JP2613397B2 - 高速処理可能なハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

高速処理可能なハロゲン化銀写真感光材料

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JP2613397B2 JP62230710A JP23071087A JP2613397B2 JP 2613397 B2 JP2613397 B2 JP 2613397B2 JP 62230710 A JP62230710 A JP 62230710A JP 23071087 A JP23071087 A JP 23071087A JP 2613397 B2 JP2613397 B2 JP 2613397B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はハロゲン化銀写真感光材料に関し、更に詳し
くは、高速処理可能なハロゲン化銀写真感光材料に関す
る。
〔発明の背景〕
近年、ハロゲン化銀写真感光材料の消費量は、増加の
一途をたどっている。このため、ハロゲン化銀写真感光
材料の現像処理枚数が増加し、一層の現像処理の迅速
化、つまり同一時間内での処理量を増加させることが要
求されている。
上記の傾向は、X線感光材料例えば医療用X線フィル
ムの分野でも見受けられる。即ち、定期健康診断の励行
などにより診断回数が急増すると共に、診断を一層正確
なものとするために検査項目が増加し、X線写真撮影枚
数が増加している。
一方、診断結果を出来るだけ早く受診者に知らせる必
要もある。即ち、従来よりも迅速に現像処理して診断に
供する要望が強い。特に血管造影撮影、術中撮影等は本
質的に少しでも短時間で写真を見る必要がある。
上記の医療界の要望を満たすには、診断の自動化(撮
影、搬送など)を促進すると共に、X線フィルムを一層
迅速に処理する必要がある。
しかし超迅速処理を行うと、(a)濃度が充分でない
(感度、コントラスト及び最高濃度の低下)、(b)定
着が充分に行われない、(c)フィルムの水洗が不充分
である、(d)フィルムの乾燥が不充分である等の問題
を生ずる。そして定着不足や水洗不足はフィルム保存中
に色調が変化し、画質を低下させる原因になる。
これらの問題を解決する一つの手段はゼラチン量を減
らすことである。
フィルム中のゼラチン量のみを減量すると、フィルム
の単位面積当たりのゼラチン量に対するハロゲン化銀粒
子の比、即ち銀量/ゼラチン量は増加する。一般に、銀
量/ゼラチン量が増加すると、各種の問題が発生する。
特に、粒状性の劣化が顕著である。これは、現像液の
浸透、拡散が早くなるため、現像が活性となり、現像銀
が粗大となる事に起因すると考えられる。
従来は、この為に銀量/ゼラチン量比を大きくする事
ができず、ゼラチンを減量する事はできなかった。従っ
て超迅速処理に適した感光材料は得難かったものであ
る。
上記の如く超迅速処理が望まれているわけであるが、
本明細書でいう超迅速処理とは、自動現像機にフィルム
の先端を挿入してから現像槽、渡り部分、定着槽、渡り
部分、水洗槽、渡り部分、乾燥部分を通過してフィルム
の先端が乾燥部分から出て来るまでの全時間〔換言すれ
ば処理ラインの全長(m)をライン搬送速度(m/sec.)
で割った商(sec.)〕が20秒以上60秒未満である処理を
言う。
ここで渡り部分の時間を含めるべき理由は、当業界で
はよく知られていることであるが、渡り部分に於いて
も、その前のプロセスの液がゼラチン膜中に膨潤してい
る為に実質上処理工程が進行しているとみなせる為であ
る。
特公昭51-47045号には、迅速処理におけるゼラチン量
の重要性の記載があるが、処理時間は渡り部分も含めた
全処理時間が60秒〜120秒である。しかし、この処理時
間では近年の超迅速処理の要請は満足できない。
〔発明の目的〕
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、本発明の
目的は、高速処理例えば超迅速処理を行った場合にも粒
状性が良好で、画質の良い画像が得られ、よって迅速処
理にも好適に用いることができる感光材料を提供するこ
とにある。
〔発明の構成〕
本発明の上記目的は、支持体の少なくとも一方の側に
少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有するハ
ロゲン化銀写真感光材料において、前記感光性ハロゲン
化銀乳剤層を構成するハロゲン化銀粒子が内部核と被覆
層とからなり、該内部核のヨウ化銀含有率が40モル%以
下、かつ内部核と被覆層とのハロゲン組成が異なるハロ
ゲン化銀粒子であり、感光性ハロゲン化銀乳剤層を有す
る側の写真構成層の銀量(重量)/ゼラチン量(重量)
が0.229〜2.25の範囲にあり、かつ、該写真構成層中の
カルシウム含有量かゼラチンの量に対して20000ppm以下
であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料によ
って、達成される。
従来は、銀量/ゼラチン量を0.229以上2.25以下の程
度にすると、画像の粒状性の劣化が著しかったのである
が、本発明の如く写真構成層中のカルシウムイオンの含
有量をコントロールすると、ゼラチン量を減少しても、
粒状性の劣化を抑えるようにすることができるのであ
る。これは本発明者により得られた知見に基づくもので
あるが、予測し難い予想外のことであった。
本発明の効果は、迅速処理で特に顕著であり、本発明
は迅速処理に適するフィルムを提供するに、非常に有効
な技術であるということができる。
即ち本発明の好ましい実施の態様として、本発明の感
光材料を全処理時間20秒以上60秒未満である自動現像処
理機の処理用に供されるものとする態様を挙げることが
できる。
なおゼラチンに対するカルシウム含有量についての従
来技術としては、特開昭62-131248号、同62-6251号各公
報に記載のものがあるが、前者はゼラチンの防腐・防黴
に関する技術で、本発明とは技術の立脚点を全く異にし
ている。また後者は増感に関する技術であり、銀量/ゼ
ラチン量が小さく、感度及び迅速処理性が充分ではな
い。なお後者の技術は色素画像に関するものであるが、
銀画像を与える感光材料には必ずしも有効と言えないと
思われる。
以下本発明について、更に詳述する。
本発明の感光材料は、感光性乳剤層が支持体の両面に
ある両面感光材料に適用しても、片面のみにある片面感
光材料に適用してもよい。
本発明の感光材料に用いられるゼラチン量は、片面当
たり好ましくは1〜6g/m2が良いが、超迅速に用いられ
る場合には、乾燥性の問題から、1〜4g/m2がより好ま
しい。更に好ましくは、2.0〜3.5g/m2の範囲にあること
である。
本発明に用いられるハロゲン化銀の銀量は任意である
が、片面で0.8〜4.5g/m2であることが好ましい。
本発明の感光材料は、感光性ハロゲン化銀乳剤層を有
する側の写真構成層のカルシウム分含有量が、同層のゼ
ラチンの総量の3万ppm以下である。
写真構成層中のカルシウム分は、ゼラチンの製造時に
ゼラチン中に含有されることにより写真構成層中に含有
されるもの及び/または別途添加されるものがある。
一般に写真用ゼラチンは、牛皮、牛骨、豚皮中のコラ
ーゲンからつくられ、それぞれはハイド(hide)、オセ
イン(ossein)、それにピッグスキン(pigskin)ゼラ
チンと呼ばれ、またゼラチン中に含まれる写真的に活性
