JP2942938B2 - 塗布方法 - Google Patents

塗布方法

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JP2942938B2
JP2942938B2 JP4306192A JP30619292A JP2942938B2 JP 2942938 B2 JP2942938 B2 JP 2942938B2 JP 4306192 A JP4306192 A JP 4306192A JP 30619292 A JP30619292 A JP 30619292A JP 2942938 B2 JP2942938 B2 JP 2942938B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/74Applying photosensitive compositions to the base; Drying processes therefor
    • GPHYSICS
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    • G03C2001/7459Extrusion coating

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗布方法に関し、特に、
移動中の支持体表面に向けて連続的に押出した磁性塗布
液を、支持体表面に均一な厚さをもって高速薄層塗布す
るエクストルージョン型塗布ヘッドによる塗布方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】移動中の支持体表面に向けて連続的に押
出した塗布液を、支持体表面に均一な厚さをもって高速
薄層塗布するエクストルージョン型塗布装置は、例えば
特開昭57−84771号、同58−104666号、
同59−238179号、同63−88080号、同6
3−164022号、特開平2−17971号公報等に
開示されているように種々検討されており、又、塗布ヘ
ッドの上流側エッジをプレコート層によって液封し塗布
層へのエア同伴を遮断する方法として、同一組成の液を
プレコートする方法(特開昭58−205561号公報
参照)、プレコートとしての溶剤を支持体上に塗布する
方法(特開昭61−139929号公報参照)等が開示
されている。これらの塗布方法により、高速での薄層塗
布を実現することができる。
【0003】しかしながら、この塗布装置はエクストル
ージョン型塗布装置において、下流側エッジと支持体と
の間が加圧状態となり塗布層がスムージングされるた
め、下流側エッジに、支持体の幅方向の不均一がある場
合には、塗布膜厚みも幅方向に不均一なものとなる。さ
らに、支持体上やプレコート塗布液あるいは塗布層塗布
液中に異物が混入していた場合、下流側エッジ上に異物
がトラップされやすく、それによりスジが発生しやすく
なる。なお、ここにいう塗布液としては、例えば写真感
光性塗布液、磁性塗布液、表面保護・帯電防止あるいは
滑性用塗布液等であり、その代表的な製品としては、各
種写真フィルム、印画紙、磁気記録媒体等がある。
【0004】本出願人は先にこれらを改善して、スジ故
障や、支持体の厚み,ヤング率等の不均一に起因する塗
布膜厚みの変動を回避出来、さらには塗布液のスロット
通過時の圧力損失を少くすることのできる塗布装置とし
て、特開昭63−20069号公報に記載の塗布装置を
出願した。特開昭63−20069号公報には、図5に
示すように支持体1の塗布面にあらかじめ塗布された有
機溶剤6によって液封された状態で、支持体移動方向V
に対して上流側に位置するフロントエッジ42と、支持
体移動方向に対して下流側に位置し、その先端が前記フ
ロントエッジよりも段差をつけて反支持体方向に後退し
ていて先端部が鋭角なバックエッジ43とを有するエク
ストルージョン型ヘッドにより支持体に塗布層を形成す
る塗布装置が開示されている。
【0005】支持体の塗布面には、まず有機溶剤を主体
とする液体が、グラビアコーター、ロールコーター、ブ
レードコーター、エクストルージョンコーター、ロッド
コーター、ワイヤバーコーターなどの一般的に用いられ
ている公知の塗布装置により塗布され、この層により、
フロントエッジ上流側からの同伴空気の塗布層への浸入
が防止され、欠陥のない塗布状態が維持され、高速塗布
特性が高められている。
【0006】前記フロントエッジ42はスリット44出
口から前記支持体1の上流側に位置し、該支持体1に対
向するエッジ面全域が支持体側に膨らむように形成され
ている。支持体側に膨らむ形態としては、一般的には曲
率を持った湾曲面が用いられるが、同伴空気の巻き込み
を防止できれば、その形状はこれには限らない。前記バ
ックエッジ43は、前記フロントエッジ42のスリット
