JP5879178B2 - 塗布装置及び塗布方法 - Google Patents

塗布装置及び塗布方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5879178B2
JP5879178B2 JP2012081570A JP2012081570A JP5879178B2 JP 5879178 B2 JP5879178 B2 JP 5879178B2 JP 2012081570 A JP2012081570 A JP 2012081570A JP 2012081570 A JP2012081570 A JP 2012081570A JP 5879178 B2 JP5879178 B2 JP 5879178B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support
coating
edge
front edge
curved surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012081570A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013211082A (ja
Inventor
隆 八尋
隆 八尋
友秀 上山
友秀 上山
諭史 長野
諭史 長野
俊博 萬代
俊博 萬代
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2012081570A priority Critical patent/JP5879178B2/ja
Publication of JP2013211082A publication Critical patent/JP2013211082A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5879178B2 publication Critical patent/JP5879178B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

本発明は、塗布装置及び塗布方法に関する。
磁気記録媒体としての磁気テープは、典型的には、連続的に搬送されるプラスチックフィルム等の支持体に金属磁性粉を含有する塗布液を塗布し、支持体の表面に磁性層を形成して製造される。かかる磁気テープの製造方法において、支持体への塗布液の塗布には、例えばエクストルージョン塗布方法が用いられている。
エクストルージョン塗布方法において、支持体は、塗布ヘッドから吐出される塗布液によって塗布ヘッドから浮上し、支持体にかけられた張力と塗布液の吐出圧のバランスによって塗布ヘッドとの間に所定のクリアランスを保って塗布ヘッドに対して摺動する。支持体の表面には、クリアランスに応じた厚みの塗布膜が形成される。
磁気記録媒体の記録容量の向上の要請に対し、磁気テープにおいては、一巻き当たりの全長を長くする目的で支持体が薄手化され、近年では、6μm以下の厚みの支持体も用いられている。
磁気テープの一巻き当たりの全長が延長されるのに伴い、塗布速度の高速化が求められる。ところが、塗布速度の高速化に伴い、塗布ヘッドと支持体との間に空気が引き込まれる現象(空気同伴)が顕著となる。また、支持体に摺接する塗布ヘッドの磨耗や支持体の削れも顕著となる。
空気同伴による影響を排除するため、塗布液の圧力を高め、かつその圧力によっても吐出口から上流側に塗布液が溢れ出ないように構成された塗布装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。また、支持体や塗布液が運んできた異物が引っかかることによる筋状の塗布欠陥を抑制するため、塗布ヘッドの吐出口を形成するフロントエッジやバックエッジの先端面が曲面で構成された塗布装置が知られている。(例えば、特許文献2、3参照)。
特開昭58−104666号公報 特開昭60−238179号公報 特開平11−314062号公報
支持体内部の残留応力などに起因する支持体の歪みによって塗布ヘッド上で変形を起こすために幅方向で支持体と塗布ヘッドのクリアランスが局所的に不均一となり、塗布膜に厚みムラが誘起されることがある。支持体の薄手化に伴い、支持体の剛性が低くなってくると塗布ヘッド上における変形起因の厚みムラの発生頻度が高くなり、得率を下げる原因になっていた。
本発明は、上述した事情に鑑みなされたものであり、支持体の表面に形成される塗布膜の厚みムラを抑制することを目的としている。
