JP2684486B2 - 塗布装置 - Google Patents

塗布装置

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JP2684486B2
JP2684486B2 JP4059422A JP5942292A JP2684486B2 JP 2684486 B2 JP2684486 B2 JP 2684486B2 JP 4059422 A JP4059422 A JP 4059422A JP 5942292 A JP5942292 A JP 5942292A JP 2684486 B2 JP2684486 B2 JP 2684486B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗布装置に関し、特に、
移動中の支持体表面に向けて連続的に押出した塗布液
を、支持体表面に均一な厚さをもって高速薄層塗布する
エクストルージョン型の塗布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】移動中の支持体表面に向けて連続的に押
出した塗布液を、支持体表面に均一な厚さをもって高速
薄層塗布するエクストルージョン型塗布装置は、種々検
討され、塗布ヘッドの上流側エッジをプレコート層によ
って液封し塗布層へのエア同伴を遮断する方法として、
同一組成の液をプレコートする方法(特開昭58−20
5561号公報参照)、プレコートとしての溶剤を支持
体上に塗布する方法(特開昭61−139929号公報
参照)等が開示されている。これらの塗布方法により、
高速での薄層塗布を実現することができる。しかしなが
らこの塗布装置はエクストルージョン型塗布装置におい
て、下流側エッジと支持体との間が加圧状態となり塗布
層がスムージングされるため、支持体の幅方向不均一が
ある場合には、塗布膜厚みも幅方向に不均一なものとな
る。さらに、支持体上やプレコート塗布液あるいは塗布
層塗布液中に異物が混入していた場合、下流側エッジ上
に異物がトラップされやすく、それによりスジが発生し
やすくなる。なお、ここにいう塗布液としては、例えば
写真感光性塗布液、磁性塗布液、表面保護・帯電防止あ
るいは滑性用塗布液等であり、その代表的な製品として
は、各種写真フィルム、印画紙、磁気記録媒体等があ
る。
【0003】本出願人は先にこれらを改善して、スジ故
障や、支持体の厚み,ヤング率等の不均一に起因する塗
布膜厚みの変動を回避出来、さらには塗布液のスロット
通過時に圧力損失を少くすることのできる塗布装置とし
て、特開昭63−20069号公報に記載の塗布装置を
出願した。特開昭63−20069号公報には、図3に
示すように支持体1の塗布面にあらかじめ塗布された有
機溶剤11によって液封された状態で、支持体移動方向
に対して上流側に位置するフロントエッジ2と、支持体
移動方向に対して下流側に位置し、その先端が前記フロ
ントエッジよりも段差をつけて反支持体方向に後退して
いて先端部が鋭角なバックエッジ3とを有するエクスト
ルージョン型ヘッドにより支持体に塗布層を形成する塗
布装置が開示されている。支持体の塗布面には、まず有
機溶剤が、グラビアコーター、ロールコーター、ブレー
ドコーター、エクストルージョンコーターなどの一般的
に用いられている公知の塗布装置により塗布され、この
層により、フロントエッジ上流側からの同伴空気の塗布
層への浸入が防止され、欠陥のない塗布状態が維持さ
れ、高速塗布特性が高められている。前記フロントエッ
ジ2は前記スリット8の出口から前記支持体1の上流側
に位置し、該支持体1に対向するエッジ面全域が支持体
側に膨らむように形成されている。支持体側に膨らむ形
態としては、一般的には曲率を持った湾曲面が用いられ
るが、同伴空気の巻き込みを防止できれば、その形状は
これには限らない。前記バックエッジ3は、前記フロン
トエッジ2のスリット8の出口部における接線よりも反
支持体方向にその先端部が後退して位置している。これ
によって前記バックエッジ部3と前記支持体1との間に
おいて塗布時の加圧力が働かず、同部での異物のトラッ
プ等を防止でき、該異物による塗布面の故障を少なくで
きるようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら図3に示
したエクストルージョン型塗布ヘッド先端部のスリット
の内面4及びフロントエッジ面5及びバックエッジ面6
