JP3721303B2 - 孔版印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、孔版原紙を装着する版胴とこの版胴を押圧する押圧回転部材との間で印刷媒体を押圧搬送させて印刷を行う印刷部を2組有し、両面印刷できる孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より2組の印刷部を有し、両面印刷ができる印刷装置が種々提案されており、図7にはかかる従来の両面印刷用の孔版印刷装置の全体概略構成図が示されている。
【0003】
図7において、孔版印刷装置100は、各孔版原紙101にそれぞれの画像データに基づいて各サーマルヘッド102、103で感熱穿孔する上流側及び下流側製版部104、105と、この上流側製版部104で製版された孔版原紙101を上流側の版胴106に巻き付け装着し、給紙された印刷用紙107を版胴106と押圧ロール108との間で押圧搬送し、この押圧搬送過程で印刷用紙107の上面(一方面)にインク転写を行う上流側印刷部109と、この上流印刷部109に印刷用紙107を給紙する給紙部110と、上流側印刷部109の印刷用紙107の排出側に配置され、ベルト121の移動で印刷用紙107を下流に搬送する上流側ベルト搬送機構111と、下流側製版部105で製版された孔版原紙101を下流側の版胴112に巻き付け装着し、上流側ベルト搬送機構111により給紙された印刷用紙107を版胴112と押圧ロール114との間で押圧搬送し、この押圧搬送過程で印刷用紙107の下面(他方面)にインク転写を行う下流側印刷部115と、この下流側印刷部115の印刷用紙107の排出側に配置され、ベルト122の移動で印刷用紙107を下流の排紙台116に搬送する下流側ベルト搬送機構117とを備えている。
【0004】
又、上流側及び下流側印刷部109、115は、各版胴106、112の内部に配置され、各版胴106、112の外周壁106a、112aの内面に接触するスキージロール123と、このスキージロール123に所定のギャップを介して配置されたドクターロール124と、この双方のロール123、124間にインクを供給するインク供給部125とを有し、各版胴106、112の回転に連動してスキージロール123が外周壁106a、112aの内周面を回転移動するように構成されている。そして、版胴106、112の回転と共にスキージロール123が回転すると、スキージロール123の外周面にはドクターロール124とのギャップを通過して一定膜厚のインクが付着し、この付着インクが外周壁106a、112aに転写されることによって常時インクが孔版原紙101の内面側に供給されるものである。
【0005】
次に、両面印刷動作を簡単に説明する。各版胴106、112が回転され、この回転に同期して給紙部110より印刷用紙107が上流側の版胴106に給紙される。この給紙された印刷用紙107は押圧ロール108で版胴106の孔版原紙101に押圧されることによって印刷用紙107の上面にインク画像が転写され、上面印刷された印刷用紙107は版胴106の外周面より剥離されて上流側ベルト搬送機構111に導かれる。上流側ベルト搬送機構111は、印刷用紙107の下面を接触面として印刷用紙107をベルト121の移動で搬送し、ベルト121の最下流より下流側の版胴112に給紙される。この給紙された印刷用紙107は押圧ロール114で版胴112の孔版原紙101に押圧されることによって印刷用紙107の下面にインク画像が転写され、下面印刷された印刷用紙107は版胴112の外周面より剥離されて下流側ベルト搬送機構117に導かれる。下流側ベルト搬送機構117は、印刷用紙107をベルト122の移動で搬送し、ベルト122の最下流より排紙台116に排出される。排紙台116に排紙された印刷用紙107はここで積層状態で載置される。
【0006】
尚、この孔版印刷装置100に関する類似技術は、特開平8−90893号公報に開示されている。
【0007】
ところで、上記した両面印刷用の孔版印刷装置100においても、片面印刷できることが望ましく、従来より種々の手段が提案されている。例えば、2つの版胴106、112の内、一方には画像データに基づき穿孔した孔版原紙101を装着し、他方には無穿孔の孔版原紙101を装着する。そして、両面印刷と同様の印刷動作を実行すると、穿孔した孔版原紙101側の印刷部ではインク転写されるが、無穿孔の孔版原紙101の印刷部ではインク転写されず、これによって片面印刷を行うものである。
【0008】
又、上流側印刷部109の排紙側に印刷用紙107を下流側印刷部115には搬送せずに排紙台に向かう別ルートの搬送手段を設ける。そして、片面印刷時には上流印刷部109で印刷された印刷用紙107を別ルートより排出することで片面印刷を行うものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の片面印刷手段においては、一方の版胴に無穿孔の孔版原紙を装着しなければならず、孔版原紙が無駄である。後者の片面印刷手段では、片面印刷用の別ルートの搬送手段を設けなければならず、このような版胴手段の付加は装置の大型化、コスト高等になるという問題がある。
【0010】
又、2つの版胴106、112は互いに所定の回転位相差を保持した状態で同期して回転させねばならないため、通常、単一の駆動源によって回転するよう構成される。従って、片面印刷時においても印刷に供しない版胴106(又は112)も回転させると、この回転に伴って内部のスキージロール123が回転し、スキージロール123が版胴106(又は112)の外周壁106a(又は112a)にインクを供給し続ける動作をする。しかし、このインクは印刷用紙107に転写されないために単に練られるだけであり、インクが練られすぎるとインク劣化を起こすという問題がある。
