JP2821504B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、現像温度依存性が少なく、かつ現像処理時
の耐圧性を改良し、更に高温多湿下でのフィルム保存時
におけるフィルム同士の耐接着性を改良したハロゲン化
銀写真感光材料に関するものである。
〔発明の背景〕 近年、感光材料の消費量の増大に伴い、短時間での迅
速処理が要求されるようになっている。例えば、医療用
X線感光材料の分野でも診断回数の急増や、検査項目の
増加により、X線写真撮影枚数が増加している一方、診
断結果をいち早く患者に知らせる必要があり、このため
にも迅速処理化が望まれている。
迅速処理は、高温、高pHで行われることが多く、その
ため画質の劣化を招いていた。特に、自現機で処理をす
る場合、搬送用のローラーの圧力によるローラーマーク
の発生が顕著に見られた。
ローラーマークの発生に関しては、従来より種々検討
されており、例えば感光材料中のバンダー量の増量、或
は親水性コロイド層の硬化度を上げることなどにより改
良されることが知られている。
しかしながらバインダー例えばゼラチン量を増加する
ことは迅速処理時の乾燥性の迅速劣化を招き好ましくな
い。又、コロイド層の硬化方法もローラーマークは改良
される反面、現像性の低下、或は現像温度変化による感
度の変動が大きく、例えば低温処理での感度が極度に低
下する。
更に、特公昭50−40665号記載のホスホニウム塩や、
特開昭58−158632号記載のベンゾチアゾール誘導体など
の化合物を用いる方法、更にはハロゲン化銀乳剤の脱塩
に高分子凝集剤を用いる特開昭63−158644号などいづれ
もローラーマークを減少し、耐圧性を改良向上するとし
て開示されている。
しかし、これらの技術も効果を充分にするためには多
量の添加が必要で、多量の使用は減感を招く結果となり
好ましくない。又、高分子凝集剤では高温多湿下でのフ
ィルム保存時に、フィルム同士が“くっつく”などの欠
点を有していた。
このように耐ローラーマーク性、現像性及び現像温度
依存性、更には耐接着性を含めて抜本的な改良が強く望
まれていた。
〔発明の目的〕
従って本発明の第1の目的は、迅速現像処理時の耐ロ
ーラーマーク性を改良し、現像性並びに耐現像温度依存
性の優れたハロゲン化銀写真感光材料を提供することで
ある。
本発明の第2の目的は、高温、高湿下に長時間保存し
てもフィルム同士でのくっつきのない耐接着性を改良し
たハロゲン化銀写真感光材料を提供することである。そ
のための目的は以下の明細から明らかとなる。
〔発明の構成〕
本発明者はハロゲン化銀粒子の現像性について鋭意検
討を行った結果、本発明の目的が以下により達成される
ことを見いだし本発明を成すに至った。即ち、支持体上
に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する
写真感光材料に於いて、該ハロゲン化銀乳剤層を構成す
るハロゲン化銀粒子の少なくとも投影面積で50%が、粒
子の稜又は稜の頂点及び/又はそれらの近傍で現像が開
始されるように制御されたハロゲン化銀粒子から成り、
かつ乳剤層厚の膨潤度が30%以下であることを特徴とす
るハロゲン化銀写真感光材料によって達成される。
以下、本発明について詳述する。
本発明に於いてハロゲン化銀粒子の稜又は稜の頂点或
はそれらの近傍から現像開始されるように制御したハロ
ゲン化銀粒子とは、ハロゲン化銀乳剤を支持体上に塗布
した現像したときの現像開始点より選ばれた粒子をい
う。
具体的方法としては、フィルムに充分な露光を与えて
から現像液に浸漬し現像が開始されたら直ちに取り出し
て5%の氷酢酸水溶液で現像を停止する。次いで暗室内
でフィルムをゼラチン分解酵素を用いて乳剤層を剥離し
遠心分離処理してのち電子顕微鏡で観察し、判定するこ
とができる。
本発明に係る乳剤は、粒子の稜又は稜の頂点及び/又
は粒子の稜の近傍又は粒子の稜の頂点の近傍で現像が開
始されるように制御されたハロゲン化銀粒子を投影面積
として少なくとも50%有しており、好ましくは70%以上
