JPH06219032A - 製版装置 - Google Patents

製版装置

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JPH06219032A
JPH06219032A JP1271693A JP1271693A JPH06219032A JP H06219032 A JPH06219032 A JP H06219032A JP 1271693 A JP1271693 A JP 1271693A JP 1271693 A JP1271693 A JP 1271693A JP H06219032 A JPH06219032 A JP H06219032A
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Tomiya Mori
富也 森
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Tohoku Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可撓性シートを用いない熱可塑性合成樹脂フ
ィルムのみによるベースレスマスタを用いた場合でも、
マスタが送りローラ等に巻き付いたり、或いはマスタに
しわが発生することなく製版及び搬送を行うことができ
るとともに、ベースレスマスタを用いた場合でもクラン
パに確実に搬送することができる製版装置を提供する。 【構成】 ベースレスマスタ29を貯蔵するベースレス
マスタロール20と、ベースレスマスタロールにより供
給されたベースレスマスタの製版を行う製版手段(プラ
テンローラ21,サーマルヘッド22)と、製版手段の
下流側に設けられていて、複数のこま切れ状の送りロー
ラ群23a,23bからなり、少なくとも一端に位置す
る送りローラ対23a1,23b1がマスタ29又は製
版済マスタ29aの搬送方向に対して八の字状に開いた
向きに配置された原紙搬送手段とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、孔版印刷機の製版装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】孔版印刷機に用いられる孔版印刷用の感
熱孔版原紙(以下、「マスタ」という)として、非常に
薄いポリエステル等の熱可塑性合成樹脂フィルムに和紙
のような多孔質の可撓性シートを貼り合わせるようにし
たものがよく知られている。このマスタに対して、サー
マルヘッドの発熱素子によって熱可塑性合成樹脂フィル
ムに穿孔製版を行い、マスタを自動搬送してその可撓性
シート側が内側となるように円筒状版胴の外周面に自動
的に巻き付け、そのマスタに対してプレスローラが印刷
用紙を連続的に押し付けて印刷する孔版印刷機が、よく
知られている。
【0003】上記用途に用いられる熱可塑性合成樹脂フ
ィルムは、その厚さが、例えば2μm程度と非常に薄い
ものとなっているために、熱可塑性合成樹脂フィルムの
単体(以下、「ベースレスマスタ」という)のままで
は、静電気等により製版装置内のプラテンローラや送り
ローラに巻き付いたりするので、自動搬送や製版ができ
ない。また、この製版装置から印刷部におけるクランパ
への搬送が、そのフィルム自体に腰がないために不安定
になり、円筒状版胴外周面に配置したクランパによって
マスタ先端部を確実に把持することができず、印刷がで
きなくなってしまう。
【0004】このように、ベースレスマスタでは、印刷
に使用できないことからそのフィルムに上述したような
和紙等のインキ透過性の多孔質の可撓性シートを貼り合
わせ、マスタを、例えば約40μm程度の厚さのものに
して、これを印刷に供していた。このようなマスタは、
多孔質の可撓性シートの貼り合わせによって、所定の強
さの腰がつけられるものとなるので、その搬送時にプラ
テンローラや送りローラへの巻き付き等が発生しにくく
なり印刷に支障なく製版し搬送することができる。この
ような多孔質の可撓性シートは、インキ透過性の多孔質
のものであるため、一般に多孔質ベース若しくは多孔質
のベース材とも称されている。
【0005】このような多孔質の可撓性シートには、上
記したように一般的に和紙が用いられるが、その繊維の
太さや長さ、あるいは密度や厚さにばらつきがあるため
に、インキの透過特性がばらついてしまう。すなわち、
所々に繊維の塊のような部分が多数できて、これがイン
キの均一な透過を阻止する。また、多孔質の可撓性シー
トと熱可塑性合成樹脂フィルムとを貼り合わせるため
に、比較的多量の接着剤が使用され、その接着剤の量の
むらによって生じる接着剤の多い部分でもインキの透過
が阻止されるようになる。
【0006】このように、マスタの部分部分でインキの
透過性が悪くなったりすると、熱可塑性合成樹脂フィル
ムが所定の印刷画像に対応した感熱穿孔を施されたとし
ても、インキ透過性の悪い部分に印刷画像上の白抜けが
生じやすくなり、白抜けが点在する、いわゆるベタ埋ま
りの悪い印刷画像となる。
【0007】従来、上述した不具合の解消を図った技術
として、例えば特開昭60−87094号公報等に示さ
れているように、多孔質の可撓性シートに和紙を用い
ず、均一な太さの繊維を規則正しく並べたものを用いた
孔版印刷方法が知られている。
【0008】また、多孔質の可撓性シートを用いずに熱
可塑性合成樹脂フィルムのみによるベースレスマスタの
製版、搬送を送りローラ等に巻き付くことがなく、ベー
スレスマスタを円筒状版胴のクランパに確実に搬送する
ことのできる製版装置が、同一出願人によって提案され
ている。すなわち、特願平4−340415号に示され
ているように、図12において、送りローラ対23a,
23bのニップ部でベースレスマスタ29及び製版済ベ
ースレスマスタ29aを常に張った状態に保持しプラテ
ンローラ21に巻き付くのを防止する。さらに、送りロ
ーラ対23a,23bにこま切れ状の複数のローラを使
用し、そのこま切れ状のローラの間より製版済ベースレ
スマスタ29aの搬送方向に沿って製版済マスタ29a
の先端部の両面に送風装置により空気流を形成して製版
済マスタ29aの送りローラ対23a,23bへの巻き
付きを防止すると共に、その空気流によって製版済マス
