JP2803948B2 - 製版装置 - Google Patents

製版装置

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JP2803948B2
JP2803948B2 JP5012716A JP1271693A JP2803948B2 JP 2803948 B2 JP2803948 B2 JP 2803948B2 JP 5012716 A JP5012716 A JP 5012716A JP 1271693 A JP1271693 A JP 1271693A JP 2803948 B2 JP2803948 B2 JP 2803948B2
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富也 森
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、孔版印刷機の製版装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】孔版印刷機に用いられる孔版印刷用の感
熱孔版原紙(以下、「マスタ」という)として、非常に
薄いポリエステル等の熱可塑性合成樹脂フィルムに和紙
のような多孔質の可撓性シートを貼り合わせるようにし
たものがよく知られている。このマスタに対して、サー
マルヘッドの発熱素子によって熱可塑性合成樹脂フィル
ムに穿孔製版を行い、マスタを自動搬送してその可撓性
シート側が内側となるように円筒状版胴の外周面に自動
的に巻き付け、そのマスタに対してプレスローラが印刷
用紙を連続的に押し付けて印刷する孔版印刷機が、よく
知られている。
【0003】上記用途に用いられる熱可塑性合成樹脂フ
ィルムは、その厚さが、例えば2μm程度と非常に薄い
ものとなっているために、熱可塑性合成樹脂フィルムの
単体(以下、「ベースレスマスタ」という)のままで
は、静電気等により製版装置内のプラテンローラや送り
ローラに巻き付いたりするので、自動搬送や製版ができ
ない。また、この製版装置から印刷部におけるクランパ
への搬送が、そのフィルム自体に腰がないために不安定
になり、円筒状版胴外周面に配置したクランパによって
マスタ先端部を確実に把持することができず、印刷がで
きなくなってしまう。
【0004】このように、ベースレスマスタでは、印刷
に使用できないことからそのフィルムに上述したような
和紙等のインキ通過性の多孔質の可撓性シートを貼り合
わせ、マスタを、例えば約40μm程度の厚さのものに
して、これを印刷に供していた。このようなマスタは、
多孔質の可撓性シートの貼り合わせによって、所定の強
さの腰がつけられるものとなるので、その搬送時にプラ
テンローラや送りローラへの巻き付き等が発生しにくく
なり印刷に支障なく製版し搬送することができる。この
ような多孔質の可撓性シートは、インキ通過性の多孔質
のものであるため、一般に多孔質ベース若しくは多孔質
のベース材とも称されている。
【0005】このような多孔質の可撓性シートには、上
記したように一般的に和紙が用いられるが、その繊維の
太さや長さ、あるいは密度や厚さにばらつきがあるため
に、インキの通過特性がばらついてしまう。すなわち、
所々に繊維の塊のような部分が多数できて、これがイン
キの均一な通過を阻止する。また、多孔質の可撓性シー
トと熱可塑性合成樹脂フィルムとを貼り合わせるため
に、比較的多量の接着剤が使用され、その接着剤の量の
むらによって生じる接着剤の多い部分でもインキの通過
が阻止されるようになる。
【0006】このように、マスタの部分部分でインキの
通過性が悪くなったりすると、熱可塑性合成樹脂フィル
ムが所定の印刷画像に対応した感熱穿孔を施されたとし
ても、インキ通過性の悪い部分に印刷画像上の白抜けが
生じやすくなり、白抜けが点在する、いわゆるベタ埋ま
りの悪い印刷画像となる。
【0007】従来、上述した不具合の解消を図った技術
として、例えば特開昭60−87094号公報等に示さ
れているように、多孔質の可撓性シートに和紙を用い
ず、均一な太さの繊維を規則正しく並べたものを用いた
孔版印刷方法が知られている。また、多孔質の可撓性シ
ートを用いずに熱可塑性合成樹脂フィルムのみによるベ
ースレスマスタの製版、搬送を送りローラ等に巻き付く
ことがなく、ベースレスマスタを円筒状版胴のクランパ
に確実に搬送することのできる製版装置が、同一出願人
によって提案されている。すなわち、特願平4−340
415号に示されているように、図12において、送り
ローラ対23a,23bのニップ部でベースレスマスタ
29及び製版済ベースレスマスタ29aを常に張った状
態に保持しプラテンローラ21に巻き付くのを防止す
る。さらに、送りローラ対23a,23bにこま切れ状
の複数のローラを使用し、そのこま切れ状のローラの間
より製版済ベースレスマスタ29aの搬送方向に沿って
製版済マスタ29aの先端部の両面に送風装置により空
気流を形成して製版済マスタ29aの送りローラ対23
a,23bへの巻き付きを防止すると共に、その空気流
によって製版済マスタ29aを案内してクランパへ搬送
することのできる製版装置が示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
技術においては、製版したばかりの新しいマスタを円筒
状版胴に巻き付けてもその版胴内のインキが多孔質の可
撓性シートの部分に十分に浸透してからでないと、熱可
塑性合成樹脂フィルム部分に到達しないために、印刷を
開始しても直ぐには印刷画像が出ず、最初の1乃至3枚
の印刷用紙上には適正な印刷画像が得られない問題があ
った。そして、使用済マスタを円筒状版胴から剥離して
所定の排版部に収納し、収納した使用済マスタを廃棄す
るが、この使用済マスタにはかなりの量のインキがその
多孔質の可撓性シートに含まれたままとなるため、イン
キの無駄使いとなる問題もあった。
【0009】また、後者の技術においては、ベースレス
マスタに腰がないためにそのマスタを製版装置にセット
した時や搬送中にしわが発生する問題がある。
