JP3889591B2 - 孔版印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は版胴外周面上に製版済みマスタを巻装して印刷を行う孔版印刷装置に関し、詳しくは印刷時における版胴外周面からの印刷用紙の剥離に関する。
【0002】
【従来の技術】
多孔性の支持円筒体である多孔性支持板の周面に樹脂あるいは金属網体のメッシュスクリーンを複数層巻装してなる回転自在な版胴と、熱可塑性樹脂フィルム(厚み1〜3μm程度のものが一般的に用いられる)と和紙繊維あるいは合成繊維あるいは和紙繊維と合成繊維とを混抄したものとを貼り合わせてなるラミネート構造のマスタとを用い、マスタの熱可塑性樹脂フィルム面をサーマルヘッドにより加熱穿孔製版した後に版胴に巻装し、版胴内部に設けられたインキ供給手段によりインキを供給しつつプレスローラー等の押圧部材によって印刷用紙を版胴外周面上の製版済みマスタに対して連続的に押圧することにより、版胴開口部及びマスタ穿孔部よりインキを滲出させてこれを印刷用紙に転移させることで印刷を行う感熱デジタル孔版印刷装置が知られている。
【0003】
上述の孔版印刷装置では、印刷された印刷用紙を剥離部材である剥離爪で版胴外周面上の製版済みマスタから剥離し、排紙トレイ上に排出している。この剥離爪は、マスタを破損しないようにその先端とマスタとの間に僅かな間隙をもって版胴の近傍に配設されており、印刷用紙と版胴外周面上のマスタとの間に強制的に介入して印刷用紙の剥離を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、マスタ上に形成された製版画像にべた画像部がある場合には、印刷用紙とマスタとの間に作用するインキの粘着力が極端に上昇して剥離爪によって印刷用紙をマスタから剥離することができず、印刷用紙がマスタに貼り付いたままとなったり剥離爪に印刷用紙が引っ掛かったりして剥離動作が確実に行われない、いわゆる「巻き上がり」という不具合を生じてしまう。
【0005】
また孔版印刷装置においては、版胴から印刷用紙へのインキの転移が浸透によって行われているため、印刷用紙と版胴外周面上のマスタとの接触時間が長くなればなるほど版胴外周面上のマスタから印刷用紙内へと浸透するインキ量が増加し、印刷用紙上に形成される画像の濃度が高くなる。従って、「巻き上がり」が発生しなくとも印刷用紙が版胴外周面上の所定位置で剥離されない場合には、印刷用紙毎に画像濃度が変化して印刷物全体として濃度むらが発生してしまうという問題点がある。
【0006】
さらに、版胴外周面上に巻装されたマスタの製版画像量がその幅方向において不均一である場合(例えば幅方向の片側にのみべた画像部がある場合等)には、印刷用紙とマスタとの間に作用するインキの粘着力が印刷用紙の幅方向の左右で異なるために剥離部材による印刷用紙の剥離位置がその幅方向の左右で異なり、印刷用紙が剥離される際に不均一な張力がマスタに作用することでマスタにしわが発生してしまうという問題点がある。
【0007】
本発明は上述の各問題点を解消し、べた画像部を有する画像あるいは幅方向に不均一な画像量を有する画像を印刷する際においても、印刷用紙の巻き上がりや印刷画像の濃度むら、及びマスタへのしわの発生を防止して良好な印刷物を得ることが可能な孔版印刷装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、外周面にマスタを巻装する版胴と、前記版胴に印刷用紙を押圧して該印刷用紙に画像を転写させる押圧部材と、前記押圧部材により前記版胴の外周面に押圧され画像を転写された前記印刷用紙を剥離する剥離部材とを具備する孔版印刷装置において、
前記剥離部材が前記印刷用紙をその全幅にわたって剥離すると共に、前記印刷用紙を前記版胴の回転方向下流側に向けて巻き上げる巻き上げ部材を有し、該巻き上げ部材は前記版胴の外周面に対して近接離間自在に設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の孔版印刷装置において、さらに前記剥離部材が複数の剥離爪を有することを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の孔版印刷装置において、さらに前記剥離部材が送風手段を有することを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか一つに記載の孔版印刷装置において、前記巻き上げ部材は前記印刷用紙の先端が前記版胴の外周面より剥離された直後に前記版胴の外周面に近接することを特徴とする。
。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の孔版印刷装置において、前記巻き上げ部材は前記印刷用紙の後端が前記版胴と前記押圧部材との接触部を抜ける直前に前記版胴の外周面より離間することを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか一つに記載の孔版印刷装置において、前記印刷用紙の厚みに応じて近接時における前記巻き上げ部材と前記版胴の外周面との間隔を変化させることが可能であることを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし5の何れか一つに記載孔版印刷装置において、前記印刷用紙に転写される画像量に応じて近接時における前記巻き上げ部材と前記版胴の外周面との間隔を変化させることが可能であることを特徴とする。
【0016】
【実施例】
図1は、本発明の第1の実施例を採用した孔版印刷装置を示している。同図において孔版印刷装置1は、印刷部2、製版部3、給紙部4、排版部5、排紙部6、画像読取部7を有しており、専用テーブル8上に載置されている。
【0017】
印刷装置本体9のほぼ中央に配設された印刷部2は、版胴10と押圧部材としてのプレスローラー11とを有している。
版胴10は、インキ供給パイプを兼ねた支軸12に回転自在に支持された図示しない一対のフランジと、各フランジの外周面に巻装された図示しない多孔性支持板とから主に構成されており、図示しない版胴駆動手段によって回転駆動されると共に印刷装置本体9に対して着脱可能に構成されている。
【0018】
版胴10の内部にはインキ供給手段13が配設されている。インキ供給手段13は、支軸12、インキローラー14、ドクターローラー15等を有している。インキローラー14は版胴10内に設けられた図示しない側板間に回転自在に支持されており、その周面を版胴10の内周面に近接して配置され、図示しない駆動手段によって版胴10と同方向に回転駆動される。ドクターローラー15も前記側板間に回転自在に支持されており、その周面をインキローラー14の周面に近接して配置され、図示しない駆動手段によって版胴10とは逆方向に回転駆動される。支軸12には複数の小さな孔が穿設されており、支軸12から供給されたインキがインキローラー14とドクターローラー15との近接部に形成される断面楔形状の空間に溜まることによりインキ溜まり16が形成される。
【0019】
版胴10の外周面上には、版胴10の一母線に沿った平面をなすステージ部17が形成されており、ステージ部17上には版胴10の外周面上にマスタの先端を保持させるクランパー18が配設されている。クランパー18は、版胴10が所定の位置まで回転されたときに図示しない開閉手段によって開閉される。
【0020】
版胴10の下方にはプレスローラー11が配設されている。プレスローラー11は金属製の芯部にゴム等の弾性体を巻成して構成されており、版胴10の軸方向に延在して設けられている。プレスローラー11はその両端部を図示しない一対のアーム部材によって回転自在に支持されており、図示しない一対のアーム部材は図示しない揺動手段によって揺動自在に構成されている。これによりプレスローラー11は、図1に実線で示す版胴10から離間した位置と、二点鎖線で示す版胴10に所定の圧接力で圧接する位置とを選択的に占める。
【0021】
印刷装置本体9の右上部には製版部3が配設されている。製版部3は、マスタ保持部材19、プラテンローラー20、サーマルヘッド21、切断手段22、マスタ搬送ローラー対23,24等を有している。
マスタ保持部材19は印刷装置本体9の図示しない側板対にそれぞれ設けられており、熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを貼り合わせたマスタ25をロール状に巻成してなるマスタロール25aの芯部25bの両端を回転自在かつ着脱自在に支持する。
【0022】
マスタ保持部材19の左方に設けられたプラテンローラー20は印刷装置本体9の図示しない側板に回転自在に支持されており、図示しないステッピングモーターによって回転駆動される。プラテンローラー20の下方に位置し多数の発熱素子を有するサーマルヘッド21は印刷装置本体9の図示しない側板に取り付けられており、図示しない付勢手段の付勢力によってその発熱素子面をプラテンローラー20に圧接されている。サーマルヘッド21はマスタ25の熱可塑性樹脂フィルム面に接触しつつ発熱素子を選択的に発熱させ、マスタ25に対して熱溶融穿孔製版を行う。
【0023】
プラテンローラー20及びサーマルヘッド21の左方には切断手段22が配設されている。印刷装置本体9の図示しないフレームに固設された固定刃22aと、この固定刃22aに移動自在に支持された可動刃22bとを有する切断手段22は、固定刃22aに対して可動刃22bが回転移動することによりマスタ25を切断する周知の構成である。
【0024】
