JP3773787B2 - 孔版印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、孔版原紙が装着された版胴と押圧ロールとの間で印刷媒体を押圧搬送することによって印刷を行う孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の孔版印刷装置の要部の構成図が図6に示されている。図6に示すように、給紙部100は、印刷用紙101を積載する給紙台102と、この給紙台102の最上位置の印刷用紙101のみを搬送する1次給紙ロール103と、この1次給紙ロール103で搬送された印刷用紙101を版胴106の回転位置に同期して印刷部105に給紙する一対の2次給紙ロール104,104とを有している。印刷部105は、インク通過性の外周壁106aを有し、この外周壁106aに製版された図示しない孔版原紙が巻き付け装着する版胴106と、この版胴106の外周壁106aの内周側からインクを供給する図示しないインク供給部と、版胴106の外側位置に配置され、版胴106と異なる径を有する押圧ロール107とを備えている。この押圧ロール107は版胴106の外周壁106aを押圧する押圧位置と外周壁106aから離間する離間位置との間で変位し、押圧位置では版胴106の回転に追従して回転するように回転自在に支持されている。
【0003】
上記構成において、版胴106が所定の印刷スピードで回転し、この版胴106の回転位置に同期して給紙部100より印刷用紙101が給紙されると、この印刷用紙101の通過期間だけ押圧ロール107が押圧位置に変移し、印刷用紙101が版胴106と押圧ロール107との間で押圧搬送される。この押圧搬送過程で印刷用紙101に孔版原紙の穿孔部分よりインク転写されるものである。
【0004】
上記印刷動作過程にあって、押圧ロール107は自転していないため、版胴106に押圧された際に版胴106より回転力を受けて回転され、この回転力は孔版原紙及び印刷用紙101を介して押圧ロール107に付与される。従って、孔版原紙には押圧ロール107を回転させる際の反力が作用し、この反力によって孔版原紙には版胴106の回転方向とは逆方向の力、つまり、引っ張り力が作用することになる。
【0005】
又、押圧ロール107は版胴106より回転力を受けて版胴106と同一周速度で回転するようになるが、押圧ロール107には回転負荷抵抗があり、又、印刷用紙101には給紙部100側より受ける搬送抵抗による用紙テンションがあり、これらの抵抗に起因する力によって孔版原紙には引っ張り力が作用することになる。具体的には、図6に示すように、押圧ロール107の回転負荷抵抗TRに基づき印刷箇所に作用する接線方向成分の力をFRとし、又、印刷用紙101の用紙テンションWPに基づき印刷箇所に作用する接線方向成分の力をFPとすると、孔版原紙にはFP+FRの引っ張り力が作用することになる。
【0006】
以上より、押圧ロール107の押圧当初に該押圧ロール107を回転させる際の反力に起因する引っ張り力が作用し、押圧ロール107が版胴106と共に所定の印刷スピードで回転された後には孔版原紙には押圧ロール107の回転抵抗及び印刷用紙101の用紙テンションに起因するFP+FRの引っ張り力が作用するため、孔版原紙が伸びるという問題がある。
【0007】
ここで、押圧ロール107を版胴106の周速度と同じ速度で自転させることが考えられるが、版胴106と径の異なる押圧ロール107を同じ周速度で回転させることは、環境条件、紙厚さなどで同期回転数が変化し、現実的には困難である。これを解決するため、版胴106の周速度より押圧ロール107の周速度をわずかに遅く回転させる駆動機構を設け、この駆動機構と押圧ロール107とを一方向回転クラッチを介して連結させたものが提案されている(実開昭60−145069号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来例によれば、押圧ロール107が自転しているため、押圧ロール107の押圧当初に孔版原紙に作用する引っ張り力をほとんどなくすることができるが、押圧ロール107が版胴106と同一周速度で回転された後に孔版原紙に作用する引っ張り力をなくすることができない。つまり、押圧ロール107には一方向回転クラッチが介在されているに過ぎないため、押圧ロール107が自転速度よりも速い速度で回転される場合に押圧ロール107の回転負荷抵抗に基づく力が印刷箇所に作用し、又、印刷用紙101の用紙テンションに基づく力も印刷箇所に作用するためである。
