JPH11281801A - 赤外反射防止膜 - Google Patents

赤外反射防止膜

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JPH11281801A
JPH11281801A JP10081384A JP8138498A JPH11281801A JP H11281801 A JPH11281801 A JP H11281801A JP 10081384 A JP10081384 A JP 10081384A JP 8138498 A JP8138498 A JP 8138498A JP H11281801 A JPH11281801 A JP H11281801A
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film
substance
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JP10081384A
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Masaru Okumura
勝 奥村
Hirozo Tani
博蔵 谷
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常条件下のみならず高温高湿等の厳しい使
用条件下でも膜剥離等の生じない反射防止に優れた赤外
域反射防止膜を提供すること。 【解決手段】 設計主波長λ0:2μm<λ0<15μ
m、基板屈折率nb:1.4<nb<5.0(設計主波長
λ0に対する)なる条件において、屈折率nl:1.2<
l< 2.0(設計主波長λ0に対する)を有する第1
の領域の物質、屈折率nm:2.0<nm<3.0(設
計主波長λ0に対する)を有する第2の領域の物質、屈
折率nh:3.0<nh<5.0(設計主波長λ0に対す
る)を有する第3の領域の物質を基板上に複数層積層し
て形成されてなる反射防止膜において、第1の領域の物
質の膜厚が1μmを越える場合、もしくは第1の領域の
物質の膜厚の全体の膜厚に対する比率が40%を越える
ような場合に、第1の領域の物質を積層する時は、該層
中に、第2の領域の物質からなる中間層を形成し、第1
の領域の物質層、第2の領域の物質層および第1の領域
の物質層からなる3層積層構成とすることを特徴とする
複数層積層反射防止膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は赤外領域で使用され
る光学部品に施される赤外反射防止膜に関する。
【0002】
【従来の技術】反射防止膜には、ヒトが見ることができ
る光、すなわち可視域の光が反射するのを防止する目的
の可視域反射防止膜や、ヒトが見ることのできない光、
例えば赤外域の光の反射を防止する目的の赤外域反射防
止膜等、種々の波長に適用される光学部品の反射防止膜
が存在する。本発明はそのよう種々の反射防止膜の内、
赤外域反射防止膜に関する。
【0003】赤外反射防止膜に関しては、最表面層に高
い硬度を持つダイヤモンド状薄膜などの層を設けて表面
硬度を向上する目的の技術が、例えば特開平4−305
61号公報、特開平6−313802号公報、特開平4
−217201号公報あるいは特開平4−217202
号公報等に開示されており、また、最表面層に気密性の
高いダイヤモンド状薄膜などの層を設けて、表面硬度を
向上させると共に、耐湿性等の向上を目的とする技術
が、例えば特開昭64−56401号公報、特開平2−
100001号公報等に開示されている。さらに表面層
にポリエチレン層を形成することで、耐湿性等の信頼性
の向上を目的とした技術も知られている。さらに、基板
と反射防止膜との間にGe、TeSe、PbSe等の層
を介在させることにより、基板と反射防止膜との密着性
を向上を目的とした技術が、例えば特公平50−178
70号公報あるいは特開平6−25831号公報等に開
示されている。
【0004】しかしながら、波長域が2〜15μmの赤
外域反射防止膜では、通常の420〜700nm可視域
反射防止膜に比べて、膜厚が約5ないし約10倍にもな
る。このため、非常に大きな膜応力を内包することにな
り、膜剥離などが生じる原因となる。特に、波長8〜1
2μmの赤外域反射防止膜の場合、低屈折率材料(YF
3等)が用いられているが、その膜厚は、光学的設計上
の理由から、1000nm(1μm)にもなることが多
