JP2756214B2 - 製版装置 - Google Patents

製版装置

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JP2756214B2
JP2756214B2 JP4340415A JP34041592A JP2756214B2 JP 2756214 B2 JP2756214 B2 JP 2756214B2 JP 4340415 A JP4340415 A JP 4340415A JP 34041592 A JP34041592 A JP 34041592A JP 2756214 B2 JP2756214 B2 JP 2756214B2
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富也 森
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、孔版印刷機の製版装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】孔版印刷機に用いられる孔版印刷用の感
熱孔版原紙(以下、「マスタ」という)として、非常に
薄いポリエステル等の熱可塑性樹脂フィルムに和紙のよ
うな多孔質の可撓性シートを貼り合わせるようにしたも
のがよく知られている。このマスタに対して、サーマル
ヘッドの発熱素子によって熱可塑性樹脂フィルムに穿孔
製版を行い、マスタを自動搬送してその可撓性シート側
が内側となるように円筒状版胴の外周面に自動的に巻き
付け、そのマスタに対してプレスローラが印刷用紙を連
続的に押し付けて印刷する孔版印刷機が、よく知られて
いる。
【0003】上記用途に用いられる熱可塑性樹脂フィル
ムは、その厚さが、例えば2μm程度と非常に薄いもの
となっているために、熱可塑性樹脂フィルムの単体(以
下、「ベースレスマスタ」という)のままでは、静電気
等により製版装置内のプラテンローラや送りローラに巻
き付いたりするので、自動搬送や製版ができない。ま
た、この製版装置から印刷部におけるクランパへの搬送
が、そのフィルム自体に腰がないために不安定になり、
円筒状版胴外周面に配置したクランパによってマスタ先
端部を確実に把持することができず、印刷ができなくな
ってしまう。
【0004】このように、ベースレスマスタでは、印刷
に使用できないことからそのフィルムに上述したような
和紙等のインキ通過性の多孔質の可撓性シートを貼り合
わせ、マスタを、例えば約40μm程度の厚さのものに
して、これを印刷に供していた。このようなマスタは、
多孔質の可撓性シートの貼り合わせによって、所定の強
さの腰がつけられるものとなるので、その搬送時にプラ
テンローラや送りローラへの巻き付き等が発生しにくく
なり印刷に支障なく製版し搬送することができる。この
ような多孔質の可撓性シートは、インキ通過性多孔質の
ものであるため、一般に多孔質ベース若しくは多孔質の
ベース材とも称されている。
【0005】このような多孔質の可撓性シートには、上
記したように一般的に和紙が用いられるが、その繊維の
太さや長さ、あるいは密度や厚さにばらつきがあるため
に、インキの通過特性がばらついてしまう。すなわち、
所々に繊維の塊のような部分が多数できて、これがイン
キの均一な通過を阻止する。また、多孔質の可撓性シー
トと熱可塑性樹脂フィルムとを貼り合わせるために、比
較的多量の接着剤が使用され、その接着剤の量のむらに
よって生じる接着剤の多い部分でもインキの通過が阻止
されるようになる。
【0006】このように、マスタの部分部分でインキの
通過性が悪くなったりすると、熱可塑性樹脂フィルムが
所定の印刷画像に対応した感熱穿孔を施されたとして
も、インキ通過性の悪い部分に印刷画像上の白抜けが生
じやすくなり、白抜けが点在する、いわゆるベタ埋まり
の悪い印刷画像となる。
【0007】従来、上述した不具合の解消を図った技術
として、例えば特開昭60−87094号公報等に示さ
れているように、多孔質の可撓性シートに和紙を用い
ず、均一な太さの繊維を規則正しく並べたものを用いた
技術が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の技術においては、製版したばかりの新しいマスタを円
筒状版胴に巻き付けてもその版胴内のインキが多孔質の
可撓性シートの部分に十分に浸透してからでないと、熱
