JP2794513B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents
ハロゲン化銀写真感光材料Info
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Description
料に関し、特に処理時の乾燥性に優れかつ自動現像機で
処理した際のローラーマークの発生を著しく改良する技
術に関するものであり、とりわけ超迅速処理適性を有す
る写真感光材料に関する。
す)の現像工程は高温迅速処理が急速に普及し、各種感
材の自動現像機処理においても、その処理時間は大幅に
短縮されてきた。迅速処理が達成されるためには、短時
間で十分な感度を達成するための現像液および現像進行
性に優れ短時間で十分な黒化度を与える感材、そして水
洗後短時間で乾燥する特性が必要である。感材の乾燥性
を改良するために一般的によく用いられる方法として、
感材の塗布工程で予め十分な量の硬膜剤(ゼラチン架橋
剤)を添加しておき現像−定着−水洗工程での乳剤層や
親水性コロイド層の膨潤量を小さくすることで乾燥開始
前の感材中の含水量を減少させる方法がある。この方法
は硬膜剤を多量に使用すれば、それだけ乾燥時間を短縮
できるが、膨潤量が小さくなることにより、現像がおく
れ低感化や軟調化したり、カバーリングパワーが低下す
ることになる。また、かりに現像進行性が改良できたと
しても高硬膜による定着速度の遅れは残留銀や残留ハイ
ポ、増感色素の残色などの問題を引き起こし処理時間短
縮の障害となっていた。
られており、現像液中の主薬や補助現像主薬の量を増や
したり、現像液のpHを高めたり、処理する温度を上げ
たりできる。しかし、これらの方法はいずれも処理液の
保恒性を損なったり、感度はあげられても軟調化したり
被りやすいなどという欠点があった。
で、平板状粒子を利用する技術が米国特許第4,43
9,520号、第4,425,425号等に記載されて
いる。また、特開昭63−305343号、特開平1−
77047号には(111)面をもつハロゲン化銀粒子
の現像開始点を粒子の頂点および/または陵とその近傍
に制御することにより現像進行性と感度/カブリ比を改
良する技術が開始されている。さらに特開昭58−11
1933号には平板状粒子を用いた親水性コロイド層の
膨潤を200%以下にすることで高いカバーリングパワ
ーを有し、処理時に硬膜を追加する必要のないラジオグ
ラフィー用写真要素が開示されている。これらの公知の
技術は感材の現像進行性を改良するうえでそれぞれに優
れた技術であり利用価値の高いものである。しかし、現
像・定着・水洗の各工程の処理時間を短縮していくと写
真感度の低下の他に、定着性の悪化から残留銀や残留ハ
イポの悪化が起こってくる。また、増感色素による分光
増感が施された感材では残色という問題も表面化する。
これらの写真性以外の問題はハロゲン化銀粒子の改質に
よる改良には限度があり、最終的には膜質の問題に帰着
してしまう。すなわち親水性コロイド層の厚みが定着や
残色を律してしまう状態になり迅速化の障害になってし
まう。
3号、特開昭64−86133号、特開平1−1052
44号、特開平1−158435号、特開平1−158
436号などにはハロゲン化銀乳剤層を含む親水性コロ
イド層を有する側のゼラチン量を2.00〜3.50g
/m2の範囲に調製し、他の技術要素と組み合わせること
で全処理時間が20秒以上60秒未満の超迅速処理を達
成する手段が開示されている。また、特開平2−685
37号には乳剤層に塗設された感光性ハロゲン化銀の銀
とゼラチンの重量比(銀/ゼラチン)を1.5以上に調
製することで超迅速処理を達成する手段が開示されてい
る。さらに、特開昭63−221341号には、乳剤層
中のハロゲン化銀粒子が主に粒子径が粒子厚みの5倍以
上である平板状粒子からなり、ゼラチン量を2.00〜
3.20g/m2としメルティング・タイムを8分以上4
5分以下にすることで全処理時間が20秒以上60秒未
満の超迅速処理を達成する手段が開示されている。
と、ゼラチン量を減量したり銀/ゼラチン比を塗布銀量
を一定に保ちながら高めていくと擦り傷黒化やローラー
マークが著しく悪化していきついには実用的に許容され
得ないレベルとなってしまい、それがために超迅速処理
が可能な商品として完成できなくなってしまうことが判
明した。
た際に、フィルム同志でのこすれ、或いはフィルムが他
の物質でこすられた場合、現像処理後に擦り傷状の黒化
を生ずる現象をいう。また、ローラーマークとは感材を
自動現像機処理したさいに搬送ローラー表面の微細な凹
凸により感材に圧力が加わり結果的に黒斑点状の濃度ム
ラを生じる現象をいう。全処理時間を60秒以下、特に
40秒以下に設定した場合、現像・定着・水洗工程の適
性時間配分をおこなった結果、ゼラチン塗布量は2.5
g/m2以下でないと、自動現像機の設置環境が高湿度だ
ったりした場合、乾燥性に支障のある場合があった。一
方、ゼラチン塗布量のこの様な低減化は、ローラーマー
ク、擦り傷黒化の点で許容されるものではない。
では、乾燥性、圧力性、定着性(もしくは残色性)、の
各性能を満足することはできなかった。
塩構造を有するポリマーを使用すること及び親水性コロ
イドであるゼラチンとともに用いることはよく知られて
いる。例えば特公昭57−53587号、同57−15
375号、西独特許1,745,061号、特公昭49
−23827号、同55−14415号、同55−15
267号、特開昭48−89979号、米国特許第2,
279,410号、同同3,791,831号、特公昭
47−28937号にはカルボキシル基を有するポリマ