【0011】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、孔版原紙の無駄にならず、且つ、片面印刷用の別ルートの搬送手段を設けることなく、しかも、インク劣化をもたらさずに片面印刷できる孔版印刷装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、孔版原紙が装着されるインク通過性の外周壁を有し、前記外周壁の内面にインクを供給するスキージロールを内部に設けた版胴と、この版胴の外周壁に押圧する押圧位置と前記版胴より離間する離間位置との間で変移可能で、回転自在な押圧回転部材とを有する上流側及び下流側の2組の印刷部と、前記上流側印刷部に印刷媒体を給紙する給紙部と、前記上流側印刷部より排紙された前記印刷媒体を前記下流側印刷部まで搬送して給紙する上流側搬送機構と、下流側印刷部より排出された前記印刷媒体を排紙部まで搬送する下流側搬送機構とを有し、前記給紙部より前記上流側印刷部に給紙された前記印刷媒体が上流の前記版胴と前記押圧回転部材との間で押圧搬送され、この押圧搬送過程で前記印刷媒体の一方面にインク転写され、このインク転写された前記印刷媒体が前記上流側搬送機構で搬送されて前記下流側印刷部に給紙され、この給紙された前記印刷媒体が下流側の前記版胴と前記押圧回転部材との間で押圧搬送され、この押圧搬送過程で前記印刷媒体の他方面にインク転写されることによって両面印刷が行われる孔版印刷装置において、前記上流側印刷部と前記下流側印刷部とのいずれか一方の前記版胴を回転が伝達されない半抜け位置に移動可能な版胴半抜け機構を設け、この半抜け位置に移動可能な前記版胴側の前記押圧回転部材を離間位置に保持可能に設け、片面印刷モードが選択された場合には、前記上流側印刷部と前記下流側印刷部とのいずれか一方の前記版胴を回転が伝達されない半抜け位置とし、この半抜け位置に位置された前記版胴側の前記押圧回転部材を離間位置に位置させた状態とし、さらに半抜け位置に移動できる前記版胴を、前記孔版原紙の穿孔エリア以外で、且つ、前記孔版原紙をクランプするクランプ部以外の位置を前記印刷媒体との接触面とするような回転位置として印刷動作を行うことを特徴とする。
【0013】
この孔版印刷装置では、下流側の版胴が半抜けできる場合には、片面印刷時には上流側印刷部で印刷媒体の一面にインク転写され、このインク転写された印刷媒体が上流側搬送機構によって下流側印刷部の位置まで搬送され、この搬送された印刷媒体が回転しない下流側の版胴と離間位置の押圧回転部材との間を単に通過して下流側搬送機構に受け渡され、下流側搬送機構で搬送されることによって排紙部まで搬送される。
【0014】
一方、上流側の版胴が半抜けできる場合には、片面印刷時には給紙部より給紙された印刷媒体が回転しない上流側の版胴と離間位置の押圧回転部材との間を単に通過して上流側搬送機構に受け渡され、上流側搬送機構によって下流側印刷部の位置まで搬送され、この搬送された印刷媒体が下流側印刷部で印刷媒体の一面にインク転写され、このインク転写された印刷媒体が下流側搬送機構で搬送されることによって排紙部まで搬送される。
【0015】
このように、半抜けできる版胴には前回製版時の孔版原紙を装着した状態のままで良く無穿孔の孔版原紙を装着する必要がなく、印刷媒体の搬送ルートは両面印刷時と同じルートを使用し、半抜けされた版胴は回転力が伝達されずに回転しない。
【0017】
また、この孔版印刷装置では、印刷媒体は、半抜けされた版胴の孔版原紙の穿孔エリアに接触したり、クランプ部に接触したりせずに通過する。
【0020】
請求項2の発明は、請求項1記載の孔版印刷装置であって、半抜け位置に移動できる前記版胴は、下流側印刷部の版胴であることを特徴とする。
【0021】
この孔版印刷装置では、請求項1の発明の作用に加え、給紙部は上流側搬送機構よりも正確な給紙タイミングで印刷媒体を上流側印刷部に給紙でき、この正確な給紙タイミングで給紙された印刷媒体に上流側印刷部が印刷を施す。又、排紙部までの搬送経路が長く取ることができる。
【0022】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載の孔版印刷装置であって、上流側及び下流側の2つの前記版胴は、両面印刷時には、単一の駆動源からの回転力により、互いの回転位相差を保持した状態で同期して回転されることを特徴とする。
【0023】
この孔版印刷装置では、請求項1又は請求項2の発明の作用に加え、単一の駆動源からの回転力により上流側及び下流側の版胴が共に回転される装置にあって、片面印刷時には両面印刷時と同様に駆動源を駆動制御しても半抜け側の版胴が回転しない。
【0024】
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3の何れか一つに記載の孔版印刷装置であって、半抜け位置に移動できる前記版胴側の前記押圧回転部材は、押圧位置と離間位置との変位が前記版胴の回転に連動して変位される構成であることを特徴とする。
【0025】
この孔版印刷装置では、請求項1〜請求項3の発明の作用に加え、半抜けできる版胴を半抜け状態とすることでこの版胴に対向する押圧回転部材も離間位置に保持できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
<孔版印刷装置の構成>
図1〜図6は本発明の一実施形態を示し、図1は孔版印刷装置の全体概略構成図、図2(A)は下流側の版胴の半抜け機構で、版胴が装着位置に位置する状態を示す平面図、図2(B)は下流側の版胴の半抜け機構で、版胴が半抜け位置に位置する状態を示す平面図、図3は版胴の半抜け動作に係わる制御回路ブロック図、図4は片面印刷モードが選択された場合の半抜け動作のフローチャート、図5は両面印刷モードが選択された場合の半抜け戻し動作のフローチャート、図6は片面印刷時の上流側印刷部と下流側印刷部の状態を示す要部構成図である。