可塑性樹脂フィルム部分に到達しないために、印刷を開
始しても直ぐには印刷画像が出ず、最初の1ないし3枚
の印刷用紙上には適正な印刷画像が得られない問題があ
った。
【0009】また、使用済マスタを円筒状版胴から剥離
して所定の排版部に収納し、収納した使用済マスタを廃
棄するが、この使用済マスタにはかなりの量のインキが
その多孔質の可撓性シートに含まれたままとなるため、
インキの無駄使いとなる問題もあった。
【0010】したがって、本発明は上述したような問題
点を解決するために、可撓性シートを用いない熱可塑性
樹脂フィルムのみによるベースレスマスタを用いた場合
でも、マスタが送りローラ等に巻き付くことなく製版及
び搬送を行うことができるとともに、ベースレスマスタ
をクランパに確実に搬送することができる製版装置を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した目的を
達成するためになされたものであり、請求項1記載の発
明は、ロール状に巻回された孔版印刷用の原紙を貯蔵す
る原紙貯蔵手段と、上記原紙貯蔵手段により供給された
上記原紙の製版を行う製版手段と、上記製版手段におけ
る原紙搬送方向の下流側に設けられていて、上記原紙を
搬送する原紙搬送手段と、上記原紙搬送手段を通過した
記原紙の先端部の両面に上記原紙搬送方向に沿って空
気流をそれぞれ形成する送風手段とを有する構成として
いる。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の製
版装置において、上記原紙搬送手段は、こま切れ状の複
数の送りローラ対を有し、隣合う該送りローラ対の間に
上記送風手段により上記空気流をそれぞれ形成する構成
としている。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の製版装置において、上記原紙搬送手段における上記
原紙搬送方向の下流側には外周面に上記原紙の先端部
保持するクランプ手段を備えた円筒状版胴が設けられて
おり、上記原紙の先端部が上記クランプ手段に到達する
までの予め定められた一定時間の経過を検知する計時手
段を備えた制御手段を有し、該制御手段は、上記計時手
段からの上記一定時間の経過検知信号に基づいて、上記
一定時間だけ送風を行うように上記送風手段を制御する
構成としている。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項1又は2記
載の製版装置において、上記原紙搬送手段における上記
原紙搬送方向の下流側には外周面に上記原紙の先端部
保持するクランプ手段を備えた円筒状版胴が設けられて
おり、上記クランプ手段に、上記空気流が通過する開口
部を設けた構成としている。
【0015】
【作用】請求項1記載の発明によれば、送風手段により
それぞれ形成された空気流が、原紙搬送手段を通過し
紙の先端部の両面に、原紙搬送方向に沿って吹き付け
られるので、原紙がその原紙搬送方向に沿って案内され
る。
【0016】請求項2記載の発明によれば、送風手段に
よりそれぞれ形成された空気流が、隣合う送りローラ対
の間の、搬送ころ対を通過した原紙の先端部の両面に、
原紙搬送方向に沿って実質的に平行に、かつ、各面に均
一に吹き付けられるので、原紙がその原紙搬送方向に沿
って確実に案内される。
【0017】請求項3記載の発明によれば、原紙の先端
部がクランプ手段に到達するまでの予め定められた一定
時間の経過を検知する計時手段を備えた制御手段を有
し、制御手段は計時手段からの一定時間経過の検知信号
に基づき、その一定時間だけ送風を行い、クランプ手段
が原紙の先端部を保持するために閉じるときには送風を
停止しているように送風手段を制御することにより、送
風手段による空気流の形成が停止されることで原紙の先
端部を保持するためにクランプ手段が閉じるときに空気
流を乱すことがないので、原紙の先端部にフラッター
(波打ち現象)を生じない。
【0018】請求項4記載の発明によれば、空気流が通
過する開口部をクランプ手段に設けたことにより、送風
手段によってそれぞれ形成された空気流が原紙搬送方向
に沿って開口部から通過する。これにより、送風手段に
って形成された空気流がクランプ手段に妨げられるこ
とがないので、原紙の先端部にフラッター(波打ち現
象)を生じない。
【0019】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例に
