JP2838591B2 - ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法に
関し、詳しくは定着液の補充量を減量しても定着不良に
基づく残留銀や残留ハイポの発生のないハロゲン化銀写
真感光材料の現像処理方法に関するものである。
〔発明の背景〕
最近におけるハロゲン化銀写真感光材料は、処理の迅
速化と併せて、その安定化と低公害化が重要な課題とさ
れている。特に処理廃液による公害を防止する必要か
ら、廃液量を低減する技術が最近多数提案されている。
例えば多段向流方式により補充量を特定する特開昭57
−8543号記載の方法、或は定着浴と水洗浴との間に、予
備水洗工程を設け廃液及び水洗水を低減した特開昭57−
15724号などが開示されている。
しかし、基本的には現像液や定着液の補充量を低減す
ることが望ましいが、補充液を少なくすると種々の問題
が発生し、例えばランニング中に現像液は少なからず定
着液に持ち込まれるが、定着液に対する持ち込み現像液
の比率が増加し、その結果、定着性能がランニングで経
時変動劣化し、安定した画像を得ることができない。
更に現像液の補充量を少なくすることは、当然のこと
ながら写真性能(例えば感度、最高濃度、ガンマなど)
の低下が起こり、又、定着液の場合には脱銀性が低下
し、所謂、残留銀による定着不良のトラブルを招く結果
となる。
このように処理液の補充量を低減することは極めて困
難な問題を抱えているが、低公害化及び処理の簡素化の
面からは、低減は必須の条件であってその解決が早急に
望まれているのが現状である。
〔発明の目的〕
本発明の第1の目的は、定着液の補充量を低減しても
定着不良に基づく残留銀或は残留ハイポなどの発生のな
い、ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法を提供す
ることである。
本発明の第2の目的は、低公害化されたハロゲン化銀
写真感光材料の処理方法を提供することである。その他
の目的は、以下の明細から明らかとなる。
〔発明の構成〕
本発明の目的は、下記により達成されることを見い出
し、本発明を成すに至った。
即ち、(1)支持体上に、少なくとも1層の感光性ハ
ロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料に
おいて、該ハロゲン化銀乳剤の平均沃化銀含有量が0.5
〜3.0モル%の沃臭化銀粒子からなり、かつ該ハロゲン
化銀写真感光材料を処理する際の定着液が2−ピロリド
ン及び/又は酢酸ジメチルアミドの少なくとも一つを含
有し、かつ定着液補充量が1.3〜5.8ml/dm2で、定着時間
が4〜12秒の条件で自動現像機で処理するハロゲン化銀
写真感光材料の現像処理方法及び (2)上記(1)記載の現像処理方法において、定着液
中に、チオ尿素の少なくとも一つを含有するハロゲン化
銀写真感光材料の現像処理方法によって達成される。
以下、本発明を詳述する。
本発明に係る定着液は、チオ硫酸塩を定着剤として含
む通常の定着液でよい。
定着液には保恒剤(例えば亜硫酸塩、重亜硫酸塩な
ど)、pH緩衝剤(例えば酢酸、硼酸)硬膜剤(例えば水
溶性アルミニウム塩など)硬水軟化剤、有機酸などを含
有してもよく、pHは4.0〜6.0でよい。
本発明に係る定着液は、2−ピロリドン及び/又は酢
酸ジメチルアミドの添加によって、定着液の補充量が減
量されても、定着不足に基づく残留銀や残留ハイポの発
生がなくなり、自動現像機による迅速現像処理にてクリ
アーで、かつ保存性の良い画像を迅速に得ることができ
るものである。2−ピロリドン又は酢酸ジメチルアミド
の使用量は定着液1当たり5g以上必要で、好ましくは
10〜200gである。又、2−ピロリドンと酢酸ジメチルア
ミドは単用又は併用してもよく、定着液には直接又は水
に溶解してから添加してよい。尚これら化合物は市販品
として容易に入手可能のものである。
本発明に係る定着液の補充量は、1.3〜5.8ml/(感光
材料)dm2でよく、好ましくは2.5〜4.5ml/dm2である。
定着時間は温度20〜33℃で4〜12秒でよく、好ましく
は6〜10秒である。
さらに本発明に係る上述の定着液中に、チオ尿素を添
加することにより本発明の目的とする補充液量の低減に
よる定着不良を改良し、迅速処理性を高めることができ
る。
本発明に係る定着液に用いるチオ尿素は、チオ尿素誘
導体でもよいが、好ましくはチオ尿素でよく、使用量は