切断手段22の左方にはマスタ搬送ローラー対23,24が配設されている。各マスタ搬送ローラー対23,24は、印刷装置本体9の図示しない側板にそれぞれ回転自在に支持された駆動ローラーと従動ローラーとを有しており、各駆動ローラーはそれぞれ図示しない駆動手段によってプラテンローラー20と同期して回転駆動され、各従動ローラーは図示しない付勢手段によってそれぞれ対応する駆動ローラーに圧接されている。
【0025】
製版部3の下方には給紙部4が配設されている。給紙部4は、給紙トレイ26、給紙ローラー27、分離ローラー対28、レジストローラー対29、ガイド板30,31,32,33等を有している。
上面に多数の印刷用紙Pを積載可能な給紙トレイ26は印刷装置本体9に上下動自在に支持されており、図示しない昇降手段によって上下動される。A3サイズの印刷用紙Pを縦置き可能な給紙トレイ26の上面には、図2に示すように、図示しないレール部材によって用紙搬送方向Xと直行する用紙幅方向Yに移動自在に支持された一対のサイドフェンス34,35が設けられている。各サイドフェンス34,35は給紙トレイ26の内部においてそれぞれ直角に曲折されており、その曲折された部位にはそれぞれラック部34a,35aが形成され、各ラック部34a,35aが互いに対向するように配置されている。各ラック部34a,35a間には、給紙トレイ26の底板に回転自在に支持されたピニオン36が配設されており、ピニオン36は各ラック部34a,35aとそれぞれ噛合している。この構成により、各サイドフェンス34,35のうちの一方を移動させると他方も追随して移動し、印刷用紙Pの幅方向における用紙揃えを容易に行うことができる。
【0026】
一方のサイドフェンス35のラック部35aと対向する部位には、凹凸をなした被検知部35bが形成されており、給紙トレイ26の底板上には被検知部35bを検知可能な複数のセンサー37,38が配設されている。この被検知部35bを各センサー37,38が検知する組み合わせにより、給紙トレイ26上に載置された印刷用紙がB5、A4、B4、A3の何れであるかが検知される。また、各センサー37,38配設位置よりも用紙搬送方向Xの上流側の位置には、給紙トレイ26上に印刷用紙が存在するかしないかを検知するセンサー39が配設されている。センサー39はB5横置き、A4横置きの場合には印刷用紙Pを検知せず、B5縦置き、A4縦置きの場合には印刷用紙Pを検知する位置に配設されている。これにより、B5横置きとB4縦置き、A4横置きとA3縦置きとの判別が可能に構成されている。各センサー37,38,39による印刷用紙Pのサイズ情報は、後述する制御手段118に向けて送られる。
【0027】
給紙トレイ26の上方には、表面に高摩擦抵抗部材を有する給紙ローラー27が配設されている。給紙ローラー27は印刷装置本体9に揺動自在に支持された図示しないブラケットに回転自在に支持されており、給紙トレイ26が図示しない昇降手段によって上昇されたときに所定の圧接力で給紙トレイ26上の最上位の印刷用紙Pに圧接する。給紙ローラー27は図示しない給紙駆動手段によって回転駆動される。
【0028】
給紙ローラー27の左方には、表面にそれぞれ高摩擦抵抗部材を有する上ローラー28aと下ローラー28bとからなる分離ローラー対28が配設されている。上ローラー28aはギヤやベルト等の駆動力伝達手段を介して給紙ローラー27に駆動連結されており、給紙ローラー27の回転駆動時にこれと同期して同方向に回転駆動される。下ローラー28bは図示しない付勢手段の付勢力によって上ローラー28aに圧接されており、上ローラー28aと同方向へのみ回転自在に構成されている。
【0029】
分離ローラー対28の左方にはレジストローラー対29が配設されている。駆動ローラー29aと従動ローラー29bとからなるレジストローラー対29は、図示しない版胴駆動手段からの回転駆動力をギヤやカム等の図示しない駆動力伝達手段によって伝達されることで駆動ローラー29aが版胴10と同期した所定のタイミングで回転し、駆動ローラー29aに圧接された従動ローラー29bとによって印刷用紙Pを印刷部2に向けて所定のタイミングで給送する。
【0030】
分離ローラー対28とレジストローラー対29との間にはガイド板30,31が配設されている。各ガイド板30,31はそれぞれ印刷装置本体9の図示しない側板に固着されており、各ガイド板30,31によって印刷用紙Pの給紙路の前半部が構成されている。レジストローラー対29と印刷部2との間にはガイド板32,33が配設されている。各ガイド板32,33はそれぞれ印刷装置本体9の図示しない側板に固着されており、各ガイド板32,33によって印刷用紙Pの給紙路の後半部が構成されている。
【0031】
印刷部2の左上方には排版部5が配設されている。排版部5は、上排版部材40、下排版部材41、排版ボックス42、圧縮板43等を有している。
上排版部材40は、駆動ローラー44、従動ローラー45、無端ベルト46等を有し、図示しない排版駆動手段によって駆動ローラー44が図の時計回り方向に回転駆動されることにより無端ベルト46が図の矢印方向に移動する。下排版部材41は、駆動ローラー47、従動ローラー48、無端ベルト49等を有し、駆動ローラー44を回転駆動する図示しない排版駆動手段の駆動力をギヤやベルト等の図示しない駆動力伝達手段によって伝達されることで、駆動ローラー47が図の反時計回り方向に回転駆動されることにより無端ベルト49が図の矢印方向に移動する。また、下排版部材41は図示しない移動手段によって移動自在に設けられており、図に示す位置と従動ローラー48の外周面上に位置する無端ベルト49が版胴10の外周面に当接する位置とを選択的に占める。
【0032】
内部に使用済みマスタを貯容する排版ボックス42は、印刷装置本体9に対して着脱自在に設けられている。上排版部材40と下排版部材41とによって運ばれた使用済みマスタを排版ボックス42の内部に押し込む圧縮板43は印刷装置本体9に上下動自在に支持されており、図示しない昇降手段によって上下動される。
【0033】
排版部5の下方には排紙部6が配設されている。排紙部6は、剥離部材50、巻き上げ部材51、排紙搬送部材52、排紙トレイ53等を有している。
剥離部材50は、1個の剥離爪54と送風手段としての剥離ファン55とを有している。剥離爪54は、版胴10の長手方向のほぼ中央部に配置され印刷装置本体9に揺動自在に支持されており、図示しない爪揺動手段によってその先端が版胴10の外周面に近接する図に示す位置と、クランパー18等の障害物を回避するためにその先端が版胴10の外周面から離隔する位置とを選択的に占める。図示しない爪揺動手段は、図示しない版胴駆動手段からの駆動力を図示しない駆動力伝達手段により伝達され、版胴10の回転と同期して剥離爪54を揺動させる。
【0034】
剥離爪54の上方には剥離ファン55が配設されている。剥離ファン55は、本願出願人と同一出願人による特開2000−301818公報に開示されている剥離ファンとほぼ同様の構成を採用しており、ここではその構成を簡単に説明する。
剥離ファン55は、図3に示すように、DCモーターであるファン駆動モーター56によって回転駆動される図示しないファンを備えたファン部55aと、ファン部55aに一体的に連結されファン部55aで生成された風を導くファンダクト部55bと、ファンダクト部55bに揺動自在に支持された可動ダクト部55cとを有している。
【0035】
剥離ファン55は印刷装置本体9に設けられた一対の排紙側板57間に配設されており、ファン部55a及びファンダクト部55bは各側板57間を連結する連結部材58上に固設されている。可動ダクト部55cは送風Aを吐出する送風口55dを有しており、可動ダクト部55cの下方にはダクト駆動モーター59を有する上下変位機構60が配設されている。この上下変位機構60と可動ダクト55cとにより、送風Aの方向を孔版印刷装置1の上下方向である方向Z(以下、上下方向Zという)に変化させる上下風向可変手段61が構成されている。
【0036】
その用紙搬送方向Xの上流端に送風口55dを有する可動ダクト55cは、用紙搬送方向Xの下流側から上流側に向かうに連れてその形状が漸次広口状となるように形成されており、その送風口55dが形成された側と対向する端部の側方に植設された一対の支点ピン62をファンダクト部55bの側壁に一体的に設けられた一対のピン連結部63にそれぞれ係合させることにより、上下方向Zに揺動可能に構成されている。ファンダクト部55bと可動ダクト部55cとは、送風Aを外部に漏らすことなく、かつ上述の揺動を可能とするべく、可撓性を有する合成樹脂あるいはゴム等で形成された連結部材64によって連結されている。
【0037】
上下変位機構60は、各支点ピン62及び各ピン連結部63とを含む連結部構造と、各排紙側板57にそれぞれ設けられた円弧状のラック部57aと、各ラック部57aにそれぞれ噛合する一対のギヤ65と、各ギヤ65を連結する連結軸66と、連結軸66のほぼ中央に固設されたウォームホイール67と、ウォームホイール67に噛合するウォーム68と、ウォーム68を回転駆動するダクト駆動モーター59と、可動ダクト55cの上下方向Zでのホームポジションを検知する第1ホームポジションセンサー69とを有している。
【0038】