ついて詳述する。
【0020】まず、図8を参照して本発明を適用する製
版・印刷一体型孔版印刷機の全体構成について説明す
る。
【0021】この孔版印刷機は、機体部Aの上部に配置
された図示しない原稿受け台上から移送される図示しな
い原稿の表面の画像を読み取る周知の原稿読取装置1
と、この原稿読取装置1の下方の機体部Aの一側部に配
置されていて、孔版印刷機用の原紙としてのベースレス
マスタ29(以下、単に「マスタ29」と称す)がロー
ル状に巻かれたベースレスマスタロール20(以下、単
に「マスタロール20」と称す)を貯蔵する原紙貯蔵手
段(図示せず)を備え、マスタロール20から繰り出さ
れるマスタ29を製版する製版装置6と、機体部Aの中
央部に配置され製版済マスタ29aを外周面に巻装する
円筒状版胴2を備えた印刷装置60と、製版装置6の下
方に配置されていて、円筒状版胴2で印刷された印刷用
紙Pを排紙台14に排出する排紙装置50と、この排紙
装置50に対向する機体部Aの下方に配置されていて、
給紙台7上に積層された印刷用紙Pを円筒状版胴2に送
出する給紙装置40と、この給紙装置40と原稿読取装
置1との間に配置され、版胴2の外周面から剥ぎ取られ
た使用済マスタ3を排版ボックス5内に排出する排版装
置4とを具備する。
【0022】以下、上記した製版装置6、印刷装置6
0、給紙装置40及び排紙装置50について順次説明す
る。
【0023】図1及び図2に示すように、製版装置6
は、上記原紙貯蔵手段と、図示しない駆動機構により回
転駆動され、上記原紙貯蔵手段におけるマスタロール2
0から供給されるマスタ29をサーマルヘッド22に押
し付けながら回転するプラテンローラ21と、図示しな
い機構によってプラテンローラ21から離脱可能に支持
されたサーマルヘッド22と、プラテンローラ21及び
サーマルヘッド22における原紙搬送方向(以下、「マ
スタ搬送方向」と言い替えるときがある)の下流側に設
けられていて、図示しないローラ駆動用モータにより回
転駆動され製版済マスタ29aを搬送する原紙搬送手段
としての上下一対の送りローラ対23a,23bと、送
りローラ対23a,23bを通過した製版済マスタ29
aの先端部の両面にマスタ搬送方向に沿って空気流をそ
れぞれ形成する送風手段としての上下一対の送風装置2
4a,24bと、送りローラ対23a,23bにおける
マスタ搬送方向の下流側に設けられていて、製版済マス
タ29aを所定の長さに切断する上下一対の円盤状カッ
タ対25a,25bと、送風装置24a,24bとカッ
タ対25a,25bとの間に設けられていて、送風装置
24の空気流を整形する上下一対のガイド板34a,3
4bとを有する。なお、製版手段は、プラテンローラ2
1とサーマルヘッド22とから構成されている。
【0024】マスタロール20の斜め下方には、マスタ
ロール20の外周面に対して接離自在なブレーキ32が
設けられている。ブレーキ32は、マスタロール20の
連れ回り回転を制動し抑制する機能を持っている。
【0025】サーマルヘッド22は、原稿読取装置1の
A/D変換部及び製版制御部(共に図示しない)で処理
されて送出されるデジタル画像信号に基づく所定の印刷
画像に対応して選択的にマスタ29の熱可塑性樹脂フィ
ルムを溶融穿孔する。
【0026】図2に示すように、送りローラ対23a,
23bは、4組のこま切れ状のローラがそれぞれ所定の
間隔を置いてローラ回転駆動軸23u,23dによって
串刺し状に支持されていて、上下のローラの外周面が製
版済マスタ29aを所定の押圧力で圧接しながら円筒状
版胴2に設けられているクランパ31(後述する)に搬
送する。
【0027】図1又は図2に示すように、送風装置24
a,24bは、上部側の送りローラ23a及び下部側の
送りローラ23bのニップ部を境にしてそれぞれ個別に
設けられており、送風ファン26a,26bと、送風路
27a,27bと、吹き出し口28a,28bとからそ
れぞれなる。上部の送風ファン26aは、図1において
上部の送風路27a内の製版手段側に突設されていて、
また図2において送風路27a内の左上端部に設けられ
ている。下部の送風ファン26bは、図1において下部
の送風路27b内の製版手段側に突設されていて、また
図2において下部の送風路27b内の左下端部に設けら
れている。
【0028】上部の送風路27aは、上部側の送りロー
ラ23a側に先細の凸状をなして突設されていて、その