44の出口部における接線よりも反支持体方向にその先
端部が後退して位置している。これによって前記バック
エッジ43と前記支持体1との間において塗布時の加圧
力が働かず、同部での異物のトラップ等を防止でき、該
異物による塗布面の故障を少なくできるようになった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら図5に示
すようなエクストルージョン型塗布ヘッドにおいては、
その先端部のフロントエッジ面45及びバックエッジ面
47の表面粗さ及びエッジ角部49,50の状態によっ
ては、スジが多発することが明らかになってきた。
【0008】これは、前記塗布ヘッドにおけるフロント
エッジ面45及びバックエッジ面47は、研削盤にて必
要な形状に高精度で研磨加工されるが、この加工時の送
り速度や切り込み深さや砥石の選定などの研磨条件や塗
布ヘッド先端部の材質によっては、表面粗さ及びエッジ
角部49,50の真直度などが好ましくない状態とな
り、この状態が直接に塗布面に出やすい傾向を意味する
ものである。
【0009】すなわち、これまで例えば特開昭60−2
38179号公報などで公知のドクターエッジがあるも
のは、ドクターエッジ(バックエッジ)において塗布液
がスムージングされるため、前記フロントエッジ面45
や前記バックエッジ面47の表面粗さや欠けの状態が多
少悪くても、このスムージング作用により、塗布液に加
えられた圧力によって生じた内部応力により該塗布液は
その塗布直後の流動作用が高められたりするので、スリ
ットから吐出された塗布液の液挙動によって前記各エッ
ジ面の表面粗さの仕上げ状態を結果的に相殺することが
できたものと推定できるが、図5に示した所謂塗布時の
塗布液に高い圧力を付与しないタイプの塗布ヘッドは加
圧タイプに比べて塗布スジや特に厚みムラが出やすくな
り、塗布面の品質の低下を招くものと考えられる。
【0010】このように、特開昭63−20069号公
報に開示された塗布装置においては、ドクターエッジに
よるスムージングが行なわれないため、スリットの内面
とフロントエッジ面の表面粗さやバックエッジの欠けの
状態が悪いと、そのままスジ等の故障となるだけでな
く、特に、各面の真直度等の精度によって厚みムラが発
生した。したがって、スリットの内面とフロントエッジ
面もバックエッジ面と同様に表面粗さや欠けがないこと
は云うに及ばず、特に、スリット幅方向において真直性
がよいことが要求される。
【0011】しかし、前記塗布ヘッドの研磨や表面仕上
げ状態を際限なく高めることは不可能であることから、
従来においては、塗布装置の塗布ヘッドの仕上げ状態を
どの程度の構成にすればよいかは、コストとの兼ね合い
で経験的なもの、即ち熟練性に依存しているのが現状で
あった。
【0012】本発明の目的は、前記従来の問題点を解消
し、非加圧型の塗布方法において支持体の幅方向不均一
による幅方向塗膜厚み変動を抑えて、塗布厚みが均一で
ムラスジ故障のない薄層塗布製品、特に、磁気記録媒体
の場合では、電磁変換特性が良好な磁気記録媒体を高速
で安定して製造する塗布方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、支
持体移動方向に対して上流側に位置するフロントエッジ
と、該支持体移動方向に対して下流側に位置し、前記フ
ロントエッジとの間にスリットを形成するとともにその
先端が前記フロントエッジのスリットの出口部における
接線よりも反支持体方向に後退して位置している一つ以
上のバックエッジとを有するエクストルージョン型塗布
ヘッドにより、一つ以上の塗布液を塗布する塗布方法に
おいて、前記支持体の塗布面にあらかじめ塗布された有
機溶剤を主体とする液体によって液封した状態で、前記
塗布液が前記支持体上に塗着される塗布点での塗布液圧
Pcを0 ≦Pc≦0.25kgw/cm2 に保ち、かつ前記塗布液の塗
布直後の未乾燥状態の厚みをt0とし、前記フロントエッ
ジと前記塗布ヘッド下流側の搬送ロールとの間に引いた
接線から最も下流側のバックエッジの先端に下ろした垂
線の長さをt1としたとき、0.2 ≦t1/t0 ≦20を満足する
ように塗布することを特徴とする塗布方法により達成で
きる。また、本発明の上記目的は、上記塗布方法におい
て、前記塗布液を複数塗布するときに、最上層の塗布液
における塗布点の前記塗布液圧Pcを塗布液全体の代表値
として使用する塗布方法によって達成することができ
る。
【0014】
【実施態様】以下、図1及び図2に示す本発明の一実施
態様について説明する。なお、図1は磁気記録層となる
磁気液を塗布する塗布ヘッドの横断面図及び該塗布ヘッ
ドによる塗布状態を示す概略図であり、図2は塗布ヘッ
ドの要部斜視図である。図1及び図2に示す塗布ヘッド
