JP4532711B2 - 製版装置および製版印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製版装置および製版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
製版印刷装置として感熱デジタル製版式の孔版印刷装置が知られている。この感熱デジタル製版式の孔版印刷装置では、例えば厚さが1〜2μmの非常に薄い熱可塑性樹脂フィルムと多孔質支持体(以下、「ベース」というときがある)として和紙等の天然繊維とか合成繊維、あるいは天然繊維および合成繊維を混抄したものとを貼り合わせて構成された感熱孔版マスタ(以下、単に「マスタ」という)を製版し、その製版済みのマスタを多孔性円筒状の版胴に巻装すべく搬送し給送する製版装置を備えている。このような製版装置としては、例えば図9ないし図11に示すような構成を具備するものが知られていて、孔版印刷装置1の動作において製版・給版のためのマスタ搬送動作が概略以下のように行われる。
【0003】
オペレータが図示しない電源スイッチを押して電源オン状態にする操作に前後して、必要に応じて、マスタ22が巻かれてロール状に形成されたマスタロール22Aの着脱操作等が行われる。図11には、孔版印刷装置1の初期状態が示されている。図11に示すように、製版装置200では、マスタロール22Aから繰り出されたマスタ22の先端は反転ローラ対38のニップ部に挾持されている給版待機位置を、版胴2および圧胴9はホームポジションをそれぞれ占めている状態に設定される。製版装置200のマスタ貯留手段30に配設されているガイド搬送板35は、図10および図11において、マスタ22の先端が反転ローラ対38のニップ部に挾持されて給版待機位置を占めた後、図9に二点鎖線で示すたわみ形成位置から実線で示すガイド搬送位置を占めるようになっている。
【0004】
図11において、オペレータが図示しない操作パネルに配置されているスタートキーを押すと、製版スタート信号が生成され、これが製版および給版のための動作フローのトリガとなる。後の実施形態で詳述するように排版動作が終了間近になると、版胴2は、クランパ4が図9において略右横位置に位置する給版位置で停止する。版胴2が給版位置に停止すると、図示しない開閉装置が作動してクランパ4が拡開されることにより、版胴2は給版待機状態となると共に、排版工程が終了する。
【0005】
一方、製版スタート信号生成直後の製版装置200では、後の実施形態で詳述するプラテン圧解除機構に配設されているプラテン圧解除モータ(図示せず)がオンして回転することにより、プラテンローラ27とサーマルヘッド26との間のマスタ22にプラテン圧が印加される。
この後、プラテンローラ27、テンションローラ対37および反転ローラ対38を図示しない回転伝達手段および電磁クラッチ等を介して回転駆動するマスタ搬送モータ32がオンすると共に、後述する反転ローラ用電磁クラッチを所定時間オンすることにより、プラテンローラ27、テンションローラ対37、反転ローラ対38を全て回転させてマスタ22のたるみを取り除く動作が行われる。
【0006】
一方、後の実施形態で詳述する原稿73の画像読み取り動作と並行して、製版動作が自動的に並行して進行する。すなわち、デジタルの画像信号に応じて、サーマルヘッド26の発熱素子が選択的に発熱され、プラテンローラ27に対してサーマルヘッド26で押圧されるマスタ22の熱可塑性樹脂フィルムの部分が選択的に加熱溶融されて穿孔されつつ、マスタ搬送モータ32がオン駆動されることにより、プラテンローラ27が時計回り方向に回転され、これによりマスタ22がマスタロール22Aから引き出され、マスタ搬送方向Xおよびマスタ22をマスタ搬送方向Xに通すためのマスタ搬送経路MRの下流側へと搬送される。これと同時的に、テンションローラ対37が同じ時計回り方向に回転されることにより、穿孔製版された製版済みのマスタ22がマスタ搬送経路MRの下流側へ搬送される。このとき、前記反転ローラ用電磁クラッチは、オフされたままであり、マスタ搬送モータ32の回転駆動力は反転ローラ対38には伝達されない。
【0007】
これと同時に、吸引ファンモータ34Mがオンして、吸引ファン34が回転されることにより、製版済みのマスタ22は、吸引ファン34の回転によりたわみボックス31の形状に沿って生じる図において右向きの空気流(吸引エア)によって、図9に二点鎖線で示すようなたわみを形成されながら図9に示す開口31aから垂れ下がるようにして、たわみボックス31内へと導かれ、折り返しを受けつつ、たわみボックス31内に貯留されていく。
【0008】
マスタ搬送モータ32の所定ステップ数の駆動により、製版済みのマスタ22がたわみボックス31内に所定量貯留されると、前記反転ローラ用電磁クラッチがオンして、マスタ搬送モータ32の回転駆動力が前記回転伝達手段を介して反転ローラ対38に伝達され、反転ローラ対38が回転されることによって、製版済みのマスタ22の先端部は第2ガイド板29に案内されつつ拡開されたクランパ4へと搬送される。マスタ搬送モータ32の所定ステップ数のオン作動により、製版済みのマスタ22の先端部がクランパ4へ届いたと判断された時点で、前記反転ローラ用電磁クラッチがオフして、反転ローラ対38の作動が停止すると同時に、前記開閉装置が作動してクランパ4が閉じられることにより、製版済みのマスタ22の先端部がクランパ4で挟持・係止される。
【0009】
このクランプ動作が終了すると、版胴2は図11中矢印で示す時計回り方向に回転されると共に、この版胴2の回転力により反転ローラ対38が連れ回りされ、たわみボックス31内に貯留されていた製版済みのマスタ22が引き出されつつ、版胴2の外周面上に巻装されていくこととなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような従来の製版装置200におけるマスタ搬送方式では、新しいマスタロール22Aの初期セット時やマスタ22の先端を初期状態(製版待機状態)とするときに、図10に示すように、マスタロール22Aに巻かれたマスタ22の巻きぐせによって、マスタ22先端部に強いカール22Cを生じることがある。
【0011】
特に、例えば熱可塑性樹脂フィルムと細い合成繊維が100%で形成されたベースとを有するマスタ22、すなわち実質的に合成繊維のみからなる多孔質支持体と熱可塑性樹脂フィルムとを有するマスタ22を用いてロール状に形成したマスタロール22Aを、長期間装置の休止状態で、あるいは長期間高温状態等で保存されたような状態で使用する場合には、マスタ22の巻きぐせによって繰り出されるマスタ22の先端部に強いカール22Cを生じる。
【0012】
図9に示すように、マスタ22先端部のカール22Cが強い(きつい)場合、マスタ22の先端が実線で示すように丸みを帯びてしまうことで反転ローラ対38のニップ部に届かず、マスタ搬送ミス・ジャムになってしまうという問題点があった。この問題点は、テンションローラ対37から反転ローラ対38までのマスタ搬送距離が比較的長い場合に多く発生することが分かっている。
上述した問題点に関して、図9および図11では、熱可塑性樹脂フィルム(以下、単に「フィルム」というときがある)面が内側の状態でロール状に巻かれた、いわゆるフィルム面内巻きのマスタロール22Aで発生すると説明したが、フィルム面が外側の状態でロール状に巻かれた、いわゆるフィルム面外巻きのマスタロールでも、マスタの巻きぐせによって同様に発生することが分かっている。
なお、図9において、マスタ搬送経路MR上に二点鎖線で示すマスタ22は、マスタ22の先端を初期状態とするときの正常なマスタ搬送状態を示している。
【0013】
一方、製版済みのマスタ22をたわみボックス31に貯める場合、図10に示すように製版済みのマスタ22を最初に貯め始める貯留開始時に、マスタ22先端部に生じたカール22Cにより、製版済みのマスタ22が実線で示すようにたわみボックス31の入口側に引き込まれる方向ではなく、逆U字状に上方向に浮き上がって大きなたわみを生じてしまい、吸引ファンによる吸引力にも拘わらずたわみボックス31内へと吸引できずにジャム等のマスタ搬送不良が発生し、これにより製版動作の中断をしなければならないという問題点があった。
【0014】
また特に、たわみボックス31等を有する製版装置200では、製版済みのマスタ22が、ゴムや樹脂等で形成されているプラテンローラ27やテンションローラ対37の回転搬送中の摩擦等に伴い発生する静電気により帯電し、その静電気によってマスタ22がたわみボックス31内の壁面に貼り付いたり、マスタ同士が貼り付いたりしてしまうことで、ジャム等のマスタ搬送不良が発生してしまい、これにより製版動作の中断をしなければならないという問題点があった。 なお、図10において、たわみボックス31内を含むマスタ搬送経路MR上に二点鎖線で示すマスタ22は、製版済みのマスタ22が正常な状態でたわみボックス31に貯留されている様子を示している。
【0015】
図10に示した問題点に関して、図10および図11では、いわゆるフィルム面内巻きのマスタロール22Aで、かつ、マスタ貯留手段30のたわみボックス31の開口31aがマスタ搬送経路MRの下方に位置する場合に発生する。
そこで、フィルム面内巻きのマスタロールに固定した状態で、マスタ貯留手段の配置位置の違い、すなわちマスタ貯留手段がマスタ搬送経路MRの下方または上方にレイアウトされている場合と、マスタロールのマスタの巻きぐせによるカールの方向が異なる場合とを組み合わせた製版装置の構成例で、図9に示した問題点と図10に示した問題点がどのようになるのかを考察してみる。
【0016】
図10に示した問題点に関して、例えばマスタ貯留手段30のたわみボックス31の開口31aが図10に示されているものと同じで、マスタロールのマスタの巻きぐせによるカールの方向が図10に示されているものと反対のマスタの繰り出し状態の場合では、マスタロールからのマスタの繰り出し方向がマスタロールの下側になると共に、図10におけるサーマルヘッド26とプラテンローラ27との上下関係位置が逆の状態になる。この状態では、マスタ先端部のカールの方向がたわみボックスの入口側に引き込まれる方向である、U字状に下方にたわんだ状態となるので、図10に示したような問題点は発生しなくなる。