い。このように膜厚が厚くなると赤外域反射防止膜は大
きな膜応力を内包することとなり、このような膜応力は
膜剥離等を生ぜしめる原因となる。膜の信頼性を考慮す
ると薄い膜厚が望ましいが、低屈折率材料の膜厚を薄く
した場合は所望の光学性能を得ることが難しくなり、低
屈折率材料の膜厚を薄くするのには限界がある。
【0005】低屈折率材料の膜厚が1μmを超えると、
通常の条件下で使用している限りは、膜剥離等は生じに
くいが、本質的に内部に膜応力を内包しているので、使
用条件によっては膜剥離等が生じやすくなり、信頼性を
100%確保しているとは言い難い。事実、高温高湿下
の耐湿試験等の環境下で使用されると、膜剥離等が生じ
る問題が生じる。
【0006】また、膜厚が1μmに満たないような場合
でも、第1の領域の物質の膜厚が全体の膜厚の40%を
越える場合は使用条件によっては膜剥離等が生じやすく
なる。
【0007】そして、昨今のユーザーの使用環境の多様
化に伴い、赤外域光学系の置かれる使用条件に関わら
ず、膜剥離等の生じない信頼性の高い製品が求められて
いる。
【0008】膜応力の観点からは、特開平64−157
03号公報に、内部に強い引っ張り応力を有するYF3
膜と、内部に強い圧縮応力を有するZnS膜を接触させ
ることにより、応力を互いに相殺し、耐湿性等の信頼性
を向上させる技術が開示されている。しかしながら、こ
の技術においても、厚い膜厚のYF3膜を使用している
ことには変わりなく、従来の膜構成を基本的に踏襲して
いるものであり、膜応力に起因する上記問題を完全に解
決するものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、膜に内部応力が存在しない新
規な膜構成の赤外域反射防止膜であり、通常条件下のみ
ならず高温高湿等の厳しい使用条件下でも膜剥離等の生
じない反射防止に優れた赤外域反射防止膜を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、設計
主波長λ0:2μm<λ0<15μm、 基板屈折率nb:1.4<nb<5.0(設計主波長λ0
に対する)なる条件において、 屈折率nl:1.2<nl<2.0(設計主波長λ0に対
する)を有する第1の領域の物質、 屈折率nm:2.0<nm<3.0(設計主波長λ0に対
する)を有する第2の領域の物質、 屈折率nh:3.0<nh<5.0(設計主波長λ0に対
する)を有する第3の領域の物質を基板上に複数層積層
して形成されてなる反射防止膜において、第1の領域の
物質の膜厚が1μmを越える場合、もしくは第1の領域
の物質の膜厚の全体の膜厚に対する比率が40%を越え
るような場合に、第1の領域の物質を積層する時は、該
層中に、第2の領域の物質からなる中間層を形成し、第
1の領域の物質層、第2の領域の物質層および第1の領
域の物質層からなる3層積層構成とすることを特徴とす
る複数層積層の赤外反射防止膜に関する。
【0011】本発明の赤外域反射防止膜は、波長2μm
から15μmの赤外域波長の光に対する反射防止膜であ
り、上記のような構成とすることにより、赤外光の反射
を効率よく防止することができ、通常条件下のみならず
高温高湿等の厳しい使用条件下でも膜剥離等の生じない
赤外域反射防止膜を提供することが可能となる。
【0012】本発明の赤外域反射防止膜の形成に使用さ
れる基板は、設計主波長λ0に対する屈折率nbが1.4
<nb<5.0の範囲の値を有する基板を使用する。こ
のような屈折率を有する基板は、例えばGe(nb
4.00)、Si(nb:3.43)、ZnSe(nb
2.45)、ZnS(nb:2.25)、Al2
3(nb:1.68)等の物質を使用することにより構成
することができる。なお、本発明で使用する「設計主波
長λ0」とは、光学的膜厚を記述する際に用いられる基
準の波長(使用する波長領域の中心波長を用いることが
多い)をいう。基板上に形成される各層は設計主波長を
基準に、各層の屈折率、膜厚が設計される。このように
設計主波長を基準にして形成された反射防止膜は、一般
に設計主波長λ0±2μmの赤外域の光に対して特に反
射防止効果が大きい。
【0013】基板上に形成される反射防止膜は第1〜第
3の領域の物質からなる複数層から構成される。
【0014】第1の領域の物質に適用可能なものは、設
計主波長λ0に対する屈折率が1.2<nl<2.0とな
る層を形成し得る物質であり、例えばYF3(nl:1.