10のフロントエッジ2(支持体走行方向の上流側のエ
ッジ)は、支持体1に対向するフロントエッジ面5全域
が例えば支持体側に膨らむように形成されているが、支
持体側に膨らむ形態としては、一般的には曲率(R)を
もった湾曲面が多く用いられる。しかし、前記フロント
エッジ面5の形状は前記支持体1に同伴される空気の巻
き込みを防止できれば、これには限らずフラットな一面
形状や複数面の形状など種々の形状を採用することがで
きる。また、バックエッジ3の先端は前記フロントエッ
ジ2の頂部よりも低く構成されている。すなわち、前記
バックエッジ3の先端は前記フロントエッジ2よりも適
宜段差が形成されるべく前記支持体1に対して後退する
ように構成されている。
【0015】前記フロントエッジ2と前記バックエッジ
3とによって画成されたスリット部4はポケット部48
(図5参照)から支持体への塗布点に向けてテーパを有
していても平行であっても構わない。本実施態様におい
て、前記塗布ヘッドは二本の搬送ロール30(支持体走
行方向の下流側のみ図示)間に設置されている。そし
て、前記塗布ヘッド10における前記支持体1のラップ
角度は一般に2°〜60°程度の範囲に設定でき、又、
このラップ角度を形成するための前記搬送ロール30の
スパンは一般的には50〜3000mmに設定すること
ができるがこれに限られるものではない。
【0016】前記スリット部4のクリアランスL0 は例
えば0.05mm〜1.5mm程度の範囲に設定するこ
とができる。
【0017】なお、送液系については、塗布液の性質に
応じた公知の技術を用いることができる。特に、磁性塗
布液の場合には、一般的には凝集性を持っていることか
ら、凝集をしない程度の剪断を与えることが好ましい。
例えば、送液ポンプから前記塗布ヘッドの配管径はφ5
0mm以下、一般的に前記塗布ヘッドのポケット径はφ
2〜20mm、スリット長は5mm〜150mmの範囲
に設定することができるが、必ずしもこれに限るもので
はない。本実施態様において前記塗布ヘッド10の材質
としては、ステンレス鋼、高速度鋼等を用いることがで
きるが、高精度な仕上げが必要な場合には、超硬合金や
セラミックが望ましい。
【0018】上述のように構成された塗布ヘッド10に
より塗布工程を実施するときに、前記支持体1の塗布面
にあらかじめ塗布された有機溶剤を主体とする前記液体
6によって液封した状態として、前記磁性塗布液Aが前
記支持体上に塗着される塗布点Pでの塗布液圧Pcを 0kg
w/cm2 ≦Pc≦0.25kgw/cm2 に保ちながら塗布を行う。ま
たこのとき、前記磁性塗布液Aの塗布直後の未乾燥状態
の厚みをt0とし、前記フロントエッジ2から前記塗布ヘ
ッド10の下流側の前記搬送ロール30に引いた接線S
に前記バックエッジの先端3aに下ろした垂線の長さを
1 としたときに、この厚みと長さの比t1/t0 の値が0.
2 ≦t1/t0 ≦20を満足するように塗布を行う。
【0019】前記塗布点Pでの塗布液圧Pcは以下のよう
な方法により測定、算出することができる。前記塗布ヘ
ッド10への送液配管の任意点において、前記支持体1
を走行させながら前記磁性塗布液Aを塗布している状態
での液圧力を測定し、この測定値から同じ測定点で塗布
状態と同一の塗布量(単位時間当たりの送液量)を前記
塗布ヘッド10から単に大気中に放出した場合の圧力測
定値を差し引いた値が前記塗布液圧Pcとなる。したがっ
て、前記塗布液圧Pcは塗布状態におけるスリット出口近
傍の圧力と見なすことができる。
【0020】また、支持体加圧型の塗布ヘッドにおける
塗布液圧Pcについては、例えば特開昭62-11766号公報に
開示されているが、この支持体加圧型の塗布ヘッドにお
いては前記支持体に同伴される空気を排除するために、
この塗布液圧Pcを臨界値( 空気を排除するために必要な
圧力値) 以下にすることができない。したがって、この
支持体加圧型の塗布ヘッドにあっては支持体の弾性力が
塗布状態のバランスに大きな影響を及ぼし、例えば支持
体厚み変動により支持体表面とドクターエッジ面との間
隙変動が生じ易くこれにより塗布厚みの変動が起きやす
い。しかし、本態様においては上述のように極めて小さ
い塗布液圧Pcにすることができる構成においては、加圧
型とは違い上述の塗布厚み変動を回避しやすくなり、特
に塗布液圧Pcを前記特定値以下にしたときには、塗布
厚み変動を極めて良好に回避することができる。また、
エッジ部分に異物のトラップもなく塗布面のスジ故障も
ない。
【0021】前記垂線長さt1 の値は、前記バックエッ
ジ3の先端部3aと前記支持体1上の液体6の塗布面と
の間隙にほぼ等しい。そして、前記比t1/t0 の値が略2
0を境にしてこの値よりも大きい場合には、塗布面にス
ジ故障が多く発生することが判った。一方、前記比t1/t
0 の値が略0.2を境にしてそれよりも小さい値の場合