の表面粗さ及びエッジ角部9,10の状態によっては、
従来の加圧型のエクストルージョン型塗布ヘッドよりも
縦スジが多発することが明らかになって来た。これは、
前記塗布ヘッドにおけるスリット内面4及びフロントエ
ッジ面5及びバックエッジ面6は、研削盤にて必要な形
状に高精度で研磨加工されるが、この加工時の送り速度
や切り込み深さや砥石の選定などの研磨条件や塗布ヘッ
ド先端部の材質によっては、表面粗さ及びエッジ角部
9,10の状態が好ましくない状態となり、この状態が
直接に塗布面に出やすい傾向を意味するものである。
なわち、これまで例えば特開昭60−238179号公
報などで公知のドクターエッジがあるものは、ドクター
エッジ(バックエッジ)において塗布液がスムージング
されるため、前記スリット内面4及び前記フロントエッ
ジ面5も前記バックエッジ面6の表面粗さや欠けの状態
が多少悪くても、このスムージング作用により、塗布液
に加えられた圧力によって生じた内部応力により該塗布
液はその塗布直後の流動作用が高められたりするので、
スリットから吐出された塗布液の液挙動によって前記各
エッジ面の表面粗さの仕上げ状態を結果的に相殺するこ
とができたものと推定できるが、図3に示した所謂塗布
時の塗布液に高い圧力を付与しないタイプの塗布ヘッド
は加圧タイプに比べて塗布スジや厚みムラが出やすくな
り、塗布面の品質の低下を招くことになるものと考えら
れる。このように、本発明に関する塗布装置において
は、ドクターエッジによるスムージングが行なわれない
ため、スリットの内面とフロントエッジ面の表面粗さや
欠けの状態が悪いと、そのままスジ等の故障となる。し
たがって、スリットの内面とフロントエッジ面もバック
エッジ面と同様に表面粗さや欠けのないことが要求され
る。しかし、前記塗布ヘッドの研磨や表面仕上げ状態を
際限なく高めることは不可能であることから、従来にお
いては、塗布ヘッドの仕上げ状態をどの程度の構成にす
ればよいかは、コストとの兼ね合いで経験的な熟練性に
依存しているのが現状であった。
【0005】本発明の目的は、前記従来の問題点を解消
し、支持体の幅方向不均一による幅方向塗膜厚み変動や
スジ発生を抑えて、塗布厚みが均一でスジ等の故障のな
い薄層塗布製品、特に、磁気記録媒体の場合では、電磁
変換特性が良好な磁気記録媒体を高速で安定して製造で
きる塗布装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の前記目的は、支
持体移動方向に対して塗布液を吐出するスリットの上流
側に位置するフロントエッジと、該支持体移動方向に対
して前記スリットの下流側に位置しその先端が前記フロ
ントエッジよりも段差をつけて反支持体方向に後退して
いて先端部が鋭角なバックエッジとを有するエクストル
ージョン型ヘッドにより、少なくとも一種類以上の塗布
液を塗布する塗布装置において、前記支持体の塗布面に
塗布された低粘度の液によって該塗布面と前記フロント
エッジとの間が液封された状態で、前記塗布層を形成す
る前記塗布ヘッド先端部のスリット内面及びフロントエ
ッジ面及びバックエッジ面の表面の中心線平均粗さが
1.0μmRa以下であり、かつ前記エッジの角部の欠
けが10μm以下であることを特徴とする塗布装置によ
って達成される。
【0007】本発明でいう有機溶剤を主体とする低粘度
の液(後述するプレコート液11)とは、トルエン、メ
チルエチルケトン、酢酸ブチル、シクロヘキサノン等の
有機溶剤単独あるいは組み合わせた液、あるいはバイン
ダーをこれらの液に溶解させた液であり、粘度としては
20cp以下、さらに好ましくは5cp以下である。バ
インダーとしては後述の塗布液に用いるバインダーを用
いる。本発明において、支持体の塗布面にはあらかじめ
低粘度の液(プレコート液11)が、グラビアコータ
ー、ロールコーター、ブレードコーター、エクストルー
ジョンコーターなどの一般的に用いられている公知の塗
布装置により塗布される。このあらかじめ塗布された低
粘度の液により、塗布液が塗布されるときのフロントエ
ッジ上流側での同伴空気の巻き込みが防止され、好適な
塗布状態が維持される。また、本発明において少なくと
も一層以上の塗布層とは、磁気記録媒体においては、磁
性層のみの場合と、磁性層が重層構造になっているもの
と、磁性層と非磁性層の組み合わせで少なくとも磁性層
を一層含む構成になっているものを含むものである。
又、磁気記録媒体以外においても、同様の層構成が可能