【0009】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、押圧ロールが版胴と共に所定の印刷スピードで回転された後に孔版原紙に引っ張り力を極力作用させないようにする孔版印刷装置を提供することを目的とする。又、本発明は、押圧ロールが版胴に押圧する当初において孔版原紙に引っ張り力を極力作用させないようにすると共に、押圧ロールが版胴と共に所定の印刷スピードで回転された後に孔版原紙に引っ張り力を極力作用させないようにする孔版印刷装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、孔版原紙を装着し、回転する版胴と、この版胴を押圧する押圧位置と押圧しない離間位置との間で変移する押圧ロールとを備え、給紙される印刷媒体を前記版胴と前記押圧ロールとの間で押圧搬送し、この押圧搬送過程で前記孔版原紙より前記印刷媒体にインク転写する孔版印刷装置において、前記押圧ロールを前記版胴に対して印刷箇所で同一方向で且つ前記版胴の周速度よりも速い周速度で回転駆動機構により回転させると共に、該押圧ロールの駆動トルク値が一定トルク値になるよう制御する制御手段を備え、前記版胴は、前記孔版原紙をその先端及び後端をクランプして装着し、前記押圧ロールの回転抵抗トルクに基づき印刷箇所に作用する接線方向成分の力をFR、前記印刷媒体の搬送時テンションに基づき印刷箇所に作用する接線方向成分の力をFP、前記制御手段に基づき印刷箇所に作用する接線方向成分の力をFDとすると、0<FD≦2(FR+FP)の範囲となるように前記押圧ロールの駆動トルク値を設定したことを特徴とする。
【0015】
この孔版印刷装置では、押圧ロールが版胴と共に所定の印刷スピードで回転された後に、印刷箇所には押圧ロールの回転抵抗及び印刷用紙の用紙テンションに起因するFP+FRの力に対してこれとは逆の制御手段に起因する0<FD≦2(FR+FP)の力が作用する。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1記載の孔版印刷装置であって、前記押圧ロールの駆動トルク値をFD=FR+FPとなる値に設定したことを特徴とする。
【0017】
この孔版印刷装置では、押圧ロールが版胴と共に所定の印刷スピードで回転された後に、印刷箇所には押圧ロールの回転抵抗及び印刷用紙の用紙テンションに起因するFP+FRの力に対してこれとは逆の制御手段に起因するFD=FR+FPの力が作用する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1〜図5は本発明の一実施形態を示し、図1は孔版印刷装置の全体の概略構成図、図2は版胴と押圧ロールとの回転駆動機構の正面図、図3は版胴と押圧ロールとの回転駆動機構及び押圧ロールのプレス圧手段の構成図、図4は版胴と押圧ロールとの印刷箇所に作用する力を示す要部の構成図、図5は押圧ロールの駆動トルク値の変動に対する孔版原紙の伸びを示す実測特性線図である。
【0022】
図1に示すように、デジタル式の孔版印刷装置1は、図示しない原稿読取部と、製版部2と、印刷部3と、給紙部4と、排紙部5と、排版部6とから主に構成されている。
【0023】
原稿読取部は、例えば自動原稿送り読取部と原稿載置読取部とを有する。自動原稿送り読取部は、原稿を載置する斜め傾斜の原稿傾斜板と、この原稿傾斜板に載置された原稿を搬送する一対の原稿搬送ロールと、搬送された原稿内容を電気信号に変換して読み取るラインイメージセンサとから構成されている。このラインイメージセンサは原稿載置読取部のものと兼用されている。
【0024】
原稿載置読取部は、原稿を載置する水平な原稿載置ガラス台と、この原稿載置ガラス台上に開閉可能に設けられた圧板と、原稿載置ガラス台の下方に配置され、リードパルスモータの駆動力により移動するガイドベルトと、このガイドベルトの案内により原稿載置ガラス台の下方を移動するラインイメージセンサとを有する。
【0025】
そして、自動原稿送り読取部の原稿は、原稿搬送ロールにより搬送される原稿をラインイメージセンサが読み取る。原稿載置読取部の原稿は、ラインイメージセンサがガイドベルトに案内されて移動し、原稿内容を読み取る。
【0026】