で、より好ましくは80%以上であることが本発明の目的
効果を良好に奏する。
現像開始点を制御したハロゲン化銀粒子の製法及びそ
の観察評価法については例えば特開昭64−77047号記載
の方法を参考にすることができる。
次に本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料の膨潤度
について述べる。
ゼラチンをバインダー主成分とするハロゲン化銀写真
感光材料の親水性コロイド層は、現像処理時にゲル状態
となり元の厚さの数倍まで膨潤するのが一般的である。
現像時のこのような膨潤は、現像処理速度を支配し、液
中に於ける膜の強さ或は吸水量に関係した乾燥性などを
左右する。
本発明の第1の目的である耐ローラーマーク性は、こ
の膨潤度を少さくすることによって向上するが、前述し
た如く硬化剤による乳剤層の硬膜法では膨潤度を抑える
反面、現像性を劣化して高感度高濃度を得ることはでき
ない。
即ち、充分に硬化され膨潤度を制御されていても現像
処理性を劣化しないハロゲン化銀乳剤層の開発が主要因
子となる。
本発明の好ましい態様としては、ハロゲン化銀乳剤層
を構成するハロゲン化銀粒子の少なくとも投影面積で50
%で、粒子の稜又は稜の頂点及び/又はそれらの近傍で
現像が開始されるように制御されたハロゲン化銀粒子か
ら成り、かつ乳剤層厚の膨潤度が300%以下、好ましく
は300〜130%で、より好ましくは280〜150%である。
本発明に於ける膨潤度は次の方法で測定される。
:23℃50%RHで1日調湿後、層厚を測定する。
:21℃の蒸留水に3分間浸漬し、層厚を測定する。
:で測定した層厚とで測定した層厚の百分比から
膨潤度を算出する。
尚上記方法は特開昭58−111933号記載の方法に準じた
法である。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる乳剤
は、沃臭化銀、沃塩化銀、沃塩臭化銀などいずれのハロ
ゲン化銀であってもよいが特に高感度のものが得られる
という点では、沃臭化銀であることが好ましい。
写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方体、8面体、
14面体のような全て等方的に成長したもの、或は球形の
よう多面的な結晶型のもの、面欠陥を有した双晶から成
るもの或はそれらの混合型又は複合型であってもよい。
これらハロゲン化銀粒子の粒径は、0.1μm以下の微粒
子から20μmに至る大粒子であってもよい。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる乳剤
は、公知の方法で製造できる。例えば、リサーチ・ディ
スクロージャー(RD)No.17643(1978年12月)・22〜23
頁の1・乳剤製造法(Emulsion Preparaition and type
s)及び同(RD)No.18716(1979年11月)・648頁に記載
の方法で調製することができる。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料の乳剤は、例
えば、T.H.James著“The theory of the photographic
process"第4版、Macmillan社刊(1977年)38〜104頁に
記載の方法、G.F.Dauffin著「写真乳剤化学」“Photogr
aphic emulsion Chemistry"、Focal press社刊(1966
年)、P.Glafkides著「写真の物理と化学“Chimie et p
hysique photograhique"Paul Montel社刊(1967年)、
V.L.Zelikman他著「写真乳剤の製造と塗布」“Making a
nd coating photographic emulsion"Focal press社刊
(1964年)などに記載の方法により調製される。
即ち、中性法、酸性法、アンモニア法などの溶液条
件、順混合法、逆混合法、ダブルジェット法、コントロ
ールド・ダブルジェット法などの混合条件、コンバージ
