JP3355144B2 - 塗布装置及び塗布方法 - Google Patents

塗布装置及び塗布方法

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JP3355144B2
JP3355144B2 JP03298199A JP3298199A JP3355144B2 JP 3355144 B2 JP3355144 B2 JP 3355144B2 JP 03298199 A JP03298199 A JP 03298199A JP 3298199 A JP3298199 A JP 3298199A JP 3355144 B2 JP3355144 B2 JP 3355144B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗布装置及び塗布方法に
関し、特に、移動中の支持体表面に向けて連続的に押出
した塗布液を、支持体表面に均一な厚さをもって高速薄
層塗布するエクストルージョン型塗布ヘッドを用いた塗
布装置及び塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】移動中の支持体表面に向けて連続的に押
出した塗布液を、支持体表面に均一な厚さをもって高速
薄層塗布するエクストルージョン型塗布装置は、例えば
特開昭57−84771号、同58−104666号、
同59−238179号、同63−88080号、同6
3−164022号、特開平2−17971号公報等に
開示されているように種々検討されており、又、塗布ヘ
ッドの上流側エッジをプレコート層によって液封し塗布
層へのエア同伴を遮断する方法として、同一組成の液を
プレコートする方法(特開昭58−205561号公報
参照)、プレコートとしての溶剤を支持体上に塗布する
方法(特開昭61−139929号公報参照)等が開示
されている。これらの塗布方法により、高速での薄層塗
布を実現することができる。
【0003】しかしながら、これらのエクストルージョ
ン型塗布装置においては、下流側エッジと支持体との間
が加圧状態となり塗布層がスムージングされるため、下
流側エッジに、支持体の幅方向の不均一がある場合に
は、塗布膜厚みも支持体幅方向に不均一なものとなる。
さらに、支持体上やプレコート塗布液あるいは塗布層塗
布液中に異物が混入していた場合、下流側エッジ上に異
物がトラップされやすく、それによりスジが発生しやす
くなる。なお、ここにいう塗布液としては、例えば写真
感光性塗布液、磁性塗布液、表面保護・帯電防止あるい
は滑性用塗布液等であり、その代表的な製品としては、
各種写真フィルム、印画紙、磁気記録媒体等がある。
【0004】本出願人は先にこれらを改善して、スジ故
障や、支持体の厚み及びヤング率等の不均一に起因する
塗布膜厚みの変動を回避出来、さらには塗布液のスリッ
ト通過時に圧力損失を少くすることのできる塗布装置と
して、特開昭63−20069号公報に記載の塗布装置
を出願した。特開昭63−20069号公報には、図5
に示すように支持体1の塗布面にあらかじめ塗布された
有機溶剤6によって液封された状態で、支持体移動方向
に対して上流側に位置するフロントエッジ42と、支持
体移動方向に対して下流側に位置し、その先端が前記フ
ロントエッジよりも段差をつけて反支持体方向に後退し
ていて先端部が鋭角なバックエッジ43とを有するエク
ストルージョン型ヘッドにより支持体に塗布層を形成す
る塗布装置が開示されている。
【0005】支持体の塗布面には、まず有機溶剤を主体
とする液体が、グラビアコーター、ロールコーター、ブ
レードコーター、エクストルージョンコーター、ロッド
コーター、ワイヤバーコーターなどの一般的に用いられ
ている公知の塗布装置により塗布され、この層により、
フロントエッジ上流側からの同伴空気の塗布層への浸入
が防止され、欠陥のない塗布状態が維持され、高速塗布
特性が高められている。
【0006】前記フロントエッジ42は、スリット44
の出口から前記支持体1の上流側に位置し、該支持体1
に対向するエッジ面全域が支持体側に膨らむように形成
されている。支持体側に膨らむ形態としては、一般的に
は曲率を持った湾曲面が用いられるが、同伴空気の巻き
込みを防止できれば、その形状はこれには限らない。前
記バックエッジ43は、前記フロントエッジ42のスリ
ット44の出口部における接線よりも反支持体方向にそ
の先端部が後退して位置している。これによって前記バ
ックエッジ43と前記支持体1との間において塗布時の
加圧力が働かず、同部での異物のトラップ等を防止で
き、該異物による塗布面の故障を少なくできるようにな
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら図5に示