ステッピングモーターからなるダクト駆動モーター59は可動ダクト55cの底壁部下面に図示しないブラケットを介して固設されており、さらにこの底壁部下面にはほぼコ字形状を呈するブラケット70の両脚部が固設されている。連結軸66はブラケット70の両脚部を貫通してこれに回転自在に支持されると共に、その両端部には各ギヤ65が固設されている。透過型の光学センサーである第1ホームポジションセンサー69は一方の排紙側板57の内面側に固設されており、これと対向する可動ダクト部55cの側面には、可動ダクト部55cが所定のホームポジションを占めたときに第1ホームポジションセンサー69を横切るドグ55eが一体的に設けられている。可動ダクト部55cのホームポジションは、送風口55d側の上壁部上面がファンダクト部55bの上壁部上面とほぼ同一面をなす位置に設定されている。
上述の構成より、ダクト駆動モーター59が正逆転することによってウォーム68、ウォームホイール67、連結軸66を介して各ギヤ65が回転駆動され、各ギヤ65が各ラック部57a上を転動することにより、可動ダクト部55cが図3に示すホームポジションを起点として下方向に揺動される。
【0039】
さらに可動ダクト部55cには、可動ダクト部55cの内部においてファンダクト部55bから送られた送風Aを送風口55dから吹き出す際に、送風Aの吹き出し面積を用紙幅方向Yにおいて変化させる用紙幅風向可変手段71が設けられている。用紙幅風向可変手段71は、図4、図5に示すように、送風Aの吹き出し面積を用紙幅方向Yにおいて変化させる一対の制風板72,73と、各制風板72,73を移動させる移動機構74とを有している。
【0040】
用紙搬送方向Xに長手方向を有する長方形状を呈した各制風板72,73は、一方の側端部に上下方向に突出した軸部72a,73aをそれぞれ一体的に有しており、各軸部72a,73aをそれぞれ可動ダクト部55cの上壁部及び底壁部に貫通させることでそれぞれ回動自在に支持されている。各軸部72a,73aは、その下部よりも上部の突出量が大きくなるようにそれぞれ配置されており、各軸部72a,73aの上部はそれぞれ可動ダクト部55cの上壁部を貫通してさらに上方に向けて延在している。各制風板72,73は、その他方の側端部が送風口55dの近傍であって可動ダクト部55cから突出しない位置を占めるように配置されている。
【0041】
移動機構74は、制風板駆動モーター75、駆動ギヤ76、ギヤ77,78,79,80、第2ホームポジションセンサー81等を有している。
ステッピングモーターからなる制風板駆動モーター75は、ブラケット82によって可動ダクト部55cの上壁部上面に取り付けられており、その駆動軸75aには駆動ギヤ76が取り付けられている。ギヤ77は軸部72aの上部突出部に取り付けられており、その近傍には駆動ギヤ76及びギヤ77とそれぞれ噛合するギヤ78が、可動ダクト部55cの上壁部上面に植設されたピン78aによって回転自在に支持されている。また、ギヤ80は軸部73aの上部突出部に取り付けられており、その近傍にはギヤ78及びギヤ80とそれぞれ噛合するギヤ79が、可動ダクト部55cの上壁部上面に植設されたピン79aによって回転自在に支持されている。
【0042】
透過型の光学センサーである第2ホームポジションセンサー81は、可動ダクト部55cの上壁部上面であってギヤ77の上面と対向する位置に図示しないブラケットを介して固設されており、これと対向するギヤ77の上面には、各制風板72,73が所定のホームポジションを占めたときに第2ホームポジションセンサー81を横切るドグ77aが一体的に設けられている。各制風板72,73のホームポジションは、図4に示すように各制風板72,73が可動ダクト部55cの広口状内面部の基部に位置する並行内面部とほぼ平行となる位置に設定されており、このときに各制風板72,73間の間隔はB5サイズの印刷用紙Pにおける短辺の幅とほぼ同じ幅に設定されている。
【0043】
上述の構成より、制風板駆動モーター75が正逆転することによって駆動ギヤ76及びギヤ78を介してギヤ77が、また駆動ギヤ76及びギヤ78、ギヤ79を介してギヤ80がそれぞれ回転駆動され、各ギヤ77,80と一体的に設けられた各軸部72a,73aが回動することにより、各制風板72,73が図4に示すホームポジションを起点として互いに離れる方向に開閉される。各制風板72,73は、互いの間隔が最も開いたときに可動ダクト部55cの広口状内面部とほぼ平行となる位置を占め、このときの各制風板72,73間の間隔はA3サイズの印刷用紙Pにおける短辺の幅とほぼ同じ幅に設定されている。すなわち送風口55dの幅は、A3サイズの印刷用紙Pにおける短辺の幅よりも若干大きくなるように設定されている。本実施例において各制風板72,73は、互いの間隔がB5縦サイズ(B5サイズの短辺の長さ)、A4縦サイズ(A4サイズの短辺の長さ)、B5横サイズ(B5サイズの長辺の長さ)、A4横サイズ(A4サイズの長辺の長さ)の何れかとほぼ同じとなる位置を占めるように設定されている。
【0044】
剥離爪54の下方には、排紙側板57に固着された巻き上げ部材51が配設されている。版胴10の幅とほぼ同じ幅を有する板状の巻き上げ部材51は、プレスローラー11によって版胴10の外周面に圧接された印刷用紙Pが自重や自身の腰によって版胴10の外周面から剥離する際に、印刷用紙Pを所定量巻き上げる。例えば印刷用紙Pの幅方向におけるどちらか一方にのみべた画像がある場合には、べた画像のある側とない側とでは版胴10と印刷用紙Pとの密着力が異なり、その剥離位置が異なることに起因して画像濃度むらあるいはマスタへのしわが発生するが、巻き上げ部材51を設けることによりべた画像のない側を強制的に巻き上げることでべた画像がある側と剥離位置を揃えることができ、上述の不具合の発生を防止することができる。
【0045】
巻き上げ部材51の左方に配設された排紙搬送部材52は、駆動ローラー83、従動ローラー84、無端ベルト85、吸引ファン86等を有している。駆動ローラー83は図示しないユニット側板に回転自在に支持されており、図示しない排紙駆動手段によって回転駆動される。従動ローラー84も同側板に回転自在に支持され、駆動ローラー83及び従動ローラー84には複数の開孔を有する複数の無端ベルト85が掛け渡されている。駆動ローラー83、従動ローラー84、無端ベルト85の下方には吸引ファン86が配設されている。排紙搬送部材52は、吸引ファン86の吸引力によって無端ベルト85上に印刷用紙Pを吸引し、駆動ローラー83の回転によって印刷用紙Pを図の矢印方向に搬送する。
排紙搬送部材52によって搬送された印刷用紙Pをその上面に積載する排紙トレイ53は、用紙搬送方向Xに移動自在な一つのエンドフェンス87と、用紙幅方向Yに移動自在な一対のサイドフェンス88とを有している。
【0046】
印刷装置本体9の上部には画像読取部7が配設されている。画像読取部7は、原稿を積載する原稿受け台89、原稿を載置するコンタクトガラス90、原稿を搬送する原稿搬送ローラー対91及び原稿搬送ローラー92、搬送される原稿をガイドするガイド板93,94、原稿をコンタクトガラス90に沿って搬送する複数の原稿搬送ベルト95、読み取られた原稿の排出方向を切り換える切換板96、コンタクトガラス90を除く上記各部材を支持しコンタクトガラス90に対して接離自在に設けられた圧板97、原稿画像を走査して読み取る反射ミラー98,99及び蛍光灯100、走査された原稿画像を収束するレンズ101、収束された画像を処理するCCD等の画像センサー102等を有している。
【0047】
図6は孔版印刷装置1の操作パネルを示している。印刷装置本体9の上部前面に設けられた操作パネル103は、その上面に製版スタートキー104、印刷スタートキー105、試し刷りキー106、連続キー107、クリア/ストップキー108、テンキー109、エンターキー110、プログラムキー111、モードクリアキー112、印刷速度設定キー113、4方向キー114、7セグメントLEDからなる表示装置115、LCDからなる表示装置116、剥離ファン55の風向を切り換える風向切換キー117等を有している。
【0048】
製版スタートキー104は孔版印刷装置1に製版動作を行わせる際に押下され、製版スタートキー104が押下されると排版動作及び原稿読取動作が行われた後に製版動作が行われ、その後、版付け動作が行われて孔版印刷装置1は印刷待機状態となる。印刷スタートキー105は孔版印刷装置1に印刷動作を行わせる際に押下され、孔版印刷装置1が印刷待機状態となり各種印刷条件が設定された後に印刷スタートキー105が押下されることにより印刷動作が行われる。試し刷りキー106は孔版印刷装置1に試し刷りを行わせる際に押下され、各種条件が設定された後に試し刷りキー106が押下されることにより1枚だけ印刷が行われる。連続キー107は製版動作と印刷動作とを連続して行う際に製版スタートキー104の押下前に押下され、連続キー107の押下後、印刷条件が入力された後に製版スタートキー104が押下されると、排版動作、原稿読取動作、製版動作に引き続いて印刷動作が行われる。
【0049】
クリア/ストップキー108は孔版印刷装置1の動作を停止させる際や置数のクリア時に押下され、テンキー109は数値入力に用いられる。エンターキー110は各種設定時に数値等を設定する際に、プログラムキー111はよく行う操作を登録したりそれを呼び出したりする際にそれぞれ押下され、モードクリアキー112は各種のモードをクリアして初期状態に戻す際に押下される。印刷速度設定キー113は印刷動作に先立って印刷速度を設定する際に押下され、濃いめの画像を得たい場合や雰囲気温度が低い場合等には印刷速度を遅く、薄めの画像を得たい場合や雰囲気温度が高い場合等には印刷速度を速く設定する。本実施例では、印刷速度は1速から5速のうちの任意の速度に設定可能に構成されている。4方向キー114は上キー114a、下キー114b、左キー114c、右キー114dを有しており、画像編集時に画像位置を調整する場合や各種設定時に数値や項目等を選択する場合等に押下される。