にはやはり塗布面のスジ故障が発生することが判った。
【0022】上記スジ故障の原因は、前記比t1/t0 の値
が略20を越える場合においては、塗布厚みt0 に比べ
て前記垂線長さt1 が大きすぎるために、前記磁性塗布
液Aの塗着時の自由表面A0 の挙動が不安定になった結
果と考えられる。逆に、前記比t1/t0 の値が0.2より
も小さいときには、前記バックエッジ3の先端部3aに
おいて前記磁性塗布液Aを支持体側に擦りつけるような
作用が働き、このために該先端部3aへの異物トラップ
あるいは支持体削れ、更には鋭利な該先端部3aによる
押圧による前記磁性塗布液Aの挙動の乱れ等によりスジ
が発生するものと推定される。
【0023】前記磁性塗布液Aの組成としては、後述す
る実施例に挙げるものを用いることができるが、本発明
においてはこれらに限られるものではない。特に磁気記
録媒体においては単層磁性層だけではなく、磁性層の多
層構成になっているものと磁性層と非磁性層の組み合わ
せで少なくとも磁性層を一層含む構成となっているもの
を含むものである。
【0024】多層形成においては図3 に示す重層塗布ヘ
ッド20を使用することができる。この場合においても
基本的構造は図1に示した前記塗布ヘッド10と同様で
あるが、この場合は、中間ブロック23により二つのス
リット部4aと4bとが形成されている。この構成にお
いては例えば二種類の磁性塗布液BとA或は磁性塗布液
Aと非磁性体塗布液Bとを同時に塗布することができ
る。また、この場合の別の塗布点がP1 とP2 がそれぞ
れの塗布液において別々の位置に存在することになる
が、考え方としては前述の塗布点Pの場合と同様であ
る。すなわち、塗布液圧Pcは各塗布液ごとに塗布点P
1 の場合と塗布点P2 の場合とで別々に考えて、両方の
点において上記圧力を満足するように塗布する。しかし
ながら、前記各塗布液の塗布点は図3に示すように下層
の塗布点P1 と上層の塗布点P2 とであるが、後述する
理由ならびに重層塗布にあっては両塗布液の界面乱れ等
を発生させないようにすることが必要であることから、
3 がある値以上においては上層スリット出口部での下
層液の液圧は略ゼロであるので、前記塗布点( P2)にて
塗布液圧Pcを代表することができ、該両塗布点P1,P
2の塗布液圧Pcは同じものとして取り扱うことがで
き、実質的には上層側の前記塗布点P2 にて代表するこ
とができる。
【0025】また、前記垂線長さt1 に関しては前記中
間ブロック23の先端部23aがバックエッジ3の先端
部3aと略同じ高さ(フロントエッジ2の対する段差t3
の大きさ)に形成されているものとして、図1に示した
場合とほぼ同様に考察することができる。また、前記垂
線長さt1 よりも前記段差t3 が大きく構成された塗布
ヘッドの場合においては、スリット内方に液合流点が形
成されるために図1に示す単層の場合と同様に考察する
ことができる。また、前記垂線長さt1 よりも前記段差
3 を小さくするのに伴って、上層側の液圧に比べて下
層側の塗布液の液圧が高くなって両層の液圧バランスが
崩れて好ましくないだけでなく、前記先端部23aが前
記支持体1に接近する場合には、異物トラップ或は支持
体削れ等に関しては図1に示した場合と全く同じと考え
ることができる。
【0026】一方、前記先端部23aが前記支持体1か
ら大きく離れる場合で前記垂線長さt1 と前記段差t3
との比t3 /t1 が20を越えるような場合には、下層
側の前記塗布液Bは自由表面が存在しないために前記自
由面の乱れという考え方は当てはまらない。しかしなが
ら、前記比t3 /t1 が20を越えるような場合は前記
両塗布液A,Bがその塗着位置よりもかなり手前におい
て合流する事態が発生しているために、この合流状態が
必要以上に長くなることが、前述の自由表面の乱れに相
当するものと考えられ、ここでいう前記比t3 /t1
実質的に前記実施態様に示した前記比t1 /t0 の上記
特定範囲と数値がほぼ一致する。また、前記両塗布液
A,Bの界面に前述の乱れが発生しない場合は、実質的
に単層塗布の場合と同じにみることができる。
【0027】本発明における有機溶剤を主体とする液体
とは、例えばトルエン、メチルエチルケトン、酢酸ブチ
ル、シクロヘキサノン等の有機溶剤単独あるいはこれら
の組み合わせた有機溶剤のみでも、更に有機溶剤以外の
溶質(下塗層の樹脂など)を少量含んでいても構わず、
但しその粘度が20cp以下、さらに好ましくは5cp
以下の低粘度の液体である。
【0028】更に本発明の磁気記録媒体の磁性層を形成
する前記磁性塗布液A或はBには強磁性微粉末が使用さ
れる。強磁性微粉末としては、γ−Fe2 3 、Co含
有のγ−Fe2 3 、Fe34 、Co含有のFe3
4 、γ−FeOx、Co含有のγ−FeOx(X=1.
