JP2916556B2 - 塗布方法及び装置 - Google Patents

塗布方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗布方法及び装置、特
に、移動中の支持体表面に向けて連続的に押出した磁性
塗布液を、支持体表面に均一な厚さをもって高速薄層塗
布するエクストルージョン型塗布ヘッドによる塗布方法
及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】移動中の支持体表面に向けて連続的に押
出した塗布液を、支持体表面に均一な厚さをもって高速
薄層塗布するエクストルージョン型塗布装置は、種々検
討され、塗布ヘッドの上流側エッジをプレコート層によ
って液封し塗布層へのエア同伴を遮断する方法として、
同一組成の液をプレコートする方法(特開昭58−20
5561号公報参照)、プレコートとしての溶剤を支持
体上に塗布する方法(特開昭61−139929号公報
参照)等が開示されている。これらの塗布方法により、
高速での薄層塗布を実現することができる。しかしなが
らこの塗布装置はエクストルージョン型塗布装置におい
て、下流側エッジと支持体との間が加圧状態となり塗布
層がスムージングされるため、支持体の幅方向不均一が
ある場合には、塗布膜厚みも幅方向に不均一なものとな
る。さらに、支持体上やプレコート塗布液あるいは塗布
層塗布液中に異物が混入していた場合、下流側エッジ上
に異物がトラップされやすく、それによりスジが発生し
やすくなる。なお、ここにいう塗布液としては、例えば
写真感光性塗布液、磁性塗布液、表面保護・帯電防止あ
るいは滑性用塗布液等であり、その代表的な製品として
は、各種写真フィルム、印画紙、磁気記録媒体等があ
る。
【0003】本出願人は先にこれらを改善して、スジ故
障や、支持体の厚み,ヤング率等の不均一に起因する塗
布膜厚みの変動を回避出来、さらには塗布液のスロット
通過時に圧力損失を少くすることのできる塗布装置とし
て、特開昭63−20069号公報に記載の塗布装置を
出願した。特開昭63−20069号公報には、図3に
示すように支持体1の塗布面にあらかじめ塗布された有
機溶剤11によって液封された状態で、支持体移動方向
に対して上流側に位置するフロントエッジ2と、支持体
移動方向に対して下流側に位置し、その先端が前記フロ
ントエッジよりも段差をつけて反支持体方向に後退して
いて先端部が鋭角なバックエッジ3とを有するエクスト
ルージョン型ヘッドにより支持体に塗布層を形成する塗
布装置が開示されている。支持体の塗布面には、まず有
機溶剤が、グラビアコーター、ロールコーター、ブレー
ドコーター、エクストルージョンコーターなどの一般的
に用いられている公知の塗布装置により塗布され、この
層により、フロントエッジ上流側からの同伴空気の塗布
層への浸入が防止され、欠陥のない塗布状態が維持さ
れ、高速塗布特性が高められている。前記フロントエッ
ジ2は前記スリット8の出口から前記支持体1の上流側
に位置し、該支持体1に対向するエッジ面全域が支持体
側に膨らむように形成されている。支持体側に膨らむ形
態としては、一般的には曲率を持った湾曲面が用いられ
るが、同伴空気の巻き込みを防止できれば、その形状は
これには限らない。前記バックエッジ3は、前記フロン
トエッジ2のスリット8の出口部における接線よりも反
支持体方向にその先端部が後退して位置している。これ
によって前記バックエッジ部3と前記支持体1との間に
おいて塗布時の加圧力が働かず、同部での異物のトラッ
プ等を防止でき、該異物による塗布面の故障を少なくで
きるようになった。特開昭63−20069号公報にお
いては、塗布液吐出側のスリット幅を、例えば0.02
〜0.3mmとした特定の範囲に規定することにより、
良好な塗布面を得るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、詳細に
調査した結果、塗布時における塗布液の引き延ばし方が
塗膜面の善し悪しに大きな影響を与えていることが判明
してきた。また、この観点からすると、上述のスリット
幅の規定であると、ある程度の塗布速度を得ようとした
きに、塗膜面に乱れが生じる為かスジムラや段ムラの発
生が多くなることが判った。又、前記有機溶剤を主体と
する液体に隣接する塗布液の安定な引き伸ばしができな
いことに起因して、塗膜形成に必要な条件が大きく影響
され、この結果、スジムラや段ムラの発生する場合が生
じることが明らかになって来た。また、上述の如き塗布
装置においては、良好な塗布面を得る為の塗布装置のス
リット幅の条件が0.02〜0.3mm程度とかなり小
さい間隙の設定であったために、引き伸ばし塗布と云う
新たな観点からみて各条件を設定していくと、必ずしも
適当なスリット幅でないことが明らかになってきた。
【0005】本発明の目的は、前記塗布方法及び装置に
改良を加え、塗布液のスリット出口近傍における引き伸
ばしに関わるものと推定されるスジムラや段ムラのない
均一な薄層塗膜を高速で形成することができ、かつ常に