製版部2は、ロールされた長尺状の版原紙である孔版原紙10を収容する原紙収容部11と、この原紙収容部11に対して孔版原紙10の搬送方向の下流に配置された書き込みヘッドであるサーマルヘッド12と、このサーマルヘッド12の対向位置に配置され、図示しないライトパルスモータの駆動力により回転するプラテンロール13と、これらプラテンロール13及びサーマルヘッド12に対して孔版原紙10の搬送方向の下流に配置され、ライトパルスモータの駆動力により回転する一対の原紙送りロール14,14と、一対の原紙送りロール14,14の更に搬送下流に配置された一対の原紙送りロール15,15と、この一対の原紙送りロール15,15の搬送下流に配置された原紙カッタ16とを有する。サーマルヘッド12は孔版原紙10の搬送方向の垂直方向に配置された複数の点状発熱体を有し、この実施形態では最大印刷用紙がA3であるためA3幅の範囲に亘って点状発熱体が配置されている。
【0027】
そして、プラテンロール13と原紙送りロール14の回転により孔版原紙10を搬送し、ラインイメージセンサで読み取った画像データに基づきサーマルヘッド12の各点状発熱体が選択的に発熱動作することにより孔版原紙10に感熱穿孔して製版し、この製版した孔版原紙10の下流箇所を原紙カッタ16で切断して所定長さの孔版原紙10を作成する。
【0028】
印刷部3は、多孔構造によるインク通過性の部材で外周壁20aが構成され、この外周壁20aが後述する回転駆動機構Aの駆動力によって図1の矢印a方向に回転する版胴20と、この版胴20の外周壁20aに設けられ、孔版原紙10の先端をクランプするクランプ部21とを有する。
【0029】
又、印刷部3は、前記版胴20の内部に配置され、外周壁20aの内周面に接触するスキージロール22と、このスキージロール22に所定のギャップを介して配置されたドクターロール23と、この双方のロール22,23間にインクを供給する図示しないインク供給パイプとを有する。又、スキージロール22に版胴20の外周壁20aを介して対向する外側位置に配置され、版胴20より十分に径の小さい押圧ロール26と、この押圧ロール26を自転させる回転駆動機構Aと、押圧ロール26を版胴20の外周壁20aに押圧する押圧位置(図1の実線位置)と版胴20の外周壁20aから離間する離間位置とで変移させるプレス圧手段Bとを有する。押圧ロール26は、印刷時には版胴20の回転に連動して押圧位置と離間位置との間を変移し、版胴20の回転に同期して搬送されて来る印刷媒体である印刷用紙25の通過時には押圧位置に位置し、それ以外の時(印刷用紙25の非通過時)には離間位置に位置する。
【0030】
そして、製版部2から搬送される孔版原紙10の先端をクランプ部21でクランプし、このクランプした状態で版胴20が回転されて孔版原紙10が版胴20の外周部20aに巻き付け装着され、版胴20の回転に同期して搬送されて来る印刷用紙25を押圧ロール26にて版胴20の孔版原紙10に押圧することによって印刷用紙25に孔版原紙10の穿孔部分からインクが転写されて画像が印刷される。
【0031】
給紙部4は、印刷媒体である印刷用紙25が積層される給紙台30と、この給紙台30から最上位置の印刷用紙25のみを移動させる一次給紙ロール31と、この一次給紙ロール31によって移動された印刷用紙25を上流側の版胴20の回転に同期して版胴20と押圧ローラ26間に搬送する一対の二次給紙ロール32,32とを有する。一次給紙ロール31や二次給紙ローラ32には各給紙クラッチ(図示省略)を介してメインモータ50の回転が選択的に伝達されるように構成されている。
【0032】
排紙部5は、印刷部3より排出された印刷用紙25を受け取り、この受け取った印刷用紙25を搬送するベルト搬送手段40と、このベルト搬送手段40より搬送された印刷用紙25によって搬送されて来た印刷済みの印刷用紙25の落下位置に配置された排紙台41とを有し、この排紙台41に印刷用紙25を積層状態で載置する。ベルト搬送手段40は、一対のベルト掛け部材42a,42bと、この一対のベルト掛け部材42a,42a間に掛けられたベルト43と、このベルト43の印刷用紙25の下面側を吸引するための吸引ボックス44及び吸引ファン(図示省略)と、上記ベルト掛け部材42a(又は42b)を介してベルト43を回転駆動させるベルト駆動手段(図示省略)とを有する。そして、ベルト搬送手段40は、ベルト43が印刷用紙25の印刷面とは反対側を接触面として印刷用紙25を吸引しつつ自らの移動によって印刷用紙25を搬送するものである。