先端において隣合う送りローラ23a同士の間に3箇所
の矩形状の吹き出し口28aがそれぞれ形成されてい
る。各吹き出し口28aは、上部のガイド板34aの入
り口部の下方に近接して位置する。送風路27aの各吹
き出し口28aの底面には、マスタ搬送方向に沿って略
平行に、製版済マスタ29aの上面が送りローラ23a
に巻き付くのを防止するガイド面30aが、それぞれ形
成されている。
【0029】上部の送風路27aと同様に、下部の送風
路27bは、下部の送りローラ23b側に先細の凸状を
なして突設されていて、その先端において隣合う送りロ
ーラ23b同士の間に3箇所の矩形状の吹き出し口28
bがそれぞれ形成されている。各吹き出し口28bは、
下部のガイド板34bの入り口部の上方に近接して位置
する。送風路27bの各吹き出し口28bの上面には、
製版済マスタ29aのマスタ搬送方向に沿って略平行
に、製版済マスタ29aの下面が送りローラ23bに巻
き付くのを防止するガイド面30bが、それぞれ形成さ
れている。
【0030】送風ファン26a,26bは、図示しない
ファン回転駆動軸によって図示しないファン駆動モータ
にそれぞれ連結されている。このファン駆動モータ(図
せず)は、例えば入出力ポートの付いたCPU(中央
演算処理装置)、計時手段としてのタイマ及びメモリを
備えた制御手段としてのマイクロコンピュータ(図示
)にそれぞれ接続されている。その入力ポートは製版
装置6のローラ駆動用モータ(図示せず)に、出力ポー
トはファン駆動モータ(図示せず)にそれぞれ接続され
ていて、製版済マスタ29aの先端部がクランパ31に
到達するまでの予め定められた一定時間の経過を検知す
る一例として、上記タイマが上記ローラ駆動用モータ
(図示せず)への通電時間を検知するようになってい
る。上記マイクロコンピュータのCPUは、上記タイマ
からの上記一定時間の経過検知信号に基づいて、上記一
定時間だけ送風を行うように上記ファン駆動モータの回
転駆動時間を制御する機能を有する。
【0031】図8に示すように、印刷装置60は、円筒
状版胴2と、円筒状版胴2の外周面の一部にその軸線方
向に延在して製版済マスタ29aの先端部を挟持する開
閉可能なクランパ31と、円筒状版胴2の内周面にイン
キを供給するインキ供給ローラ17と、インキ供給ロー
ラ17と微小間隙を置いて平行に配置されていて、イン
キ供給ローラ17との間に図示しないインキ溜りを形成
するドクターローラ18と、円筒状版胴2の回転中心軸
15を兼ねるとともに、インキ溜り(図示せず)へイン
キを供給するインキ供給管16とを有する。ここで、イ
ンキ供給管16、インキ供給ローラ17及びドクターロ
ーラ18が印刷インキ供給装置19を構成する。インキ
供給ローラ17に対向する円筒状版胴2の外周面の近傍
には、上下に揺動し印刷用紙Pを円筒状版胴2へ押し付
けるプレスローラ11が配設されている。
【0032】図3において、クランパ31の開閉板33
には、送風装置24a,24bで形成されガイド板34
a,34bで案内された空気流を通過させるための方形
状の開口部32が形成されている。孔版印刷手段は、円
筒状版胴2、クランパ31、印刷インキ供給装置19及
びプレスローラ11から構成される。
【0033】図8に示すように、給紙装置40は、積層
された印刷用紙Pを積載する給紙台7と、印刷用紙Pを
送り出す給紙コロ8と、印刷用紙Pを一枚ずつ分離する
一対の分離コロ対9a,9bと、円筒状版胴2とプレス
ローラ11との間に所定タイミングで印刷用紙Pを送出
する一対のフィードローラ対10a,10bとを有す
る。
【0034】排紙装置50は、円筒状版胴2で印刷され
た印刷済の印刷用紙Paを順次積載する排紙台14と、
円筒状版胴2の近傍に配置され印刷済印刷用紙Paを円
筒状版胴2から剥離する排紙剥離爪12と、排紙剥離爪
12によって剥離された印刷済印刷用紙Paを排紙台1
4上へ搬送するための吸着部ローラ51,52及びこれ
らの吸着部ローラ51,52間に掛け渡された無端の搬
送ベルト53からなる強制排紙機構13とを有する。
【0035】次に、この孔版印刷機の動作について以下
に記す。
【0036】まず、図8において、原稿読取装置1の原
稿受け台(図示せず)上に原稿(図示せず)をセット
し、図示しない製版スタートキーをオンする。すると、
円筒状版胴2が矢印方向に回転し、円筒状版胴2の外周
面に巻装されていた使用済マスタ3は、排版装置4の排
