JP4651845B2 - 孔版印刷方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は孔版印刷装置に関し、詳しくは用紙搬送方向と直交する方向に移動可能な多孔性支持板を有する版胴を具備した孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
多孔性の支持円筒体である多孔性支持板の周面に樹脂あるいは金属網体のメッシュスクリーンを複数層巻装してなる回転自在な版胴と、熱可塑性樹脂フィルム(厚み1〜3μm程度のものが一般的に用いられる)と和紙繊維あるいは合成繊維あるいは和紙繊維と合成繊維とを混抄したものとを貼り合わせてなるラミネート構造のマスタとを用い、マスタの熱可塑性樹脂フィルム面をサーマルヘッドにより加熱穿孔製版した後に版胴に巻装し、版胴内部に設けられたインキ供給手段よりインキを供給しつつプレスローラー等の印刷手段によって印刷用紙を版胴外周面上の製版済みマスタに連続的に押圧することにより、版胴開口部及びマスタ穿孔部よりインキを滲出させて印刷用紙に転移させることで印刷を行う感熱デジタル孔版印刷装置が一般的に知られている。
この孔版印刷装置では、画像読取、製版、印刷、排版等の各工程を自動的かつ連続的に行う全自動タイプのものが主に用いられており、この全自動タイプの孔版印刷装置では、印刷すべき原稿の画像は読取装置で読み取られ、サーマルヘッド、プラテンローラー等を有する製版装置でマスタが加熱溶融穿孔製版された後に上述の版胴に自動的に巻装され、給紙部より給送された印刷用紙が印刷手段によって版胴外周面に連続的に押圧されることで印刷が行われる。
【0003】
孔版印刷に限らず、印刷装置を用いて印刷を行う場合には、原稿画像に対して印刷画像のずれがないかを確認したり、狙いの位置に画像位置を合わせるための試し刷りが行われる。この試し刷りで画像のずれや位置合わせに問題がなければ次の印刷工程に進むことになるが、問題があった場合にはそれを修正するため、用紙の進行方向(天地方向)及びこれと直交する方向(左右方向)への画像位置調整が行われる。静電式の複写機(PPC)ではマスタを使用しないので、原稿位置を移動することにより容易に所望の印刷物(複写物)を得ることができるが、印刷装置では原稿を移動して再度マスタへの製版を行うこととなり、製版時間が余計にかかると共に既に巻装されているマスタが無駄になってしまうため、印刷用紙とマスタとの相対位置を変化させることで画像位置調整を行うように構成されている。
【0004】
天地方向の画像位置調整としては、例えば特開昭50−66308号公報に開示されているように、版胴と印刷用紙との相対位置を、給紙タイミングを変化させることにより調節する方法が一般的に用いられている。また、左右方向の画像位置調整としては、例えば特開昭63−218435号公報に開示されているように、積載されている印刷用紙をツマミやレバー等で給紙台ごと左右方向に移動させることにより画像位置調整を行う方法が採用されている。
しかし、給紙台を左右に移動させて画像位置調整を行う場合、印刷済みの印刷用紙を積載する排紙トレイ上には印刷用紙の側縁部の揃えを行うためのサイドフェンスが設けられているため、用紙の位置がずれてしまうと排出時に印刷用紙がサイドフェンスに引っ掛かってジャムが発生してしまう。これを防止するためには、給紙台の移動量に合わせてサイドフェンスの位置を微妙に調整する必要があり、その調整作業が面倒であった。また、給紙台に大量の印刷用紙が積載されている場合には給紙台が重くなって多大の移動力を必要としたり、積載された印刷用紙が移動時においてずれたり揃えが崩れてしまうといった問題点があった。 また、給紙台を移動することなく、インキ供給手段を含む版胴全体をその軸方向である印刷用紙の左右方向に移動可能に構成して、左右方向の画像位置調整を行う技術が例えば実開昭64−46258号公報に開示されている。この技術によれば、排紙トレイのサイドフェンスを調節する作業は不要となるが、構成の大型化や重量の増大によるコストの増加を避けることができないという問題点があった。
【0005】