【0033】
排版部6は、版胴20に巻き付け装着された孔版原紙10の先端がクランプ解除され、このクランプ解除された孔版原紙10を版胴20より引き剥がしながら孔版原紙10を搬送する一対の排版ロール45,45と、この一対の排版ロール45,45によって搬送されて来る孔版原紙10を収納する排版ボックス46とを有する。排版ボックス46は、装置本体1Aに着脱自在に設けられている。そして、内部の孔版版原紙10が満杯などになると、装置本体1Aより排版ボックス46を取り出し、排版ボックス46内に収容された孔版原紙10をゴミ箱などに捨て、再び装置本体1Aに装着するものである。
【0034】
図2,図3に示すように、回転駆動機構Aは、メインモータ50と、このメインモータ50の回転軸50aに固定された第1ギア51と、この第1ギア51に噛み合っている第2ギア52と、この第2ギア52に噛み合い、版胴20と同軸に配置された第3ギア53とを有し、この第3ギア53の回転で少なくとも版胴20の外周壁20aが回転可能に設けられている。つまり、メインモータ50の回転によって版胴20の少なくとも外周壁20aが所定の周速度で回転される。
【0035】
又、回転駆動機構Aは、第1ギア51に噛み合っている第4ギア54と、この第4ギア54の回転軸54aに入力側が連結された制御手段としてのトルクコントローラ55と、このトルクコントローラ55の出力側に連結された第1プーリ56と、この第1プーリ56に一端側が掛けられた第1ベルト57と、この第1ベルト57の他端側が掛けられた第2プーリ58と、この第2プーリ58に一端側が掛けられた第2ベルト59と、この第2ベルト59の他端側が掛けられた第3プーリ60と、この第3プーリ60の支持軸に押圧ロール26が固定されている。つまり、メインモータ50の回転によって押圧ロール26が回転され、この押圧ロール26の周速度は版胴20の周速度よりやや速い速度となるように設定されている。
【0036】
トルクコントローラ55は、設定されたトルクリミット値を維持し、押圧ロール26に一定の駆動トルクを伝達するものであり、図4に示すように、押圧ロール26の回転抵抗トルクに基づき印刷箇所に作用する接線方向成分の力をFR、印刷用紙25の搬送時テンションに基づき印刷箇所に作用する接線方向成分の力をFP、トルクコントローラ55に基づき印刷箇所に作用する接線方向成分の力をFDとすると、FD =FR+FPとなるように押圧ロール26の駆動トルク値TDが設定されている。
【0037】
図3に示すように、プレス圧手段Bは、第2プーリ58の支持軸58aと同軸上に支持された揺動アーム61を有し、この揺動アーム61には引っ張りバネ62のバネ力に作用されていると共にカムピン63が設けられている。このカムピン63は引っ張りバネ62のバネ力によってカム部64のカム面64aに密着されており、このカム部64は第2ギア52に固定されている。又、揺動アーム61にはロール支持部65が固定され、このロール支持部65の先端に押圧ロール26が回転自在に支持されている。つまり、揺動アーム61が第2ギア52の回転位置に応じて揺動することによって押圧ロール26が版胴20の回転位置に応じて押圧位置と離間位置との間で変移されるものである。そして、押圧ロール26が押圧位置と離間位置との間を移動されても第2プーリ58と第3プーリ60間の距離が一定であるため、回転駆動機構Aの回転力が伝達され続ける。
【0038】
次に、上記孔版印刷装置1の製版、印刷動作を説明する。製版モードが選択されると、版胴20に孔版原紙10が巻付け装着されているか否かをチェックし、装着されている場合には孔版原紙10を版胴20より取り除き排版ボックス46に廃棄する。
【0039】
排版処理が終了すると、原稿読み取り動作により読み取った画像データに基づき孔版原紙10にサーマルヘッド12にて感熱穿孔する。そして、製版された孔版原紙10が版胴20に巻き付け装着される着版処理が行われ、これで製版動作が終了する。
【0040】
次に、印刷動作が選択されると、給紙台30上に印刷用紙25があるか否かをチェックし、印刷用紙25がなければ紙なしエラー処理を行う。又、孔版原紙10が版胴20に着版されているか否かをチェックし、孔版原紙10が着版されていなければ版無しエラー処理を行う。又、スキージロール22及びドクターロール23間のインク溜まりにインクがあるか否かをチェックし、インクがなければインク無しエラー処理を行う。
【0041】
