JP2973382B2 - 塗布装置 - Google Patents

塗布装置

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JP2973382B2
JP2973382B2 JP4122608A JP12260892A JP2973382B2 JP 2973382 B2 JP2973382 B2 JP 2973382B2 JP 4122608 A JP4122608 A JP 4122608A JP 12260892 A JP12260892 A JP 12260892A JP 2973382 B2 JP2973382 B2 JP 2973382B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗布装置に関し、特に移
動中の支持体表面に向けて塗布液を連続的に押し出すこ
とにより、支持体表面に塗布液を均一な厚さで高速薄層
塗布するように構成したエクストルージョン型の塗布装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エクストルージョン型の塗布装置は、磁
気ディスクシートや磁気テープとして知られている磁気
記録媒体や各種写真フィルム、印画紙の製造に使用され
るものであり、磁気記録媒体の製造にあっては帯状の可
撓性の支持体に磁性塗布液を塗布する際に使用され、各
種写真フィルムを製造する場合はフィルムに写真感光性
塗布液を塗布する装置として使用される。更に、支持体
表面に表面保護膜や帯電防止剤、あるいは滑性用塗布液
を塗布する場合にも使用されるなど、その用途は多岐に
わたるものである。
【0003】このエクストルージョン型の塗布装置の基
本的構成は、支持体の幅方向に接するようにフロントエ
ツジ(本明細書においては支持体の走行方向に対して上
流側エッジをいう)とバックエッジ(下流側エッジをい
う)とを所定間隔で設け、両者の隙間で形成されるスリ
ットから移動中の支持体表面に塗布液を押し出して塗布
するように構成したものであり、エッジ面と前記支持体
との間に塗布液が介在することにより該エッジ面と該支
持体とが所定の間隔に維持されて該塗布液が支持体上に
塗着されていくようにした構成である。すなわち、前記
スリットの後方のバックエッジ面により前記塗布液を前
記支持体に押しつけるようにして塗布する装置である。
しかし、この種の塗布装置においては、様々な利点があ
る一方、バックエッジと支持体との間の塗布液には比較
的高い圧力がかかけられた状態で塗布液がスムージング
されるため、支持体の幅方向に不均一がある場合には塗
布厚みも幅方向に不均一な塗膜が形成されやすい。更
に、支持体上やプレコート液、或いは塗布液中に異物が
混入していると、バックエッジ上に異物がトラップされ
やすく、この場合は塗布面にすじが発生しやすくなる欠
点を抱えていた。
【0004】本出願人は前述の問題点を解消すべく検討
を重ね、特開昭63−20069号公報に開示された塗
布装置を提案した。ここで図3を参照して特開昭63−
20069号公報に開示された塗布装置について説明す
る。矢印A方向に移動する支持体1の表面には有機溶剤
等のプレコート液11が予め塗布され、いわゆる液封さ
れた状態になっている。
【0005】そして塗布装置は、前記支持体1の移動方
向Aに対して上流側に位置するフロントエッジ2と、支
持体移動方向Aに対して下流側に位置し、その先端が前
記フロントエッジ2の頂部より段差を有して反支持体方
向に後退し且つその先端が鋭角に形成されたバックエッ
ジ3と、前記フロントエッジ2及び前記バックエッジ3
の間隙に形成されたスリット6とにより構成されてい
る。前記支持体1の表面には、プレコート液である有機
溶剤11が例えばグラビアコーター、ロールコーター、
ブレートコーター、エクストルージョンコーター等の公
知の塗布装置により塗布され、該有機溶剤11のプレコ
ート塗布層により、該フロントエッジ2の上流側から同
伴空気の塗布層への侵入が防止され、欠陥の少ない塗布
状態が維持されて、高速でかつ薄層塗布が可能になる。
【0006】前記バックエッジ3の先端は、前記フロン
トエッジ2のスリツト6の出口部における接線よりも反
支持体方向に後退した形状に形成されている。この形状
は、塗布時に支持体1との間に加圧力が働かず、同部で
の異物のトラップを防止するとともに、異物による塗布
面の故障を少なくすることができる。この塗布装置の基
本的構成は、支持体の移動方向に対し上流側に位置した
フロントエッジに対し、バックエッジがスリットを介し
て下流側に位置するとともに前記フロントエッジに対し
段差を有して前記支持体から離れるように構成され、バ
