JP2002367158A - 磁気記録媒体の製造における塗布条件の決定方法及び磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体の製造における塗布条件の決定方法及び磁気記録媒体

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JP2002367158A JP2001171107A JP2001171107A JP2002367158A JP 2002367158 A JP2002367158 A JP 2002367158A JP 2001171107 A JP2001171107 A JP 2001171107A JP 2001171107 A JP2001171107 A JP 2001171107A JP 2002367158 A JP2002367158 A JP 2002367158A
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Toshihiro Bandai
俊博 萬代
Mikio Tomaru
美喜男 都丸
Hideaki Takekuma
秀明 武隈
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    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
    • G11B5/848Coating a support with a magnetic layer by extrusion

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Abstract

(57)【要約】 【課題】エクストルージョン型塗布法により磁性塗布液
を塗布する際に、磁性塗布液の磁性粒子の凝集を抑制及
び破壊することができるので、塗布において良好な磁性
層表面を得ることができる。 【解決手段】エクストルージョン型塗布法を用い、磁性
粒子を溶媒中に分散させた磁性塗布液20を塗布してウ
エブ12の表面に単層の磁性層を形成する際に、塗布液
20の105 sec -1の剪断速度における粘度をμ〔Pa・
sec]、塗布ヘッド先端部におけるスリット下流側のウエ
ブ対向面の長さをL[m] 、ウエブ12の走行速度をV、
磁性層のウエット塗布厚みをt[m] としたときに、 上記式により求められる磁性層の単位体積当たりの剪断
エネルギーEにより塗布条件を評価すると共に、該評価
結果に基づいて塗布条件を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体の製
造における塗布条件の決定方法及び磁気記録媒体に係
り、特に、プラスチックフィルム、紙、金属箔等の可撓
性支持体(以下「ウエブ」という)に、磁性粒子を溶媒
中に分散させた塗布液を少なくとも塗布して磁性塗布液
層を形成する磁気記録媒体の製造における塗布条件の決
定方法及び磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録テープ等の磁気記録媒体
は、放送用やコンピュータ用として急速に容量、記録密
度が向上しており、記録を司る磁気層は極薄く、均一で
磁性層表面が平滑な成膜が求められている。
【0003】塗布液をウエブ面に塗布する方法として
は、例えば、ロールコータ法、グラビアコート法、ロー
ルコートプラスドクター法、エクストルージョン型塗布
法、スライドコート型塗布法等があるが、近年は、磁性
塗布液の塗布にはエクストルージョン型塗布法が多用さ
れている。このエクストルージョン型塗布法は、連続走
行するウエブと塗布ヘッド先端部とを相対的に近接させ
た状態で、塗布ヘッドのスリット先端から塗布液を押し
出してウエブに塗布するもので、均一な極薄い磁性塗布
液層を得ることができる。更に、特許第2581975
号公報に開示されているような塗布ヘッドを用いて非磁
性塗布液をウエブ上に塗布した後、該非磁性下層液が未
乾のうちに磁性塗布液を重層塗布することにより、均一
で極めて薄い磁性層を得ることができ、格段に記録容量
を向上させることができるようになった。 一方、磁性
塗布液の特性として、粒子間の磁気引力により粒子同士
が凝集塊を形成し、それが塗布膜表面の凸凹となり、電
磁変換特性を低下させる問題がある。
【0004】従来、エクストルージョン型塗布法の改良
として、例えば、特許第2645613号公報には、ウ
エブ走行方向におけるドクターリップ面(ドクターエッ
ジ面ともいう)の長さをL、ドクターリップ面上におけ
る塗布液の平均流速をV、ドクターリップ面上における
塗布液の剪断速度をΓとしたときに、A=Γ・L/Vで
求められる流動指数Aが100以上になるように塗布液
を塗布することが開示されている。また、特開平11−
203676号公報には、磁性塗料をウエブの上に1.