ョン法、コア/シェル法などの粒子調製条件及びこれら
の組合せ法を用いて製造することができる。
本発明の好ましい実施態様としては、沃化銀を粒子内
部に局在させた単分散乳剤が挙げられる。ここでいう単
分散乳剤とは、常法により、例えば平均粒子直径を測定
したとき、粒子数又は重量で少なくとも95%の粒子が、
平均粒子径の±40%以内、好ましくは±30%以内にある
ハロゲン化銀粒子である。ハロゲン化銀の粒径分布は、
狭い分布を有した単分散乳剤或は広い分布の多分散乳剤
のいずれであってもよい。
ハロゲン化銀の結晶構造は、内部と外部が異なったハ
ロゲン化銀組成からなっていてもよい。
本発明の好ましい態様としての乳剤は、高沃度のコア
部分に低沃度のシェル層からなる明確な二層構造を有し
たコア/シェル型単分散乳剤である。
本発明の高沃度部の沃化銀含量は20〜40モル%で特に
好ましくは20〜30モル%である。
かかる単分散乳剤の製法は公知であり、例えばJ.Pho
t.Sic.12.242〜251頁(1963)、特開昭48−36890号、同
52−16364号、同55−142329、同58−49938号、英国特許
1,413,748号、米国特許3,574,628号、同3,655,394号な
どの公報に記載されている。
上記の単分散乳剤としては、種晶を用い、この種晶を
成長核として銀イオン及びハライドイオンを供給するこ
とにより、粒子を成長させた乳剤が特に好ましい。尚、
コア/シェル乳剤を得る方法としては、例えば英国特許
1,027,146号、米国特許3,505,068号、同4,444,877号、
特開昭60−14331号などの公報に詳しく述べられてい
る。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、アスペクト
比が5以上の平板状粒子であってもよい。
かかる平板状粒子の利点は、分光増感効率の向上、画
像の粒状性及び鮮鋭性の改良などが得られるとして例え
ば、英国特許2,112,157号、米国特許4,439,520号、同4,
433,048号、同4,414,310号、同4,434,226号などの公報
に記載の方法により調製することができる。
上述した乳剤は、粒子表面に潜像を形成する表面潜像
型或は粒子内部に潜像を形成する内部潜像型、表面と内
部に潜像を形成する型のいずれの乳剤で有ってもよい。
これらの乳剤は、物理熟成或は粒子調製の段階でカドミ
ウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩又は
その錯塩、ロジウム塩又はその錯塩、鉄塩又はその錯塩
などを用いてもよい。乳剤は可溶性塩類を除去するため
にヌーデル水洗法、フロキュレーション沈降法或は限外
濾過法などの水洗方法がなされてよい。好ましい水洗法
としては、例えば特公昭35−16086号記載のスルホ基を
含む芳香族炭化水素系アルデヒド樹脂を用いる方法、又
は特開昭63−158644号記載の凝集高分子剤例示G3,G8な
どを用いる方法が特に好ましい脱塩法として挙げられ
る。
本発明に係る乳剤は、物理熟成又は化学熟成前後の工
程において、各種の写真用添加剤を用いることができ
る。公知の添加剤としては、例えばリサーチ・ディスク
ロージャーNo.17643(1978年12月)及び同No.18716(19
79年11月)に記載された化合物が挙げられる。これら二
つのリサーチ・ディスクロージャーに示されている化合
物種類と記載箇所を次表に掲載した。
本発明に係る感光材料に用いることのできる支持体と
しては、例えば前述のRD.17643の28頁及びRD.18716の64
7頁左欄に記載されているものが挙げられる。
適当な支持体としては、プラスチックフィルムなどで
これら支持体の表面は一般に、塗布層の接着をよくする
ために、下塗層を設けたり、コロナ放電、紫外線照射な
どを施してもよい。そして、このように処理された支持
体上の片面或は両面に本発明に係る乳剤を塗布すること
ができる。
本発明は、ハロゲン化銀写真感光材料のすべてに適用
可能であるが、特に高感度の黒白用感光材料に適してい