そこで、版胴を構成する多孔性支持板のみをその軸方向に移動させて左右方向の画像位置調整を行う技術が、例えば特開平9−104159号公報に開示されている。この技術によれば、版胴内部に配設されたインキ供給手段等を移動させないため、実開昭64−46258号公報記載の技術に比べて装置の小型化及び軽量化を図ることができ、コストを低減することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した全自動タイプの孔版印刷装置では、一般的に次の順序で印刷が行われる。先ず、原稿読取部において▲1▼原稿読取動作が行われ、次に製版部において読み取られた原稿画像に基づいた▲2▼製版動作が行われる。そして、製版されたマスタが搬送されて版胴外周面上に係止された後に版胴が回転することにより▲3▼巻装動作が行われ、巻装動作完了後、版胴が低速で回転すると共に給紙部より1枚の印刷用紙が給送され、この用紙が印刷手段により版胴外周面に押圧されることにより▲4▼版付け動作が行われる。版付け動作によって版胴開孔部及び製版済みのマスタにインキが充填されると、版胴が版付け動作時よりも高速で回転されて▲5▼試し刷り動作が行われ、この試し刷り動作によって画像位置がずれている場合には▲6▼画像位置調整動作が行われる。この画像位置調整動作では、画像位置が天地方向にずれている場合には給紙部からの印刷用紙の給紙タイミングを変更することで調整が行われ、画像位置が左右方向にずれている場合には多孔性支持板を移動させることで調整が行われる。画像位置調整後、▲5▼と同様に再び▲7▼試し刷り動作が行われ、画像位置が適正であれば▲8▼印刷動作が行われる。このように、8段階の行程を経て印刷物が得られるわけであるが、途中、▲4▼版付け動作、▲5▼試し刷り動作、▲7▼試し刷り動作において最低各1枚ずつ、計3枚の損紙が発生することとなる。
【0007】
一方、上述した孔版印刷装置の使い勝手として、原稿の画像位置がずれていることを予め見込んで印刷を行う場合、あるいは印刷物にパンチ穴を設けるスペースが欲しい場合等、▲5▼の試し刷り動作をすることなく最初から画像位置を調整して印刷を行いたい場合がある。この場合の印刷順序は、▲1▼原稿読取動作、▲2▼製版動作、▲3▼巻装動作、▲4▼画像位置調整動作、▲5▼版付け動作となり、版付け動作で得られた印刷物の画像位置が適正であれば▲6▼印刷動作が行われる。この場合には、上述した8段階に比して6段階で印刷物を得ることができ、損紙の発生枚数も最低1枚となり印刷効率を大幅に向上させることができる。
【0008】
上述の印刷時において画像位置を左右方向で調整する場合には、▲3▼巻装動作から▲4▼画像位置調整動作へと移行する際に、巻装動作において回転している版胴を停止させることなく多孔性支持板の移動を行い、すぐに▲5▼の版付け動作ができるように制御されている。これは、版胴の回転周速度に対して多孔性支持板の移動速度が十分に速く、版胴の回転動作を一時的に停止させて多孔性支持板の移動を行うとFPT(ファーストプリントタイム;1枚目の印刷物が得られるまでの時間)が低下してしまうためと、版胴の回転・停止の繰り返しによる版胴駆動手段に対する負荷の軽減、及び起動時に発生する通常時よりも大きな起電力が複数回にわたって発生することを防止するためである。
【0009】
上述のマスタは版胴への巻装時において製版装置に設けられた搬送ローラー対等の張力付与部材によって張力を付与されており、その後端部は張力付与部材を抜けた時点で自由な状態となってしまう。このため、▲3▼の巻装動作後に▲4▼の画像位置調整動作を行うと版胴は最低1回転の空転動作を行うこととなり、自由な状態であるマスタの後端部が版胴空転時に暴れて空気を巻き込んだ状態で版胴後端部に貼り付いてしまい、巻き込まれた空気が押圧部材による押圧時に押し潰されてマスタ上にしわや折れが発生し、これにより画像不良が発生してしまうという問題点がある。
【0010】