(1) 支持体を連続的に搬送しながら該支持体に塗布液を塗布する塗布装置であって、前記支持体の搬送方向に隣設されて前記塗布液の吐出口を構成するフロントエッジ及びバックエッジを有し、前記支持体に摺接しながら前記吐出口より吐出される前記塗布液を前記支持体に塗布する塗布ヘッドと、前記搬送方向における前記塗布ヘッドの上流側に配置され、前記塗布ヘッドへの前記支持体の搬入経路を規定するガイド部と、を備え、前記フロントエッジには、前記搬送方向に沿って湾曲し、前記支持体が摺接する曲面部が設けられており、前記支持体の幅方向に対して垂直に該支持体に交差する任意の面内において、前記支持体が前記ガイド部から乖離する乖離位置と、前記塗布液の吐出流量及び前記支持体の搬送速度に応じた浮上量にて、前記支持体に摺接する前記バックエッジの先端面における上流側の縁から浮上したときの前記支持体の浮上位置とを結ぶ線分に、前記フロントエッジの前記曲面部が交差し、前記フロントエッジの前記曲面部の曲率半径は、4mm以上40mm以下であり、前記フロントエッジの前記曲面部の下流側の縁における接平面と、前記フロントエッジの前記曲面部における下流側の縁を通って前記バックエッジの先端面に接する接平面とのなす角度が180度未満であり、前記搬入経路に沿って搬送される前記支持体を前記フロントエッジの前記曲面部に押し付けた状態で該支持体に前記塗布液を塗布する塗布装置。
(2) 連続的に搬送される支持体に塗布ヘッドを摺接させ、前記支持体の搬送方向に隣設された前記塗布ヘッドのフロントエッジ及びバックエッジによって構成される吐出口から塗布液を吐出して、前記支持体に前記塗布液を塗布する塗布方法であって、前記搬送方向における前記塗布ヘッドの上流側に配置されたガイド部によって前記塗布ヘッドへの前記支持体の搬入経路を規定し、前記支持体の幅方向に対して垂直に該支持体に交差する任意の面内において、前記支持体が前記ガイド部から乖離する乖離位置と、前記塗布液の吐出流量及び前記支持体の搬送速度に応じた浮上量にて、前記支持体に摺接する前記バックエッジの先端面における上流側の縁から浮上したときの前記支持体の浮上位置とを結ぶ線分に、前記フロントエッジにおいて前記支持体の搬送方向に湾曲して設けられた曲面部が交差するように、前記塗布液の吐出流量及び前記支持体の搬送速度を設定し、前記フロントエッジの前記曲面部の曲率半径を4mm以上40mm以下とし、前記フロントエッジの前記曲面部の下流側の縁における接平面と、前記フロントエッジの前記曲面部における下流側の縁を通って前記バックエッジの先端面に接する接平面とのなす角度を180度未満として、前記フロントエッジの前記曲面部に前記支持体を押し付けた状態で該支持体を搬送し、該支持体に前記塗布液を塗布する塗布方法。
本発明によれば、支持体を塗布ヘッドのフロントエッジの曲面部に押し付けた状態で該支持体に塗布液を塗布することにより、支持体の歪みを矯正して支持体に塗布液を塗布することができる。それにより、支持体の薄手化によっても、支持体の表面に形成される塗布膜の厚みムラを抑制することができる。
本発明の実施形態を説明するための、塗布装置の一例の構成を示す模式図である。 図1の塗布装置の塗布部の構成を示す模式図である。 図1の塗布装置の塗布時における塗布部の状態を示す模式図である。 図3の塗布部の塗布ヘッドの先端部分を拡大して示す模式図である。 図3の塗布部におけるガイドロールと塗布ヘッドとの相対位置関係を示す模式図である。
図1は、本発明の実施の形態を説明するための、塗布装置の構成の一例を示す。
図1に示す塗布装置1は、支持体11を塗布部3に供給する原反ロール2と、原反ロール2から供給される支持体11の表面に塗布液を塗布する塗布部3と、塗布部3において支持体11の表面に塗布された塗布膜を乾燥させる乾燥部4と、乾燥部4において塗布膜の乾燥処理が完了した支持体11を収納する巻き取りロール5とを備えている。
支持体11は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などの可撓性プラスチックフィルムであるが、これに限定されず、紙、金属箔、等が用いられる場合もある。
また、この支持体11の表面に塗布する塗布液は、例えば、磁気記録媒体の磁性層を形成するための磁性塗布液や、磁性層の下地層を形成するための非磁性塗布液であるが、これに限定されず、写真感光液、表面保護液等であってもよい。磁気記録層を製造するための磁性塗布液は、例えば、Co含有酸化鉄等の磁性粉と、ニトロセルロース、ポリウレタン樹脂、カーボンブラック等のバインダと、メチルエチルケトン、トルエン等の有機溶媒を含んで構成される。
なお、図示の例においては、原反ロール2から巻き取りロール5の間における支持体11の搬送経路に、塗布部3が一つ設けられているが、例えば、支持体11の表面に多層に塗布液を塗布する場合には、支持体11の搬送経路に沿って複数の塗布部3が設けられる場合もある。
図2は、塗布部3の構成を示す。
塗布部3は、支持体11の搬送経路を規定するガイド部としての一対のガイドロール14、15と、支持体11の搬送経路に沿って一対のガイドロール14、15の間に配置された塗布ヘッド16を備えている。なお、本例においては、支持体11の搬送経路を規定するガイド部がガイドロール14,15であるものとして説明するが、ガイド部はガイドロールに限定されるものではない。例えば、支持体11の搬送経路に沿って複数の塗布部3が設けられる場合に、搬送方向における上流側の塗布部の塗布ヘッドをガイド部として下流側の塗布部における搬送経路が規定される場合もある。