【0017】
また、例えばマスタ貯留手段30のたわみボックス31の開口31aが例えばマスタ貯留手段のたわみボックスのレイアウトの都合から、図10に示されているものと反対で、マスタ貯留手段のたわみボックスをマスタ搬送経路MRの上方に位置するように構成した製版装置の場合では、マスタの巻きぐせによって生じるカールがたわみボックスの入口側に引き込まれる方向である、逆U字状に上方にたわんだ状態となるので、図10に示したような問題点は発生しなくなる。
【0018】
一方、例えばマスタ貯留手段30のたわみボックス31の開口31aが図10に示されているものと反対で、マスタ貯留手段のたわみボックスをマスタ搬送経路MRの上方に位置するように構成した場合であって、マスタロールのマスタの巻きぐせによるカールの方向が図10に示されているものと反対のマスタの繰り出し状態の場合では、マスタロールからのマスタの繰り出し方向がマスタロールの下側になると共に、図10におけるサーマルヘッド26とプラテンローラ27との上下関係位置が逆の状態になる。この状態では、マスタ先端部のカールの方向がたわみボックスの入口側に引き込まれない方向である、U字状に下方にたわんだ状態となるので、図10に示したと同様の問題点が発生する。
上述した各場合の組み合わせに、さらにフィルム面外巻きのマスタロールを使用する場合を考えてみると、様々な組み合わせ例のあることが分かる。何れにしても、図9に示したような問題点は、マスタ貯留手段の配置位置の違い、マスタロールのマスタの巻きぐせによるカールの方向のちがい、およびフィルム面内巻き・外巻きの違いの如何に拘わらず発生することが分かった。また、図10に示したような問題点は、マスタ貯留手段の配置位置の違い、マスタロールのマスタの巻きぐせによるカールの方向のちがい、およびフィルム面内巻き・外巻きの違い等によって発生したり、発生しなかったりすることが分かった。
【0019】
したがって、本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、第1の目的は、製版時に、特にたわみボックスに製版済みのマスタを貯める時に、マスタの先端部がマスタの巻きぐせによりカールのきついときでも、そのカールを規制し防止することにより、マスタを安定して搬送・貯留できる製版装置および製版印刷装置を提供することにある。
の目的は、製版時に、特にたわみボックスに製版済みのマスタを貯める時に、製版済みのマスタの静電気を除電して、マスタ貯留手段の例えばたわみボックス内の壁面に貼り付いたり、マスタ同士が貼り付いたりしてしまうことを防止して、マスタを安定して搬送・貯留できる製版装置および製版印刷装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決すると共に上述した目的を達成するために、請求項毎の発明では以下の特徴ある構成を採っている。
請求項1記載の発明は、マスタがロール状に巻かれたマスタロールからマスタを繰り出し可能に貯容するマスタ貯容手段と、繰り出されたマスタを製版する製版手段と、未製版のマスタまたは前記製版手段により製版された製版済みのマスタを搬送するマスタ搬送手段と、前記未製版のマスタまたは前記製版済みのマスタをマスタ搬送方向に通すためのマスタ搬送経路と、前記製版済みのマスタを導入する開口を入口側に備え、前記製版済みのマスタを貯留するためのマスタ貯留手段と、前記マスタ搬送経路上に設けられ、マスタの浮き上がりを防止するマスタ浮き上がり防止手段とを具備する製版装置において、前記マスタの浮き上がりが、前記マスタロールに巻かれたマスタの巻きぐせによるものであって、該マスタの浮き上がりが、前記開口を介して前記入口側に引き込まれる方向と逆方向に生じるように、前記マスタ貯留手段および前記マスタ貯容手段が配置されており、前記マスタ浮き上がり防止手段は、前記製版手段と前記マスタ貯留手段との間の前記開口における前記マスタ搬送経路の上流側近傍に設けられ、前記マスタ搬送経路との間で前記マスタの浮き上がりを規制する、前記開口と重合しないように配置された規制板であることを特徴とする。
規制板は、未製版のマスタまたは製版済みのマスタに帯電している静電気を除電する上から導電性を有する金属等の導電材料で形成することが好ましい。
【0024】
請求項記載の発明は、請求項記載の製版装置において、前記規制板が、前記未製版のマスタまたは前記製版済みのマスタと接触可能な除電部材を有することを特徴とする。
【0025】
請求項記載の発明は、請求項記載の製版装置において、前記除電部材が、導電性の繊維または繊維束を編んだ除電布の両端部に貼着部材を付加したものであることを特徴とする。
【0026】
請求項記載の発明は、請求項記載の製版装置において、前記両端部における前記繊維または前記繊維束の開放端が、前記貼着部材の付加範囲から突出しない程度に前記貼着部材で貼着されていることを特徴とする。
【0032】
請求項記載の発明は、請求項1ないしの何れか一つに記載の製版装置と、この製版装置により製版されたマスタを外周面に巻き付ける版胴と、この版胴上のマスタにインキを供給するインキ供給手段とを具備し、上記版胴上のマスタに印刷用紙を押し付けて印刷用紙に印刷を行うことを特徴とする製版印刷装置である。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、単に「実施形態」という)を説明する。図9ないし図11に示した従来の技術例や実施形態等に亘り、同一の機能および形状等を有する部材や構成部品等の構成要素については、同一符号を付すことによりその説明を省略する。図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない構成要素は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。また、図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。各図に示されている構成要素を説明するに当たっては、図の左側を前側と、図の右側を後側と説明するときがある。
【0034】
まず、図11を参照して、本発明に係る実施形態が適用される製版装置を備えた製版印刷装置としての感熱デジタル式の孔版印刷装置の要部構成について説明する。図11は、本発明に係る実施形態が適用される製版装置200を備えた感熱デジタル式の孔版印刷装置1の概略構成を示している。
【0035】
孔版印刷装置1は、自身の骨組みをなす本体フレーム1Fの上方に配設され、1枚もしくは複数枚の原稿73をスキャナ部76の定位置へ順次自動移送するADF(自動原稿送り装置)部71およびコンタクトガラス74の下方に配置されADF部71から移送される原稿73の画像を読み取るスキャナ部76を備えた原稿読取装置70と、この原稿読取装置70の下方の本体フレーム1Fの一側部に配置されマスタ22がロール状に巻かれたマスタロール22Aから繰り出されるマスタ22を穿孔製版し搬送する製版装置200と、本体フレーム1Fの略中央部に配置され穿孔製版された製版済みのマスタ22を外周面に巻装する版胴2、およびこの版胴2の下方に配置され給送されて来た印刷用紙Sの先端部を挾持・保持する保持手段としての紙くわえクランパ9Bを備え、版胴2の外周面上のマスタ22に印刷用紙Sを押し付ける圧胴9を有する印圧装置13と、製版装置200の下方に配置され給紙トレイ41上に積載された印刷用紙Sを印圧装置13の紙くわえクランパ9Bへ向けて送出する給紙装置40と、この給紙装置40に対向する本体フレーム1Fの下方に配置され印圧装置13で押圧され印刷された印刷済みの印刷用紙Sを排紙トレイ61に排出する排紙装置60と、この排紙装置60と原稿読取装置70との間に配置され版胴2の外周面上から使用済みのマスタ22を剥ぎ取り排版ボックス54内へ排出する排版装置50とを具備している。
【0036】
孔版印刷装置1は、本願出願人が提案した特開平10−181177号公報の従来の技術例に記載されている構成と略同様であり、これに前後して提案した一連の公知の構成(特開平9−226088号公報の図2および図3等、特開平11−91227号公報の図1等)を付加したものであり、前記した原稿読取装置70、製版装置200、印圧装置13、給紙装置40、排紙装置60および排版装置50は何れも公知の構成であるため、本願発明の対象とする製版装置200および印圧装置13の一部についてのみ詳述し、他の構成については動作の説明時に適宜補充説明することをもってこれに代える。
【0037】
製版装置200は、マスタ22がロール状に巻かれて形成されたマスタロール22Aからマスタ22を繰り出し可能に貯容するマスタ貯容手段としてのマスタ支持部材23と、マスタ支持部材23の下流側に配設され、マスタロール22Aから繰り出されるマスタ22に画像信号に応じて選択的に感熱製版する製版手段としてのサーマルヘッド26と、このサーマルヘッド26にマスタ22を相対的に押し付けながら回転し未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22を搬送するマスタ搬送手段としてのプラテンローラ27と、サーマルヘッド26をプラテンローラ27に接離させる接離手段としてのプラテン圧解除機構(図示せず)と、マスタ搬送方向Xにおけるプラテンローラ27の下流側に配設され、未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22を搬送するマスタ搬送手段としての上下一対のテンションローラ37,37(以下、「テンションローラ対37」と略称する)と、マスタ搬送方向Xにおけるテンションローラ対37の下流側に配設され、未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22を切断するカッタ36と、テンションローラ対37とカッタ36との間のマスタ搬送経路MRに配設された第1ガイド板28と、マスタ搬送方向Xにおけるカッタ36の下流側に配設され未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22を搬送するマスタ搬送手段としての上下一対の反転ローラ38,38(以下、「反転ローラ対38」と略称する)と、テンションローラ対37と反転ローラ対38との間のマスタ搬送経路MRの下方に配設され、製版済みのマスタ22を貯留するためのマスタ貯留手段30と、マスタ搬送方向Xにおける反転ローラ対38の下流側に配設された第2ガイド板29とを具備している。