本発明は、上記問題点を解決し、予め版胴を軸線方向に移動させて印刷を行う場合であっても画像不良の発生を防止して良好な印刷物を得ることが可能な孔版印刷方法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、多孔性支持板を有し外周面にマスタを巻装する版胴と、前記マスタを製版搬送する製版搬送手段と、前記マスタを介して印刷用紙を前記版胴に押圧する押圧手段とを具備し、前記多孔性支持板をその軸方向に移動させることにより前記版胴上に巻装された前記マスタの製版画像位置を調整可能な孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法において、予め前記製版画像位置を調整して印刷を行う場合には、予め前記製版画像位置を調整することなく印刷を行う場合に比して、前記版胴に巻装される前記マスタの長さを長くすることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の孔版印刷方法において、さらに予め前記製版画像位置を調整して印刷を行う場合には、原稿の画像位置がずれていることを見込んで印刷を行う場合を含むことを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の孔版印刷方法において、さらに予め前記製版画像位置を調整して印刷を行う場合には、印刷物に余白を設けたい場合を含むことを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1、請求項2または請求項3記載の孔版印刷方法において、さらに前記孔版印刷装置が製版行程と印刷工程との間に版付け行程を有し、前記製版画像位置の調整が版付け行程前に行われることを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4のうちの何れか1つに記載の孔版印刷方法において、さらに前記マスタの延長される長さが5〜30mmであることを特徴とする。
【0016】
【実施例】
図1は、本発明の一実施例に用いられる孔版印刷装置の要部概略正面図である。同図において孔版印刷装置1は、製版搬送手段としての製版搬送部2と印刷部3とを有している。
【0017】
製版搬送部2は、マスタ4をロール状に巻装したマスタロール4aの芯材4bを回転自在かつ着脱自在に支持する図示しないホルダー手段、プラテンローラー5、サーマルヘッド6、マスタ搬送ローラー対7、切断手段8、マスタガイド板9等を有している。
【0018】
マスタ4は、厚み1〜3μm程度の熱可塑性樹脂フィルムと和紙からなる多孔性支持体とを貼り合わせて構成されている。プラテンローラー5は製版搬送部2の図示しない側板間に回転自在に支持されており、図示しないステッピングモーターによって図1において時計回り方向に回転駆動される。図示しない付勢手段によってプラテンローラー5に圧接されたサーマルヘッド6は複数の発熱素子を有しており、この発熱素子が選択的に発熱することによりマスタ4の熱可塑性樹脂フィルム面を加熱溶融穿孔製版する。プラテンローラー5のマスタ搬送方向下流側に配設されたマスタ搬送ローラー対7は、図示しない駆動手段によって図1において反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラー7a及びこれに所定の圧力で圧接配置された従動ローラー7bから構成されており、プラテンローラー5よりも若干速い速度でマスタ4を搬送するように駆動ローラー7aの回転周速度が設定されている。マスタ搬送ローラー対7のマスタ搬送方向下流側には切断手段8が配設されている。切断手段8は固定刃8aに対して可動刃8bが回転移動してマスタ4を切断する。切断手段8のマスタ搬送方向下流側にはマスタ4を案内するマスタガイド板9が固設されている。
【0019】
製版搬送部2の右下方には印刷部3が配設されている。印刷部3は、版胴10と、版胴10の下方に版胴10に対して接離自在に設けられた押圧手段としてのプレスローラー11とを有しており、版胴10の右方には図示しない給紙部から給送される印刷用紙Pを所定のタイミングで版胴10とプレスローラ11との間に給送するレジストローラ対12が設けられている。プレスローラー11は図示しない一対のアーム部材間に回転自在に支持されており、図示しないアーム部材が図示しない揺動手段によって揺動されることにより、所定の圧接力で版胴10の外周面に対して圧接離間自在に設けられている。
【0020】
版胴10は、図2に示すように、多孔性支持板10aとメッシュスクリーン10bとを有しており、インキ供給パイプを兼ねた支軸14に回転自在に支持されている。多孔性支持板10aはステンレス等の金属板からなり、電鋳加工によって複数の貫通孔からなる開口部10cを形成されている。開口部10cの版胴軸方向における長さは、後述するインキローラー15の幅よりもやや大きくなるように設定されている。メッシュスクリーン10bは樹脂あるいは金属網体によって形成されており、多孔性支持板10aの外周面上の開口部10cと対応する部位に複数層にわたって巻装されている。