な成分及び抑制する成分の大小により、増感型ゼラチ
ン、抑制型ゼラチン、不活性ゼラチンと呼称されてい
る。
本発明に使用されるゼラチンは、石灰処理ゼラチンで
も、酸処理ゼラチンでもよく、任意である。
例えばオセインゼラチンは、牛の骨を原料としてお
り、一般的に数回行われる抽出のうち、最初に抽出(一
番抽出)されるものが高物性で、ゼリー強度も300以上
のものが抽出されるが、主原料の牛骨の1/2以上を占め
る無機分のほとんどがリン酸カルシウムである。これを
希塩酸により可溶性のリン酸二水素カルシウムにして溶
出させると後に不溶性コラーゲンを主成分とするオセイ
ンゼラチンが残る。リン酸カルシウムを完全に除く希塩
酸処理において、長時間処理すると必要なオセインの加
水分解が進むので最適な所で処理が行われる。また抽出
されたオセインゼラチンは更に不純物を除去する為に、
イオン交換処理、H2O2処理等の後処理を施してもよい。
ゼラチン中のカルシウムの定量は、一般的に公知な方
法、例えば原子吸光法で簡易に定量できるので、処理し
た場合の含有量の調節程度は容易に判断できる。
カルシウム含有量は30000ppm以下であればよいが、好
ましくは20000ppm以下である。カルシウム分の含有量は
ゼラチンの製造条件のコントロールにより調整すること
ができる。例えば水洗水のpHの調整、抽出時のpHの調整
等により、所望の含有量にすることができる(ゼラチン
の製造条件については日本にかわ・ゼラチン工業組合発
行「にかわとゼラチン」昭和62年1月31日発行を参
照)。
あるいは、カルシウム分を添加することにより調整で
き、例えばカチオン処理アニオン処理を施した後にカル
シウムの無機塩の形で、ゼラチンに添加しても良い。添
加する化合物としては、硝酸カルシウム、塩化カルシウ
ム等が適する。本発明において、ゼラチンは、写真感光
材料製造時の任意の時点で用いることができる。
ゼラチンの製法の詳細はアーサー・ヴアイス著、ザ・
マクロモレキュラー・ケミストリー・オブ・ゼラチン、
(アカデミック・プレス、1964年発行)に記載がある。
ゼラチンは、他の親水性コロイドと可能な範囲で併用
してよい。
併用できる親水性コロイドとしては、ゼラチン誘導
体、酵素処理型ゼラチン、親水性合成高分子物質(例え
ばビニル重合体、スチレン、無水マレイン酸共重合体、
スチレン、無水マレイン酸とポリビニルアルコールの縮
合物、スチレン・マレイン酸共重合体とアクリルアミド
の共重合体またはブレンド粗成物、アクリル酸共重合体
等)、天然高分子物質(例えばコロイド状アルブミン、
カゼイン、セルロース誘導体、寒天、アルギン酸ナトリ
ウム、デキストラン、アラビアゴム、澱粉誘導体等)な
どの親水性結合剤をはじめ、特開昭50-11023のゼラチン
とアクリル酸のグラフト重合物等も用いることができ
る。
ゼラチンは、パギー法においてゼリー強度200以上の
ものを感光性乳剤層に用いることが好ましい。
本発明の感光材料は、高速処理に適し、例えば超迅速
処理に供した場合も、前述した問題点を生ずることな
く、すぐれた写真が得られるものである。
本発明の好ましい実施の態様にあっては、本発明の感
光材料は処理時間が20以上60秒未満である自動現像機で
処理される。
即ち、本明細書でいう超迅速処理とは、自動現像機に
フィルムの先端を挿入してから現像槽、渡り部分、定着
槽、渡り部分、水洗槽、渡り部分、乾燥部分を通過して
フィルムの先端が乾燥部分から出て来るまでの全時間
〔換言すれば、処理ラインの全長(m)をライン搬送速
度(m/sec.)で割った商(sec.)〕が、20秒以上60秒未
満である処理を言う。ここで渡り部分の時間を含めるべ
き理由は、当業界ではよく知られていることであるが、
渡り部分に於いてもその前のプロセスの液がゼラチン膜
中に膨潤している為に実質上処理工程が進行していると
見なせる為である。
本発明において、感光性ハロゲン化銀乳剤層を構成す
るハロゲン化銀粒子は、内部核と被覆層とからなり、該
内部のヨウ化銀含有率が40モル%以下、かつ内部核と被
覆層とのハロゲン組成が異なるハロゲン化銀粒子であ
る。
本発明に用いるハロゲン化銀粒子として好ましい粒子
としては、多層構造を有したハロゲン化銀粒子からなる
ハロゲン化銀写真乳剤を用い、該ハロゲン化銀粒子の任
意の隣接するそれぞれ均質なヨード分布を有する2層
(被覆層間または、内部核と被覆層との間)の平均ヨー
ド含有率の差が10モル%以下である感光性ハロゲン化銀
粒子を用いることである。
更に、最表層の平均ヨード含有率が10モル%以下であ
り、かつ該ハロゲン化銀粒子を化学増感することが好ま
しい。
ここで多層構造を有した粒子は内部核の外側に任意の
ハロゲン組成からなる被覆層を設けたものであり、この
被覆層は1層だけであってもよいし、2層以上、例えば
3層、4層と積層されていてもよい。好ましくは5層以
下である。
内部核及び被覆層のハロゲン化銀としては、臭化銀、
沃臭化銀、沃化銀が好ましく用いられるが、少量の塩化
銀との混合物であってもよい。具体的には、塩化銀を10
モル%程度以下、好ましくは5モル%程度以下に含有し
てもよい。
また、最表層は実質的に臭化銀もしくは実質的に沃臭
化銀(ヨード含有率10%以下)であるのが好ましく、数
%未満の塩素原子を含んでいてもよい。
ハロゲン化銀粒子全体での平均ヨード含量は10モル%
以下が好ましく、6モル%以下がより好ましい。
例えばXray感光材料等においては、ヨードは現像抑制
や伝染現像等の問題を大きくすることがあるため、実質
的にはヨードの含有率は一定程度以下にすることが好ま
しい。いかなる場合にも本発明により圧力カブリを減少
する効果がもたらされるが、かかる理由により全ヨード
含有率は粒子全体で10モル%以下が好ましく、7モル%
以下がより好ましく、5モル%以下が最も好ましい。
内部核が沃臭化銀からなる場合、均質な固溶相である
ことが好ましい。
ここで均質であるとは、より具体的には以下のように
説明できる。
すなわち、ハロゲン化銀粒子の粉末のX線回析分析を
行った時、Cu-KβX線を用いて沃臭化銀の画指数〔20
0〕のピークの半値幅がΔ2θ=0.30(deg)以下である
ことを意味する。なお、このときのデイフラクトメータ
ーの使用条件は、ゴニオメーターの走査速度をω(deg/
min)、特定数をτ(sec)、レシービングスリット幅を
r(mm)としたときにωτ/r≦10である。
内部核のハロゲン組成としては、沃素の平均含有率は
40モル%以下であるが、より好ましくは0〜20モル%で
ある。
隣接する2層(任意の2層の被覆相もしくは被覆層と
内部核)の沃化銀含有率の差は10モル%以上であること
が好ましく、更に好ましくは20モル%以下であり、特に
好ましくは25モル%以上である。
また最表被覆層以外の被覆層の沃化銀含有率として
は、好ましくは10モル%〜100モル%である。
ハロゲン化銀粒子が3層以上からなり、かつ被覆層が
沃臭化銀からなる場合、それらは必ずしもすべて均質で
あることは必要ではないが、すべての層が均質な沃臭化
銀であることが好ましい。
このようなヨード含有率の高い被覆層(または内部
核)はネガ型ハロゲン化銀乳剤の場合は、最表面以下に
存在することが好ましい。またポジ型ハロゲン化銀乳剤
の場合は内部にあっても表面にあってもよい。
最表被覆層の沃化銀含有率は10モル%以下であること
が好ましく、更に好ましくは0〜5モル%である。
本発明の実施において用いられるハロゲン化銀粒子の
内部核及び被覆層のヨード含量については、例えばJ.I.