すようなエクストルージョン型塗布ヘッドにおいては、
その先端部のフロントエッジ面45及びバックエッジ面
47の表面粗さ及びエッジ角部49,50の状態によっ
ては、スジが多発することが明らかになってきた。
【0008】前記塗布ヘッドにおけるフロントエッジ面
45及びバックエッジ面47は、研削盤にて必要な形状
に高精度で研磨加工されるが、この加工時の送り速度や
切り込み深さや砥石の選定などの研磨条件や塗布ヘッド
先端部の材質によっては、各エッジ面の表面粗さ及びエ
ッジ角部9,10の真直度などが好ましくない状態とな
る。前記問題点は、このエッジ面の好ましくない状態に
起因していると考えられる。
【0009】すなわち、特開昭60−238179号公
報などで公知のドクターエッジがあるものは、ドクター
エッジ(バックエッジ)において塗布液がスムージング
されるため、前記フロントエッジ面45やバックエッジ
面47の表面粗さ等が多少悪くても、塗布液に加えられ
た圧力によって生じた内部応力により該塗布液はその塗
布直後の流動作用が高められ、前記各エッジ面の好まし
くない状態を結果的に相殺することができたのに対し
て、図4に示した所謂塗布時の塗布液に高い圧力を付与
しないタイプの塗布ヘッドでは、加圧タイプに比べて塗
布スジや特に厚みムラが出やすくなり、塗布面の品質の
低下を招いていると考えられる。
【0010】このように、特開昭63−20069号公
報に記載の塗布装置においては、ドクターエッジによる
スムージングが行なわれないため、スリットの内面と各
エッジ面の表面粗さが悪かったり、バックエッジが欠け
ていたりすると、そのままスジ等の故障となるだけでな
く、厚みムラが発生してしまう。したがって、スリット
の内面とフロントエッジ面も、バックエッジ面と同様に
表面粗さが良好で且つ欠けがないことが要求される。
【0011】しかし、前記塗布ヘッドの研磨や表面仕上
げ状態を際限なく高めることは不可能であることから、
従来は、塗布装置の塗布ヘッドの仕上げ状態をどの程度
にするかは、コストとの兼ね合いで経験的なもの、即ち
熟練性に依存していた。
【0012】本発明の目的は、前記従来の問題点を解消
し、支持体の幅方向塗膜厚み変動を抑えて、塗布厚みが
均一でムラ故障のない薄層塗布製品、特に、磁気記録媒
体の場合では、電磁変換特性が良好な磁気記録媒体を、
高速で安定して製造できる塗布装置及び塗布方法を提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、支
持体移動方向に対して上流側に位置するフロントエッジ
と、支持体移動方向に対して下流側に位置し、前記フロ
ントエッジとの間にスリットを形成すると共にその先端
が前記フロントエッジのスリット出口部における接線よ
りも反支持体方向に後退して位置している一つ以上のバ
ックエッジとを有するエクストルージョン型塗布ヘッド
により、前記支持体の塗布面に、当該塗布面に予め有機
溶剤を主体とする液体を塗布して液封した状態で、塗布
液を塗布するとともに、この塗布液の塗布時に、塗布液
がバックエッジにてスムージングされる高い圧力を付与
しない非加圧型の塗布装置において、前記塗布液を吐出
するスリットが平行に形成され、当該スリットの前記支
持体の幅方向のクリアランス精度がクリアランス平均値
に対して5%以内であると共に、前記フロントエッジ及
び前記バックエッジの各エッジ面の支持体幅方向の真直
度を30μm以下にしたことを特徴とする塗布装置によ
り達成できる。
【0014】また、本発明の上記目的は、支持体移動方
向に対して上流側に位置するフロントエッジと、支持体
移動方向に対して下流側に位置し、前記フロントエッジ
との間にスリットを形成すると共にその先端が前記フロ
ントエッジのスリット出口部における接線よりも反支持
体方向に後退して位置している一つ以上のバックエッジ
とを有するエクストルージョン型塗布ヘッドにより、前
記支持体の塗布面に、当該塗布面に予め有機溶剤を主体
とする液体を塗布して液封した状態で、塗布液を塗布す
とともに、この塗布液の塗布時に、塗布液がバックエ
ッジにてスムージングされる高い圧力を付与しない非加
圧型の塗布方法において、前記塗布液を吐出するスリッ
トが平行に形成され、当該スリットの前記支持体の幅方
向のクリアランス精度がクリアランス平均値に対して5
%以内であると共に、前記フロントエッジ及び前記バッ
クエッジの各エッジ面の支持体幅方向の真直度を30μ
m以下であるエクストルージョン型塗布ヘッドにより、
前記支持体に塗布液を塗布することを特徴とする塗布方
法よって達成することができる。
【0015】ここで真直度は、実際のエッジ面の、うね
り曲線の両端を結ぶ直線に垂直な方向の狂いの最大値を
いう。真直度は25μm以下であることが好ましく、ク