塗布ヘッド16は、支持体11の搬送方向に隣設されたフロントエッジ20及びバックエッジ21を備えている。フロントエッジ20は、支持体11の搬送方向における上流側に配置され、バックエッジ21は、支持体11の搬送方向における下流側に配置されており、互いに組み付けられている。フロントエッジ20及びバックエッジ21は、例えば、超硬合金、セラミック等からなる。
フロントエッジ20及びバックエッジ21によって構成される塗布ヘッド16の先端面には、支持体11の幅方向に沿って延在するスリット状の吐出口25が設けられ、また内部には、吐出口25と同じく支持体11の幅方向に沿って延在する円筒状のポケット部18及びポケット部18と吐出口25とを繋ぐ流路が設けられている。
なお、フロントエッジ20及びバックエッジ21についての「隣設」とは、所望の吐出口25の幅(支持体11の搬送方向に沿う寸法)を得られる間隔にフロントエッジ20及びバックエッジ21を配置することを言うものとする。
塗布ヘッド16には、塗布液19が貯蔵されたタンク23が給液管24を介して接続されている。給液管24を通じてタンク23から塗布ヘッド16に送られた塗布液19は、ポケット部18に一旦貯留され、そして吐出口25から所定の圧力で吐出される。
塗布ヘッド16の上流側に配置されたガイドロール14及び下流側に配置されたガイドロール15は、それぞれ上下方向に独立して移動可能に設けられている。塗布ヘッド16もまた、上下方向に移動可能に設けられている。ガイドロール14、15の各々と塗布ヘッド16とが互いに接近する向きに相対的に移動されると、支持体11が塗布ヘッド16の先端面に接触する。そして、ガイドロール14、15の各々と塗布ヘッド16とが互いに離間する向きに相対的に移動されると、支持体11は塗布ヘッド16から離間する。
塗布ヘッド16への塗布液19の供給、及びガイドロール14、15の昇降は、図示しない制御部によって制御される。
図3は、塗布時における塗布部3の状態を示し、図4は、塗布時における塗布ヘッド16の先端部分の状態を示す。
支持体11が搬送された後、ガイドロール14、15の各々が塗布ヘッド16に向けて移動され、タイミングを前後して塗布ヘッド16が支持体に向けて移動され、支持体11は塗布ヘッド16の先端面に接触し、支持体11と塗布ヘッド16の先端面とが摺接する。この状態で、塗布ヘッド16の吐出口25から塗布液19が吐出され、吐出された塗布液19が支持体11に塗布される。支持体11は、塗布液19の吐出流量や支持体11の搬送速度などによって定まる浮上量にてバックエッジ21の先端面から浮上する。塗布液19は、この支持体11の浮上量に対応した厚みで、連続的に搬送される支持体11の表面に塗布され塗布膜を形成する。
支持体11の浮上量h[μm]は、吐出口25から吐出される塗布液19の単位時間当たりの吐出流量をq[cc/min]、塗布幅(支持体11の幅方向に沿う吐出口25の寸法)をw[m]、支持体11の搬送速度をv[m/min]として、次式(1)により求められる。式(1)は、塗布ヘッド表面の液流れがせん断場流れであることから求めることができる。なお、せん断場流れの式については、流体力学(朝倉書店)日野 幹雄 著などを参考にすることができる。
Figure 0005879178
フロントエッジ20の先端面には、支持体11の搬送方向に沿って凸状に湾曲した曲面部20aが設けられており、フロントエッジ20は、この曲面部20aのみで支持体11に摺接する。曲面部20aは、支持体11の搬送方向におけるフロントエッジ20の先端面の下流側の縁20bに達し、図示の例においては、フロントエッジ20の先端面の全体にわたっている。なお、バックエッジ21の先端面もまた、その全体が支持体11の搬送方向に沿って凸状に湾曲して形成されている。
支持体11の搬送方向において塗布ヘッド16の上流側にあって塗布ヘッド16への支持体11の搬入経路を規定するガイドロール14と、塗布ヘッド16との相対位置が調整されることによって、支持体11は、このフロントエッジ20の曲面部20aに押し付けられるようにして搬送される。なお、図示は省略するが、支持体11と曲面部20aとの間には、比較的高速で搬送される支持体11によって引き込まれる空気の薄い層(典型的には1μm以下)が形成され、支持体11は、通常、この空気層を介して曲面部20aに摺接し、また曲面部20aより圧力を受ける。
図5は、塗布時におけるガイドロール14と塗布ヘッド16との相対位置関係、及びこの相対位置関係のもとで搬送される支持体11を示す。
支持体11の幅方向に直交する任意の断面において、ガイドロール14の外周を周回する支持体11がガイドロール14から乖離する乖離位置14aと、浮上量hにてバックエッジ21の先端面における上流側の縁21aから、縁21aにおける法線方向に浮上したときの支持体11の浮上位置Pとを結ぶ線分をLとする。