ーを写真感光材料の帯電防止に利用する試みが開示され
ている。しかしながら、この種のアニオン性高分子帯電
防止剤により、親水性コロイド層の膨潤率を制御し、感
光材料の乾燥速度を速めることに言及したものではな
い。また、一般にアニオン性帯電防止剤は特定の親水性
コロイド中に多量の割合で用いられ、かつ膜物理性の改
良の為に多量のゼラチン硬化剤を用いることが多く、仮
に本発明の如き処理後の膨潤性の制御による乾燥負荷の
軽減に利用しようとすれば、前記特開昭58−1119
33号に記載のように、残留銀や残留ハイポ等の問題が
生じてしまう。
81号、特開昭53−7231号、同60−12664
4号、同60−156056号、特開平2−20861
号、特公平1−14574号、米国特許第414289
4号には、カルボキシル基を含む高分子マット剤が開示
されている。しかしながら、本来マット剤は0.2ない
し10μm程度の粒子を感光材料の表面に露光させ、表
面上の凹凸によりその機能を発揮させるものであるが、
この様な粗大粒子には本発明の如き、処理後の膨潤性を
制御する機能は十分ではない。
ニウム構造を有する高分子媒染剤とアニオン性染料を含
むアンチハレーション層を含有する感光材料にポリアク
リル酸誘導体を導入することにより、アニオン性染料の
脱色性が改良されることが開示されている。しかしなが
ら、該特許では−COOH含有ポリマーによる処理後膨
潤性制御の記載はなく、また実施態様に記載のアクリル
酸単独重合体では、実質的に硬膜剤を含まない処理での
処理後の膨潤性制御効果に基づく、乾燥性改良効果がな
いことが本発明者らの検討により明らかとなった。
水溶性となる酸成分と含有する繰返し単位を含むポリマ
ーとして、例えば西独特許3608744号に共重合体
ポリマーカプラーの乳化重合物が記載されているが、こ
の種のポリマーは実質的に水あるいはアルカリに不溶性
であるため、上記と同様、処理後の膨潤性を制御する機
能はほとんどない。
に処理時、特に迅速処理において優れた乾燥性を示すハ
ロゲン化銀写真感光材料を提供することにある。本発明
の目的は、第二に、乾燥性に優れ、かつ、ローラーマー
クや擦り傷黒化が十分に実用可能なレベルにあるハロゲ
ン化銀写真感光材料を提供することにある。本発明の目
的は、第三に、上記の目的を満たし、かつ感度の高く、
高いカバーリングパワーを有し、かつ迅速処理適性に優
れたハロゲン化銀写真感光材料を提供することにある。
の手段により達成された。支持体上に、少なくとも一層
のハログン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材
料において、該乳剤層の塗設面側の親水性コロイド層の
少なくとも一層にpH≦6において水に不溶であり、p
H≧10において水に可溶である含−COOHモノマー
またはその塩より誘導され、未中和状態(塩構造をとっ
ていない)では水に不溶で、かつ中和(塩構造)率を5
0〜100%とすることで水溶性とした水溶性重合体を
含有し、かつ写真感光材料を実質的に硬膜剤を含まない
現像液と定着液を用いて現像工程8秒、定着工程7秒、
水洗工程7秒の現像処理したときに、現像工程完了時の
膨潤率に対して水洗工程完了時の膨潤率の比が1.0以
下であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
〜〔III)である。〔I〕 硬膜剤を実質的に含まない現像液と定着液を用い
て現像工程8秒、定着工程7秒、水洗工程7秒で現像処
理するときに、蒸留水による膨潤率に対して水洗工程完
了時の膨潤率の比が1.0以下であることを特徴とする
上記のハロゲン化銀写真感光材料(ここで、蒸留水によ
る膨潤率とは、写真材料を40℃60%RH(=パーセ
ント相対湿度)で16時間インキュベーション処理し、
さらに21℃の蒸留水に3分間浸漬させた時の厚みの変
化率を表す)。〔II〕前記 水溶性重合体とゼラチンの片面あたりの塗
設量の比(ポリマー比)が次式で表され、該ポリマー比
の値が0.01〜0.3であることを特徴とする上記の
ハロゲン化銀写真感光材料。 ポリマー比=(上記水溶性重合体の塗設量)/(上記水
溶性重合体の塗設量+ゼラチンの塗設量)〔III〕 現像処理工程において、処理開始から処理
終了まで(Dry toDry 処理時間)が60秒以
内であることを特徴とする上記のハロゲン化銀写真感光
材料。
明する。含−COOH成分が中和される塩の形で存在す
る場合、アルカリ金属塩(例えばNa、K塩)あるいは
アンモニウム塩(例えば、トリメチルアミン塩)等の形
が好ましく、特にアルカリ金属塩が好ましい。
不溶性、pH≧10で水可溶な疎水性の含−COOHモ
ノマーの例としては、以下の化合物を挙げることができ
る。
1種のみを用いてもよいし、2種以上を共重合して用い
ても構わない。また、本発明の重合体中には上記の疎水
性の含−COOHモノマーまたはその塩以外に、共重合
可能なエチレン性不飽和単量体を共重合してもよい。
ル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルア
ミド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、ビニ
ルケトン類、アリル化合物、オレフィン類、ビニルエー
テル類、N−ビニルアミド類、ビニル異節環化合物、マ
レイン酸エステル類、イタコン酸エステル類、フマル酸
エステル類、クロトン酸エステル類などがある。更に具
体的に挙げるならばたとえば次の様なものが挙げられ
る。メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プ
ロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec
−ブチルアクリレート、オクチルアクリレート、ジエチ
レングリコールモノアクリレート、トリメチロールエタ
ンモノアクリレート、1−ブロモ−2−メトキシエチル
アクリレート、p−クロルフェニルアクリレート、メチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート、
ルアクリルアミド、オクチルアクリルアミド、エチルビ
ニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニル
エーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ビニルア
セテート、ビニルプロピオネート、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−オクテン、イタコン酸ジオクチ
ル、マレイン酸ジヘキシル、スチレン、メチルスチレ
ン、ジメチルスチレン、ベンジルスチレン、クロルメチ
ルスチレン、クロルスチレン、ビニル安息香酸メチル、
ビニルクロルベンゾエート、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、塩化ビニルなどのように、その単独重合
体が水に不溶な疎水性単量体、
ド、N−エチルアクリルアミド、N−n−プロピルアク
リルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N
−ジメチルアクリルアミド、N−アクリロイルモルホリ
ン、N−アクリロイルピペリジン、メタクリルアミド、
N−メチルメタクリルアミド、N−メタクリロイルモル
ホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミ
ドのような単独重合体が水溶性である単量体。
ン酸、無水マレイン酸のようなpH≦6でも水に可溶な
親水性の含−COOH単量体、あるいは、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸(やその塩)、
p−スチレンスルホン酸ソーダ、ホスホノキシエチルメ
タクリレート等の様な他のアニオン性解離基を有する単
量体を用いることもできる。以上の単量体は2種以上用
いてもよい。
−COOH単量体の繰返し単位の組成比は、疎水性含−
COOH単量体の親・疎水性、共重合した単量体の親・
疎水性等によって、種々異なり得るが、好ましくは10
ないし100重量%、特に好ましくは30〜100重量
%である。
膜膨潤制御を効果的に発現させるために、重合体自身が
末中和(塩構造をとっていない)状態では水に不溶で、
かつ、アルカリを−COOH基に対し、ある割合以上添
加することにより、水溶性となるもので、本発明の水溶
性重合体は中和率(=塩基構造をとっているカルボキシ
ル基の割合)は、全カルボキシ基に対し、50〜100
%である。
蒸留水に対し40℃で3%以上可溶なものを指す。以下
に本発明の水溶性重合体の化合物例を例示するが、本発
明がこれらに限定されるものではない(カッコ内は、順
にモノマー成分の重量百分率比、中和率、中和に用いた
アルカリの種類を表す)。
NaOH) P−2 A−1/メチルメタクリレート共重合体(6
0/40,中和率90%,NaON) P−3 A−2単独重合体(100、中和率100
%、NaOH) P−4 A−2/アクリルアミド共重合体(90/1
0,中和率90%、NaOH) P−5 A−2/メタアクリル酸共重合体(95/
5,中和率90%、NaOH) P−6 A−2/メタアクリル酸共重合体(90/1
0,中和率80%、NaOH)
ルアクリレート共重合体(50/20/30,中和率8
0%、NaOH) P−8 A−4単独重合体(100、中和率75%、
KOH) P−9 A−6/スチレン共重合体(70/30,中
和率90%、NaOH) P−10 A−6単独重合体(100、中和率80%、
NaOH) P−11 A−6/エチルメタクリレート共重合体(9
0/10,中和率90%、NaOH) P−12 A−8単独重合体(100、中和率80%、
NaOH)
NaOH) P−14 A−9/メチルメタクリレート/アクリルア
ミド共重合体(60/10/30,中和率90%、KO
H) P−15 A−9/メチルメタクリレート共重合体(7
0/30,中和率80%、NaOH) P−16 A−9/2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト共重合体(50/50,中和率80%、NaOH) P−17 A−9/メタアクリル酸/メチルメタアクリ
レート共重合体(50/20/30,中和率80%、N
aOH)
ト/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸ソーダ共重合体(65/30/5,中和率70%、N
aOH) P−19 A−10/ブチルアクリレート共重合体(6
5/35,中和率80%、NaOH) P−20 A−10/アクリルアミド共重合体(50/
50,中和率30%、NaOH) P−21 A−12単独重合体(100、中和率80
%、NaOH) P−22 A−13/アクリル酸共重合体(95/5,
中和率80%、NaOH) P−23 A−18単独重合体(100、中和率60
%、NaOH)
れているラジカル重合法(例えば、大津隆行、木下雅悦
共著「高分子合成の実験法」化学同人、昭和47年刊、
124〜154頁などに詳しい。)によって行えば良い
が、溶液重合法あるいは乳化重合の後に酸成分を中和す
る方法が特に好ましい。
