JP3305459B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP3305459B2 JP27464093A JP27464093A JP3305459B2 JP 3305459 B2 JP3305459 B2 JP 3305459B2 JP 27464093 A JP27464093 A JP 27464093A JP 27464093 A JP27464093 A JP 27464093A JP 3305459 B2 JP3305459 B2 JP 3305459B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真感光材料に用いら
れるマット剤に関し、詳しくは塗布液中のマット剤の沈
降が防止され処理時の剥落のないマット剤および該マッ
ト剤を含む写真感光材料に関する。さらに詳しくは、該
マット剤を含むことによる上記の特性を有し、迅速処理
可能な写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、写真感光材料の現像工程は高温迅
速処理が急速に普及し、各種感材の自動現像機処理にお
いても、その処理時間は大幅に短縮されてきた。従っ
て、感材の設計には、できるだけ乾燥速度が速くなるよ
うな努力がなされる。基本的には、感材に塗布されるバ
インダー、特にゼラチン塗布量を低減化して、感材を設
計することになる。しかしながら、乳剤層のゼラチン塗
布量の低減化は、圧力黒化の増大、処理時の黒班点の増
大、処理時の膜の強度低化により膜はがれ等の問題を生
じる。これは当業界で一般的に言われるピックオフのこ
とである。したがって表面保護層のバインダー量の低減
化を主体に低減することが、上記問題に対して好まし
い。
【0003】マット剤は特開昭51−6017号、同6
1−20028号、同53−7231号等に記載してあ
るように、写真感光材料の表面保護層が他の物体と接触
した場合に生じる、接着、スタチックマークの発生、擦
り傷を防止したり、写真感光材料の表面を滑りやすくす
る等の目的で使用される重要な機能をもつ粒子であり、
これらの機能を発揮させるためにマット剤を非感光性保
護層(以下、保護層と称する)に含有させることが常識
となっている。
【0004】その他、合成ポリマーを用いたマット剤と
しては、米国特許3437484号、特開昭60−12
6644号等に記載されているポリメチルメタクリレー
トを中心としたアルキルメタクリレート系ポリマーマッ
ト剤や英国特許645954号や同1055713号等
に記載されているポリスチレン系マット剤である。
【0005】一方、上記で述べた迅速処理化に伴って保
護層中のゼラチン量を低減化すると、塗布液中のゼラチ
ンの保護コロイド性が低下するために塗布液中のマット
剤の沈降が発生しやすくなり、かつ塗布膜においては処
理時にマット剤が剥落するという問題が顕在化した。こ
の種の問題はマット剤を含有する感光材料が安定に製造
できないという点および剥落したマット剤が処理液を汚
染するという点で致命的な欠点となってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、第1
に、低ゼラチン量でも塗布液中の凝集や塗布膜中からの
剥落がなく、良好な耐接着性や滑り性を有するポリマー
マット剤を提供することにある。第2に、マット剤の変
形や割れがないポリマーマット剤を提供することにあ
る。第3に、製造を簡便かつ安価に行うことができ、不
純物の少ないポリマーマット剤を提供することにある。
第4に、上記マット剤を用いることにより、低ゼラチン
量下でもマット剤性能を有し、十分に早い乾燥速度を有
しながら短時間処理で高感化を達成する写真感光材料を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、支持体
上に、少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有
して成るハロゲン化銀写真感光材料の最外層に少なくと
も下記一般式(1)のA、B及びCのモノマーユニット
からなるポリマーマット剤を含有することを特徴とする
ハロゲン化銀写真感光材料によって達成された。 一般式(1)
【0008】
【化2】
【0009】式中、R1 はメチル基またはハロゲン原子
を表し、R2 はメチルまたはエチル基を表す。R3 は水
素原子、メチル基を表し、Lは2価の連結基を表す。p
は0〜2を表し、qは0または1を表す。xは3〜60
モル%、yは30〜96.5モル%、zは0.5〜25
モル%を表す。
【0010】本発明者らは鋭意検討の結果、アルキルメ
タクリレートと不飽和カルボン酸にさらにスチレン誘導
体を共重合することで、懸濁重合適性を付与させうるこ
と、また共重合するスチレン誘導体量を適度に調節する
ことでマット剤の変形や割れをなくすこともできるこ
と、さらに塗布液中のマット剤の凝集や塗布膜からのマ
ット剤の剥落の問題もないマット剤用ポリマー素材を見
出し、本発明の目的を達成しうる以下の手段に至った。
以下に本発明のポリマーマット剤について詳細に説明す
る。本発明のポリマーマット剤は一般式(1)のA、B
及びCのモノマーユニットからなる。Aで表わされるモ
ノマーユニットにおいて、R1 はメチル基またはハロゲ
ン原子を表し、好ましくはメチル基、塩素原子、臭素原
子を表す。Bで表わされるモノマーユニットにおいて、
2 はメチルまたはエチル基を表す。Cで表わされるモ
ノマーユニットにおいて、R3 は水素原子、メチル基、
ハロゲン原子を表す。Lは2価の連結基を表し、好まし
くは下記一般式(2)で表される基である。 一般式(2) −(CO−X1 )r−X2 − 式中X1 は、酸素原子または−NR4 −を表す。ここで
4 は水素原子、アルキル基、アリール基、またはアシ