ックエッジの頂部と支持体表面との間に所望の間隙が形
成されるようになっているので、前述のごとく異物のト
ラップによるすじ故障はもとより支持体の厚み、ヤング
率等の不均一に起因する塗布膜厚みの変動を回避するこ
とができ、高速かつ薄層の良好な塗布を行える。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭63−20
069号公報にみられるような塗布装置を用いた場合、
塗布液はバックエッジの頂部で離され、これより下流で
はスムージングされないため、塗布ヘッドの先端部の欠
け、摩耗による変形、汚れの付着は、そのまま塗膜の面
性を悪化させて塗布スジ故障などを発生させ好ましくな
い。ここにいうヘッド先端部分の欠けや摩耗に関して
は、塗布ヘッドの加工精度やメンテナンスの頻度を高め
ることである程度の品質維持及び向上は可能である。し
かしながら、塗布工程中において、支持体走行や塗布液
の吐出の安定化は極めて精度よくコントロールされてい
るものの、該走行の乱れや吐出の乱れを完全に無くすこ
とは不可能であった。このため、塗布工程中に発生する
これらの乱れにより、前記バックエッジの下流側面に塗
布液の汚れが発生してしまい、これにより塗布スジ故障
が発生する問題があった。本発明は、上述の欠点を解消
せんとするもので、塗布工程中において塗布ヘッドの塗
液による汚れを回避し、スジ発生を抑えて塗布厚みが均
一な製品、特に、磁気記録媒体を安定して製造する塗布
装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
支持体の塗布面に予め塗布された有機溶剤を主体とする
プレコート液によって液封された状態で、前記支持体移
動方向に対して上流側に位置するフロントエッジと、前
記支持体移動方向に対して下流側に位置しその先端が前
記フロントエッジよりも段差をつけて反支持体方向に後
退していて先端部が鋭角なバックエッジとの間のスリッ
トから塗布液を吐出して前記支持体上に塗布するエクス
トルージョン型の塗布装置において、前記塗布装置のヘ
ッド先端部の少なくとも前記バックエッジの先端部が
表面仕上げ程度が0.8S以上、イオン交換水との接触
角が35°以上となるように構成されたことを特徴とす
る塗布装置によって解決することができる。
【0009】
【実施態様】以下、添付図を参照して本発明の一実施態
様である磁気テープ等の磁性塗布液を塗布する塗布装置
について説明する。図1に本実施態様の塗布装置の横断
面図及び該塗布装置による塗布状態を説明する。図1に
示す塗布装置10は支持体1の走行方向の上流側のフロ
ントエッジ2が、前記支持体1に対向するフロントエッ
ジ面2a全域が支持体側に膨らむように形成されている
が、支持体側に膨らむ形態としては、一般的には曲率
(R)をもった湾曲面が用いられるが、前記支持体1に
同伴される空気の巻き込みを防止できれば、これには限
らず平坦な形状でもよい。また、前記フロントエッジ2
との間でスリット6を構成するようにバックエッジ3が
形成されており、該バックエッジ3の先端部3aおよび
該バッグエッジ面4全体は前記フロントエッジ2の頂部
よりも低く構成されている。すなわち、前記バックエッ
ジ3の先端部3aが前記フロントエッジ面2aの後端部
よりも段差をつけて前記支持体1に対して後退するよう
に構成されている。
【0010】前記スリット6は図示しないポケットから
前記支持体1への塗布点に向けてテーパを有していても
図示の如く平行であっても構わない。本実施態様におい
て、プレコート液11は適当な塗布装置、例えばグラビ
アコーター、ロールコーター、ブレードコーター、エク
ストルージョンコーターなどの一般的に用いられている
周知の塗布装置により塗布される。なお、前記プレコー
ト液11を塗布する塗布装置と図示の前記塗布装置10
は、所定の間隔をあけて適宜配置されるが、これらの塗
布装置は異なった二本のガイドロール間に別々に設置し
てもよいし、二本のガイドロール間に同時に設置しても
構わない。また、図示の磁性塗布液用の前記塗布装置1
0における前記支持体1のラップ角度は、一般には2°
〜60°、前記塗布ヘッド10においてラップを形成す
るための前記ガイドロールのスパンは一般的には50〜
300mmに設定されるががこれに限られるものではな
い。
【0011】この予め塗布される前記プレコート液11
は、有機溶剤系の液であって低粘度の液であり、前記磁
性塗布液3が塗布されるときのフロントエッジ上流側で
の同伴空気の巻き込みが防止され、好適な塗布状態が維
持される。なお、本発明で言う低粘度とは、10cp以
下の低粘度であって、ロトビスコ粘度計で測定される剪