5×105 (sec -1) 以上の剪断速度で塗布することが
開示されている。また、特公平7−114998号公報
には、2層を重層塗布する際に、ダイの下流リップ面の
曲率半径を4〜20mmとし、且つ下流リップのウエブ
方向の円弧の長さを2〜7mmになるようにダイを構成
することが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、情報関
連分野の発達にともない、より記録容量が大きく、より
記録密度の大きな記録媒体が求められている。この為、
上記した従来の塗布方法や装置を使用しても、電磁変換
特性を満足できるほどに良好な表面性を有する塗布層が
得られないという問題がある。塗布層表面の表面性向上
は、塗布後に行われるカレンダ処理によりある程度改良
されるが、カレンダ処理にも限界があり、根本的には塗
布工程において良好な塗布層表面を得ることが必要であ
る。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、エクストルージョン型塗布法で磁性塗布液を
塗布する際に、磁性粒子の凝集を抑制及び破壊するため
の要因を明確にし、塗布工程において良好な磁性層表面
を得ることができる磁気記録媒体の製造における塗布条
件の決定方法及び磁気記録媒体を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決する為の手段】本発明の請求項1は前記目
的を達成する為に、連続走行する可撓性支持体と塗布ヘ
ッド先端部とを相対的に近接させた状態で、前記塗布ヘ
ッドのスリット先端から塗布液を押し出して前記可撓性
支持体に塗布するエクストルージョン型塗布法を用い、
磁性粒子を溶媒中に分散させた磁性塗布液を単層塗布す
る磁気記録媒体の製造において、前記磁性塗布液の10
5 sec -1の剪断速度における粘度をμ〔Pa・sec]、塗布
ヘッド先端部におけるスリット下流側の可撓性支持体対
向面の長さをL[m] 、可撓性支持体の走行速度をV[m/
sec]、磁性塗布液層のウエット塗布厚みをt[m] とした
ときに、
【数1】 上記式から求められる磁性塗布液層の単位体積あたりの
剪断エネルギーEにより塗布条件の良否を評価すると共
に、該評価結果に基づいて塗布条件を決定することを特
徴とする。
【0008】本発明の請求項1は、磁性粒子を溶媒中に
分散させた磁性塗布液をエクストルージョン型塗布法で
可撓性支持体に塗布する場合において、可撓性支持体に
塗布形成された磁性塗布液層の表面性向上を達成するた
めの指標として、塗布ヘッド先端部において磁性塗布液
層単位体積当たりに掛かる剪断エネルギーEを指標とし
たものである。具体的には、上記式から求められる磁性
塗布液層の単位体積あたりの剪断エネルギーEにより塗
布条件の良否を評価すると共に、該評価結果に基づいて
塗布条件を決定するようにした。
【0009】発明者は、磁性塗布液層の表面粗さと剪断
エネルギーEとが反比例な直線関係を形成し、密接な相
関関係があることを見いだし、上記式から求められる磁
性塗布液層の単位体積あたりの剪断エネルギーEにより
塗布条件の良否を精度良く評価することが可能であると
共に、評価結果に基づいて塗布条件を決定すれば磁性塗
布液層の表面粗さを精度良く改良できるという知見を得
た。磁気記録媒体の製品種類により、どの程度の表面粗
さまで許容されるかは多少異なるが、磁気記録媒体とし
て十分満足する性能を得ることのできる磁性塗布液層の
表面粗さの許容値は20nm以下であり、この許容値を
満足するためには、剪断エネルギーEは3×106 を超
えることが好ましい。従って、評価結果が剪断エネルギ
ーE>3×106 を満足するように塗布条件を決定すれ
ば、塗布工程において良好な磁性塗布液層表面を得るこ
とができる。
【0010】このように磁性塗布液層の単位体積当たり
の剪断エネルギーEを規定することで磁性塗布液層の表
面性が良くなる理由としては、磁性塗布液層の表面性が
悪くなる主たる要因は磁性塗布液中の磁性粒子同士の凝
集に起因しており、磁性塗布液層に大きな剪断エネルギ
ーEをかけて塗布液に大きな剪断ストレスを与えること
で、磁性粒子の凝集を抑制すると共に凝集の破壊を促進
するためと推察される。
【0011】また、本発明の別の態様として、連続走行
する可撓性支持体と塗布ヘッド先端部とを相対的に近接
させた状態で、前記塗布ヘッドのスリット先端から塗布
液を押し出して前記可撓性支持体に塗布するエクストル