【0021】
版胴10の内部には、図1に示すようにインキ供給手段13が配設されている。インキ供給手段13は、版胴10の外部に設けられた図示しないインキパックから図示しないポンプによって吸引されたインキを版胴10の内部に導入する支軸14、支軸14から供給されたインキを多孔性支持板10aの内周面に供給するインキローラー15、インキローラー15との間に僅かな隙間をもって配設されたドクターローラー16等から主に構成されている。
【0022】
支軸14には、図示しないインキパックからのインキを版胴10の内部に供給するための複数の供給孔14aが形成されており、この供給孔14aから滴下したインキがインキローラー15とドクターローラー16との近接部に形成された楔状空間に溜まり、インキ溜まり17が形成されている。インキ溜まり17のインキはインキローラー15及びドクターローラー16の回転によって混練され、ドクターローラー16によってその層厚を規制されつつインキローラー15の表面に供給される。インキローラー15が保持したインキは多孔性支持板10aの内周面に供給される。
【0023】
多孔性支持板10aの開口部10cを除いた円周方向の部位である非開口部10dには、多孔性支持板10aの一母線に沿って形成された平面を含むステージ部18が配設されている。磁性体で形成されたステージ部18上には、ステージ部18との間でマスタ4の先端部を挟持するクランパー19が回動自在に配設されている。クランパー19はステージ部18に磁着するマグネットを有しており、図示しない開閉装置によって版胴10が所定位置に達したときに開閉される。
【0024】
多孔性支持板10aは、図3に示すように、支軸14に回転自在に支持された一対のフランジ20(一方のみ図示)の外周面に取り付けられており、図示しない版胴駆動手段によって図1において時計回り方向に回転駆動される。支軸14は一対の本体側板21(一方のみ図示)に支持されており、多孔性支持板10aの内部に位置する部位には一対のインキローラー側板22(一方のみ図示)がインキローラー15の幅よりも僅かに大きい間隔で取り付けられている。各インキローラー側板22間にはインキローラー15が両端部に設けられた各軸部15aにおいて回転自在に支持されており、インキローラー15は図示しないギヤやベルト等の駆動力伝達手段によって版胴駆動手段からの駆動力を伝達され、版胴10と同方向に回転駆動される。なお、図示してはいないが、ドクターローラー16も各インキローラー側板22間に回転自在に支持されており、図示しない駆動力伝達手段によって版胴駆動手段からの駆動力を伝達され、版胴10と逆方向に回転駆動される。
【0025】
支軸14の左側端部近傍であって本体側板21の内側に位置する部位にはねじ部14bが形成されており、このねじ部14bには外周部にギヤ部23aを有する鍔付ブッシュ状のボスギヤ23が螺合されている。フランジ20は軸受24を介してボスギヤ23に支持されており、これにより多孔性支持板10aはボスギヤ23と一体的に軸方向(図3において左右方向)に移動可能であると共に、ボスギヤ23に対して回転自在に構成されている。
ギヤ部23aには、本体側板21に取り付けられたモーター25の出力軸25aに固着されたピニオン26が噛合している。モーター25にはパルスエンコーダーが内蔵されており、その回転角度に応じた信号を発生する。
上述のねじ部14b、ボスギヤ23、モーター25、ピニオン26によって多孔性支持板10aを軸方向に移動させる手段が構成されている。
【0026】
孔版印刷装置1の内部には、孔版印刷装置1の動作を制御する制御手段27が設けられており、多孔性支持板10aの左右移動も制御手段27によって制御される。CPU、ROM、RAM等を有する周知のマイクロコンピューターからなる制御手段27には、操作パネル28に設けられた左右調整量設定手段からの左右移動指令、多孔性支持板10aの左右方向のホームポジションを検知する図示しない位置センサーからの位置信号、製版動作を開始させる製版指令等が入力される。制御手段27はモータードライバー等の駆動装置に動作信号を出力し、モーター25等を作動させる。
【0027】