【0010】したがって、本発明は上述したような問題
点を解決するために、可撓性シートを用いない熱可塑性
合成樹脂フィルムのみによるベースレスマスタを用いた
場合でも、マスタが送りローラ等に巻き付いたり、或い
はマスタにしわが発生することなく製版及び搬送を行う
ことができるとともに、ベースレスマスタを用いた場合
でもクランパに確実に搬送することができる製版装置を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した目的を
達成するためになされたものであり、請求項1記載の発
明では、ロール状に巻回された孔版印刷用の原紙を貯蔵
する原紙貯蔵手段と、上記原紙貯蔵手段により供給され
る上記原紙の製版を行う製版手段と、上記製版手段にお
ける上記原紙又は製版済原紙の搬送方向の下流側に設け
られていて、複数のこま切れ状の送りローラからなる原
紙搬送手段とを有し、上記こま切れ状の送りローラのう
ちの両端部に位置する送りローラは、上記搬送方向に対
して八の字状に開いた向きに配置されていて回転駆動さ
れると共に、上記こま切れ状の送りローラのうちの中央
部に位置する送りローラは、上記搬送方向と直交する方
向に配置されていて上記原紙の搬送に伴って連れ回りす
ることを特徴とする。
【0012】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
製版装置において、上記こま切れ状の送りローラのうち
の両端部に位置する送りローラの上記原紙又は上記製版
済原紙に対する摩擦係数は、上記中央部に位置する送り
ローラのそれよりも大きいことを特徴とする。
【0013】請求項3記載の発明では、請求項1記載の
製版装置において、上記こま切れ状の送りローラのうち
の両端部に位置する送りローラの上記原紙又は上記製版
済原紙に対する押圧力は、上記中央部に位置する送りロ
ーラのそれよりも大きいことを特徴とする。
【0014】請求項4記載の発明は、ロール状に巻回さ
れた孔版印刷用の原紙を貯蔵する原紙貯蔵手段と、上記
原紙貯蔵手段により供給される上記原紙の製版を行う製
版手段と、上記製版手段における上記原紙又は製版済原
紙の搬送方向の下流側に設けられていて、複数のこま切
れ状の送りローラからなり、少なくとも一端に位置する
上記送りローラが上記搬送方向に対して八の字状に開い
た向きに配置された原紙搬送手段とを有し、少なくとも
一端に位置する上記送りローラを、上記搬送方向に対し
て横切る方向に移動させる摺動駆動手段を具備すること
を特徴とする。
【0015】請求項5記載の発明では、請求項1,2又
は3記載の製版装置において、上記製版手段は、プラテ
ンローラ及びサーマルヘッドからなり、プラテンローラ
及び/又はサーマルヘッドを上記原紙に対して離間して
上記原紙搬送手段により上記原紙を所定量搬送すること
を特徴とする。
【0016】請求項6記載の発明は、請求項1,2又は
3記載の製版装置において、上記こま切れ状の送りロー
ラのうちの両端部に位置する送りローラと上記搬送方向
とのなす角度を可変する角度可変手段を有することを特
徴とする。
【0017】請求項7記載の発明は、請求項1,2又は
3記載の製版装置において、上記原紙搬送手段を通過し
た上記原紙又は上記製版済原紙の先端部の両面に対し上
記搬送方向に沿って空気流をそれぞれ形成する送風手段
を有することを特徴とする。
【0018】
【作用】請求項1記載の発明によれば、原紙又は製版済
原紙の搬送方向に対して八の字状に開いた向きに配置さ
れ両端部に位置する送りローラの回転駆動により、原紙
又は製版済原紙と両端部に位置する各送りローラとの接
線部分で摩擦力が生じ、この摩擦力の上記搬送方向と直
交する方向(原紙幅方向でもあり、以下、左右方向とい
うときがある)成分が原紙又は製版済原紙を左右方向に
引っ張ると共に、中央部に位置する送りローラの連れ回
りにより、原紙又は製版済原紙に対する上記左右方向の
引っ張りを若干規制して、その左右の引張り力のバラン
スが図られる。
【0019】請求項2記載の発明によれば、こま切れ状
の送りローラのうちの両端部に位置する送りローラの原
紙又は製版済原紙に対する摩擦係数は、中央部に位置す
る送りローラのそれよりも大きくしたので、さらに、原
紙又は製版済原紙が上記左右方向に均一に引っ張られ
る。
【0020】請求項3記載の発明によれば、こま切れ状
の送りローラのうちの両端部に位置する送りローラの原
紙又は製版済原紙に対する押圧力は、中央部に位置する
送りローラのそれよりも大きくしたので、さらに、原紙
又は製版済原紙が上記左右方向に均一に引っ張られる。
【0021】請求項4記載の発明によれば、原紙(ベー
スレスマスタ)を製版装置にセットするときに原紙に腰
がないため生じる多くのしわを取るために設けた摺動駆
動手段により、原紙又は製版済原紙の搬送方向に対して
八の字状に開いた向きに配置され少なくとも一端に位置
する送りローラが、原紙又は製版済原紙の搬送方向に対
して横切る方向に移動されるので、原紙又は製版済原紙
が上記左右方向に均一に引っ張られる。
【0022】請求項5記載の発明によれば、原紙(ベー
スレスマスタ)を製版装置にセットするときに、プラテ
ンローラ及び/又はサーマルヘッドを原紙に対して離間
して、原紙搬送手段によって原紙を所定量搬送すること
により、上記各作用に加え、原紙がプラテンローラとサ
ーマルヘッドとの間に挟まれないので原紙にしわが発生
しない。
【0023】請求項6記載の発明によれば、こま切れ状
の送りローラのうちの両端部に位置する送りローラと上
記搬送方向とのなす角度を可変する角度可変手段によ
り、両端部に位置する送りローラと搬送方向とのなす角
度が可変されるので、上記各作用に加え、原紙又は製版
済原紙が上記左右方向に伸びないように均一に引っ張ら
れる。
【0024】請求項7記載の発明によれば、送風手段に
より、原紙搬送手段を通過した原紙又は製版済原紙の先
端部の両面に対し原紙又は製版済原紙の搬送方向に沿っ
て空気流をそれぞれ形成するように吹き付けるので、上
記各作用に加え、原紙又は製版済原紙がその搬送方向に
沿って案内される。