タ29aを案内してクランパへ搬送することのできる製
版装置が示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
技術においては、製版したばかりの新しいマスタを円筒
状版胴に巻き付けてもその版胴内のインキが多孔質の可
撓性シートの部分に十分に浸透してからでないと、熱可
塑性合成樹脂フィルム部分に到達しないために、印刷を
開始しても直ぐには印刷画像が出ず、最初の1乃至3枚
の印刷用紙上には適正な印刷画像が得られない問題があ
った。そして、使用済マスタを円筒状版胴から剥離して
所定の排版部に収納し、収納した使用済マスタを廃棄す
るが、この使用済マスタにはかなりの量のインキがその
多孔質の可撓性シートに含まれたままとなるため、イン
キの無駄使いとなる問題もあった。
【0010】また、後者の技術においては、ベースレス
マスタに腰がないためにそのマスタを製版装置にセット
した時や搬送中にしわが発生する問題がある。
【0011】したがって、本発明は上述したような問題
点を解決するために、可撓性シートを用いない熱可塑性
合成樹脂フィルムのみによるベースレスマスタを用いた
場合でも、マスタが送りローラ等に巻き付いたり、或い
はマスタにしわが発生することなく製版及び搬送を行う
ことができるとともに、ベースレスマスタを用いた場合
でもクランパに確実に搬送することができる製版装置を
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した目的を
達成するためになされたものであり、請求項1記載の発
明は、ロール状に巻回された孔版印刷用の原紙を貯蔵す
る原紙貯蔵手段と、上記原紙貯蔵手段により供給された
上記原紙の製版を行う製版手段と、上記製版手段の下流
側に設けられていて、複数のこま切れ状の送りローラか
らなり、少なくとも一端に位置する上記送りローラが上
記原紙又は製版済原紙の搬送方向に対して八の字状に開
いた向きに配置された原紙搬送手段とを有する構成とし
ている。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の製
版装置において、上記送りローラの上記原紙又は上記製
版済原紙に対する摩擦係数は、上記原紙又は上記製版済
原紙の中央部よりも少なくとも一端に位置する上記送り
ローラほど大きい構成としている。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項1記載の製
版装置において、上記送りローラの上記原紙又は上記製
版済原紙に対する押圧力は、上記原紙又は上記製版済原
紙の中央部よりも少なくとも一端に位置する上記送りロ
ーラほど大きい構成としている。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項1記載の製
版装置において、少なくとも一端に位置する上記送りロ
ーラだけを回転駆動する駆動手段を有する構成としてい
る。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の
何れか1つに記載の製版装置において、少なくとも一端
に位置する上記送りローラを、上記搬送方向に対して横
切る方向に移動させる摺動駆動手段を有する構成として
いる。
【0017】請求項6記載の発明は、請求項1記載の製
版装置において、上記製版手段は、プラテンローラ及び
サーマルヘッドからなり、プラテンローラ及び/又はサ
ーマルヘッドを上記原紙に対して離脱可能である構成と
している。
【0018】請求項7記載の発明は、請求項1乃至5の
何れか1つに記載の製版装置において、少なくとも一端
に位置する上記送りローラと上記搬送方向とのなす角度
を可変する角度可変手段を有する構成としている。
【0019】請求項8記載の発明は、請求項1乃至7の
何れか1つに記載の製版装置において、上記原紙搬送手
段を通過した上記原紙又は上記製版済原紙の先端部の両
面に上記搬送方向に沿って空気流を形成する送風手段を
有する構成としている。
【0020】
【作用】請求項1記載の発明によれば、原紙又は製版済
原紙の搬送方向に対して八の字状に開いた向きに配置さ
れた少なくとも一端に位置する送りローラの回転により
原紙又は製版済原紙と上記送りローラとの接線部分で摩
擦力が生じ、この摩擦力の原紙又は製版済原紙の搬送方
向と直角な方向成分により原紙又は製版済原紙が引っ張
られる。
【0021】請求項2記載の発明によれば、原紙又は製
版済原紙の搬送方向に対して八の字状に開いた向きに配
置された少なくとも一端に位置する送りローラの原紙又
は製版済原紙に対する摩擦力を、原紙又は製版済原紙の
中央部に位置する送りローラよりも大きい構成としたの
で、原紙又は製版済原紙がその搬送方向に対して直交す
る方向に均一に引っ張られる。
【0022】請求項3記載の発明によれば、請求項1記
載の製版装置において、原紙又は製版済原紙の搬送方向
に対して八の字状に開いた向きに配置された少なくとも
一端に位置する送りローラの原紙又は製版済原紙に対す
る押圧力を、原紙又は製版済原紙の中央部に位置する送
りローラよりも大きい構成としたので、原紙又は製版済
原紙がその搬送方向に対して直交する方向に均一に引っ
張られる。
【0023】請求項4記載の発明によれば、駆動手段に
より少なくとも一端に位置する送りローラだけが回転駆
動されるので、原紙又は製版済原紙や送りローラの状態
による搬送力のばらつきの影響を受けることなく原紙又
は製版済原紙がその搬送方向に対して直交する方向に均
一に引っ張られる。
【0024】請求項5記載の発明によれば、ベースレス
マスタを製版装置にセットするときにベースレスマスタ
に腰がないため生じる多くのしわを取るために設けた摺
動駆動手段により少なくとも一端に位置する送りローラ
が原紙の搬送方向に対して横切る方向に移動されるの
で、原紙がその搬送方向に対して直交する方向に均一に
引っ張られる。
【0025】請求項6記載の発明によれば、ベースレス
マスタを製版装置にセットするときにベースレスマスタ
に腰がないため生じる多くのしわを取るために、プラテ
ンローラ及び/又はサーマルヘッドを原紙に対して離脱
可能である構成としたことにより、原紙のセット時に原