である。
【0008】
【実施態様】以下、本発明の実施態様について図面を参
照して説明する。なお、図1の塗布ヘッドの形状は単層
塗布の場合を示し、図2の場合は二層塗布の場合を示す
ものである。両図に示すように、フロントエッジ2はス
リット8(8a,8b)の出口から支持体1の上流側に
位置し、かつ下流側に配設したバックエッジ3の先端部
よりも支持体寄りに突出している。そして、前記支持体
1の塗布面に塗布された低粘度のプレコート液11によ
って該塗布面と前記フロントエッジ2との間が液封され
た状態である。すなわち、本両実施態様においては前記
フロントエッジ2の上流側にて、プレコート液11を適
宜掻き落としながら液封している。また、両図において
前記フロントエッジ2は前記支持体1に対向するエッジ
面全域が支持体側に膨らむように形成されている。支持
体側に膨らむ形態としては、一般的には曲率を持った湾
曲面が用いられるが、同伴空気の巻き込みを防止できれ
ば、これには限らない。前記バックエッジ3の先端部
は、鋭角な形状であり、前記フロントエッジ2のスリッ
ト8(8a)の出口部における接線(支持体1のほぼ通
過線)から離れるように位置している。図2において
は、中間ブロック3aの先端部分を前記バックエッジ3
とほぼ同様な構成となっている。このように、前記バッ
クエッジ3は前記スリット8(8b)の出口部で最も支
持体に接近しているシャープエッジ状であるので、該ス
リット8(8a,8b)より吐出される塗布液7a,7
bは、シャープエッジ先端部で離され、これより下流で
はスムージングされていない。この構成の場合、仮に前
記バックエッジ3の下流側斜面に塗布液が溢れると、こ
の溢れた塗布液が固化したりしてスジ等の塗布故障とな
る。
【0009】本実施態様において図1,図2に示すよう
に塗布ヘッド先端部のスリット内面4(中間ブロック3
aでスリットを構成する内面4も含む)及びフロントエ
ッジ面5及びバックエッジ面6の表面粗さは小さい方が
好ましいが、塗布液7の凝集や異物トラップによるスジ
発生状況に着目して研究を重ねたところ、驚くべきこと
に、中心線平均粗さ(Ra)が1.0μmを境にしてそ
れ以下では、極端にスジが発生しにくいことが判明し
た。さらに、0.4μmRa以下ではより好ましく、ス
ジは殆ど発生しない。なお、表面粗さは、日本工業規格
JIS−B0601に基づき、その表示としては、一般
的に用いられる中心線平均粗さで表す。カットオフ値
(λc)は0.25mmである。また、塗布ヘッド先端部の
フロントエッジ角部9及びバックエッジの角部10の欠
けについても、まったくない事が望まれるが、現実には
微細な欠けが研磨加工工程で発生している。そこで、塗
布液の凝集や異物トラップによるスジ発生状況に着目し
て研究を重ねたところ、塗布ヘッド先端部全幅にわたっ
て、存在する欠けが10μm以下では、品質に影響を及
ぼすほどのスジが発生しにくいことが判明した。5.0
μm以下では、さらに好ましい。なお、欠けは、塗布ヘ
ッド先端部のフロントエッジの角部9及びバックエッジ
の角部10において、先端部材を構成する粒子の一部が
研磨加工工程で脱落したり、材料の焼結工程において発
生する微細な空孔がエッジ角部に出現してしまったもの
である。ひとつの欠けの大きさは、支持体幅方向と深さ
方向で表すことができるが、ここでは支持体幅方向と深
さ方向のうち大きい方の寸法を表し、ここでいう(全幅
にわたる)欠けの大きさとは、幅方向に全幅を検査した
ときの最大の欠けを表すものとする。なお、本実施態様
おいては塗布ヘッドのヘッド先端部の材質は、超硬合金
あるいはセラミックであることが望ましい。
【0010】前記塗布ヘッドは2本のガイドローラ間に
設置されるが、該塗布ヘッドの上流側のガイドローラと
の間にプレコート液11の塗布ヘッドを設置しても構わ
ない。塗布液塗布ヘッドにおけるラップ角度は2°〜6
0°程度である。また、この塗布ヘッドにおいてラップ
を形成するためのガイドローラのスパンは一般的には5
0〜3000mmだが、これに限るものではない。送液
系は、特に限定するものではなく塗布液の性質に応じた
公知の技術を用いることができる。特に、磁性塗布液の
場合には、一般的には凝集性を持っており、したがっ
て、凝集をしない程度の剪断を与えることが好ましい。
具体的には、特願昭63−63601号、特開昭62−
95174号公報などによる。特願昭63−63601
号公報などに示されるローターのない場合には、ポンプ