【0050】
7セグメントLEDからなる表示装置115は、主に印刷枚数等の数字を表示する。LCDからなる表示装置116は階層表示構造となっており、その下方に設けられた選択設定キー116a,116b,116c,116dを押下することにより、変倍や位置調整等の様々なモードへの変更及び各モードでの設定が可能に構成されている。また表示装置116には、図示したように「製版・プリントできます」のような孔版印刷装置1の状態が表示される他、製版あるいは排版ジャム、給紙あるいは排紙ジャム等のアラーム、印刷用紙、マスタ、インキ等のサプライの供給指示等も表示される。
【0051】
剥離ファン55の風向を切り換える風向切換キー117は製版スタートキー104の押下前に押下され、風向切換キー117が押下されることによりダクト駆動モーター59が正転あるいは逆転され、可動ダクト部55cが上下動されて剥離ファン55から送られる送風Aの方向が、本実施例では3段階に切り換えられる。剥離ファン55の風向は、可動ダクト部55cが図1及び図3に示す位置に置かれている状態が標準状態(本実施例では「上」の状態)であり、この標準状態において送風Aは版胴10の外周面と剥離爪54の先端部との間に向けて送られ、剥離爪54によって剥離された印刷用紙Pの先端を版胴10の外周面から剥離させる。標準状態から可動ダクト部55cが下方に1段階移動される(本実施例では「中」の状態)と送風Aの方向が巻き上げ部材51側に若干量移動され、送風Aは印刷用紙Pの先端を版胴10の外周面から剥離させると共に剥離爪54によって版胴10の外周面から剥離された印刷用紙Pの先端を中程度の風圧で下方に押し付けるように作用する。標準状態から可動ダクト部55cが下方に2段階移動される(本実施例では「下」の状態)と送風Aの方向がさらに巻き上げ部材51側に移動され、送風Aは印刷用紙Pの先端を版胴10の外周面から剥離させると共に剥離爪54によって版胴10の外周面から剥離された印刷用紙Pの先端を大きな風圧で下方に押し付けるように作用する。
【0052】
図7は、孔版印刷装置1に用いられる制御手段のブロック図を示している。制御手段118は、内部にCPU119、ROM120、RAM121を有する周知のマイクロコンピューターであり、印刷装置本体9の内部に設けられている。CPU119は、操作パネル103からの各種信号(特に風向切換キー117からの動作信号)及び印刷装置本体9に設けられた各種センサーからの検知信号(特に各センサー37,38,39からの用紙サイズ信号)及びROM120から呼び出された動作プログラムに基づいて、印刷部2、製版部3、給紙部4、排版部5、排紙部6(特にダクト駆動モーター59及び制風板駆動モーター75)、画像読取部7に設けられた各駆動手段の作動を制御し、孔版印刷装置1全体の動作を制御する。ROM120には孔版印刷装置1全体の動作プログラムが記憶されており、この動作プログラムはCPU119によって適宜呼び出される。RAM121は、CPU119の計算結果を一時的に記憶する機能、操作パネル103上の各種キー及び孔版印刷装置1の各種センサーから設定及び入力されたデータ信号及びオン・オフ信号を随時記憶する機能、読み取られた画像データ信号を一時的に記憶する画像メモリとしての機能等を有している。
【0053】
上述の構成に基づき、以下に孔版印刷装置1の動作を説明する。
オペレーターは給紙トレイ26上に印刷に使用される印刷用紙Pを積載し、圧板97を開放してコンタクトガラス90上に印刷すべき原稿を載置した後、再び圧板97を閉じる。その後、印刷すべき原稿の画像に応じて風向切換キー117を押下し、剥離ファン55の向きを設定する。ここで、原稿画像がべた画像を有していない通常の画像(有していても小さい)の場合には剥離ファン55の向きを標準状態である「上」とし、原稿画像が中程度のべた画像を有している場合には剥離ファン55の向きを「中」に、原稿画像が全べた等の大きなべた画像を有している場合には剥離ファン55の向きを「下」にそれぞれ設定する。そして、操作パネル103上の各種キーによって製版条件を設定した後、オペレーターは製版スタートキー104を押下する。
【0054】
製版スタートキー104が押下されると、画像読取部7では原稿画像の読取動作が行われる。原稿画像の読取は、蛍光灯100によって露光された反射光を反射ミラー98,99によって反射することにより行われ、読み取られた原稿画像はレンズ101で収束された後に画像センサー102に入射されて光電変換される。光電変換された電気信号は印刷装置本体9内の図示しないA/D変換器に入力された後、RAM121内に画像データ信号として格納される。
【0055】
なお、圧板97を開放しないで自動的に原稿を搬送する場合には、原稿受け台89上に原稿を載置した状態で製版スタートキー104を押下する。すると原稿搬送ローラー対91が回転を開始し、図示しない原稿の最上位の1枚がコンタクトガラス90上に搬送され、上述と同様にその画像が読み取られる。画像を読み取られた原稿は、原稿搬送ベルト95及び原稿搬送ローラー92によって原稿搬送ベルト95の上部に配設された図示しない原稿トレイに排出される。
【0056】
画像読取部7での画像読取動作と並行して、排版部5では版胴10の外周面から使用済みマスタを剥離する排版動作が行われる。製版スタートキー104が押下されると版胴10が回転を開始し、その外周面上の使用済みマスタの先端が従動ローラー48の外周面上に位置する無端ベルト49と対応する所定の排版位置に達すると、版胴10の回転が停止される。その後、版胴駆動手段及び移動手段が作動し、各駆動ローラー44,47が回転すると共に下排版部材41が版胴10側に移動する。従動ローラー48の外周面上に位置する無端ベルト49が使用済みマスタと当接すると版胴10が再び回転し、無端ベルト49と当接してすくい上げられた使用済みマスタは下排版部材41と上排版部材40とで挟持されて版胴10の外周面より剥離される。剥離された使用済みマスタは下排版部材41と上排版部材40とで搬送されて排版ボックス42内に廃棄された後、圧縮板43によって圧縮される。
外周面上より使用済みマスタが全て剥離された後も版胴10は回転を継続し、所定の給版待機位置まで回転して停止する。版胴10が給版待機位置で停止すると図示しない開閉手段が作動してクランパー18が開放され、孔版印刷装置1は給版待機状態となる。
【0057】
上述の画像読取動作及び排版動作と並行して、製版スタートキー104が押下されると制御手段118からダクト駆動モーター59に動作指令が送られてこれが回転し、前回の印刷において「中」あるいは「下」のうちの何れかの位置に位置決めされていた可動ダクト部55cがホームポジションに戻され、第1ホームポジションセンサー69がドグ55eを検知するとダクト駆動モーター59の作動が停止されて可動ダクト部55cがホームポジションに位置決めされる。なお、前回の印刷時において風向切換キー117が「上」に設定されている場合には、可動ダクト部55cは既にホームポジションである「上」位置に位置決めされているので、制御手段118からダクト駆動モーター59への動作指令は出力されない。
【0058】
次に制御手段118は風向切換キー117からの信号を確認し、風向切換キー117が「中」または「下」に設定されている場合にはダクト駆動モーター59に動作指令を送り、各位置に応じた所定のステップ数だけダクト駆動モーター59を回転駆動させ、可動ダクト部55cを所定の位置に位置決めさせる。なお、風向切換キー117が「上」に設定されている場合には、可動ダクト部55cは既にホームポジションである「上」位置に位置決めされているので、制御手段118からダクト駆動モーター59への動作指令は出力されない。
【0059】
さらに、制御手段118は制風板駆動モーター75に動作指令を送ってこれを回転させ、前回の印刷時において互いの間隔がA4縦サイズ、B5横サイズ、A4横サイズの何れかと同じ間隔となるように位置決めされていた各制風板72,73がホームポジションに戻され、第2ホームポジションセンサー81がドグ77eを検知すると制風板駆動モーター75の作動が停止されて各制風板72,73がホームポジションに位置決めされる。なお、前回の印刷時においてB5縦サイズの印刷用紙Pが使用されている場合には、各制風板72,73は既にホームポジションであるB5縦サイズと同じ間隔となるように位置決めされているので、制御手段118から制風板駆動モーター75への動作指令は出力されない。
【0060】
次に制御手段118は各センサー37,38,39からの信号を確認し、給紙トレイ26上に積載されている印刷用紙PがA4縦サイズ、B5横サイズ、A4横サイズ、B4サイズ、またはA3サイズである場合には制風板駆動モーター75に動作指令を送り、各位置に応じた所定のステップ数だけ制風板駆動モーター75を回転駆動させ、各制風板72,73を所定の位置に位置決めさせる。なお、給紙トレイ26上の印刷用紙PがB5縦サイズである場合には、各制風板72,73は既にホームポジションであるB5縦サイズ位置に位置決めされているので、制御手段118から制風板駆動モーター75への動作指令は出力されない。
【0061】