紙がプラテンローラとサーマルヘッドとの間に挟まれな
いので原紙にしわが発生しない。
【0026】請求項7記載の発明によれば、角度可変手
段により少なくとも一端に位置する送りローラと搬送方
向とのなす角度が可変されるので、原紙又は製版済原紙
がその搬送方向に対して直交する方向に伸びないように
均一に引っ張られる。
【0027】請求項8記載の発明によれば、請求項1乃
至7の何れか1に記載の搬送装置における作用に加え、
送風手段により形成された空気流が原紙搬送手段を通過
した原紙又は製版済原紙の先端部の両面に、その搬送方
向に沿って吹き付けるので、原紙又は製版済原紙がその
搬送方向に沿って案内される。
【0028】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例に
ついて詳述する。
【0029】まず、図11を参照して本発明を適用する
製版・印刷一体型孔版印刷機の全体構成について説明す
る。
【0030】この孔版印刷機は、機体部Aの上部に配置
された図示しない原稿受け台上から移送される図示しな
い原稿の表面の画像を読み取る周知の原稿読取装置1
と、この原稿読取装置1の下方の機体部Aの一側部に配
置されていて、孔版印刷機用の原紙としてのベースレス
マスタ29(以下、単に「マスタ29」と称す)がロー
ル状に巻かれた連続シート状の原紙貯蔵手段としてのベ
ースレスマスタロール20(以下、単に「マスタロール
20」と称す)を製版する製版装置6と、機体部Aの中
央部に配置され製版済マスタ29aを外周面に巻装する
円筒状版胴2を備えた印刷装置60と、製版装置6の下
方に配置されていて、給紙台7上に積層された印刷用紙
Pを円筒状版胴2に送出する給紙装置40と、この給紙
装置40に対向する機体部Aの下方に配置されていて、
円筒状版胴2で印刷された印刷用紙Pを排紙台14に排
出する排紙装置50と、この排紙装置50と原稿読取装
置1との間に配置され、版胴2の外周面から剥ぎ取られ
た使用済マスタ3を排版ボックス5内に排出する排版装
置4とを具備する。
【0031】以下、上記した製版装置6、印刷装置6
0、給紙装置40及び排紙装置50について順次説明す
る。
【0032】図1又は図2に示すように、製版装置6
は、回転自在に支持されたマスタロール20と、図示し
ない駆動機構により回転駆動され、マスタロール20か
ら供給されるマスタ29をサーマルヘッド22に押し付
けながら回転するプラテンローラ21と、プラテンロー
ラ21から図示しない機構によって離脱可能に支持され
たサーマルヘッド22と、プラテンローラ21及びサー
マルヘッド22の下流側に設けられていて、後述する駆
動手段により回転駆動されマスタ29又は製版済マスタ
29aを搬送する原紙搬送手段としての上下一対の送り
ローラ群23a,23bと、送りローラ群23a,23
bを通過したマスタ29又は製版済マスタ29aの先端
部の両面にマスタ29又は製版済マスタ29aの搬送方
向に沿って空気流をそれぞれ形成する送風手段としての
上下一対の送風装置24a,24bと、マスタ29又は
製版済マスタ29aを所定の長さに切断する上下一対の
円盤状カッタ対25a,25bとを有する。カッタ対2
5a,25bは、送りローラ群23a,23bの下流側
であって、かつ、マスタ29又は製版済マスタ29aの
搬送方向に対して直交する片側端に通常待機しており、
マスタ29又は製版済マスタ29aをその幅(上記直
交)方向に横断することにより所定の長さに切断する。
なお、カッタ対25a,25bは、上述したように通常
片側端に待機しているので、送風装置24a,24bに
より形成される空気流の流れを妨げることがない。な
お、製版手段は、プラテンローラ21とサーマルヘッド
22とから構成されている。
【0033】マスタロール20の斜め下方には、マスタ
ロール20の外周面に対して接離自在なブレーキ32が
設けられている。ブレーキ32は、マスタロール20の
連れ回り回転を制動し抑制する機能を持っている。
【0034】サーマルヘッド22は、原稿読取装置1の
A/D変換部及び製版制御部(共に図示しない)で処理
されて送出されるデジタル画像信号に基づく所定の印刷
画像に対応して選択的にマスタ29の熱可塑性フィルム
を溶融穿孔する。
【0035】図1又は図2において、送りローラ群23
は、製版済マスタ29aの中央部近傍にそれぞれ配置さ
れた3組のこま切れ状の送りローラ対23a2,23b
2と、この送りローラ対23a2,23b2の両端に位
置すると共に、製版済マスタ29aの搬送方向(太矢印
で示す)に対して八の字状に開いた向きに配置された2
組のこま切れ状の送りローラ対23a1,23b1とか
らなる。3組の送りローラ対23a2,23b2は、マ
スタ29又は製版済マスタ29aの搬送方向に対して直
交する向きにそれぞれ所定の間隔を置いてローラ回転軸
23u2,23d2によって串刺し状に実質一体的に支
持されていて、マスタ29又は製版済マスタ29aの搬
送に伴ってマスタ29又は製版済マスタ29aを介して
連れ回るようになっている。
【0036】送りローラ対23a1,23b1は、最外
側の各ローラ対23a2,23b2に対して所定の間隔
を置いて、かつ、マスタ29又は製版済マスタ29aの
搬送方向に対してθなる角度を有してローラ回転駆動軸
40a,40bによって串刺し状に実質一体的に支持さ
れていて、上下の送りローラ対23a1,23b1の外
周面がマスタ29又は製版済マスタ29aを後述する所
定の押圧力で圧接しながら円筒状版胴2に設けられてい
るクランパ31(後述する図8及び図11に示す)に搬
送する。なお、説明を簡明にするため、図1には後述す
る送りローラユニット45の構成として送りローラ対2
3a1,23b1及びローラ回転駆動軸40a,40b
のみを示し、他の構成は省略してある。
【0037】図3に示すように、ローラ回転駆動軸40
a,40bは、断面矩形状のブラケット41にそれぞれ
回転可能に支持されている。ブラケット41を介してそ
の外側において、ローラ回転駆動軸40aの一端には歯
車42aが、ローラ回転駆動軸40bの一端には歯車4
2aに常時噛合する歯車42bがそれぞれ固設されてい
る。ブラケット41内において、上部側の送りローラ対
