017-01-26 2018-08-02 国立研究開発法人産業技術総合研究所 レーザ光減衰器の製造装置、この製造装置により製造されたレーザ光減衰器及びこのレーザ光減衰器の製造方法
JP2019208063A (ja) * 2016-06-03 2019-12-05 国立研究開発法人産業技術総合研究所 減衰量可変の光減衰器を用いたレーザ出力制御装置

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JP2019208063A (ja) * 2016-06-03 2019-12-05 国立研究開発法人産業技術総合研究所 減衰量可変の光減衰器を用いたレーザ出力制御装置
WO2018139486A1 (ja) * 2017-01-26 2018-08-02 国立研究開発法人産業技術総合研究所 レーザ光減衰器の製造装置、この製造装置により製造されたレーザ光減衰器及びこのレーザ光減衰器の製造方法

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