ゴールドシュタイン(Goldstein)、D.B.ウィリアムズ
(Williams)「TEM/ATEMにおけるX線分析」スキャンニ
ング・エレクトロン・マイクロスコピィ(1977)、第1
巻(IIT リサーチ・インステイテュート)、第651頁
(1977年3月)に記載された方法によって求めることも
できる。
本発明の実施に際して用いられるハロゲン化銀粒子と
して、例えば2層からなる場合には、内部核の方が最表
層より高ヨードとなることが好ましく、3層からなる場
合には最表層以外の被覆層もしくは内部核の方が最表層
より高ヨードとなることが好ましい。
本発明は、化学増感されているハロゲン化銀粒子につ
いて好ましく適用できる。
本発明で用いるハロゲン化銀粒子は、ポジ型であって
もネガ型であってもよい。
ネガ型である場合、化学増感の程度は光学濃度におい
て「カブリ+0.1」の感度点をとった場合の最適増感度
の60%以上になるように化学増感をほどこすことが好ま
しい。
ポジ型である場合、化学増感の程度は光学濃度におい
て「最高濃度−0.1」の感度点をとった場合に、最高増
感度の60%以上になるように粒子内部に化学増感をほど
こすことが好ましい。
本発明で用いるハロゲン化銀粒子の平均粒径サイズ
は、等しい体積の球に換算したときの直径の長さを粒子
サイズとし、その平均値で表す。
粒径は遠心分離型ストークス径測定器で求めることが
でき、また電子顕微鏡で測定することができる。
本発明において、ハロゲン化銀乳剤層に使用されるハ
ロゲン化銀乳剤粒子の平均粒径は好ましくは0.20〜2.50
μm、より好ましくは0.30〜1.30μm、最も好ましくは
0.30〜1.10μmである態様を挙げることができる。
用いられる粒子の粒子サイズ分布は、狭くても広くて
もいずれでもよい。
また、写真乳剤中のハロゲン化銀粒子の粒子サイズ分
布は任意であるが、単分散であってもよい。ここで単分
散とは、95%の粒子が数平均粒子サイズの±60%以内、
好ましくは40%以内のサイズに入る分散系である。ここ
で数平均粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子の投影面積
径の数平均直径である。
写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、
14面体、12面体のような規則的(regular)な結晶体を
有するものでもよく、また球状、板状などのような変則
的(irregular)な結晶形をもつもの、あるいはこれら
の結晶形の複合形をもつものでもよい。種々の結晶形の
粒子の混合から成ってもよい。
また、例えばPbOのような酸化物結晶と塩化銀のよう
なハロゲン化銀結晶を結合させた、接合型ハロゲン化銀
結晶、エピタキシャル成長をさせたハロゲン化銀結晶
(例えば臭化銀上に塩化銀、沃臭化銀、沃化銀等をエピ
タキシャルに成長させる。)、六方晶形、正八面体沃化
銀に正六面体の塩化銀が配向重複した結晶などでもよ
い。
また、粒子の直径がその厚みの5倍以上の超平板のハ
ロゲン化銀粒子が全投影面積の50%以上を占めるような
乳剤を使用してもよい。詳しくは、特開昭58-127921、
同58-113927などの明細書に記載されている。
なお上記でいう規則正しい粒子とは、ハロゲン化銀粒
子の重量または粒子数で少なくとも80%が規則正しい形
であるハロゲン化銀乳剤をいう。また、構造または形態
が規則正しいハロゲン化銀粒子とは,双晶面等の異方的
成長を含まず、全て等方的に成長する粒子を意味し,例
えば立方体、14面体、正8面体、12面体、球型等の形状
を有する。かかる規則正しいハロゲン化銀粒子の製法
は、例えばジャーナル・オブ・フォトグラフィック・サ
イエンス(J.Phot.Sci.),5,332(1961)、ベリヒテ・
デル・ブンゼンゲス・フィジー ク・ヘミ(Ber.Bunsen
ges.Phys.Chem.),67,949(1963)、インターナショナ
ル・コングレス・オブ・フォトグラフィック・サイエン
ス・オブ・トウキョウ(Intern.Congress Phot.Sci.Tok
yo(1967)等に記載されている。かかる規則正しいハロ
ゲン化銀粒子は、同時混合法を用いてハロゲン化銀粒子
を成長させる際の反応条件を調節することにより得られ
る。かかる同時混合法においては、ハロゲン化銀粒子
は、保護コロイドの水溶液中へ激しく攪拌しつつ、硝酸
銀溶液とハロゲン化物溶液とをほぼ等量ずつ添加するこ
とにより作られる。
本発明の実施に際しては例えば上記の如き規則正しい
ハロゲン化銀粒子を含有させる場合、規則正しくないハ
ロゲン化銀粒子を含ませることが可能である。しかしな
がら、このような粒子が存在する場合には、一般にそれ
らは重量または粒子数で約50%以上でない方がよい。好
ましい実施態様では、少なくとも約60乃至70重量%が規
則正しいハロゲン化銀粒子からなる。
単分散乳剤及び/または規則正しいハロゲン化銀粒子
を有する乳剤の製造にあたっては、銀イオン及びハライ
ドイオンの供給は、結晶粒子の成長に伴って、既存結晶
粒子を溶失せず、また逆に新規粒子の発生、成長を許さ
ない、既存粒子のみの成長に必要十分なハロゲン化銀を
供給する臨界成長速度、あるいはその許容範囲におい
て、成長速度を連続的にあるいは段階的に逓増させるこ
とが好ましい。この逓増方法としては、特公昭48-36890
号、撓52-16364号、特開昭55-142329号公報に記載され
ている。
換言すれば、銀イオン及びハライドイオンの供給速度
は、ハロゲン化銀粒子の成長速度が臨界成長速度の30〜
100%になるように供給することが有効である。
この臨界成長速度は、温度pH、pAg、攪拌の程度、ハ
ロゲン化銀粒子の組成、溶解度、粒径、粒子間距離、晶
癖、あるいは保護コロイドの種類と濃度等によって変化
するものではあるが、液相中に懸濁する乳剤粒子の顕微
鏡観察、濁度測定等の方法により、実験的に容易に求め
ることができる。
特公昭41-2086号に記載された内部潜像型ハロゲン化
銀粒子と表面潜像型ハロゲン化銀粒子とを組合せて用い
ることもできる。
本発明の実施において、そのハロゲン化銀乳剤中に用
いるハロゲン化銀粒子は、例えば、T.H.James著、ザ・
セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス
(The Theory of the Photographic Process)、第4
版、Macmillan社刊(1977年)、P.Glfkides著、ヘミー
・エ・フィジーク・フォトグラフィーク(Chimie et Ph
ysigue Photographigue(Paul Montel社刊、1967年)、
G.F.Duffin著、フォトグラフィック・エマルジョン・ケ
ミストリイ、(Photographic Emulsion Chemistry)(T
he Focal Press刊、1966年)、V.L.Zelikmanet al著、
メイキング・アンド・コーティング・フォトグラフィッ
ク・エマルジョン(Making and Coating Photographic
Emulsion)、(The Focal Press刊、1964年)などの文
献に記載されている中性法、酸性法、アンモニア法、順
混合法、逆混合法、ダブルジェット法、コントロールド
・ダブルジェット法、コンヴァージョン法、コア/シェ
ル法などの方法を適用して製造することができる。
またダブルジェット法の別の形式として異なる組成の
可溶性ハロゲン塩を各々独立に添加するトリプルジェッ
ト法(例えば可溶性銀塩と可溶性臭化塩と可溶性沃素
塩)も用いることができる。
粒子を銀イオン過剰の下において形成させる方法(い
わゆる逆混合法)を用いることもできる。同時混合法の
一つの形式としてハロゲン化銀の生成される液相中のpA
gを一定に保つ方法、すなわちいわゆるコントロールド
・ダブルジェット法を用いることもできる。
この方法によると、結晶形が規則的で粒子サイズが均
一に近いハロゲン化銀乳剤がえられる。