23a1の上方には歯車42aに常時噛合する歯車44
を有する駆動手段としてのモータ43が設けられてい
て、モータ43の回転によりローラ回転駆動軸40a及
びローラ回転駆動軸40bがそれぞれ回転駆動される。
【0038】送りローラ対23a1,23b1、ローラ
回転駆動軸40a,40b、歯車42a、歯車42b、
歯車44及びモータ43は、送りローラユニット45を
構成する。
【0039】図3において、送りローラユニット45
は、製版装置の図示しない側板に固定された2本のレー
ル46a,46bによって図1及び図3に示す矢印方向
x1,x2の両方向、すなわちマスタ29又は製版済マ
スタ29a(図3には図示しない)の搬送方向に対して
横切る方向に摺動可能に支持されている。ブラケット4
1の一側端にはブラケット41の外側においてその一端
を製版装置の図示しない側板に係止された引っ張りばね
47が設けられていて、矢印方向x1に常に付勢されて
いる。また、ブラケット41の一側端には、製版装置の
図示しない側板に固定された支持軸50を支点に回動す
るアーム51が連結された摺動駆動手段としてのソレノ
イド48が設けられ、このソレノイド48は図示しない
電源に接続されている。
【0040】図1又は図2に示すように、送風装置24
a,24bは、上部側の送りローラ群23a及び下部側
の送りローラ群23bのニップ部を境にしてそれぞれ個
別に設けられており、送風ファン26a,26bと、送
風路27a,27bと、吹き出し口28a,28bとか
らそれぞれなる。上部の送風ファン26aは、図1にお
いて上部の送風路27a内の製版手段側に突設されてい
て、また図2において送風路27a内の右上端部に設け
られている。下部の送風ファン26bは、図1において
下部の送風路27b内の製版手段側に突設されていて、
また図2において下部の送風路27b内の右下端部に設
けられている。
【0041】上部の送風路27aは、上部側の送りロー
ラ群23a側に先細の凸状をなして突設されていて、そ
の先端において隣合う送りローラ23a2同士又は送り
ローラ23a1と送りローラ23a2との間に4箇所の
矩形状の吹き出し口28aがそれぞれ形成されている。
送風路27aの各吹き出し口28aの底面には、製版済
マスタ29aの搬送方向に沿って略平行に、製版済マス
タ29aの上面が送りローラ群23aに巻き付くのを防
止するガイド面30aが、それぞれ形成されている。
【0042】上部の送風路27aと同様に、下部の送風
路27bは、下部側の送りローラ23b側に先細の凸状
をなして突設されていて、その先端において隣合う送り
ローラ23b2同士又は送りローラ23b1と送りロー
ラ23b2との間に4箇所の矩形状の吹き出し口28b
がそれぞれ形成されている。送風路27bの各吹き出し
口28bの上面には、製版済マスタ29aの搬送方向に
沿って略平行に、製版済マスタ29aの下面が送りロー
ラ群23bに巻き付くのを防止するガイド面30bが、
それぞれ形成されている。
【0043】送風ファン26a,26bは、図示しない
ファン回転駆動軸によって図示しないファン駆動モータ
にそれぞれ連結されている。このファン駆動モータ(図
示しない)は、例えば入出力ポートの付いたCPU(中
央演算処理装置)及びメモリを備えた制御手段としての
マイクロコンピュータ(図示しない)にそれぞれ接続さ
れている。その入力ポートは製版装置6のローラ駆動用
モータ(図示しない)に、出力ポートはファン駆動モー
タ(図示しない)にそれぞれ接続されていて、ローラ駆
動用モータ(図示しない)への通電時間を検知して、フ
ァン駆動モータ(図示しない)の回転駆動時間を制御す
る。
【0044】図4に示すように、サーマルヘッド22
は、図示しない機構によってプラテンローラ21から離
脱可能に支持されている。
【0045】図11に示すように、印刷装置60は、円
筒状版胴2と、円筒状版胴2の外周面の一部にその軸線
方向に延在して製版済マスタ29aの先端部を挟持する
開閉可能なクランパ31と、円筒状版胴2の内周面にイ
ンキを供給するインキ供給ローラ17と、インキ供給ロ
ーラ17と微小間隙を置いて平行に配置されていて、イ
ンキ供給ローラ17との間に図示しないインキ溜りを形
成するドクターローラ18と、円筒状版胴2の回転中心
軸15を兼ねるとともに、インキ溜り(図示しない)へ
インキを供給するインキ供給管16とを有する。ここ
で、インキ供給管16、インキ供給ローラ17及びドク
ターローラ18が印刷インキ供給装置19を構成する。
インキ供給ローラ17に対向する円筒状版胴2の外周面
の近傍には、上下に揺動し印刷用紙Pを円筒状版胴2へ
押し付けるプレスローラ11が配設されている。
【0046】図11に示すように、給紙装置40は、積
層された印刷用紙Pを積載する給紙台7と、印刷用紙P
を送り出す給紙コロ8と、印刷用紙Pを一枚ずつ分離す
る一対の分離コロ対9a,9bと、円筒状版胴2とプレ
スローラ11との間に所定タイミングで印刷用紙Pを送
出する一対のフィードローラ対10a,10bとを有す
る。
【0047】排紙装置50は、円筒状版胴2で印刷され
た印刷済の印刷用紙Paを順次積載する排紙台14と、
円筒状版胴2の近傍に配置され印刷済印刷用紙Paを円
筒状版胴2から剥離する排紙剥離爪12と、排紙剥離爪
12によって剥離された印刷済印刷用紙Paを排紙台1
4上へ搬送するための吸着部ローラ51,52及びこれ
らの吸着部ローラ51,52間に掛け渡された無端の搬
送ベルト53からなる強制排紙機構13とを有する。
【0048】次に、この孔版印刷機の動作について以下
に記す。
【0049】まず、図11において、原稿読取装置1の
原稿受け台(図示しない)上に原稿(図示しない)をセ
ットし、図示しない製版スタートキーをオンする。する
と、円筒状版胴2が矢印方向に回転し、円筒状版胴2の
外周面に巻装されていた使用済マスタ3は、排版装置4
の排版ボックス5内へと排出されて、いわゆる排版工程
が終了する。
【0050】ここで、図4に示すように、マスタロール
20からマスタ29を引き出し製版装置にセットする場
合について説明する。まず、プラテンローラ21からサ
ーマルヘッド22を図示しない機構によって引き離し解
除し、サーマルヘッド22とプラテンローラ21との間