排版動作が完了して孔版印刷装置1が給版待機状態となると、プラテンローラー20及び各マスタ搬送ローラー対23,24が回転駆動されてマスタロール25aよりマスタ25が引き出される。そして、マスタ25の画像形成領域がサーマルヘッド21の発熱素子と対応する位置に達すると、RAM121内に格納されている画像データ信号が画像処理を施された後に呼び出され、図示しないサーマルヘッドドライバーがサーマルヘッド21の各発熱素子を選択的に発熱させ、これによりマスタ25の熱可塑性樹脂フィルム面に製版画像が形成される。マスタ25は製版されつつクランパー18へと送られ、その先端部がクランパー18によって挟持可能な所定位置まで達すると図示しない開閉手段が作動してクランパー18が閉じられ、マスタ25はその先端部を版胴10の外周面上に保持される。
【0062】
その後、版胴10がマスタ25の搬送速度と同じ周速度で図1において時計回り方向に回転駆動され、マスタ25の版胴10への巻装動作が行われる。そしてRAM121からの画像データ信号が途絶えるとサーマルヘッド21の作動が停止し、1版分のマスタ25が製版搬送されるとプラテンローラー20及び各マスタ搬送ローラー対23,24の回転が停止されると共に可動刃22bが回転移動してマスタ25が切断される。切断されたマスタ25は版胴10の回転によって製版部3より引き出され、版胴10がホームポジションまで回転して停止することで製版動作及び給版動作が完了する。
【0063】
給版動作に引き続き版付け動作が行われる。版胴10がホームポジションで停止すると、給紙ローラー27、上ローラー28a、駆動ローラー83、吸引ファン86、及びファン駆動モーター56がそれぞれ駆動されると共に版胴10が低速で図1の時計回り方向に回転駆動され、給紙トレイ26上に積載された印刷用紙Pの最上位の1枚が引き出されて、その先端をレジストローラー対29に挟持される。そして、版胴10上に巻装されたマスタ25の版胴回転方向における画像領域先端部がプレスローラー11と対応する位置に到達する所定のタイミングで駆動ローラー29aが回転駆動され、引き出された印刷用紙Pは版胴10とプレスローラー11との間に向けて給送される。駆動ローラー29aの回転とほぼ同時にプレスローラー11がその外周面を版胴10の外周面に圧接させ、レジストローラー対29によって給送された印刷用紙Pが版胴10に巻装されたマスタ25に押圧される。この押圧動作によりプレスローラー11と印刷用紙Pとマスタ25と版胴10とが圧接し、インキローラー14によって版胴10の内周面に供給されたインキが版胴10の開孔部より滲出し、版胴10の図示しない多孔性支持板及び図示しないメッシュスクリーン、及びマスタ25の多孔性支持体に充填された後にマスタ25の穿孔部を介して印刷用紙Pに転写され、いわゆる版付けが行われる。
【0064】
版付けにより画像を転写された印刷用紙Pは巻き上げ部材51によって所定量だけ巻き上げられた後、剥離爪54の先端及び剥離ファン55からの送風Aによって版胴10の外周面より剥離されて下方へと落下し、排紙搬送部材52へと送られる。排紙搬送部材52へと送られた印刷用紙Pは、吸引ファン86の吸引力によって無端ベルト85の上面に引きつけられつつ左方へと搬送され、排紙トレイ53上に排出される。その後、版胴10が再びホームポジションまで回転して停止し、版付け動作を終えて孔版印刷装置1は印刷待機状態となる。
【0065】
孔版印刷装置1が印刷待機状態となった後、印刷速度設定キー113及び操作パネル103上の各種キーによって印刷条件を入力した後に試し刷りキー106が押下されると試し刷りが行われる。試し刷りキー106が押下されると、設定された印刷速度で版胴10が回転駆動されると共に給紙部4から印刷用紙Pが1枚給送される。給送された印刷用紙Pはレジストローラー対29で一時停留された後に版付け時と同じタイミングで給送され、プレスローラー11によって版胴10の外周面に圧接される。画像を転写された印刷用紙Pは巻き上げ部材51によって所定量だけ巻き上げられた後、剥離爪54の先端及び剥離ファン55からの送風Aによって版胴10の外周面より剥離され、排紙搬送部材52により搬送されて排紙トレイ53上に排出される。
【0066】
試し刷りにより画像の位置あるいは濃度等が確認され、テンキー109によって印刷枚数が入力された後に印刷スタートキー105が押下されると、給紙部4から印刷用紙Pが連続的に給送され、試し刷りと同条件で印刷動作が行われる。そして、設定された印刷枚数が消化されると版胴10がホームポジションで停止し、孔版印刷装置1は再び印刷待機状態となる。
【0067】
例えば、図8に示すように用紙幅方向Yの片側にのみべた画像部122aを有する印刷物122を得る場合に、巻き上げ部材51を有していない従来の孔版印刷装置では、図9に示すようにべた画像部122a側のみが版胴10上のマスタ25に貼り付き、べた画像部122aを有していない側はマスタ25から離れるので、印刷物122のマスタ25からの剥離状況がその用紙幅方向Yにおいて異なり、マスタ25に対してしわが発生してしまうと共に印刷物122の用紙幅方向Yにおいても濃度差が発生してしまうという問題点があったが、本発明の版付け時、試し刷り時、及び印刷時では巻き上げ部材51が所定量だけ印刷用紙Pを巻き上げることにより、例え用紙幅方向Yの片側にのみべた画像部122aを有する印刷物122を得る場合であっても巻き上げ部材51がべた画像部122aを有していない側の印刷物122を強制的に巻き上げて版胴10との接触状況をほぼ平均化することにより、上述した各問題点の発生を防止することができる。
【0068】
また、各制風板72,73間の間隔を使用する印刷用紙Pの幅に合わせて移動させ、剥離ファン55から送られる送風Aの幅を印刷用紙Pの幅に合わせてこれを印刷用紙Pの用紙幅方向Yに均一に吹き付けることにより、送風Aが剥離爪54の用紙剥離作用を用紙幅方向Yの全域にわたって均一に補助することで印刷用紙P(印刷物122)を用紙幅方向Yにおいて均一に剥離することができ、上述した各問題点の発生をより一層効果的に防止することができると共に、例えば用紙先端部にべた画像部を有する印刷物を剥離する場合であっても、送風Aが剥離爪54の剥離作用を印刷物の全幅にわたって均一かつ効果的に補助するので、良好な剥離を行うことができる。
【0069】
図10は、本発明の第2の実施例を採用した孔版印刷装置を示している。この孔版印刷装置123は、第1の実施例で示した孔版印刷装置1と比較すると、給紙トレイ26に代えて給紙トレイ124を用いる点と、剥離部材50に代えて剥離部材125を用いる点とにおいて相違しており、他の構成は同一である。
給紙トレイ124は給紙トレイ26と比較すると、内部に各センサー37,38,39を有していない点においてのみ相違しており、他の構成は同一である。
【0070】
剥離部材125は剥離部材50と比較すると、1個の剥離爪54に代えて複数の剥離爪126を有する点、及び剥離ファン55を有していない点において相違している。
剥離部材125は、図11に示すように、版胴10の長手方向のほぼ中央部に1個のみ配設された剥離爪126A、互いの間隔S1がB5縦サイズとなるように配設された一対の剥離爪126B、互いの間隔S2がA4縦サイズとなるように配設された一対の剥離爪126C、互いの間隔S3がB5横サイズ(B4サイズ)となるように配設された一対の剥離爪126D、及び互いの間隔S4がA4横サイズ(A3サイズ)となるように配設された一対の剥離爪126Eからなる複数の剥離爪126と、これら複数の剥離爪126をそれぞれ一体的に支持する支軸127と、支軸127に接続され複数の剥離爪126をそれぞれの先端が版胴10の外周面に近接する位置と離間する位置とに揺動させる図示しない爪揺動手段とから主に構成されている。
【0071】
上述の構成に基づき、以下に孔版印刷装置123の動作を説明する。
オペレーターは給紙トレイ124上に印刷に使用される印刷用紙Pを積載し、圧板97を開放してコンタクトガラス90上に印刷すべき原稿を載置した後、再び圧板97を閉じる。そして、操作パネル103上の各種キーによって製版条件を設定した後、オペレーターは製版スタートキー104を押下する。
【0072】
製版スタートキー104が押下されると、画像読取部7において第1の実施例と同様に原稿の読取動作が行われると共に、排版部5において排版動作が行われる。画像読取動作及び排版動作が完了すると、版胴10が給版待機位置で停止すると共に図示しない開閉手段の作動によってクランパー18が開放され、孔版印刷装置123は給版待機状態となる。
【0073】
孔版印刷装置123が給版待機状態となると、第1の実施例と同様に製版部3において製版動作が開始される。製版部3において製版されたマスタ25は、先端部をクランパー18に挟持されることで版胴10の外周面上に保持され、その後、版胴10の回転によって製版部3より引き出されて版胴10の外周面上に巻装される。製版されたマスタ25を外周面上に巻装した版胴10はホームポジションにて停止し、これにより製版動作及び給版動作が完了する。
【0074】
給版動作が完了すると、給紙部4より1枚の印刷用紙Pが給送されると共に版胴10が図10の時計回り方向に低速で回転駆動され、第1の実施例と同様に版付け動作が行われる。印刷用紙Pはレジストローラー対29によって版胴10とプレスローラー11との間に向けて所定のタイミングで給送され、プレスローラー11によって版胴10の外周面に押圧されてインキを転写されることで版付けが行われる。
【0075】
版付けにより画像を転写された印刷用紙Pは巻き上げ部材51によって所定量だけ巻き上げられた後、複数の剥離爪126の先端によって版胴10の外周面より剥離され、排紙搬送部材52によって搬送されて排紙トレイ53上に排出される。排紙後、版胴10はホームポジションまで回転して停止し、版付け動作を終えて孔版印刷装置123は印刷待機状態となる。
【0076】