前記定着液1当たり1gの以上でよく、好ましくは10〜
80gである。
本発明に用いられる現像液としては、通常の組成のも
のでよく、現像主薬としてはジヒドロキシベンゼン類
(例えばハイドロキノン)、1−フェニル−3−ピラゾ
リドン類(例えばフェニドン)、アミノフェノール類
(例えばメトール)、などが用いられてよい。又、アル
カリ剤、保恒剤、カブリ抑制剤、硬水硬化剤さらにはジ
アルデヒド系硬膜剤などを含んでいてもよい。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる乳剤
は、沃臭化銀、沃塩化銀、沃塩臭化銀などいずれのハロ
ゲン化銀であってもよいが特に高感度のものが得られる
という点で、平均沃化銀含有量が0.1〜5.0モル%特に好
ましくは0.5〜3.0モル%の沃臭化銀であることが好まし
い。
写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方体、8面体、
14面体のような全て等方的に成長したもの、あるいは球
形のような多面的な結晶型のもの、面欠陥を有した双晶
から成るもの或はそれらの混合型または複合型であって
もよい。これらハロゲン化銀粒子の粒径は、0.1μm以
下の微粒子から20μmに至る大粒子であってもよい。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる乳剤
は、公知の方法で製造できる。例えば、リサーチ・デイ
スクロージヤー(RD)No.17643(1978年12月)・22〜23
頁の1・乳剤製造法(Emulsion Preparation and type
s)及び同(RD)No.18716(1979年11月)・648頁に記載
の方法で調製することができる。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料の乳剤は、例
えば、T.H.James著“The theory of the photographic
process"第4版、Macmillan社刊(1977年)38〜104頁に
記載の方法、G.F.Dauffin著「写真乳剤化学」“Photogr
aphic emulsion Chemistry"、Focal press社刊(1966
年)、P.Glafkides著「写真の物理と化学“Chimie et p
hysique photographique"Paul Montel社刊(1967年)、
V.L.Zelikman他著「写真乳剤の製造と塗布」“Making a
nd coating photographic emulsion"Focal press社刊
(1964年)などに記載の方法により調製される。
即ち、中性法、酸性法、アンモニア法などの溶液条
件、順混合法、逆混合法、ダブルジエツト法、コントロ
ールド・ダブルジエツト法などの混合条件、コンバージ
ヨン法、コア/シェル法などの粒子調製条件及びこれら
の組合せ法を用いて製造することができる。
本発明の好ましい実施態様としては、沃化銀を粒子内
部に局在させた単分散乳剤が挙げられる。
本発明に好ましく用いられるハロゲン化銀乳剤として
は、例えば特開昭59−177535号、同61−802237号、同61
−132943号、同63−49751号及び特願昭63−238225号な
どに開示されている内部高沃度型単分散粒子が挙げられ
る。結晶の晶癖は立方体、14面体、8面体及びその中間
の(1,1,1)面と(1,0,0)面が任意に混在していてもよ
い。
ここでいう単分散乳剤とは、常法により、例えば平均
粒子直径を測定したとき、粒子数または重量で少なくと
も95%の粒子が、平均粒子径の±40%以内、好ましくは
±30%以内にあるハロゲン化銀粒子である。ハロゲン化
銀の粒径分布は、狭い分布を有した単分散乳剤或は広い
分布の多分散乳剤のいずれであってもよい。
ハロゲン化銀の結晶構造は、内部と外部が異なったハ
ロゲン化銀組成からなっていてもよい。
本発明の好ましい態様としての乳剤は、高沃度のコア
部分に低沃度のシェル層からなる明確な二層構造を有し
たコア/シェル型単分散乳剤である。
本発明の高沃度部の沃化銀含量は20〜40モル%で特に
好ましくは20〜30モル%である。
かかる単分散乳剤の製法は公知であり、例えばJ.Pho
t.Sic.12.242〜251頁(1963)、特開昭48−36890号、同