に形成された隙間を通してマスタ29をセットする。次
に、図示しないマスタ搬送ボタンを押すと、図3に示す
ソレノイド48に図示しない電源から通電され、ソレノ
イド48が吸引することにより支持軸50を支点にアー
ム51が回転されブラケット41の側壁を押圧して、ユ
ニット45が矢印方向x2(マスタ29の中央部寄りの
方向)に移動される(図5参照)。図5において、太矢
印で示すマスタ29の搬送方向に対して八の字状に開い
た向きに位置する送りローラ対23a1,23b1(同
図にハッチングで示す)が矢印方向x2に寄ると同時
に、プラテンローラ21と送りローラ対23a1,23
b1とがそれぞれ回転駆動され、送りローラ対23a
1,23b1のニップ部でマスタ29の先端部が挟持さ
れて搬送される。また、この時、送風装置24の送風フ
ァン26が回転されてマスタ29の先端部の両面への送
風も開始される(図6参照)。
【0051】そして、マスタ29が一定量搬送される
と、ソレノイド48への通電が解除されることによって
ユニット45が矢印方向x1(マスタ29の両端方向)
に移動されので、送りローラ対23a1,23b1(図
7にハッチングで示す)はマスタ29を横切ってその両
端方向に広がり、マスタ29のしわが伸ばされる。さら
に太矢印で示すマスタ29の搬送方向に対して八の字状
に開いた向きに位置する送りローラ対23a1,23b
1の回転によってマスタ29は、マスタ29の搬送方向
と直交する方向に引っ張られてマスタ29のしわが伸ば
されると共に搬送時のしわの発生が防止される(図7参
照)。図7に示した状態よりさらにマスタ29を一定量
搬送すると、図2に示すように、送風とマスタ29の搬
送とが停止され、カッタ対25a,25bによりマスタ
29の先端部が切断され、サーマルヘッド22がマスタ
29を介してプラテンローラ21へ押し付けられてマス
タのセットが終了する。したがって、サーマルヘッド2
2及び/又はプラテンローラ21をマスタ29から離脱
させてマスタ29の搬送を行ったほうが、マスタ29を
その搬送方向と直交する方向に引っ張りやすく、マスタ
29のしわを取りやすい。
【0052】図2に示すように、製版待機状態時におい
ては、通常、マスタ29の先端部は、送りローラ対23
a,23bのニップ部に挟持されており、またマスタロ
ール20は、ブレーキ32によって適正な制動力が負荷
されているため、これら両者の作用によってマスタ29
は常に張った状態に保たれる。したがって、マスタ29
の搬送時においては、上記両者の作用によってその先端
部がプラテンローラ21に巻き付くのが防止されてい
る。
【0053】次に、製版が開始されると、原稿(図示し
ない)の画像の読み取りと並行して同時に、製版装置6
では、共に図示しないA/D変換部及び製版制御部にて
処理されて送出されるデジタル画像信号によって、サー
マルヘッド22に直線状に並んだ複数の発熱素子が選択
的に発熱され、サーマルヘッド22に押圧されながら搬
送されるマスタ29の熱可塑性樹脂フィルムの部分が、
所定の印刷画像に対応して選択的に溶融・穿孔される。
また、この時、送風装置24a,24bの送風ファン2
6a,26bが回転されて送風も開始される(図8参
照)。
【0054】図1又は図8に示すように、このように穿
孔された製版済マスタ29aの先端部は、送りローラ対
23a1,23b1が回転することにより搬送される。
この時、太矢印で示す製版済マスタ29aの搬送方向に
対して八の字状に開いた向きに位置する送りローラ対2
3a1,23b1によって製版済マスタ29aは、製版
済マスタ29aの搬送方向と直交する方向に引っ張られ
てマスタ29のしわが伸ばされると共に搬送時のしわの
発生が防止される。さらにこの時、送りローラ対23a
1,23b1のニップ部を境界として製版済マスタ29
aの搬送方向上流側における送りローラ対23a1,2
3b1に対するマスタ29の巻き付きは、送風装置24
a,24bのガイド面30a,30bによって防止され
る。また、製版済マスタ29aの搬送方向下流側におけ
る送りローラ対23a,23bに対する製版済マスタ2
9aの先端部の巻き付きは、送風装置24a,24bの
送風ファン26a,26bが回転されることによって形
成される空気流aが製版済マスタ29aの先端部の両面
に吹き付けることによって、製版済マスタ29aの先端
部が搬送方向に案内されて防止される。
【0055】さらに、製版済マスタ29aの先端部の両
面は、送風装置24によって送られる空気流aによって
案内されつつ円筒状版胴2側に進み、製版済マスタ29
aは、空気流aによってその両面を案内されつつ円筒状
版胴2側に進行し、円筒状版胴2に設けられ拡開したク
ランパ31の位置に到達する。製版済マスタ29aの先
端がクランパ31の位置に到達すると、製版装置6の図
示しないローラ駆動用モータへの通電時間が、マイクロ
コンピュータのCPU(図示しない)で検知されてい
て、一定時間に達すると送風装置24a,24bに連結
されているファン駆動モータ(図示しない)にCPU
(図示しない)から制御信号が送出されて、送風が停止
される。このようにして、クランパ31による製版済マ
スタ29aのクランプ時に、製版済マスタ29a先端部
にフラッター(波打ち現象)が発生してしわの生じるの
が防止される。
【0056】次に、図11に示すように、所定のタイミ
ングでクランパ31が閉鎖されることにより製版済マス
タ29aの先端部がクランプされ、円筒状版胴2が矢印
方向と反対方向に回転すると、製版済マスタ29aは円
筒状版胴2の外周面に徐々に巻き付けられ始める。な
お、図11において、製版装置6と排版装置4とが逆の
位置に配設されていて、かつ、クランパ31を製版装置
6に対向して開放閉鎖する向きに円筒状版胴2に配設し
た場合には、円筒状版胴2が同図中の矢印方向に回転し
て製版済マスタ29aを巻き付けることも可能である。
そして、製版完了後に製版済マスタ29aは、カッタ対
25a,25bにより所定の長さに切断され、この切断
された1枚の製版済マスタ29aが円筒状版胴2の外周
面に完全に巻装されて、いわゆる給版工程が終了する。
【0057】カッタ対25a,25bが送りローラ群2
3a,23bの出口下流側に設けられているため、製版