33〜1.50)、CrO2 、Co−Ni−P合金、C
o−Ni−Fe−B合金、Fe−Ni−Zn合金、Ni
−Co合金、Co−Ni−Fe合金など、公知の強磁性
微粉末が使用でき、これら強磁性微粉末の粒子サイズは
約0.005〜1ミクロンの長さで、軸長/軸幅の比
は、1/1〜50/1程度である。又、これらの強磁性
体微粉末の比表面積は、1m2 /g〜70m2 /g程度
である。また強磁性微粉末として、板状六方晶のバリウ
ムフェライトも使用できる。バリウムフェライトの粒子
サイズは約0.001〜1ミクロンの直径で、厚みが直
径の1/2〜1/20である。バリウムフェライトの比
重は4〜6g/ccで、比表面は1m2 /g〜70m2
/gである。
【0029】本発明において、磁性層を形成する前記磁
性塗布液には強磁性微粉末と共にバインダーが使用され
る。使用されるバインダーとしては従来公知の熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が挙
げられる。熱可塑性樹脂としては軟化温度が150℃以
下、平均分子量が10,000〜300,000、重合
度が約50〜2,000程度のもので、例えば塩化ビニ
ル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル塩化ビニリデン共重
合体、塩化ビニルアクリロニトリル共重合体、アクリル
酸エステルアクリロニトリル共重合体、アクリル酸エス
テル塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステルスチ
レン共重合体、メタクリル酸エステルアクリロニトリル
共重合体、メタクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合
体、メタクリル酸エステルスチレン共重合体、ウレタン
エラストマー、ナイロン−シリコン系樹脂、ニトロセル
ロース−ポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニ
リデンアクリロニトリル共重合体、ブタジェンアクリロ
ニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラ
ール、セルロース誘導体(セルロースアセテートブチレ
ート、セルロースジアセテート、セルローストリアセテ
ート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロース
等)、スチレンブタジェン共重合体、ポリエステル樹
脂、クロロビニルエーテルアクリル酸エステル共重合
体、アミノ樹脂、各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂及び
これらの混合物等が使用される。
【0030】熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては、
塗布液の状態では200,000以下の分子量のもので
あり、磁性層形成用組成物を塗布し、乾燥させた後、加
熱すると、これらの樹脂が縮合、付加等の反応を生じて
分子量が無限大のものとなり得る。また、これらの樹脂
の中で、樹脂が熱分解するまでの問に軟化または溶融し
ないものであることが望ましい。具体的には、例えばフ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、硬化型ポリウレタン樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコ
ン樹脂、反応型アクリル系樹脂、エポキシポリアミド樹
脂、ニトロセルローズメラミン樹脂、高分子量ポリエス
テル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、メタ
クリル酸塩共重合体とジイソシアネートプレポリマーの
混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネート
との混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリ
コール/高分子量ジオール/トリフェニルメタントリイ
ソシアネートの混合物、ポリアミド樹脂及びこれらの混
合物などがある。
【0031】バインダー中に分散する強磁性微粉末、溶
剤、又、添加剤としての分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電
防止剤及び非磁性支持体等は従来使用されていたものが
同様に使用される。分散剤としてはカプリル酸、カプリ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リ
ノレン酸、ステアロール酸等の炭素数12〜18個の脂
肪酸(R1 COOH、R1 は炭素数11〜17個のアル
キルまたはアルケニル基):前記の脂肪酸のアルカリ金
属(Li,Na,K等)またはアルカリ土類金属(M
g,Ca,Ba)から成る金属石鹸:前記の脂肪酸エス
テルの弗素を含有した化合物:前記の脂肪酸のアミド:
ポリアルキレンオキサイドアルキルリン酸エステル:レ
ジチン:トリアルキルポリオレフィンオキシ第四アンモ
ニウム塩(アルキルは炭素数1〜5個、オレフィンはエ
チレン、プロピレンなど):等が使用される。この他に
炭素数12以上の高級アルコール、およびこれらの他に
硫酸エステル等も使用可能である。
【0032】潤滑剤としては前述の分散剤もその効果が
認められるが、ジアルキルポリシロキサン(アルキルは
炭素数1〜5個)、ジアルコキシポリシロキサン(アル
コキシは炭素数1〜4個)、モノアルキルモノアルコキ
シポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜5個、アルコ
キシは炭素数1〜4個)、フェニルポリシロキサン、フ
ロロアルキルポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜5
個)などのシリコンオイル、グラファイトなどの導電性
微粉末:二硫化モリブデン、二酸化タングステンなどの
無機微粉末:ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチ
レン塩化ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン
などのプラスチック微粉末:α−オレフィン重合物:常
温で液状の不飽和脂肪族炭化水素(二重結合が末端の炭
素に結合したα−オレフィン、炭素数約20):炭素数
12〜20個の一塩基性脂肪酸と炭素数3〜12個の一
価のアルコールからなる脂肪酸エステル類、フルオロカ
ーボン類などが使用できる。
【0033】研磨剤としては溶融アルミナ、炭化ケイ
素、酸化クロム(Cr2 3 )、コランダム、人造コラ
ンダム、ダイアモンド、人造ダイアモンド、ザクロ石、
エメリー(主成分:コランダムと磁鉄鉱)等が使用され
る。帯電防止剤としてはカーボンブラック、カーボンブ
ラックグラフトポリマーなどの導電性微粉末:サポニン
などの天然界面活性剤:アルキレンオキサイド系、グリ
セリン系、グリシドール系などのノニオン界面活性剤:
高級アルキルアミン類、第4級アンモニウム塩類、ピリ
ジンその他の複素環類、ホスホニウム又はスルホニウム
類などのカチオン界面活性剤:カルボン酸基、スルホン
酸基、燐酸基、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸
性基を含むアニオン界面活性剤:アミノ酸類、アミノス
ルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステ
ル類等の両性活性剤などが使用される。
【0034】塗布溶媒に使用する有機溶媒としては、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン系:酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノ
エチルエーテル等のエステル系:ベンゼン、トルエン、
キシレン等のタール系(芳香族炭化水素):メチレンク
ロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホ
ルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の
塩素化炭化水素等がある。
【0035】溶剤の量は磁性微粉末の2〜3倍である。
バインダー100重量部に対して、分散剤は0.5〜2
0重量部、潤滑剤は0.2〜20重量部、研磨剤は0.