【0025】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例に
ついて詳述する。まず、図11を参照して本発明を適用
する製版・印刷一体型孔版印刷機の全体構成について説
明する。
【0026】この孔版印刷機は、機体部Aの上部に配置
された図示しない原稿受け台上から移送される図示しな
い原稿の表面の画像を読み取る周知の原稿読取装置1
と、この原稿読取装置1の下方の機体部Aの一側部に配
置されていて、孔版印刷機用の原紙としてのベースレス
マスタ29(以下、単に「マスタ29」と称す)がロー
ル状に巻かれたベースレスマスタロール20(以下、単
に「マスタロール20」と称す)を貯蔵する原紙貯蔵手
段(図示せず)を備え、マスタロール20から繰り出さ
れるマスタ29を製版する製版装置6と、機体部Aの中
央部に配置され製版済マスタ29aを外周面に巻装する
円筒状版胴2を備えた印刷装置60と、製版装置6の下
方に配置されていて、円筒状版胴2で印刷された印刷用
紙Paを排紙台14に排出する排紙装置50と、この排
紙装置50に対向する機体部Aの下方に配置されてい
て、給紙台7上に積層された印刷用紙Pを円筒状版胴2
に送出する給紙装置40と、この給紙装置40と原稿読
取装置1との間に配置され、版胴2の外周面から剥ぎ取
られた使用済マスタ3を排版ボックス5内に排出する排
版装置4とを具備する。
【0027】以下、上記した製版装置6、印刷装置6
0、給紙装置40及び排紙装置50について順次説明す
る。
【0028】図1及び図2に示すように、製版装置6
は、上記原紙貯蔵手段と、図示しない駆動機構により回
転駆動され、上記原紙貯蔵手段におけるマスタロール2
0から供給されるマスタ29をサーマルヘッド22に押
し付けながら回転するプラテンローラ21と、図示しな
い機構によってプラテンローラ21から離脱可能に支持
されたサーマルヘッド22と、プラテンローラ21及び
サーマルヘッド22におけるマスタ29又は製版済マス
タ29aの搬送方向(以下、「マスタ搬送方向」と言い
替えるときがある)の下流側に設けられていて、後述す
る駆動手段により回転駆動されマスタ29又は製版済マ
スタ29aを搬送する原紙搬送手段としての上下一対の
送りローラ群23,23と、送りローラ群23,23を
通過したマスタ29又は製版済マスタ29aの先端部の
両面にマスタ搬送方向に沿って空気流をそれぞれ形成す
る送風手段としての上下一対の送風装置24a,24b
と、マスタ29又は製版済マスタ29aを所定の長さに
切断する上下一対の円盤状カッタ対25a,25bとを
有する。カッタ対25a,25bは、送りローラ群23
a,23bにおけるマスタ搬送方向の下流側であって、
かつ、マスタ搬送方向に対して直交する片側端に通常待
機しており、マスタ29又は製版済マスタ29aをその
左右方向でもあるマスタ幅方向に横断することにより所
定の長さに切断する。なお、カッタ対25a,25b
は、上述したように通常片側端に待機しているので、送
風装置24a,24bにより形成される空気流の流れを
妨げることがない。なお、製版手段は、プラテンローラ
21とサーマルヘッド22とから構成されている。
【0029】マスタロール20の斜め下方には、マスタ
ロール20の外周面に対して接離自在なブレーキ32が
設けられている。ブレーキ32は、マスタロール20の
連れ回り回転を制動し抑制する機能を持っている。
【0030】サーマルヘッド22は、原稿読取装置1の
A/D変換部及び製版制御部(共に図示しない)で処理
されて送出されるデジタル画像信号に基づく所定の印刷
画像に対応して選択的にマスタ29の熱可塑性樹脂フィ
ルムを溶融穿孔する。
【0031】図1及び図2において、送りローラ群23
は、製版済マスタ29aの中央部近傍にそれぞれ配置さ
れた3組のこま切れ状の送りローラ対23a2,23b
2と、この送りローラ対23a2,23b2の両端に位
置すると共に、マスタ搬送方向(太矢印で示す)に対し
て八の字状に開いた向きに配置された2組のこま切れ状
の送りローラ対23a1,23b1とからなる。3組の
送りローラ対23a2,23b2は、マスタ搬送方向に
対して直交する向きにそれぞれ所定の間隔を置いてロー
ラ回転軸23u2,23d2によって串刺し状に実質一
体的に支持されていて、マスタ29又は製版済マスタ2
9aの搬送に伴ってマスタ29又は製版済マスタ29a
を介して連れ回るようになっている。
【0032】送りローラ対23a1,23b1は、最外
側の各ローラ対23a2,23b2に対して所定の間隔
を置いて、かつ、マスタ搬送方向に対してθなる角度を
有してローラ回転駆動軸40a,40bによって串刺し
状に実質一体的に支持されていて、上下の送りローラ対
23a1,23b1の外周面がマスタ29又は製版済マ
スタ29aを後述する所定の押圧力で圧接しながら円筒
状版胴2に設けられているクランパ31(後述する図8
及び図11に示す)に搬送する。なお、説明を簡明にす
るため、図1には後述する送りローラユニット45の構
成として送りローラ対23a1,23b1及びローラ回
転駆動軸40a,40bのみを示し、他の構成は省略し
てある。
【0033】図3に示すように、ローラ回転駆動軸40
a,40bは、断面矩形状のブラケット41にそれぞれ
回転可能に支持されている。ブラケット41を介してそ
の外側において、ローラ回転駆動軸40aの一端には歯
車42aが、ローラ回転駆動軸40bの一端には歯車4
2aに常時噛合する歯車42bがそれぞれ固設されてい
る。ブラケット41内において、上部側の送りローラ対
23a1の上方には歯車42aに常時噛合する歯車44
を有する駆動手段としてのモータ43が設けられてい
て、モータ43の回転によりローラ回転駆動軸40a及
びローラ回転駆動軸40bがそれぞれ回転駆動される。
【0034】送りローラ対23a1,23b1、ローラ
回転駆動軸40a,40b、歯車42a、歯車42b、
歯車44及びモータ43は、送りローラユニット45を
構成する。
【0035】図3において、送りローラユニット45
は、製版装置の図示しない側板に固定された2本のレー