リアランス精度は4%以内であることが好ましい。
【0016】
【実施態様】以下、図1及び図2に示す本発明の一実施
態様について説明する。なお、図1は磁気記録層となる
磁性液を塗布する塗布ヘッドの横断面図及び該塗布ヘッ
ドによる塗布状態を示す概略図であり、図2は塗布ヘッ
ドの要部斜視図である。図1及び図2に示す塗布ヘッド
10のフロントエッジ2(支持体走行方向Vの上流側の
エッジ)は、支持体1に対向するフロントエッジ面5全
域が例えば支持体側に膨らむように形成されている。支
持体側に膨らむ形態としては、一般的には曲率Rをもっ
た湾曲面が多く用いられる。しかし、前記フロントエッ
ジ面5の形状は前記支持体1に同伴される空気の巻き込
みを防止できれば、これには限らずフラットな一面形状
や複数面の形状など種々の形状を採用することができ
る。また、バックエッジ3の先端は前記フロントエッジ
2の頂部よりも低く構成されている。すなわち、前記バ
ックエッジ3の先端は前記フロントエッジ2よりも適宜
段差が形成されるべく前記支持体1に対して後退するよ
うに構成されている。
【0017】前記フロントエッジ2と前記バックエッジ
3とによって画成されたスリット4はポケット部48
(図4参照)から支持体への塗布点に向けて平行であ
る。本実施態様において、前記塗布ヘッドは二本の搬送
ロール30(支持体走行方向の下流側のみ図示)間に設
置されている。そして、前記塗布ヘッド10における前
記支持体1のラップ角度は一般に2°〜60°程度の範
囲に設定でき、又、このラップ角度を形成するための前
記搬送ロール30のスパンは一般的には50〜3000
mmに設定することができるがこれに限られるものでは
ない。
【0018】前記支持体1の塗布面には図示しない塗布
手段により予め塗布された有機溶剤を主体とする液体6
が塗布されている。したがって、磁性塗布液Aを塗布す
るときは、前記液体6によって前記フロントエッジ面5
と前記支持体1との間が液封された状態である。また、
前記磁性塗布液Aを吐出する前記スリット4のクリアラ
ンスL0 は支持体の幅方向に見て、該スリット4の対向
する両壁面(フロントエッジ側及びバックエッジ側の両
壁面)のうねり等によって完全な平坦面ではないため
に、厳密には図2に示すように支持体幅方向においてバ
ラツキがある。
【0019】そこで、本実施態様においては、このクリ
アランス精度がクリアランス平均値に対して5%以内と
なるように構成してある。このクリアランスL0 の測定
は例えば触針によりスリット両壁面を支持体幅方向にト
レースするようにして測定して算出したり、他の方法に
より適宜測定することができる。また、前記フロントエ
ッジ面5及びバックエッジ面7は支持体幅方向において
真直度が30μm以下となるように構成されている。こ
の真直度の測定は、例えば基準として用いる直線あるい
は平面に対して測定すべき形態の偏差を変位測定により
表す方法があり、具体的には直線や平面として例えば直
定規、テストバー、強く張った鋼線、光線、定盤、オプ
チカルフラットなどを用いてこれらを基準に前記各エッ
ジ面の真直度を容易に測定することができる。
【0020】本実施態様のように磁性塗布液Aがエッジ
面にてスムージングされない場合において、前記クリア
ランス精度および前記真直度を上述の値以下にすると、
塗布層の膜厚のバラツキを良好に抑えると共に、塗布表
面のスジ故障の発生を抑えることができる。なお、前記
スリット4のクリアランスL0 は例えば0.05mm〜
1.5mm程度の範囲に設定することができる。
【0021】なお、送液系については、塗布液の性質に
応じた公知の技術を用いることができる。特に、磁性塗
布液の場合には、一般的には凝集性を持っていることか
ら、凝集をしない程度の剪断を与えることが好ましい。
例えば、送液ポンプから前記塗布ヘッドの配管径はφ5
0mm以下、一般的に前記塗布ヘッドのポケット径はφ
2〜20mm、スリット長は5mm〜150mmの範囲
に設定することができるが、必ずしもこれに限るもので
はない。本実施態様において前記塗布ヘッド10の材質
としては、ステンレス鋼、高速度鋼等を用いることがで
きるが、高精度な仕上げが必要な場合には、超硬合金や
セラミックが望ましい。
【0022】前記磁性塗布液Aの組成としては、後述す
る実施例に挙げるものを用いることができるが、本発明
においてはこれらに限られるものではない。特に磁気記
録媒体においては単層磁性層だけではなく、磁性層の多
層構成になっているものや、磁性層と非磁性層の組み合
わせからなるものを含むものである。
【0023】多層構成においては図3に示す重層塗布ヘ
ッド20を使用することができる。この場合においても
基本的構造は図1に示した前記塗布ヘッド10と同様で
あるが、この場合は、中間ブロック23により二つのス