5〜20重量部、帯電防止剤として使用する導電性微粉
末は0.2〜20重量部、同じく帯電防止剤として使用
する界面活性剤は0.1〜10重量部である。磁性粉末
及び前述の結合剤、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止
剤、溶剤等は混練されて前記磁性塗布液とされる。
【0036】これらの磁性層を設ける前記支持体1の素
材としてはポリエチレンテレフタレートやポリエチレン
ナフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレンなど
のポリオレフィン、三酢酸セルローズや二酢酸セルロー
ズなどのセルローズ誘導体、ポリ塩化ビニルなどのビニ
ル系樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド樹脂、ポリス
ルホンなどのプラスチックのフィルム、アルミニュウ
ム、銅などの金属材料、ガラスなどのセラミックスなど
がある。これらの支持体は、あらかじめコロナ放電処
理、プラズマ処理、下塗処理、熱処理、金属蒸着処理、
アルカリ処理などの前処理が施されていてもよい。支持
体は、種々所望の形状のものでよい。
【0037】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の塗布方法は
前記支持体の塗布面にあらかじめ塗布された有機溶剤を
主体とする液体によって液封した状態で、前記塗布液が
前記支持体上に塗着される塗布点での塗布液圧Pcを0≦
Pc≦0.25kgw/cm2 に保つようにするので、このように極
めて小さい塗布液圧Pcにすることにより、加圧型とは違
い上述の塗布厚み変動を効果的に回避できるとともに、
エッジ部分に異物のトラップもなく塗布面のスジ故障も
ない良好な塗布を行うことができる。
【0038】又、前記塗布液の塗布直後の未乾燥状態の
厚みをt0と、塗布ヘッドのフロントエッジと前記塗布ヘ
ッド下流側の搬送ロールとの間に引いた接線から前記バ
ックエッジの先端に下ろした垂線の長さをt1 としたと
きに、0.2 ≦t1/t0 ≦20を満足するように塗布するする
ので、前記比t1/t0 の値が大きくなることで塗布液の塗
着時の自由表面の挙動乱れを回避でき、かつ前記比t1/t
0 の値が小さくなったときにおけるバックエッジ先端部
への異物トラップや支持体削れ等によるトラブルを回避
でき塗布面にスジ故障や段ムラのない均一な薄層塗膜を
高速で形成することができた。
【0039】
【実施例】本発明の効果を実施例によってさらに明確に
することができる。 (実施例1) 表1および表2に示す組成のものをボールミルに入れて
十分混合分散させた後、エポキシ樹脂(エポキシ当量5
00)を30重量部加えて均一に混合分散させて二種の
磁性塗布液A,B(強磁性微粉末が異なる)を調整し
た。こうして得られた磁性塗布液の各粘度をロトビスコ
粘度計により測定したところ、それぞれ図4に示すよう
なチキソトロピックな粘度特性を示した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】また、プレコート液である液体6にはメチ
ルイソブチルケトンを使用し、バー塗布方式で厚み2.
0μm(ウエット状態)に塗布した。塗布ヘッドは図1
及び図3に示す塗布ヘッドを使用した。図1に示す塗布
ヘッドにおいては、フロントエッジ2の厚みW1 は1.