操作パネル28上には、多孔性支持板10aに左右移動を行わせる左右調整量設定手段、孔版印刷装置1に製版動作を行わせる製版スタートキー、孔版印刷装置1に印刷動作を行わせる印刷スタートキー、テンキー、7セグメントLEDあるいはLCD等からなる表示装置29等の周知の構成の他、予め製版画像位置を調整して製版及び印刷を行う際に押下される予備調整キー30が設けられている。予備調整キー30は製版スタートキーの前に押下され、これが押下された状態で製版スタートキーが押下されると、制御手段27は製版画像位置を所定量だけずらすべく、モーター25を作動させて多孔性支持板10aを所定方向に所定量だけ移動させる。多孔性支持板10aの移動は版胴10へのマスタ4の巻装動作後に連続的に行われ、多孔性支持板10aの移動方向及び移動量は制御手段27内のRAMに記憶されている。この移動方向及び移動量は、ユーザーが所定のモードに入ることにより簡単に変更可能に構成されている。
【0028】
また、制御手段27は、予備調整キー30が押下された後に製版スタートキーが押下された場合には、製版巻装時におけるプラテンローラー5及び駆動ローラー7aの停止タイミング、可動刃8bの作動タイミングをそれぞれ遅らせることにより、予備調整キー30が押下されていない通常時よりも版胴10に巻装される製版済みのマスタ4の長さが長くなるように制御する。プラテンローラー5、駆動ローラー7a、可動刃8bの停止及び作動タイミングはプラテンローラー5を回転駆動する図示しないステッピングモーターのステップ数により計られ、通常時のタイミングに対して所定ステップ数を加算することで遅延処理がなされる。このときのマスタ4の長さは、通常時よりも5〜30mm程度長くなるように設定されており、この数値は制御手段27内のROMに記憶されている。この数値範囲は、版胴10の空転時においてマスタ4の後端が暴れることなく、マスタ4の製版画像部に空気が巻き込まれない長さであって、かつ印刷に支障のない長さに設定されており、実験に基づいて決定されている。制御手段27のROMにはこの数値が複数個記憶されており、ユーザーは雰囲気温度、マスタの種類、インキの種類等の各種条件に応じて上記数値範囲内の何れかの数値を選択可能に構成されている。
【0029】
上述した孔版印刷装置1の動作を以下に説明する。先ず、予備調整キー30が押下されずに製版スタートキーが押下される通常時について説明する。
図示しない読取部に原稿がセットされ、操作パネル28上の製版スタートキーが押下されると、制御手段27は図示しない位置センサーからの情報に基づいて多孔性支持板10aがホームポジションに位置するまでモーター25を駆動し、多孔性支持板10aがホームポジションに達するとモーター25の駆動を停止させる。
【0030】
多孔性支持板10aがホームポジションに位置決めされると、図示しない版胴駆動手段が作動して版胴10が回転を開始し、版胴10上に巻装されている図示しない前版のマスタが図示しない排版装置により剥離されて廃棄される。排版後、版胴10はクランパー19が略真上に位置する給版待機位置まで回転して停止し、その後、図示しない開閉装置によりクランパー19が開放されて版胴10は給版待機状態となる。
【0031】
版胴10が給版待機状態となると製版動作が行われる。クランパー19が開放された後にプラテンローラー5が回転駆動され、マスタロール4aよりマスタ4が引き出される。引き出されたマスタ4は、サーマルヘッド6を通過する際に読み取られた画像情報に応じて選択的に加熱する発熱素子によって、その熱可塑性樹脂フィルム面を穿孔製版される。製版されたマスタ4は、プラテンローラー5の周速度よりも若干早い周速度で回転駆動しているマスタ搬送ローラー対7により、プラテンローラー5との間で所定の張力を付与されつつ搬送される。
【0032】
マスタガイド板9に案内され、マスタ4の先端がステージ部18とクランパー19との間の所定位置まで達したことを、プラテンローラー5を回転駆動する図示しないステッピングモーターのステップ数より制御手段27が確認すると、図示しない開閉手段が作動してクランパー19が閉じられると共に、版胴駆動手段が作動して版胴10がマスタ4の搬送速度と略同じ周速度で再度回転を開始し、製版されたマスタ4の版胴10への巻装動作が行われる。そして、プラテンローラー5を駆動する図示しないステッピングモーターのステップ数より1版分の製版が完了したと制御手段27が判断すると、切断手段8が作動してマスタ4が切断されると共にプラテンローラー5及びマスタ搬送ローラー対7の作動が停止される。切断されたマスタ4は版胴10の回転によって引き出されて巻装動作が完了する。