【0028】
図1において、デジタル式の孔版印刷装置1は、原稿読取部(図示せず)と、上流側製版部2及び下流側製版部3と、上流側印刷部4及び下流側印刷部5と、給紙部6と、上流側ベルト搬送機構7及び下流側ベルト搬送機構8と、排紙部9と、上流側排版部10及び下流側排版部11とから主に構成されている。
【0029】
『原稿読取部』
原稿読取部(図示せず)は、例えば自動原稿送り読取部と原稿載置読取部とを有する。自動原稿送り読取部は、原稿を斜めに載置する原稿傾斜板と、原稿傾斜板に載置された原稿を搬送する一対の原稿搬送ロールと、搬送された原稿内容を電気信号に変換して読み取るラインイメージセンサとから構成されている。このラインイメージセンサは原稿載置読取部のものと兼用されている。
【0030】
原稿載置読取部は、原稿を載置する水平な原稿載置ガラス台と、この原稿載置ガラス台上に開閉可能に設けられた圧板と、原稿載置ガラス台の下方に配置され、リードパルスモータの駆動力により移動するガイドベルトと、このガイドベルトの案内により原稿載置ガラス台の下方を移動するラインイメージセンサとを有する。
【0031】
そして、自動原稿送り読取部の原稿は、原稿搬送ロールにより搬送される原稿をラインイメージセンサが読み取る。原稿載置読取部の原稿は、ラインイメージセンサがガイドベルトに案内されて移動し、原稿内容を読み取る。
【0032】
『上流側製版部』
上流側製版部2は、ロール巻きにされた長尺状の孔版原紙20を収容する原紙収容部21と、原紙収容部21に対し孔版原紙20の搬送方向の下流に配置された書き込みヘッドであるサーマルヘッド22と、このサーマルヘッド22の対向位置に配置され、ライトパルスモータ(図示せず)の駆動力により回転するプラテンロール23と、プラテンロール23及びサーマルヘッド22に対し孔版原紙20の搬送方向の下流に配置され、ライトパルスモータの駆動力により回転する一対の原紙送りロール24と、一対の原紙送りロール24の更に搬送下流に配置された一対の原紙送りロール25と、この一対の原紙送りロール25の搬送下流に配置された原紙カッタ26とを有する。サーマルヘッド22は孔版原紙20の搬送方向の垂直方向に配置された複数の点状発熱体を有し、この実施形態では最大印刷用紙がA3であるためA3幅の範囲に亘って点状発熱体が配置されている。
【0033】
そして、プラテンロール23と原紙送りロール24の回転により孔版原紙20を搬送し、ラインイメージセンサで読み取った上面(一方面)側対応の画像データに基づきサーマルヘッド22の各点状発熱体が選択的に発熱動作することにより孔版原紙20に感熱穿孔して孔版画像を形成し、この製版した孔版原紙20の後流箇所を原紙カッタ26で切断して所定長さの孔版原紙20を作成する。
【0034】
『下流側製版部』
下流側製版部3は、ロール巻きにされた長尺状の孔版原紙20を収容する原紙収容部21と、原紙収容部21に対し孔版原紙20の搬送方向の下流に配置された書き込みヘッドであるサーマルヘッド32と、このサーマルヘッド32の対向位置に配置され、ライトパルスモータの駆動力により回転するプラテンロール33と、プラテンロール33及びサーマルヘッド32に対し孔版原紙20の搬送方向の下流に配置され、ライトパルスモータの駆動力により回転する一対の原紙送りロール34と、一対の原紙送りロール34の更に搬送下流に配置された一対の原紙送りロール35と、この一対の原紙送りロール35の搬送下流に配置された原紙カッタ36とを有する。サーマルヘッド32は孔版原紙20の搬送方向の垂直方向に配置された複数の点状発熱体を有し、この実施形態では最大印刷用紙がA3であるためA3幅の範囲に亘って点状発熱体が配置されている。
【0035】
そして、プラテンロール33と原紙送りロール34の回転により孔版原紙20を搬送し、ラインイメージセンサで読み取った下面(他方面)側対応の画像データに基づきサーマルヘッド32の各点状発熱体が選択的に発熱動作することにより孔版原紙20に感熱穿孔して孔版形成し、この製版した孔版原紙20の後流箇所を原紙カッタ36で切断して所定長さの孔版原紙20を作成する。
【0036】
『上流側印刷部』
上流側印刷部4は、多孔構造によるインク通過性の部材で外周壁40aが構成され、この外周壁40aがメインモータM(図3に示す)の駆動力によって図1のA矢印方向に回転する上流側の版胴40と、この版胴40の外周壁40aに設けられ、孔版原紙20の先端をクランプするクランプ部41とを有する。
【0037】
又、上流側印刷部4は、前記版胴40の内部に配置され、外周壁40aの内周面に接触するスキージロール42と、このスキージロール42に所定のギャップを介して配置されたドクターロール43と、この双方のロール42、43間にインクを供給するインク供給部44とを有する。又、スキージロール42に版胴40の外周壁40aを介して対向する外側位置に配置された押圧回転部材である押圧ロール46と、この押圧ロール46を版胴40の外周壁40aに押圧する押圧位置(図1の実線位置)と版胴40の外周壁40aから離間する離間位置(図1の仮想線位置)とに移動させるプレス圧手段(図示せず)とを有する。押圧ロール46は、印刷時には版胴40の回転に連動して押圧位置と離間位置との間を変移し、版胴40の回転に同期して搬送されて来る印刷媒体である印刷用紙45の通過時には押圧位置に位置し、それ以外の時(印刷用紙45の非通過時)には離間位置に位置するよう構成されている。
【0038】
そして、上流側製版部2から搬送される孔版原紙20の先端をクランプ部41でクランプし、このクランプした状態で版胴40が回転されて孔版原紙20が版胴40の外周部40aに巻き付け装着され、版胴40の回転に同期して搬送されて来る印刷用紙45を押圧ロール46にて版胴40の孔版原紙20に押圧することによって印刷用紙45の上面(一方面)に孔版原紙20の穿孔部分からインクが転写されて画像が印刷される。