済マスタ29aの先端部は送りローラ対23a,23b
によって挟持され保持される(図2参照)。
【0058】給版工程終了と同時に、給紙台7上に積載
されている印刷用紙Pが、給紙コロ8及び分離コロ対9
a,9bによりフィードローラ対10a,10bへ向け
て送られ、さらにフィードローラ対10a,10bによ
り円筒状版胴2の回転と同期した所定のタイミングで円
筒状版胴2とプレスローラ11との間に送出される。そ
して、円筒状版胴2の外周面から下方に離間していたプ
レスローラ11が上方に移動し、同図中の矢印と反対方
向に回転する円筒状版胴2の外周面に巻装された製版済
マスタ29aに印刷用紙Pが押圧されることにより、製
版済マスタ29aの穿孔部分からインキが印刷用紙Pの
表面に転移される。なお、この時、インキ供給ローラ1
7も円筒状版胴2の回転方向と同一方向に回転し、イン
キを円筒状版胴2の内周面に供給する。このようにし
て、印刷された印刷用紙Paは、プレスローラ11を過
ぎると、排紙剥離爪12によって円筒状版胴2の外周面
から剥離され、回転する吸着部ローラ51,52間に掛
け渡され回り動く搬送ベルト53に沿って案内され、排
紙台14上に落下し、いわゆる試し刷り工程が終了す
る。
【0059】次に、図示しないテンキーで印刷枚数をセ
ットし、図示しない印刷スタートキーをオンすると、試
し刷り工程と同様の工程、すなわち給紙、印刷、排紙工
程でセットした印刷枚数分繰り返して印刷され、孔版印
刷工程が終了する。
【0060】図9及び図10に本発明の別の実施例を示
し、両図を参照しながらその構成及び動作について説明
する。
【0061】送りローラによるマスタ29又は製版済マ
スタ29a(以下、単に「製版済マスタ29a」と称
す)の中央部への摩擦力や押圧力が大きいと製版済マス
タ29aをその搬送方向に対して直行する方向に均一に
引っ張ることができないため、送りローラの製版済マス
タ29aに対する摩擦力や押圧力は、製版済マスタ29
aの中央部に比べ、その両端部ほど大きくしたほうがし
わの発生防止に有効である。したがって、製版済マスタ
29aの搬送時のしわ発生を防止するには、送りローラ
の製版済マスタ29aに対する摩擦力を、製版済マスタ
29aの中央部よりもその両端部ほど大きくするため
に、製版済マスタ29aの両端に位置する送りローラ対
23a1,23b1をゴム製ローラ(図9及び図10に
おいて梨地模様で示す)にし、製版済マスタ29aの中
央部に位置する送りローラ対23a2,23b2を合成
樹脂製ローラにすると製版済マスタ29aの搬送時のし
わの発生防止に効果的である。
【0062】図9において、3組の送りローラ対23a
2,23b2の両側には断面チャンネル状のブラケット
65が、その上下面にそれぞれ固設された軸58及び軸
64で図示しない製版装置の側板に回転可能に支持され
ている。また、図において左側の軸58の上部には歯車
53が、右側の軸58の上部にはプーリ56が、各軸5
8とそれぞれ実質一体的に回転可能に設けられている。
左側の軸58の上方右側の近傍には図示しない製版装置
の側板に回転可能に支持され図示しない駆動用モータに
連結された軸60が設けられていて、軸60の下端部に
は歯車53と噛合する歯車54及びプーリ55が軸60
と実質一体的に回転可能にそれぞれ設けられている。プ
ーリ55及びプーリ56との間にはベルト57が掛け渡
されていて、図示しない駆動用モータの回動によって左
右の軸58がそれぞれ逆向きに任意の角度θ(後述す
る)だけ回動することにより、送りローラ対23a1,
23b1が製版済マスタの搬送方向に対して八の字状に
開いた向きに配置されるが、同図は両軸58を製版済マ
スタ29aの搬送方向に対して直交させた状態のみを示
している。
【0063】図示しない駆動用モータ、軸60、ベルト
57、プーリ55、プーリ56、歯車53、歯車54及
びブラケット65は角度可変手段を構成する。
【0064】この構成の動作を図1又は図2を借りて説
明する。図1、図2、図9又は図10において、製版済
マスタ29aの搬送方向と角度θを有する送りローラ対
23a1,23b1を設けて製版済マスタ29aをその
搬送方向と直交する方向に引っ張りしわの発生を防止す
るが、マスタロール20をセットしたときのように、し
わの多いときは角度θを小さくした方が短い製版済マス
タ29aの搬送量でしわを取ることができて、切断し破
棄する製版済マスタ29aの量を少なくすることができ
る。
【0065】しかし、比較的しわの少ない搬送時には製
版済マスタ29aをその搬送方向と直交する方向に引っ
張る量がしわを防止する程度で十分であり、逆に製版済
マスタ29aを引っ張り過ぎると製版済マスタ29aの
搬送方向と直交する方向に延び等が発生するため、製版
済マスタ29aのしわ状態によって、又は製版済マスタ
29aの種類等によってしわ発生のしやすさが異なるた
め角度θを調整する必要がある。そこで、図示しない駆
動用モータにより軸60を回転駆動することにより、図
において右側のブラケット65に固設されている軸58
が、プーリ55、ベルト57及びプーリ56を介して所
望の角度θ´だけ回転される。そして、図において左側
のブラケット65に固設されている軸58が、歯車54
及び歯車53を介して所望の角度θ´だけ回転される。
このようにして、オペレータは、送りローラ23a1,
23b1を任意の角度θに操作してマスタ29のしわを
防止することができる。
【0066】左右のブラケット65内において、送りロ
ーラ対23a1,23b1がローラ回転駆動軸65a,
65bにそれぞれ実質一体的に回転可能に設けられてお
り、回転駆動軸65a,65bは左右のブラケット65
の内外壁にそれぞれ明けられた丸孔65h及び上下方向
に長い長孔65sにそれぞれ回転可能に支持されてい
る。左右のブラケット65の外側において、ローラ回転
駆動軸65aの一端には歯車52aが、ローラ回転駆動
軸65bの一端には常時歯車52aと噛合する歯車52
bがそれぞれ実質一体的に回転可能に設けられている。
歯車52aには図3と同様の駆動機構(図9には図示し
ない)が連結されていて、送りローラ対23a1,23
b1を回転駆動する。
【0067】そして、下部側の送りローラ23b1を支
持しているローラ回転駆動軸65bが、断面コ字状のブ