適当な溶媒(例えば水、あるいは水と水に混和しうる有
機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、アセトン、
N,N−ジメチルホルムアミドなど)との混合溶媒ある
いは有機溶媒のみ)に溶解した後、重合反応を行っても
よいし、また、各モノマーを溶液中に滴下しながら重合
反応を行ってもよい。その際滴下液中に、適当な補助溶
媒(上記に同じ)を用いても構わない。
いし、また、モノマーの段階で予め中和しておいてもよ
い。上記の溶液重合は、通常のラジカル開始剤(例え
ば、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩
酸塩のようなアゾ系開始剤、過硫酸カリウムのような過
酸化物開始剤)を用いて、一般に30℃ないし約100
℃、好ましくは40℃ないし約90℃の温度で行われ
る。
て、水あるいは水と水に混和しうる有機溶媒(たとえば
メタノール、エタノール、アセトン等)の混合溶媒中で
モノマーを乳化させラジカル重合開始剤を用いて一般に
30℃ないし約100℃、好ましくは40℃ないし約9
0℃の温度で行なわれる。水に混和しうる有機溶媒の量
は水に対して体積比で0〜300%、好ましくは0〜1
50%である。
し0.05〜5重量%のラジカル重合開始剤と必要に応
じて0.1〜10重量%の乳化剤を用いて行なわれる。
重合開始剤としては、アゾビス化合物、パーオキサイ
ド、ハイドロパーオキサイド、レドックス触媒など、た
とえば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、tert−ブ
チルパーオクトエート、ベンゾイルパーオキサイド、イ
ソプロピルパーカーボネート、2,4−ジクロロベンゾ
イルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキ
サイド、アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾ
ビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライドなど
がある。乳化剤としてはアニオン性、両性、ノニオン性
の界面活性剤の他、水溶性ポリマーなどがある。たとえ
ばラウリン酸ソーダ、ドデシル硫酸ナトリウム、1−オ
クトキシカルボニルメチル−1−オクトキシカルボニル
メタンスルホン酸ナトリウム、ラウリルナフタレンスル
ホン酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム、ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタ
ンラウリルエステル、ポリビニルアルコール、特公昭5
3−6190号に記載の乳化剤、水溶性ポリマーなどが
ある。
重合開始剤、濃度、重合温度、反応時間などを幅広く、
かつ、容易に変更できることはいうまでもない。以下に
本発明の水溶性重合体の合成例を示す。
スコに、N−オレイル−N−メチルタウライド3.60
g、メタノール100ml、イソプロピルアルコール50
ml、蒸留水860mlを入れ窒素気流下75℃に加熱攪拌
した。
にとかしたものを入れた後、11−アクリルアミドウン
デカン酸(モノマーA−2)120gをメタノール24
0mlにとかしたものを2時間かけて等速滴下した。滴下
完了後75℃で1時間攪拌したのち昇温して、3時間に
わたり、メタノールを留去した。
留水200mlにとかしたものを添加し、1時間攪拌を行
った後濾過して、例示重合体P−3の水溶液1195g
(固型分濃度11.2%)を得た。
コに、6−アクリルアミドヘキサノイックアシド(モノ
マーA−1)20g、エタノール70ml、蒸留水10ml
を入れ80℃に加熱攪拌した。開始剤溶液として、ジメ
チル2,2′−アゾビスイソブチレート0.1gをエタ
ノール10mlにとかしたものを加え、2時間加熱攪拌し
た後、さらに上記と同一組成の開始剤溶液を加え3時間
加熱攪拌を続けた。
留水100mlにとかしたものを加え、昇温加熱し、エタ
ノールを減圧留去した。得られた水溶液を濾過し、例示
化合物P−3の水溶液147.6g(固型分濃度 1
4.8%)を得た。他の例示化合物も上記合成例1また
は2の方法で合成が可能である。本発明の好ましい態様
において、親水性コロイドに添加する共重合体酸ポリマ
ーの分子量は好ましくは5×103 以上、特に好ましく
は1×104 ないし5×106 (いずれも重量平均分子
量)である。また、添加する酸ポリマーの量は、感光材
料の種類等により種々異なるが、0.01g/m2〜2g
/m2が好ましい。より好ましくは0.03g/m2〜1g
/m2である。さらに好ましくは0.05g/m2〜0.5
g/m2である。
ゲン化銀写真感光材料の場合、酸ポリマーは、全部の親
水性コロイド層に入れてもよいし、少くとも1層に入れ
れば、他の層には入れなくてもよい。また2層以上の親
水性コロイド層に本発明の酸ポリマーを塗設する際の各
層の酸ポリマーの量は随意に変えることができる。
は、水に溶解し、該水溶液の添加によって写真材料中に
導入することが必要である。溶解に際しては、適当なア
ルカリ及び塩を用いることが好ましい。また水混和性の
有機溶剤(例えば、アセトン、メタノール、エタノー
ル、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチル
アセトアミドなど)を補助溶剤として用いてもよい。
水層コロイド層を形成する。親水層コロイドとしてはゼ
ラチンが好ましく用いられ、ゼラチンとしては石灰処理
ゼラチンのほか、酸処理ゼラチンや酵素処理ゼラチンを