ル46a,46bによって図1及び図3に示す矢印方向
x1,x2の両方向、すなわちマスタ搬送方向に対して
横切る方向に摺動可能に支持されている。ブラケット4
1の一側端にはブラケット41の外側においてその一端
を製版装置の図示しない側板に係止された引っ張りばね
47が設けられていて、矢印方向x1に常に付勢されて
いる。また、ブラケット41の一側端には、製版装置の
図示しない側板に固定された支持軸50を支点に回動す
るアーム51が連結された摺動駆動手段としてのソレノ
イド48が設けられ、このソレノイド48は図示しない
電源に接続されている。
【0036】図1及び図2に示すように、送風装置24
a,24bは、上部側の送りローラ群23a及び下部側
の送りローラ群23bのニップ部を境にしてそれぞれ個
別に設けられており、送風ファン26a,26bと、送
風路27a,27bと、吹き出し口28a,28bとか
らそれぞれなる。上部の送風ファン26aは、図1にお
いて上部の送風路27a内の製版手段側に突設されてい
て、また図2において送風路27a内の右上端部に設け
られている。下部の送風ファン26bは、図1において
下部の送風路27b内の製版手段側に突設されていて、
また図2において下部の送風路27b内の右下端部に設
けられている。
【0037】上部の送風路27aは、上部側の送りロー
ラ群23a側に先細の凸状をなして突設されていて、そ
の先端において隣合う送りローラ23a2同士又は送り
ローラ23a1と送りローラ23a2との間に4箇所の
矩形状の吹き出し口28aがそれぞれ形成されている。
送風路27aの各吹き出し口28aの底面には、製版済
マスタ29aの搬送方向に沿って略平行に、製版済マス
タ29aの上面が送りローラ群23aに巻き付くのを防
止するガイド面30aが、それぞれ形成されている。
【0038】上部の送風路27aと同様に、下部の送風
路27bは、下部側の送りローラ23b側に先細の凸状
をなして突設されていて、その先端において隣合う送り
ローラ23b2同士又は送りローラ23b1と送りロー
ラ23b2との間に4箇所の矩形状の吹き出し口28b
がそれぞれ形成されている。送風路27bの各吹き出し
口28bの上面には、マスタ搬送方向に沿って略平行
に、製版済マスタ29aの下面が送りローラ群23bに
巻き付くのを防止するガイド面30bが、それぞれ形成
されている。
【0039】送風ファン26a,26bは、図示しない
ファン回転駆動軸によって図示しないファン駆動モータ
にそれぞれ連結されている。このファン駆動モータ(図
示せず)は、例えば入出力ポートの付いたCPU(中央
演算処理装置)、タイマ及びメモリを備えた制御手段と
してのマイクロコンピュータ(図示せず)にそれぞれ接
続されている。上記タイマは、上記ローラ駆動用モータ
(図示せず)への通電時間を検知する。その入力ポート
は製版装置6のローラ駆動用モータ(図示せず)に、出
力ポートはファン駆動モータ(図示せず)にそれぞれ接
続されていて、上記マイクロコンピュータは、上記タイ
マから送信される上記ローラ駆動用モータ(図示せず)
への通電時間に基づいて、ファン駆動モータ(図示せ
ず)の回転駆動時間を制御する。
【0040】図4に示すように、サーマルヘッド22
は、図示しない機構によってプラテンローラ21から離
脱可能に支持されている。
【0041】図11に示すように、印刷装置60は、円
筒状版胴2と、円筒状版胴2の外周面の一部にその軸線
方向に延在して製版済マスタ29aの先端部を挟持する
開閉可能なクランパ31と、円筒状版胴2の内周面にイ
ンキを供給するインキ供給ローラ17と、インキ供給ロ
ーラ17と微小間隙を置いて平行に配置されていて、イ
ンキ供給ローラ17との間に図示しないインキ溜りを形
成するドクターローラ18と、円筒状版胴2の回転中心
軸15を兼ねるとともに、インキ溜り(図示せず)へイ
ンキを供給するインキ供給管16とを有する。ここで、
インキ供給管16、インキ供給ローラ17及びドクター
ローラ18が印刷インキ供給装置19を構成する。イン
キ供給ローラ17に対向する円筒状版胴2の外周面の近
傍には、上下に揺動し印刷用紙Pを円筒状版胴2へ押し
付けるプレスローラ11が配設されている。
【0042】図11に示すように、給紙装置40は、積
層された印刷用紙Pを積載する給紙台7と、印刷用紙P
を送り出す給紙コロ8と、印刷用紙Pを一枚ずつ分離す
る一対の分離コロ対9a,9bと、円筒状版胴2とプレ
スローラ11との間に所定タイミングで印刷用紙Pを送
出する一対のフィードローラ対10a,10bとを有す
る。
【0043】排紙装置50は、円筒状版胴2で印刷され
た印刷済の印刷用紙Paを順次積載する排紙台14と、
円筒状版胴2の近傍に配置され印刷済印刷用紙Paを円
筒状版胴2から剥離する排紙剥離爪12と、排紙剥離爪
12によって剥離された印刷済印刷用紙Paを排紙台1
4上へ搬送するための吸着部ローラ51,52及びこれ
らの吸着部ローラ51,52間に掛け渡された無端の搬
送ベルト53からなる強制排紙機構13とを有する。
【0044】次に、この孔版印刷機の動作について以下
に記す。まず、図11において、原稿読取装置1の原稿
受け台(図示せず)上に原稿(図示せず)をセットし、
図示しない製版スタートキーをオンする。すると、円筒
状版胴2が矢印方向に回転し、円筒状版胴2の外周面に
巻装されていた使用済マスタ3は、排版装置4の排版ボ
ックス5内へと排出されて、いわゆる排版工程が終了す
る。
【0045】ここで、図4に示すように、マスタロール
20からマスタ29を引き出し製版装置にセットする場
合について説明する。まず、プラテンローラ21からサ
ーマルヘッド22を図示しない機構によって引き離し解
除し、サーマルヘッド22とプラテンローラ21との間
に形成された隙間を通してマスタ29をセットする。
【0046】次に、図示しないマスタ搬送ボタンを押す
と、図3に示すソレノイド48に図示しない電源から通
電され、ソレノイド48が吸引することにより支持軸5
0を支点にアーム51が回転されブラケット41の側壁
を押圧して、ユニット45が矢印方向x2(マスタ29