線分Lに対して、フロントエッジ20が交差する、つまりは、フロントエッジ20の曲面部20aが、この線分Lよりも上に突出するように、ガイドロール14と塗布ヘッド16との相対位置関係が設定される。それにより、支持体11は、フロントエッジ20の曲面部20aに確実に押し付けられる。
支持体11がフロントエッジ20の曲面部20aに押し付けられて搬送されることによって、支持体11の歪みが矯正され、その直後に吐出口25から吐出される塗布液19が塗布される。それにより、例えば6μm以下の極薄手な支持体11であっても、その表面に形成される塗布膜の厚みムラを抑制することができる。
フロントエッジ20の曲面部20aの曲率半径rは、4mm以上40mm以下であることが好ましい。これによれば、曲面部20aへの押し付けによって支持体11の曲面部20aとの摺接部に作用する圧力を適切に保つことができ、支持体11の損耗やその表面に形成される塗布膜における筋状跡の発生の防止ないし抑制され、また、支持体11の歪みの矯正の効果も確保することができる。
また、フロントエッジ20の曲面部20aの下流側の縁20bにおける接平面Sと、縁20bを通ってバックエッジ21の先端面に接する接平面Sとのなす角度θは、180度未満(θ<180°)であることが好ましい。これによれば、支持体11の搬送速度が比較的高くても、支持体11の表面に形成される塗布膜への空気の混入を防止ないし抑制して、支持体11に塗布液を安定して塗布することができる。それにより、例えば150m/min以上の搬送速度で支持体11を搬送することができる。
なお、塗布ヘッド16の下流側に、ドクターブレードやバーなどにより塗布膜の一部を掻き落とすといった、最終的な塗布厚みを調整する手段を持ってもよい。特開2003−236452号のように、バックエッジ21の直後にもう1つバックエッジを設け、最終的な塗布厚みを薄くする場合においても有効である。
上述した塗布装置1を用い、支持体11の表面に形成される塗布膜の評価を行った。
支持体11は、東レ社製PETフィルム(厚み5μm、幅0.3m)を用いた。また、支持体11に塗布する塗布液として、磁気記録メディアに一般的に用いられる以下の非磁性塗布液を用いた。なお、下記の「部」とは「重量部」を意味する。
<非磁性塗布液>
非磁性粉体 80部
組成 α−Fe
平均長軸長 0.1μm
BET法による比表面積 48m/g
pH 8.0
Fe含有量 90%以上
DBP吸油量 27〜38ml/100g
表面被覆化合物 Al
カーボンブラック 20部
平均一次粒子径 16μm
DBP吸油量 80ml/100g
pH 8.0
BET法による比表面積 250m/g
揮発分 1.5%
塩化ビニル共重合体 10部
日本ゼオン社製MR−110
ポリエステルポリウレタン樹脂 5部
分子量 35000
ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI
=0.9/2.6/1
−SONa基 1×10−4eq/g含有
ブチルステアレート 1部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 100部
シクロヘキサノン 100部
以上の各成分を連続ニーダで混練した後、サンドミルを用いて分散させ、得られた分散液にポリイソシアネートを3部を加え、更にそれぞれにメチルエチルケトン、シクロヘキサノンの1:1混合溶媒400部を加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性塗布液を調製した。
300m/minの搬送速度で支持体11を搬送し、非磁性塗布液を塗布し、これを乾燥・硬化させた。
非磁性塗布液を塗布する塗布部の諸元は、以下のように設定した。
フロントエッジ20の曲面部20aの曲率半径r(図5参照)は4mmとし、バックエッジ21の先端面の曲率半径r(図5参照)は15mmとした。また、フロントエッジ20の曲面部20aの下流側の縁20bにおける接平面Sと、縁20bを通ってバックエッジ21の先端面に接する接平面Sとのなす角度θ(図5参照)は、175°とした。また、塗布ヘッド16への支持体11の搬入経路に沿う平面Sと、フロントエッジ20の曲面部20aの下流側の縁20bにおける接平面Sとのなす角度θ(図5参照)は、2°とした。また、支持体11の張力は150N/mとした。
以上の条件のもとで、支持体11への塗布直後の非磁性塗布液の塗布厚t[μm](t=q/(w×v))を種々に変え、フロントエッジ20の曲面部20aへの支持体11の押し付けの有無を判定し、また、バックエッジ21上を搬送される支持体11の歪の残存状況、及び支持体11の表面に形成された非磁性塗布膜の厚みムラを評価した。