版ボックス5内へと排出されて、いわゆる排版工程が終
了する。
【0037】図4に示すように、製版待機状態時におい
ては、通常、マスタ29の先端部は、送りローラ対23
a,23bのニップ部に挟持されており、またマスタロ
ール20は、ブレーキ32によって適正な制動力が負荷
されているため、これら両者の作用によってマスタ29
及び製版済マスタ29aは、常に張った状態に保たれ
る。したがって、マスタ29の搬送時においては、上記
両者の作用によってその先端部がプラテンローラ21に
巻き付くのが防止されている。
【0038】ここで、マスタロール20からマスタ29
を引き出し製版装置6にセットする場合について説明す
る。まず、プラテンローラ21からサーマルヘッド22
を引き離し解除し、サーマルヘッド22とプラテンロー
ラ21との間に形成された隙間を通してマスタ29をセ
ットする。そして、マスタ29を一定量搬送した後、搬
送を停止し、カッタ対25a,25b(同図に図示
)によりマスタ29の先端部を切断し、サーマルヘッ
ド22をマスタ29を介してプラテンローラ21へ押し
付け、マスタのセットを終了する。
【0039】図5に示すように、製版が開始されると、
プラテンローラ21と送りローラ対23a,23bとが
それぞれ回転駆動し、マスタ29が搬送される。この
時、原稿(図示せず)の画像の読み取りと並行して同時
に、製版装置6では、共に図示しないA/D変換部及び
製版制御部にて処理されて送出されるデジタル画像信号
によって、サーマルヘッド22に直線状に並んだ複数の
発熱素子が選択的に発熱され、サーマルヘッド22に押
圧されながら搬送されるマスタ29の熱可塑性樹脂フィ
ルムの部分が、所定の印刷画像に対応して選択的に溶融
・穿孔される。また、この時、送風装置24a,24b
の送風ファン26a,26bが回転されて送風も開始さ
れる。
【0040】そして、このように穿孔された製版済マス
タ29aの先端部は、送りローラ対23a,23bが回
転することにより搬送される。この時、送りローラ対2
3a,23bのニップ部を境界としてマスタ搬送方向の
上流側における送りローラ対23a,23bに対するマ
スタ29の巻き付きは、送風装置24a,24bのガイ
ド面30a,30bによって防止される。また、マスタ
搬送方向の下流側における送りローラ対23a,23b
に対する製版済マスタ29aの先端部の巻き付きは、送
風装置24a,24bの送風ファン26a,26bが回
転されることによって形成される空気流aが製版済マス
タ29aの先端部の両面にそれぞれ吹き付けることによ
って、製版済マスタ29aの先端部がマスタ搬送方向に
案内されて防止される。さらに、送風装置24a,24
によって送られる空気流aはガイド板34a,34b
に沿って進み、空気流aはクランパ31に設けられた開
口部32から通過するため、空気流aは一定方向に乱れ
ずに進行する(図6参照)。
【0041】図7に示すように、製版済マスタ29a
は、空気流aによってその両面を案内されつつ円筒状版
胴2側に進行し、円筒状版胴2に設けられ拡開したクラ
ンパ31の位置に到達する。このとき、製版装置6の
ローラ駆動用モータへの通電時間が、上記マイクロコ
ンピュータの上記タイマで検知されていて、製版済マス
タ29aの先端がクランパ31の位置に到達すると、送
風装置24a,24bに連結されている上記ファン駆動
モータに上記CPUからその回転駆動を停止する制御信
号が送出されて、送風が停止される。このようにして、
クランパ31による製版済マスタ29aのクランプ時
に、製版済マスタ29a先端部にフラッター(波打ち現
象)が発生してしわの生じるのが防止される。
【0042】なお、図4乃至図7において、その動作説
明の簡明化を図るためにカッタ対25a,25b(図1
に示す)の図示は省略してある。カッタ対25a,25
bが送りローラ対23a,23bの出口下流側に設けら
れているため、製版済マスタ29aの先端部は送りロー
ラ対23a,23bによって挟持され保持される(図4
参照)。
【0043】次に、図8に示すように、所定のタイミン
グでクランパ31が閉鎖されることにより製版済マスタ
29aの先端部がクランプされ、円筒状版胴2が矢印方
向と反対方向に回転すると、製版済マスタ29aは円筒
状版胴2の外周面に徐々に巻き付けられ始める。そ
て、製版完了後に製版済マスタ29aは、図2に示すよ