ラケット66に回転可能に支持されている。さらにブラ
ケット66の底面とブラケット65の下面内側に設けら
れた圧縮ばね67の付勢力により長孔65sの範囲内に
おいて下部側の送りローラ23b1が、上部側の送りロ
ーラ23a1に押し付けられている。なお、歯車52a
と歯車52bとの噛み合い部の互いの歯末のたけは、図
において上下方向に余裕があり、この余裕及び長孔65
sの範囲内において送りローラ23b1のローラ回転駆
動軸65bを移動することが可能であり、送りローラ2
3a1に対して送りローラ23b1の押圧力を変更でき
る。
【0068】一方、製版済マスタの搬送方向に対して直
交する方向の中央部に配置された3組の送りローラ対2
3a2,23b2の下側の送りローラ群23b2と実質
一体的に設けられた回転軸63jは、図示しない製版装
置の側板に固設されたブラケット63bに回転可能に設
けられている。また、上側の送りローラ群23a2と実
質一体的に設けられた回転軸63kは、製版装置の上方
に固設されたステー61とブラケット63aとの間に設
けられた左右一対の圧縮ばね62とを介してブラケット
63aに回転可能に支持されている。
【0069】ここで、圧縮ばね67のばね定数は、圧縮
ばね62のばね定数の半分よりも少なくとも大きく設定
されているため、製版済マスタの両端に位置する送りロ
ーラ対23a1,23b1同士の押圧力の方が、製版済
マスタの中央部に位置する送りローラ対23a2,23
b2同士の押圧力よりも大きい。
【0070】このようにして、図1及び図2に示す製版
済マスタ29a(図9には図示しない)をその幅全面で
搬送を行うと、製版済マスタ29aや送りローラ群23
の状態によってその搬送力にバラツキを生じしわの原因
となるので、その中央部に対しては送りローラ対23a
2,23b2の回転駆動を行わず、その両端部の送りロ
ーラ対23a1,23b1だけを回転駆動して製版済マ
スタ29aと直行する方向に引っ張りながら搬送すると
しわの発生防止に効果的である。
【0071】図1、図3、図9又は図10に示した送り
ローラ対23a1,23b1は、マスタ29又は製版済
マスタ29aの一端か若しくは両端、すなわち少なくと
もマスタ29又は製版済マスタ29aの幅方向の一端に
位置するように配設されていれば良い。
【0072】そして、図3に示した摺動駆動手段により
移動される送りローラユニット45の移動方向は、図1
又は図3に示した方向の他にマスタ29又は製版済マス
タ29aの搬送方向に対して直交する方向に移動可能な
ように構成されていても良い。 なお、本実施例におい
ては孔版印刷用の原紙としてベースレスマスタを用いた
が、ベースレスマスタに限らず、ベース材として和紙等
を用いた原紙も使用できることは言うまでもない。
【0073】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1記載の発明
によれば、原紙又は製版済原紙の搬送方向に対して八の
字状に開いた向きに配置された少なくとも一端に位置す
る送りローラの回転により原紙又は製版済原紙と上記送
りローラとの接線部分で摩擦力が生じ、この摩擦力の原
紙又は製版済原紙の搬送方向と直角な方向成分が原紙又
は製版済原紙を引っ張るので、傷等をつけることなくし
わの発生を防止することができ、印刷画像にしわの影響
が出るのを防止できる。また、ベースレスマスタを用い
た場合、孔版印刷機用の原紙に腰を持たせるために多孔
質の可撓性シートと熱可塑性合成樹脂フィルムとを貼り
合わせた原紙を使用することなく自動製版や搬送がで
き、印刷画像の立ち上がりが速く、印刷物の白抜けのな
い良好な印刷画像を得ることができる。
【0074】請求項2記載の発明によれば、原紙又は製
版済原紙の搬送方向に対して八の字状に開いた向きに配
置された少なくとも一端に位置する送りローラの原紙又
は製版済原紙に対する摩擦力を、同原紙又は製版済原紙
の中央部に位置する送りローラよりも大きい構成とした
ことにより、原紙又は製版済原紙がその搬送方向に対し
て直交する方向に均一に引っ張られるので、原紙又は製
版済原紙の中央部に位置する送りローラのニップ部に生
じるしわを伸ばし、原紙又は製版済原紙全域のしわを防
止することができる。
【0075】請求項3記載の発明によれば、請求項1記
載の製版装置において、原紙又は製版済原紙の搬送方向
に対して八の字状に開いた向きに配置された少なくとも
一端に位置する送りローラの原紙又は製版済原紙に対す
る押圧力を、原紙又は製版済原紙の中央部に位置する送
りローラよりも大きい構成としたことにより、原紙又は
製版済原紙がその搬送方向に対して直交する方向に均一
に引っ張られるので、原紙又は製版済原紙の中央部に位
置する送りローラのニップ部に生じるしわを伸ばし、原
紙又は製版済原紙全域のしわを防止することができる。
【0076】請求項4記載の発明によれば、駆動手段に
より少なくとも一端に位置する送りローラだけが回転駆
動されることにより、原紙又は製版済原紙や送りローラ
の状態による搬送力のばらつきの影響を受けることなく
原紙又は製版済原紙がその搬送方向に対して直交する方
向に均一に引っ張られるので、原紙又は製版済原紙の中
央部に位置する送りローラのニップ部に生じるしわを伸
ばし、原紙又は製版済原紙全域のしわ発生を防止するこ
とができる。
【0077】請求項5記載の発明によれば、ベースレス
マスタを製版装置にセットするときに、ベースレスマス
タに腰がないため生じる多くのしわを取るために設けた
摺動駆動手段により少なくとも一端に位置する送りロー
ラが原紙の搬送方向に対して横切る方向に移動されるこ
とにより、原紙がその搬送方向に対して直交する方向に
均一に引っ張られるので、原紙のしわを素速く取ること
ができ、セット時間の短縮と無駄な原紙の消費量を減ら
すことにより製版装置のランニングコストを下げること
ができる。
【0078】請求項6記載の発明によれば、ベースレス
マスタを製版装置にセットするときに、ベースレスマス
タに腰がないため生じる多くのしわを取るために、原紙
の搬送方向に対して八の字状に開いた向きに配置された
少なくとも一端に位置する送りローラの所を搬送させる
が、プラテンローラとサーマルヘッドとのニップ部にお