【0039】
『下流側印刷部』
下流側印刷部5は、多孔構造によるインク通過性の部材で外周壁50aが構成され、この外周壁50aがメインモータM(図3に示す)の駆動力によって図1のB矢印方向に回転する下流側の版胴50と、この版胴50の外周壁50aに設けられ、孔版原紙20の先端をクランプするクランプ部51とを有する。下流側の版胴50は、版胴半抜け機構76(図2に示す)によってメインモータMからの回転力を伝達できない半抜け位置に変移可能であり、版胴半抜け機構76については、下記に詳述する。
【0040】
又、下流側印刷部5は、前記版胴50の内部に配置され、外周壁50aの内周面に接触するスキージロール52と、このスキージロール52に所定のギャップを介して配置されたドクターロール53と、この双方のロール52、53間にインクを供給するインク供給部54とを有する。又、スキージロール52に版胴50の外周壁50aを介して対向する外側位置に配置された押圧回転部材である押圧ロール56と、この押圧ロール56を版胴50の外周壁50aに押圧する押圧位置(図1の実線位置)と版胴50の外周壁50aから離間する離間位置(図1の仮想線位置)とに移動させるプレス圧手段(図示せず)と、押圧ロール56に接触し、押圧ロール56にインクが付着しないようにするため、又は、付着したインクを除去するためのクリーニングロール70とを有する。押圧ロール56は、印刷時には版胴50の回転に連動して押圧位置と離間位置との間を変移し、版胴50の回転に同期して搬送されて来る印刷媒体である印刷用紙45の通過時には押圧位置に位置し、それ以外の時(印刷用紙45の非通過時)には離間位置に位置するよう構成されている。
【0041】
そして、下流側製版部3から搬送される孔版原紙20の先端をクランプ部51でクランプし、このクランプした状態で版胴50が回転されて孔版原紙20が版胴50の外周部50aに巻き付け装着され、版胴50の回転に同期して搬送されて来る印刷用紙45を押圧ロール56にて版胴50の孔版原紙20に押圧することによって印刷用紙45の下面(他方面)に孔版原紙20の穿孔部分からインクが転写されて画像が印刷される。
【0042】
『給紙部』
給紙部6は、印刷媒体である印刷用紙45が積層される給紙台57と、この給紙台57から最上位置の印刷用紙45のみを移動させる一次給紙ロール58と、この一次給紙ロール58によって移動された印刷用紙45を上流側の版胴40の回転に同期して版胴40と押圧ローラ46間に搬送する一対の二次給紙ロール59とを有する。一次給紙ロール58や二次給紙ロール59には各給紙クラッチ(図示せず)を介してメインモータMの回転が選択的に伝達されるよう構成されている。
【0043】
『上流側ベルト搬送機構』
上流側ベルト搬送機構(上流側搬送機構)7は、上流側印刷部4より排出された印刷用紙45を受け取り、この受け取った印刷用紙45を下流側印刷部5の手前まで搬送して下流側印刷部5に給紙するものである。上流側ベルト搬送機構7は、一対のベルト掛け部材60a、60bと、この一対のベルト掛け部材60a、60b間に掛けられたベルト62と、このベルト62の印刷用紙45の搬送面側を吸引するための吸引ボックス63及び吸引ファン64と、上記ベルト掛け部材60a(又は60b)を介してベルト62を回転駆動させるベルト駆動手段(図示せず)とを有する。そして、上流側ベルト搬送機構7は、ベルト62が印刷用紙45の直前印刷面とは反対側を接触面として印刷用紙45を吸引しつつ自らの移動によって印刷用紙45を搬送するものである。
【0044】
『下流側ベルト搬送機構』
下流側ベルト搬送機構(下流側搬送機構)8は、下流側印刷部5より排出された印刷用紙45を受け取り、この受け取った印刷用紙45を排紙部9まで搬送するものであり、一対のプーリ66a、66bと、この一対のプーリ66a、66b間に掛けられたベルト67と、このベルト67の印刷用紙45の搬送面側を吸引するための吸引ボックス(図示せず)及び吸引ファン(図示せず)と上記プーリ66a(又は66b)を介してベルト67を回転駆動させるベルト駆動手段(図示せず)とを有する。そして、下流側ベルト搬送機構8は、ベルト67が印刷用紙45を吸引しつつ自らの移動によって印刷用紙45を搬送するものである。
【0045】
『排紙部』
排紙部9は、下流側ベルト搬送機構8によって搬送されて来た印刷済みの印刷用紙45の落下位置に配置された排紙台71を有し、この排紙台71に印刷用紙45を積層状態で載置する。
【0046】
『上流側排版部』
上流側排版部10は、上流側の版胴40に巻き付け装着された孔版原紙20の先端がクランプ解除され、このクランプ解除された孔版原紙20を版胴40より引き剥がしながら孔版原紙20を搬送する一対の排版ロール72と、この一対の排版ロール72によって搬送されて来る孔版原紙20を収納する排版ボックス73とを有する。
【0047】
『下流側排版部』
下流側排版部11は、下流側の版胴50に巻き付け装着された孔版原紙20の先端がクランプ解除され、このクランプ解除された孔版原紙20を版胴50より引き剥がしながら孔版原紙20を搬送する一対の排版ロール74と、この一対の排版ロール74によって搬送されて来る孔版原紙20を収納する排版ボックス75とを有する。
【0048】
『版胴ユニット』
次に、上記版胴半抜け機構76の構成を説明するが、版胴50は版胴ユニットAとしてユニット化されているため、説明の便宜上版胴ユニットAの構成から順に説明する。図2(A)、(B)に示すように、版胴ユニットAは、装置本体77の版胴孔(図示せず)から版胴ガイドレール部材(図示せず)を利用して挿入・引出し可能になっている。そして、版胴ユニットAは、略長方形枠状の版胴枠体78と、この版胴枠体78にスライド自在に支持された2本のスライド支持軸79と、このスライド支持軸79に固定側が固定された版胴50と、この版胴50に回転を伝達する版胴側回転伝達部80とから構成されている。