うに、通常、マスタ搬送方向に対して直交する片側端に
待機しているカッタ対25a,25bが製版済マスタ2
9a上をその幅(上記直交)方向に横断することにより
所定の長さに切断され、この切断された1枚の製版済マ
スタ29aが円筒状版胴2の外周面に完全に巻装され
て、いわゆる給版工程が終了する。なお、カッタ対25
a,25bは、上述したように通常片側端に待機してい
るので、送風装置24a,24bにより形成された空気
流aの流れを妨げることがない。
【0044】給版工程終了と同時に、給紙台7上に積載
されている印刷用紙Pが、給紙コロ8及び分離コロ対9
a,9bによりフィードローラ対10a,10bへ向け
て送られ、さらにフィードローラ対10a,10bによ
り円筒状版胴2の回転と同期した所定のタイミングで円
筒状版胴2とプレスローラ11との間に送出される。そ
して、円筒状版胴2の外周面から下方に離間していたプ
レスローラ11が上方に移動し、同図中の矢印方向に
転する円筒状版胴2の外周面に巻装された製版済マスタ
29aに印刷用紙Pが押圧されることにより、製版済マ
スタ29aの穿孔部分からインキが印刷用紙Pの表面に
転移される。なお、この時、インキ供給ローラ17も円
筒状版胴2の回転方向と同一方向に回転し、インキを円
筒状版胴2の内周面に供給する。このようにして、印刷
された印刷用紙Paは、プレスローラ11を過ぎると、
排紙剥離爪12によって円筒状版胴2の外周面から剥離
され、回転する吸着部ローラ51,52間に掛け渡され
回り動く搬送ベルト53に沿って案内され、排紙台14
上に落下し、いわゆる試し刷り工程が終了する。
【0045】次に、図示しないテンキーで印刷枚数をセ
ットし、図示しない印刷スタートキーをオンすると、試
し刷り工程と同様の工程、すなわち給紙、印刷、排紙工
程でセットした印刷枚数分繰り返して印刷され、孔版印
刷工程が終了する。
【0046】なお、本実施例においては孔版印刷用の原
紙としてベースレスマスタを用いたが、ベースレスマス
タに限らず、ベース材として和紙等を用いた原紙も使用
できることは言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1記載の発明
によれば、送風手段によりそれぞれ形成された空気流
が、原紙搬送手段を通過した原紙の先端部の両面に、
紙搬送方向に沿って吹き付けられ、原紙がその原紙搬送
方向に沿って案内されるので、原紙が原紙搬送手段に巻
き付かないとともに、原紙を次工程に確実に搬送するこ
とができる。また、孔版印刷機用の原紙に腰を持たせる
ために必ずしも多孔質の可撓性シートを貼り合わせた原
紙を使用する必要がないため、この場合には印刷画像の
立ち上がりが速く、印刷物の白抜けのない良好な印刷画
像を得ることができる。さらに、原紙自体のコストや排
版時に使用済原紙に付着するインキ量もかなり減少する
ので、印刷のランニングコストを低減することもでき
る。
【0048】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の製版装置の効果に加え、送風手段によりそれぞれ
成された空気流が、隣合う送りローラ対の間の、搬送こ
ろ対を通過した原紙の先端部の両面に、原紙搬送方向
沿って実質的に平行に、かつ、各面に均一に吹き付け
れ、原紙がその原紙搬送方向に沿って確実に案内される
ので、原紙が原紙搬送手段に巻き付かないとともに、し
わのない原紙を次工程にさらに確実に搬送することがで
きる。
【0049】請求項3記載の発明によれば、原紙の先端
部がクランプ手段に到達するまでの予め定められた一定
時間の経過を検知する計時手段を備えた制御手段を有
し、制御手段は計時手段からの一定時間経過の検知信号
に基づき、その一定時間だけ送風を行い、クランプ手段
が原紙の先端部を保持するために閉じるときには送風を
停止しているように送風手段を制御することにより、送
風手段による空気流の形成が停止されることで原紙の先
端部を保持するためにクランプ手段が閉じるときに空気
流を乱すことがないので、原紙の先端部にフラッター
(波打ち現象)を生ぜず、クランプ時にしわが発生する
のを防止することができる。
【0050】請求項4記載の発明によれば、空気流が通
過する開口部をクランプ手段に設けたことにより、送風
手段によってそれぞれ形成された空気流が、原紙搬送方
に沿って開口部から通過し、乱流の発生を防止するこ
とができる。このため、送風手段によりそれぞれ形成さ