プラテンローラ27、テンションローラ対37、反転ローラ対38は、マスタ搬送経路MRにおいて、マスタ搬送方向Xの上流側から下流側へとこの順に配設されたマスタ搬送部材としての機能・構成を有する。
【0038】
マスタロール22Aの中心部には、マスタ22の幅よりもやや長い寸法に形成され、マスタロール22Aの両端面より外側に突出した面をなすパイプ状の芯管22Bが設けられていて、マスタロール22Aは、芯管22Bの周りにマスタ22を巻き付けられて形成されている。マスタロール22Aには、例えば250〜300版に相当するシート状のマスタ22が巻装されていて、マスタロール22Aは複数版のマスタ22を供給してその製版を可能とすべく構成されている。 マスタ22は、熱可塑性樹脂フィルムと実質的に合成繊維のみからなる多孔質支持体とを有して構成されている。マスタ22は、実施例的に言うと、例えば本願出願人が提案した特開平11−77949号公報の図3および図4に記載されているような合成繊維ベースマスタ2を用いている。すなわち、マスタ22は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)系の細い合成繊維が100%入っているベース(多孔質支持体)と、ポリエチレンテレフタレート(PET)系の厚さが1.5μmの熱可塑性樹脂フィルムとを貼り合わせた厚さが25〜30μmのいわゆる合成繊維ベースマスタ22(以下、単に「マスタ22」というときがある)を用いている。
ベースにおけるポリエチレンテレフタレート系の糸の径は、4〜14μm(線密度で0.1d〜1.1d、d:デニール)の範囲のものを用い、かつ、均一な太さでできており、ベースはポリエチレンテレフタレート系の細い糸が縦方向および横方向に丁度織り合わされるようにして形成されている。合成繊維をベースとしたマスタ22は、ベースとして和紙等を用いた従来のマスタと比較して、代表特性としてタテ/ヨコの曲げ剛性(剛度とも言われている)において、数倍その値が低く、いわゆる腰が弱くなっていると共に、静電気も帯びやすくなっている。
それ故に、合成繊維をベースとしたマスタ22を用いてロール状に形成したマスタロール22Aを、特に長期間装置の休止状態で、あるいは長期間高温状態等で保存されたような状態で使用する場合には、マスタ22の巻きぐせによって繰り出されるマスタ22の先端部に強いカール22Cや小さい丸みを生じることが多い。
【0039】
なお、マスタ22は、前記したものに限らず、従来の和紙等をベースとしたマスタのベースの厚さを薄くしたマスタや、例えば厚さが1〜7μmの、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタであってもよく、また合成樹脂フィルムに溶融した樹脂を塗布して合成樹脂フィルムに樹脂膜を一体的に形成したようなマスタも使用することができる。また、マスタロールとしては、いわゆるフィルム面内巻きの他に、フィルム面外巻きのものを使用できることは言うまでもない。
【0040】
マスタ支持部材23は、芯管22Bの両端部を着脱自在、かつ、回転可能に支持するように、製版装置200におけるマスタ搬送経路MRの左右両側(図11における紙面の手前側および奥側)に配設されている図示しない製版側板対に設けられている。
【0041】
サーマルヘッド26は、プラテンローラ27の軸方向に相当する主走査方向に沿って配列された複数の発熱素子を有し、図示しないA/D変換部、図示しない製版制御部等で処理されて送出されるデジタルの原稿画像信号に基づき、その発熱素子に対する選択的な通電制御によって発熱素子を選択的に発熱させることにより発熱位置に対応するマスタ22の箇所を加熱溶融させて穿孔する周知の機能を有する。サーマルヘッド26は、接離手段としての前記プラテン圧解除機構によりプラテンローラ27に対して接離可能に設けられている。
前記プラテン圧解除機構は、例えば、本願出願人が提案した特開平10−157052号公報の図1ないし図7に示されている接離手段28と同様の構成を具備している。
【0042】
サーマルヘッド26の上面には、サーマルヘッド26を駆動するサーマルヘッド駆動回路等が配設されている基板部を保護すると共に、搬送されてくるマスタ22を案内するマスタ案内部材の機能も有するガイド板26Aが取り付けられている。このガイド板26Aは、静電気発生予防(帯電防止)のために、プレス等で導電性の板金を成形・切断して形成されている。
【0043】
プラテンローラ27は、ローラ軸の外周部に一体的に形成されていて、前記ローラ軸を介して前記製版側板対に回転自在に支持されている。プラテンローラ27は、前記ローラ軸に配設されたプーリ、マスタ搬送モータ32側に設けられた駆動プーリおよびこれらのプーリと駆動プーリとの間に掛け渡されたタイミングベルト(図示せず)等を介して連結されたマスタ搬送モータ32(特開平10−181177号公報ではプラテンモータ27Mに相当する)で回転され、マスタ22をサーマルヘッド26に押圧しつつマスタ搬送方向Xの下流側へ搬送する。
マスタ搬送モータ32は、例えばステッピングモータからなる。
【0044】
テンションローラ対37(特開平10−181177号公報では第1搬送ローラ対37に相当する)は、その上部のローラが駆動ローラ、下部のローラが従動ローラでそれぞれ構成されていて、前記上部の駆動ローラはプーリおよび無端ベルト(共に図示せず)等の回転伝達手段を介してマスタ搬送モータ32に連結されている。テンションローラ対37のうちの下部の従動ローラは、前記プラテン圧解除機構に組み込まれていて、前記プラテン圧解除機構の動作と同様に、上部の駆動ローラに対して接離自在になされている。
【0045】
カッタ36は、図示しないカッタモータにワイヤ及びワイヤプーリ等を介して連結され、前記カッタモータの回転駆動によってマスタ22の幅方向に回転移動される周知の回転刃で構成されている。第1ガイド板28は、上述したと同様の静電気発生予防(帯電防止)のために、プレス等で導電性の板金を成形・切断して形成されている。第1ガイド板28は、そのマスタ搬送経路MRの下流端がカッタ36の固定刃となっている。カッタ36は、その非作動時において、マスタ22の搬送に支障を与えないようにマスタ搬送経路MRの片側端に待機していて、ここがカッタ36のホームポジションとなっている。なお、カッタ36および第1ガイド板28の配置位置は、特開平10−181177号公報の図1等に示されているカッタ36および第1ガイド板28の配置位置からマスタ搬送経路MRの下流側へ少しずらしている。マスタ搬送経路MRの片側端には、カッタ36のホームポジションを検知するためのカッタホームポジション検知センサ(図示せず)が配設されている。なお、カッタ36は、これに限らず、いわゆるギロチンタイプのものも使用される。
【0046】
反転ローラ対38(特開平10−181177号公報では第2搬送ローラ対38に相当する)は、その上部のローラが駆動ローラ、下部のローラが従動ローラでそれぞれ構成されていて、前記上部の駆動ローラは図示しない反転ローラ用電磁クラッチ(特開平10−181177号公報では第2電磁クラッチ38Cに相当する)、プーリおよび無端ベルト(共に図示せず)等の回転伝達手段を介してマスタ搬送モータ32に連結されている。前記反転ローラ用電磁クラッチは、反転ローラ対38に対してマスタ搬送モータ32の回転駆動力の伝達を断続させる機能を有する。
なお、前記反転ローラ用電磁クラッチを除去しこれに代えて、反転ローラ対38をマスタ搬送モータ32とは別の独立したステッピングモータで駆動するようにしてもよく、このような構成も周知である。また、反転ローラ対38および版胴2のクランパ4等は、版胴2に製版済みのマスタ22を給版する給版装置として捉えることもできる。
【0047】
マスタ貯留手段30は、たわみボックス31、ガイド搬送板35、図示しない搬送板ソレノイド、吸引ファン34および吸引ファンモータ34Mから主に構成されている。マスタ貯留手段30は、製版済みのマスタ22にたわみを形成すると共に、そのたわみを一時的に貯留する機能を有する。
たわみボックス31は、上述したと同様の静電気発生予防(帯電防止)のために導電性の板金でできていて、マスタ搬送経路MRの下流側に略L字型に折り曲げられて形成されている。たわみボックス31は、製版済みのマスタ22にたわみを形成しながら製版済みのマスタ22を順次貯留する機能を有する。
【0048】
ガイド搬送板35は、図9および図10を借りて説明すると、図10および図11に実線で示すようにマスタ搬送経路MRの直下方に位置するガイド搬送位置と、図9に実線で、図10に二点鎖線で示すようにガイド搬送位置から可動して下側の反転ローラ対38の下方に直立して位置するたわみ形成位置との間で揺動自在となっている。ガイド搬送板35がたわみ形成位置を占めたとき、たわみボックス31の上方が開放されて、たわみボックス31の上方には、図9および図10を借りて説明すると、製版済みのマスタ22を導入するための開口31aが形成される。
【0049】
ガイド搬送板35の駆動機構は、例えば、本願出願人が提案した特開平10−202996号公報の図12に示されているガイド板駆動機構130と同様の構成のものを用いていて、前記搬送板ソレノイドは同公報の図12に示されているソレノイド131に相当する。
ガイド搬送板35は、製版動作終了後のマスタ切断後に、前記搬送板ソレノイドが通電励磁(オン)されることにより、同公報の詳細動作を介して、ガイド搬送板35が図9および図11に示すように、たわみ形成位置から上昇されてガイド搬送位置を占めることとなり、これによって、マスタ22の先端を開口31aからたわみボックス31内へと落ち込ませることなく、マスタ22の先端が図1および図11に示す給版待機位置まで搬送されるようにガイドするようになっている。また、マスタ22の先端が反転ローラ対38のニップ部で挾持され前記給版待機位置に達した後、ガイド搬送板35は、前記搬送板ソレノイドへの通電がオフされることにより、ガイド搬送板35の自重および同公報の詳細動作を介して、ガイド搬送板35は下降してたわみ形成位置を再び占めるようになっている。マスタ貯留手段30の動作は、以下簡単に述べるに留める。