リット4aと4bとが形成されている。この構成におい
ては例えば二種類の磁性塗布液BとA、或いは磁性塗布
液Aと非磁性体塗布液Bとを同時に塗布することができ
る。
【0024】本発明における有機溶剤を主体とする液体
とは、例えばトルエン、メチルエチルケトン、酢酸ブチ
ル、シクロヘキサノン等の有機溶剤単独あるいはこれら
の組み合わせた有機溶剤のみでも、更に有機溶剤以外の
溶質(下塗層の樹脂など)を少量含んでいても構わず、
但しその粘度が20cp以下、さらに好ましくは5cp
以下の低粘度の液体である。
【0025】更に本発明の磁気記録媒体の磁性層を形成
する前記磁性塗布液A,Bには強磁性微粉末が使用され
る。強磁性微粉末としては、γ−Fe2 3 、Co含有
のγ−Fe2 3 、Fe34 、Co含有のFe
3 4 、γ−FeOx、Co含有のγ−FeOx(X=
1.33〜1.50)、CrO2 、Co−Ni−P合
金、Co−Ni−Fe−B合金、Fe−Ni−Zn合
金、Ni−Co合金、Co−Ni−Fe合金など、公知
の強磁性微粉末が使用でき、これら強磁性微粉末の粒子
サイズは約0.005〜1ミクロンの長さで、軸長/軸
幅の比は、1/1〜50/1程度である。又、これらの
強磁性体微粉末の比表面積は、1m2 /g〜70m2
g程度である。また強磁性微粉末として、板状六方晶の
バリウムフェライトも使用できる。バリウムフェライト
の粒子サイズは約0.001〜1ミクロンの直径で、厚
みが直径の1/2〜1/20である。バリウムフェライ
トの比重は4〜6g/ccで、比表面は1m2 /g〜7
0m2 /gである。
【0026】本発明において、磁性層を形成する前記磁
性塗布液には強磁性微粉末と共にバインダーが使用され
る。使用されるバインダーとしては従来公知の熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が挙
げられる。熱可塑性樹脂としては軟化温度が150℃以
下、平均分子量が10,000〜300,000、重合
度が約50〜2,000程度のもので、例えば塩化ビニ
ル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル塩化ビニリデン共重
合体、塩化ビニルアクリロニトリル共重合体、アクリル
酸エステルアクリロニトリル共重合体、アクリル酸エス
テル塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステルスチ
レン共重合体、メタクリル酸エステルアクリロニトリル
共重合体、メタクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合
体、メタクリル酸エステルスチレン共重合体、ウレタン
エラストマー、ナイロン−シリコン系樹脂、ニトロセル
ロース−ポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニ
リデンアクリロニトリル共重合体、ブタジェンアクリロ
ニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラ
ール、セルロース誘導体(セルロースアセテートブチレ
ート、セルロースジアセテート、セルローストリアセテ
ート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロース
等)、スチレンブタジェン共重合体、ポリエステル樹
脂、クロロビニルエーテルアクリル酸エステル共重合
体、アミノ樹脂、各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂及び
これらの混合物等が使用される。
【0027】熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては、
塗布液の状態では200,000以下の分子量のもので
あり、磁性層形成用組成物を塗布し、乾燥させた後、加
熱すると、これらの樹脂が縮合、付加等の反応を生じて
分子量が無限大のものとなり得る。また、これらの樹脂
の中で、樹脂が熱分解するまでの問に軟化または溶融し
ないものであることが望ましい。具体的には、例えばフ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、硬化型ポリウレタン樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコ
ン樹脂、反応型アクリル系樹脂、エポキシポリアミド樹
脂、ニトロセルローズメラミン樹脂、高分子量ポリエス
テル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、メタ
クリル酸塩共重合体とジイソシアネートプレポリマーの