断速度46500sec-1における液粘度が10cp以
下であることを示す。また、本発明における塗布液
(層)とは、磁気記録媒体においては、磁性塗布液
(層)のみの場合と、磁性塗布液(層)が重層構造にな
っているものと、磁性塗布液(層)と非磁性層の組み合
わせで少なくとも磁性層を一層含む構成になっているも
のを含む。また磁気記録媒体以外においても、同様に、
公知の層構成が可能である。
【0012】図2に示す重層塗布の場合は、中間ブロッ
ク23により二つのスリット6aと6bとが形成されて
おり、基本的には図1に示す塗布ヘッドと同じ構成であ
る。なお、この場合においては、前記両スリット6a,
6bに二種類の磁性塗布液或いは磁性塗布液と非磁性塗
布液等を別々に供給して塗布することができる。
【0013】本実施態様の前記塗布装置10の特徴的構
成は、前記バックエッジ3の先端部3aにある。すなわ
ち、前記先端部3aがイオン交換水との接触角が35°
以上となるように構成されていることにある。さて、本
発明では、前記塗布装置10、20のヘッド先端部を形
成する材料として撥水性部材を用いるものである。斯か
る部材としては、イオン交換水と接触角が35度以上、
好ましくは40度以上のものを用いる。ここで言う、イ
オン交換水との接触角とは部材の材質だけで決まるもの
ではなく、部材表面性(仕上げ程度)、清浄性、により
決まり得るものである。本発明において定義するイオン
交換水との接触角は、被測定物表面に、イオン交換水を
2μl程度滴下し、15秒後に水滴の球面と、被測定物
表面とのなす角(被測定物表面の真横方向から見たとき
の接触角度)を、共和界面科学社製接触角測定装置CA
−Dにて室温23℃、湿度70%の環境のもとで測定し
た場合を基準とするものである。
【0014】塗布工程中において、特に、前記バックエ
ッジ3の先端部3aは、スリット出口部で前記支持体で
最も接近しているシャープエッジ状で、前記スリット6
より吐出される塗布液Fは、該シャープエッジ状の先端
部で微妙なバランスを保った状態で該先端部から離れて
いくようにされ、該先端部より下流ではスムージングさ
れない。このような微妙なバランスを保つ必要のある部
分である前記先端部3aが上述に示す数値を満足するよ
うに構成されていると、例えば塗布液の吐出圧の変動や
支持体の挙動の変化があった場合において、前記バック
エッジ面4側に前記塗布液Fが周り込むことを効果的に
抑えることができる。
【0015】送液系は、塗布液の性質に応じた公知の技
術を用いる。特に、磁性塗布液の場合には、一般的には
凝集性を持っており、したがって、凝集をしない程度の
剪断を与えることが好ましい。具体的には、特願昭63
−63601号、特開昭62−95174号などによる
方法を利用することができる。また、特願昭63−63
601号などに示されるローターのない場合には、例え
ば送液ポンプから塗布装置の配管径はφ50mm以下、
磁性液塗布ヘッドのポケット径はφ2〜20mm、磁性
液塗布ヘッドのスリット幅は0.05mm、スリット長
は5〜150mmのものを使用することができるが、こ
れに限るものではない。
【0016】本発明に使用される支持体としては、紙、
プラスチックフイルム、金属、レジンコーティッド紙、
合成紙、等が包含される。前記支持体1に塗布される前
記磁性塗布液Fには強磁性微粉末が使用されるもので、
以下、これに付き詳述する。強磁性微粉末としては、γ
−Fe2 3 、Co含有のγ−Fe2 3 、Fe
34 、Co含有のFe3 4 、γ−FeOx、Co含
有のγ−FeOx(X=1.33〜1.50)、CrO
2 、Co−Ni−P合金、Co−Ni−Fe−B合金、
Fe−Ni−Zn合金、Ni−Co合金、Co−Ni−
Fe合金など、公知の強磁性微粉末が使用でき、これら
強磁性微粉末の粒子サイズは約0.005〜1ミクロン
の長さで、軸長/軸幅の比は、1/1〜50/1程度で
ある。又、これらの強磁性体微粉末の比表面積は、1m
2 /g〜70m2 /g程度である。また強磁性微粉末と
して、板状六方晶のバリウムフェライトも使用できる。
バリウムフェライトの粒子サイズは約0.001〜1ミ
クロンの直径で、厚みが直径の1/2〜1/20であ
る。バリウムフェライトの比重は4〜6g/ccで、比
表面は1m2 /g〜70m2 /gである。
【0017】前記磁性塗布液Fには強磁性微粉末と共に
バインダーが使用される。使用されるバインダーとして
は上記同様に従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、
反応型樹脂やこれらの混合物が挙げられる。熱可塑性樹
脂としては軟化温度が150℃以下、平均分子量が1