【0050】
マスタ搬送経路MRの下流側に位置するたわみボックス31の奥側には、図9および図10を借りて説明すると、スリットや網目状の小孔等からなる吸引口31bおよび排気口31cが設けられている。これらの吸引口31bと排気口31cとの間のたわみボックス31端部には、吸引ファンモータ34Mにより回転される吸引ファン34が配置されている。この吸引ファンモータ34Mの回転駆動により、吸引ファン34が回転されて、図において左側から右側へと流れる空気流(吸引エア)が生じ、製版済みのマスタ22に徐々にたわみが形成されるようになっている。
【0051】
第2ガイド板29は、上述したと同様の静電気発生予防(帯電防止)のために、プレス等で導電性の板金を成形・切断して形成されている。第2ガイド板29は、マスタ22の先端の向きを変えて図において略鉛直下方にマスタ22を案内する機能を有する。反転ローラ対38によるマスタ搬送速度は、プラテンローラ27によるマスタ搬送速度よりもわずかに速くなるように予め設定されている。
第1ガイド板28、たわみボックス31および第2ガイド板29は、図11に示す本体フレーム1F側に電気的に接地(アース)されている。
【0052】
印圧装置13は、図11に示すように、多孔構造の支持円筒体とその外周面に巻装された複数層のメッシュスクリーン(図示せず)と、自身の外周部の一母線に沿って配設されているクランパ4等とを有し、支軸3の周りに回転可能に支持されている版胴2、この版胴2の周速度と同じ周速度で、かつ、版胴2と所定の同期をとって回転される押圧手段としての構成・機能を有する圧胴9および版胴2の内部に配設され版胴2上のマスタ22にインキを供給するインキ供給手段としてのインキ供給装置5等を有する。押圧手段としては、プレスローラも用いられる。
【0053】
次に、孔版印刷装置1の動作について、適宜、図9および図10を借りながら図11を参照して簡単に説明する。なお、ここでは、従来装置の有する問題点について図9ないし図11を参照して上述してあるので、未製版のマスタ22や製版済みのマスタ22が正常に搬送され、マスタ貯留手段30で正常に貯留される場合だけを説明する。
オペレータが図示しない電源スイッチを押して電源オン状態にする操作に前後して、必要に応じて、マスタロール22Aの着脱操作や動作が行われる。孔版印刷装置1の初期状態を図11に示す。図11に示されているように、製版装置200では、マスタロール22Aから繰り出されたマスタ22の先端は反転ローラ対38のニップ部に挾持されている給版待機位置を、版胴2および圧胴9はホームポジションをそれぞれ占めている状態に設定される。図11の初期状態において、オペレータは原稿読取装置70の原稿載置台上に複数枚の原稿73を載置・セットすると共に、給紙トレイ41上において印刷用紙Sが足りない場合や無い場合には印刷用紙Sを適宜補充・セットする。
【0054】
次いで、製版・印刷開始のための操作が行われる。オペレータが図示しない操作パネルに配置されているスタートキーを押すと、製版スタート信号がメイン制御装置(図示せず)に送信される。これにより、排版、原稿の画像読み取り、製版、給版、版付け印刷、排紙、版付け後空回転に亘る一連の動作が行われる。
前記スタートキーの押下による製版スタート信号が以降の動作フローのトリガとなる。オペレータによるマニュアル操作は前記スタートキーを押すまでであり、以降の版付けまでの動作は自動で行われる。ここでは、版胴2内に配設されているインキ供給手段としてのインキ供給装置5によりインキがインキ溜まり8の形成部に供給されて適度なインキ溜まり8が形成されると共に、給紙装置40に配置されていて印刷用紙Sを積載して昇降可能な給紙トレイ41を昇降駆動するための昇降モータ(図示せず)がオン駆動されて、所定の給紙圧・分離圧等がセットされた状態となる。このとき、製版装置200のガイド搬送板35はたわみ形成位置を占めている。
【0055】
先ず、その外周面に前版の使用済みのマスタ22を巻装している版胴2は、時計回り方向に回転を開始し、図示しない版胴2の位置を検知するセンサからの信号に基づき、版胴2が排版位置で停止され、クランパ4を開閉するために本体フレーム1F側に設けられた図示しない開閉装置の作動によりクランパ4が拡開される。排版装置50における排版剥離ローラ51が版胴2の外周面に近接することにより使用済みのマスタ22を剥離できる剥離位置を占めると同時に、排版剥離ローラ51を回転駆動する排版モータ(図示せず)がオンし、これにより、排版剥離ローラ51は回転されつつ、クランパ4で係止されていた使用済みのマスタ22の先端部に対応する版胴2の外周面に押し付けられることで、使用済みのマスタの先端部22が排版剥離ローラ51により版胴2の外周面からすくい上げられて剥離される。
【0056】
この直後、排版剥離ローラ51は再び元の離間位置に戻され、排版ローラ53と共に回転自在に保持されると同時に、クランパ4が閉じられる。クランパ4が閉じられた後、版胴2が時計回り方向に回転されることで、排版動作が始まり、使用済みのマスタ22が版胴2の外周面より剥離されつつ搬送され、排版ボックス54の内部に廃棄されていく。一版分の全ての使用済みのマスタ22が排版ボックス54の内部に廃棄されると、版胴2はさらに回転し、クランパ4が図11において略右横位置に位置する給版位置で停止する。版胴2が給版位置に停止すると、前記開閉装置が作動してクランパ4を時計回り方向に所定角度回動させることにより、版胴2は給版待機状態となると共に、排版工程が完了する。
【0057】
一方、製版スタート信号生成直後の製版装置200では、プラテン圧解除機構に配設されているプラテン圧解除モータ(図示せず)がオンして回転することにより、プラテンローラ27とサーマルヘッド26との間のマスタ22にプラテン圧が印加される。
この後、マスタ搬送モータ32をオンすると共に、前記反転ローラ用電磁クラッチを所定時間オンすることにより、プラテンローラ27、テンションローラ対37、反転ローラ対38を全て回転させてマスタ22のたるみを取り除く動作が行われる。
【0058】
次いで、上述した排版動作が開始するのと同時に、これと並行して原稿読取装置70および製版装置200で原稿73の画像読み取り動作および製版(書き込み)動作が開始する。
原稿載置台上にセットされた複数枚の原稿73の内の最下位の原稿73がコンタクトガラス74上の所定位置に自動搬送され、原稿73の画像が原稿走査用光学系で読み取られ、CCD等からなる画像センサにより光電変換されたアナログの画像信号がA/D変換部に入力される。画像が読み取られた原稿73は、原稿排紙台上へ排出される。
前記A/D変換部に入力されたアナログの画像信号は、デジタルの画像信号に変換され、そのデジタルの画像信号は画像信号処理部(図示せず)を経由してサーマルヘッド26の前記サーマルヘッド駆動回路等を制御する製版制御部に送信される。
【0059】
一方、原稿73の画像読み取り動作と並行して、製版動作が自動的に並行して進行する。すなわち、デジタルの画像信号に応じて、サーマルヘッド26の発熱素子が選択的に発熱され、プラテンローラ27に対してサーマルヘッド26で押圧されるマスタ22の熱可塑性樹脂フィルムの部分が選択的に加熱溶融されて穿孔されつつ、マスタ搬送モータ32がオン駆動されることにより、プラテンローラ27が借用した図10において時計回り方向に回転され、これによりマスタ22がマスタロール22Aから引き出され、マスタ搬送方向Xおよびマスタ搬送経路MRの下流側へと搬送される。これと同時的に、テンションローラ対37が同じ時計回り方向に回転されることにより、穿孔製版された製版済みのマスタ22がマスタ搬送経路MRの下流側へ搬送される。一方、前記反転ローラ用電磁クラッチは、オフされたままであり、マスタ搬送モータ32の回転駆動力は反転ローラ対38には伝達されていない。
【0060】
これと同時に、吸引ファンモータ34Mがオンして、吸引ファン34が回転されることにより、製版済みのマスタ22は、吸引ファン34の回転によりたわみボックス31の形状に沿って生じる図において右向きの空気流(吸引エア)によって、二点鎖線で示すようにたわみを形成されながら開口31aから垂れ下がるようにして、たわみボックス31内へと導かれ、製版済みのマスタ22がたわみボックス31内に貯留されていく。
【0061】
マスタ搬送モータ32の所定ステップ数の駆動により、製版済みのマスタ22がたわみボックス31内に所定量貯留されたと前記メイン制御装置で判断されると、前記反転ローラ用電磁クラッチがオンして、マスタ搬送モータ32の回転駆動力が前記回転伝達手段を介して反転ローラ対38に伝達され、反転ローラ対38が回転されることによって、製版済みのマスタ22の先端部は第2ガイド板29に案内されつつ拡開されたクランパ4へと搬送される。マスタ搬送モータ32の所定ステップ数のオン作動により、製版済みのマスタ22の先端部がクランパ4へ届いたと判断された時点で、前記反転ローラ用電磁クラッチがオフして、反転ローラ対38の作動が停止すると同時に、前記開閉装置が作動してクランパ4が閉じられることにより、製版済みのマスタ22の先端部がクランパ4で挟持・係止される。
【0062】
このクランプ動作が終了すると、版胴2は図11中矢印で示す時計回り方向に回転されると共に、この版胴2の回転力により反転ローラ対38が連れ回りされ、たわみボックス31内に貯留されていた製版済みのマスタ22が引き出されつつ、版胴2の外周面上に巻装されていく。このとき、版胴2の外周面に供給される製版済みのマスタ22には、反転ローラ対38の連れ回りによる負荷が与えられるので、所定の張力が作用することとなり、シワ等を発生させることなく版胴2の外周面上に巻き付けられていく。
【0063】