0mmバックエッジ3の厚みW 2も1.0mmとし、ス
リット部4の間隙L0 は0.4mm、バックエッジ先端
部分の角度θは55°とした。図3に示す塗布ヘッドに
おいては、フロントエッジ2の厚みW1 (水平方向の厚
み)は1.0mmバックエッジ3の厚みW 2(水平方向
の厚み)も1.0mmとし、スリット部4a,4bの間
隙L1 ,L 2(水平方向の間隔)は共に0.4mm、バ
ックエッジ先端部分の角度θ1 は55°、中間ブロック
の先端部の角度θ2 は20°とした。また、支持体1と
してはポリエチレンテレフタレート厚さ15μm,幅5
00mm上に張力10kg/全幅、塗布速度は400m
/minで塗布を行った。なお、比較例においても支持
体及びその張力条件は前記条件と同じである。
【0043】図1に示す塗布ヘッド10を使用して塗布
液Aの塗布量を変化させて塗布液圧Pcと塗膜厚み変動
との関係を調べた。尚、塗布液圧Pcの値はフロントエ
ッジとバックエッジの先端部との段差調整、すなわち該
バックエッジの移動によって調整した。次に、図3に示
す塗布ヘッド20を使用して、図示とは逆に塗布液Aを
下層、塗布液Bを上層として同時塗布を行った。そし
て、前記塗布液A,Bの塗布量を変化させて上層の塗布
液の塗布点(P2 )における塗布液圧Pcと塗膜厚み変
動の関係を調べた。ここで前記各塗布液A及びBの塗布
点は図3に示すように下層の塗布点P1 と上層の塗布点
2 とであるが、前述したように重層塗布にあっては両
塗布液の界面乱れ等を発生させないようにすることが当
然必要となることから、該両塗布点( P1),(P2)の塗布
液圧Pcは同じ値として取り扱うことができる。すなわ
ち、t3 がある値以上においては上層スリット出口部で
の下層液の液圧は略ゼロであるので、前記塗布点( P2)
にて塗布液圧Pcを代表することができる。なお、中間
ブロック23の先端部23aとバックエッジ3の先端部
3aとはフロントエッジ2のエッジ面から搬送ロール3
0に引いた接線Sに対する高さは基本的には略同程度の
段差を有するようにするが、本実施例では前記先端部2
3aの段差t3 を50μmに固定する一方、上層の塗布
液圧Pcの値を調整すべく前記バックエッジ3の先端部
3aを僅かに上下移動して該塗布液圧Pcの値を調整し
た。また、塗膜の厚み変動値は、 (支持体幅方向厚み変動最大値/厚み平均)×100(%) とし、この値が8%以下の場合を○印、8%〜12%の
範囲を△印、12%以上の場合を×印として評価した。
塗布ヘッド10を使用した場合の結果を表3に示す。塗
布ヘッド20を使用した場合で上層液塗布点P2 におけ
る塗布液圧Pcと厚み変動の関係の結果を表4に示す。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】(実施例2) 塗布ヘッドとしては基本的には図1に示す構造のものを
二種類使用して塗布を行った。表1に示す塗布液Aを図
1に示す塗布ヘッド10により塗布した。なお、フロン
トエッジ2の厚みW1 が1.0mm、バックエッジ3の
厚みW 2も1.0mmとし、スリット部4の間隙L0
0.3mm、バックエッジ先端部分の角度θは55°と
した場合をサンプルMとして塗布速度及び垂線長さ
1 ,塗布厚みt0を変え、塗布面のスジ発生状況を目
視にて調べた。その結果を表5、表6、表7、表8に示
す。また、同じく表1に示す塗布液Aを図1に示す塗布
ヘッド10により塗布し、フロントエッジ2の厚みW1
が1.5mm、バックエッジ3の厚みW 2が1.0mm
とし、スリット部4の間隙L0 は0.4mm、バックエ
ッジ先端部分の角度θは55°とした場合をサンプルN
として、塗布速度及び垂線長さt1 ,塗布厚みt0 を変
え、塗布面のスジ発生状況を目視にて調べた。その結果
を表9、表10、表11に示す。塗布速度及び垂線長さ
1 ,塗布厚みt0 を変え、塗布面のスジ発生状況を目
視にて調べた。なお、前記垂線長さt1 はフロントエッ
ジ下流端部とバックエッジ先端部との段差及び搬送ロー
ル30の位置を上下方向に移動して垂線長さと塗布厚み
との比t1 /t0 を調整変更した。なお、このときの塗
布液圧Pcは0.20kgw/cm2 以下になるようにした。ま
た、各表中の○印は塗布面性が非常に良好、△印は塗布
面性やや問題あり、×印はズジ故障や厚みムラが多発し
たことを意味するものとして評価した。なお、支持体及
びその張力条件は実施例1と同様な条件とした。
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
【表7】
【0050】
【表8】
【0051】
【表9】
【0052】
【表10】
【0053】(実施例3) 塗布ヘッドとしては基本的には図3に示す構造のものを
二種類使用するとともに、比較例として図6に示す塗布
ヘッド(特開昭63−88080号公報に示された構成
の塗布ヘッド)を使用して塗布を行った。サンプルXに
おいては、表1及び表2に示す塗布液A及び塗布液Bを
図3に示す塗布ヘッド20により重層塗布し、この場
合、フロントエッジ2の厚みW1 が1.0mm、バック
エッジ3の厚みW 2も1.0mmとし、スリット部4
a,4bの間隙L1 、L 2は共に0.3mm、バックエ
ッジ先端部分の角度θは55°、中間ブロック先端部分
の角度θ1 は20°とし、その結果を表11、表12、
表13に示す。
【0054】また、サンプルYとして同じく表1および
表2にしめす塗布液A及び塗布液Bを図3に示す塗布ヘ
ッド20により重層塗布し、この場合、フロントエッジ
2の厚みW1 が1.5mm、バックエッジ3の厚みW 2