支持体11の押し付けの有無は、式(1)より、各塗布厚tにおける支持体11の浮上量h(h=t×2)を求め、ガイドロール14の外周を周回する支持体11がガイドロール14から乖離する乖離位置14aと、求めた浮上量hにてバックエッジ21の先端面における上流側の縁21aから縁21aにおける法線方向に浮上したときの支持体11の浮上位置とを結ぶ線分L1に対して、幾何学的に、フロントエッジ20が交差する場合に、支持体11がフロントエッジ20の曲面部20aに押し付けられているものとして判定した。
また、支持体11の歪の残存状況は目視確認によって行った。また、非磁性塗布膜の厚みムラの評価は面状観察によって行い、支持体11の幅方向に周囲に比べて10%以上厚くなっている箇所が有る場合に厚みムラが生じているものと判定した。
評価結果を表1に示す。なお、表1において、フロントエッジ20の曲面部20aへの支持体11の押し付けの有無に関し、押し付けが有る場合に「+」で、押し付けが無い場合に「−」で示している。また、バックエッジ21上を搬送される支持体11の歪の残存状況に関し、歪が認められる場合にはその頻度で、歪が認められない場合に「−」で示している。また、支持体11の表面に形成された非磁性塗布膜の厚みムラに関して、厚みムラが認められる場合に「+」で、厚みムラが認められない場合に「−」で示している。
Figure 0005879178
表1に示す評価結果から、支持体11がフロントエッジ20の曲面部20aに押し付けられて搬送されることによって、支持体11の歪みが矯正され、支持体11の表面に形成される塗布膜の厚みムラが抑制されていることがわかる。
また、フロントエッジ20の曲面部20aの曲率半径r1を2mm,4mm,8mmと変え、他の条件については上記の実験例3と同じ条件として、非磁性塗布液を3000mにわたって支持体11に塗布し、支持体11の表面に形成される非磁性塗布膜における擦り傷跡の発生状況を評価した。非磁性塗布膜における擦り傷跡の発生状況は、偏光顕微鏡を用いて倍率50倍にて観察して行った。
評価結果を表2に示す。
Figure 0005879178
表2に示す評価結果から、支持体11が押し付けられるフロントエッジ20の曲面部の曲率半径rは、4mm以上が好ましいことがわかる。
以上、説明したように、本明細書には以下の事項が開示されている。
(1) 支持体を連続的に搬送しながら該支持体に塗布液を塗布する塗布装置であって、支持体の搬送方向に隣設されて塗布液の吐出口を構成するフロントエッジ及びバックエッジを有し、支持体に摺接しながら吐出口より吐出される塗布液を支持体に塗布する塗布ヘッドと、支持体の搬送方向における塗布ヘッドの上流側に配置され、塗布ヘッドへの支持体の搬入経路を規定するガイド部と、を備え、フロントエッジには、支持体の搬送方向に沿って湾曲し、支持体が摺接する曲面部が設けられており、搬入経路に沿って搬送される支持体をフロントエッジの曲面部に押し付けた状態で支持体に塗布液を塗布する塗布装置。
(2) (1)に記載の塗布装置であって、支持体の幅方向に対して垂直に支持体に交差する任意の面内において、支持体が前記ガイド部から乖離する乖離位置と、塗布液の吐出流量及び前記支持体の搬送速度に応じた浮上量にて、支持体に摺接するバックエッジの先端面における上流側の縁から浮上したときの支持体の浮上位置とを結ぶ線分に、フロントエッジの曲面部が交差する塗布装置。
(3) (1)又は(2)に記載の塗布装置であって、フロントエッジの曲面部の曲率半径は、4mm以上40mm以下である塗布装置。
(4) (1)から(3)のいずれか一項に記載の塗布装置であって、支持体の厚みは、6μm以下である塗布装置。
(5) (1)から(4)のいずれか一項に記載の塗布装置であって、フロントエッジの曲面部の下流側の縁における接平面と、フロントエッジの曲面部における下流側の縁を通ってバックエッジの先端面に接する接平面とのなす角度が180度未満である塗布装置。
(6) (5)に記載の塗布装置であって、支持体の搬送速度は、150m/min以上である塗布装置。
(7) 連続的に搬送される支持体に塗布ヘッドを摺接させ、支持体の搬送方向に隣設された塗布ヘッドのフロントエッジ及びバックエッジによって構成される吐出口から塗布液を吐出して、支持体に塗布液を塗布する塗布方法であって、フロントエッジにおいて支持体の搬送方向に湾曲して設けられ、支持体に摺接する曲面部に、支持体を押し付けた状態で支持体を搬送し、支持体に塗布液を塗布する塗布方法。
(8) (7)に記載の塗布方法であって、フロントエッジの曲面部の下流側の縁における接平面と、フロントエッジの曲面部における下流側の縁を通ってバックエッジの先端面に接する接平面とのなす角度を180度未満として、支持体に前記塗布液を塗布する塗布方法。
(9) (7)又は(8)に記載の塗布方法であって、塗布液として、磁性を有する金属粉が分散された磁性塗布液を用いる塗布方法。
(10) (9)に記載の塗布方法によって、支持体の表面に磁性膜が形成されてなる磁気記録媒体。
1 塗布装置
2 原反ロール
3 塗布部
4 乾燥部
5 ロール
14 ガイドロール