る。
医療用X線ラジオグラフィーに本発明を適用する場
合、例えば透過性放射線曝射によって近紫外光ないし可
視光を発生する蛍光体を主成分とする蛍光増感紙が用い
られる。これを本発明の乳剤を両面塗布してなる感光材
料両面に密着し露光することが望ましい。
ここで言う透過性放射線とは、高エネルギーの電磁波
であって、X線及びガンマー線を意味する。
又蛍光増感紙とは、例えばタングステン酸カルシウム
を主とした蛍光成分とする増感紙、或はテルビウムで活
性化された稀土類化合物を主成分とする蛍光増感紙など
をいう。
〔実施例〕
以下本発明の実施例について説明する。但し当然のこ
とではあるが、本発明は以下述べる実施例により限定さ
れるものではない。
実施例1 (A)種晶の調製 60℃ pAg=8、pH=2.0にコントロールしつつ、ダブ
ルジェット法で、平均粒径0.3μmの沃化銀2mol%を含
む沃臭化銀の単分散立方晶粒子を調製した。得られた粒
子を含む反応液を2分割し、それぞれ下記に示すような
脱塩を行い、2種類の種粒子(T−1,T−2)を得た。
−T−1の脱塩方法− 混合終了した反応液に40℃のまま、ナフタレンスルホ
ン酸ナトリウムのホルマリン縮合物化合物(I)のMgSO
4をそれぞれハロゲン化銀1モル当り(以下、添加量は
いづれもハロゲン化銀1モル当りを表す。)15g,60gを
加え、3分攪拌したのち、静置し、デカンテーションに
より過剰な塩を除去する。その後、40℃の純水を2.1
加え、分散させた後、MgSO4を30g加え、3分攪拌した後
静置し、デカンテーションを行った。その次に後ゼラチ
ンを添加し、55℃に保ち、20分攪拌し再分散させ、T−
1を得た。
−T−2の脱塩方法− 混合終了した反応液に、40℃のまま化合物(II)を38
g添加し、3分攪拌した後、KOHを0.13gを添加しpHを4.0
にし静置、デカンテーションを行う。その後40℃の純水
2.1を加えた後、KOH0.25gを加え、pH5.8にして5分攪
拌する。その後、HNO3(1.7N)1.5ccを加え、pH4.3に
し、静置、デカンテーションする。その後、後ゼラチン
とKOH0.2gを加え、pH5.8にし、再分散を行い、T−2を
得た。
(B)比較粒子の調製 上述のT−1,T−2の種晶を用い、次のように粒子を
成長させた。まず、40℃に保たれた保護ゼラチン及び必
要に応じて、アンモニアを含む溶液8.5に、この種晶
(T−2)を溶解させ、更に酢酸によりpHを調製した。
この液を母液として、3.2規定のアンモニア性銀イオン
水溶液をダブルジェット法で添加した。この場合pHとEA
gは沃化銀含有率及び晶癖により随時変化させた。つま
り、pAgを7.3,pHを9.7に制御し、沃化銀含有率35mol%
の層を形成させた。次に粒径の95%までpHを9〜8に変
化させ、pAgは9.2に保ち成長させた。その後臭化カリ溶
液をノズルで8分かけ添加し、pAgを11.0に落とし、そ
の臭化カリ添加終了3分後に混合を終了させた。
次に後記の増感色素を300mgを加え30分攪拌させ
た。
次いで酢酸でpHを6.0に落とした。この乳剤は、平均
粒径0.53μm又粒子全体の沃化銀含有率は均2mol%の単
分散粒子であった。次に、この反応液を2分割し、それ
ぞれ、下記に示すような脱塩方法(イ)、(ロ)の2種
の方法でそれぞれ過剰な可溶塩を除去した。
脱塩方法(イ) 混合終了した反応液に40℃のまま、化合物Iを5.5
g、MgSO48.5gを加え、3分間攪拌した後、静置し、デカ
ンテーションを行う。
40℃の純水1.8を加え、分散させた後、MgSO420g
を加え、3分間攪拌した後、静置、デカンテーションを
行う。
の工程をもう1回繰返す。
後ゼラチン15gと水を加え、450ccに仕上げた後、55
℃で20分間攪拌し、分散させる。
このようにして、乳剤1−1を得た。
脱塩方法(ロ) 混合終了した反応液に40℃のまま化合物IIを50gを
加え、その後56wt%酢酸110ccを加えpHを5.0に落とし静
置、デカンテーションを行う。
40℃の純水1.8を加えた後、KOH6.8gを加えpHを6.