が1.0mmとし、スリット部4a,4bの間隙L1
0.3mm,L 2は0.4mm、バックエッジ先端部分
の角度θは55°、中間ブロック先端部分の角度θ1
20°とし、その結果を表14、表15、表16に示
す。なお、支持体及びその張力条件は実施例1と同様な
条件とした。塗布速度及び垂線長さt1 ,塗布厚みt0
を変え、塗布面のスジ発生状況を目視にて調べた。な
お、中間ブロックの垂線長さt3 は50μmとして、垂
線長さt1 はフロントエッジ下流端部とバックエッジ先
端部との段差及び搬送ロール30の位置を上下方向に移
動して調整変更した。このときの塗布液圧Pcは0.20kg
w/cm2 以下になるようにした。また、各表中の○印は塗
布面性が非常に良好、△印は塗布面性やや問題あり、×
印はスジ故障や厚みムラが多発したことを意味するもの
として評価した。
【0055】
【表11】
【0056】
【表12】
【0057】
【表13】
【0058】
【表14】
【0059】
【表15】
【0060】
【表16】
【0061】本発明と比較例との比較においては、上記
サンプルXに使用した塗布ヘッドの場合(t1 を0.0
5mm)を本発明の実施例とし、比較例に使用した図6
に示す塗布ヘッド60は、各エッジ61、62、63に
より二つのスリット64、65が形成された支持体加圧
タイプの装置であり、その寸法はL1 が5.0mm、L
2 が0.3mm、L3 が1.0mm、L4 が0.3m
m、L5 が3.0mmである。塗布液A(下層)の塗布
量を12cc/m2 、塗布液B(上層)の塗布量を4c
c/mとし、上下層合計の塗布厚みの変動値および異物
のよるスジ故障の発生状況を調べた。この結果を表17
および表18に示す。なお、塗膜の厚み変動値は、 (支持体幅方向厚み変動最大値/厚み平均)×100(%)とする。
【0062】
【表17】
【0063】
【表18】
【0064】上記の表3乃至表18から判るように、塗
布液圧Pcを0 ≦Pc≦0.25kgw/cm2 に保ち、かつフロント
エッジから後方の搬送ロールに引いた垂線の長さと塗布
厚みとの比t1/ t0 の値を0.2 ≦t1/t0 ≦20を満足する
ように塗布することにより、極めて良好な塗布を行うこ
とができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における塗布ヘッドの要部の拡大断面図
及び塗布状態を示す要部概略図である。
【図2】図1に示す塗布ヘッドの要部斜視図である。
【図3】本発明における他の塗布ヘッドの要部の拡大断
面図及び塗布状態を示す要部概略図である。
【図4】本発明の塗布方法に使用した磁性塗布液の粘度
曲線を示すグラフである。
【図5】従来の塗布ヘッドの該略図である。
【図6】比較例に使用した塗布ヘッドの要部の横断面図
である。
【符号の説明】
1 支持体 2 フロントエッジ 3 バックエッジ 4、4a、4b スリット部 5 フロントエッジ面 6 有機溶剤を主体とする液体 7 バックエッジ面 Lo スリット部のクリアランス to ウエット厚み V 走行方向 10、20 塗布ヘッド 30 搬送ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 都丸 美喜男 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富士写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−354562(JP,A) 特開 平4−4071(JP,A) 特開 平4−35765(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B05D 1/26 B05C 5/02 B05C 5/00 101 G03C 1/74 G11B 5/842 G03F 7/16 501

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体移動方向に対して上流側に位置す
    るフロントエッジと、該支持体移動方向に対して下流側
    に位置し、前記フロントエッジとの間にスリットを形成
    するとともにその先端が前記フロントエッジのスリット
    の出口部における接線よりも反支持体方向に後退して位
    置している一つ以上のバックエッジとを有するエクスト
    ルージョン型塗布ヘッドにより、一つ以上の塗布液を塗
    布する塗布方法において、前記支持体の塗布面にあらか
    じめ塗布された有機溶剤を主体とする液体によって液封
    した状態で、前記塗布液が前記支持体上に塗着される塗
    布点での塗布液圧Pcを0 ≦Pc≦0.25kgw/cm2 に保ち、か
    つ前記塗布液の塗布直後の未乾燥状態の厚みをt0とし、
    前記フロントエッジと前記塗布ヘッド下流側の搬送ロー
    ルとの間に引いた接線から最も下流側のバックエッジの
    先端に下ろした垂線の長さをt1としたとき、0.2 ≦t1/t
    0 ≦20を満足するように塗布することを特徴とする塗布
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の塗布方法において、前
    記塗布液を複数塗布するときに、最上層の塗布液におけ
    る塗布点の前記塗布液圧Pcを塗布液全体の代表値として
    使用することを特徴とする塗布方法。
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