一方、原稿読取装置70での読み取り動作および製版装置200での書き込み動作が進行し、読み取り動作が終了し、次いで、マスタ搬送モータ32のステップ数により、1版分の製版済みのマスタ22が製版されたと前記メイン制御装置で判断されると、前記メイン制御装置からの指令により、マスタ搬送モータ32および吸引ファンモータ34Mがそれぞれオフされる。これにより、プラテンローラ27、テンションローラ対37および吸引ファン34の回転がそれぞれ停止され、製版(書き込み)動作が終了する。
このとき、マスタ貯留手段30における製版済みのマスタ22のたわみ量は徐々に小さくなっており、マスタ22のたわみ量が最小となるときにおいて、前記カッタモータがオンすることにより、カッタ36が第1ガイド板28の先端に沿いつつ製版済みのマスタ22の幅方向に回転しながら移動して製版済みのマスタ22の後端を切断する。製版済みのマスタ22の後端を切断後、カッタ36は元のホームポジションに戻る。そして、図示しないカッタホームポジション検知センサにより、カッタ36のホームポジションへの復帰がオン検知されると、前記カッタモータがオフし、カッタ36の作動が停止する。
【0064】
マスタ搬送モータ32のオフにより書き込み動作が終了すると共に、前記カッタモータがオンしたときにおいて、すなわち版胴2が図11と排版位置との略中間に移動した回転位置において、前記反転ローラ用電磁クラッチがオンする。 前記反転ローラ用電磁クラッチがオンした後では、反転ローラ対38の上側ローラはマスタ搬送モータ32のオフ状態による負荷を受けることにより、停止(ロック)状態となり、反転ローラ対38の下側ローラは版胴2の回転による製版済みのマスタ22の搬送力を受けることにより連れ回り・従動回転をする。この状態では、例えば本願出願人が提案した特開平11−91227号公報明細書の段落番号(0077)に記載されている技術事項および同公報の図1に示されていると同様に、反転ローラ対38とクランパ4との間における製版済みのマスタ22には適度なバックテンションが付与される。これにより、製版済みのマスタ22がマスタ幅方向の中央部から両側端側へマスタ搬送方向Xに向けて徐々に大きくなる斜めの適度なテンション(張力)を受けて、製版済みのマスタ22がズレることなく、製版済みのマスタ22が両側端を張られた状態で、かつ、空気の入り込みも非常に少ない状態で版胴2の回転により外周面に徐々に巻き付けられていく。
【0065】
その後、版胴2の回転による製版済みのマスタ22の巻き付けが続き、たわみボックス31の開口31aに配設されている図示しないタワミ検知センサによりたわみボックス31における製版済みのマスタ22のたわみが検知されなくなり、製版済みのマスタ22の後端が反転ローラ対38を抜ける付近の版胴2の回転位置において、前記反転ローラ用電磁クラッチがオフする。これにより、反転ローラ対38の上側ローラが回転自在(フリー)状態となり、反転ローラ対38が共に連れ回り状態となって、反転ローラ対38と版胴2外周面との間における製版済みのマスタ22へのテンションを小さくし、製版済みのマスタ22の後端が反転ローラ対38から抜ける際のマスタ挙動をやわらげることで、版胴2による製版済みのマスタ22の巻装時のシワの発生やスキュー等を防ぐようにしている。
【0066】
版胴2の回転により、製版済みのマスタ22の後端が反転ローラ対38から抜き出されると、版胴2の外周面に製版済みのマスタ22が完全に巻装され、給版工程が終了する。
【0067】
給版工程終了後、版胴2は前記メインモータの駆動によってさらに時計回り方向に回転され、今度は給版位置で停止することなく、つまり給版待機状態となることなく給版位置を通過し、版胴2のクランパ4がホームポジションの手前に至ると、この版胴のホームポジションを検知する前記センサからの信号に基づいて、前記メイン制御装置からの指令によって給紙装置40に配設されている給紙ローラ42および分離ローラ対43を回転駆動する図示しないステッピングモータからなる給紙モータがオン駆動される。
これにより、給紙ローラ42および分離ローラ対43が回転することにより、給紙トレイ41の最上位の1枚の印刷用紙Sが給送され、その印刷用紙Sの先端がレジストローラ対44のニップ部直前の部位に突き当てされ、印刷用紙Sの先端部に所定のたわみが形成された後、前記給紙モータがオフして給紙ローラ42および分離ローラ対43の回転が停止する。これにより、所定のたわみを形成された印刷用紙Sの先端がレジストローラ対44のニップ部に当接・保持されると共に、印刷用紙Sの後端部が給紙ローラ42および分離ローラ対43に当接・保持される。
【0068】
版胴2がホームポジションを占める回転移動動作に同期して、給紙動作が開始される。レジストローラ対44を回転駆動する図示しないステッピングモータからなるレジストモータがオンすることにより、印刷用紙Sは、レジストローラ対44により版胴2の回転と同期した所定のタイミングをとられた後給送され、これとタイミングを合わせて紙くわえクランパ9Bが拡開され、印刷用紙Sをくわえた後、紙くわえクランパ9Bが閉じられ、圧胴9の外周面に印刷用紙Sが保持されたまま圧胴9が圧胴軸9Aの周りに回転され、版胴2と圧胴9との間のニップ部に印刷用紙Sが送り込まれる。このタイミングに合わせて、圧胴9の外周面が版胴2の外周面に接離可能な状態となる。
印刷動作後、圧胴9の外周面が版胴2の外周面から離間された状態となる。版胴2と圧胴9とのニップ部は、版胴2に対して圧胴9を接離させるための圧胴接離手段に具備されている緊縮性の印圧バネ(図示せず)の付勢力によって加圧されており、これにより印刷用紙Sは版胴2の外周面上に巻装されている製版済みのマスタ22に押圧される。この押圧の際に、版胴2内のインキ供給装置5を構成しているインキローラ6により版胴2の内周面に供給されたインキは、製版画像が形成された製版済みのマスタ22の穿孔部分を通過して滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙Sの表面に転移されて、印刷画像が形成される。
【0069】
印刷画像が形成された印刷済みの印刷用紙Sは、圧胴9が回転して排紙爪62の手前で紙くわえクランパ9Bが開くことにより、排紙爪62に乗り上げて剥離され、排紙装置60の吸引ファン66により吸引されつつ、下方に位置する搬送ベルト65上に排出される。搬送ベルト65上の印刷済みの印刷用紙Sは、吸引ファン66で搬送ベルト65上に吸引されつつ吸着排紙出口ローラ64の回転によって搬送され、排紙トレイ61上に排出されて単に版付けとも呼ばれる版付け印刷が終了する。この版付け印刷により排出された印刷物は正規の印刷物としてカウントされない。
【0070】
版付け印刷終了後、オペレータは排出された印刷物(印刷用紙S)を適宜目視して、通常の印刷動作を行ってもよいかどうかを適宜判断し、画像品質の確認や画像位置の確認等を適宜行い、これらがオーケーであれば、オペレータは前記操作パネルに配置されているテンキー(図示せず)で印刷枚数を設定した後、プリントキー(図示せず)を押すと、前記テンキーで設定された印刷枚数分の印刷用紙Sを給紙して印刷すべく、前記したと同様の給紙工程、印刷工程および排紙工程が印刷枚数分繰り返して行われ、孔版印刷の全工程が終了する。
(第1の実施形態)
図1に、本発明の第1の実施形態を示す。この第1の実施形態を含め、後述する実施形態等では、製版装置の構成要素(本発明の有するマスタ浮き上がり防止手段周りの構成を除く)の基本的なレイアウトは同じ状態で説明する。これは、従来の問題点の発生有無について考察した結果より、図9に示したような問題点はマスタ貯留手段の配置位置の違いに拘わらず発生すること、および図10に示したような問題点はマスタ貯留手段の配置位置の違いと、マスタロールから繰り出されるマスタの巻きぐせのカール方向の違いと、フィルム面内巻き・外巻きの違いに伴うプラテンローラおよびサーマルヘッドの配置関係とにより、発生したり発生しなかったりするので、図9および図10に示したような従来の問題点が両方発生するレイアウト例で説明するものとする。
【0071】
第1の実施形態は、図9ないし図11に示した従来の製版装置200と比較して、製版装置200に代えて、未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22の浮き上がりを防止するマスタ浮き上がり防止手段としての規制板7がマスタ搬送経路MR上に設けられている製版装置20を有することのみ相違する。
【0072】
規制板7の配置位置についてさらに具体的に述べると、規制板7は、マスタ搬送経路MRの最下流側に配置されたマスタ搬送部材である反転ローラ対38におけるマスタ搬送経路MRの入口側近傍の第1ガイド板28の上方であって、サーマルヘッド26(製版手段)とマスタ貯留手段30との間のマスタ搬送経路MR上に設けられている。
【0073】
規制板7は、マスタ搬送方向Xと直交するマスタ幅方向(図1における紙面の手前側から奥側への方向)に延在して設けられており、少なくとも未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22の幅寸法よりも長く形成されている。なお、規制板7は、後述する機能を有し後述する利点を得られるものであれば、例えば櫛歯状に形成されていても構わない。
【0074】
規制板7は、静電気発生予防(帯電防止)および除電するために、例えばプレス等で導電性の板金を成形・切断して形成されている。規制板7は、マスタ搬送経路MRの入口側(テンションローラ対37の出口側近傍でもある)の第1ガイド板28との間において間口が大きく開口していて、マスタ搬送経路MRの出口側の第1ガイド板28との間において間口が狭くなっている。規制板7は、図11に示す本体フレーム1F側に電気的に接地(アース)されている。
【0075】
これにより、規制板7は、マスタロール22Aに巻かれたマスタの巻きぐせによる逆U字状の上方へのマスタの浮き上がり(例えば図9および図10に示したきついカール2C)を、第1ガイド板28の上面との間において図1に実線で示すように規制して、図9および図10に示したような大きなたわみに成長することを抑制する機能を有すると共に、未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22をマスタ搬送経路MRの下流側へと案内する機能も有する。規制板7が前記機能を発揮するためには、規制板7の間口が狭い部位の下側裏面と第1ガイド板28の上面との図1における高さ方向(上下)の距離間隔を、例えば1〜5mm程度に設定することが好ましい。