0にし、分散させる。よく分散させた後、56wt%酢酸70c
cを加えpH4.5にし、静置デカンテーションを行う。
の工程をもう一度繰返す。
その後、後ゼラチン15gとKOH1gと水を加え450ccに
仕上げる。
このようにして、乳剤1−2を得た。
又、同様にして、種晶T−1を用いて粒子を成長さ
せ、前述の(イ)の脱塩方法により、乳剤1−3を得
た。
化合物〔I〕 化合物〔II〕 特開昭63−158644号記載の例示化合物G−8 (C)本発明の粒子の調製 乳剤1−1の粒子の調製方法にて、成長後、2Nのチオ
シアン酸カリウム15ccを添加し、更に沃化カリウムを35
0mg添加した。この次に乳剤1−1と同様に増感色素
を300mg添加し、30分攪拌させた後pHを6.0に酢酸で落と
した。このようにして乳剤1−4を得た。
又、この乳剤1−3の成長終了後に、乳剤1−4と同
様にして、チオシアン酸カリウムと沃化カリウムを添加
して、乳剤1−5を得た。
(D)フィルム試料の調製 得られた5種類の乳剤をチオシアン酸アンモニウム塩
化金酸及びハイポを加え、最高感度が得られる条件での
化学熟成を行った。
次いで安定剤として4−ヒドロキシ−6−メチル−1
−3,3a,7−テトラザインデンの適量を加えて乳剤を得
た。
又乳剤の化学増感時に、下記増感色素(A)を乳剤中
の銀1モル当り300mgと、増感色素(B)を15mg添加し
た。
これらの乳剤と後記する保護層用塗布液・下記添加剤
を加えてから下記下引済みのポリエステルフィルム支持
体の両面に、支持体側から乳剤層、保護層の順に2層同
時塗布した後、乾燥して試料を得た。
分光増感色素(A) 分光増感色素(B) 又乳剤液(感光性ハロゲン化銀塗布液)に用いた添加
剤は次のとおりである。添加量はハロゲン化銀1モル当
りの量で示す。
又保護層液に用いた添加物は次のとおりである。添加
量はゼラチン1g当りの量で示す。
尚、支持体は下記の下引層を塗布した。
下引液 グリシジルメタクリレート50wt%、メタクリレート10
wt%、ブタルメタクリレート40wt%の3種のモノマーか
らなる共重合体をその濃度が10wt%になるよう希釈して
得た共重合体水性分散液を厚さ175μmのポリエチレン
テレフタレートフィルム両面に下引層として塗布した。
乳剤層及び保護層の塗布量としては、ゼラチン量が片
面当り3.10g/m2で銀量が片面当り2.0g/m2になるよう均
一塗布した。
尚、本発明に係る感光材料の膨潤度については、前記
の保護層用添加剤としてゼラチン硬化剤であるジ−ビニ
ルスルホニルエーテルの添加量を変化することによっ
て、後掲の表1に示す膨潤度になるよう調整した。
(E)現像開始点の確認 得られたフィルム試料に十分な露光をあたえ、35℃の
下記現像液(I)に、浸漬したのち、直ちに取り出して
1秒後に酢酸溶液に浸漬した。
現像液(I) 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.5g ヒドロキノン 30g 5−ニトロインダゾール 0.25g 臭化カリウム 3.0g 無水亜硫酸ナトリウム 50g 水酸化カリウム 30g 硼酸 10g グルタルアルデヒド 5g 水を加えて全量を1とする。
(pHは10.20に調整した。) 試料を暗室で乾燥させたのち、ゼラチン分解酵素液に
て粒子を剥離し、遠心分離処理して電子顕微鏡用観察サ
ンプルを作成し、透過型電顕にて観察した。
尚、後掲の表1に示す現像開始点とは、使用した乳剤
粒子の現像開始点が粒子頂点の近傍に存在する割合で示
してある。
(F)センシトメトリー 得られた試料を標準光源を用いて露光時間0.1秒、3.2
CMSのノンフィルター露光をフィルム両面に同一光量と
なるよう露光した。続いてSRX−501自動現像機を用いて
XD−SR現像液(いずれもコニカ(株)製)で31℃,34℃,