の中央部寄りの方向)に移動される(図5参照)。図5
において、太矢印で示すマスタ搬送方向に対して八の字
状に開いた向きに位置する送りローラ対23a1,23
b1(同図にハッチングで示す)が矢印方向x2に寄る
と同時に、プラテンローラ21と送りローラ対23a
1,23b1とがそれぞれ回転駆動され、送りローラ対
23a1,23b1のニップ部でマスタ29の先端部が
挟持されて搬送される。また、この時、送風装置24
a,24bの送風ファン26a,26bが回転されてマ
スタ29の先端部の両面への送風も開始される(図6参
照)。
【0047】そして、マスタ29が一定量搬送される
と、ソレノイド48への通電が解除されることによって
ユニット45が矢印方向x1(マスタ29の両端方向)
に移動されので、送りローラ対23a1,23b1(図
7にハッチングで示す)はマスタ29を横切ってその両
端方向に広がり、マスタ29のしわが伸ばされる。さら
に太矢印で示すマスタ29の搬送方向に対して八の字状
に開いた向きに位置する送りローラ対23a1,23b
1の回転によってマスタ29は、左右方向に引っ張られ
てマスタ29のしわが伸ばされると共に搬送時のしわの
発生が防止される(図7参照)。図7に示した状態より
さらにマスタ29を一定量搬送すると、図2に示すよう
に、送風とマスタ29の搬送とが停止され、カッタ対2
5a,25bによりマスタ29の先端部が切断され、サ
ーマルヘッド22がマスタ29を介してプラテンローラ
21へ押し付けられてマスタのセットが終了する。した
がって、サーマルヘッド22及び/又はプラテンローラ
21をマスタ29から離間させてマスタ29の搬送を行
ったほうが、マスタ29を左右方向に引っ張りやすく、
マスタ29のしわを取りやすい。
【0048】図2に示すように、製版待機状態時におい
ては、通常、マスタ29の先端部は、送りローラ対23
a,23bのニップ部に挟持されており、またマスタロ
ール20は、ブレーキ32によって適正な制動力が負荷
されているため、これら両者の作用によってマスタ29
は常に張った状態に保たれる。したがって、マスタ29
の搬送時においては、上記両者の作用によってその先端
部がプラテンローラ21に巻き付くのが防止されてい
る。
【0049】次に、製版が開始されると、原稿(図示し
ない)の画像の読み取りと並行して同時に、製版装置6
では、共に図示しないA/D変換部及び製版制御部にて
処理されて送出されるデジタル画像信号によって、サー
マルヘッド22に直線状に並んだ複数の発熱素子が選択
的に発熱され、サーマルヘッド22に押圧されながら搬
送されるマスタ29の熱可塑性樹脂フィルムの部分が、
所定の印刷画像に対応して選択的に溶融・穿孔される。
また、この時、送風装置24a,24bの送風ファン2
6a,26bが回転されて送風も開始される(図8参
照)。
【0050】図1及び図8に示すように、このように穿
孔された製版済マスタ29aの先端部は、送りローラ対
23a1,23b1が回転することにより搬送される。
この時、太矢印で示すマスタ搬送方向に対して八の字状
に開いた向きに位置する送りローラ対23a1,23b
1によって製版済マスタ29aは、左右方向に引っ張ら
れてマスタ29のしわが伸ばされると共に搬送時のしわ
の発生が防止される。さらにこの時、送りローラ対23
a1,23b1のニップ部を境界としてマスタ搬送方向
上流側における送りローラ対23a1,23b1に対す
るマスタ29の巻き付きは、送風装置24a,24bの
ガイド面30a,30bによって防止される。また、マ
スタ搬送方向下流側における送りローラ対23a,23
bに対する製版済マスタ29aの先端部の巻き付きは、
送風装置24a,24bの送風ファン26a,26bが
回転されることによって形成される空気流aが製版済マ
スタ29aの先端部の両面にそれぞれ吹き付けることに
よって、製版済マスタ29aの先端部がマスタ搬送方向
に案内されて防止される。
【0051】さらに、製版済マスタ29aの先端部の両
面は、送風装置24a,24bによって送られる空気流
aによって案内されつつ円筒状版胴2側に進み、製版済
マスタ29aは、空気流aによってその両面を案内され
つつ円筒状版胴2側に進行し、円筒状版胴2に設けられ
拡開したクランパ31の位置に到達する。このとき、製
版装置6の上記ローラ駆動用モータへの通電時間が、上
記マイクロコンピュータの上記タイマで検知されてい
て、製版済マスタ29aの先端がクランパ31の位置に
到達する一定時間に達すると送風装置24a,24bに
連結されている上記ファン駆動モータ(図示せず)に上
記CPU(図示せず)からその回転駆動を停止する制御
信号が送出されて、送風が停止される。このようにし
て、クランパ31による製版済マスタ29aのクランプ
時に、製版済マスタ29a先端部にフラッター(波打ち
現象)が発生してしわの生じるのが防止される。
【0052】次に、図11に示すように、所定のタイミ
ングでクランパ31が閉鎖されることにより製版済マス
タ29aの先端部がクランプされ、円筒状版胴2が矢印
方向と反対方向に回転すると、製版済マスタ29aは円
筒状版胴2の外周面に徐々に巻き付けられ始める。そし
て、製版完了後に製版済マスタ29aは、カッタ対25
a,25bにより所定の長さに切断され、この切断され
た1枚の製版済マスタ29aが円筒状版胴2の外周面に
完全に巻装されて、いわゆる給版工程が終了する。
【0053】カッタ対25a,25bが送りローラ群2
3,23の出口下流側に設けられているため、製版済マ
スタ29aの先端部は送りローラ群23,23によって
挟持され保持される(図2参照)。
【0054】給版工程終了と同時に、給紙台7上に積載
されている印刷用紙Pが、給紙コロ8及び分離コロ対9
a,9bによりフィードローラ対10a,10bへ向け
て送られ、さらにフィードローラ対10a,10bによ
り円筒状版胴2の回転と同期した所定のタイミングで円
筒状版胴2とプレスローラ11との間に送出される。そ
して、円筒状版胴2の外周面から下方に離間していたプ
レスローラ11が上方に移動し、同図中の矢印方向に回