52−16364号、同55−142329、同58−49938号、英国特許
1,413,748号、米国特許3,574,628号、同3,655,394号な
どの公報に記載されている。
上記の単分散乳剤としては、種晶を用い、この種晶を
成長核として銀イオン及びハライドイオンを供給するこ
とにより、粒子を成長させた乳剤が特に好ましい。な
お、コア/シェル乳剤を得る方法としては、例えば英国
特許1.027.146号、米国特許3,505,068号、同4,444,877
号、特開昭60−14331号などの公報に詳しく述べられて
いる。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、アスペクト
比が4以上30未満の平板状粒子であってもよい。
かかる平板状粒子の利点は、分光増感効率の向上、画
像の粒状性及び鮮鋭性の改良などが得られるなどとして
例えば、英国特許2,112,157号、米国特許4,439,520号、
同4,433,048号、同4.414,310号、同4,434,226号、特開
昭58−113927号、同58−127921号、同63−138342号、同
63−284272号、同63−305343号などの公報に記載の方法
により調製することができる。
上述した乳剤は、粒子表面に潜像を形成する表面潜像
型あるいは粒子内部に潜像を形成する内部潜像型、表面
と内部に潜像を形成する型のいずれの乳剤で有ってもよ
い。これらの乳剤は、物理熱成あるいは粒子調製の段階
でカドミウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タリウム塩、イリジウ
ム塩又はその錯塩、ロジウム塩またはその錯塩、鉄塩又
はその錯塩などを用いてもよい。乳剤は可溶性塩類を除
去するためにヌーデル水洗法、フロキュレーシヨン沈降
法などの水洗方法がなされてよい。好ましい水洗法とし
ては、例えば特公昭35−16086号記載のスルホ基を含む
芳香族炭化水素系アルデヒド樹脂を用いる方法、又は特
開昭63−158644号記載の凝集高分子剤例示G3,G8などを
用いる方法が特に好ましい脱塩法として挙げられる。
本発明に係る乳剤は、物理熟成または化学熟成前後の
工程において、各種の写真用添加剤を用いることができ
る。公知の添加剤としては、例えばリサーチ・デイスク
ロージャーNo−17643(1978年12月)及び同No−18716
(1979年11月)に記載された化合物が挙げられる。これ
ら二つのリサーチ・デイスクロージャーに示されている
化合物種類と記載箇所を次表に掲載した。
本発明に係る感光材料に用いることのできる支持体と
しては、例えば前述のRD−17643の28頁及びRD−18716の
647頁左欄に記載されているものが挙げられる。
適当な支持体としてはプラスチックフィルムなどで、
これら支持体の表面は一般に塗布層の接着をよくするた
めに、下塗層を設けたり、コロナ放電、紫外線照射など
を施してもよい。そして、このように処理された支持体
上の両面に本発明に係る乳剤を塗布することができる。
医療用X線ラジオグラフィーに本発明を適用する場
合、例えば透過性放射線曝射によって近紫外光ないし可
視光を発生する蛍光体を主成分とする蛍光増感紙が用い
られる。これを本発明の乳剤を両面塗布してなる感光材
料両面に密着し露光することが望ましい。
ここで言う透過性放射線とは、高エネルギーの電磁波
であって、X線及びガンマー線を意味する。
〔実施例〕
以下本発明の実施例について説明する。但し当然のこ
とではあるが、本発明は以下述べる実施例により限定さ
れるものではない。
実施例1 乳剤の調製 Em−1 水1中にゼラチン30g、臭化カリウム6gを加え60℃
に保った容器中に撹拌しながら硝酸銀水溶液(硝酸銀と
して5g)と沃化カリウム0.42gを含む臭化カリウム水溶
液を1分間かけてダブルジエット法で添加した。(工程
1) さらに硝酸銀水溶液(硝酸銀として145g)と沃化カリ
ウム1.1gを含む沃化カリウム水溶液をダブルジェット法
で添加した。(工程2) この時の添加速度は、添加終了時の流速が添加開始時
の5倍となるように流量加速を行った。
添加終了後、pHを7.5、温度を50℃とし後記分光増感
色素(SA)をハロゲン化銀1モル当たり600mg添加して3
0分間撹拌を行った。その後、通常の沈降法により可溶
性塩類を除去してからゼラチンを75gを加え、pHを6.7に
調整した。
得られた乳剤は投影面積直径が0.90μm、平均厚み0.