安定した塗布工程を可能とする塗布方法及び装置を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、支
持体移動方向に対して上流側に位置するフロントエッジ
と、該支持体移動方向に対して下流側に位置し、その先
端が前記フロントエッジよりも段差をつけて反支持体方
向に後退している一つ以上のバックエッジとを有するエ
クストルージョン型塗布ヘッドにより、塗布液を塗布す
る塗布方法において、前記支持体の塗布面にあらかじめ
塗布された有機溶剤を主体とする液体によって液封され
た状態で、前記有機溶剤を主体とする液体に隣接する磁
性塗布液のエクストルージョン型ヘッドの先端部での引
き伸ばし係数を200以下とすることを特徴とする塗布
方法により達成せきる。また、本考案の同様な目的は、
支持体移動方向に対して上流側に位置するフロントエッ
ジと、支持体移動方向に対して下流側に位置し、その先
端が前記フロントエッジよりも段差をつけて反支持体方
向に後退している一つ以上のバックエッジとを有するエ
クストルージョン型塗布ヘッドにより、塗布液を塗布す
る塗布装置において、前記支持体の塗布面にあらかじめ
塗布された有機溶剤を主体とする液体によって液封され
た状態で、前記有機溶剤を主体とする液体に隣接する磁
性塗布液を供給するスリット出口部のクリアランスを
0.05〜1.5mmとすることを特徴とする塗布装置
によって達成される。
【0007】
【実施態様】図1に示す本実施態様の塗布ヘッドの横断
面図及び該塗布ヘッドによる塗布状態を説明する。フロ
ントエッジ2は、支持体1に対向するフロントエッジ面
5全域が支持体側に膨らむように形成されているが、支
持体側に膨らむ形態としては、一般的には曲率(R)を
もった湾曲面が用いられるが、支持体に同伴される空気
の巻き込みを防止できれば、これには限らない。また、
バックエッジ3の先端は前記フロントエッジ2の頂部よ
りも低く構成されている。すなわち、前記バックエッジ
3の先端が前記フロントエッジ2よりも段差をつけて前
記支持体1に対して後退するように構成されている。ス
リット部4はポケット部5(図3参照)から支持体への
塗布点に向けてテーパを有していても平行であっても構
わない。本実施態様においてプレコート液塗布ヘッドと
塗布液塗布ヘッドは異なった二本のガイドロール間に別
々に設置してもよいし、二本のガイドロール間に両者を
設置しても構わない。塗布液塗布ヘッドにおけるラップ
角度は2°〜60°、塗布液塗布ヘッドにおいてラップ
を形成するためのガイドロールのスパンは一般的には5
0〜3000mmだがこれに限られるものではない。送
液系については、塗布液の性質に応じた公知の技術を用
いることができる。特に、磁性塗布液の場合には、一般
的には凝集性を持っており、したがって、凝集をしない
程度の剪断を与えることが好ましい。具体的には、特願
昭63−63601号、特開昭62−95174号公報
などによることができる。又、特願昭63−63601
号などに示されるローターのない場合には、例えばポン
プから塗布ヘッドの配管径はφ50mm以下、一般的に
磁性液塗布ヘッドのポケット径はφ2〜20mm、スリ
ット長は5mm〜150mmが適当であるがこれに限る
ものではない。
【0008】前記有機溶剤を主体とする液体6に隣接す
る磁性塗布液8のスリット出口部のクリアランスLoが
1.5mm以上で大き過ぎる場合には、塗布面に磁性体
の凝集が生じ易くなる。これはスリット中心部に存在す
る剪断速度ほぼ0の領域がクリアランスの増大に伴って
粘度を増加したためと推定される。逆に同部クリアラン
スLoが0.05mm以下で小さ過ぎる場合には、同部
が塗布液の乾き等が極めて急速に進むことによってスリ
ット出口部が極めて閉塞し易くなるとともに、クリアラ
ンス精度の塗膜厚み分布への影響が大きく、エクストル
ージョン型塗布ヘッド製作上の困難を生ずる。本実施態
様においてヘッドの材質としては、ステンレス鋼、高速
度鋼等を用いることができるが、高精度な仕上げが必要
な場合には、超硬合金やセラミックが望ましい。磁性塗
布液の構成としては、後述する実施例に挙げるものを用
いることができるが、本発明においてはこれらに限られ
るものではない。特に磁気記録媒体においては単層磁性
層だけではなく、磁性層の多層構成になっているものと
磁性層と非磁性層の組み合わせで少なくとも磁性層を一
層含む構成となっているものを含む。
【0009】本発明における有機溶剤を主体とする液体
とは、例えばトルエン、メチルエチルケトン、酢酸ブチ
ル、シクロヘキサノン等の有機溶剤単独あるいはこれら
の組み合わせた有機溶剤のみでも、更に有機溶剤以外の
溶質を少量含んでいても構わず、但しその粘度が20c
p以下、さらに好ましくは5cp以下の低粘度の液体で
ある。
【0010】本発明において塗布液の引き伸ばし係数ε
とは、下式によって定義される。 ε=V/v=Lo/to V:支持体の走行速度(m/min) v:磁性塗布液のスリット出口部での塗布液平均線速度
(m/min)(単位幅当りの流量/スリット出口部の