れた空気流がクランプ手段に妨げられることがなく、原
紙の先端部にフラッター(波打ち現象)を生じないの
で、クランプ時にしわが発生するのを防止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す製版装置の側面図であ
る。
【図2】図1を流側から見た場合の要部の正面図であ
る。
【図3】本発明のクランプ手段に設けられた開口部を示
す要部の斜視図である。
【図4】図1の作用を示す要部の側面図である。
【図5】図1の作用を示す要部の側面図である。
【図6】図1の作用を示す要部の側面図である。
【図7】図1の作用を示す要部の側面図である。
【図8】本発明を適用する製版・印刷一体型孔版印刷機
を示す構成図である。
【符号の説明】
a 空気流 2 円筒状版胴 6 製版装置 20ースレスマスタロール 21 製版手段としてのプラテンローラ 22 製版手段としてのサーマルヘッド 23a,23b 原紙搬送手段としての送りローラ対 24a,24b 送風手段としての送風装置 26a,26b 送風手段を構成する送風ファン 27a,27b 送風手段を構成する送風路 28a,28b 送風手段を構成する吹き出し口 29 孔版印刷用の原紙としてのベースレスマスタ 29a 製版済原紙としての製版済マスタ 30a,30b ガイド面 31 クランプ手段としてのクランパ 32 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−96985(JP,A) 特開 平3−38373(JP,A) 特開 昭61−287781(JP,A) 実開 平2−82566(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41L 13/14 B41C 1/055 511

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロール状に巻回された孔版印刷用の原紙を
    貯蔵する原紙貯蔵手段と、 上記原紙貯蔵手段により供給された上記原紙の製版を行
    う製版手段と、 上記製版手段における原紙搬送方向の下流側に設けられ
    ていて、上記原紙を搬送する原紙搬送手段と、 上記原紙搬送手段を通過した上記原紙の先端部の両面に
    上記原紙搬送方向に沿って空気流をそれぞれ形成する送
    風手段と、 を有することを特徴とする製版装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の製版装置において、 上記原紙搬送手段は、こま切れ状の複数の送りローラ対
    を有し、隣合う該送りローラ対の間に上記送風手段によ
    り上記空気流をそれぞれ形成することを特徴とする製版
    装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の製版装置において、 上記原紙搬送手段における上記原紙搬送方向の下流側に
    は外周面に上記原紙の先端部を保持するクランプ手段を
    備えた円筒状版胴が設けられており、上記原紙の先端部
    が上記クランプ手段に到達するまでの予め定められた一
    定時間の経過を検知する計時手段を備えた制御手段を有
    し、該制御手段は、上記計時手段からの上記一定時間の
    経過検知信号に基づいて、上記一定時間だけ送風を行う
    ように上記送風手段を制御することを特徴とする製版装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1又は2記載の製版装置において、 上記原紙搬送手段における上記原紙搬送方向の下流側に
    は外周面に上記原紙の先端部を保持するクランプ手段を
    備えた円筒状版胴が設けられており、上記クランプ手段
    に、上記空気流が通過する開口部を設けたことを特徴と
    する製版装置。
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JPH0611832Y2 (ja) * 1988-12-14 1994-03-30 理想科学工業株式会社 製版印刷装置
JP2802104B2 (ja) * 1989-07-05 1998-09-24 理想科学工業株式会社 孔版印刷装置

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