18μmの平板状粒子で沃化銀含量は1モル%でこれをEm
−1とした。
Em−2:Em−1の工程1及び工程2で使った沃化カリウ
ムを除いて、それ以外はEm−1と同様の方法で沃化銀含
量が0モル%のEm−2を得た。
Em−3:Em−1の工程2で使った沃化カリウムを2.8gに
した以外はEm−1と同様の方法で沃化銀含量が2.2モル
%のEm−3を得た。
Em−4…Em−1の工程2で使った沃化カリウムの量を
3.9gに変え、それ以外はEm−1と同様の方法で沃化銀含
量3.0モル%のEm−4を得た。
次にEm−1〜4のそれぞれに、ハロゲン化銀1モル当
たりチオ硫酸ナトリウム10mg、テトラクロロ金酸カリウ
ム1.5mg、チオシアン酸カリウム140mgを加え、56℃で60
分間熟成した。その後、4−ヒドロキシ−6−メチル−
1,3,3a,7−テトラザインデンを150mgと沃化カリウム90m
gを加えた。
このようにして得られた塗布用乳剤と、後記する保護
層用塗布液とを、下引済のポリエステルフィルム支持体
の両面に、支持体側からハロゲン化銀乳剤層、保護層の
順になるよう塗布した。
尚、塗布量は、片面当たり銀量として2.0g/m2、ゼラ
チンが片面当たり3.1g/m2になるよう毎分100mで2層同
時重層塗布した後、乾燥してハロゲン化銀写真感光材料
を作製した。
尚、乳剤層には、ハロゲン化銀1モル当たり下記の添
加剤を添加した。
又、保護層には、ゼラチン1gにつき、下記の化合物を
加えた。
尚、ポリエステルフィルム支持体の両面に塗布した下
引液としては、グリシジルメタクリレート50wt%、メチ
ルメタクリレート10wt%、ブチルメタクリレート40wt%
の3種のモノマーからなる共重合体を、その濃度が10wt
%になるように希釈した共重合体分散液を用いた。
処理液の調整 現像液は下記組成をものを用いた。
下記のパート(A)、パート(B)及びパート(C)
からなる現像処理剤キットを調製した。
パート(A) 水酸化ナトリウム 23g 亜硫酸カリウム 61g 炭酸水素ナトリウム 12g トリエチレンテトラミン6酢酸 2.8g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.05g ハイドロキノン 30g 水を加えて 250ml pHを11.0に調整 パート(B) トリエチレングリコール 20g 5−ニトロインダゾール 0.1g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.3g 氷酢酸 10g 水を加えて 30ml パート(C) グルタルアルデヒド重亜硫酸塩 13g 水を加えて 25ml また下記組成のスターターを調製し、スタート時に用い
た。
氷酢酸 16g 臭化カリウム 190g 水を加えて 1.0 次に約500mlの水にパート(A)、パート(B)、パー
ト(C)を順次撹拌しながら添加して最後に水で総量を
1とし、pH=10.50とした。
定着液は下記組成のものを用いた。
チオ硫酸アンモニウム 140 g 無水亜硫酸ナトリウム 8.8g ホウ酸 7.0g 酢酸ナトリウム3水塩 20 g 硫酸アルミニウム18水塩 18 g 硫酸(50%) 8 g 氷酢酸 5.5g 水で 全量1とし、pH=4.3とした。
なお本発明に係る2−ピロリドン及び酢酸ジメチルア
ミドはそれぞれ表1に示す如く添加した。
処理工程 処理温度(℃) 処理時間(秒) フィルム挿入 − 1.2 現像+渡り 35 14.6 定着+渡り 33 8.2 水洗+渡り 25 7.2 スクイズ 40 5.7 乾燥 45 8.1 合計 − 45.0 処理方法 現像液には、現像スタート時に、スターターとして現
像液1当たり前記スターター20mlを添加して自動現像
機SRX−501(コニカ〔株〕製)を用い前記工程で処理し
た。尚このときの水洗水量は2/m2で、現像液補充量
は2.5ml/dm2とした。又、定着液の補充液は表1に示す
量をそれぞれ添加した。
尚、第1図の1は感光材料挿入口の第一ローラーを表
し、2は乾燥出口の最終ローラー、3aは現像槽、3bは定
着槽、3cは水洗槽、4は処理される感光材料、5はスク