クリアランス) Lo:磁性塗布液のスリット出口部のクリアランス(m
m) to:磁性塗布液のウエット厚み(mm) なお、ここで云うスリット出口部の塗布液平均速度
(v)およびクリアランス(Lo)とは、図1に示すバ
ックエッジ先端3aからフロントエッジ2側へ水平に引
いた線上(Loを示した部分)の間隙およびこの部分の
速度を示すものである。ウエット厚みtoは、送液の体
積流量と塗布速度塗布幅から計算できる。鋭意研究の結
果、上式によって定義される塗布液の引き伸ばし係数ε
を200以下に保つようにたの条件を設定した塗布工程
を行った結果、高速塗布並びに良好な塗膜を得ることが
できた。これは、引き伸ばし係数εを200以下に保つ
ことによって、スリット出口部の状態と塗布されたのち
の塗布液の状態(引き伸ばされることによる厚み等の状
態)との間に液挙動に変化を与えるような無理な状態変
化が発生しないものと推定され、εが200以上のとき
に比べて極端にスジムラや段ムラのない均一な薄層塗膜
を高速で形成することができるものと考えられる。前記
εが200以上の場合について考察してみると、磁性塗
布液のスリット出口近傍での引き伸ばしが急激過ぎるこ
とにより、均一な塗膜が形成されないものと推定され
る。また、このような流動状態条件下では、スリット出
口近傍で渦領域やそれによる滞留部を生じ易く、前記有
機溶剤を主体とする液体層との界面の不整や塗布液中や
支持体上の異物トラップによるスジが発生し易くなる。
【0011】更に本発明の磁気記録媒体の磁性層には強
磁性微粉末が使用される。強磁性微粉末としては、γ−
Fe2 3 、Co含有のγ−Fe2 3 、Fe34
Co含有のFe3 4 、γ−FeOx、Co含有のγ−
FeOx(X=1.33〜1.50)、CrO2 、Co
−Ni−P合金、Co−Ni−Fe−B合金、Fe−N
i−Zn合金、Ni−Co合金、Co−Ni−Fe合金
など、公知の強磁性微粉末が使用でき、これら強磁性微
粉末の粒子サイズは約0.005〜1ミクロンの長さ
で、軸長/軸幅の比は、1/1〜50/1程度である。
又、これらの強磁性体微粉末の比表面積は、1m2 /g
〜70m2 /g程度である。また強磁性微粉末として、
板状六方晶のバリウムフェライトも使用できる。バリウ
ムフェライトの粒子サイズは約0.001〜1ミクロン
の直径で、厚みが直径の1/2〜1/20である。バリ
ウムフェライトの比重は4〜6g/ccで、比表面は1
2 /g〜70m2 /gである。
【0012】本発明において、磁性層には強磁性微粉末
と共にバインダーが使用される。使用されるバインダー
としては従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応
型樹脂やこれらの混合物が挙げられる。熱可塑性樹脂と
しては軟化温度が150℃以下、平均分子量が10,0
00〜300,000、重合度が約50〜2,000程
度のもので、例えば塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニル塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニルアクリロ
ニトリル共重合体、アクリル酸エステルアクリロニトリ
ル共重合体、アクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合
体、アクリル酸エステルスチレン共重合体、メタクリル
酸エステルアクリロニトリル共重合体、メタクリル酸エ
ステル塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル
スチレン共重合体、ウレタンエラストマー、ナイロン−
シリコン系樹脂、ニトロセルロース−ポリアミド樹脂、
ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデンアクリロニトリル共
重合体、ブタジェンアクリロニトリル共重合体、ポリア
ミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体
(セルロースアセテートブチレート、セルロースジアセ
テート、セルローストリアセテート、セルロースプロピ
オネート、ニトロセルロース等)、スチレンブタジェン
共重合体、ポリエステル樹脂、クロロビニルエーテルア
クリル酸エステル共重合体、アミノ樹脂、各種の合成ゴ
ム系の熱可塑性樹脂及びこれらの混合物等が使用され
る。
【0013】熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては、
塗布液の状態では200,000以下の分子量のもので
あり、磁性層形成用組成物を塗布し、乾燥させた後、加
熱すると、これらの樹脂が縮合、付加等の反応を生じて
分子量が無限大のものとなり得る。また、これらの樹脂
の中で、樹脂が熱分解するまでの問に軟化または溶融し