【0076】
なお、後で参照する図2、図7および図8を含め、図1において、たわみボックス31内に二点鎖線で示されているマスタ22は、製版済みのマスタ22が正常な状態でたわみボックス31に貯留されている様子を示している。また、後で参照する図2、図7および図8を含め、図1において、二点鎖線で示されている反転ローラ対38の回転状態は、未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22の先端が製版待機位置を占めて製版待機状態になるために回転・搬送される状態を示している。このとき、ガイド搬送板35は、二点鎖線で示すガイド搬送位置を占めている。
【0077】
したがって、第1の実施形態によれば、規制板7により、第1ガイド板28の上面との間で、マスタロール22Aに巻かれたマスタ22の巻きぐせによる逆U字状の上方へのマスタの浮き上がり(例えば図9および図10に示したきついカール2C)が図1に実線で示すように規制されることで、図9および図10に示したような大きなたわみに成長することが抑制され、かつ、未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22が静電気を帯びても除電することができる。
それ故に、図9および図10を参照して説明した問題点は何ら発生せず、未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22先端部の反転ローラ対38のニップ部への正常な搬送動作を行って製版待機状態にすることができ、また製版済みのマスタ22のたわみボックス31内への正常な貯留動作を行うことができる。
(第2の実施形態)
図2および図3に、第2の実施形態を示す。
この第2の実施形態は、第1の実施形態の製版装置20と比較して、図1に示した規制板7に代えて、除電部材付き規制部材8を有していることが主に相違する。
【0078】
除電部材付き規制部材8は、未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22の浮き上がりを防止するマスタ浮き上がり防止手段としての規制板7の下側裏面に、未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22と接触可能な除電部材としての除電ブラシ10を貼着したものからなる。
第2の実施形態における規制板7の配置位置に関しては、第1の実施形態の規制板7と比較して、第1ガイド板28の上面からの高さが、除電ブラシ10の厚さを考慮して若干高めに設定されている以外は、第1の実施形態の規制板7と同様である。
【0079】
除電ブラシ10は、シート状をなし、導電性の繊維11または繊維の束11(以下、これらを総称して単に「導電性繊維11」というときがある)が縦糸を形成していて、両端に切断された開放端11aを有する1本の導電性繊維11がその略中央部で略U字状に折り返されて端部11bを形成している。
導電性繊維11としては、例えば導電性樹脂で形成された除電効果の高いカーボン繊維等が用いられる。このような縦糸としての複数の導電性繊維11の端部11b側を、同じく導電性の横糸12(以下、「導電性横糸12」という)が縫うように編むことで、複数の導電性繊維11をまとめている。そして、複数の導電性繊維11を導電性横糸12で編んだ後で、これら導電性繊維11の端部11b側を導電性の両面接着テープ19(以下、「導電性両面接着テープ19」という)で接着すると製品としての除電ブラシ10が出来上がる。
【0080】
このような除電ブラシ10は、図2に示すように、規制板7の下側裏面に沿うようにくせ付けされて、図2における右側の、間口の広い側の規制板7の下側裏面に導電性両面接着テープ19で接着・固定される。
除電ブラシ10のマスタ幅方向の長さ(導電性両面接着テープ19のマスタ幅方向の長さに相当する)は、マスタ22の幅方向長さと略同じか、またはやや大き目に設定されており、第1ガイド板28のマスタ幅方向の長さよりやや大き目に設定されている。
導電性両面接着テープ19は、例えばアルミ部材を使用したもの等が用いられる。
【0081】
なお、後述する図5および図6等に示す除電部材14の構成要素を含め、除電ブラシ10を構成している導電性繊維11、導電性横糸12および導電性両面接着テープ19等の厚さや長さ、大きさ等は、見やすくするために誇張して図示している。
【0082】
したがって、第2の実施形態によれば、除電部材付き規制部材8により、マスタロール22Aに巻かれたマスタ22の巻きぐせによる逆U字状の上方へのマスタの浮き上がり(例えば図9および図10に示したきついカール2C)が第1ガイド板28の上面との間で、図2に実線で示すように規制されることで、図9および図10に示したような大きなたわみに成長することが抑制され、かつ、未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22が静電気を帯びてもより確実に除電することができる。
それ故に、図9および図10を参照して説明した問題点は何ら発生せず、未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22先端部の反転ローラ対38のニップ部への正常な搬送動作を行って製版待機状態にすることができ、また製版済みのマスタ22のたわみボックス31内への正常な貯留動作を行うことができる。
【0083】
このような構成の除電ブラシ10では、図4に示すように、導電性繊維11が導電性両面接着テープ19で接着されている端部11b等から折れて脱落したり、導電性繊維11の開放端11aが除電ブラシ10の先端部から外れて飛び跳ねたりすることがあり、脱落した導電性繊維11がマスタ22の表面にくっついて搬送され印刷に供されると画像が欠けるなどの問題点となる。また、除電効果の高いカーボン繊維製等の除電ブラシ10では、繊維自体の強度があるため、図4に示すように、導電性繊維11の開放端11aが除電ブラシ10の先端部から外れて第1ガイド板28の上面方向へ飛び跳ねた場合にはマスタ22のフィルム部分等に穴等を開けてしまうという問題点もある。
そこで、このような除電ブラシ10の不具合発生を防止すべく以下に述べる第2の実施形態の変形例1を創作した。
(第2の実施形態の変形例1)
図5および図6に、第2の実施形態の変形例1を示す。
この変形例1は、第2の実施形態の製版装置20Aと比較して、図2および図3に示した除電部材付き規制部材8に代えて、除電部材付き規制部材8Aを有していることが主に相違する。
除電部材付き規制部材8Aは、除電部材付き規制部材8と比較して、間口の広い側の規制板7の下側裏面に導電性両面接着テープ19で接着・固定された除電ブラシ10に代えて、除電部材14を有することが主に相違する。
【0084】
除電部材14は、図5および図6に詳しく示すように、導電性の繊維15または繊維の束15(以下、これらを総称して単に「導電性繊維15」というときがある)を通風可能に編んだ通気性除電布17の両端部15b,15b(以下、「両端部15b」と略称する)に貼着部材としての導電性両面接着テープ19を接着・付加したことを特徴とするものである。
通気性除電布17は、縦糸を形成する1本の導電性繊維15が図6における左右の両端部15bで略U字状に折り込まれた形状がマスタ22の幅方向に何度も繰り返され、導電性の横糸16(以下、「導電性横糸16」という)が前記した導電性繊維15の両端部をそれぞれ縫うように編むことにより、導電性繊維15が両端部15bでまとめられて形成される。
除電部材14のマスタ幅方向の長さ(導電性両面接着テープ19のマスタ幅方向の長さに相当する)は、マスタ22の幅方向長さと略同じか、またはやや大き目に設定されており、第1ガイド板28のマスタ幅方向の長さよりやや大き目に設定されている。
【0085】
導電性繊維15としては、除電効果が高く、製造コストとして安価であるという点から、例えば炭素含有アクリル繊維(略称:カーボン繊維)等の導電性樹脂で形成された繊維や繊維束が好ましく用いられる。導電性横糸16も、除電効果が高く、製造コストの安い、例えば炭素含有アクリル繊維(略称:カーボン繊維)等の導電性樹脂で形成された繊維や繊維束が好ましく用いられる。
【0086】
通気性除電布17は、実施例的に言うと、上記炭素含有アクリル繊維の繊維束15を、繊維束と繊維束との間が0.5mmから2mm程度のすき間があるように形成して通風可能にしたものを使用している。このような通気性除電布17を有する除電部材14を試作して、製版装置20Aの上述した部位に取り付けたところ、後述する諸利点を得ることができた。
【0087】
上述したように形成された通気性除電布17の両端部15bを導電性両面接着テープ19で接着し、通気性除電布17の両端部15bから導電性繊維15、その開放端15aおよび導電性横糸16をほどけないようにすると、製品としての除電部材14が出来上がる。このとき、通気性除電布17の両端部15bおよび導電性繊維15の開放端15aは、導電性両面接着テープ19の付加範囲としての接着範囲から突出しない程度に導電性両面接着テープ19で接着される。
【0088】
除電部材14は、図5に示すように、規制板7の下側裏面に沿うようにくせ付けされて、図5における右側の、間口の広い側の規制板7の下側裏面および図5における左側の、間口の狭い側の規制板7の下側裏面にその端縁部を覆うように導電性両面接着テープ19で接着・固定される。
【0089】
したがって、このような構成の除電部材14によれば、以下の利点を得ることができる。第1に、例えば図2ないし図4に示した除電ブラシ10等のように、導電性繊維15の開放端15a部分が飛び跳ねたり、導電性繊維15が脱落したりすることがなく、導電性繊維15の開放端15a(先端部分)がマスタ22のフィルム面と接触することもないから、マスタ22のフィルム面の損傷等をより確実に防止できる。