ージョン型塗布法を用い、非磁性粒子を溶媒中に分散さ
せた非磁性塗布液を前記可撓性支持体に塗布した後、該
塗布された非磁性下層が乾燥しないうちに磁性粒子を溶
媒中に分散させた磁性塗布液を前記非磁性下層に重層塗
布する磁気記録媒体の製造において、非磁性塗布液の1
5 sec -1の剪断速度における粘度をμ1 〔Pa・sec]、
磁性塗布液の105 sec -1の剪断速度における粘度をμ
2 〔Pa・sec]、塗布ヘッド先端部における磁性塗布液を
吐出するスリット下流側の可撓性支持体対向面の長さを
L[m] 、可撓性支持体の走行速度をV[m/sec]、非磁性
下層のウエット塗布厚みをt1 [m] 、磁性塗布液による
磁性上層のウエット塗布厚みをt2 [m] としたときに、
【数2】
【数3】
【数4】α=μ21 …(3) 上記(1)、(2)、(3)式により求められる磁性上
層単位体積当たりの剪断エネルギーEにより塗布条件の
良否を評価すると共に、該評価結果に基づいて塗布条件
を決定することによって構成される。
【0012】本発明の別の態様は、非磁性粒子を溶媒中
に分散させた非磁性塗布液(下層塗布液)と、磁性粒子
を溶媒中に分散させた磁性塗布液(上層塗布液)とをウ
エットオンウエットで可撓性支持体に重層塗布する場合
であり、この重層塗布において重層塗布層の表面側の層
を形成する磁性上層の表面性向上を達成するための指標
として、磁性上層単位体積当たりの剪断エネルギーEを
指標としたものである。具体的には、上記(1)、
(2)、(3)式から求められる磁性上層の単位体積あ
たりの剪断エネルギーEにより塗布条件の良否を評価す
ると共に、該評価結果に基づいて塗布条件を決定するよ
うにした。即ち、この重層塗布の場合にも、磁性上層の
表面粗さと剪断エネルギーEとの関係において反比例な
直線関係が成立する。また、重層塗布の場合にも、磁気
記録媒体としての十分な性能を得ることのできる磁性上
層の表面粗さの許容値は20nm以下であり、この許容
値を満足するためには、剪断エネルギーEは3×106
を超えることが好ましい。従って、重層塗布の場合に
も、評価結果が剪断エネルギーE>3×106 を満足す
るように塗布条件を決定すれば、塗布工程において良好
な磁性上層表面を得ることができる。
【0013】また、本発明の請求項2は、請求項1の塗
布条件の決定方法により、剪断エネルギーE>3×10
6 の塗布条件を満足するように塗布して成る磁気記録媒
体を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
る磁気記録媒体の製造における塗布条件の決定方法及び
磁気記録媒体の好ましい実施の形態について詳説する。
【0015】図1は本発明に係る磁気記録媒体の製造に
おける塗布条件の決定方法を適用するエクストルージョ
ン型塗布装置の第1の実施の形態を説明する概念図であ
り、磁性層をウエブに単層塗布する場合である。
【0016】図1に示すように、塗布装置10は、主と
して、矢印方向に連続走行するウエブ12と、ウエブ1
2に塗布液を塗布する塗布ヘッド14と、塗布ヘッド1
4を挟んだウエブ走行方向の上流側と下流側にそれぞれ
設けられ、連続走行するウエブ12を装架する一対のガ
イドローラ16A、16Bとで構成される。
【0017】塗布ヘッド14には、その内部にウエブ1
2の幅方向に平行な筒状のポケット部22が形成され、
ポケット部22と塗布液タンク24とが定量送液ポンプ
26を介して配管28により接続される。また、塗布ヘ
ッド14には、ポケット部22に連通してリップ面18
に至るスリット30が形成される。塗布ヘッド14の先
端部に形成されるリップ面18は、スリット30を挟ん
でウエブ走行方向の上流側にフロントリップ面18Aが
形成され、下流側にドクターリップ面18Bが形成され
る。そして、塗布液タンク24から磁性粒子を溶媒に分
散させた磁性塗布液20がポケット部22に供給されて
塗布幅に対応する幅に拡流された後、スリット30を上
昇して吐出され、連続走行するウエブ12と塗布ヘッド
14先端部とを相対的に近接させた状態でウエブ12に
磁性塗布液20が塗布される。これにより、ウエブ面に
は磁性塗布液層Aが単層形成される。
【0018】上記の如く構成された塗布装置10を用い
て、磁性塗布液層Aをウエブ12面に単層形成する場合
には、次式により求められる剪断エネルギーEが3×1
6を超えるか否かによって塗布条件が適切か否かを評