ハロゲン化銀粒子の形成時には粒子の成長をコントロ
ールするためにハロゲン化銀乳剤として例えばアンモニ
ア、ロダンカリ、ロダンアンモン、チオエーテル化合物
(例えば米国特許第3,271,157号、同第3,574,628号、同
第3,704,130号、同第4,297,439号、同第4,276,374号、
など)、チオン化合物(例えば特開昭53-144,319号、同
第53−82,408号、同第55-77,737号など)、アミン化合
物(例えば特開昭54-100,717号など)などを用いること
ができる。なかでもアンモニアが好ましい。
別々に形成した2種以上のハロゲン化銀乳剤を混合し
て用いてもよい。
またこれらのハロゲン化銀粒子またはハロゲン化銀乳
剤中には、イリジウム、タリウム、パラジウム、ロジウ
ム、亜鉛、ニッケル、コバルト、ウラン、トリウム、ス
トロンチウム、タングステンプラチナの塩(可溶性塩)
の内、少なくとも1種類が含有されるのが好ましい。そ
の含有量は、好ましくは1モルAgあたり10-6〜10-1モル
である。特に好ましくは、タリウム、パラジウム、イリ
ジウムの塩の内の少なくとも1種類が含有されることで
ある。これらは単独でも混合しても用いられ、その添加
位置(時間)は任意である。これにより、閃光露光特性
の改良、圧力減感の防止、潜像退光の防止、増感その他
の効果が期待される。
沈澱形成後あるいは物理熟成後の乳剤から可溶性塩類
を除去するためにはゼラチンをゲル化させて行うヌーデ
ル水洗法を用いてもよく、また無機塩類、アニオン性界
面活性剤、アニオン性ポリマー(例えばポリスチレンス
ルホン酸)、あるいはゼラチン誘導体(例えばアシル化
ゼラチン、カルバモイル化ゼラチンなど)を利用した沈
降法(フロキュレーション法)を用いてもよい。可溶性
塩類除去の過程は、省略してもよい。
ハロゲン化銀乳剤は、化学増感しても、しなくてもよ
いが、化学増感することが好ましい。化学増感のために
は、例えばH.Frieser編ディー・グルンドラーゲン・デ
ル・フォトグラフィッシェン・フロッエセ・ミット・ジ
ルベルハロゲニーデン(Die Grundlagen der Photograp
hischen Prozesse mit Silberhalogeniden)、アカデミ
ッシェ フェアラーゲ セルシャフト(Akademische Ve
rlagaesellschaft)1968年、675〜734頁に記載の方法を
用いることができる。
すなわち、活性ゼラチン銀と反応し得る硫黄を含む化
合物(例えば、チオ硫酸塩、チオ尿素類、メルカプト化
合物類、ローダニン類)を用いる硫黄増感法;環元性物
質(例えば、銀−すず塩、アミン類、ヒドラジン誘導
体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物)を用
いる環元増感法;貴金属化合物(例えば、金錯塩のほ
か、Pt,Ir,Pdなどの周期律表VIII族の金属の錯塩)を用
いる貴金属増感法などを単独または組み合わせで用いる
ことができる。
これらの具体例は、硫黄増感法については、米国特許
第1,574,944号、同第3,410,689号、同第2,278,947号、
同第2,728,668号、同第3,656,955号等、環元増感法につ
いては米国特許第2,983,609号、同第2,419,974号、同第
4,054,458号等、貴金属増感法については米国特許第2,5
99,083号、同第2,448,060号、英国特許第618,061号等の
各明細書に記載されている。
増感色素は単独に用いてもよいが、それらの組合わせ
を用いてもよく、増感色素の組合わせは特に、強色増感
の目的でしばしば用いられる。
その代表例は米国特許2,688,543号、同2,977,229号、
同5,397,060号、同3,322,052号、同5,327,601号、同3,6
17,293号、同5,636,960号、同3,666,450号、同3,272,89
8号、同3,679,428号、同3,703,377号、同3,769,301号、
同3,814,609号、同3,537,562号、同4,026,707号、英国
特許1,344,281号、同1,207,503号、特公昭45-4536号、
同53-12373号、特開昭53-110615号、同53-109923号に記
載されている。
増感色素とともに、それ自身分光増感作用をもたない
色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であっ
て、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。
例えば、含有窒素異節環基で置換されたアミノスチル
ベン化合物(例えば米国特許5,533,590号、同3,638,721
号に記載のもの)、芳香族有機酸ホルムアルデヒド縮合
物(例えば米国特許3,743,510号に記載のもの)、カド
ミウム塩、アザインデン化合物などを含んでもよい。米
国特許5,615,615号、同3,615,641号、同5,617,295号、
同3,635,921号に記載の組合わせは特に有効である。
本発明に用いられる写真乳剤には、感光材料の製造工
程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防止し、ある
いは写真性能を安定化させる目的で、種々の化合物を含
有させることができる。すなわちアゾール類、例えばベ
ンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾール類、ニトロベ
ンズイミダゾール類、クロロベンズイミダゾール類、ブ
ロモベンズイミダゾール類、メルカプトチアゾール類、
メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプトベンズイミ
ダゾール類、メルカプトチアジアゾール類、アミノトリ
アゾール類、ベンゾトリアゾール類、ニトロベンゾトリ
アゾール類、メルカプトテトラゾール類(特に1−フエ
ニル−5−メルカプトテトラゾール)など;メルカプト
ピリミジン類;メルカプトトリアジン類;例えばオキサ
ドリンチオンのようなチオケト化合物;アザインデン
類、例えばトリアザインデン類、テトラアザインデン類
(特に4−ヒトロキシ置換(1,3,3a,7)テトラアザイン
デン類)、ペンタアザインデン類など;ベンゼンチオス
ルフォン酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフォ
ン酸アミド等のようなカブリ防止剤または安定剤として
知られた、多くの化合物を任意に加えることができる。
詳しくは、E.J.Birr著、スタビライゼイション・オブ
・フォトグラフィック・シルバー・ハライド・エマルジ
ョンズ(Stabilization of Photographic Silver Halid
e Emulsions)、Focal Press、1974年等を参照すればよ
い。
使用できる化合物は、例えば米国特許第2,131,038号
や、同第2,694,716号などで記載されているチアゾリウ
ム塩;米国特許第2,886,437号や同第2,444,605号などで
記載されているアザインデン類:米国特許第3,287,135
号などに記載されているウラゾール類:米国特許第3,23
6,632号などで記載されているスルホカテコール類:英
国特許第623,448号などで記載されているオキシム類:
米国特許第2,403,927号、同第3,266,897号、同第3,397,
987号などに記載されているメルカプトテトラゾール
類、ニトロン:ニトロインダゾール類:米国特許第2,83
9,403号などで記載されている多価金属塩(Polyvalent
metal snlts):米国特許第3,220,839号などで記載され
ているチウロニウム塩(thiuroninmsalts):米国特許
第2,566,263号、同第2,597,715号などで記載されている
パラジウム、白金及び金の塩などがある。
本発明の感光材料には親水性コロイド層にフィルター