【0033】
巻装動作完了後、図示しない給紙装置より1枚の印刷用紙Pが給送される。給送された印刷用紙Pはレジストローラー対12によってその先端部を挟持された後、所定のタイミングで版胴10とプレスローラー11との間に向けて給送される。印刷用紙Pが所定位置に達すると図示しない揺動手段が作動し、プレスローラー11が所定の圧接力で版胴10の外周面に対して圧接される。この圧接により、インキ供給手段13から多孔性支持板10aの内面に供給されたインキが、開口部10c、メッシュスクリーン10bの開口部、マスタ4の穿孔部を介して印刷用紙Pに転移されると共にマスタ4の多孔性支持体に充填され、マスタ4とメッシュスクリーン10bとが密着する、いわゆる版付けが行われる。
インキを転移された印刷用紙Pは、図示しない剥離爪によって版胴10の外周面上より剥離され、図示しない排紙搬送部材によって搬送された後、機外に設けられた図示しない排紙トレイ上に排出される。
【0034】
この版付け時において印刷用紙P上での画像位置をチェックし、天地方向でのずれがある場合には操作パネル28上のキーを操作することにより、版胴10に対するレジストローラー対12による印刷用紙Pの給送タイミングが変更される。また、左右方向でのずれがある場合にはオペレーターにより左右調整量設定手段で調整量が設定され、この調整量に応じて制御手段27がモーター25を作動させ、多孔性支持板10aを左右方向に移動させる。
【0035】
その後、オペレーターにより図示しない操作パネル上の試し刷りキーが押されると、図示しない給紙装置より1枚の印刷用紙Pが給送される。給送された印刷用紙Pは、レジストローラー対12によって先端部を挟持された後、所定のタイミングで版付け時よりも高速で回転している版胴10とプレスローラー11との間に向けて給送される。給送された印刷用紙Pはプレスローラー11により版胴10の外周面に対して圧接されてインキを転移された後、図示しない排紙トレイ上に排出される。この試し刷りにより印刷用紙P上の画像位置を再チェックし、ずれがある場合には調整が行われた後に再度試し刷りが行われる。
【0036】
画像位置が所定の位置であると確認されると、印刷動作が行われる。オペレーターは図示しない操作パネル上のテンキーを用いて印刷枚数を入力した後、印刷スタートキーを押下する。印刷スタートキーが押下されると、図示しない給紙装置より印刷用紙Pが連続的に給送され、給送された印刷用紙Pは所定のタイミングで次々と版胴10とプレスローラー11との間に向けて給送されて印刷画像を転写される。そして、設定された枚数の印刷が終了すると、各部の作動が停止されて孔版印刷装置1は待機状態となる。
【0037】
次に、予備調整キー30が押下された後に製版スタートキーが押下される場合について説明する。なお、予備調整キー30が押下される場合としては、原稿画像位置がずれていてこれを修正する場合、パンチ穴やステープラーのスペース等を設けるために印刷用紙に余白部分を形成すべく印刷画像を左右方向にずらす必要がある場合等が挙げられる。
【0038】
読取部に原稿がセットされ、操作パネル28上の予備調整キー30が押下されて通常時よりもマスタ4の長さを長くする数値(例えば20mm)が選択された後に製版スタートキーが押下されると、制御手段27は多孔性支持板10aをホームポジションに位置決めさせた後、排版動作を行わせる。排版後、版胴10が給版待機位置に停止してクランパー19が開放され、版胴10が給版待機状態となる。
【0039】
版胴10が給版待機状態となると、プラテンローラー5及びマスタ搬送ローラー対7が回転駆動されると共にサーマルヘッド6が原稿画像に応じて選択的に発熱し、製版動作が行われる。製版されたマスタ4は、マスタガイド板9に案内されてステージ部18とクランパー19との間に搬送され、クランパー19が閉じることで版胴10の外周面上に係止される。マスタ4の係止後、版胴10はマスタ搬送速度と略同じ周速度で回転し、版胴10へのマスタ4の巻装動作が行われる。そして、1版分の製版が完了すると、制御手段27は設定された数値である20mmだけマスタ4を余分に搬送し、搬送後、プラテンローラー5及びマスタ搬送ローラー対7の作動を停止させると共に切断手段8を作動させ、マスタ4を切断させる。切断されたマスタ4は版胴10の回転によって引き出され、巻装動作が完了する。