50)、BaF2(nl:1.46)、CaF2(nl
1.23)、MgF2(nl:1.38)、ThF4(nl
1.50)等の金属フッ化物、もしくはSiO2(nl
1.45)、SiO(nl:1.55)等、好ましくはYF
3である。
【0015】第2の領域の物質に適用可能なものは、λ
0に対する屈折率が2.0<nm<3.0となる層を形成
し得る物質であり、例えばZnSe(nm2.45)、
ZnS(nm2.25)等、好ましくはZnSである。
【0016】第3の領域の物質に適用可能なものはλ0
に対する屈折率が3.0<nh<5.0となる層を形成
し得る物質であり、例えばGe(4.25)、Si
(3.43)等である。好ましくはGeである。
【0017】一般に、赤外域反射防止膜の形成に低屈折
率物質の第1の領域の物質を使用する場合、光学的設計
上の理由から非常に厚い層形成が必要とされる。通常は
1μmを超え、約2μm前後もの膜厚が必要とされる。
本発明はこのような低屈折率の物質からなる膜厚の厚い
層を2分割し、その間に中間層として、第2の領域の物
質からなる中間層をし、3層構成とすることに大きな特
徴がある。
【0018】また、本発明においては屈折率は単層膜の
分光反射率を測定することにより決定した値を示してお
り、温度25℃、設計主波長の光に対する時の屈折率で
表されている。
【0019】以下、8層からなる赤外域反射防止膜を例
に挙げ説明する。かかる8層赤外域反射防止膜は、基板
から数えて、第1層は第3の領域の物質からなる層、第
2層は第2の領域の物質からなる層、第3層は第3の領
域の物質からなる層、第4層は第2の領域の物質からな
る層、第5層は第1の領域の物質からなる層、第6層は
第2の領域の物質からなる層、第7層は第1の領域の物
質からなる層、第8層は第2の領域の物質からなる層、
の各層を順次積層して構成されており、第5層〜第7層
が本発明の特徴的な層である。
【0020】第1層は基板の有する屈折率よりも大きな
屈折率を有する層で構成される。係る関係を付与するこ
とができれば、基板構成材料と第1層構成材料が同一で
あってもよい。例えば、基板に屈折率4.00(設計主
波長λ0に対する)を呈するGe基板を使用した場合、
第1層をGeで形成可能で、第1層として、例えば屈折
率が4.00より大きな4.25(設計主波長λ0に対
する)を呈し得るGe層が形成されていればよい。
【0021】また、各層の膜厚は以下のように設定され
る。第1層はnd/λ0の比が0.0200〜0.110
0、好ましくは、0.0210〜0.1052となるよ
うに形成する。
【0022】ここで、nは屈折率、dは物理的膜厚(n
m)、を表し、λ0は設計主波長を表す。本発明におい
ては設計主波長に対する光学的膜厚(nd)の比で膜厚
を規定している。これは光の反射は層の屈折率、物理的
膜厚、入射光の波長に依存するため、nd/λ0の比が各
層の膜厚設定に重要となるためである。したがって、各
層の光学的膜厚(nd)または物理的膜厚(d)は、設
計主波長λ0で異なってくる。例えば第1層がGe(屈
折率4.25)で形成され、nd/λ0の比が0.025
1として同様に形成されていていても、設計主波長λ0
が10.1μmで設計されている場合は、その物理的膜
厚dは60nmになり、設計主波長λ0が4.0μmで
設計されている場合は、その物理的膜厚dは24nmに
なる。従って、各層の膜厚は、nd/λ0の比が 重要
となる。
【0023】第2層は、nd/λ0が0.0800〜0.