〜塗布ヘッドの配管径はφ50mm以下、磁性液塗布ヘ
ッドのポケット径はφ2〜20mm、磁性液塗布ヘッド
のスリット幅は0.05mm〜1mm、スリット長は5
mm〜150mmであるのが適当であるが、これに限る
ものではない。
【0011】更に本発明の磁気記録媒体の磁性層には強
磁性微粉末が使用される。強磁性微粉末としては、γ−
Fe2 3 、Co含有のγ−Fe 2 3 、Fe34
Co含有のFe3 4 、γ−FeOx、Co含有のγ−
FeOx(X=1.33〜1.50)、CrO2 、Co
−Ni−P合金、Co−Ni−Fe−B合金、Fe−N
i−Zn合金、Ni−Co合金、Co−Ni−Fe合金
など、公知の強磁性微粉末が使用でき、これら強磁性微
粉末の粒子サイズは約0.005〜1ミクロンの長さ
で、軸長/軸幅の比は、1/1〜50/1程度である。
又、これらの強磁性体微粉末の比表面積は、1m2 /g
〜70m2 /g程度である。また強磁性微粉末として、
板状六方晶のバリウムフェライトも使用できる。バリウ
ムフェライトの粒子サイズは約0.001〜1ミクロン
の直径で、厚みが直径の1/2〜1/20である。バリ
ウムフェライトの比重は4〜6g/ccで、比表面は1
2 /g〜70m2 /gである。
【0012】本発明において、磁性層には強磁性微粉末
と共にバインダーが使用される。使用されるバインダー
としては従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応
型樹脂やこれらの混合物が挙げられる。熱可塑性樹脂と
しては軟化温度が150℃以下、平均分子量が10,0
00〜300,000、重合度が約50〜2,000程
度のもので、例えば塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニル塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニルアクリロ
ニトリル共重合体、アクリル酸エステルアクリロニトリ
ル共重合体、アクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合
体、アクリル酸エステルスチレン共重合体、メタクリル
酸エステルアクリロニトリル共重合体、メタクリル酸エ
ステル塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル
スチレン共重合体、ウレタンエラストマー、ナイロン−
シリコン系樹脂、ニトロセルロース−ポリアミド樹脂、
ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデンアクリロニトリル共
重合体、ブタジェンアクリロニトリル共重合体、ポリア
ミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体
(セルロースアセテートブチレート、セルロースジアセ
テート、セルローストリアセテート、セルロースプロピ
オネート、ニトロセルロース等)、スチレンブタジェン
共重合体、ポリエステル樹脂、クロロビニルエーテルア
クリル酸エステル共重合体、アミノ樹脂、各種の合成ゴ
ム系の熱可塑性樹脂及びこれらの混合物等が使用され
る。
【0013】熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては、
塗布液の状態では200,000以下の分子量のもので
あり、磁性層形成用組成物を塗布し、乾燥させた後、加
熱すると、これらの樹脂が縮合、付加等の反応を生じて
分子量が無限大のものとなり得る。また、これらの樹脂
の中で、樹脂が熱分解するまでの問に軟化または溶融し
ないものであることが望ましい。具体的には、例えばフ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、硬化型ポリウレタン樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコ
ン樹脂、反応型アクリル系樹脂、エポキシポリアミド樹
脂、ニトロセルローズメラミン樹脂、高分子量ポリエス
テル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、メタ
クリル酸塩共重合体とジイソシアネートプレポリマーの
混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネート
との混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリ
コール/高分子量ジオール/トリフェニルメタントリイ
ソシアネートの混合物、ポリアミド樹脂及びこれらの混
合物などがある。
【0014】バインダー中に分散する強磁性微粉末、溶
剤、又、添加剤としての分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電
防止剤及び非磁性支持体等は従来使用されていたものが
同様に使用される。分散剤としてはカプリル酸、カプリ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リ
ノレン酸、ステアロール酸等の炭素数12〜18個の脂
肪酸(R1 COOH、R1 は炭素数11〜17個のアル
キルまたはアルケニル基):前記の脂肪酸のアルカリ金
属(Li,Na,K等)またはアルカリ土類金属(M
g,Ca,Ba)から成る金属石鹸:前記の脂肪酸エス
テルの弗素を含有した化合物:前記の脂肪酸のアミド:
ポリアルキレンオキサイドアルキルリン酸エステル:レ
ジチン:トリアルキルポリオレフィンオキシ第四アンモ
ニウム塩(アルキルは炭素数1〜5個、オレフィンはエ
チレン、プロピレンなど):等が使用される。この他に
炭素数12以上の高級アルコール、およびこれらの他に
硫酸エステル等も使用可能である。潤滑剤としては前述
の分散剤もその効果が認められるが、ジアルキルポリシ
ロキサン(アルキルは炭素数1〜5個)、ジアルコキシ
ポリシロキサン(アルコキシは炭素数1〜4個)、モノ
アルキルモノアルコキシポリシロキサン(アルキルは炭
素数1〜5個、アルコキシは炭素数1〜4個)、フェニ
ルポリシロキサン、フロロアルキルポリシロキサン(ア
ルキルは炭素数1〜5個)などのシリコンオイル、グラ
ファイトなどの導電性微粉末:二硫化モリブデン、二酸
化タングステンなどの無機微粉末:ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエチレン塩化ビニル共重合体、ポリテ
トラフルオロエチレンなどのプラスチック微粉末:α−
オレフィン重合物:常温で液状の不飽和脂肪族炭化水素
(二重結合が末端の炭素に結合したα−オレフィン、炭
素数約20):炭素数12〜20個の一塩基性脂肪酸と
炭素数3〜12個の一価のアルコールからなる脂肪酸エ
ステル類、フルオロカーボン類などが使用できる。
【0015】研磨剤としては溶融アルミナ、炭化ケイ
素、酸化クロム(Cr2 3 )、コランダム、人造コラ
ンダム、ダイアモンド、人造ダイアモンド、ザクロ石、
エメリー(主成分:コランダムと磁鉄鉱)等が使用され
る。帯電防止剤としてはカーボンブラック、カーボンブ
ラックグラフトポリマーなどの導電性微粉末:サポニン
などの天然界面活性剤:アルキレンオキサイド系、グリ
セリン系、グリシドール系などのノニオン界面活性剤:
高級アルキルアミン類、第4級アンモニウム塩類、ピリ
ジンその他の複素環類、ホスホニウム又はスルホニウム
類などのカチオン界面活性剤:カルボン酸基、スルホン
酸基、燐酸基、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸
性基を含むアニオン界面活性剤:アミノ酸類、アミノス
ルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステ
ル類等の両性活性剤などが使用される。塗布溶媒に使用
する有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン系:酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エ
チル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル
系:ベンゼン、トルエン、キシレン等のタール系(芳香
族炭化水素):メチレンクロライド、エチレンクロライ
ド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリ
ン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素等がある。
【0016】溶剤の量は磁性微粉末の2〜3倍である。
バインダー100重量部に対して、分散剤は0.5〜2
0重量部、潤滑剤は0.2〜20重量部、研磨剤は0.