0,000〜300,000、重合度が約50〜2,0
00程度のもので、例えば塩化ビニル酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニルア
クリロニトリル共重合体、アクリル酸エステルアクリロ
ニトリル共重合体、アクリル酸エステル塩化ビニリデン
共重合体、アクリル酸エステルスチレン共重合体、メタ
クリル酸エステルアクリロニトリル共重合体、メタクリ
ル酸エステル塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エ
ステルスチレン共重合体、ウレタンエラストマー、ナイ
ロン−シリコン系樹脂、ニトロセルロース−ポリアミド
樹脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデンアクリロニト
リル共重合体、ブタジエンアクリロニトリル共重合体、
ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘
導体(セルロースアセテートブチレート、セルロースジ
アセテート、セルローストリアセテート、セルロースプ
ロピオネート、ニトロセルロース等)、スチレンブタジ
エン共重合体、ポリエステル樹脂、クロロビニルエーテ
ルアクリル酸エステル共重合体、アミノ樹脂、各種の合
成ゴム系の熱可塑性樹脂及びこれらの混合物等が使用さ
れる。
【0018】熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては、
塗布液の状態では200,000以下の分子量のもので
あり、磁性層形成用組成物を塗布し、乾燥させた後、加
熱すると、これらの樹脂が縮合、付加等の反応を生じて
分子量が無限大のものとなり得る。また、これらの樹脂
の中で、樹脂が熱分解するまでの問に軟化または溶融し
ないものであることが望ましい。具体的には、例えばフ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、硬化型ポリウレタン樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコ
ン樹脂、反応型アクリル系樹脂、エポキシポリアミド樹
脂、ニトロセルロースメラミン樹脂、高分子量ポリエス
テル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、メタ
クリル酸塩共重合体とジイソシアネートプレポリマーの
混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネート
との混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリ
コール/高分子量ジオール/トリフェニルメタントリイ
ソシアネートの混合物、ポリアミド樹脂及びこれらの混
合物などがある。
【0019】バインダー中に分散する強磁性微粉末、溶
剤、又、添加剤としての分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電
防止剤及び非磁性支持体等は従来使用されていたものが
同様に使用される。分散剤としてはカプリル酸、カプリ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リ
ノレン酸、ステアロール酸等の炭素数12〜18個の脂
肪酸(R1 COOH、R1 は炭素数11〜17個のアル
キルまたはアルケニル基):前記の脂肪酸のアルカリ金
属(Li,Na,K等)またはアルカリ土類金属(M
g,Ca,Ba)から成る金属石鹸:前記の脂肪酸エス
テルの弗素を含有した化合物:前記の脂肪酸のアミド:
ポリアルキレンオキサイドアルキルリン酸エステル:レ
ジチン:トリアルキルポリオレフィンオキシ第四アンモ
ニウム塩(アルキルは炭素数1〜5個、オレフィンはエ
チレン、プロピレンなど):等が使用される。この他に
炭素数12以上の高級アルコール、およびこれらの他に
硫酸エステル等も使用可能である。潤滑剤としては前述
の分散剤もその効果が認められるが、ジアルキルポリシ
ロキサン(アルキルは炭素数1〜5個)、ジアルコキシ
ポリシロキサン(アルコキシは炭素数1〜4個)、モノ
アルキルモノアルコキシポリシロキサン(アルキルは炭
素数1〜5個、アルコキシは炭素数1〜4個)、フェニ
ルポリシロキサン、フロロアルキルポリシロキサン(ア
ルキルは炭素数1〜5個)などのシリコンオイル、グラ
ファイトなどの導電性微粉末:二硫化モリブデン、二酸
化タングステンなどの無機微粉末:ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエチレン塩化ビニル共重合体、ポリテ