2300、好ましくは、0.0828〜0.2273、
さらに好ましくは0.0844〜0.2273となるよ
うに構成される。
【0024】第3層はnd/λ0が0.0290〜0.0
690、好ましく0.0295〜0.0678となるよ
うに構成される。
【0025】第4層はnd/λ0が0.0220〜0.1
730、好ましくは0.0225〜0.1724となる
ように構成される。
【0026】第5層はnd/λ0が0.0290〜0.0
750、好ましくは0.0297〜0.0743、より
好ましくは0.0594〜0.0743となるように構
成される。
【0027】第6層はnd/λ0が0.0080〜0.0
230、好ましくは0.0089〜0.0225となる
ように構成される。
【0028】第7層はnd/λ0が0.0810〜0.1
720、好ましくは0.0818〜0.1709、より
好ましくは0.1084〜0.1709となるように構
成される。
【0029】第8層はnd/λ0が0.0080〜0.0
230、好ましくは0.0089〜0.0225となる
ように構成される。
【0030】好ましい8層反射防止膜は、設計主波長λ
0として10.1μmを基準にした場合、各層のnd/λ
0が; 第1層:0.0360〜0.1055、好ましくは0.
0363〜0.1052、 第2層:0.0840〜0.2140、好ましくは0.
0844〜0.2136、 第3層:0.0290〜0.0680、好ましくは0.
0295〜0.0678、 第4層:0.0440〜0.0450、好ましくは0.
0444〜0.0448、 第5層:0.0590〜0.0750、好ましくは0.
0594〜0.0743、 第6層:0.0080〜0.0110、好ましくは0.
0089〜0.0104、 第7層:0.1080〜0.1720、好ましくは0.
1081〜0.1709、 第8層:0.0080〜0.0230、好ましくは0.
0089〜0.0223 となるように各層を形成する。係る構成とすることによ
り、波長約約8μm〜約12μmの波長域で反射率が1
%以下であり、通常条件下のみならず高温高湿等の厳し
い使用条件下でも膜剥離等の生じない反射防止膜が得ら
れる。
【0031】設計主波長λ0として4μmを基準にした
場合、各層のnd/λ0が; 第1層:0.0200〜0.1055、好ましくは0.
0210〜0.1052 第2層:0.0840〜0.2280、好ましくは0.
0844〜0.2273 第3層:0.0.290〜0.0680、好ましくは
0.0295〜0.0678 第4層:0.0220〜0.1730、好ましくは0.
0225〜0.1724 第5層:0.0560〜0.0750、好ましくは0.
0594〜0.0743 第6層:0.0080〜0.0230、好ましくは0.
0089〜0.0225 第7層:0.1080〜0.1720、好ましくは0.
1081〜0.1709 第8層:0.0080〜0.0230、好ましくは0.
0089〜0.0225 となるように各層を形成する。係る構成とすることによ
り、波長約3μm〜約5μmの波長域で反射率が1%以
下であり、通常条件下のみならず高温高湿等の厳しい使
用条件下でも膜剥離等の生じない反射防止膜が得られ
る。
【0032】10層からなる赤外域反射防止膜の場合
は、さらに第9層を第1の領域の物質からなる層、およ
び第10層を第2の領域の物質からなる層として形成す
る。第9層の膜厚はnd/λ0が0.0810〜0.17
20、好ましくは0.0818〜0.1709、第10
層の膜厚は0.0080〜0.0230、好ましくは
0.0089〜0.0223となるように構成される。
【0033】本発明の各層は、公知の方法、例えば真空
蒸着もしくはイオンアシスト法、イオンプレーティング
法等の方法で形成することができる。
【0034】実施例 実施例1(Ge基板における赤外域8層反射防止膜) Ge基板(屈折率4.00)上に、第1層〜第8層とし
て表1に記載する材料、屈折率(n)、および膜厚
(d)に設定した8層の赤外域反射防止膜を作製した。