染料として、あるいはイラジエーション防止、ハレーシ
ョン防止その他種々の目的で水溶性染料を含有してよ
い。このような染料にはオキソノール染料、ヘミオキソ
ノール染料、スチリル染料、メロシアニン染料、シアニ
ン染料及びアゾ染料が包含される。中でもオキソノール
染料;ヘミオキソノール染料及びメロシアニン染料が有
用である。
本発明の感光材料において、親水性コロイド層に染料
や紫外線吸収剤などが包含される場合に、それらはカチ
オン性ポリマーなどによって媒染されてもよい。
このような染料として、リサーチ・ディスクロージャ
ー、第176巻p23〜26のアブソービング・アンド・フィル
ター・ダイズ(Absorbing and filter dyes)の項に記
載されているものが用いられる。
本発明の写真感光材料の写真乳剤層には感度上昇、コ
ントラスト上昇、または現像促進の目的で、例えばポリ
アルキレンオキシドまたはそのエーテル、エステル、ア
ミンなどの誘導体、チオエーテル化合物、チオモルフオ
リン類、四級アンモニウム塩化合物、ウレタン誘導体、
尿素誘導体、イミゾール誘導体、3−ピラゾリドン類等
を含んでもよい。
本発明の写真感光材料には、写真乳剤層その他の親水
性コロイド層に無機または有機の硬膜剤を含有してよ
い。例えばクロム塩(クロム明ばん、酢酸クロムな
ど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グリオキサー
ル、グルタールアルデヒドなど)、N−メチロール化合
物(ジメチロール尿素、メチロールジメチルヒダントイ
ンなど)、ジオキサン誘導体(2,3−ジヒドロキシジオ
キサンなど)、活性ビニル化合物(1,3,5−トリアクリ
ロイル−ヘキサヒドロ−2−トリアジン、1,3−ビニル
スルホニル−2−プロパノールなど)、活性ハロゲン化
合物(2,4−ジクロール−6−ヒドロキシ−3−トリア
ジンなど)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸、ムコフ
エノキシクロル酸など)、などを単独または組み合わせ
て用いることができる。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は粒状性、乾燥性
の点から50.0℃の水酸化ナトリウム1.5重量パーセント
の水溶液に無攪拌状態で浸漬した場合、ハロゲン化銀粒
子が支持体から離脱するまでの時間は10分間以上、更に
好ましくは15分間以上になるように硬膜剤の添加により
硬膜することが好ましい。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料を例えばローラー
搬送型自現機で処理する場合、多くの場合、現像処理〜
乾燥までされた状態で処理されるが、乾燥性その他の性
能を良好にするためには該写真感光材料の含水量は6.0
〜15.0g/m2の範囲であることが好ましく、特に9.0〜14.
0g/m2の範囲が好ましい。本明細書におけるハロゲン化
銀写真感光材料の含水量とは、25℃、相対湿度75%の条
件化で、下記の測定方法で求めたものを言う。即ち、20
cm×20cmの、最大濃度を得るのに必要なだけの露光を与
えた試料を、小西六写真工業(株)製自動現像機KX-500
(処理速度切換スイッチ90秒時)を用い(その構成の概
略は第1図に示す)、現像液は小西六写真工業(株)製
サクラXD-90にスターターXD-90S(同社製)を所定量添
加したものとし、これを35℃で用い、かつ定着液はサク
ラニューXF(同社製)を32℃で用い、水洗水は18℃の水
道水を毎分3lで供給するようにして、自動現像を行っ
た。自動現像機の乾燥ラック(第1図では符号92で示す
もの)は取りはずし、含水量測定試料と同一試料を1枚
/12秒の間隔で101枚連続で処理し、101枚目の試料を含
水量測定試料とし、スクイズラック(第1図では符号91
で示すもの)を出たところで抜き取り、15秒後に重量を
測定する。(この時、乾燥系統の電源は入らないよう事
前に手を加える。) このときの重量をWw(g)とする。
次に該試料を充分に乾燥させた後、1時間以上25℃55
%RHの条件下で放置し、その重量を測定する。これをWd
(g)とする。含水量は次式から算出される。
含水量(g/m2)=Ww−Wd× (10000cm2/20cm×20cm) なお、重量測定場所は風速0.5m/秒以下の場所でなけ
ればならない。
本発明の写真感光材料には、写真乳剤層その他の親水
性コロイド層に寸度安定性の改良などの目的で、水不溶
または難溶性合成ポリマーの分散物を含むことができ
る。例えばアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシ
アルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)ア
クリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル
(例えば酢酸ビニル)、アクリロニトリル、オレフィ
ン、スチレンなどの単独もしくは組合わせ、またはこれ
らとアクリル酸、メタクリル酸、α,β−不飽和ジカル
ボン酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ス
ルホアルキル(メタ)アクリレート、スチレンスルホン
酸等の組わせを単量体成分とするポリマーを用いること
ができる。なお上記(メタ)アクリレートの語は、アク
リレートとメタアクリレートとの双方を略して記したも
のである。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料には保護層が好ま
しく設けられるが、この保護層は親水性コロイドからな
る層であり、使用される親水性コロイドとしては前述し
たものが用いられる。また保護層は、単層であっても重
層となっていてもよい。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料の乳剤層または保
護層中に、好ましくは、保護層中にはマット剤及び/ま
たは平滑剤などを添加してもよい。マット剤としては公
知のものを使用できるが、より好ましくはポリマーマッ
ト剤であり、その平均粒径は0.3μm〜12μmが好まし
く特に3μm〜9μmの範囲のものが好ましい。
本発明の実施に際し、使用されるポリマーマット剤の
具体的な例としては、ポリメチルメタアクリレートのご
とき水分散性ビニル重合体、及びセルロースアセテート
プロピオネート、澱粉などが用いられる。特にメチルメ
タアクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジル
メタアクリレートのごときアクリル酸エステルの単独重
合体、またはこれらアクリル酸エステル同士か他のビニ
ルモノマーとの共重合体のごとき水分散性ビニル重合体
のマット剤が好ましい。なかでもポリメチルメタアクリ
レートの平均粒径3μm〜9μmの球状マット剤が特に
好ましい。
マット剤の添加位置は、乳剤層の上の保護層や、例え
ば裏面側の保護層等に添加されるが、上記のポリマーマ
ット剤は、乳剤層側の保護層に添加するのがより好まし
く、例えばローラー搬送機型自動現像液で、ポリマーマ
ット剤を含む写真感光材料を処理する場合、該感光材料
がスリップすること等が無くなる。
平滑剤はマット剤と類似した接着故障防止に役立つ
他、特に映画用フィルムの投影時もしくは映写時のカメ
ラ適合性に関係する摩擦特性の改良に有効であり、具体
的な例としては流動パラフィン、高級脂肪酸のエステル
類などのごときワックス類、ポリフッ素化炭化水素類も
しくはその誘導体、ポリアルキルポリシロキサン、ポリ
アリールポリシロキサン、ポリアルキルアリールポリシ
ロキサン、もしくはそれらのアルキレンオキサイド付加
誘導体のごときシリコーン類などが好ましく用いられ
る。
本発明の感光材料には、塗布乾燥時のカブリ防止等や
低湿条件下での折り曲げ等によるカブリ、減感等の防止
のために、可塑剤を用いることが好ましい。可塑剤とし