孔版印刷装置123が印刷待機状態となった後、印刷速度設定キー113及び操作パネル103上の各種キーによって印刷条件を入力した後、試し刷りキー106を押下することにより第1の実施例と同様に試し刷りが行われ、試し刷り後、テンキー109によって印刷枚数が入力された後に印刷スタートキー105を押下することにより、給紙部4より印刷用紙Pが連続的に給送されて第1の実施例と同様に印刷動作が行われる。試し刷り動作後あるいは印刷動作後、版胴10がホームポジションで停止して孔版印刷装置123は再び印刷待機状態となる。
【0077】
上述の版付け時、試し刷り時、及び印刷時において、巻き上げ部材51が所定量だけ印刷用紙Pを巻き上げるので、この第2の実施例においても第1の実施例と同様の作用効果を得ることができる。また、版付け時、試し刷り時、印刷時において、使用される印刷用紙PがB5縦サイズの場合には剥離爪126A及び各剥離爪126Bが印刷用紙Pに接触して印刷用紙Pを用紙幅方向Yにおいて均一に剥離するので、第1の実施例と同様の作用効果を得ることができる。なお、使用される印刷用紙PがA4縦サイズの場合には、印刷用紙Pは剥離爪126A、各剥離爪126B、各剥離爪126Cにより用紙幅方向Yにおいて均一に剥離され、使用される印刷用紙PがB5横サイズあるいはB4サイズの場合には、印刷用紙Pは剥離爪126A、各剥離爪126B、各剥離爪126C、各剥離爪126Dにより用紙幅方向Yにおいて均一に剥離される。そして、使用される印刷用紙PがA4横サイズあるいはA3サイズの場合には、印刷用紙Pは複数の剥離爪126の全て、すなわち剥離爪126A、各剥離爪126B、各剥離爪126C、各剥離爪126D、各剥離爪126Eによって用紙幅方向Yにおいて均一に剥離される。
【0078】
第2の実施例では剥離部材として複数の剥離爪126を有する剥離部材125を用いたが、第2の実施例の変形例として、剥離部材として複数の剥離爪126の上方に送風を行う送風ファンあるいは第1の実施例と同様の剥離ファンを有する構成を採用してもよい。この構成とすることにより、印刷後の印刷用紙Pが複数の剥離爪126から送風によって剥離されるので、印刷後の印刷用紙Pが複数の剥離爪126に擦られることに起因する画像擦れ等の印刷不良の発生を防止することができる。
【0079】
図12は、本発明の第3の実施例を採用した孔版印刷装置を示している。この孔版印刷装置128は、第1の実施例で示した孔版印刷装置1と比較すると、巻き上げ部材51に代えて巻き上げ部材129を用いる点と、制御手段118に代えて制御手段130を用いる点とにおいてのみ相違しており、他の構成は同一である。
【0080】
図13に示すように、版胴10の幅とほぼ同じ幅を有する板状の巻き上げ部材129はその両側端部に脚部129aを有しており、各脚部129aを印刷装置本体9の図示しない側板間に設けられた支軸131に図示しない軸受部材を介して揺動自在に支持されている。各脚部129aには、一端を印刷装置本体9に固着された引張ばね132の他端がそれぞれ取り付けられており、巻き上げ部材129には支軸131を中心に図13において反時計回り方向への回動付勢力が付与されている。また一方の脚部129aには、印刷装置本体9に取り付けられたプッシュ型のソレノイド133のプランジャ133aが取り付けられている。ソレノイド133は、プランジャ133aがプレスローラー11の移動を妨げない位置に配設されている。
【0081】
上述の構成より巻き上げ部材129は、ソレノイド133の不作動時において引張ばね132の付勢力と図示しないストッパーとによってその先端部が版胴10の外周面から離間して印刷用紙Pの通紙を妨げない図の実線位置を占め、ソレノイド133の作動時において印刷用紙Pを所定量巻き上げる図の二点鎖線位置を占める。
【0082】
図14は、孔版印刷装置128に用いられる制御手段130のブロック図を示している。この制御手段130は、第1の実施例で示した制御手段118と比較すると2個のタイマー134,135が接続されている点において相違しており、制御手段130は各タイマー134,135の計時に基づいてソレノイド133の作動を制御している。
【0083】
上述の構成に基づいて、以下に孔版印刷装置128の動作を説明する。
オペレーターは、給紙トレイ26上に印刷用紙Pを積載すると共にコンタクトガラス90上に原稿を載置し、製版条件及び剥離ファン55の向きをそれぞれ設定した後に製版スタートキー104を押下する。すると、画像読取動作及び排版動作が行われると共に可動ダクト部55cが風向切換キー117によって設定された位置を占め、さらに各制風板72,73が各センサー37,38,39からの信号に基づいた位置に位置決めされて孔版印刷装置128は給版待機状態となる。
【0084】
孔版印刷装置128が給版待機状態となると製版部3で製版動作が行われ、製版されたマスタ25は版胴10の外周面にその先端部を保持される。その後、版胴10が回転されることで製版済みのマスタ25が版胴10の外周面に巻装され、製版動作及び給版動作が完了する。
【0085】
給版動作が完了すると、給紙部4より1枚の印刷用紙Pが給送されると共に版胴10が図12の時計回り方向に低速で回転駆動される。給紙トレイ26上より引き出された印刷用紙Pは、レジストローラー対29によって版胴10とプレスローラー11との間に向けて所定のタイミングで給送され、このレジストローラー対29の回転時に各タイマー134,135の計時がそれぞれ開始される。給送された印刷用紙Pはプレスローラー11によって版胴10の外周面に押圧され、版付けが行われる。
【0086】
画像を転写された印刷用紙Pの先端が剥離部材50によって版胴10の外周面から剥離され始めるタイミングで一方のタイマー134がアップし、これに基づいて制御手段130からソレノイド133に作動指令が送られてプランジャ133aが突出して、巻き上げ部材129が図13の二点鎖線位置に位置決めされる。これにより版胴10の外周面から剥離され始めた印刷用紙Pが所定量巻き上げられ、その用紙幅方向Yにおける版胴10の外周面からの剥離が均一に行われる。そして、印刷用紙Pの後端が版胴10とプレスローラー11との接触部を抜ける直前に他方のタイマー135がアップし、これに基づいて制御手段130からソレノイド133に送られていた作動指令が絶たれ、引張ばね132の付勢力によってプランジャ133aが図13の実線位置に戻される。これにより印刷用紙Pは、巻き上げ部材129にその進路を妨げられることなく良好に搬送される。
【0087】
版胴10の外周面より剥離された印刷用紙Pは、排紙搬送部材52によって搬送されて排紙トレイ53上に排出され、その後、版胴10がホームポジションに戻されて版付け動作が完了し、孔版印刷装置128は印刷待機状態となる。その後、印刷条件が設定された後に試し刷りキー106が押下されることで試し刷りが行われ、印刷スタートキー105が押下されることにより印刷が行われる。この試し刷り時及び印刷時においても、巻き上げ部材129は版付け時と同様のタイミングで揺動される。
【0088】
上述の版付け時、試し刷り時、及び印刷時において、巻き上げ部材129が印刷用紙Pの通紙を妨げない位置と印刷用紙Pを所定量巻き上げる位置とを所定のタイミングで選択的に取り得るので、第1の実施例の作用効果に加えて印刷用紙Pの搬送性を向上させることができ、給紙ジャム等の不具合の発生を防止することができる。
【0089】
なお、上記実施例では第1の実施例と同様の給紙トレイ26及び剥離部材50を用いた例を示したが、第2の実施例と同様の給紙トレイ124及び剥離部材125を用いた構成としてもよい。また、上記実施例ではソレノイド133を制御手段130に接続された2個のタイマー134,135による計時に基づいて作動させる構成としたが、版胴10の外周面近傍に印刷用紙Pの有無を検出するセンサーを設け、このセンサーからの出力信号に基づいてソレノイド133の作動を制御する構成等を採用してもよい。
【0090】
図15は、本発明の第4の実施例を採用した孔版印刷装置を示している。この孔版印刷装置136は、第1の実施例で示した孔版印刷装置1と比較すると、巻き上げ部材51に代えて巻き上げ部材137を用いる点、操作パネル103に代えて操作パネル138を用いる点、制御手段118に代えて制御手段139を用いる点において相違しており、他の構成は同一である。
【0091】
図16に示すように、版胴10の幅とほぼ同じ幅を有する板状の巻き上げ部材137はその両側端部に脚部137a,137bを有しており、各脚部137a,137bを印刷装置本体9の図示しない側板間に設けられた支軸140に図示しない軸受部材を介して揺動自在に支持されている。装置手前側に位置する一方の脚部137aは短く形成されており、装置奥側に位置する他方の脚部137bは脚部137aよりも長く形成されていてその端部には扇形ギヤ部137cが形成されている。
【0092】
脚部137bのさらに装置奥側には、その出力軸にピニオンギヤ141が固定された正逆回転可能なステッピングモーター142が配設されている。ステッピングモーター142は図示しないモーターブラケットを介して印刷装置本体9に取り付けられており、ピニオンギヤ141が扇形ギヤ部137cに噛合する位置に設けられている。ステッピングモーター142はその作動を制御手段139によって制御され、巻き上げ部材137を図16に実線で示す位置と二点鎖線で示す位置P1との間の任意の位置に位置決めさせる。各脚部137a,137bは、巻き上げ部材137の揺動時においてプレスローラー11の移動を妨げず、かつ排紙搬送部材52と干渉しない位置に設けられている。
【0093】