15 ガイドロール
16 塗布ヘッド
19 塗布液
20 フロントエッジ
20a 曲面部
21 バックエッジ
25 吐出口

Claims (5)

  1. 支持体を連続的に搬送しながら該支持体に塗布液を塗布する塗布装置であって、
    前記支持体の搬送方向に隣設されて前記塗布液の吐出口を構成するフロントエッジ及びバックエッジを有し、前記支持体に摺接しながら前記吐出口より吐出される前記塗布液を前記支持体に塗布する塗布ヘッドと、
    前記搬送方向における前記塗布ヘッドの上流側に配置され、前記塗布ヘッドへの前記支持体の搬入経路を規定するガイド部と、
    を備え、
    前記フロントエッジには、前記搬送方向に沿って湾曲し、前記支持体が摺接する曲面部が設けられており、
    前記支持体の幅方向に対して垂直に該支持体に交差する任意の面内において、前記支持体が前記ガイド部から乖離する乖離位置と、前記塗布液の吐出流量及び前記支持体の搬送速度に応じた浮上量にて、前記支持体に摺接する前記バックエッジの先端面における上流側の縁から浮上したときの前記支持体の浮上位置とを結ぶ線分に、前記フロントエッジの前記曲面部が交差し、
    前記フロントエッジの前記曲面部の曲率半径は、4mm以上40mm以下であり、
    前記フロントエッジの前記曲面部の下流側の縁における接平面と、前記フロントエッジの前記曲面部における下流側の縁を通って前記バックエッジの先端面に接する接平面とのなす角度が180度未満であり、
    前記搬入経路に沿って搬送される前記支持体を前記フロントエッジの前記曲面部に押し付けた状態で該支持体に前記塗布液を塗布する塗布装置。
  2. 請求項1記載の塗布装置であって、
    前記支持体の厚みは、6μm以下である塗布装置。
  3. 請求項1又は2に記載の塗布装置であって、
    前記支持体の搬送速度は、150m/min以上である塗布装置。
  4. 連続的に搬送される支持体に塗布ヘッドを摺接させ、前記支持体の搬送方向に隣設された前記塗布ヘッドのフロントエッジ及びバックエッジによって構成される吐出口から塗布液を吐出して、前記支持体に前記塗布液を塗布する塗布方法であって、
    前記搬送方向における前記塗布ヘッドの上流側に配置されたガイド部によって前記塗布ヘッドへの前記支持体の搬入経路を規定し、
    前記支持体の幅方向に対して垂直に該支持体に交差する任意の面内において、前記支持体が前記ガイド部から乖離する乖離位置と、前記塗布液の吐出流量及び前記支持体の搬送速度に応じた浮上量にて、前記支持体に摺接する前記バックエッジの先端面における上流側の縁から浮上したときの前記支持体の浮上位置とを結ぶ線分に、前記フロントエッジにおいて前記支持体の搬送方向に湾曲して設けられた曲面部が交差するように、前記塗布液の吐出流量及び前記支持体の搬送速度を設定し、
    前記フロントエッジの前記曲面部の曲率半径を4mm以上40mm以下とし、
    前記フロントエッジの前記曲面部の下流側の縁における接平面と、前記フロントエッジの前記曲面部における下流側の縁を通って前記バックエッジの先端面に接する接平面とのなす角度を180度未満として、
    前記フロントエッジの前記曲面部に前記支持体を押し付けた状態で該支持体を搬送し、該支持体に前記塗布液を塗布し、
    塗布方法。
  5. 請求項4に記載の塗布方法であって、
    前記塗布液として、磁性を有する金属粉が分散された磁性塗布液を用いる塗布方法。
JP2012081570A 2012-03-30 2012-03-30 塗布装置及び塗布方法 Active JP5879178B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012081570A JP5879178B2 (ja) 2012-03-30 2012-03-30 塗布装置及び塗布方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012081570A JP5879178B2 (ja) 2012-03-30 2012-03-30 塗布装置及び塗布方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013211082A JP2013211082A (ja) 2013-10-10
JP5879178B2 true JP5879178B2 (ja) 2016-03-08

Family

ID=49528760

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012081570A Active JP5879178B2 (ja) 2012-03-30 2012-03-30 塗布装置及び塗布方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5879178B2 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58104666A (ja) * 1981-12-16 1983-06-22 Fuji Photo Film Co Ltd 塗布装置