そして、これらのチェックを全て通ると、回転駆動機構Aのメインモータ50が回転して版胴20及び押圧ロール26がそれぞれ所定の周速度で回転され、この版胴20の回転に同期して給紙部4より印刷用紙25が上流側の版胴20に給紙される。この給紙された印刷用紙25は押圧ロール26で版胴20の孔版原紙10に押圧されることによって印刷用紙25にインク画像が転写され、印刷された印刷用紙25は版胴20の外周面より剥離されて排紙部5のベルト搬送手段40に導かれる。ベルト搬送手段40は、印刷用紙25の下面を接触面として印刷用紙25をベルト43の移動で搬送し、ベルト43の最下流より排紙台41に排出される。排紙台41に排紙された印刷用紙25はここで積層状態で載置される。
【0042】
上記印刷動作過程にあって、押圧ロール26の回転周速度は、版胴20の周速度に対してやや速めの周速度であるので、押圧ロール26が版胴20に押圧する際には、双方の周速度にあまり違いがなく押圧ロール26を版胴20と同一周速度で回転させるために印刷箇所にほとんど力が作用しない。従って、押圧ロール26が版胴20に押圧する当初においては孔版原紙10に引っ張り力がほとんど作用しないものである。
【0043】
又、押圧ロール26が版胴20と共に所定の印刷スピードで回転された後に、印刷箇所には押圧ロール26の回転抵抗及び印刷用紙25の用紙テンションに起因するFP+FRの力に対してこれとは逆のトルクコントローラ55に起因するFD=FR+FPの力が作用する。従って、押圧ロール26が版胴20と共に所定の印刷スピードで回転された後には孔版原紙10に引っ張り力が殆ど作用しない。
【0044】
前記実施形態では、押圧ロール26の駆動トルク値TDは、FD=FR+FPとなる値に設定した。前記実施形態のように孔版原紙10の先端のみをクランプして版胴20に装着する場合に、押圧ロール26の回転抵抗トルクに基づき印刷箇所に作用する接線方向成分の力をFR、印刷用紙25の搬送時テンションに基づき印刷箇所に作用する接線方向成分の力をFP、トルクコントローラ55に基づき印刷箇所に作用する接線方向成分の力をFDとすると、0<FD≦FR+FPの範囲となるように押圧ロール26の駆動トルク値TDを設定すれば一応の効果が得られる。つまり、押圧ロール26が版胴20と共に所定の印刷スピードで回転された後に、印刷箇所には押圧ロール26の回転抵抗及び印刷用紙25の用紙テンションに起因するFP+FRの力に対してこれとは逆のトルクコントローラ55に起因する0<FD≦FR+FPの力が作用するため、孔版原紙10の一端をクランプする装置にあって、押圧ロール26が版胴20と共に所定の印刷スピードで回転された後に孔版原紙10に引っ張り力を極力作用させないようにできる。
【0045】
図5には押圧ロール26の駆動トルク値を可変した場合の孔版原紙10の伸びの実測値が示され、押圧ロール26への駆動トルクがゼロ、つまり、押圧ロール26を連れ回り状態(回転駆動機構Aがない状態)とした場合を標準にして駆動トルク値TDを徐々に大きな値としていった場合に、孔版原紙10の伸び量がそれに応じて小さくなる状態がわかる。そして、駆動トルク値TDがFD=FR+FPを超えると、孔版原紙10を版胴20に対してずり上げるような力が作用することになる。
【0046】
上記実施形態は、孔版原紙10の先端の一端みのをクランプして版胴20に装着する装置であったが、孔版原紙10の先端及び後端の両端をクランプして版胴20に装着する装置についても本発明を適用可能である。この孔版原紙10の両端をクランプする場合に、押圧ロール26の回転抵抗トルクに基づき印刷箇所に作用する接線方向成分の力をFR、印刷用紙25の搬送時テンションに基づき印刷箇所に作用する接線方向成分の力をFP、トルクコントローラ55に基づき印刷箇所に作用する接線方向成分の力をFDとすると、0<FD≦2(FR+FP)の範囲となるように押圧ロール26の駆動トルク値TDを設定すれば一応の効果が得られる。つまり、押圧ロール26が版胴20と共に所定の印刷スピードで回転された後に、印刷箇所には押圧ロール26の回転抵抗及び印刷用紙25の用紙テンションに起因するFP+FRの力に対してこれとは逆のトルクコントローラ55に起因する0<FD≦2(FR+FP)の力が作用する。従って、孔版原紙10の両端をクランプする装置にあって、押圧ロール26が版胴20と共に所定の印刷スピードで回転された後に孔版原紙10に引っ張り力を極力作用させないようにできる。つまり、孔版原紙10の一端をクランプする場合に比べて2倍であるのは、孔版原紙10の両端をクランプする場合には、孔版原紙10の後端もクランプされているため、FD=FR+FPを超えても孔版原紙10を版胴20に対してずり上げるような力とならずに反対方向の引っ張り力として作用するためである。