用いてもよく、また、ゼラチンの加水分解物や酵素分解
物も用いることができる。また、ゼラチン以外の親水性
コロイドもゼラチンと混合して好ましく用いることがで
きる。
分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の
蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、セルロース硫酸エステル類等の如きセル
ロース誘導体、アルギン酸ソーダ、デキストラン、澱粉
誘導体などの糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロ
リドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアク
リルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラ
ゾール等の単一あるいは共重合体の如き多種の合成親水
性高分子物質を用いることができる。これらの中でもゼ
ラチンとともに平均分子量5万以下のデキストランやポ
リアクリルアミドを併用することが好ましい。特開昭6
3−68837号、同じく63−149641号に記載
の方法は本発明でも有効である。
ーを混合後、塗設する場合には該塗設液のpHは、非感
光性層を形成する塗設液では、6.0〜9.0が好まし
い。より好ましくは、6.5〜8.0、さらに好ましく
は7.0〜7.5である。ハロゲン化銀乳剤層を形成す
る塗設液では、5.0〜8.0が好ましい。より好まし
くは、5.5〜7.0、さらに好ましくは、5.8〜
6.5である。
性共重合体と親水性コロイドの比(ポリマー含有比)は
特に制限はないが、次式の値が、0.01〜0.3にな
ることが好ましい。より好ましくは、0.03〜0.2
である。ポリマー比=(酸成分を含有する上記水溶性重
合体の塗設量)/(酸成分を含有する上記水溶性重合体
の塗設量+ゼラチンの塗設量)本発明でいう現像工程完
了時の膨潤率、水洗工程完了時の膨潤率、蒸留水の膨潤
率はそれぞれ次式で表わされる。
真材料を35℃の現像液に8秒間浸漬させた時の層の厚
みを意味する。水洗工程完了時の層の厚みとは、写真材
料を現像工程35℃8秒間、定着工程35℃7秒間、水
洗工程20℃、7秒間の条件にて現像→定着→水洗の順
で連続に処理した時の水洗工程最後の層の厚みを意味す
る。蒸留水浸漬時の層の厚みとは、写真材料を21℃の
蒸留水に3分間浸漬させた時の層の厚みを意味する。な
お、ここで用いられる写真材料は40℃、60%RHの
相対湿度にて16時間インキュベーション処理したもの
とする。
各条件での層の厚みの測定に際しては、米国特許第38
41872号その例12に記載の方法にて(但し、測定
器の測定部分がセラミック製のものを用いる)定義され
る。
像液及び定着液とは、当業界で硬膜剤と称する化合物を
実質的に含有しない現像液及び定着液のことを意味す
る。具体的には、現像液としては、富士写真フイルム
(株)製RD−10を定着液としては富士写真フイルム
(株)製RF−10を挙げることができる。
に対して水洗工程完了時の膨潤率の比が1.0以下にす
ることができる。このことは、現像過程を妨げることな
く、乾燥性に優れた写真材料であることを意味する。本
発明によって、蒸留水の膨潤率に対して、水洗工程完了
時の膨潤率の比が1.0以下にすることができる。この
ことは、現像処理過程を妨げることなく、乾燥性に優れ
た写真材料であることを意味する。
材料は、迅速処理に適している。特に Dry to Dry 処理
時が60秒以内であることが好ましい。より好ましく
は、45秒以内、さらに好ましくは38秒以内である。
ゲン化銀乳剤層が支持体の一方の側に少くとも1層に設
けられるのでもよく、支持体の両方の側に各々少くとも
1層設けられるのでもよい。本発明の感光材料は、必要
があれば感光性ハロゲン化銀乳剤層以外にも親水性コロ
イド層を有することができ、例えば好ましくは保護層が
設けられる。
ダーとして好ましく用いられるゼラチンの塗設される量
は、特に限定はないが、片面あたり、1.5g/m2〜
4.5g/m2が好ましい。また、1.8g/m2〜3.6
g/m2が特に好ましい。本発明の感光材料の蒸留水によ
る膨潤率は、硬膜剤の使用量を変えることによって、自
由に設定することができる。蒸留水による膨潤率として
は特に限定はないが、迅速処理化に伴う残留銀、残留ハ
イポの問題あるいは増感色素による分光増感の施された
感材の残色の問題等を勘案すると200%以上であるこ
とが特に好ましい。
子について説明する。粒子と同一体積の球相当平均粒子
サイズは0.4μm以上であることが好ましい。特に
0.5〜2.0μmであることが好ましい。粒子サイズ
分布は狭い方がよい。乳剤中のハロゲン化銀粒子は立方
体、八面体のような規則的(regular)な結晶形を有する
ものでもよく、また球状、板状、じゃがいも状などのよ
うな変則的な(irregular)な結晶形を有するものでもよ
い。種々の結晶形の粒子の混合から成ってもよい。ハロ
ゲン化銀の組成としては高感度であるという理由で沃臭
化銀が好ましい。
響を与えない程度の微量の塩化銀を含有していてもよい
が望ましくは含有していない方がよい。本発明の乳剤と
しては、単分散性乳剤及び多分散乳剤のどちらも好まし
く用いることができる。本発明に用いられるハロゲン化
銀乳剤はコア・シェル型単分散性乳剤であってもよく、
これらコア・シェル乳剤は特開昭54−48521号等
によって公知である。
粒子は、本発明に対し好ましく用いられる(詳しくは、
リサーチ ディスクロージャー 225巻 Item 22