価する。そして、剪断エネルギーEが3×106 を超え
る場合には、塗布条件が適切と評価してその塗布条件で
塗布を行う。もし、剪断エネルギーEが3×106 以下
の場合には塗布条件が適切でないと評価して、剪断エネ
ルギーEが3×106 を超えるようにμ、L、V、tの
各塗布条件因子を設定し直す。これにより、剪断エネル
ギーE>3×106 の塗布条件を満足するように塗布し
て成る磁気記録媒体を得ることができる。
【0019】
【数5】 μ:磁性塗布液の105 sec -1の剪断速度における粘度
〔Pa・sec] L:塗布ヘッド先端部におけるスリット下流側のウエブ
対向面の長さ[m] V:ウエブの走行速度[m/sec] t:磁性塗布液層のウエット塗布厚み[m] 単層塗布の場合、塗布ヘッド先端部とウエブ12との間
の剪断速度分布は図2の概略図に示すようになると考え
られる。そして、剪断エネルギーEは、塗布ヘッド先端
とウエブ12との間で、単位体積当たりの磁性塗布液2
0に掛かる剪断応力と該剪断応力が掛かる長さの積とし
て考えられ、それを変形して上記式を得た。
【0020】剪断エネルギーEを大きくするには、磁性
塗布液20の105 sec -1の剪断速度における粘度
(μ)を大きくし、スリット下流側のウエブ対向面の長
さ、即ちドクターリップ面18Bの長さ(L)を長く
し、ウエブ12の走行速度(V)を大きくする一方、磁
性塗布液層Aのウエット塗布厚み(t)を薄くすること
が有効である。この条件の下でスジムラのない良好な塗
布を行うためには、塗布ヘッド14の形状及びスリット
30の間隙量、スリット30から吐出される塗布液20
の塗布圧力、塗布ヘッド14のリップ面18とウエブ1
2とを相対的に押し付ける押し付け圧等の関係を適宜調
整する必要がある。また、ウエブ12の表面に予め下塗
り層等を塗布し、乾燥させた後、磁性塗布液20を一層
塗布する、いわゆるウエットオンドライ方式の場合も、
予め塗布し乾燥させた下塗り層も含めてウエブ12と考
えることができ、本発明を適用することができる。
【0021】図3は、本発明に係る磁気記録媒体の製造
における塗布条件の決定方法を適用するエクストルージ
ョン型塗布装置の第2の実施の形態を説明する概念図で
あり、非磁性下層と磁性上層をウエブに重層塗布する場
合である。
【0022】図3に示すように、重層塗布用の塗布装置
40も第1の実施の形態で説明した構成と基本的には同
様であり、非磁性塗布液(ウエブ12に接する側の下層
塗布液)と磁性塗布液(非磁性下層に重層される上側塗
布液)とをウエブ12に同時塗布できるように構成され
ている。尚、第1の実施の形態と同じ部材には同符号を
付して説明する。
【0023】即ち、塗布ヘッド14には、その内部にウ
エブ12の幅方向に平行な筒状の2つのポケット部22
A、22Bが形成され、それぞれのポケット部22A、
22Bと非磁性塗布液42と磁性塗布液44とをそれぞ
れ貯留する各塗布液タンク24A、24Bとが定量送液
ポンプ26A、26Bを介して配管28A、28Bによ
り接続される。また、塗布ヘッド14には、各ポケット
部22A、22Bに連通してリップ面18に至る2つの
スリット30A、30Bが形成される。塗布ヘッド14
の先端部に形成されるリップ面18は、各スリット30
A、30Bを挟んでウエブ走行方向の上流側から順に、
フロントリップ面18A、第1のドクターリップ面18
B、第2のドクターリップ面18Cが形成される。そし
て、非磁性塗布液42と磁性塗布液44は、各塗布液タ
ンク24A、24Bからそれぞれのポケット部22A、
22Bに供給されて塗布幅に対応する幅に拡流された
後、各スリット30A、30Bを上昇して吐出され、連
続走行するウエブ12と塗布ヘッド14のリップ面18
とを相対的に近接させた状態でウエブ12に塗布され
る。これにより、ウエブ12面には、非磁性粒子が溶媒
中に分散した非磁性塗布液42で塗布形成される非磁性
下層42Aと、磁性粒子が溶媒中に分散した磁性塗布液
44で塗布形成される磁性上層44Aとから成る重層塗
布層Aが形成される。
【0024】上記の如く構成された塗布装置40を用い
て、重層塗布層Aをウエブ12面に形成する場合には、
次式(1)、(2)、(3)式により求められる剪断エ
ネルギーEが3×106 を超えるか否かによって塗布条
件が適切か否かを評価する。そして、剪断エネルギーE
が3×106 を超える場合には、塗布条件が適切と評価
してその塗布条件で塗布を行う。もし、剪断エネルギー