いて原紙に働く摩擦力の影響を受けないように、プラテ
ンローラ及び/又はサーマルヘッドを原紙に対して離脱
可能である構成としたことにより、原紙のしわを素速く
取ることができ、セット時間の短縮と無駄な原紙の消費
量を減らすことにより製版装置のランニングコストを下
げることができる。
【0079】請求項7記載の発明によれば、角度可変手
段により少なくとも一端に位置する送りローラと搬送方
向とのなす角度が可変されることにより、原紙又は製版
済原紙のしわの状態によってその角度を調整すること
で、原紙又は製版済原紙がその搬送方向に対して直交す
る方向への引っ張り過ぎによる延びを防止し、さらにし
わを伸ばすために搬送することにより破棄する原紙又は
製版済原紙の量を減らすことができる。
【0080】請求項8記載の発明によれば、請求項1乃
至7の何れか1に記載の搬送装置における効果に加え、
送風手段により形成された空気流が原紙搬送手段を通過
した原紙又は製版済原紙の先端部の両面に、その搬送方
向に沿って吹き付けることにより、原紙又は製版済原紙
がその搬送方向に沿って案内されるので、原紙又は製版
済原紙の中央部に位置する送りローラのニップ部に生じ
るしわを確実に伸ばし、原紙又は製版済原紙全域のしわ
を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す製版装置の要部の平面
図である。
【図2】図1のA−A切断線における断面図である。
【図3】図1の両端に位置する送りローラ対周りの要部
の断面図である。
【図4】図1の製版装置に原紙をセットするときの作用
を示す要部の断面図である。
【図5】図1の製版装置に原紙をセットするときの作用
を示す要部の平面図である。
【図6】図1の製版装置に原紙をセットするときの作用
を示す要部の側面図である。
【図7】図1の製版装置に原紙をセットするときの作用
を示す要部の平面図である。
【図8】図1の作用を示す要部の断面図である。
【図9】本発明の別の実施例を示す製版装置の要部の断
面図である。
【図10】図9の両端に位置する送りローラ対の作用を
示す断面図である。
【図11】本発明を適用する製版・印刷一体型孔版印刷
機を示す構成図である。
【図12】従来の製版装置の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
a 空気流 2 円筒状版胴 20 原紙貯蔵手段としてのベースレスマスタロール 21 製版手段としてのプラテンローラ 22 製版手段としてのサーマルヘッド 23a,23b 原紙搬送手段としての送りローラ群 23a1,23b1 原紙搬送手段としての送りローラ
対 23a2,23b2 送りローラ対 24a,24b 送風手段としての送風装置 29 孔版印刷用の原紙としてのベースレスマスタ 29a 製版済原紙としての製版済ベースレスマスタ 43 駆動手段としてのモータ 48 摺動駆動手段としてのソレノイド 53,54 角度可変手段を構成する歯車 55,56 角度可変手段を構成するプーリ 57 角度可変手段を構成するベルト 58,60 角度可変手段を構成する軸 65 角度可変手段を構成するブラケット

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロール状に巻回された孔版印刷用の原紙を
    貯蔵する原紙貯蔵手段と、 上記原紙貯蔵手段により供給された上記原紙の製版を行
    う製版手段と、 上記製版手段の下流側に設けられていて、複数のこま切
    れ状の送りローラからなり、少なくとも一端に位置する
    上記送りローラが上記原紙又は製版済原紙の搬送方向に
    対して八の字状に開いた向きに配置された原紙搬送手段
    と、 を有することを特徴とする製版装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の製版装置において、 上記送りローラの上記原紙又は上記製版済原紙に対する
    摩擦係数は、上記原紙又は上記製版済原紙の中央部より
    も少なくとも一端に位置する上記送りローラほど大きい
    ことを特徴とする製版装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の製版装置において、 上記送りローラの上記原紙又は上記製版済原紙に対する
    押圧力は、上記原紙又は上記製版済原紙の中央部よりも
    少なくとも一端に位置する上記送りローラほど大きいこ
    とを特徴とする製版装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の製版装置において、 少なくとも一端に位置する上記送りローラだけを回転駆
    動する駆動手段を有することを特徴とする製版装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4の何れか1つに記載の製版
    装置において、 少なくとも一端に位置する上記送りローラを、上記搬送
    方向に対して横切る方向に移動させる摺動駆動手段を有
    することを特徴とする製版装置。
  6. 【請求項6】請求項1記載の製版装置において、 上記製版手段は、プラテンローラ及びサーマルヘッドか
    らなり、プラテンローラ及び/又はサーマルヘッドを上
    記原紙に対して離脱可能であることを特徴とする製版装
    置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至5の何れか1つに記載の製版
    装置において、 少なくとも一端に位置する上記送りローラと上記搬送方
    向とのなす角度を可変する角度可変手段を有することを
    特徴とする製版装置。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7の何れか1つに記載の製版
    装置において、 上記原紙搬送手段を通過した上記原紙又は上記製版済原
    紙の先端部の両面に上記搬送方向に沿って空気流を形成
    する送風手段を有することを特徴とする製版装置。
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