【0049】
版胴50は、スライド支持軸79に間隔を置いて固定された左右一対の円板(図示せず)と、この左右一対の円板の外周に回転自在に支持された一対の環状枠体81と、この一対の環状枠体81の間に連結されたクランプ部51を有する版座部(図示せず)と、この版座部を利用して一対の環状枠体81のほぼ外周を被うように張設されたスクリーンとから成り、このスクリーンが外周壁50aとして構成されている。そして、版胴50の固定側にはセンターシャフト82が支持され、このセンターシャフト82を回転中心点として版胴50が回転されると共に装置本体77への装着時にはセンターシャフト82が装着中心とされる。
【0050】
版胴側回転伝達部80は版胴50の固定側に回転自在に支持された軸83と、この軸83の2カ所に固定された2つのギア84と、この各ギア84に噛み合っており、左右の環状枠体81の外周面にそれぞれ形成されたフランジギア部85と、軸83の一端に設けられた版胴側入力用連結部86とから構成されている。この版胴側入力用連結部86に対向する装置本体77の位置には本体側出力用連結部87が設けられており、この本体側出力用連結部87に上記したメインモータMからの回転が導かれるように構成されている。
【0051】
『版胴半抜け機構』
版胴半抜け機構76は、版胴50の固定側に固定された半抜け用モータ90と、この半抜け用モータ90の回転軸に固定されたギア91と、このギア91に外周ギア部が噛み合い、版胴50の固定側に回転自在に支持された円筒ギア92と、この円筒ギア92の内周ギア部に噛み合い、センターシャフト82に一体的に設けられたロッドネジ部93とから構成されている。そして、半抜け用モータ90が回転すると、円筒ギア92が回転し、この円筒ギア92の回転がロッドネジ部93に伝達されると、センターシャフト82の先端側が装置本体77に支持されていることから、ドラム枠体78に対してスライド自在に支持されている版胴50が軸方向に移動される。
【0052】
これによって、版胴50は、図2(A)に示すように、版胴側入力用連結部86が本体側出力用連結部87に連結され、メインモータMからの回転により回転可能な装着位置と、図2(B)に示すように、版胴側入力用連結部86が本体側出力用連結部87より連結解除され、メインモータMからの回転により回転しない半抜け位置とに変移される。
【0053】
尚、図2(A)、(B)において、94は装置本体77のフロント側に設けられた各フロント扉であり、この各フロント扉94を開けることによってドラムユニットAの着脱が可能である。又、各フロント扉94の開放状態では、安全のためメインモータMが回転駆動されないようになっている。
【0054】
『半抜け動作に係わる制御系』
次に、版胴50の半抜け動作に係わる制御系について説明する。図3に示すように、装置本体77の例えば操作パネルには両面印刷ボタン95と片面印刷ボタン96とが設けられ、この各印刷ボタン95、96の出力は制御部97に出力される。又、上流側及び下流側の各版胴40、50の各版胴回転位置情報も制御部97に出力されている。制御部97は、各種プログラムが格納されたROM98及びRAM99の書き込みや読み出しを制御し、各印刷ボタン95、96が操作されると、例えば図4及び図5に示すフローを実行する。この制御内容については、下記する作用の箇所で詳しく説明する。
【0055】
<両面印刷動作>
次に、上記孔版印刷装置1の両面印刷時の製版、両面印刷動作を説明する。両面製版モードが選択されると、各版胴40、50に孔版原紙20が巻付け装着されているか否かをチェックし、装着されている場合には孔版原紙20を各版胴40、50より取り除き排版ボックス73、75にそれぞれ廃棄する。
【0056】
排版処理が終了すると、原稿読み取り動作により読み取った上面側対応の画像データに基づき孔版原紙20に対してサーマルヘッド22によって感熱穿孔する。そして、製版された孔版原紙20が上流側の版胴40に巻き付け装着される着版処理が行われ、これで上流側の製版動作が終了する。又、読み取った下面側対応の画像データに基づき孔版原紙20に対してサーマルヘッド32によって感熱穿孔する。そして、製版された孔版原紙20が下流側の版胴50に巻き付け装着される着版処理が行われ、これで下流側の製版動作が終了する。
【0057】
次に、両面印刷ボタン95がオンされて両面印刷動作が選択されると、給紙台57上に印刷用紙45があるか否かをチェックし、印刷用紙45がなければ紙なしエラー処理を行う。又、孔版原紙20が各版胴40、50に着版されているか否かをチェックし、孔版原紙20が着版されていなければ版無しエラー処理を行う。又、スキージロール42、52及びドクターロール43、53間のインク溜まりにインクがあるか否かをチェックし、インクがなければインク無しエラー処理を行う。又、下流側の版胴50が半抜け位置にあるか否かがチェックされるがこの動作については、下記に詳述し、ここでは装着位置に位置するものとして説明する。
【0058】
そして、これらのチェックを全て通ると、メインモータMが回転して各版胴40、50が回転され、この回転に同期して給紙部6より印刷用紙45が上流側の版胴40に給紙される。この給紙された印刷用紙45は押圧ロール46で版胴40の孔版原紙20に押圧されることによって印刷用紙45の上面にインク画像が転写され、上面印刷された印刷用紙45は版胴40の外周面より剥離されて上流側ベルト搬送機構7に導かれる。上流側ベルト搬送機構7は、印刷用紙45の下面を接触面として印刷用紙45をベルト62の移動で搬送し、ベルト62の最下流より下流側の版胴50に給紙される。この給紙された印刷用紙45はベルト67を介して押圧ロール56で版胴50の孔版原紙20に押圧されることによって印刷用紙45の下面にインク画像が転写され、下面印刷された印刷用紙45は版胴50の外周面より剥離されて下流側ベルト搬送機構8に導かれる。下流側ベルト搬送機構8は、印刷用紙45をベルト67の移動で搬送し、ベルト67の最下流より排紙台71に排出される。排紙台71に排紙された印刷用紙45はここで積層状態で載置される。