トラフルオロエチレンなどのプラスチック微粉末:α−
オレフィン重合物:常温で液状の不飽和脂肪族炭化水素
(二重結合が末端の炭素に結合したα−オレフィン、炭
素数約20):炭素数12〜20個の一塩基性脂肪酸と
炭素数3〜12個の一価のアルコールからなる脂肪酸エ
ステル類、フルオロカーボン類などが使用できる。
【0020】研磨剤としては溶融アルミナ、炭化ケイ
素、酸化クロム(Cr2 3 )、コランダム、人造コラ
ンダム、ダイアモンド、人造ダイアモンド、ザクロ石、
エメリー(主成分:コランダムと磁鉄鉱)等が使用され
る。帯電防止剤としてはカーボンブラック、カーボンブ
ラックグラフトポリマーなどの導電性微粉末:サポニン
などの天然界面活性剤:アルキレンオキサイド系、グリ
セリン系、グリシドール系などのノニオン界面活性剤:
高級アルキルアミン類、第4級アンモニウム塩類、ピリ
ジンその他の複素環類、ホスホニウム又はスルホニウム
類などのカチオン界面活性剤:カルボン酸基、スルホン
酸基、燐酸基、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸
性基を含むアニオン界面活性剤:アミノ酸類、アミノス
ルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステ
ル類等の両性活性剤などが使用される。塗布溶媒に使用
する有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン系:酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エ
チル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル
系:ベンゼン、トルエン、キシレン等のタール系(芳香
族炭化水素):メチレンクロライド、エチレンクロライ
ド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリ
ン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素等がある。
【0021】溶剤の量は磁性微粉末の2〜3倍である。
バインダー100重量部に対して、分散剤は0.5〜2
0重量部、潤滑剤は0.2〜20重量部、研磨剤は0.
5〜20重量部、帯電防止剤として使用する導電性微粉
末は0.2〜20重量部、同じく帯電防止剤として使用
する界面活性剤は0.1〜10重量部である。磁性粉末
及び前述の結合剤、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止
剤、溶剤等は混練されて磁性塗料とされる。
【0022】これらの磁性層を設ける支持体の素材とし
てはポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタ
レートなどのごときポリエステル、ポリプロピレンのご
ときポリオレフィン、三酢酸セルローズや二酢酸セルロ
ーズのごときセルローズ誘導体、ポリ塩化ビニルのごと
きビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド樹脂、
ポリスルホンなどのプラスチックのフィルム、アルミニ
ュウム、銅などの金属材料、ガラスなどのセラミックス
などがある。これらの支持体は、あらかじめコロナ放電
処理、プラズマ処理、下塗処理、熱処理、金属蒸着処
理、アルカリ処理などの前処理が施されていてもよい。
支持体は、種々所望の形状のものでよい。
【0023】前記実施態様においては、前記塗布装置1
0のバックエッジ3の先端部3aだけをイオン交換水と
の接触角が35°以上となるように構成したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、前記フロントエッジ
面2aや前記バックエッジ面4さらには前記スリット6
の内壁面を同様な構成とすることができる。
【0024】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の塗布装置
は、先端がフロントエッジよりも段差をつけて反支持体
方向に後退していて先端部が鋭角なバックエッジとの間
のスリットから塗布液を吐出して支持体上に塗布するエ
クストルージョン型の塗布装置において、ヘッド先端部
の少なくとも前記バックエッジの先端部分がイオン交換
水との接触角が35°以上となるように構成された。し
たがって、塗布工程中において、前記スリットより吐出
される塗布液が、シャープエッジ状の先端部で微妙なバ
ランスを保った状態で該先端部から離れていくときに、