534P.20〜P.58、1月号、1983年、及び
特開昭58−127921号、同58−113926号
公報に記載されている)。平板状ハロゲン化銀粒子の製
法としては、当業界で知られた方法を適宜、組合せるこ
とにより成し得る。
等に関しては特に制限はなく、例えば特開平2−685
39号公報の以下の該当箇所に記載のものを用いること
ができる。 項 目 該 当 箇 所 1 ハロゲン化銀乳剤とその製 特開平2−68539号公報第8頁右下欄下か 法 ら6行目から同第10頁右上欄12行目。 2 化学増感方法 同第10頁右上欄13行目から同左下欄16行 目。 3 カブリ防止剤・安定剤 同第10頁左下欄17行目から同第11頁左上 欄7行目及び同第3頁左下欄2行目から同第4 頁左下欄。 4 分光増感色素 同第4頁右下欄4行目から同第8頁右下欄。 5 界面活性剤・帯電防止剤 同第11頁左上欄14行目から同第12頁左上 欄9行目。 6 マット剤・滑り剤・可塑剤 同第12頁左上欄10行目から同右上欄10行 目。同第14頁左下欄10行目から同右下欄1 行目。 7 親水性コロイド 同第12頁右上欄11行目から同左下欄16行 目。 8 硬膜剤 同第12頁左下欄17行目から同第13頁右上 欄6行目。 9 支持体 同第13頁右上欄7行目から20行目。 10 染料・媒染剤 同第13頁左下欄1行目から同第14頁左下欄 9行目。 11 現像処理方法 特開平2−103037号公報第10頁右上欄 7行目から同第19頁左下欄15行目。及び特 開平2−115837号公報第3頁右下欄5行 目から、同第6頁右上欄10行目。
る。 実施例1 (乳剤A−1の調製)水1リットル中に臭化カリウム
4.5g、ゼラチン20.6g、チオエーテルHO(CH2)2
S(CH2)2S(CH2)2OHの5%水溶液2.5ccを添加し、60
℃に保った容器中へ攪拌しながら硝酸銀水溶液37cc
(硝酸銀3.43g)と臭化カリムウ2.97gと沃化
カリウム0.363gを含む水溶液33ccをタブルジェ
ット法により添加した。次に臭化カリウム0.9gの水
溶液を添加したのち70℃に昇温して、硝酸銀溶液53
cc(硝酸銀4.90g)を13分かけて添加した。ここ
で25%のアンモニア水溶液15ccを添加、そのままの
温度で20分間物理熟成した後、100%酢酸溶液を1
4cc添加した。引き続いて硝酸銀133.3gの水溶液
と臭化カリウムの水溶液をpAg8.5gを保ちながら
コントロールダブルジェット法で35分間かけて添加し
た。次に2Nのチオシアン酸カリウム溶液10ccと直径
0.07μmのAgI微粒子を全銀量に対して0.05
モル%添加した。5分間そのままの温度で物理熟成した
のち35℃に温度を下げた。こうしてトータル沃化銀含
量0.31モル%、平均投影面積直径1.10μm、厚
み0.165μm、直径の変動係数18.5%の単分散
平板状粒子を得た。この後、沈降法により可溶性塩類を
除去した。再び40℃に昇温してゼラチン30g、フェ
ノキシエタノール2.35g及び増粘剤としてポリスチ
レンスルホン酸ナトリウム0.8gを添加し、苛性ソー
ダと硝酸銀溶液で、pH5.90pAg8.25に調整
した。この乳剤を攪拌しながら56℃に保った状態で化
学増感を施した。まず二酸化チオ尿素0.043mgを添
加し、22分間そのまま保持して還元増感を施した。つ
ぎに4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−
テトラザインデン20mgと増感色素I−1
ム0.83gを添加した。引続きチオ硫酸ナトリウム
1.3mgとセレン化合物
ン酸カリウム90mgを添加し、40分後に35℃に冷却
した。こうして乳剤A−1を調製終了した。
加して、塗布液とした。 ・2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミノ− 1,3,5−トリアジン 72mg ・ゼラチン 後述の表面保護層で使用したゼラチンとの合計 塗布量が表1の値となる量添加した。 ・トリメチロールプロパン 9g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 0.6g ・本発明の水溶性重合体 塗布量が表1の値となる量添加した。 ・硬膜剤 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 蒸留水での膨潤が表2の値になるように調整した。
備した。 表面保護層の内容 ・ゼラチン 塗布量が表1の値となる量添加した。 ・4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3, 3a,7−テトラザインデン 0.015 g/m2
でボールミル処理した。
性剤(TX−200)の6.7%水溶液791mlとを2
リットルのボールミルに入れた。染料20gをこの溶液
に添加した。酸化ジルコニウムのビーズ400ml(2mm
径)を添加し、内容物を4日間粉砕した。この後、1
2.5%のゼラチン160gを添加した。脱泡した後濾
過によって酸化ジルコニウムのビーズを除去した。得ら
れた染料分散物を観察したところ、粉砕された染料の粒
径は直径0.05〜1.15μmにかけての広い分布を
有していて、平均粒径は0.37μmであった。さらに
遠心分離操作を行うことで0.9μm以上の大きさの染
料分子を除去した。こうして染料分散物D−1を得た。
レートフィルム上にコロナ放電処理を行い、下記の組成
より成る第一塗布液を塗布量が5.1ccになるようにワ
イヤーバーコーターにより塗布し、175℃にて1分間
乾燥した。次に反対面でも同様にして第一下塗り層を設
けた。使用したポリエレチンテレフタレートには下記構