【0047】
又、この孔版原紙10の両端をクランプする場合にあっても、前記実施形態と同様に、押圧ロール26の駆動トルク値TDを、FD=FR+FPとなる値に設定すれば、押圧ロール26が版胴20と共に所定の印刷スピードで回転された後に孔版原紙10に引っ張り力を殆ど作用させないようにできる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、押圧ロールが版胴と共に所定の印刷スピードで回転された後に、印刷箇所には押圧ロールの回転抵抗及び印刷用紙の用紙テンションに起因するFP+FRの力に対してこれとは逆の制御手段に起因する0<FD≦2(FR+FP)の力が作用するため、孔版原紙の両端をクランプする装置にあって、押圧ロールが版胴と共に所定の印刷スピードで回転された後に孔版原紙に引っ張り力を極力作用させないようにできる。
【0051】
請求項2の発明によれば、押圧ロールが版胴と共に所定の印刷スピードで回転された後に、印刷箇所には押圧ロールの回転抵抗及び印刷用紙の用紙テンションに起因するFP+FRの力に対してこれとは逆の制御手段に起因するFD=FR+FPの力が作用するため、押圧ロールが版胴と共に所定の印刷スピードで回転された後に孔版原紙に引っ張り力を殆ど作用させないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示し、孔版印刷装置の全体の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態を示し、版胴と押圧ロールとの回転駆動機構の正面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示し、版胴と押圧ロールとの回転駆動機構及び押圧ロールのプレス圧手段の構成図である。
【図4】本発明の一実施形態を示し、版胴と押圧ロールとの印刷箇所に作用する力を示す要部の構成図である。
【図5】本発明の一実施形態を示し、押圧ロールの駆動トルク値の変動に対する孔版原紙の伸びを示す実測特性線図である。
【図6】従来例を示し、版胴と押圧ロールとの印刷箇所に作用する力を示す要部の構成図である。
【符号の説明】
1 孔版印刷装置
10 孔版原紙
20 版胴
21 クランプ部
25 印刷用紙(印刷媒体)
26 押圧ロール
55 トルクコントローラ(制御手段)
A 回転駆動機構
Claims (2)
- 孔版原紙を装着し、回転する版胴と、この版胴を押圧する押圧位置と押圧しない離間位置との間で変移する押圧ロールとを備え、給紙される印刷媒体を前記版胴と前記押圧ロールとの間で押圧搬送し、この押圧搬送過程で前記孔版原紙より前記印刷媒体にインク転写する孔版印刷装置において、
前記押圧ロールを前記版胴に対して印刷箇所で同一方向で且つ前記版胴の周速度よりも速い周速度で回転駆動機構により回転させると共に、該押圧ロールの駆動トルク値が一定トルク値になるよう制御する制御手段を備え、
前記版胴は、前記孔版原紙をその先端及び後端をクランプして装着し、前記押圧ロールの回転抵抗トルクに基づき印刷箇所に作用する接線方向成分の力をFR、前記印刷媒体の搬送時テンションに基づき印刷箇所に作用する接線方向成分の力をFP、前記制御手段に基づき印刷箇所に作用する接線方向成分の力をFDとすると、0<FD≦2(FR+FP)の範囲となるように前記押圧ロールの駆動トルク値を設定したことを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1記載の孔版印刷装置であって、
前記押圧ロールの駆動トルク値をFD=FR+FPとなる値に設定したことを特徴とする孔版印刷装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000370470A JP3773787B2 (ja) | 2000-12-05 | 2000-12-05 | 孔版印刷装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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