Eが3×106 以下の場合には塗布条件が適切でないと
評価して、剪断エネルギーEが3×106 を超えるよう
にμ1 、μ2 、L、V、t1 、t2 の各塗布条件因子の
条件を設定し直す。これにより、非磁性下層と磁性上層
をウエブに重層塗布する場合にも、剪断エネルギーE>
3×106 の塗布条件を満足するように塗布して成る磁
気記録媒体を得ることができる。
【0025】
【数6】
【0026】
【数7】
【0027】
【数8】α=μ21 …(3) μ1 :非磁性塗布液の105 sec -1の剪断速度における
粘度〔Pa・sec] μ2 :磁性塗布液の105 sec -1の剪断速度における粘
度〔Pa・sec] L:塗布ヘッド先端部における磁性塗布液を吐出するス
リット下流側のウエブ対向面の長さ[m] V:ウエブの走行速度を[m/sec] t1 :非磁性下層のウエット塗布厚み[m] t2 :磁性上層のウエット塗布厚み[m] 重層塗布の場合、塗布ヘッド先端部とウエブ12との間
の剪断速度分布は図4の概略図に示すようになると考え
られる。磁性上層44Aとウエブ12との間に流動性を
有する非磁性下層42Bが存在するため磁性上層44A
に掛かる剪断応力は上記した一層塗布に比べて低下す
る。塗布ヘッド先端部において単位体積当たりの磁性塗
布液44に掛かる剪断エネルギーEは、磁性塗布液44
を押し出すスリット30Bの下流側のウエブ対向面の長
さ、即ち第2のドクターリップ面18Cの長さ(L)や
塗布速度(V)の他に、上下層の粘度比(α)や上下層
のウエット塗布厚みの比(t1/t2 )等に関係し、上記
(1)、(2)、(3)式を用いて求めることができ
る。
【0028】(1)式は、単位体積当たりの磁性塗布液
44に掛かる剪断エネルギーEを求める式であり、
(2)式は、非磁性下層42Aと磁性上層44Aの界面
での液の速度Vc を求める式であり、(3)式は非磁性
塗布液42の剪断速度105 sec -1での粘度μ1 と、磁
性塗布液44の剪断速度105 sec -1での粘度μ2 との
粘度比である。そして、剪断エネルギーEを大きくする
には、Lを大きくし、ウエット厚みの比(t1/t2 )を
小さくし、粘度比(μ21 )を小さくすることが好ま
しい。
【0029】図5は、本発明を適用する塗布装置50の
第2の実施の形態の変形例であり、ウエブ走行方向の上
流側と下流側にそれぞれ塗布ヘッド14A、14B配設
して、上流側の塗布ヘッド14Aで先ず非磁性塗布液4
2を塗布して非磁性下層42Aを形成した後、該非磁性
下層42Aが乾燥しないうちに磁性塗布液44を非磁性
下層42Aに重層塗布して磁性上層44Aを形成する場
合であり、この場合にも本発明の磁気記録媒体の製造方
法を適用することができる。
【0030】
【実施例】図3で説明した同時重層塗布用の塗布ヘッド
を備えたエクストルージョン型塗布装置を用い、非磁性
塗布液と磁性塗布液とをウエブに同時塗布した塗布試験
について説明する。
【0031】磁性塗布液の成分組成を表1に、非磁性塗
布液の成分組成を表2に示した。表1、表2の成分組成
の材料をそれぞれ別のボールミルに入れて十分に混合分
散させた後、それぞれのボールミルにエポキシ樹脂を3
0重量部及び所望の粘度になるようにメチルエチルケト
ンを加え十分に混合させたものを磁性塗布液、非磁性塗
布液とした。
【0032】塗布条件は、厚み15μmのPET(ポリ
エチレンテレフタレート)フィルムを用いて、塗布速度
が200m/分〜400m/分になるように塗布した。
また、塗布ヘッドのスリット間隙量は各スリットともに
0.15mmに設定すると共に、エッジ面の形状を次の
ように設定した。
【0033】 第1のドクターリップ面の曲率半径R1 3mm 第1のドクターリップ面の面長1mm 第2のドクターリップ面の曲率半径R2 3mm 第2のドクターリップ面の面長3〜10mm そして、非磁性塗布液(下層液)の105 sec -1の剪断
速度における粘度(μ 1 )、磁性塗布液(上層液)の1
5 sec -1の剪断速度における粘度を(μ2 )、第2の
ドクターリップ面の面長(L)、ウエブの走行速度
(V)、非磁性下層(下層塗布)のウエット塗布厚みを
(t1 )、磁性上層(上層塗布)のウエット塗布厚み
(t2 )の各塗布因子の条件を変化させたときの、磁性
上層単位体積当たりの剪断エネルギーEと、磁性上層表
面の表面粗さとの関係を調べた。
【0034】
【表1】