造の染料が0.04wt%含有されているものを用い
た。
から成る第二の下塗り層を塗布量が下記に記載の量にな
るように片面ずつ、両面にワイヤーバーコーター方式に
より150℃で塗布・乾燥した。 ・ゼラチン 160mg/m2 ・染料分散物 D−1 (染料固形分として26mg/m2)
出し法により両面に塗布した。片面当りの塗布銀量は
1.75g/m2とした。塗布ゼラチン量と、酸ポリマー
塗布量、蒸留水膨潤率は乳剤層に添加するゼラチンと硬
膜剤量とで調整し、表−2の如く設定した。こうして写
真材料101〜123を得た。
を富士写真フイルム(株)製XレイオルソスクリーンH
R−4を使用して、両側から0.05秒の露光を与え、
感度の評価を行った。露光後、下記に示すような条件で
自動現像機処理を行った。感度は、写真材料102を基
準にして濃度1.0を与えるような露光量の比の逆数で
示した。
製のFPM−9000型 現 像 液 富士写真フイルム(株)製 RD−1
0 定 着 液 富士写真フイルム(株)製 RF−1
0 処理スピード Dry to Dry の処理時間は45秒
況であった。 温 度 補充量 現 像 35℃ 22ml/10×12インチ 定 着 32℃ 30ml/10×12インチ 水 洗 25℃ 3リットル/1分間 乾 燥 45℃
〜123を30.5cm×25.4cmに裁断し、色温度5
400°Kの光源で片側から露光をおこなった。このと
き、露光時間を増減することでローラーマーク評価処理
における濃度がベース濃度を含めて一様に1.0となる
ように調整した。以下の条件で処理した感材に観察され
る黒斑点状のローラーマークを評価した。評価基準は以
下の可能評価によった。 ◎ … ほとんどローラーマークの発生がない ○ … 微かにローラーマークが発生しているが気にな
らない △ … ローラーマークが発生しているが実用的に許容
される × … ローラーマークが多発、濃度ムラも大きく不可
下に示す。 <現像液> 亜硫酸カリウム 40g ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸三ナトリウム 8g 1,4−ジヒドロキシベンゼン 28g 硼酸 10g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.04g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.01g メタ重亜硫酸ナトリウム 5g 酢酸(90%) 13g トリエチレングリコール 15g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.2g S−ニトロインダゾール 0.2g グルタルアルデヒド 2g
況であった。 温 度 補充量 現 像 35℃ 22ml/10×12インチ 定 着 32℃ 30ml/10×12インチ 水 洗 25℃ 3リットル/1分間 乾 燥 45℃ 自動現像機としては富士写真フイルム(株)社製のRN
型を用いて、 Dry toDry の処理時間90秒で処理し
た。
性の評価で使用したものと同一のものを使用した。自動
現像機としてはコニカ(株)社製のSRX−501を改
造してフィルムの搬送スピードを速め、 Dry to Dry の
処理時間が30秒となるようにした。水洗水は1分間に
3リットルの割合でフィルムが通過している間だけ流
し、それ以外の時間は停止した。現像液および定着液の
補充および処理温度は 温 度 補充量 現 像 35℃ 22ml/10×12インチ 定 着 32℃ 30ml/10×12インチ 水 洗 20℃ 3リットル/1分間 乾 燥 55℃ とした。
材料を連続処理した際のフィルムの乾燥性を触感により
官能評価した。フィルムは短辺が搬送方向になるように
して連続的に処理した。結果を表−2にまとめた。 ◎ 30枚目でも、フィルムは暖かく乾燥してでてく
る。まったく問題ない。 ○ 30枚目でも、フィルムは完全に乾燥している。さ
わった時の温度は室温下に放置したフィルムと同程度で
あった。 △ 30枚目で、フィルムはやや冷たいが連続処理した
フィルムは密着するようなことはなく実用的に許容レベ
ル × 30枚目で、フィルムは湿っており未乾である。フ
ィルム同志が接着する。
て、以下の方法により、膨潤率を算出した。現像液とし
ては富士写真フイルム(株)製RD−10、定着液とし
ては富士写真フイルム(株)製RF−10及び水道水を
使用して前述の方法により各工程の膨潤率を算出した。
また、21℃に保った蒸留水を使用して、3分間蒸留水
に写真材料を浸漬することによって、蒸留水膨潤率を算
出した。結果を表2にまとめた。
ローラーマークが劣り、実用レベルでない。また、写真
材料102、103では、乾燥性が悪く、超迅速処理に
供した場合、実用に耐えない。しかしながら、本発明の
水溶性重合体P−1,P−3,P−5,P−10,P−
11を添加した写真材料104〜119では、ローラー
マークは殆ど発生しておらず、乾燥性も十分実用レベル
である。写真性能も、本発明の水溶性重合体を添加する
ことによって、感度が上昇している。また、ポリアクリ
ル酸を添加した写真材料120から123では、乾燥性
の改良効果もなく、ローラーマークの向上効果もない。
従って、本発明の効果は明らかである。
4.5g、ゼラチン12.0g、チオエーテルHO(CH2)2
S(CH2)2S(CH2)2OHの5%水溶液2.5ccを添加し55℃
に保った容器中へ攪拌しながら硝酸銀水溶液37cc(硝
酸銀3.43g)と臭化カリウム2.97gと沃化カリ
ウム0.363gを含む水溶液33ccをダブルジェット
法により37秒間で添加した。つぎに臭化カリウム0.