ては、例えば特開昭48-63715号,特公昭43-4939号,同4
7-8745号,米国特許306,470号,同2,960,404号,同3,41
2,159号,同3,791,857号等に記載のものを用いることが
できるが、好ましくは、融点40℃以上の少なくとも2つ
以上の水酸基を有する多価アルコール化合物を少なくと
も1種含有することである。このような化合物として
は、水酸基を2〜12個有し、炭素原子が2〜20個であ
り、かつ、水酸基と水酸基とが共役鎖でもって共役して
いない、即ち酸化した型が書けないアルコールが好まし
い。更に融点としては50℃以上300℃以下のものが好ま
しい。化合物例としては特開昭62-147449号に記載のも
のがある。
本発明の実施に際して、感光材料には各種の用途のた
め界面活性剤を用いることができ、例えばサポニン(ス
テロイド系)、アルキレンオキサイド誘導体(例えばポ
リエチレングリコール、ポリエチレングリコール/ポリ
プロピレングリコール縮合物、ポリエチレングリコール
アルキルエーテル類またはポリエチレングリコールアル
キルアリールエーテル類、ポリエチレングリコールエス
テル類、ポリエチレングリコールソルビタンエステル
類、ポリアルキレングリコールアルキルアミンまたはア
ミド類、シリコーンのポリエチレンオキサイド付加物
類)、グリシドール誘導体(例えばアルケニルコハク酸
ポリグリセリド、アルキルフェノールポリグリセリ
ド)、多価アルコールの脂肪酸エステル類、糖のアルキ
ルエステル類などの非イオン性界面活性剤が挙げられ
る。また、アルキルカルボン塩酸、アルキルスルフォン
酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフ
タレンスルフォン酸塩、アルキル硫酸エステル類、アル
キルリン酸エステル類、N−アシル−N−アルキルタウ
リン類、スルホコハク酸エステル類、スルホアルキルポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオ
キシエチレンアルキルリン酸エステル類などのような、
カルボキシ基、スルホ基、ホスホ基、硫酸エステル基、
リン酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤
等を用いることができる。更にアミノ酸類、アミノアル
キルスルホン酸類、アミノアルキル硫酸またはリン酸エ
ステル類、アルキルベタイン類、アミンオキシド類など
の両性界面活性剤が挙げられる。また、アルキルアミン
塩類、脂肪族あるいは芳香族第4級アンモニウム塩類、
ピリジニウム、イミダゾリウムなどの複素環第4級アン
モニウム塩類、及び脂肪族または複素環を含むホスホニ
ウムまたはスルホニウム塩類などのカチオン界面活性剤
が挙げられる。更に含フッ素界面活性剤、ポリオキシエ
チレン基を有する含フッ素界面活性剤等を用いることが
できる。
アルキレンオキシド系の界面活性剤としては、特公昭
51-9610、DT-2648746、特開昭53-129623、同54-89624、
同54-98235、同58-203435、同58-208743、同60-80848、
同60-94126等が挙げられる。アルキレンオキシド系の界
面活性剤と他の化合物を併用した例としては、特開昭54
-89626、同55-70837、同57-11341、同57-109947、同59-
74554、同60-76741、同60-76742、同60-76743、同60-80
839、同60-80846、同60-80847、同50-131293、同53-297
15等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、特開昭53-21922、GB-1
503218、特公昭56-1617及び高級アルコールの硫酸エス
テル塩、高級アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼン
スルホン酸塩、ジアルキルスルホサクシネート、アシル
メチルタウリド、N−アシルザルコシネート、脂肪酸モ
ノグリセライドサルフェート、α−スルホン酸等が挙げ
られる。
含フッ素界面活性剤としては、例えば特公昭47-930
3、同48-43130、同52-25087、同57-1230、特開昭49-467
33、同50-16525、同50-34233、同51-32322、同54-1422
4、同54-111330、同55-557762、同56-19042、同56-4109
3、同56-34856、同57-11341、同57-29691、同57-6422
8、同57-146248、同56-114944、同56-114945、同58-196
544、同58-200235、同60-109548、同57-136534、US-358
9906、同−3775126、同−4292402、RD-16630等で開示さ
れている化合物、及び特開昭60-164738中で、例示され
ている化合物等が挙げられる。
本発明の写真感光材料には、その他必要に応じて種々
の添加剤を用いることができる。例えば、染料、現像促
進剤、螢光増白剤、色カブリ防止剤、紫外線吸収剤、な
どである。具体的には、リサーチ・ディスクロージャー
(RESEARCH DISCLOSURE)176号第22〜31頁(RD-17643,1
978年)に記載されたものを用いることができる。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、他に、必要
に応じて、アンチハレーション層、中間層、フィルター
層、などを設けることができる。
本発明の写真感光材料において写真乳剤層その他の層
は、写真感光材料に通常用いられている可撓性支持体の
片面または両面に塗布されて具体化されることができ
る。可撓性支持体として有用なものは、硝酸セルロー
ス、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リカーボネート等の半合成または合成高分子から成るフ
ィルム、バライタ層またはα−オレフインポリマー(例
えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/ブテン
共重合体)等を塗布またはラミネートした紙等である。
支持体は染料や顔料を用いて着色されてもよい。遮光の
目的で黒色にしてもよい。これらの支持体の表面は、一
般に写真乳剤層等との接着をよくするために下塗処理さ
れる。下塗処理としては特開昭60-25704号に記載の技術
を使用することが好ましい。支持体表面は下塗処理の前
または後に、コロナ放射、紫外線照射、火焔処理等を施
してもよい。詳しくは、リサーチ・ディスクロージャ
ー、第176巻P.25の「Supports」の項に記載のものが用
いられる。
本発明の写真感光材料において、写真乳剤層その他の
親水性コロイド層は種々の塗布法により支持体上または
他の層上に塗布できる。塗布には、デイツプ塗布法、ロ
ーラー塗布法、カーテン塗布法、押出し塗布法などを用
いることができる。詳しくは、リサーチ・ディスクロー
ジャー、第176巻P.27-28の「Coating procedures」の項
に記載されている方法を用いうる。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料としては、具体的
にはXray感光材料、リス感光材料、黒白撮影感光材料、
カラーネガ感光材料、カラー反転感光材料、カラー印画
紙、コロイド・トランスフアー・プロセス、銀塩拡散転
写プロセス、ダイトランスフアープロセス、銀色素漂白
法、プリントアウト感材、熱現像用感材などに用いるこ
とができる。
写真像を得るための露光は、通常の方法を用いて行え
ばよい。すなわち、自然光(日光)、タングステン電
灯、螢光灯、水銀灯、キセノンアーク灯、炭素アーク
灯、キセノンフラツシユ灯、陰極線管フライングスポッ
ト、発光ダイオード、レーザー光(例えばガスレーザ
ー、YAGレーザー、色素レーザー、半導体レーザーな