混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネート
との混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリ
コール/高分子量ジオール/トリフェニルメタントリイ
ソシアネートの混合物、ポリアミド樹脂及びこれらの混
合物などがある。
【0028】バインダー中に分散する強磁性微粉末、溶
剤、又、添加剤としての分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電
防止剤及び非磁性支持体等は従来使用されていたものが
同様に使用される。分散剤としてはカプリル酸、カプリ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リ
ノレン酸、ステアロール酸等の炭素数12〜18個の脂
肪酸(R1 COOH、R1 は炭素数11〜17個のアル
キルまたはアルケニル基):前記の脂肪酸のアルカリ金
属(Li,Na,K等)またはアルカリ土類金属(M
g,Ca,Ba)から成る金属石鹸:前記の脂肪酸エス
テルの弗素を含有した化合物:前記の脂肪酸のアミド:
ポリアルキレンオキサイドアルキルリン酸エステル:レ
ジチン:トリアルキルポリオレフィンオキシ第四アンモ
ニウム塩(アルキルは炭素数1〜5個、オレフィンはエ
チレン、プロピレンなど):等が使用される。この他に
炭素数12以上の高級アルコール、およびこれらの他に
硫酸エステル等も使用可能である。
【0029】潤滑剤としては前述の分散剤もその効果が
認められるが、ジアルキルポリシロキサン(アルキルは
炭素数1〜5個)、ジアルコキシポリシロキサン(アル
コキシは炭素数1〜4個)、モノアルキルモノアルコキ
シポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜5個、アルコ
キシは炭素数1〜4個)、フェニルポリシロキサン、フ
ロロアルキルポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜5
個)などのシリコンオイル、グラファイトなどの導電性
微粉末:二硫化モリブデン、二酸化タングステンなどの
無機微粉末:ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチ
レン塩化ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン
などのプラスチック微粉末:α−オレフィン重合物:常
温で液状の不飽和脂肪族炭化水素(二重結合が末端の炭
素に結合したα−オレフィン、炭素数約20):炭素数
12〜20個の一塩基性脂肪酸と炭素数3〜12個の一
価のアルコールからなる脂肪酸エステル類、フルオロカ
ーボン類などが使用できる。
【0030】研磨剤としては溶融アルミナ、炭化ケイ
素、酸化クロム(Cr2 3 )、コランダム、人造コラ
ンダム、ダイアモンド、人造ダイアモンド、ザクロ石、
エメリー(主成分:コランダムと磁鉄鉱)等が使用され
る。帯電防止剤としてはカーボンブラック、カーボンブ
ラックグラフトポリマーなどの導電性微粉末:サポニン
などの天然界面活性剤:アルキレンオキサイド系、グリ
セリン系、グリシドール系などのノニオン界面活性剤:
高級アルキルアミン類、第4級アンモニウム塩類、ピリ
ジンその他の複素環類、ホスホニウム又はスルホニウム
類などのカチオン界面活性剤:カルボン酸基、スルホン
酸基、燐酸基、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸
性基を含むアニオン界面活性剤:アミノ酸類、アミノス
ルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステ
ル類等の両性活性剤などが使用される。
【0031】塗布溶媒に使用する有機溶媒としては、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン系:酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノ
エチルエーテル等のエステル系:ベンゼン、トルエン、
キシレン等のタール系(芳香族炭化水素):メチレンク
ロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホ
ルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の
塩素化炭化水素等がある。
【0032】溶剤の量は磁性微粉末の2〜3倍である。
バインダー100重量部に対して、分散剤は0.5〜2
0重量部、潤滑剤は0.2〜20重量部、研磨剤は0.