JPS60238179A (ja) * 1984-05-14 1985-11-27 Fuji Photo Film Co Ltd 塗布装置
JPS62172534A (ja) * 1986-01-24 1987-07-29 Fuji Photo Film Co Ltd 磁気記録媒体の製造法
JP2537071B2 (ja) * 1988-03-04 1996-09-25 コニカ株式会社 塗布装置
JP2875543B2 (ja) * 1989-03-08 1999-03-31 コニカ株式会社 塗布方法
JP2581975B2 (ja) * 1989-04-05 1997-02-19 富士写真フイルム株式会社 塗布装置
JP2942938B2 (ja) * 1992-10-20 1999-08-30 富士写真フイルム株式会社 塗布方法
US6033723A (en) * 1998-02-24 2000-03-07 Imation Corp. Method and apparatus for coating plurality of wet layers on flexible elongated web
JP2004033968A (ja) * 2002-07-05 2004-02-05 Tohoku Ricoh Co Ltd 塗布装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013211082A (ja) 2013-10-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6588003B2 (ja) 磁気テープ装置およびヘッドトラッキングサーボ方法
JP6588002B2 (ja) 磁気テープ装置および磁気再生方法
JP2017174476A (ja) 磁気テープおよび磁気テープ装置
JP3445343B2 (ja) 塗布方法および塗布装置
JP2007038079A (ja) 塗布方法及び装置
JP2009045513A (ja) 塗布方法及び塗布装置並びに塗布膜製品の製造方法
JP5879178B2 (ja) 塗布装置及び塗布方法
JPH04145977A (ja) 塗布方法
JP4068727B2 (ja) 塗布装置および塗布方法
JP2003146505A (ja) ウェブ案内ローラ及びその製造方法
US6447611B1 (en) Coating apparatus
JPH11197576A (ja) 塗布装置及び塗布方法
JP2691602B2 (ja) 塗布方法及びその装置
JP2670834B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法及び装置
US9156294B2 (en) Image recording apparatus and base material supply apparatus
JP5757901B2 (ja) 塗布装置及び塗布方法
JP2002086050A (ja) 塗布方法及び塗布製品
US9138851B2 (en) Method of manufacturing member made by stainless steel and method of manufacturing coating film
US7597607B2 (en) Magnetic recording tape edge processing
JP3205460B2 (ja) 塗布装置
US6361828B1 (en) Coating method for forming a thin, stable and uniform film
US7077907B2 (en) Coating head and coating apparatus
JP4264887B2 (ja) 塗布方法
JP2822291B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
KR102198650B1 (ko) 도포 장치 및 도포 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150324

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150518

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150828

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5879178

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250