転する円筒状版胴2の外周面に巻装された製版済マスタ
29aに印刷用紙Pが押圧されることにより、製版済マ
スタ29aの穿孔部分からインキが印刷用紙Pの表面に
転移される。なお、この時、インキ供給ローラ17も円
筒状版胴2の回転方向と同一方向に回転し、インキを円
筒状版胴2の内周面に供給する。このようにして、印刷
された印刷用紙Paは、プレスローラ11を過ぎると、
排紙剥離爪12によって円筒状版胴2の外周面から剥離
され、回転する吸着部ローラ51,52間に掛け渡され
回り動く搬送ベルト53に沿って案内され、排紙台14
上に落下し、いわゆる試し刷り工程が終了する。
【0055】次に、図示しないテンキーで印刷枚数をセ
ットし、図示しない印刷スタートキーをオンすると、試
し刷り工程と同様の工程、すなわち給紙、印刷、排紙工
程でセットした印刷枚数分繰り返して印刷され、孔版印
刷工程が終了する。
【0056】図9及び図10に本発明の別の実施例を示
し、両図を参照しながらその構成及び動作について説明
する。
【0057】送りローラによるマスタ29又は製版済マ
スタ29a(以下、単に「製版済マスタ29a」と称
す)の中央部への摩擦力や押圧力が大きいと製版済マス
タ29aをそのマスタ搬送方向に対して直交する方向
(上記した左右方向でもある)に均一に引っ張ることが
できないため、送りローラの製版済マスタ29aに対す
る摩擦力や押圧力は、製版済マスタ29aの中央部に比
べ、その両端部ほど大きくしたほうがしわの発生防止に
有効である。したがって、製版済マスタ29aの搬送時
のしわ発生を防止するには、送りローラの製版済マスタ
29aに対する摩擦力を、製版済マスタ29aの中央部
よりもその両端部ほど大きくするために、製版済マスタ
29aの両端に位置する送りローラ対23a1,23b
1をゴム製ローラ(図9及び図10において梨地模様で
示す)にし、製版済マスタ29aの中央部に位置する送
りローラ対23a2,23b2を合成樹脂製ローラにす
ると製版済マスタ29aの搬送時のしわの発生防止に効
果的である。
【0058】図9において、3組の送りローラ対23a
2,23b2の両側には断面チャンネル状のブラケット
65が、その上下面にそれぞれ固設された軸58及び軸
64で図示しない製版装置の側板に回転可能に支持され
ている。また、図において左側の軸58の上部には歯車
53が、右側の軸58の上部にはプーリ56が、各軸5
8とそれぞれ実質一体的に回転可能に設けられている。
左側の軸58の上方右側の近傍には図示しない製版装置
の側板に回転可能に支持され図示しない駆動用モータに
連結された軸60が設けられていて、軸60の下端部に
は歯車53と噛合する歯車54及びプーリ55が軸60
と実質一体的に回転可能にそれぞれ設けられている。プ
ーリ55及びプーリ56との間にはベルト57が掛け渡
されていて、図示しない駆動用モータの回動によって左
右の軸58がそれぞれ逆向きに任意の角度θ(後述す
る)だけ回動することにより、送りローラ対23a1,
23b1が製版済マスタの搬送方向に対して八の字状に
開いた向きに配置されるが、同図は両軸58を製版済マ
スタ29aの搬送方向に対して直交させた状態のみを示
している。
【0059】図示しない駆動用モータ、軸60、ベルト
57、プーリ55、プーリ56、歯車53、歯車54及
びブラケット65は角度可変手段を構成する。
【0060】この構成の動作を図1及び図2を借りて説
明する。図1、図2、図9及び図10において、マスタ
搬送方向に対して角度θをなす送りローラ対23a1,
23b1を設けて製版済マスタ29aを左右方向に引っ
張りしわの発生を防止するが、マスタロール20をセッ
トしたときのように、しわの多いときは角度θを小さく
した方が短い製版済マスタ29aの搬送量でしわを取る
ことができて、切断し破棄する製版済マスタ29aの量
を少なくすることができる。
【0061】しかし、比較的しわの少ない搬送時には製
版済マスタ29aをその搬送方向と直交する方向に引っ
張る量がしわを防止する程度で十分であり、逆に製版済
マスタ29aを引っ張り過ぎると製版済マスタ29aの
左右方向に伸び等が発生するため、製版済マスタ29a
のしわ状態によって、又は製版済マスタ29aの種類等
によってしわ発生のしやすさが異なるため角度θを調整
する必要がある。そこで、図示しない駆動用モータによ
り軸60を回転駆動することにより、図において右側の
ブラケット65に固設されている軸58が、プーリ5
5、ベルト57及びプーリ56を介して所望の角度θ´
だけ回転される。そして、図において左側のブラケット
65に固設されている軸58が、歯車54及び歯車53
を介して所望の角度θ´だけ回転される。このようにし
て、オペレータは、送りローラ23a1,23b1を任
意の角度θに操作してマスタ29のしわを防止すること
ができる。
【0062】左右のブラケット65内において、送りロ
ーラ対23a1,23b1がローラ回転駆動軸65a,
65bにそれぞれ実質一体的に回転可能に設けられてお
り、回転駆動軸65a,65bは左右のブラケット65
の内外壁にそれぞれ明けられた丸孔65h及び上下方向
に長い長孔65sにそれぞれ回転可能に支持されてい
る。左右のブラケット65の外側において、ローラ回転
駆動軸65aの一端には歯車52aが、ローラ回転駆動
軸65bの一端には常時歯車52aと噛合する歯車52
bがそれぞれ実質一体的に回転可能に設けられている。
歯車52aには図3と同様の駆動機構(図9には図示せ
ず)が連結されていて、送りローラ対23a1,23b
1を回転駆動する。
【0063】そして、下部側の送りローラ23b1を支
持しているローラ回転駆動軸65bが、断面コ字状のブ
ラケット66に回転可能に支持されている。さらにブラ
ケット66の底面とブラケット65の下面内側に設けら
れた圧縮ばね67の付勢力により長孔65sの範囲内に
おいて下部側の送りローラ23b1が、上部側の送りロ
ーラ23a1に押し付けられている。なお、歯車52a
と歯車52bとの噛み合い部の互いの歯末のたけは、図
において上下方向に余裕があり、この余裕及び長孔65