各層の形成は各材料を真空蒸着することにより行った。
表1には各層の光学的膜厚(nd)設計主波長(λ0)
で割った値も示している。以下の各表についても同様で
ある。
【0035】
【表1】
【0036】実施例2(ZnS基板における赤外域8層
反射防止膜) ZnS基板(屈折率2.25)上に、第1層〜第8層と
して表2に記載する材料、屈折率(n)、および膜厚
(d)に設定した8層の赤外域反射防止膜を作製した。
各層の形成は各材料を真空蒸着することにより行った。
【0037】
【表2】
【0038】実施例3(ZnSe基板における赤外域8
層反射防止膜) ZnSe基板(屈折率2.45)上に、第1層〜第8層
として表3に記載する材料、屈折率(n)、および膜厚
(d)に設定した8層の赤外域反射防止膜を作製した。
各層の形成は各材料を真空蒸着することにより行った。
【0039】
【表3】
【0040】実施例4(Ge基板における赤外域8層反
射防止膜) Ge基板(屈折率4.00)上に、第1層〜第8層とし
て表4に記載する材料、屈折率(n)、および膜厚
(d)に設定した8層の赤外域反射防止膜を作製した。
各層の形成は各材料を真空蒸着することにより行った。
【0041】
【表4】
【0042】実施例5(Si基板における赤外域8層反
射防止膜) Si基板(屈折率3.43)上に、第1層〜第8層とし
て表5に記載する材料、屈折率(n)、および膜厚
(d)に設定した8層の赤外域反射防止膜を作製した。
各層の形成は各材料を真空蒸着することにより行った。
【0043】
【表5】
【0044】実施例6(Al23基板における赤外域8
層反射防止膜) Al23基板(屈折率1.68)上に、第1層〜第8層
として表6に記載する材料、屈折率(n)、および膜厚
(d)に設定した8層の赤外域反射防止膜を作製した。
各層の形成は各材料を真空蒸着することにより行った。
【0045】
【表6】
【0046】実施例7(ZnS基板における赤外域8層
反射防止膜) ZnS基板(屈折率2.25)上に、第1層〜第8層と
して表7に記載する材料、屈折率(n)、および膜厚
(d)に設定した8層の赤外域反射防止膜を作製した。
各層の形成は各材料を真空蒸着することにより行った。
【0047】
【表7】
【0048】実施例8(ZnSe基板における赤外域8
層反射防止膜) ZnSe基板(屈折率2.45)上に、第1層〜第8層
として表8に記載する材料、屈折率(n)、および膜厚
(d)に設定した8層の赤外域反射防止膜を作製した。
各層の形成は各材料を真空蒸着することにより行った。
【0049】
【表8】
【0050】実施例9(Ge基板における赤外域8層反
射防止膜) Ge基板(屈折率4.00)上に、第1層〜第8層とし
て表9に記載する材料、屈折率(n)、および膜厚
(d)に設定した8層の赤外域反射防止膜を作製した。
各層の形成は各材料を真空蒸着することにより行った。
【0051】
【表9】
【0052】実施例10(Ge基板における赤外域8層
反射防止膜) Ge基板(屈折率4.00)上に、第1層〜第8層とし
て表10に記載する材料、屈折率(n)、および膜厚
(d)に設定した8層の赤外域反射防止膜を作製した。
各層の形成は各材料を真空蒸着することにより行った。
【0053】
【表10】
【0054】比較例1(Ge基板における赤外域6層反
射防止膜) Ge基板(屈折率4.00)上に、第1層〜第6層とし
て表11に記載する材料、屈折率(n)、および膜厚
(d)に設定した6層の赤外域反射防止膜を作製した。
各層の形成は各材料を真空蒸着することにより行った。
【0055】
【表11】
【0056】比較例2(ZnS基板における赤外域6層
反射防止膜) ZnS基板(屈折率2.25)上に、第1層〜第6層と
して表12に記載する材料、屈折率(n)、および膜厚
(d)に設定した6層の赤外域反射防止膜を作製した。
各層の形成は各材料を真空蒸着することにより行った。
【0057】
【表12】
【0058】比較例3(ZnSe基板における赤外域6
層反射防止膜) ZnSe基板(屈折率2.45)上に、第1層〜第6層