5〜20重量部、帯電防止剤として使用する導電性微粉
末は0.2〜20重量部、同じく帯電防止剤として使用
する界面活性剤は0.1〜10重量部である。磁性粉末
及び前述の結合剤、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止
剤、溶剤等は混練されて前記磁性塗布液とされる。
【0033】これらの磁性層を設ける前記支持体1の素
材としてはポリエチレンテレフタレートやポリエチレン
ナフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレンなど
のポリオレフィン、三酢酸セルローズや二酢酸セルロー
ズなどのセルローズ誘導体、ポリ塩化ビニルなどのビニ
ル系樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド樹脂、ポリス
ルホンなどのプラスチックのフィルム、アルミニウム、
銅などの金属材料、ガラスなどのセラミックスなどがあ
る。これらの支持体は、あらかじめコロナ放電処理、プ
ラズマ処理、下塗処理、熱処理、金属蒸着処理、アルカ
リ処理などの前処理が施されていてもよい。支持体は、
種々所望の形状のものでよい。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の塗布装置及
び塗布方法は、塗布液を吐出するスリットの前記支持体
の幅方向のクリアランス精度がクリアランス平均値に対
して5%以内であると共に、前記フロントエッジ及び前
記バックエッジの各エッジ面の支持体幅方向の真直度を
30μm以下に構成されているので、塗布面のスジ故障や
厚みムラの発生し難くかつ挙動の安定した薄膜を前記ス
リットから吐出することができ、良好な薄層塗膜を高速
で形成することができる。
【0035】
【実施例】本発明の効果を実施例によってさらに明確に
することができる。表1に示す組成のものをボールミル
に入れて十分混合分散させた後、エポキシ樹脂(エポキ
シ当量500)を30重量部加えて均一に混合分散させ
て磁性塗布液Aを調整した。
【0036】
【表1】
【0037】こうして得られた磁性塗布液Aの粘度をロ
トビスコ粘度計により測定したところ、図4に示すよう
なチキソトロピックな粘度特性を示した。
【0038】プレコート液である液体6にはメチルイソ
ブチルケトンを使用し、バー塗布方式で、支持体に厚み
2.0μm(ウエット状態)で塗布した。そして、磁性
塗布液Aを支持体に塗布するために、図1に示す塗布ヘ
ッドを使用した。塗布ヘッド10のフロントエッジ2の
厚みW1 =1.0mm、バックエッジ3の厚みW 2
1.0mm、スリット4のクリアランスL0 =300μ
m、バックエッジ先端部分の角度θ=55°とした。支
持体は厚さ15μmで幅500mmのポリエチレンテレ
フタレートフィルム、この支持体の張力は10kg/全
幅、塗布速度は600m/分とした。
【0039】以上の条件で、下記に示すクリアランス精
度及び真直度の異なった5個のサンプルを用いて塗布を
行った。 クリアランス精度±1%(±3μm),真直度25μm クリアランス精度±4%(±12μm),真直度25μm クリアランス精度±6%(±18μm),真直度25μm クリアランス精度±4%(±12μm),真直度 7μm クリアランス精度±4%(±12μm),真直度35μm なお真直度は、フロントエッジ面5の値とバックエッジ
面7の値のうち大きい方の値を採用した。そして、塗布
液の塗布厚みは未乾燥状態で15μmとした。この塗布
により出来た各サンプルの塗布面のスジ故障、厚みムラ
に関して調べた。この結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2における塗布結果の評価(○印、△
印、×印)は、塗膜の厚み変動値を、 (支持体幅方向厚み変動最大値/厚み平均)×100
(%) とし、この値が8%以下の場合を○印、8%〜12%の
範囲を△印、12%以上の場合を×印とた。表2から明
らかなように、サンプル及びにおいては、特に塗布
厚みの不均一が発生し、他のサンプルにおいては良好な
結果を得ることができた。サンプル、及びより、
クリアランス精度は5%以内、真直度は30μm以下で
あれば良いと思われる。クリアランス精度が4%以内、