ないものであることが望ましい。具体的には、例えばフ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、硬化型ポリウレタン樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコ
ン樹脂、反応型アクリル系樹脂、エポキシポリアミド樹
脂、ニトロセルローズメラミン樹脂、高分子量ポリエス
テル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、メタ
クリル酸塩共重合体とジイソシアネートプレポリマーの
混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネート
との混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリ
コール/高分子量ジオール/トリフェニルメタントリイ
ソシアネートの混合物、ポリアミド樹脂及びこれらの混
合物などがある。
【0014】バインダー中に分散する強磁性微粉末、溶
剤、又、添加剤としての分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電
防止剤及び非磁性支持体等は従来使用されていたものが
同様に使用される。分散剤としてはカプリル酸、カプリ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リ
ノレン酸、ステアロール酸等の炭素数12〜18個の脂
肪酸(R1 COOH、R1 は炭素数11〜17個のアル
キルまたはアルケニル基):前記の脂肪酸のアルカリ金
属(Li,Na,K等)またはアルカリ土類金属(M
g,Ca,Ba)から成る金属石鹸:前記の脂肪酸エス
テルの弗素を含有した化合物:前記の脂肪酸のアミド:
ポリアルキレンオキサイドアルキルリン酸エステル:レ
ジチン:トリアルキルポリオレフィンオキシ第四アンモ
ニウム塩(アルキルは炭素数1〜5個、オレフィンはエ
チレン、プロピレンなど):等が使用される。この他に
炭素数12以上の高級アルコール、およびこれらの他に
硫酸エステル等も使用可能である。潤滑剤としては前述
の分散剤もその効果が認められるが、ジアルキルポリシ
ロキサン(アルキルは炭素数1〜5個)、ジアルコキシ
ポリシロキサン(アルコキシは炭素数1〜4個)、モノ
アルキルモノアルコキシポリシロキサン(アルキルは炭
素数1〜5個、アルコキシは炭素数1〜4個)、フェニ
ルポリシロキサン、フロロアルキルポリシロキサン(ア
ルキルは炭素数1〜5個)などのシリコンオイル、グラ
ファイトなどの導電性微粉末:二硫化モリブデン、二酸
化タングステンなどの無機微粉末:ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエチレン塩化ビニル共重合体、ポリテ
トラフルオロエチレンなどのプラスチック微粉末:α−
オレフィン重合物:常温で液状の不飽和脂肪族炭化水素
(二重結合が末端の炭素に結合したα−オレフィン、炭
素数約20):炭素数12〜20個の一塩基性脂肪酸と
炭素数3〜12個の一価のアルコールからなる脂肪酸エ
ステル類、フルオロカーボン類などが使用できる。
【0015】研磨剤としては溶融アルミナ、炭化ケイ
素、酸化クロム(Cr2 3 )、コランダム、人造コラ
ンダム、ダイアモンド、人造ダイアモンド、ザクロ石、
エメリー(主成分:コランダムと磁鉄鉱)等が使用され
る。帯電防止剤としてはカーボンブラック、カーボンブ
ラックグラフトポリマーなどの導電性微粉末:サポニン
などの天然界面活性剤:アルキレンオキサイド系、グリ
セリン系、グリシドール系などのノニオン界面活性剤:
高級アルキルアミン類、第4級アンモニウム塩類、ピリ
ジンその他の複素環類、ホスホニウム又はスルホニウム
類などのカチオン界面活性剤:カルボン酸基、スルホン
酸基、燐酸基、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸
性基を含むアニオン界面活性剤:アミノ酸類、アミノス
ルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステ
ル類等の両性活性剤などが使用される。塗布溶媒に使用
する有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン系:酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エ
チル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル
系:ベンゼン、トルエン、キシレン等のタール系(芳香
族炭化水素):メチレンクロライド、エチレンクロライ
ド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリ
ン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素等がある。
【0016】溶剤の量は磁性微粉末の2〜3倍である。
バインダー100重量部に対して、分散剤は0.5〜2
0重量部、潤滑剤は0.2〜20重量部、研磨剤は0.