【0059】
<片面印刷動作>
次に、上記孔版印刷装置1の片面印刷時の製版、片面印刷動作を説明する。片面製版モードが選択されると、各版胴40、50に孔版原紙20が巻付け装着されているか否かをチェックし、上流側の版胴40に装着されている場合には孔版原紙20を上流側の版胴40より取り除き排版ボックス73に廃棄する。下流側の版胴50の孔版原紙20は廃棄処理を行わずに版胴50に装着されたままとする。
【0060】
排版処理が終了すると、原稿読み取り動作により読み取った上面側対応の画像データに基づき孔版原紙20に対してサーマルヘッド22によって感熱穿孔する。そして、製版された孔版原紙20が上流側の版胴40に巻き付け装着される着版処理が行われ、これで製版動作が終了する。
【0061】
次に、図4に示すように、片面印刷ボタン96がオンされて片面印刷動作が選択されると(ステップS1)、メインモータMを駆動して下流側の版胴50を孔版原紙20の穿孔エリア以外で、且つ、孔版原紙20をクランプするクランプ部51以外の位置を印刷用紙45との接触面とするような回転位置(図6の位置であり、図6のハッチングエリアEが孔版原紙20の穿孔エリアを示す。)に移動する(ステップS2)。次に、半抜けモータ90を駆動して下流側の版胴50を図2(B)の半抜け位置に移動する(ステップS3)。
【0062】
又、給紙台57上に印刷用紙45があるか否かをチェックし、印刷用紙45がなければ紙なしエラー処理を行う。又、孔版原紙20が各版胴40、50に着版されているか否かをチェックし、孔版原紙20が着版されていなければ版無しエラー処理を行う。又、スキージロール42、52及びドクターロール43、53間のインク溜まりにインクがあるか否かをチェックし、インクがなければインク無しエラー処理を行う。
【0063】
そして、これらのチェックを全て通ると、メインモータMが回転して上流側の版胴40のみが回転され、この回転に同期して給紙部6より印刷用紙45が上流側の版胴40に給紙される。この給紙された印刷用紙45は押圧ロール46で版胴40の孔版原紙20に押圧されることによって印刷用紙45の上面にインク画像が転写され、上面印刷された印刷用紙45は版胴40の外周面より剥離されて上流側ベルト搬送機構7に導かれる。上流側ベルト搬送機構7は、印刷用紙45の下面を接触面として印刷用紙45をベルト62の移動で搬送し、ベルト62の最下流により下流側の版胴50に給紙される。この給紙された印刷用紙45は停止している版胴50の外周壁50aと離間位置に位置する押圧ロール56との間を単に通過して下流側ベルト搬送機構8に導かれる。
【0064】
つまり、図6に示すように、下流側の版胴50は半抜け位置に位置するため、メインモータMの回転が伝達されずに停止した状態であり、版胴50の回転に連動して変移する押圧ロール56も離間位置の状態を保持するためである。版胴50と押圧ロール56との間を単に通過する印刷用紙45を受け取った下流側ベルト搬送機構8は、印刷用紙45をベルト67の移動で搬送し、ベルト67の最下流より排紙台71に排出される。排紙台71に排紙された印刷用紙45はここで積層状態で載置される。
【0065】
<片面印刷後の半抜け戻し動作>
次に、片面印刷後の半抜け戻し動作について説明する。図5に示すように、両面印刷ボタン95がオンされると(ステップS4)、下流側の版胴50が半抜け位置にあるか否かがチェックされる(ステップS5)。半抜け位置に位置すると、先ずメインモータMを駆動して上流側の版胴40を下流側の版胴50に対して回転位相の基準位置に移動する(ステップS6)。次に、半抜けモータ90を駆動して、版胴50を図2(A)の装着位置に移動し(ステップS7)、これで完了する。尚、上流側の版胴40と下流側の版胴50との正確で相対的な回転位相は、図示しない回転位相調整手段により調整される。
【0066】
<版胴半抜けによる作用>
上記片面印刷動作にあって、上流側印刷部4で印刷用紙45の上面にインク転写され、このインク転写された印刷用紙45が上流側ベルト搬送機構7によって下流側印刷部5の位置まで搬送され、この搬送された印刷用紙45が回転しない下流側の版胴50と離間位置の押圧ロール56との間を単に通過して下流側ベルト搬送機構8に受け渡され、下流側ベルト搬送機構8で搬送されることによって排紙部9まで搬送されるので、半抜けされる版胴50には前回製版時の孔版原紙20を装着した状態のままで良く無穿孔の孔版原紙20を装着する必要がない。そして、印刷用紙45の搬送ルートは両面印刷時と同じルートを使用し、半抜けされた版胴50は回転力が伝達されずに回転しないため、孔版原紙20の無駄にならず、且つ、片面印刷用の別ルートの搬送手段を設けることなく、しかも、インク劣化をもたらさずに片面印刷できる。
【0067】
又、上記実施形態では、下流側の版胴50を半抜けできる構成としたが、上流側の版胴40を半抜けできる構成としても良い。つまり、上流側の版胴40が半抜けできる場合には、片面印刷時には給紙部6より給紙された印刷用紙45が回転しない上流側の版胴40と離間位置の押圧ロール46との間を単に通過して上流側ベルト搬送機構7に受け渡され、上流側ベルト搬送機構7によって下流側印刷部5の位置まで搬送され、この搬送された印刷用紙45が下流側印刷部5で印刷用紙45の下面にインク転写され、このインク転写された印刷用紙45が下流側ベルト搬送機構8で搬送されることによって排紙部9まで搬送する。