5〜20重量部、帯電防止剤として使用する導電性微粉
末は0.2〜20重量部、同じく帯電防止剤として使用
する界面活性剤は0.1〜10重量部である。磁性粉末
及び前述の結合剤、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止
剤、溶剤等は混練されて磁性塗料とされる。
【0017】これらの磁性層を設ける支持体の素材とし
てはポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタ
レートなどのごときポリエステル、ポリプロピレンのご
ときポリオレフィン、三酢酸セルローズや二酢酸セルロ
ーズのごときセルローズ誘導体、ポリ塩化ビニルのごと
きビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド樹脂、
ポリスルホンなどのプラスチックのフィルム、アルミニ
ュウム、銅などの金属材料、ガラスなどのセラミックス
などがある。これらの支持体は、あらかじめコロナ放電
処理、プラズマ処理、下塗処理、熱処理、金属蒸着処
理、アルカリ処理などの前処理が施されていてもよい。
支持体は、種々所望の形状のものでよい。
【0018】
【発明の効果】以上のべたように、本発明の塗布装置に
よれば、塗布層を形成するエクストルージョン型塗布ヘ
ッド先端部のスリット内面及びフロントエッジ面及びバ
ックエッジ面の表面の中心線平均粗さ(Ra)は1.0
μm以下であるので、塗布時に塗布液を加圧しない場合
でも該塗布液の流れに乱れが生じにくく、極めて表面性
のよい塗布層を形成することができた。また、塗布液を
加圧しないで塗布するので、塗布液のはみ出しによる液
の凝集の発生も殆どなく、異物トラップよるスジ等の発
生が少ない表面性の良好な製品を安定して製造すること
ができる。また、塗布層を形成するエクストルージョン
型塗布ヘッド先端部のフロントエッジ及びバックエッジ
の角部の欠けが10μm以下であるので、塗布時に塗布
液を加圧しない場合でも該塗布液が塗布ヘッド先端部か
ら離れるメニスカスでの流れに乱れが生じにくく、液の
凝集や異物トラップによるスジ発生の少ない表面性の良
好な製品を安定して製造することができる。
【0019】
【実施例】次に実施例によって、本発明の装置の新規な
効果を一層明確にすることができる。下記に示す塗布液
組成の各成分をボールミルに入れて十分に混合分散させ
た後、エポキシ樹脂(エポキシ当量500)を30重量
部加えて均一に混合分散させて磁性塗布液(磁性分散
液)とした。こうして得られた磁性塗布液の粘度を、ロ
トビスコ粘度計にて測定したところ、各剪断速度におい
て、チキソトロピックな粘度特性を示した。 塗布液組成: γ−Fe2 3 粉末 (長径方向の平均粒径 0.5μの針状粒子、 抗磁力 320エルステッド) ・・・300重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 (共重合比87:13、重合度400) ・・・ 30重量部 導電性カーボン ・・・ 20重量部 ポリアミド樹脂(アミン価 300) ・・・ 15重量部 レシチン ・・・ 6重量部 シリコンオイル(ジメチルポリシロキサン) ・・・ 3重量部 キシロール ・・・300重量部 メチルイソブチルケトン ・・・300重量部 n−ブタノール ・・・100重量部 また、プレコート液はメチルイソブチルケトンを使用
し、バー塗布方式で厚み2.0μm(wet状態)に塗
布した。塗布膜厚みは15μm(湿潤状態)であった。
支持体としてはポリエチレンテレフタレートフィルム厚
さ15μm,幅500mmを用い、張力10kg/全
幅,塗布速度600m/minで走行させ、図1に示す
エクストルージョン型ヘッドのスリット内面4、フロン
トエッジ面5、バックエッジ面6の中心線平均粗さ(μ
mRa)を0.4μm,1.0μm,2.0μmの三水
準に変化させ、フロントエッジ角部9とバックエッジの
角部10の欠け(μm最大値)を5μm,10μm,2