【0040】
巻装動作完了後、制御手段27は版胴10の回転を停止させることなく、多孔性支持板10aを予め設定されている所定量だけ所定方向に移動させる。このとき、版胴10は1回転の空転を行うこととなるが、マスタ4が通常時よりも所定の長さ(20mm)長くされていることにより、空転時におけるマスタ4の後端での暴れがマスタ4上の製版画像部に及ぶことがなく、版胴10とマスタ4の製版画像部との間に空気が巻き込まれることが防止される。
【0041】
多孔性支持板10aの移動後、図示しない給紙装置より1枚の印刷用紙Pが所定のタイミングで給送され、給送された用紙はプレスローラー11によって版胴10に対して押圧される。この押圧により版付けが行われ、マスタ4と版胴10とが密着する。この版付け時において、マスタ4の製版画像部と版胴10との間に空気の巻き込みがないことから、マスタ4に対するしわの発生が防止される。
インキを転移された印刷用紙Pは、上述と同様に図示しない排紙トレイ上に排出される。
【0042】
予備調整キー30が押下された場合は、製版画像と印刷用紙Pとの相対的な位置を予め所望の量だけずらしているため、この版付け時において略所望の位置に印刷画像が位置することとなる。このため、試し刷り行程を行うことなく印刷スタートキーを押下することにより、印刷用紙が連続的に給送されると共に版胴10が高速で回転して印刷動作が行われ、FPTを大幅に短縮することができる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、予め前記製版画像位置を調整して印刷を行う場合には、予め前記製版画像位置を調整することなく印刷を行う場合に比して、前記版胴に巻装される前記マスタの長さを長くすることにより、FPTを大幅に短縮すると共にマスタの製版画像部後端での空気の巻き込みを防止して版胴上におけるマスタへのしわの発生を防止して良好な印刷物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に用いられる孔版印刷装置の要部概略正面図である。
【図2】本発明の一実施例に用いられる版胴を説明する概略図である。
【図3】本発明の一実施例に用いられる多孔性支持板の左右移動機構を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 孔版印刷装置
2 製版搬送手段(製版搬送部)
4 マスタ
10 版胴
10a 多孔性支持板
11 押圧手段(プレスローラー)

Claims (5)

  1. 多孔性支持板を有し外周面にマスタを巻装する版胴と、前記マスタを製版搬送する製版搬送手段と、前記マスタを介して印刷用紙を前記版胴に押圧する押圧手段とを具備し、前記多孔性支持板をその軸方向に移動させることにより前記版胴上に巻装された前記マスタの製版画像位置を調整可能な孔版印刷装置を用いた孔版印刷方法において、
    予め前記製版画像位置を調整して印刷を行う場合には、予め前記製版画像位置を調整することなく印刷を行う場合に比して、前記版胴に巻装される前記マスタの長さを長くすることを特徴とする孔版印刷方法。
  2. 予め前記製版画像位置を調整して印刷を行う場合には、原稿の画像位置がずれていることを見込んで印刷を行う場合を含むことを特徴とする請求項1記載の孔版印刷方法。
  3. 予め前記製版画像位置を調整して印刷を行う場合には、印刷物に余白を設けたい場合を含むことを特徴とする請求項1記載の孔版印刷方法。
  4. 前記孔版印刷装置が製版行程と印刷工程との間に版付け行程を有し、前記製版画像位置の調整が版付け行程前に行われることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の孔版印刷方法。
  5. 前記マスタの延長される長さが5〜30mmであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちの何れか1つに記載の孔版印刷方法。
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