図17に示す操作パネル138は、第1の実施例で示した操作パネル103と比較すると、印刷に使用される印刷用紙Pの紙厚を予め設定する紙厚設定キー143を有する点においてのみ相違している。
紙厚設定キー143は、給紙トレイ26上に積載された印刷用紙Pの紙厚を印刷に先立って設定する際に押下される。紙厚設定キー143の左方には、紙厚設定キー143によって設定された紙厚を表示するためのLED143aが配設されている。LED143aは、厚紙用の「厚い」表示、普通使用の「普通」表示、薄紙用の「薄い」表示を備えており、初期状態時には「普通」表示が点灯していて、紙厚設定キー143を押下する毎にこの表示が「普通」から「薄い」、「薄い」から「厚い」、「厚い」から「普通」の順序で切り換えられる。紙厚設定キー143で設定された紙厚設定信号は、制御手段139に向けて送られる。
【0094】
図18は、孔版印刷装置136に用いられる制御手段139のブロック図を示している。この制御手段139は、第3の実施例で示した制御手段130と比較すると、操作パネル138に設けられた紙厚設定キー143からの紙厚設定信号が入力される点において相違しており、制御手段139は紙厚設定キー143からの紙厚設定信号及び各タイマー134,135の計時に基づいてステッピングモーター142の作動を制御している。
【0095】
上述の構成に基づいて、以下に孔版印刷装置136の動作を説明する。
オペレーターは給紙トレイ26上に印刷用紙Pを積載すると共にコンタクトガラス90上に原稿を載置し、製版条件及び剥離ファン55の向き及び紙厚設定キー143による印刷用紙Pの紙厚をそれぞれ設定した後に製版スタートキー104を押下する。すると、画像読取動作及び排版動作が行われると共に可動ダクト部55cが風向切換キー117によって設定された位置を占め、さらに各制風板72,73が各センサー37,38,39からの信号に基づいた位置に位置決めされて孔版印刷装置136は給版待機状態となる。
【0096】
また、これと同時に紙厚設定キー143により設定された紙厚に基づく紙厚設定信号が制御手段139に送られ、制御手段139はステッピングモーター142の作動時におけるステップ数を入力された紙厚設定信号に基づいて設定する。制御手段139は、印刷用紙Pとして薄紙が用いられる「薄い」が選択されたときの紙厚設定信号が入力された場合には、作動時において巻き上げ部材137の先端が図16に符号P1で示す位置を、印刷用紙Pとして普通紙が用いられる「普通」が選択されたときの紙厚設定信号が入力された場合には、巻き上げ部材137の先端が位置P1よりも版胴10から離隔した図16に符号P2で示す位置を、印刷用紙Pとして厚紙が用いられる「厚い」が選択されたときの紙厚設定信号が入力された場合には、巻き上げ部材の先端が位置P2よりも版胴10から離隔した図16に符号P3で示す位置をそれぞれ占めるように、ステッピングモーター142のステップ数を設定する。
【0097】
孔版印刷装置136が給版待機状態となると製版部3で製版動作が行われ、製版されたマスタ25は版胴10の外周面に巻装されて製版動作及び給版動作が完了する。その後、給紙部4より1枚の印刷用紙Pが給送されると共に版胴10が図15の時計回り方向に低速で回転駆動され、版付けが行われる。印刷用紙Pはレジストローラー対29で一時停止された後に所定のタイミングで給送され、レジストローラー対29の回転時に各タイマー134,135の計時がそれぞれ開始される。給送された印刷用紙Pはプレスローラー11によって版胴10の外周面に圧接される。
【0098】
版胴10の外周面に圧接され、画像を転写された印刷用紙Pの先端が剥離部材50によって版胴10の外周面から剥離され始めるタイミングでタイマー134がアップし、これに基づいて制御手段139からステッピングモーター142に作動指令が送られてこれが正転し、巻き上げ部材137の先端が紙厚に応じた位置P1,P2,P3の何れかに位置決めされる。これにより版胴10の外周面から剥離され始めた印刷用紙Pがその紙厚に応じて所定量巻き上げられ、その用紙幅方向Yにおける版胴10の外周面からの剥離が均一に行われる。そして、印刷用紙Pの後端が版胴10とプレスローラー11との接触部を抜ける直前にタイマー135がアップし、これに基づいて制御手段139からステッピングモーター142に作動指令が送られてこれが逆転して、巻き上げ部材137が図16に実線で示す位置に戻される。これにより印刷用紙Pは、巻き上げ部材137にその進路を妨げられることなく良好に搬送される。
【0099】
版胴10の外周面より剥離された印刷用紙Pは、排紙搬送部材52によって搬送されて排紙トレイ53上に排出され、その後、版胴10がホームポジションに戻されて版付け動作が完了し、孔版印刷装置136は印刷待機状態となる。その後、印刷条件が設定された後に試し刷りキー106が押下されることで試し刷りが行われ、印刷スタートキー105が押下されることにより印刷が行われる。この試し刷り時及び印刷時においても、巻き上げ部材137は版付け時と同様のタイミングで同様の位置に揺動される。
【0100】
上述の版付け時、試し刷り時、及び印刷時において、巻き上げ部材137が印刷用紙Pの通紙を妨げない位置と印刷用紙Pをその紙厚に応じて所定量巻き上げる位置とを所定のタイミングで選択的に取り得るので、第3の実施例の作用効果に加えて印刷用紙Pの紙厚に応じた各種不具合、すなわち紙厚が薄く印刷用紙Pに腰がないことによって印刷用紙Pが版胴10の外周面からその用紙幅方向Yにおいて均一に剥離されずにマスタ25や印刷用紙Pにしわが発生する不具合、あるいは紙厚が厚く印刷用紙Pが過剰に巻き上げられることによって印刷用紙Pに折れが生じたり多重印刷となってしまう不具合等の発生を防止することができ、さらに良好な印刷物を得ることができる。
【0101】
この第4の実施例でも給紙トレイ26及び剥離部材50を用いた例を示したが、第2の実施例と同様の給紙トレイ124及び剥離部材125を用いた構成としてもよい。また、上記実施例ではステッピングモーター142を制御手段139に接続された2個のタイマー134,135による計時に基づいて正逆転させる構成としたが、版胴10の外周面近傍に印刷用紙Pの有無を検出するセンサーを設け、このセンサーからの出力信号に基づいてステッピングモーター142の正逆転を制御する構成等を採用してもよい。
【0102】
図19は、本発明の第5の実施例を採用した孔版印刷装置を示している。この孔版印刷装置144は、第4の実施例で示した孔版印刷装置136と比較すると、操作パネル138に代えて操作パネル103を用いる点、画像メモリ145及び画像量検出手段146を有する点、制御手段139に代えて制御手段147を用いる点において相違しており、他の構成は同一である。
【0103】
画像メモリ145は印刷装置本体9内の図示しない基盤上に設けられており、画像メモリ145にはRAM121内に格納された1ページ分の画像データ信号が1ライン毎に送られて格納される。画像量検出手段146は、画像メモリ145から送られる画像データに基づいてサーマルヘッド21の発熱素子を選択的に発熱させる図示しないサーマルヘッドドライバーの内部に設けられており、1ページ分の画像データが有する全ドット数のうちのサーマルヘッド21が発熱するドット数の割合を検出して、これを制御手段147に向けて出力する。
【0104】
図20は、孔版印刷装置144に用いられる制御手段147のブロック図を示している。この制御手段147は、第4の実施例で示した制御手段139と比較すると、紙厚設定キー143からの紙厚設定信号に代えて画像量検出手段146からの画像量検出信号が入力される点において相違しており、制御手段147は画像量検出手段146からの画像量検出信号及び各タイマー134,135の計時に基づいてステッピングモーター142の作動を制御している。
【0105】
上述の構成に基づいて、以下に孔版印刷装置144の動作を説明する。
オペレーターは給紙トレイ26上に印刷用紙Pを積載すると共にコンタクトガラス90上に原稿を載置し、製版条件及び剥離ファン55の向きをそれぞれ設定した後に製版スタートキー104を押下する。
【0106】
製版スタートキー104が押下されると、上記各実施例と同様に排版部5において排版動作が行われる。画像読取部7では画像読取動作が行われ、読み取られた原稿画像はレンズ101で収束された後に画像センサー102に入射されて光電変換される。光電変換された電気信号は印刷装置本体9内の図示しないA/D変換器に入力された後、RAM121内に画像データ信号として格納される。さらに、可動ダクト部55cが風向切換キー117によって設定された位置を占め、各制風板72,73が各センサー37,38,39からの信号に基づいた位置に位置決めされる。その後、版胴10が給版待機位置で停止した後にクランパー18が開放され、孔版印刷装置144は給版待機状態となる。
【0107】
孔版印刷装置144が給版待機状態となると、プラテンローラー20及び各マスタ搬送ローラー対23,24が回転駆動されてマスタロール25aよりマスタ25が引き出される。そして、マスタ25の画像形成領域がサーマルヘッド21の発熱素子と対応する位置に達すると、RAM121内に格納されている画像データ信号が画像処理を施された後に1ライン毎に呼び出されて画像メモリ145に格納された後、画像メモリ145から呼び出された画像データ信号に基づいて図示しないサーマルヘッドドライバーがサーマルヘッド21の各発熱素子を選択的に発熱させ、これによりマスタ25の熱可塑性樹脂フィルム面に製版画像が形成される。このサーマルヘッド21の作動時において画像量検出手段146が画像量を検出し、検出された画像量検出信号が制御手段147に向けて出力される。マスタ25は製版されつつクランパー18へと送られ、その先端部がクランパー18によって挟持可能な所定位置まで達すると図示しない開閉手段が作動してクランパー18が閉じられ、マスタ25はその先端部を版胴10の外周面上に保持される。