5〜20重量部、帯電防止剤として使用する導電性微粉
末は0.2〜20重量部、同じく帯電防止剤として使用
する界面活性剤は0.1〜10重量部である。磁性粉末
及び前述の結合剤、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止
剤、溶剤等は混練されて磁性塗料とされる。
【0017】これらの磁性層を設ける支持体の素材とし
てはポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタ
レートなどのごときポリエステル、ポリプロピレンのご
ときポリオレフィン、三酢酸セルローズや二酢酸セルロ
ーズのごときセルローズ誘導体、ポリ塩化ビニルのごと
きビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド樹脂、
ポリスルホンなどのプラスチックのフィルム、アルミニ
ュウム、銅などの金属材料、ガラスなどのセラミックス
などがある。これらの支持体は、あらかじめコロナ放電
処理、プラズマ処理、下塗処理、熱処理、金属蒸着処
理、アルカリ処理などの前処理が施されていてもよい。
支持体は、種々所望の形状のものでよい。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の塗布方法は
有機溶剤を主体とする液体に隣接する磁性塗布液のエク
ストルージョン型ヘッドの先端部での引き伸ばし係数に
着眼し、この引き伸ばし係数を200以下にしながら塗
布工程を実施したので、スリット出口部の状態と塗布さ
れたのちの塗布液の状態との間に液挙動に変化を与える
ような無理な状態変化が発生することがなく、塗布面に
スジムラや段ムラのない均一な薄層塗膜を高速で形成す
ることができた。また、本発明の塗布装置は、上記方法
を実施する上でスリット幅を0.05〜1.5mmとす
ることで、塗布液を引き伸ばして塗布するときに、塗布
液の挙動の乱れを誘発することがなく、スジムラや段ム
ラのない均一な薄層塗膜を高速で形成することができ
る。
【0019】
【実施例】本発明の効果を実施例によってさらに明確に
することができる。下記組成の成分中、強磁性微粉末を
それぞれ、変えて、ボールミルに入れて十分混合分散さ
せた後、エポキシ樹脂(エポキシ当量500)を30重
量部加えて均一に混合分散させて三種の磁性塗布液A,
B,C(強磁性微粉末が下記の如く異なる)を調整し
た。 ○ 塗布液組成 強磁性微粉末(A,B,又はC) 300重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 30重量部 (共重合比87:13、重合度400) 導電性カーボン 20重量部 ポリアミド樹脂(アミン価300) 15重量部 レシチン 6重量部 シリコンオイル(ジメチルポンリシロキサン) 3重量部 キシロール 300重量部 メチルイソブチルケトン 300重量部 n−ブタノール 100重量部
【0020】但し上記強磁性微粉末は、次の如く変え
た。 磁性塗布液 A・・・γ−Fe2 3 粉末(長径方向の平均粒径0.