37℃に温度を変えて45秒の処理を行いセンシトメトリー
を行った。
表中の感度は、黒化濃度が1.0だけ増加するに必要な
光量の逆数を求め、各試料の34℃で処理したときの感度
を100としたときの相対感度で表した。
(G)ローラーマークの評価 現像時に自動現像機のローラーによる圧力マークを以
下のようにして評価した。
試料を露光しないで対向式ローラーを有する凹凸の強
い特別のローラーを用い、上述のセンシトメトリーに用
いた現像液で45秒の現像を行った。現像後のローラーマ
ークを以下の5段階法で評価した。
5:ローラーマークの発生なし 4:ごく僅かに発生あり 3:やや発生あり(但し実用許容範囲内) 2:発生が多い(実用許容範囲外) 1:発生が非常に多い( 〃 ) (H)膨潤度の測定 各試料を23℃、50%RHで1日調湿し、親水性コロイド
層の厚みを測定する。
次に21℃の蒸留水中に3分浸漬後、層の厚みを測定す
る。得られた2つの測定値からその割り合いを膨潤度と
する。
(I)耐接着性テスト 各試料を温度23℃、RH70%下で2時間調湿し、50g/cm
2の加重をかけて乳剤保護層どうしを接したまま密閉
し、50℃3日間保温する。
試料をとり出して接着面をひきはがし、全面積中の接
着面積の割合を測定して下記の様に評価A〜Dランクに
分けた。
A…接着面積比が 0〜 5%(良) B… 〃 5〜25% C… 〃 25〜50% D… 〃 50%以上 こうして評価したA〜Dランクを表1に示した。
(J)ハンドリングテスト 各試料を温度23℃、70%RH下で2時間調湿したのち、
試料をじかに指でさわり、その後、これを濃度1.0にな
るように露光し、前述と同様の現像処理をする。得られ
た試料についた指紋の跡を目視で評価した。評価は以下
のようにした。
A:指紋の跡がない B: 〃 ごくわずかにわかる C: 〃 はっきりとわかる 得られた結果を表1に示す。表1からわかるように、
乳剤1−4,1−5はその大半の粒子が頂点の近傍に現像
開始点があることがわかる。
以上のように本発明の試料2−6,2−7,2−8,2−9は
ローラーマーク性がよく、かつ、処理温度依存性、耐接
着性が改良されていることがわかる。
更に、ハンドリングによる指紋跡がつきにくいという
効果も得られた。
実施例2 乳剤No.3−1の調製 水1中に臭化カリ5g、沃化カリ0.05g、ゼラチン3.0
g、チオエーテルHO(CH22S(CH22S(CH22OHの5
%水溶液2.5ccを添加し75℃に保った溶液中へ、攪拌し
ながら硝酸銀8.33gの水溶液と、臭化カリ5.94g、沃化カ
リ0.726gを含む水溶液とをダブルジェット法により45秒
間で添加した。続いて臭化カリ2.5gを添加したのち、硝
酸銀8.33gを含む水溶液を7分30秒かけて、添加終了時
の流量が添加開始時の2倍となるように添加した。引き
続いて硝酸銀153.34gの水溶液と臭化カリの水溶液を、
電位をpAg8.1に保ちながらコントロールダブルジェット
法で25分間で添加した。この時の流量は添加終了時の流
量が、添加開始時の流量の8倍となるよう加速した。添
加終了後2Nのチオシアン酸カリウム溶液15ccを添加し、
更に1%の沃化カリ水溶液50ccを30秒かけて添加した。
このあと温度を35℃に下げ、沈降法により可溶性塩類を
除去したのち、40℃昇温してゼラチン68gとフェノール2
g、トリメチロールプロパン7.5gを添加し、苛性ソーダ
と臭化カリによりpH6.40、pAg8.45に調整した。
温度を56℃に昇温したのち、下記構造の増感色素を73
5mg添加した。10分後にチオ硫酸ナトリウム5水和物8.2
mg、チオシアン酸カリ163mg、塩化金酸5.4mgを添加し、
5分後に急冷して固化させた。得られた乳剤は全粒子の
投影面積の総和の93%がアスペクト比3以上の粒子から
なり、アスペクト比2以上のすべての粒子についての平