ど)など紫外光を含む多種の光源をいずれでも用いるこ
とができる。また電子線、X線、γ線、α線などによっ
て励起された螢光体から放出する光によって露光されて
もよい。露光時間は通常カメラで用いられる1/1000秒か
ら1秒の露光時間はもちろん、1/1000秒より短い露光、
例えばキセノン閃光灯や陰極管を用いた1/104〜1/106
の露光を用いることもできるし、1秒より長い露光を用
いることもできる。必要に応じて色フィルターで露光に
用いられる光の分光組成を調節することができる。
本発明の感光材料の写真処理には、例えばリサーチ・
ディスクロージャー(Research Disclosure)176号第25
-30頁(RD-17,643)に記載されているような、種々の方
法及び種々の処理液のいずれをも適用することができ
る。この写真処理は、目的に応じて、銀画像を形成する
写真処理(黒白写真処理)、あるいは色素像を形成する
写真処理(カラー写真処理)のいずれであってもよい。
処理温度は普通18℃から50℃の間に選ばれるが、18℃よ
り低い温度または50℃を越える温度としてもよい。
また、場合によっては、他の種々の現像方法(例えば
熱現像など)を用いることができる。
例えば、黒白写真処理する場合に用いる現像液は、知
られている現像主薬を含むことができる。現像主薬とし
ては、ジヒドロキシベンゼン類(例えばハイドロキノ
ン)、3−ピラゾリドン類(例えば1−フエニル−3−
ピラゾリドン)、アミノフエノール類(例えばN−メチ
ル−p−アミノフエノール)などを、単独もしくは組合
わせて用いることができる。現像液には一般にこの他種
々の保恒剤、アルカリ剤、pH緩衝剤、カブリ防止剤など
を含み、更に必要に応じ溶解助剤、色調剤、現像促進
剤、界面活性剤、消泡剤、硬水軟化剤、硬膜剤、粘性付
与剤などを含んでもよい。
現像処理の特殊な形式として、現像主薬を感光材料
中、例えば乳剤層中に含み、感光材料をアルカリ水溶液
中で処理して現像を行わせる方法を用いてもよい。現像
主薬のうち疎水性のものは、リサーチ・ディスクロージ
ャー169号(RD-16928)米国特許第2,739,890号、英国特
許第813,253号または西独国特許第1,547,763号などに記
載の種々の方法で乳剤層中に含ませることができる。こ
のような現像処理は、チオシアン酸塩による銀塩安定化
処理と組合わせてもよい。
定着液としては、一般に用いられる組成のものを用い
ることができる。定着剤としては、チオン硫酸塩、チオ
シアン酸塩のほか、定着剤としての効果が知られている
有機硫黄化合物を用いることができる。定着液には、硬
膜剤として水溶性アルミニウム塩を含んでもよい。
本発明の写真感光材料の写真乳剤層には色形成カプラ
ー、すなわち発色現像処理において芳香族1級アミン現
像薬(例えば、フエニレンジアミン誘導体や、アミノフ
エノール誘導体など)との酸化カップリングによって発
色しうる化合物を含んでもよい。例えば、マゼンタカプ
ラーとして、5−ピラゾロンカプラー、ピラゾロベンツ
イミダゾールカプラー、シアノアセチルタマロンカプラ
ー、開鎖アシルアセトニトリルカプラー等があり、イエ
ローカプラーとして、アシルアセトアミドカプラー(例
えばベンゾイルアセトアニリド類、ピバロイルアセトア
ニリド類)、等があり、シアンカプラーとして、ナフト
ールカプラー、及びフエノールカプラー、等がある。こ
れらのカプラーは、分子中にバラスト基と呼ばれる疎水
基を有する非拡散のものが望ましい。カプラーは銀イオ
ンに対し4当量性あるいは2当量性のうちどちらでもよ
い。また色補正の効果をもつカラードカプラー、あるい
は現像にともなって現像抑制剤を放出するカプラー(い
わゆるDIRカプラー)であってもよい。
またDIRカプラー以外にも、カップリング反応の生成
物が無色であって、現像抑制剤を放出する無呈色DIRカ
ップリング化合物を含んでもよい。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、色カブリ防止
剤として、ハイドロキノン誘導体、アミノフエノール誘
導体、没食子酸誘導体、アスコルビン酸誘導体などを含
有してもよい。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、親水性コロ
イド層に紫外線吸収剤を含んでもよい。例えば、アリー
ル基で置換されたベンゾトリアゾール化合物(例えば米
国特許3,533,794号に記載のもの)、4−チアゾリドン
化合物(例えば米国特許3,314,794号、同3,352,651号に
記載のもの)、ベンゾフエノン化合物(例えば特開昭46
-2784号に記載のもの)、ケイヒ酸エステル化合物(例
えば米国特許3,705,805号、同3,707,375号に記載のも
の)、ブタジエン化合物(例えば米国特許4,045,229号
に記載のもの)、あるいは、ベンゾオキシドール化合物
(例えば米国特許3,700,455号に記載のもの)を用いる
ことができる。更に、米国特許3,499,762号、特開昭54-
48535号に記載のものも用いることができる。紫外線吸
収性のカプラー(例えばα−ナフトール系のシアン色素
形成カプラー)や、紫外線吸収性のポリマーなどを用い
てもよい。これらの紫外線吸収は、特定の層に媒染され
ていてもよい。
本発明を実施するに際して、種々の退色防止剤を併用
することもでき、また任意の色像安定剤を単独または2
種以上併用することもできる。退色防止剤としては、ハ
イドロキノン誘導体、没食子酸誘導体、p−アルコキシ
フエノール類、p−オキシフエノール誘導体及びビスフ
エノール類等がある。
カラー現像液は、一般に、発色現像主薬を含むアルカ
リ性水溶液からなる。発色現像主薬は種々の一級芳香族
アミン現像剤、例えばフエニレンジアミン類(例えば4
−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−
アミノ−N,N−ジエチルアニリン、4−アミノ−N−エ
チル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル
−4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチル
アニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−
βメタンスルホアミドエチルアニリン、4−アミノ−3
−メチル−N−エチル−N−β−メトキシエチルアニリ
ンなど)を用いることができる。
この他L.F.A.Mason著、フォトグラフイツク・プロセ
シング・ケミストリイ(Photographic Processing Chem
istry)、Focal Press刊、1966年のP226〜229、米国特
許2,193,015号、同2,592,364号、特開昭48-64933号など
に記載のものを用いてもよい。
カラー現像液はその他、アルカリ金属の亜硫酸塩、炭
酸塩、ホウ酸塩、及びリン酸塩の如きpH緩衝剤、臭化
物、沃化物、及び有機カブリ防止剤の如き現像抑制剤な
いし、カブリ防止剤などを含むことができる。また必要
に応じて、硬水軟化剤、ヒドロキシルアミンの如き保恒
剤、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールの如き
有機溶剤、ポリエチレングリコール、四級アンモニウム
塩、アミン類の如き現像促進剤、色素形成カプラー、競
争カプラー、ナトリウムボロンハイドライドの如きかぶ
らせ剤、1−フエニル−3−ピラゾリドンの如き補助現
像薬、粘性付与剤、ポリカルボン酸系キレート剤、酸化
防止剤などを含んでもよい。
発色現像後の写真乳剤層は、通常漂白処理される。漂
白処理は、定着処理と同時に行われてもよいし、個別に
行われてもよい。漂白剤としては、例えば鉄(III)、
コバルト(III)、クロム(VI)、銅(II)などの多価
金属の化合物、過酸類、キノン類、ニトロソ化合物等が
用いられる。
例えば、フエリシアン化合物、重クロム酸塩、鉄(II
I)またはコバルト(III)の有機錯塩、例えばエチレン