【0068】
このように構成しても上記と同様に、孔版原紙20の無駄にならず、且つ、片面印刷用の別ルートの搬送手段を設けることなく、しかも、インク劣化をもたらさずに片面印刷できるという効果が得られる。又、上流側及び下流側の双方の版胴40、50を半抜けできる構成として、片面印刷する版胴を選択可能に構成しても良い。このように構成すれば、片面印刷の印刷面(上面又は下面)や、印刷内容(上流側の版胴40の画像内容又は下流側の版胴50の画像内容)を自由に選択でき、好ましい。
【0069】
又、上記実施形態では、半抜け位置に移動できる版胴50は、孔版原紙20の穿孔エリア以外で、且つ、孔版原紙20をクランプするクランプ部51以外の位置を印刷用紙45との接触面とするような回転位置(図6の位置)で半抜け位置とされるので、印刷用紙45は、半抜けされた版胴50の孔版原紙20の穿孔エリアに接触したり、クランプ部51に接触したりせずに通過するため、印刷用紙45にインクを付着させたり、クランプ部51が搬送の支障になることがない。
【0071】
又、上記実施形態では、半抜け位置に移動できる版胴50は、下流側印刷部5の版胴50であるので、給紙部6は上流側ベルト搬送機構7よりも正確な給紙タイミングで印刷用紙45を上流側印刷部4に給紙でき、この正確な給紙タイミングで給紙された印刷用紙45に上流側印刷部4が印刷を施すため、印刷位置性能に優れた印刷物が得られる。又、排紙台71までの搬送経路を長く取ることができるため、裏写りなどを有効に防止できる。
【0072】
又、上記実施形態では、上流側及び下流側の2つの版胴40、50は、単一の駆動源であるメインモータMからの回転力により、互いの回転位相差を保持した状態で同期して回転されるので、単一の駆動源からの回転力により上流側及び下流側の版胴40、50が共に回転される装置にあって、片面印刷時には両面印刷時と同様に駆動源を駆動制御しても半抜け側の版胴50が回転しないため、片面印刷時の制御が容易になる。尚、上流側の版胴40の駆動源と下流側の版胴50の駆動源とが別である場合には、両面印刷時と片面印刷時とでは、駆動源の制御を異ならせる必要がある。
【0073】
又、上記実施形態では、半抜け位置に移動できる版胴50側の押圧ロール56は、押圧位置と離間位置との変位が版胴50の回転に連動して行われる構成であるので、版胴50を半抜け状態とすることでこの版胴50に対向する押圧ロール56も離間位置に保持できるため、片面印刷時の制御が容易になる。尚、押圧ロール56が版胴50の回転に連動せずに版胴50の回転位置に応じて押圧位置と離間位置との間を変移する構成である場合には、押圧ロール56が離間位置となるような回転位置で半抜けするように版胴の半抜け回転位置を工夫する必要がある。
【0074】
尚、前記実施形態によれば、押圧回転部材は版胴40、50よりも十分に小径の押圧ロール46、56にて構成されている場合を説明したが、押圧回転部材は版胴40、50との間で印刷圧を付与できる部材であれば良く、例えば版胴40、50とほぼ同一径を有する圧胴にて構成されている場合であっても良い。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、上流側印刷部と下流側印刷部とのいずれか一方の版胴を回転が伝達されない半抜け位置に移動可能な版胴半抜け機構を設け、この半抜け位置に移動可能な版胴側の押圧回転部材を離間位置に保持可能に設け、片面印刷モードが選択された場合には、上流側印刷部と下流側印刷部とのいずれか一方の版胴を回転が伝達されない半抜け位置とし、この半抜け位置に位置された版胴側の押圧回転部材を離間位置に位置させた状態として印刷動作を行うので、下流側の版胴が半抜けできる場合には、片面印刷時には上流側印刷部で印刷媒体の一面にインク転写され、このインク転写された印刷媒体が上流側搬送機構によって下流側印刷部の位置まで搬送され、この搬送された印刷媒体が回転しない下流側の版胴と離間位置の押圧回転部材との間を単に通過して下流側搬送機構に受け渡され、下流側搬送機構で搬送されることによって排紙部まで搬送される。
【0076】
又、上流側の版胴が半抜けできる場合には、片面印刷時には給紙部より給紙された印刷媒体が回転しない上流側の版胴と離間位置の押圧回転部材との間を単に通過して上流側搬送機構に受け渡され、上流側搬送機構によって下流側印刷部の位置まで搬送され、この搬送された印刷媒体が下流側印刷部で印刷媒体の一面にインク転写され、このインク転写された印刷媒体が下流側搬送機構で搬送されることによって排紙部まで搬送される。
【0077】
従って、請求項1の発明によれば、半抜けできる版胴には前回製版時の孔版原紙を装着した状態のままで良く無穿孔の孔版原紙を装着する必要がなく、印刷媒体の搬送ルートは両面印刷時と同じルートを使用し、半抜けされた版胴は回転力が伝達されずに回転しないため、孔版原紙の無駄にならず、且つ、片面印刷用の別ルートの搬送手段を設けることなく、しかも、インク劣化をもたらさずに片面印刷できる。
【0078】
また、請求項1の発明によれば、半抜け位置に移動できる版胴は、孔版原紙の穿孔エリア以外で、且つ、孔版原紙をクランプするクランプ部以外の位置を印刷媒体との接触面とするような回転位置で半抜け位置とされるので、印刷媒体は、半抜けされた版胴の孔版原紙の穿孔エリアに接触したり、クランプ部に接触したりせずに通過するため、印刷媒体にインクを付着させたり、クランプ部が搬送の支障になることがない。
【0080】
請求項2の発明によれば、半抜け位置に移動できる版胴は、下流側印刷部の版胴であるので、請求項1の発明の効果に加え、給紙部は上流側搬送機構よりも正確な給紙タイミングで印刷媒体を上流側印刷部に給紙でき、この正確な給紙タイミングで給紙された印刷媒体に上流側印刷部が印刷を施すため、印刷位置性能に優れた印刷物が得られる。又、排紙部までの搬送経路を長く取ることができるため、裏写りなどを有効に防止できる。