0μmの三水準に変えたものを、組合わせてスジの発生
状況について比較検討を行った。結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1に示すように、表面粗さRa(μm)
が、スリット内面4、フロントエッジ面5、バックエッ
ジ面6のいづれかにおいて2.0μmである場合、即
ち、エクストルーダNo.,,の場合は、いづれ
もスジが10本以上発生し、特性上問題にならない程度
のものも含めると本数も相当数であり、品質が大幅に低
下して、製品として好ましくないものとなる。また製品
として完成する以前に、塗布の後工程において、巻取不
良やシワによる切断等の設備を破壊しかねない大きなト
ラブルの原因となる。なお、カットオフ値(λc)は0.
25mmである。欠け(μm)がフロントエッジ角部9、
バックエッジ角部10のいづれかにおいて20μmの場
合、即ち、エクストルーダーNo.・の場合でも、
スジ発生が顕著で、特性上問題にならない程度のものも
含めると本数も相当数である。品質が大幅に低下して、
製品として好ましくないものとなる。また、製品として
完成する以前に、塗布の後工程において、巻取不良やシ
ワによる切断等の設備を破壊しかねない大きなトラブル
の原因となる。特に問題となるほどのスジは、エクスト
ルーダーの欠け発生位置(10μmより大きいもの)と
ほとんど一致している。一方、エクストルーダーNo.
・・では、製品品質や後工程において問題となる
ようなスジの発生がなく、良好な磁気記録媒体が得られ
た。特に、表面粗さ0.4μm欠け5μmの場合のエク
ストルーダーではまったく塗布スジが見られず、非常
に良好な磁気記録媒体を安定して得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布装置の一実施態様の要部側面断面
図である。
【図2】本発明の塗布装置の他の実施態様の要部側面断
面図である。
【図3】従来の塗布装置の側面断面図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 フロントエッジ 3 バックエッジ 3a 中間ブロック 4 スリット内面 5 フロントエッジ面 6 バックエッジ面 7a,7b 塗布液 8,8a,8b スリット 9 フロントエッジ角部 10,10a バックエッジ角部 10b バックエッジ角部 11 プレコート液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 都丸 美喜男 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富士写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−20069(JP,A) 特開 平2−207866(JP,A) 特開 平2−207865(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体移動方向に対して塗布液を吐出す
    るスリットの上流側に位置するフロントエッジと、該支
    持体移動方向に対して前記スリットの下流側に位置しそ
    の先端が前記フロントエッジよりも段差をつけて反支持
    体方向に後退していて先端部が鋭角なバックエッジとを
    有するエクストルージョン型ヘッドにより、少なくとも
    一種類以上の塗布液を塗布する塗布装置において、前記
    支持体の塗布面に塗布された低粘度の液によって該塗布
    面と前記フロントエッジとの間が液封された状態で、前
    記塗布層を形成する前記塗布ヘッド先端部のスリット内
    面及びフロントエッジ面及びバックエッジ面の表面の中
    心線平均粗さが1.0μmRa以下であり、かつ前記エ
    ッジの角部の欠けが10μm以下であることを特徴とす
    る塗布装置。
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