ジアミン四酢酸、ニトリロトリ酢酸、1,3−ジアミノ−
2−プロパノール四酢酸などのアミノポリカルボン酸類
あるいはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの有機酸の錯
塩、過硫酸塩;過マンガン酸塩;ニトロソフエノールな
どを用いることがでる。これらのうちフエリシアン化カ
リ、エチレンジアミン四酢酸鉄(III)ナトリウム及び
エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウムは特に
有用である。エチレンジアミン四酢酸鉄(III)錯塩は
独立の漂白液においても、一浴漂白定着液においても有
用である。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。なお、当然
のことではあるが、本発明は以下述べる実施例により限
定されるものではない。
実施例−1 60℃、pAg=8.0、pH=2.0にコントロールしつつ、ダ
ブルジエット法で平均粒径0.20μmの沃化銀2.0モル%
を含む沃臭化銀単分散立方晶乳剤を得た。この乳剤の一
部をコアとして用い以下のように成長させた。即ちこの
コア粒子とゼラチンを含む溶液に40℃、pAg8.0、pH9.5
でアンモニア性硝酸銀溶液と沃化カリウムと臭化カリウ
ムを含む溶液とをダブルジエット法で加え、沃化銀を30
モル%含む第1被覆層を形成した。そしてpAgを9.0と
し、アンモニア性硝酸銀と臭化カリウム溶液を同様に加
え、第2被覆層を形成し、平均粒径0.53μmの14面体単
分散沃臭化銀乳剤を調製した。この乳剤の平均沃化銀含
量は2.0モル%とした。
これらの乳剤は通常の凝集法により、過剰塩類の脱塩
を行った。即ち40℃に保ち、ナフタレンスルホン酸ナト
リウムのホルマリン縮合物と硫酸マグネシウムの水溶液
を加え、凝集させた。上澄液を除去後、更に40℃の純水
を加え、再び硫酸マグネシウム水溶液を加え凝集させ、
上澄液を除去した。
これらの乳剤に対して塩化金酸塩、チオ硫酸ナトリウ
ム、チオシアン酸アンモニウムを加え、最適に金・硫黄
増感を行い、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−
テトラザインデンで安定化し、次に示す分光増感色素に
より分光増感を行うとともに、第1表に示すゼラチン
量、銀量/ゼラチン量になるようにゼラチン濃度及び銀
量を調整した。
分光増感色素 なおここで用いたゼラチンはオセインゼラチンであ
り、ゼラチンの製造工程における、水洗及び抽出時のpH
を変化させ、ゼラチン中のカルシウム含量を変化させた
ものである。
また低カルシウム含量のゼラチン(カルシウム含量15
0ppm以下のもの)は、カルシウム含量約1000ppmのゼラ
チンをイオン交換樹脂で処理し、カルシウム含有量を調
整した。
この乳剤と共に、硬膜剤を加えた保護層液を、スライ
ド・ホッパー法にて下引済みのポリエステル・フィルム
支持体の両面に支持体から順にハロゲン化銀乳剤層、保
護層となるように下記の塗布速度で2層同時に重層塗布
し、試料No.1〜No.31を得た。なお、乳剤層と保護層の
ゼラチン量は3:1の比で塗布した。
なお乳剤液(ハロゲン化銀塗布液)には、次の添加剤
を加えた。添加量はハロゲン化銀1モル当たりの量で示
す。
また保護層液には次の添加物を加えた。添加量は塗布
液1当たりの量で示す。
それぞれの試料は以下の方法で測定したメルティング
・タイムが約25分となるように硬膜剤量を調整した。
即ち1cm×2cmに切断した試料を50℃に保った1.5%の
水酸化ナトリウム溶液に浸してから乳剤層が溶出し始め
るまでの時間をメルティング・タイムとした。
塗布速度は単位時間当たりの乾燥水分量を等しくする
ように、湿順膜厚に応じて変化させた。塗布速度は生産
性の観点から速いほど好ましい。
また感度測定を以下のように行った。即ち試料を濃度
傾斜を鏡対称に整合した2枚の光学ウェッジに挟み、色
温度5,400°Kの光源で両側から同時にかつ等量、1/12.
5秒間露光する。
処理は次の工程に従い、全処理時間が45秒であるロー
ラ搬送型の現像自動機を用いて行った。
処理温度 処理時間 挿 入 − 1.2秒 現像+渡り 35℃ 14.6秒 定着+渡り 33℃ 8.2秒 水洗+渡り 25℃ 7.2秒 スクイズ 40℃ 5.7秒 乾 燥 45℃ 8.1秒 合 計 − 45.0秒 現像液は90秒処理では、XD-90、定着液はXF(いずれ
も小西六写真工業(株)製)を使用し、45秒処理では、
現像液は次のものを用いた。
得られた特性曲線からベース濃度+カブリ濃度+0.5
における露光量を求め、相対感度を求めた。
45秒処理の処理液 〈現像液〉 1の水溶液にし、水酸化カリウムでpH10.50の液と
した。
〈定着液〉 1の水溶液にして氷酢酸を添加しpH4.0の液とし
た。
また、RMS粒状性を以下のように測定した。即ち、オ
ルソ用増感紙KO-250(小西六写真工業(株)製)に挟
み、管電圧90KVP、管電流100mAでアルミウェッジを用い
て0.10秒間X線を曝射し、上記の45秒処理を行った。次
いで試料の濃度1.0の部分のX線発生装置に対してフロ
ント側の乳剤層を剥離し、もう一方の側の乳剤面をサク
ラ・ワンタッチ式RMS測定機(小西六写真工業(株)
製)を用いて、アパーチャーサイズ50×200μmで測定
した。値が小さい程粒状性は優れている。
表−1より、本発明の試料はゼラチン量が低減されて
いても感度が良好であり、かつ粒状性も良いことがわか
る。
即ち表−1から理解されるように、銀量/ゼラチン量
が本発明の範囲を超えると、著しい感度の低下あるいは
粒状性の劣化が認められる。また、銀量/ゼラチン量が
本発明の範囲でも、カルシウムの含有量が多くなると画
質は著しく劣化し、感度の低下も著しい。
従って、銀量/ゼラチン量及びカルシウム含有量がと
もに本発明の範囲の時にのみ、非常に効果があることが
わかる。
また、本発明の試料では、処理時間が短縮されても同
等またはそれ以上の感度が得られるのみならず、粒状性
も向上し、迅速処理に適していることが明らかである。
〔発明の効果〕 上述の如く本発明の感光材料は高速処理に適するもの
であり、例えば超迅速処理をしたときでも感度及び粒状
性が良好である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例において用いることができる自
動現像機の一例を示す構成図である。 1……フィルム挿入台、2……フィルムバスケット、3
……操作パネル、31……リモコン受信部、4……ローラ
ー、5……搬送路、6……現像液槽、7……定着槽、8
……水洗槽、9……乾燥部、91……スクイズラック、92
……乾燥ラック。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体の少なくとも一方の側に少なくとも
    1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀
    写真感光材料において、 前記感光性ハロゲン化銀乳剤層を構成するハロゲン化銀
    粒子が内部核と被覆層とからなり、該内部核のヨウ化銀
    含有率が40モル%以下、かつ内部核と被覆層とのハロゲ
    ン組成が異なるハロゲン化銀粒子であり、感光性ハロゲ
    ン化銀乳剤層を有する側の写真構成層の銀量/ゼラチン
    量が0.229〜2.25の範囲にあり、かつ、該写真構成層中
    のカルシウム含有量がゼラチンの量に対して20000ppm以
    下であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】上記感光材料が、全処理時間20秒以上60秒
    未満である自動現像処理機の処理用に供されるものであ
    る特許請求の範囲第1項記載のハロゲン化銀写真感光材
    料。
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