イズ部、6は乾燥部、7は乾燥空気の吹き出し口を示
す。
残留銀量の評価方法としては前記で作成した試料を黒
化濃度1.0になるように露光したフィルム200m2を処理し
た後、未露光のまま現像処理して残留銀評価用の試料を
得た。残留銀の評価は次の方法で行った。
硫化ナトリウムの2.6×10-3mol/l水溶液を残留銀評価
液として上記の残留銀評価用フィルム上に1滴滴下し、
3分間保置後、液をよくふきとって、常温常湿下で15時
間放置した。
その後、PDA−65型濃度計(コニカ〔株〕製)を用い
て残留銀評価液を滴下した部分と、滴下しない部分のブ
ルー光の透過濃度を測定し、その差を持って残留銀の目
安とした。値が0.03以下であれば問題なく、それ以上で
あると銀画像が経時で変色したり濃度低下を引き起こ
す。
又、上記の評価液をフィルム上の任意のポイントに1
滴づつ20点滴下し、その敵下部分の濃度を測定した。最
大濃度と最小濃度の差を求め△濃度としてその値が大き
い程処理後のフィルム中の残留銀濃度のムラが多いこと
を示す。
得られた結果を表1に示す。
表1から明らかなように沃化銀を含む乳剤で定着液補
充量を少なくすると残留銀濃度が高くなり、また残留銀
濃度ムラも大きい。しかし、本発明の試料の処理方法で
は、沃化銀を含む乳剤で定着液補充量を少なくしても残
留銀は、少なく、かつ残留銀濃度ムラも少ないことが分
かる。
実施例2 実施例1と同様の方法で定着液中に表2に示すように
チオ尿素を添加した以外は、実施例1同様に処理し、残
留銀及び残留ハイポの測定を行った。
尚、残留ハイポの測定方法は、未露光試料を自動現像
機で処理し、処理後の試料に下記の評価液を一滴滴下し
3分間放置後、残った液を拭きとり常温常湿下に15時間
放置した。
その後、PDA−65型濃度計を用いて残留ハイポ液を滴
下した部分と滴下しない部分のブルー光の透過濃度を測
定し、その差(滴下部分−未満下部分)をもって残留ハ
イポとして表2に示した。値が大きい程残留ハイポ量が
多く、好ましくないことを示す。
得られた結果を表2に示す。
評価液 硝酸銀 7.5g 水酢酸 35ml 水で 1に仕上げる 表2の結果から明らかなように、定着液補充量を少な
くし、かつ2−ピロリドン及び/又は酢酸ジメチルアミ
ドを添加した定着液で処理すると、残留銀濃度は低下す
るが、残留ハイポ濃度は殆ど低下しない。しかし、2−
ピロリドン及び/又は酢酸ジメチルアミド及びチオ尿素
をを添加した本発明に係る定着液で処理すると、残留ハ
イポ濃度が低くなっていることが分かる。
〔発明の効果〕
本発明により定着液の補充量を低減しても、定着不良
に基ずく残留銀又は残留ハイポの発生の少ないハロゲン
化銀写真感光材料の現像処理方法を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例に用いた自動現像機の構成図
である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、少なくとも1層の感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料にお
    いて、該ハロゲン化銀乳剤の平均沃化銀含有量が0.5〜
    3.0モル%の沃臭化銀粒子からなり、かつ該ハロゲン化
    銀写真感光材料を処理する際の定着液が2−ピロリドン
    及び/又は酢酸ジメチルアミドの少なくとも一つを含有
    し、かつ定着液補充量が1.3〜5.8ml/dm2で、定着時間が
    4〜12秒の条件で自動現像機で処理することを特徴とす
    るハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法。
  2. 【請求項2】前記請求項(1)記載の現像処理方法にお
    いて、定着液中にチオ尿素の少なくとも一つを含有する
    ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の現像処理
    方法。
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