真直度が25μm以下であれば、確実に良好な塗布結果
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における塗布ヘッドの要部の拡大断面図
及び塗布状態を示す要部概略図である。
【図2】図1に示す塗布ヘッドの要部斜視図である。
【図3】本発明における他の塗布ヘッドの要部の拡大断
面図及び塗布状態を示す要部概略図である。
【図4】磁性塗布液の粘度曲線を示すグラフである。
【図5】従来の塗布ヘッドの該略図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 フロントエッジ 3 バックエッジ 4、4a、4b スリット 5 フロントエッジ面 6 有機溶剤を主体とする液体 7 バックエッジ面 Lo スリットのクリアランス V 走行方向 10、20 塗布ヘッド 30 搬送ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 都丸 美喜男 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富士写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−20069(JP,A) 特開 平3−286426(JP,A) 特開 平3−258368(JP,A) 特開 昭58−104666(JP,A) 特開 平2−207866(JP,A) 特開 平5−220437(JP,A) 特開 平2−35959(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05C 5/02 B05D 1/26 G11B 5/848

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体移動方向に対して上流側に位置す
    るフロントエッジと、支持体移動方向に対して下流側に
    位置し、前記フロントエッジとの間にスリットを形成す
    ると共にその先端が前記フロントエッジのスリット出口
    部における接線よりも反支持体方向に後退して位置して
    いる一つ以上のバックエッジとを有するエクストルージ
    ョン型塗布ヘッドにより、前記支持体の塗布面に、当該
    塗布面に予め有機溶剤を主体とする液体を塗布して液封
    した状態で、塗布液を塗布するとともに、この塗布液の
    塗布時に、塗布液がバックエッジにてスムージングされ
    る高い圧力を付与しない非加圧型の塗布装置において、 前記塗布液を吐出するスリットが平行に形成され、当該
    スリットの前記支持体の幅方向のクリアランス精度がク
    リアランス平均値に対して5%以内であると共に、前記
    フロントエッジ及び前記バックエッジの各エッジ面の支
    持体幅方向の真直度を30μm以下にしたことを特徴と
    する塗布装置。
  2. 【請求項2】 支持体移動方向に対して上流側に位置す
    るフロントエッジと、支持体移動方向に対して下流側に
    位置し、前記フロントエッジとの間にスリットを形成す
    ると共にその先端が前記フロントエッジのスリット出口
    部における接線よりも反支持体方向に後退して位置して
    いる一つ以上のバックエッジとを有するエクストルージ
    ョン型塗布ヘッドにより、前記支持体の塗布面に、当該
    塗布面に予め有機溶剤を主体とする液体を塗布して液封
    した状態で、塗布液を塗布するとともに、この塗布液の
    塗布時に、塗布液がバックエッジにてスムージングされ
    る高い圧力を付与しない非加圧型の塗布方法において、 前記塗布液を吐出するスリットが平行に形成され、当該
    スリットの前記支持体の幅方向のクリアランス精度がク
    リアランス平均値に対して5%以内であると共に、前記
    フロントエッジ及び前記バックエッジの各エッジ面の支
    持体幅方向の真直度を30μm以下であるエクストルー
    ジョン型塗布ヘッドにより、前記支持体に塗布液を塗布
    することを特徴とする塗布方法。
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