sの範囲内において送りローラ23b1のローラ回転駆
動軸65bを移動することが可能であり、送りローラ2
3a1に対して送りローラ23b1の押圧力を変更でき
る。
【0064】一方、製版済マスタの搬送方向に対して直
交する方向の中央部に配置された3組の送りローラ対2
3a2,23b2の下側の送りローラ群23b2と実質
一体的に設けられた回転軸63jは、図示しない製版装
置の側板に固設されたブラケット63bに回転可能に設
けられている。また、上側の送りローラ群23a2と実
質一体的に設けられた回転軸63kは、製版装置の上方
に固設されたステー61とブラケット63aとの間に設
けられた左右一対の圧縮ばね62とを介してブラケット
63aに回転可能に支持されている。
【0065】ここで、圧縮ばね67のばね定数は、圧縮
ばね62のばね定数の半分よりも少なくとも大きく設定
されているため、製版済マスタの両端に位置する送りロ
ーラ対23a1,23b1同士の押圧力の方が、製版済
マスタの中央部に位置する送りローラ対23a2,23
b2同士の押圧力よりも大きい。
【0066】このようにして、図1及び図2に示す製版
済マスタ29a(図9には図示せず)をその幅全面で搬
送を行うと、製版済マスタ29aや送りローラ群23の
状態によってその搬送力にバラツキを生じしわの原因と
なるので、その中央部に対しては送りローラ対23a
2,23b2の回転駆動を行わず、その両端部の送りロ
ーラ対23a1,23b1だけを回転駆動して製版済マ
スタ29aと直交する方向に引っ張りながら搬送すると
しわの発生防止に効果的である。
【0067】図1、図3、図9及び図10に示した送り
ローラ対23a1,23b1は、マスタ29又は製版済
マスタ29aの一端か若しくは両端、すなわち少なくと
もマスタ29又は製版済マスタ29aの幅方向の一端に
位置するように配設されていれば良い。
【0068】そして、図3に示した摺動駆動手段により
移動される送りローラユニット45の移動方向は、図1
及び図3に示した方向の他にマスタ29又は製版済マス
タ29aの搬送方向に対して直交する方向に移動可能な
ように構成されていても良い。 なお、本実施例におい
ては孔版印刷用の原紙としてベースレスマスタを用いた
が、ベースレスマスタに限らず、ベース材として和紙等
を用いた原紙も使用できることは言うまでもない。
【0069】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1記載の発明
によれば、原紙又は製版済原紙の搬送方向に対して八の
字状に開いた向きに配置され両端部に位置する送りロー
ラの回転駆動により、原紙又は製版済原紙と両端部に位
置する各送りローラとの接線部分で摩擦力が生じ、この
摩擦力の上記搬送方向と直交する方向(左右方向)成分
が原紙又は製版済原紙を左右方向に引っ張ると共に、中
央部に位置する送りローラの連れ回りにより、原紙又は
製版済原紙の上記左右方向の引っ張りを若干規制して、
その左右の引張り力のバランスが図られるので、原紙又
は製版済原紙に傷等をつけることなくしわの発生を防止
することができ、印刷画像にしわの影響が出るのを防止
できる。また、ベースレスマスタを用いた場合、孔版印
刷機用の原紙に腰を持たせるために多孔質の可撓性シー
トと熱可塑性合成樹脂フィルムとを貼り合わせた原紙を
使用することなく自動製版や搬送ができ、印刷画像の立
ち上がりが速く、印刷物の白抜けのない良好な印刷画像
を得ることができる。
【0070】請求項2記載の発明によれば、こま切れ状
の送りローラのうちの両端部に位置する送りローラの原
紙又は製版済原紙に対する摩擦係数は、中央部に位置す
る送りローラのそれよりも大きくしたことにより、さら
に、原紙又は製版済原紙が上記左右方向に均一に引っ張
られるので、原紙又は製版済原紙の中央部に位置する送
りローラのニップ部に生じるしわを伸ばし、原紙又は製
版済原紙全域のしわを防止することができる。
【0071】請求項3記載の発明によれば、こま切れ状
の送りローラのうちの両端部に位置する送りローラの原
紙又は製版済原紙に対する押圧力は、中央部に位置する
送りローラのそれよりも大きくしたので、さらに、原紙
又は製版済原紙が上記左右方向に均一に引っ張られるの
で、原紙又は製版済原紙の中央部に位置する送りローラ
のニップ部に生じるしわを伸ばし、原紙又は製版済原紙
全域のしわを防止することができる。
【0072】請求項4記載の発明によれば、原紙(ベー
スレスマスタ)を製版装置にセットするときに原紙に腰
がないため生じる多くのしわを取るために設けた摺動駆
動手段により、原紙又は製版済原紙の搬送方向に対して
八の字状に開いた向きに配置され少なくとも一端に位置
する送りローラが、原紙又は製版済原紙の搬送方向に対
して横切る方向に移動されることにより、原紙又は製版
済原紙が上記左右方向に均一に引っ張られるので、原紙
又は製版済原紙のしわを素速く取ることができ、セット
時間の短縮と無駄な原紙の消費量を減らすことにより製
版装置のランニングコストを下げることができる。
【0073】請求項5記載の発明によれば、原紙(ベー
スレスマスタ)を製版装置にセットするときに、プラテ
ンローラ及び/又はサーマルヘッドを原紙に対して離間
して、原紙搬送手段によって原紙を所定量搬送すること
により、原紙がプラテンローラとサーマルヘッドとの間
に挟まれないので原紙にしわが発生しないので、原紙の
しわを素速く取ることができ、セット時間の短縮と無駄
な原紙の消費量を減らすことにより製版装置のランニン
グコストを下げることができる。
【0074】請求項6記載の発明によれば、こま切れ状
の送りローラのうちの両端部に位置する送りローラと上
記搬送方向とのなす角度を可変する角度可変手段によ
り、両端部に位置する送りローラと搬送方向とのなす角
度が可変され、原紙又は製版済原紙のしわの状態によっ
てその角度を調整することによって、原紙又は製版済原
紙が上記左右方向に伸びないように均一に引っ張られる
ので、原紙又は製版済原紙に対する上記左右方向への引
っ張り過ぎによる伸びを防止し、さらに、しわを伸ばす