均の投影面積直径は0.83μm、標準偏差18.5%、厚みの
平均は0.161μmでアスペクト比は5.16であった。
乳剤No.3−2の調製 乳剤3−1と同様に調製したが、コントロールダブル
ジェット終了後のチオシアン酸カリウム溶液の添加をや
めた。他の部分はすべて同様におこなった。
乳剤No.3−3の調製 pH6.4,pAg8.4に調整するところまでは、乳剤3−1と
同様におこなった。このあと56℃に昇温したのち、チオ
硫酸ナトリウムと塩化金酸を乳剤Aと同量添加した。5
分後では、ほとんど感度が上昇していなかったので、感
度/カブリ比が最適となるよう100分間56℃に保った。
このあと56℃のまま、乳剤Aと同じ増感色素735mgを添
加して10分後に急冷固化させた。
下塗り層の調製 実施例1で用いたと同様の下引済みの厚さ175μmを
有したポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に下
記を含む下塗り液を塗布し、下塗り層とした。
次いで実施例1と同様に支持体上の両面に乳剤層と保
護層を重層塗布し試料を得た。
尚、乳剤層中には実施例1の添加剤のほかに2,6−ビ
ス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミノ−1,3,5
−トリアジンを(AgX1モル当り)80mgとポリアクリル酸
ナトリウム(平均分子量4.1万)を4.0g加えた。
又、保護層中にも実施例1のほかにポリアクリル酸ナ
トリウム(平均分子量4.1万)を保護膜中のゼラチン1g
当り2gとデキストラン(平均分子量4.0万)を同じく保
護膜中のゼラチン1g当り1gを加えた。
得られた試料は、塗布量として片面当りそれぞれゼラ
チンが2.6g/m2、デキストランが0.8g/m2で、銀量は1.95
g/m2になるよう塗布した。
又、膨潤度については、ゼラチン硬化剤として1,2−
ビス(スルホニルアセトアミド)エタンを保護層中に用
いて後掲の表1に示す膨潤度になるよう添加した。
得られた試料についてセンシトメトリーの測定は実施
例1と同様に行った。但し現像処理は富士フィルム
(株)製のFPM−9000を用いRD−7現像液で温度37℃,34
℃,31℃の各温度で45秒処理した。
膨潤度、現像開始点、ハンドリングテスト、ローラー
マーク性テストは、実施例1と同じようにした。結果を
表2に示す。
表2からも明らかなように本発明に係る試料はローラ
ーマーク性に優れ、かつ処理温度依存性も少なく、又、
ハンドリングテストにおいても良好な結果が得られてい
る。
〔発明の効果〕
本発明により、現像時のローラーマークの発生とフィ
ルムの保存時に於けるフィルム同士のクッツキなどのな
い高物性のハロゲン化銀写真感光材料が得られた。
更に、写真性能上からも、現像温度変化による変動が
少なく優れた特性を有したハロゲン化銀写真感光材料が
得られた。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 1/035 G03C 1/30

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に少なくとも1層の感光性ハロゲ
    ン化銀乳剤層を有する写真感光材料に於いて、該ハロゲ
    ン化銀乳剤層を構成するハロゲン化銀粒子の少なくとも
    投影面積で50%が、粒子の稜又は稜の頂点及び/又はそ
    れらの近傍で現像が開始されるように制御されたハロゲ
    ン化銀粒子から成り、かつ乳剤層厚の膨潤度が300%以
    下であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
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