5μの針状粒子、抗磁力320エルステッド) B・・・Co−γ−Fe2 3 粉末(長径方向の平均粒
径0.3μの針状粒子、抗磁力670エルステッド) C・・・Fe粉末(長径方向の平均粒径0.15μの針
状粒子、抗磁力1,300エルステッド) このようにして得られた磁性塗布液の粘度をロトビスコ
粘度計にて測定したところ、各剪断速度において図2に
示すようなチクソトロピックな粘度特性を示した。ま
た、プレコート液はメチルイソブチルケトンを使用し、
バー塗布方式で厚み2.0μm(ウエット状態)に塗布
した。次に図1に示すような塗布ヘッドを用い、フロン
トエッジ2の厚みW1 は0.6mm、バックエッジ3の
厚みW 2を共に1.0mmとし、フロントエッジ後方端
9とバックエッジ先端10との段差hを0.06mmと
し、支持体1としてはポリエチレンテレフタレート厚さ
15μm,幅500mm上に張力10kg/全幅で塗布
を行った。
【0021】(実施例1)塗布速度V=100〜800
m/min,磁性塗布液の塗布量4〜30μm(湿潤状
態)の範囲でスリットクリアランスLo=0.25mm
〜2.00mmに対する前記塗布液A,B,Cにおける
凝集性を評価した結果を表1に示す。又、スリットクリ
アランスLo=0.02mm〜0.10mmにおいて、
その他の条件は上記と同じ条件で、スリットクリアラン
スの下限を測定してみた。この結果を表2に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】表1より、凝集性の関係よりA,B,C各
磁性塗布液ともスリットクリアランスLoの上限は1.
5mmであることが判る。一方、表2より、Loが0.
05mm以上の場合の塗布面は良好であり、Lo<0.
05mmの場合はクリアランス部分が塗布液の乾き等に
よって極めて閉塞し易くなり塗布に悪影響を与えるとと
もに、クリアランス精度の塗布厚み分布への影響が大き
くなる。したがって、スリットクリアランスは0.05
〜1.5mmの範囲がよいことが判る。
【0025】(実施例2)次に支持体の走行速度(塗布
速度)Vを300m/min,600m/minに対し
スリット出口のクリアランスLoを0.25mm〜6.
0mmに変化させ、磁性塗布液のウエット厚みto=
0.005,0.010,0.020,mmにて結果的
に引伸し係数ε=50,100,150,200,25
0,300に対してA,B,C各磁性塗布液に対するス
ジムラ、段ムラ発生状況(面性)を調べた結果を表2に
示す。(但し、前記態集性は含まず)
【0026】
【表3】
【0027】表3より、A,B,C何れの磁性塗布液に
対してもεが200以下のときに、塗布面の面性が良い
ことが判る。
【0028】(実施例3)次に塗布液を2層同時塗布し
た場合のスジムラ、段ムラ発生状況(面性)を調べた。
上層にあたる第二磁性塗布液としてはC液を用い、この
B液を図4に示すエクストルージョン型ヘッドの上流側
スリットから吐出させてウエット厚み0.003mmに
塗布した。有機溶剤に隣接する第一磁性塗布液(下層)
としてはB液を用い、実施例2同様、支持体の走行速度
(塗布速度)Vを300m/min、600m/min
に対し、上流側スリット出口のクリアランスLo を0.
25mm〜6.0mmに変化させた。これらの条件にお
いて、第一磁性塗布液のウエット厚みto を0.00
5、0.010、0.020mmで引伸し係数ε=5
0、100、150、200、250、300に対して
スジムラ、段ムラ発生状況(面性)を調べた結果を表4
に示す。
【0029】
【表4】
【0030】表4よりεが200以下のときに有機溶剤
に隣接する第一磁性塗布液の塗布面も面性が良いことが
わかる。
【0031】(実施例4)次に塗布液を3層同時塗布し
た場合のスジムラ、段ムラ発生状況(面性)を調べた。
最上層にあたる第三磁性塗布液としてはC液を用い、こ
のC液を図5に示すエクストルージョン型ヘッドの最上
流側スリットから吐出させてウエット厚み0.003m
mに塗布した。中間層にあたる第二磁性塗布液としては
B液を用い、このB液を図5に示すエクストルージョン
型ヘッドの中間スリットから吐出させてウエット厚み
0.003mmに塗布した。有機溶剤に隣接する第一磁
性塗布液(下層)としてはA液を用い、実施例2同様、
支持体の走行速度(塗布速度)Vを300m/min、
600m/minに対し、上流側スリット出口のクリア
ランスLo を0.25mm〜6.0mmに変化させた。
これらの条件において、第一磁性塗布液のウエット厚み
to を0.005、0.010、0.020mmで引伸
し係数ε=50、100、150、200、250、3
00に対してスジムラ、段ムラ発生状況(面性)を調べ
た結果を表5に示す。
【0032】
【表5】
【0033】表5よりεが200以下のときに有機溶剤
に隣接する第一磁性塗布液の塗布面も面性が良いことが
わかる。
【0034】(実施例5)次に非磁性塗布液の上に磁性
塗布液を同時塗布した場合のスジムラ、段ムラ発生状況
(面性)を調べた。上層にあたる第二塗布液としては磁
性塗布液のC液を用い、このC液を図4に示すエクスト
ルージョン型ヘッドの上流側スリットから吐出させてウ
エット厚み0.003mmに塗布した。有機溶剤に隣接
する第一塗布液(下層)としては以下に示す組成の非磁
性塗布液D液を用い、実施例2同様、支持体の走行速度
(塗布速度)Vを300m/min、600m/min
に対し、上流側スリット出口のクリアランスLo を0.