として表13に記載する材料、屈折率(n)、および膜
厚(d)に設定した6層の赤外域反射防止膜を作製し
た。各層の形成は各材料を真空蒸着することにより行っ
た。
【0059】
【表13】
【0060】実施例1〜10および比較例1〜3で得ら
れた各反射防止膜の赤外域での分光反射率の計算値を示
した。そのとき入射角は0°として計算した。
【0061】実施例1および比較例1で得られた反射防
止膜を60℃、95%の環境に48時間放置し、24時
間および48時間後の膜状態を観察した。結果を下記表
14に示す。
【0062】
【表14】
【0063】本発明実施例の反射防止膜は48時間後に
も外観変化は見られなかったが、比較例の反射防止膜に
は膜浮きが観察された。これは、圧縮応力をもつZnS
層をYF3層に割り込ませることによって、YF3層の
持つ大きな引っ張り応力を緩和させる効果があることを
示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の反射防止膜による赤外域の分光反
射率。
【図2】 実施例2の反射防止膜による赤外域の分光反
射率。
【図3】 実施例3の反射防止膜による赤外域の分光反
射率。
【図4】 実施例4の反射防止膜による赤外域の分光反
射率。
【図5】 実施例5の反射防止膜による赤外域の分光反
射率。
【図6】 実施例6の反射防止膜による赤外域の分光反
射率。
【図7】 実施例7の反射防止膜による赤外域の分光反
射率。
【図8】 実施例8の反射防止膜による赤外域の分光反
射率。
【図9】 実施例9の反射防止膜による赤外域の分光反
射率。
【図10】 実施例10の反射防止膜による赤外域の分
光反射率。
【図11】 比較例1の反射防止膜による赤外域の分光
反射率。
【図12】 比較例2の反射防止膜による赤外域の分光
反射率。
【図13】 比較例3の反射防止膜による赤外域の分光
反射率。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 設計主波長入0:2μm<λ0<15μ
    m、 基板屈折率nb:1.4<nb<5.0(主波長λ0に対
    する)なる条件において、屈折率nl:1.2<nl
    2.0(設計主波長λ0に対する)を有する第1の領域
    の物質、 屈折率nm:2.0<nm<3.0(設計主波長λ0に対
    する)を有する第2の領域の物質、 屈折率nh:3.0<nh<5.0(設計主波長λ0に対
    する)を有する第3の領域の物質を、基板から数えて、 第1層は第3の領域の物質、 第2層は第2の領域の物質、 第3層は第3の領域の物質、 第4層は第2の領域の物質、 第5層は第1の領域の物質、 第6層は第2の領域の物質、 第7層は第1の領域の物質、 第8層は第2の領域の物質、の各層を順次積層した8層
    構成の反射防止膜。
  2. 【請求項2】 設計主波長λ0:2μm<λ0<15μ
    m、基板屈折率nb:1.4<nb<5.0(設計主波長
    λ0に対する)なる条件において、 屈折率nl:1.2<n1<2.0(設計主波長λ0に対
    する)を有する第1の領域の物質、 屈折率nm:2.0<nm<3.0(設計主波長λ0に対
    する)を有する第2の領域の物質、 屈折率nh:3.0<nh<5.0(設計主波長λ0に対
    する)を有する第3の領域の物質を基板上に複数層積層
    して形成されてなる反射防止膜において、 第1の領域の物質の膜厚が1μmを越える場合、もしく
    は第1の領域の物質の膜厚の全体の膜厚に対する比率が
    40%を越えるような場合に、第1の領域の物質を積層
    する時は、該層中に、第2の領域の物質からなる中間層
    を形成し、第1の領域の物質層、第2の領域の物質層お
    よび第1の領域の物質層からなる3層積層構成とするこ
    とを特徴とする複数層積層反射防止膜。
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