なお、図5で使用されているマスタロール22A(図1参照)はフィルム面内巻きであるので、マスタ22のフィルム面と直接接触することは少ないが、マスタロールとしてフィルム面外巻きのものを使用した場合には前記顕著な利点が得られる。
【0090】
第2に、貼着部材を導電性両面接着テープ19とすることにより、除電部材14の製作コストの低減およびその取付け使用時の作業性も向上する。
【0091】
第3に、除電部材14は、製版装置20A内に配置されている規制板7の端縁を含む端部を覆うように取り付けられることで、搬送される未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22が規制板7の端縁を含む端部(エッジ部)にマスタ22の表面(特にフィルム面)が直接当たらなくなるから、マスタ22の表面(特にフィルム面)の損傷等を防止すると共に、静電気が発生しても除電部材14で確実に除電することができ、これにより規制板7へのマスタ22の貼り付きを防止して、ジャム等のマスタ搬送不良を発生することなくマスタ22を安定して搬送することができる。
第4に、除電部材14には通気性除電布17を用いているので、非通気性の除電布で構成するよりも簡単に構成できることから製造コスト的にも安価になる。
【0092】
除電部材14には上述した利点があるので、第1ガイド板28や第2ガイド板29等のマスタ案内部材の端縁部を覆うように除電部材14を取り付けることが好ましいと言える。
【0093】
本発明の除電部材に用いる貼着部材は、導電性両面接着テープ19や非導電性の両面接着テープを用いたことにより得られる前記利点を望まなくてもよいのであれば、通気性除電布17の両端部15bから導電性繊維15、その開放端15aおよび導電性横糸16をほどけないようにできる部材や部剤等であってもよく、このような物をも含む。
例えば、通気性除電布17の両端部15bから導電性繊維15、その開放端15aおよび導電性横糸16をほどけないように適宜の接着剤によって接着して固めた後、ネジで締結したり、あるいはマジックファスナー(商品名)やマグネットキャッチヤー(商品名)を用いてほどけないようにした後締結したりしてもよい。
【0094】
除電部材14を構成する通気性除電布17は、前記利点を望まなくてもよいのであれば、前記した樹脂材料で形成した物に限らず、例えば導電性繊維15および/または導電性横糸16として細いステンレススチール等の金属製繊維の物であっても構わない。
本発明の除電部材は、通気性除電布17を用いた前記利点をそれ程望まなくてもよいのであれば、通気性除電布17を用いた物に限らず、非通気性の除電布を用いることにより、換言すれば吸引エアを通過させない程度に密に編んだり、導電性繊維15を太くした物を用いたりすることによって、上述した各種構成に準じて構成した物でもよく、このような物をも含む(請求項3、4参照)。
参考例1
図7に、参考例1を示す。
この参考例1は、第1の実施形態と比較して、第1の実施形態の製版装置20に代えて、製版装置20Bを有していることのみ相違する。参考例1の製版装置20Bは、第1の実施形態の製版装置20と比較して、図1に示した規制板7に代えて、マスタ浮き上がり防止手段としての回転駆動される導電性ローラ45を有していること、およびローラ45を回転駆動するローラ駆動手段49を有することが主に相違する。
【0095】
導電性ローラ45は、未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22の静電気を除電する点から、例えば一般的な鉄やステンレススチール等の導電体で形成した導電性のローラが好ましく用いられる。ローラ45の配置位置に関しては、第1の実施形態における規制板7の間口の狭い部位の下側裏面と第1ガイド板28の上面との間の距離間隔と同じになる様に、導電性ローラ45の底部外周面と第1ガイド板28の上面との間の距離が設定されている。
【0096】
導電性ローラ45は、前記マスタ幅方向(図1における紙面の手前側から奥側への方向)に延在して設けられており、少なくとも未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22の幅寸法よりも長く形成されている。なお、導電性ローラ45は、後述する機能を有し後述する利点を得られるものであれば、例えば分割された串刺し状に形成されていても構わない。導電性ローラ45は、除電するために、図11に示す本体フレーム1F側に電気的に接地(アース)されている。
【0097】
ローラ駆動手段49は、図1を借りて示すマスタ搬送モータ32と、このマスタ搬送モータ32の回転駆動力をテンションローラ対37の上部の駆動ローラに伝達する前記回転伝達手段(テンションローラ対37の上部の駆動ローラに配設された2連プーリ47)およびプラテンローラ27のローラ軸に配設された2連プーリ(図示せず)間に掛け渡された無端ベルト(図示せず)からなる)と、2連プーリ47と導電性ローラ45の回転軸に固設されたローラプーリ46との間に掛け渡された無端ベルト48とから主に構成されている。このローラ駆動手段49により、導電性ローラ45は、プラテンローラ27およびテンションローラ対37の回転タイミングと同時機に同じ時計回り方向に回転駆動される。
【0098】
したがって、参考例1によれば、ローラ駆動手段49により、回転駆動される導電性ローラ45を有することにより、マスタロール22Aに巻かれたマスタ22の巻きぐせによる逆U字状の上方へのマスタの浮き上がり(例えば図9および図10に示したきついカール2C)が第1ガイド板28の上面との間で、図7に実線で示すように規制され、かつ、搬送力を付与されることで、図9および図10に示したような大きなたわみに成長することが抑制され、なおかつ、未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22が静電気を帯びても除電することができる。
それ故に、図9および図10を参照して説明した問題点は何ら発生せず、未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22先端部の反転ローラ対38のニップ部への正常な搬送動作を行って製版待機状態にすることができ、また製版済みのマスタ22のたわみボックス31内への正常な貯留動作を行うことができる。
【0099】
また、第1の実施形態の規制板7を使用した製版装置20では、例えば図9および図10に示したきついカール22Cよりも非常に小さいカールが発生して、規制板7と第1ガイド板28との間のマスタ搬送経路MRにおいて規制板7に引っかかるような場合がある。このような場合には、ローラ駆動手段49により、導電性ローラ45が回転駆動されることにより、未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22に搬送力が付与されることで、未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22の先端部を規制板7等に引っかけることなく各マスタ22を安定して搬送することができる。
【0100】
なお、本発明の回転駆動されるローラは、例えば帯電しにくいマスタ22を使用するような場合や、プラテンローラ27やテンションローラ対37等のマスタ搬送部材での除電機能が十分にあるというように除電機能をそれ程必要としない場合には、導電性ローラ45に限らず、導電体で形成せずに、例えば適宜の合成樹脂やゴム等で形成してもよい。
参考例2
図8に、参考例2を示す。
この参考例2は、第1の実施形態と比較して、第1の実施形態の製版装置20に代えて、製版装置20Cを有していることのみ相違する。参考例2の製版装置20Cは、第1の実施形態の製版装置20と比較して、図1に示した規制板7に代えて、マスタ浮き上がり防止手段としての回転駆動される導電性ブラシローラ55を有していること、および導電性ブラシローラ55を回転駆動するローラ駆動手段59を有することが主に相違する。
【0101】
導電性ブラシローラ55は、一般的な鉄やステンレススチール等の導電体で形成された金属製の軸部57に、導電性の除電ブラシを貼り付けたものである。導電性ブラシローラ55としては、図8に示すように、外周部を構成する除電ブラシの先端部が開放端になっているものや、あるいはU字状に曲げられてループ状をなしている態様のものが使用される。導電性ブラシローラ55の除電ブラシは、例えば導電性樹脂で形成された除電効果の高いカーボン繊維等が用いられる。
【0102】
導電性ブラシローラ55は、前記マスタ幅方向(図1における紙面の手前側から奥側への方向)に延在して設けられており、少なくとも未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22の幅寸法よりも長く形成されている。なお、導電性ブラシローラ55は、後述する機能を有し後述する利点を得られるものであれば、例えば分割された串刺し状に形成されていても構わない。導電性ブラシローラ55は、除電するために、軸部57が図11に示す本体フレーム1F側に電気的に接地(アース)されている。
【0103】
ローラ駆動手段59は、図1を借りて示すマスタ搬送モータ32と、このマスタ搬送モータ32の回転駆動力をテンションローラ対37の上部の駆動ローラに伝達する前記回転伝達手段(テンションローラ対37の上部の駆動ローラに配設された2連プーリ47)およびプラテンローラ27のローラ軸に配設された2連プーリ(図示せず)間に掛け渡された無端ベルト(図示せず)からなる)と、2連プーリ47と導電性ブラシローラ55の軸部57に固設されたローラプーリ56との間に掛け渡された無端ベルト48とから主に構成されている。このローラ駆動手段59により、導電性ブラシローラ55は、プラテンローラ27およびテンションローラ対37の回転タイミングと同時機に同じ時計回り方向に回転駆動される。
【0104】