25mm〜6.0mmに変化させた。これらの条件にお
いて、第一塗布液(D液)のウエット厚みto を0.0
05、0.010、0.020mmで引伸し係数ε=5
0、100、150、200、250、300に対して
スジムラ、段ムラ発生状況(面性)を調べた結果を表6
に示す。
【0035】
【表6】
【0036】表6よりεが200以下のときに有機溶剤
に隣接する第一塗布液(D液)の塗布面も面性が良いこ
とがわかる。
【0037】○D塗布液組成 TiO2 微粉末(平均一次粒径0.05μm、 SBET 値 19 m2 /g) 300重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 (共重合比 87 :13、重合度 400) 30重量部 導電性カーボン 50重量部 ポリアミド樹脂(アミン価 300) 15重量部 レシチン 6重量部 キシロール 300重量部 メチルイソブチルケトン 300重量部 n−ブタノール 100重量部 エポキシ樹脂(エポキシ当量 500) 20重量部
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布装置の要部の拡大断面図であり、
塗布状態における引き伸ばし係数εとスリット出口部ク
リアランスLoを説明するための拡大断面図である。
【図2】本発明の実施例に用いた磁性塗布液A,B,C
の剪断速度に対する粘度変化のを表したグラフである。
【図3】本発明に係わるエクストルージョン型ヘッドの
部分側面図である。
【図4】本発明における塗布装置の他の実施態様の要部
横断面図である。
【図5】本発明における塗布装置の他の実施態様の要部
横断面図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 フロントエッジ 3 バックエッジ 4 スリット 5 フロントエッジ面 6 有機溶剤を主体とする液体 8 磁性塗布液 9 フロントエッジ後方端 10 バックエッジ先端 Lo スリット出口部のクリアランス to ウエット厚み V 塗布速度支持体の走行速度(塗布速度) v スリット出口部での塗布液平均線速度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 都丸 美喜男 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富士写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−184071(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B05C 5/00 - 5/02 B05D 1/26 B05D 5/12 B05D 7/24 303 G11B 5/848

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体移動方向に対して上流側に位置す
    るフロントエッジと、該支持体移動方向に対して下流側
    に位置し、その先端が前記フロントエッジよりも段差を
    つけて反支持体方向に後退している一つ以上のバックエ
    ッジとを有するエクストルージョン型塗布ヘッドによ
    り、一つ以上の塗布液を塗布する塗布方法において、前
    記支持体の塗布面にあらかじめ塗布された有機溶剤を主
    体とする液体によって液封された状態で、前記有機溶剤
    を主体とする液体に隣接する磁性塗布液のエクストルー
    ジョン型ヘッドの先端部での引き伸ばし係数を200以
    下とすることを特徴とする塗布方法。
  2. 【請求項2】 支持体移動方向に対して上流側に位置す
    るフロントエッジと、支持体移動方向に対して下流側に
    位置し、その先端が前記フロントエッジよりも段差をつ
    けて反支持体方向に後退している一つ以上のバックエッ
    ジとを有するエクストルージョン型塗布ヘッドにより、
    塗布液を塗布する塗布装置において、前記支持体の塗布
    面にあらかじめ塗布された有機溶剤を主体とする液体に
    よって液封された状態で、前記有機溶剤を主体とする液
    体に隣接する磁性塗布液を供給するスリット出口部のク
    リアランスを0.05〜1.5mmとすることを特徴と
    する塗布装置。
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