9gの水溶液を添加した後70℃に昇温して硝酸銀水溶
液53cc(硝酸銀4.90g)を13分間かけて添加し
た。ここで25%のアンモニア水溶液8ccを添加、その
ままの温度で10分間物理熟成したのち100%酢酸溶
液を7cc添加した。引き続いて硝酸銀133.3gの水
溶液と臭化カリウムの水溶液をpAg8.5に保ちなが
らコントロールダブルジェット法で35分かけて添加し
た。次に2Nのチオシアン酸カリウム溶液10ccと直径
0.07μmのAgI微粒子を全銀量にたいして0.0
5モル%添加した。5分間そのままの温度で物理熟成し
たのち35℃に温度を下げた。こうしてトータル沃化銀
含量0.31モル%、平均投影面積直径0.61μm、
厚み0.120μm、直径の変動係数16.5%の単分
散平板状粒子を得た。
た。再び40℃に昇温してゼラチン30gとフェノキシ
エタノール2.35gおよび増粘剤としてポリスチレン
スルホン酸ナトリウム0.8gを添加し、苛性ソーダと
硝酸銀溶液でpH5.90、pAg7.90に調整し
た。この乳剤を攪拌しながら56℃に保った状態で化学
増感を施した。まず二酸化チオ尿素0.043mgを添加
し22分間そのまま保持して還元増感を施した。つぎに
実施例−1と同じ増感色素I−1を250mgを添加し
た。引き続きチオ硫酸ナトリウム、下記セレン増感剤を
6:4のモル比で添加した。
添加して40分後に35℃に冷却した。こうして平板状
粒子A−2の調製を完了した。 (乳剤層塗布液の調製) 平板状粒子A−2のハロゲン化銀1モルあたり下記の薬
品を添加して乳剤層塗布液とした。 ・2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミノ− 1,3,5−トリアジン 72mg ・ゼラチン 表−3に記載 ・本発明の水溶性重合体 表−3に記載 ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 1.8g
どこした厚さ183μmのポリエチレンテレフタレート
フィルム上に、準備した乳剤層塗布液と表面保護層塗布
液を同時押し出し法により、片側に塗布した。塗布銀量
は2.55g/m2となるよう調整した。使用したポリエ
チレンテレフタレートには実施例−1と同じ下記構造の
染料が0.04wt%含有されているものを用いた。 (ハレーション防止層の調整)先の乳剤層と表面保護層
を塗設した側と、支持体に対して反対側にハレーション
防止層と、ハレーション防止層の表面保護層を塗布し
た。各々の層は下記の塗布量となるように調製した。 (ハレーション防止層) ・ゼラチン 1.5g/m2 ・リン酸 5.2g/m2 ・スノーテックスC(日産化学(株)) 固形分量として0.5g/m2 ・ポリスチレンスルホン酸カリウム(平均分子量60万) 25mg/m2 ・ポリマーラテックス(ポリ(エチルアクリレート/メタクリル 酸)=97/3) 0.53g/m2
法により、同時に塗布乾燥した。こうして得られた写真
材料を実施例1と同様の評価を行ない、結果を表−4に
まとめた。
ローラーマークが劣り、実用レベルでない。また、写真
材料202、203では、乾燥性が悪く、超迅速処理に
供した場合、実用に耐えない。しかしながら、本発明の
水溶性重合体P−1,P−3,P−5,P−12,P−
14を添加した写真材料204〜219では、ローラー
マークは殆ど発生しておらず、乾燥性も十分実用レベル
である。写真性も、本発明の水溶性重合体を添加するこ
とによって、感度が上昇している。また、ポリアクリル
酸を添加した写真材料220から223では、乾燥性の
改良効果もなく、ローラーマークの向上効果もない。従
って、本発明の効果は明らかである。
Claims (4)
- 【請求項1】 支持体上に、少なくとも一層のハロゲン
化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料におい
て、該乳剤層の塗設面側の親水性コロイド層の少なくと
も一層にpH≦6において水に不溶であり、pH≧10
において水に可溶である含−COOHモノマーまたはそ
の塩より誘導され、末中和状態(塩構造をとっていな
い)では水に不溶で、かつ中和(塩構造)率を50〜1
00%とすることで水溶性とした水溶性重合体を含有
し、かつ写真感光材料を実質的に硬膜剤を含まない現像
液と定着液を用いて現像工程8秒、定着工程7秒、水洗
工程7秒の現像処理したときに、現像工程完了時の膨潤
率に対して水洗工程完了時の膨潤率の比が1.0以下で
あることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 - 【請求項2】 硬膜剤を実質的に含まない現像液と定着
液を用いて現像工程8秒、定着工程7秒、水洗工程7秒
で現像処理するときに、蒸留水による膨潤率に対して水
洗工程完了時の膨潤率の比が1.0以下であることを特
徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀写真感光材料
(ここで、蒸留水による膨潤率とは、写真材料を40℃
60%RH=(パーセント相対湿度)で16時間インキ
ュベーション処理し、さらに21℃蒸留水に3分間浸漬
させた時の厚みの変化率を表す)。 - 【請求項3】 前記水溶性重合体とゼラチンの片面あた
りの塗設量の比(ポリマー比)が次式で表され、該ポリ
マー比の値が0.01〜0.3であることを特徴とする
請求項1または2に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
ポリマー比=(上記水溶性重合体の塗設量)/(上記水
溶性重合体の塗設量+ゼラチンの塗設量) - 【請求項4】 現像処理工程において、処理開始から終
了まで(Dryto Dry処理時間)が60秒以内で
あることを特徴とする請求項1、2または3に記載のハ
ロゲン化銀写真感光材料。
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