【0081】
請求項3の発明によれば、上流側及び下流側の2つの版胴は、両面印刷時には、単一の駆動源からの回転力により、互いの回転位相差を保持した状態で同期して回転されるので、請求項1又は請求項2発明の効果に加え、単一の駆動源からの回転力により上流側及び下流側の版胴が共に回転される装置にあって、片面印刷時には両面印刷時と同様に駆動源を駆動制御しても半抜け側の版胴が回転しないため、片面印刷時の制御が容易になる。
【0082】
請求項4の発明によれば、半抜け位置に移動できる版胴側の押圧回転部材は、押圧位置と離間位置との変位が前記版胴の回転に連動して変位される構成であるので、請求項1〜請求項3の発明の効果に加え、半抜けできる版胴を半抜け状態とすることでこの版胴に対向する押圧回転部材も離間位置に保持できるため、片面印刷時の制御が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示し、孔版印刷装置の全体概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態を示し、(A)は下流側の版胴の半抜け機構で、版胴が装着位置に位置する状態を示す平面図、(B)は下流側の版胴の半抜け機構で、版胴が半抜け位置に位置する状態を示す平面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示し、版胴の半抜け動作に係わる部分の制御回路ブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態を示し、片面印刷モードが選択された場合の半抜け動作のフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態を示し、両面印刷モードが選択された場合の半抜け戻し動作のフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態を示し、片面印刷時の上流側印刷部と下流側印刷部の状態を示す要部構成図である。
【図7】従来例の孔版印刷装置の全体概略構成図である。
【符号の説明】
1 孔版印刷装置
2 上流側製版部
3 下流側製版部
4 上流側印刷部
5 下流側印刷部
6 給紙部
7 上流側ベルト搬送機構
8 下流側ベルト搬送機構
9 排紙部
10 上流側排版部
11 下流側製版部
20 孔版原紙
40 上流側の版胴
40a 外周壁
41 クランプ部
42 スキージロール
45 印刷用紙(印刷媒体)
46 押圧ロール(押圧回転部材)
50 下流側の版胴
50a 外周壁
51 クランプ部
52 スキージロール
56 押圧ロール(押圧回転部材)
76 版胴半抜け機構
M メインモータ(駆動源)
Claims (4)
- 孔版原紙が装着されるインク通過性の外周壁を有し、前記外周壁の内面にインクを供給するスキージロールを内部に設けた版胴と、この版胴の外周壁に押圧する押圧位置と前記版胴より離間する離間位置との間で変移可能で、回転自在な押圧回転部材とを有する上流側及び下流側の2組の印刷部と、前記上流側印刷部に印刷媒体を給紙する給紙部と、前記上流側印刷部より排紙された前記印刷媒体を前記下流側印刷部まで搬送して給紙する上流側搬送機構と、下流側印刷部より排出された前記印刷媒体を排紙部まで搬送する下流側搬送機構とを有し、
前記給紙部より前記上流側印刷部に給紙された前記印刷媒体が上流の前記版胴と前記押圧回転部材との間で押圧搬送され、この押圧搬送過程で前記印刷媒体の一方面にインク転写され、このインク転写された前記印刷媒体が前記上流側搬送機構で搬送されて前記下流側印刷部に給紙され、この給紙された前記印刷媒体が下流側の前記版胴と前記押圧回転部材との間で押圧搬送され、この押圧搬送過程で前記印刷媒体の他方面にインク転写されることによって両面印刷が行われる孔版印刷装置において、
前記上流側印刷部と前記下流側印刷部とのいずれか一方の前記版胴を回転が伝達されない半抜け位置に移動可能な版胴半抜け機構を設け、この半抜け位置に移動可能な前記版胴側の前記押圧回転部材を離間位置に保持可能に設け、
片面印刷モードが選択された場合には、前記上流側印刷部と前記下流側印刷部とのいずれか一方の前記版胴を回転が伝達されない半抜け位置とし、この半抜け位置に位置された前記版胴側の前記押圧回転部材を離間位置に位置させた状態とし、さらに半抜け位置に移動できる前記版胴を、前記孔版原紙の穿孔エリア以外で、且つ、前記孔版原紙をクランプするクランプ部以外の位置を前記印刷媒体との接触面とするような回転位置として印刷動作を行うことを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1記載の孔版印刷装置であって、
半抜け位置に移動できる前記版胴は、下流側印刷部の版胴であることを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1又は請求項2記載の孔版印刷装置であって、
上流側及び下流側の2つの前記版胴は、両面印刷時には、単一の駆動源からの回転力により、互いの回転位相差を保持した状態で同期して回転されることを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1〜請求項3の何れか一つに記載の孔版印刷装置であって、
半抜け位置に移動できる前記版胴側の前記押圧回転部材は、押圧位置と離間位置との変位が前記版胴の回転に連動して変位される構成であることを特徴とする孔版印刷装置。
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