【0108】
画像量検出信号を入力された制御手段147は、この信号に基づいてステッピングモーター142の作動時におけるステップ数を設定する。制御手段147は、画像量検出信号として多い画像量を示す信号が入力された場合には、作動時において巻き上げ部材137の先端が図16に符号P1で示す位置を、画像量検出信号として中程度の画像量を示す信号が入力された場合には、巻き上げ部材137の先端が位置P1よりも版胴10から離隔した図16に符号P2で示す位置を、画像量検出信号として少ない画像量を示す信号が入力された場合には、巻き上げ部材の先端が位置P2よりも版胴10から離隔した図16に符号P3で示す位置をそれぞれ占めるように、ステッピングモーター142のステップ数を設定する。
【0109】
製版動作及び給版動作が完了すると、給紙部4より1枚の印刷用紙Pが給送されると共に版胴10が図19の時計回り方向に低速で回転駆動され、版付けが行われる。印刷用紙Pはレジストローラー対29で一時停止された後に所定のタイミングで給送され、レジストローラー対29の回転時に各タイマー134,135の計時がそれぞれ開始される。給送された印刷用紙Pはプレスローラー11によって版胴10の外周面に圧接される。
【0110】
版胴10の外周面に圧接され、画像を転写された印刷用紙Pの先端が剥離部材50によって版胴10の外周面から剥離され始めるタイミングでタイマー134がアップし、これに基づいて制御手段147からステッピングモーター142に作動指令が送られてこれが正転し、巻き上げ部材137の先端が画像量に応じた位置P1,P2,P3の何れかに位置決めされる。これにより版胴10の外周面から剥離され始めた印刷用紙Pがその画像量に応じて所定量巻き上げられ、その用紙幅方向Yにおける版胴10の外周面からの剥離が均一に行われる。そして、印刷用紙Pの後端が版胴10とプレスローラー11との接触部を抜ける直前にタイマー135がアップし、これに基づいて制御手段147からステッピングモーター142に作動指令が送られてこれが逆転して、巻き上げ部材137が図16に実線で示す位置に戻される。これにより印刷用紙Pは、巻き上げ部材137にその進路を妨げられることなく良好に搬送される。
【0111】
版胴10の外周面より剥離された印刷用紙Pは、排紙搬送部材52によって搬送されて排紙トレイ53上に排出され、その後、版胴10がホームポジションに戻されて版付け動作が完了し、孔版印刷装置144は印刷待機状態となる。その後、印刷条件が設定された後に試し刷りキー106が押下されることで試し刷りが行われ、印刷スタートキー105が押下されることにより印刷が行われる。この試し刷り時及び印刷時においても、巻き上げ部材137は版付け時と同様のタイミングで同様の位置に揺動される。
【0112】
上述の版付け時、試し刷り時、及び印刷時において、巻き上げ部材137が印刷用紙Pの通紙を妨げない位置と印刷用紙Pをその画像量に応じて所定量巻き上げる位置とを所定のタイミングで選択的に取り得るので、第3の実施例の作用効果に加えて印刷用紙Pに転写される画像量に応じた各種不具合、すなわち画像量が多いことにより印刷用紙Pが版胴10の外周面から剥離されにくく、その用紙幅方向Yにおいて均一に剥離されずにマスタ25や印刷用紙Pにしわが発生する不具合、あるいは画像量が少ないことにより印刷用紙Pが過剰に巻き上げられて多重印刷となってしまう不具合等の発生を防止することができ、さらに良好な印刷物を得ることができる。
【0113】
この第5の実施例でも給紙トレイ26及び剥離部材50を用いた例を示したが、第2の実施例と同様の給紙トレイ124及び剥離部材125を用いた構成としてもよい。また、上記実施例ではステッピングモーター142を制御手段147に接続された2個のタイマー134,135による計時に基づいて正逆転させる構成としたが、版胴10の外周面近傍に印刷用紙Pの有無を検出するセンサーを設け、このセンサーからの出力信号に基づいてステッピングモーター142の正逆転を制御する構成等を採用してもよい。
【0114】
【発明の効果】
本発明によれば、巻き上げ部材が所定量だけ印刷用紙を巻き上げることにより、例え用紙幅方向の片側にのみべた画像部を有する印刷物を得る場合であっても巻き上げ部材がべた画像部を有していない側の印刷物を強制的に巻き上げて版胴との接触状況をほぼ平均化することにより、マスタに対してしわが発生してしまうと共に印刷物の用紙幅方向においても濃度差が発生してしまうという問題点の発生を防止することができ、良好な印刷物を得ることができる。
【0115】
また、巻き上げ部材を版胴の外周面に対して近接離間自在とすることにより、巻き上げ部材が印刷用紙の通紙を妨げない位置と印刷用紙を所定量巻き上げる位置とを選択的に取り得るので、上述した作用効果に加えて印刷用紙の搬送性を向上させることができ、給紙ジャム等の不具合の発生を防止することができる。
【0116】
さらに、印刷用紙の紙厚あるいは印刷用紙に転写される画像量に応じて巻き上げ部材による印刷用紙の巻き上げ量を変化させることにより、印刷用紙の紙厚あるいは印刷用紙に転写される画像量に応じた各種不具合の発生を防止することができ、さらに良好な印刷物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を採用した孔版印刷装置の概略正面図である。
【図2】本発明の第1の実施例に用いられる給紙トレイを説明する部分斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施例に用いられる剥離ファンを説明する斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施例に用いられる剥離ファンの部分断面平面図である。
【図5】本発明の第1の実施例に用いられる剥離ファンの部分断面側面図である。
【図6】本発明の第1の実施例に用いられる操作パネルの概略図である。
【図7】本発明の第1の実施例に用いられる制御手段のブロック図である。
【図8】本発明の第1の実施例における作用効果を説明するためのべた画像部を有する印刷物の概略図である。
【図9】本発明の第1の実施例における作用効果を説明するための印刷部要部の(a)部分概略正面図(b)部分概略側面図である。
【図10】本発明の第2の実施例を採用した孔版印刷装置の概略正面図である。
【図11】本発明の第2の実施例に用いられる複数の剥離爪を説明する平面図である。
【図12】本発明の第3の実施例を採用した孔版印刷装置の概略正面図である。
【図13】本発明の第3の実施例に用いられる巻き上げ部材を説明する印刷部要部の部分正面図である。
【図14】本発明の第3の実施例に用いられる制御手段のブロック図である。
【図15】本発明の第4の実施例を採用した孔版印刷装置の概略正面図である。
【図16】本発明の第4の実施例に用いられる巻き上げ部材を説明する印刷部要部の部分正面図である。
【図17】本発明の第4の実施例に用いられる操作パネルの概略図である。
【図18】本発明の第4の実施例に用いられる制御手段のブロック図である。
【図19】本発明の第5の実施例を採用した孔版印刷装置の概略正面図である。
【図20】本発明の第5の実施例に用いられる制御手段のブロック図である。
【符号の説明】
1,123,128,136,144 孔版印刷装置
10 版胴
11 押圧部材(プレスローラー)
25 マスタ
50,125 剥離部材
51,129,137 巻き上げ部材
55 送風手段(剥離ファン)
126 複数の剥離爪
P 印刷用紙
Claims (7)
- 外周面にマスタを巻装する版胴と、前記版胴に印刷用紙を押圧して該印刷用紙に画像を転写させる押圧部材と、前記押圧部材により前記版胴の外周面に押圧され画像を転写された前記印刷用紙を剥離する剥離部材とを具備する孔版印刷装置において、
前記剥離部材が前記印刷用紙をその全幅にわたって剥離すると共に、前記印刷用紙を前記版胴の回転方向下流側に向けて巻き上げる巻き上げ部材を有し、該巻き上げ部材は前記版胴の外周面に対して近接離間自在に設けられていることを特徴とする孔版印刷装置。 - 前記剥離部材が複数の剥離爪を有することを特徴とする請求項1記載の孔版印刷装置。
- 前記剥離部材が送風手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の孔版印刷装置。
- 前記巻き上げ部材は前記印刷用紙の先端が前記版胴の外周面より剥離された直後に前記版胴の外周面に近接することを特徴とする請求項1ないし3の何れか一つに記載の孔版印刷装置。
- 前記巻き上げ部材は前記印刷用紙の後端が前記版胴と前記押圧部材との接触部を抜ける直前に前記版胴の外周面より離間することを特徴とする請求項4記載の孔版印刷装置。
- 前記印刷用紙の厚みに応じて近接時における前記巻き上げ部材と前記版胴の外周面との間隔を変化させることが可能であることを特徴とする請求項1ないし5の何れか一つに記載の孔版印刷装置。
- 前記印刷用紙に転写される画像量に応じて近接時における前記巻き上げ部材と前記版胴の外周面との間隔を変化させることが可能であることを特徴とする請求項1ないし5の何れか一つに記載の孔版印刷装置。
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