したがって、参考例2によれば、ローラ駆動手段59により、回転駆動される除電性能の高い導電性ブラシローラ55を有することにより、マスタロール22Aに巻かれたマスタ22の巻きぐせによる逆U字状の上方へのマスタの浮き上がり(例えば図9および図10に示したきついカール2C)が第1ガイド板28の上面との間で、図8に実線で示すように規制されかつ搬送力を付与されることで、図9および図10に示したような大きなたわみに成長することが抑制され、かつ、未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22が静電気を帯びても除電することができる。
それ故に、図9および図10を参照して説明した問題点は何ら発生せず、未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22先端部の反転ローラ対38のニップ部への正常な搬送動作を行って製版待機状態にすることができ、また製版済みのマスタ22のたわみボックス31内への正常な貯留動作を行うことができる。
【0105】
また、第1の実施形態の規制板7を使用した製版装置20では、例えば図9および図10に示したきついカール22Cよりも非常に小さいカールが発生して、規制板7と第1ガイド板28との間のマスタ搬送経路MRにおいて規制板7に引っかかるような場合がある。このような場合には、ローラ駆動手段59により、導電性ブラシローラ55が回転駆動されることにより、未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22に搬送力が付与されることで、未製版のマスタ22または製版済みのマスタ22の先端部を規制板7等に引っかけることなく各マスタ22を安定して搬送することができる。
【0106】
図7や図8に示した導電性のローラ45や導電性ブラシローラ55を回転駆動するローラ駆動手段は、上述したローラ駆動手段49やローラ駆動手段59に限らず、例えば単独のローラ駆動手段としてのステッピングモータで回転駆動してもよいし、あるいは前記プーリおよび無端ベルトを備えた回転伝達手段に限らず、複数のギヤによる回転伝達手段や、それらを適宜組み合わせた回転伝達手段を介してマスタ搬送モータ32の回転駆動力が伝達されるものでもよい。
【0107】
また、本発明の製版装置は、接離手段としての前記プラテン圧解除機構は必ずしも必要な構成ではなく、その用途・利点を望まなくてもよいのであれば、これを除去して構成した製版装置およびこの製版装置を備えた製版印刷装置であっても構わない。
【0108】
前述した実施形態および参考例によれば、熱可塑性樹脂フィルムと実質的に合成繊維のみからなる支持体とを有する、非常に腰の弱く帯電しやすいマスタであっても使用できるので、画質を維持しながらコスト低減を図れる。
製版手段は、前述した実施形態のサーマルヘッド26に限らず、これに代えて、例えばフラッシュ製版あるいはレーザー製版等の製版手段であってもよい。
上述べたとおり、本発明を実施例を含む特定の実施形態等について説明したが、本発明の構成は、上述した実施形態等に限定されるものではなく、これらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性及び用途等に応じて種々の発明の実施形態や実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来の諸問題点を解決して新規な製版装置およびこの製版装置を備えた製版印刷装置を提供することができる。請求項毎の効果を挙げれば以下のとおりである。
請求項1記載の発明によれば、前記特有の配置構成のマスタ浮き上がり防止手段としての規制板により、マスタの巻きぐせによるカールを含むマスタの浮き上がりが、製版手段とマスタ貯留手段との間の開口におけるマスタ搬送経路の上流側近傍で防止・規制されるので、マスタを安定して搬送してセットしたり、マスタ貯留手段にマスタを安定して貯留したりすることができ、カールを含むマスタの浮き上がりの形成状態に拘わらず、マスタ搬送ミス・ジャム等の低減を図ることが可能となる。
【0113】
請求項記載の発明によれば、規制板が有する除電部材により、未製版のマスタまたは製版済みのマスタと接触して静電気を除電できるので、請求項記載の発明の効果に加えて、未製版のマスタまたは製版済みのマスタが規制板に貼り付いたり、マスタ貯留手段の例えばたわみボックス内の壁面に貼り付いたり、マスタ同士が貼り付いたりしてしまうことを防止できる。
【0114】
請求項記載の発明によれば、導電性の繊維または繊維束を編んだ除電布の両端部に貼着部材を付加した除電部材とすることにより、請求項記載の発明の効果に加えて、例えば従来使用されている除電ブラシ等のように、導電性繊維の開放端部分が飛び跳ねたり、導電性繊維が脱落したりすることがなくなるから、導電性繊維の先端部分がマスタ表面(特にフィルム表面)と接触することによるマスタのフィルム面の損傷等を防止することができる。
【0115】
請求項記載の発明によれば、除電布の両端部における導電性繊維または繊維束の開放端が、貼着部材の付加範囲から突出しない程度に貼着部材で貼着されていることにより、マスタのフィルム面の損傷等をより確実に防止することができる。
【0121】
請求項記載の発明によれば、請求項1ないしの何れか一つに記載の製版装置を有する製版印刷装置であることにより、請求項1ないしの何れか一つに記載の発明の効果を奏する製版印刷装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す製版装置および孔版印刷装置の要部の一部断面正面図である。
【図2】 第2の実施形態を示す製版装置の要部の図であって、規制板を含む要部を拡大して示す一部断面正面図である。
【図3】 図2における規制板に取り付けられた除電ブラシの要部を拡大して示す平面図である。
【図4】 図2における規制板に取り付けられた除電ブラシの問題点を説明する一部断面正面図である。
【図5】 第2の実施形態の変形例1を示す図であって、規制板に取り付けられた除電部材周りの要部を拡大して示す一部断面正面図である。
【図6】 図5における規制板に取り付けられた除電部材の要部を拡大して示す平面図である。
【図7】 参考例1を示す製版装置の要部の図であって、回転駆動される導電性ローラを含む要部を拡大して示す一部断面正面図である。
【図8】 参考例2を示す製版装置の要部の図であって、回転駆動される導電性ブラシローラを含む要部を拡大して示す一部断面正面図である。
【図9】 従来の製版装置および孔版印刷装置におけるマスタセット時の問題点を説明するための一部断面正面図である。
【図10】 従来の製版装置および孔版印刷装置における製版済みのマスタをマスタ貯留手段で貯留する時の問題点を説明するための一部断面正面図である。
【図11】 本発明を適用する製版装置および孔版印刷装置の概略的な正面図である。
【符号の説明】
1 製版印刷装置の一例としての孔版印刷装置
2 版胴
5 インキ供給手段としてのインキ供給装置
7 マスタ浮き上がり防止手段としての規制板
8,8A 除電部材付き規制部材
10 除電部材としての除電ブラシ
11 導電性の繊維または繊維束としての導電性繊維
11a 開放端
14 除電部材
15 導電性の繊維または繊維束としての導電性繊維
15a 開放端
16 導電性横糸
17 通気性除電布
19 貼着部材の一例としての導電性両面接着テープ
20,20A,20B,20C 製版装置
22 マスタ
22A マスタロール
22C マスタの浮き上がりの一例としてのカール
23 マスタ貯容手段としてのマスタ支持部材
26 製版手段としてのサーマルヘッド
27 マスタ搬送手段およびマスタ搬送部材としてのプラテンローラ
30 マスタ貯留手段
31 マスタ貯留手段を構成するたわみボックス
37 マスタ搬送手段およびマスタ搬送部材としてのテンションローラ対
38 マスタ搬送手段およびマスタ搬送部材としての反転ローラ
9,59 ローラ駆動手
R マスタ搬送経路
S 印刷用紙
X マスタ搬送方向

Claims (5)

  1. マスタがロール状に巻かれたマスタロールからマスタを繰り出し可能に貯容するマスタ貯容手段と、繰り出されたマスタを製版する製版手段と、未製版のマスタまたは前記製版手段により製版された製版済みのマスタを搬送するマスタ搬送手段と、前記未製版のマスタまたは前記製版済みのマスタをマスタ搬送方向に通すためのマスタ搬送経路と、前記製版済みのマスタを導入する開口を入口側に備え、前記製版済みのマスタを貯留するためのマスタ貯留手段と、前記マスタ搬送経路上に設けられ、マスタの浮き上がりを防止するマスタ浮き上がり防止手段とを具備する製版装置において、
    前記マスタの浮き上がりが、前記マスタロールに巻かれたマスタの巻きぐせによるものであって、該マスタの浮き上がりが、前記開口を介して前記入口側に引き込まれる方向と逆方向に生じるように、前記マスタ貯留手段および前記マスタ貯容手段が配置されており、
    前記マスタ浮き上がり防止手段は、前記製版手段と前記マスタ貯留手段との間の前記開口における前記マスタ搬送経路の上流側近傍に設けられ、前記マスタ搬送経路との間で前記マスタの浮き上がりを規制する、前記開口と重合しないように配置された規制板であることを特徴とする製版装置。
  2. 請求項1記載の製版装置において、
    前記規制板が、前記未製版のマスタまたは前記製版済みのマスタと接触可能な除電部材を有することを特徴とする製版装置。
  3. 請求項2記載の製版装置において、
    前記除電部材が、導電性の繊維または繊維束を編んだ除電布の両端部に貼着部材を付加したものであることを特徴とする製版装置。
  4. 請求項記載の製版装置において、
    前記両端部における前記繊維または前記繊維束の開放端が、前記貼着部材の付加範囲から突出しない程度に前記貼着部材で貼着されていることを特徴とする製版装置。
  5. 請求項1ないし4の何れか一つに記載の製版装置と、この製版装置により製版されたマスタを外周面に巻き付ける版胴と、この版胴上のマスタにインキを供給するインキ供給手段とを具備し、上記版胴上のマスタに印刷用紙を押し付けて印刷用紙に印刷を行うことを特徴とする製版印刷装置
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