例えば塗布液の吐出圧の変動や支持体の挙動の変化が発
生しても、前記ヘッド先端部の撥液性が良いことから特
にバックエッジ面に前記塗布液が周りこむことが回避さ
れ、塗膜表面に影響を与える部分の汚れを抑えることが
でき縦スジ等の故障を防止し、塗膜の表面性が飛躍的に
向上した製品を提供することができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の効果を実施例により更に明確
にすることができる。表1に示す組成の各成分をポール
ミルに入れて充分に混合分散させた後、エポキシ樹脂
(エポキシ当量500)を30重量部加えて均一に混合
分散させて磁性塗布液(磁性分散液)とした。こうして
得られた磁性塗布液の粘度を、ロトビスコ粘度計にて測
定したところ、剪断速度が大きくなるのにしたがって粘
度が小さくなるようなチキソトロピックな粘度特性を示
した。また、プレコート液はメチルイソブチルケトンを
使用し、バー塗布方式で厚み2.0μm(未乾燥状態)
に塗布した。
【0026】
【表1】
【0027】次に、前記塗布液を以下に述べる塗布装置
を用いて、下記条件に基づき塗布した。 1.非磁性支持体 材質:ポリエチレンテレフタレートフイルム 厚さ:15ミクロン 張力:10kg/全幅 塗布速度:600m/分 2.塗布装置 図1に示す塗布装置を使用した。なお、フロントエッジ
の幅Wは0.5mm、曲率Rは10mm、スリット幅t
は0.075mm、バックエッジの角度αは45度、支
持体とバックエッジ面との角度θは45度にして塗布し
た。フロントエッジとバックエッジ先端との段差hは
0.07mmである。この際、塗布装置の塗布ヘッドと
して、ステンレス、超硬合金、セラミック、の3つの材
質について、表面性の異なる2種類の部材を用意して合
計6個のサンプルについて実施した。バックエッジの汚
れによるスジの発生状況を調査した処、表2に示す結果
を得た。なお、前記各塗布装置の表面性である表面仕上
程度に関しては表2中に示す程度に仕上げた。
【0028】
【表2】
【0029】なお、表2中における評価は、◎は塗膜の
表面性が極めて良好、○は良好、△は多少の問題は有る
ものの実用的には使用可能、×は実用的に使用不能であ
ることを示す。表2から判るように、接触角が大きいほ
どスジの発生率が少なくなり、材質に関係なくこの接触
各が35°以上の部材であれば実用上良好な結果を得る
ことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布装置の要部断面図であり、単層塗
布用の塗布装置を示す。
【図2】本発明の塗布装置の要部断面図であり、重層塗
布用の塗布装置の要部断面図である。
【図3】従来の塗布装置の断面図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 フロントエッジ 2a フロントエッジ面 3 バックエッジ 3a バックエッジ先端部 4 バックエッジ面 6,6a,6b スリット 10、20 塗布装置 11 プレコート液 23 中間ブロック F, F1 , F2 塗布液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 伸輔 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富士写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−20069(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B05C 5/02 B05B 1/02,1/36 B05D 1/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の塗布面に予め塗布された有機溶
    剤を主体とするプレコート液によって液封された状態
    で、前記支持体移動方向に対して上流側に位置するフロ
    ントエッジと、前記支持体移動方向に対して下流側に位
    置しその先端が前記フロントエッジよりも段差をつけて
    反支持体方向に後退していて先端部が鋭角なバックエッ
    ジとの間のスリットから塗布液を吐出して前記支持体上
    に塗布するエクストルージョン型の塗布装置において、
    前記塗布装置のヘッド先端部の少なくとも前記バックエ
    ッジの先端部が、表面仕上げ程度が0.8S以上、イオ
    ン交換水との接触角が35°以上となるように構成され
    たことを特徴とする塗布装置。
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