【表2】 塗布試験結果を図6及び図7に示す。
【0035】図6は、各塗布因子の設定条件を変化させ
たときの剪断エネルギーEと表面粗さの表であり、図7
は、剪断エネルギーEと表面粗さとの関係をグラフ化し
たものである。
【0036】図6から分かるように、各塗布因子の設定
条件を変化させたときの表面粗さと剪断エネルギーEと
の関係を示す各プロットは、反比例直線の上にきれいに
乗る。このことは、磁性層表面の表面粗さと剪断エネル
ギーEとは密接な関係にあるり、且つ剪断エネルギーE
を大きくすると表面粗さが小さくなることを意味する。
従って、剪断エネルギーEを大きくすることで磁性上層
の表面粗さを精度良く改良できる。そして、磁気記録媒
体として十分満足する性能を得ることのできる表面粗さ
の許容値は20nm以下であること、及び反比例直線に
対するプロットのバラツキを考慮すると、剪断エネルギ
ーEが3×106 を超えるように各塗布因子の条件を設
定することが好ましい。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気記録
媒体の製造における塗布条件の決定方法及び磁気記録媒
体によれば、エクストルージョン型塗布法で磁性塗布液
を塗布する際に、磁性粒子の凝集を抑制及び破壊するこ
とができるので、塗布工程において良好な磁性層表面を
得ることができる。また、良好な磁性層表面を有する磁
気記録媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明を適用する単層塗布のエクストル
ージョン型塗布装置の概念図
【図2】単層塗布における塗布ヘッド先端部の概略図
【図3】図3は本発明を適用する重層塗布のエクストル
ージョン型塗布装置の概念図
【図4】重層同時塗布における塗布ヘッド先端部の概略
【図5】図5は重層塗布のエクストルージョン型塗布装
置の変形例で2個の塗布ヘッドを使用するタイプの概念
【図6】図6は本発明の理論的根拠を説明する塗布試験
結果の表図
【図7】図7は本発明の理論的根拠を説明するもので、
剪断エネルギーEと表面粗さの関係を示したグラフ
【符号の説明】
10、40、50…エクストルージョン型塗布装置、1
2…ウエブ、14…塗布ヘッド、16…ガイドローラ、
18…リップ面、20、44…磁性塗布液、22…ポケ
ット部、24…塗布液タンク、26…定量送液ポンプ、
30…スリット、42…非磁性塗布液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武隈 秀明 神奈川県小田原市扇町1丁目2番1号 富 士写真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AC04 AC72 AC80 AC92 AC93 AC94 AC96 CA24 CA48 DA04 DB01 DB18 DB48 DC28 EA10 EB07 EB15 EB19 EB39 EC10 5D112 AA05 BB17 CC01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続走行する可撓性支持体と塗布ヘッド先
    端部とを相対的に近接させた状態で、前記塗布ヘッドの
    スリット先端から塗布液を押し出して前記可撓性支持体
    に塗布するエクストルージョン型塗布法を用い、磁性粒
    子を溶媒中に分散させた磁性塗布液を単層塗布する磁気
    記録媒体の製造において、 前記磁性塗布液の105 sec -1の剪断速度における粘度
    をμ〔Pa・sec]、塗布ヘッド先端部におけるスリット下
    流側の可撓性支持体対向面の長さをL[m] 、可撓性支持
    体の走行速度をV[m/sec]、磁性塗布液層のウエット塗
    布厚みをt[m]としたときに、 上記式から求められる磁性塗布液層の単位体積あたりの
    剪断エネルギーEにより塗布条件の良否を評価すると共
    に、該評価結果に基づいて塗布条件を決定することを特
    徴とする磁気記録媒体の製造における塗布条件の決定方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1の塗布条件の決定方法により、剪
    断エネルギーE>3×106 の塗布条件を満足するよう
    に塗布して成る磁気記録媒体。
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