ために搬送することにより破棄する原紙又は製版済原紙
の量を減らすことができる。
【0075】請求項7記載の発明によれば、送風手段に
より、原紙搬送手段を通過した原紙又は製版済原紙の先
端部の両面に対し原紙又は製版済原紙の搬送方向に沿っ
て空気流をそれぞれ形成するように吹き付けることによ
り、原紙又は製版済原紙がその搬送方向に沿って案内さ
れるので、原紙又は製版済原紙の中央部に位置する送り
ローラのニップ部に生じるしわを確実に伸ばし、原紙又
は製版済原紙全域のしわを確実に防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す製版装置の要部の平面
図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1の両端に位置する送りローラ対周りの要部
の断面図である。
【図4】図1の製版装置に原紙をセットするときの作用
を示す要部の断面図である。
【図5】図1の製版装置に原紙をセットするときの作用
を示す要部の平面図である。
【図6】図1の製版装置に原紙をセットするときの作用
を示す要部の側面図である。
【図7】図1の製版装置に原紙をセットするときの作用
を示す要部の平面図である。
【図8】図1の作用を示す要部の断面図である。
【図9】本発明の別の実施例を示す製版装置の要部の断
面図である。
【図10】図9の両端に位置する送りローラ対の作用を
示す断面図である。
【図11】本発明を適用する製版・印刷一体型孔版印刷
機を示す構成図である。
【図12】従来の製版装置の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
a 空気流 2 円筒状版胴 20 ベースレスマスタロール 21 製版手段としてのプラテンローラ 22 製版手段としてのサーマルヘッド 23a,23b 原紙搬送手段としての送りローラ群 23a1,23b1 原紙搬送手段としての送りローラ
対 23a2,23b2 送りローラ対 24a,24b 送風手段としての送風装置 29 孔版印刷用の原紙としてのベースレスマスタ 29a 製版済原紙としての製版済マスタ 43 駆動手段としてのモータ 48 摺動駆動手段としてのソレノイド 53,54 角度可変手段を構成する歯車 55,56 角度可変手段を構成するプーリ 57 角度可変手段を構成するベルト 58,60 角度可変手段を構成する軸 65 角度可変手段を構成するブラケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−96985(JP,A) 実開 昭55−151560(JP,U) 実開 平2−82566(JP,U) 実開 昭61−206446(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41L 13/14

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロール状に巻回された孔版印刷用の原紙を
    貯蔵する原紙貯蔵手段と、 上記原紙貯蔵手段により供給される上記原紙の製版を行
    う製版手段と、 上記製版手段における上記原紙又は製版済原紙の搬送方
    向の下流側に設けられていて、複数のこま切れ状の送り
    ローラからなる原紙搬送手段とを有し、 上記こま切れ状の送りローラのうちの両端部に位置する
    送りローラは、上記搬送方向に対して八の字状に開いた
    向きに配置されていて回転駆動されると共に、上記こま
    切れ状の送りローラのうちの中央部に位置する送りロー
    ラは、上記搬送方向と直交する方向に配置されていて上
    記原紙の搬送に伴って連れ回りすることを特徴とする製
    版装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の製版装置において、 上記両端部に位置する送りローラの上記原紙又は上記製
    版済原紙に対する摩擦係数は、上記中央部に位置する送
    りローラのそれよりも大きいことを特徴とする製版装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の製版装置において、 上記両端部に位置する送りローラの上記原紙又は上記製
    版済原紙に対する押圧力は、上記中央部に位置する送り
    ローラのそれよりも大きいことを特徴とする製版装置。
  4. 【請求項4】ロール状に巻回された孔版印刷用の原紙を
    貯蔵する原紙貯蔵手段と、 上記原紙貯蔵手段により供給される上記原紙の製版を行
    う製版手段と、 上記製版手段における上記原紙又は製版済原紙の搬送方
    向の下流側に設けられていて、複数のこま切れ状の送り
    ローラからなり、少なくとも一端に位置する上記送りロ
    ーラが上記搬送方向に対して八の字状に開いた向きに配
    置された原紙搬送手段とを有し、 少なくとも一端に位置する上記送りローラを、上記搬送
    方向に対して横切る方向に移動させる摺動駆動手段を具
    備することを特徴とする製版装置。
  5. 【請求項5】請求項1,2又は3記載の製版装置におい
    て、 上記製版手段は、プラテンローラ及びサーマルヘッドか
    らなり、プラテンローラ及び/又はサーマルヘッドを上
    記原紙に対して離間して上記原紙搬送手段により上記原
    紙を所定量搬送することを特徴とする製版装置。
  6. 【請求項6】請求項1,2又は3記載の製版装置におい
    て、 上記両端部に位置する送りローラと上記搬送方向とのな
    す角度を可変する角度可変手段を有することを特徴とす
    る製版装置。
  7. 【請求項7】請求項1,2又は3記載の製版装置におい
    て、 上記原紙搬送手段を通過した上記原紙又は上記製版済原
    紙の先端部の両面に対し上記搬送方向に沿って空気流を
    それぞれ形成する送風手段を有することを特徴とする製
    版装置。
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