ル基を表し、それぞれ置換基(例えば、ハロゲン原子、
ニトロ、ヒドロキシルなど)を有してもよい。好ましく
は水素原子、炭素数1ないし10のアルキル基(例え
ば、メチル、エチル、n−ブチル、n−オクチル基な
ど)、アシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル基な
ど)である。X 1 として特に好ましいのは、酸素原子ま
たは−NH−である。rは0または1を表す。
【0011】X2 としては、アルキレン、アリーレン、
アルキレンアリーレン、アリーレンアルキレン、アルキ
レンアリーレンアルキレンを表し、これらのアルキレ
ン、アリーレン、アルキレンアリーレン、アリーレンア
ルキレン、アルキレンアリーレンアルキレンには−O
−、−S−、−OCO−、−CO−、−COO−、−N
H−、−SO2 −、−N(R5 )−、−N(R5 )SO
2 −などが途中に挿入されてもよい。ここでR5 は炭素
数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基を表し、メチ
ル、エチル、イソプロピルなどがある。X2 の好ましい
例として、ジメチレン、トリメチレン、テトラメチレ
ン、o−フェニレン、m−フェニレン、p−フェニレ
ン、−CH2 CH2 OCOCH2 CH2 −、−CH2
2 OCO(C6 4 )−などを挙げることができる。
一般式(1)に含まれる不飽和カルボン酸の具体例とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、CH2 =CHCON
HCH2 CH2 COOH、CH2 =CHCOOCH2
2 COOH、CH2 =CH 6 4 COOH(p)、C
2 =CCH3 CONHCH2 CH2 CH2 COOH、
CH2=CCH3 COO 6 4 COOH(p)、CH2
=CCH3 CONHCH2 CH2 OCO 6 4 COOH
(p)、CH2 =CHCOOCH2 CH2 OCO 6 4
COOH(o)、CH2=CCH3 COOCH2 CH2
OCO 6 4 COOH(o)、CH2 =CHCONH
6 4 COOH(o)、CH2 =CHCOOCH2CH2
OCOCH2CH2 COOH、CH2 =CCH3 CON
6 4 COOH(p)、CH2 =CCH3 COOCH
2 CH2 OCOCH2 CH2 COOH、α−クロルアク
リル酸などがあり、これらのうち、アクリル酸、メタク
リル酸が特に好ましい。本発明のポリマーマット剤は
A、B及びC以外のモノマーユニットを含有してもよ
く、一つの単量体中に2以上の2重結合を有することは
ないものであり、具体的には以下のものが挙げられる。
アクリル酸エステル類としては、メチルアクリレート、
エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソ
プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソ
ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert
−ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシル
アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オク
チルアクリレート、tert−オクチルアクリレート、2−
クロロエチルアクリレート、2−ブロモエチルアクリレ
ート、4−クロロブチルアクリレート、シアノエチルア
クリレート、2−アセトキシエチルアクリレート、ジメ
チルアミノエチルアクリレート、ベンジルアクリレー
ト、メトキシベンジルアクリレート、2−クロロシクロ
ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、
フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアク
リレート、フェニルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、5−ヒドロキシぺンチルアクリレー
ト、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルアクリ
レート、2−メトキシエチルアクリレート、3−メトキ
シブチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレー
ト、2−iso −プロポキシアクリレート、2−ブトキシ
エチルアクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エ
チルアクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチ
ルアクリレート、ω−メトキシポリエチレングリコール
アクリレート(付加モル数n=9)、1−ブロモ−2−
メトキシエチルアクリレート、1,1−ジクロロ−2−
エトキシエチルアクリレート等が挙げられる。
【0012】メタクリル酸エステル類の例としては、n
−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレー
ト、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレ
ート、sec −ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタ
クリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリ
レート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタ
クリレート、クロロベンジルメタクリレート、オクチル
メタクリレート、スルホプロピルメタクリレート、N−
エチル−N−フェニルアミノエチルメタクリレート、2
−(3−フェニルプロピルオキシ)エチルメタクリレー
ト、ジメチルアミノフェノキシエチルメタクリレート、
フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメ
タクリレート、フェニルメタクリレート、クレジルメタ
クリレート、ナフチルメタクリレート、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリ
レート、トリエチレングリコールモノメタクリレート、
ジプロピレングリコールモノメタクリレート、2−メト
キシエチルメタクリレート、3−メトキシブチルメタク
リレート、2−アセトキシエチルメタクリレート、2−
アセトアセトキシエチルメタクリレート、2−エトキシ
エチルメタクリレート、2−iso −プロポキシエチルメ
タクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2
−(2−メトキシエトキシ)エチルメタクリレート、2
−(2−エトキシエトキシ)エチルメタクリレート、2
−(2−ブトキシエトキシ)エチルメタクリレート、ω
−メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(付
加モル数n=6)、アリルメタクリレートなどを挙げる
ことができる。
【0013】ビニルエステル類の例としては、ビニルア
セテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、
ビニルイソブチレート、ビニルカプロエート、ビニルク
ロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルフ
ェニルアセテート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル
などが挙げられる。またオレフィン類の例としてはジシ
クロぺンタジエン、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ぺンテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソ
プレン、クロロプレン、ブタジエン、2,3−ジメチル
ブタジエン等を挙げることができる。スチレン類として
は、例えば、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、
エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチル
スチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、、
トリフルオロメチルスチレン、ビニル安息香酸メチルエ
ステルなどが挙げられる。クロトン酸エステル類の例と
しては、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシルなどが
挙げられる。またイタコン酸ジエステル類としては、例
えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタ
コン酸ジブチルなどが挙げられる。
【0014】マレイン酸ジエステル類としては、例え
ば、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイ
ン酸ジブチルなどが挙げられる。フマル酸ジエステル類
としては、例えば、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチ
ル、フマル酸ジブチルなどが挙げられる。アクリルアミ
ド類としては、アクリルアミド、メチルアクリルアミ
ド、エチルアクリルアミド、プロピルアクリルアミド、
ブチルアクリルアミド、tert−ブチルアクリルアミド、
シクロヘキシルアクリルアミド、ベンジルアクリルアミ
ド、ヒドロキシメチルアクリルアミド、メトキシエチル
アクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミ
ド、フェニルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミ
ド、ジエチルアクリルアミド、β−シアノエチルアクリ
ルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリ
ルアミドなど;メタクリルアミド類、例えば、メタクリ
ルアミド、メチルメタクリルアミド、エチルメタクリル
アミド、プロピルメタクリルアミド、ブチルメタクリル
アミド、tert−ブチルメタクリルアミド、シクロヘキシ
ルメタクリルアミド、ベンジルメタクリルアミド、ヒド
ロキシメチルメタクリルアミド、メトキシエチルメタク
リルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、
フェニルメタクリルアミド、ジメチルメタクリルアミ
ド、ジエチルメタクリルアミド、β−シアノエチルメタ
クリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)メ
タクリルアミドなど;
【0015】アリル化合物、例えば、酢酸アリル、カプ
ロン酸アリル、ラウリン酸アリル、安息香酸アリルな
ど;ビニルエーテル類、例えば、メチルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、
メトキシエチルビニルエーテルなど;
【0016】ビニルケトン類、例えば、メチルビニルケ
トン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケ
トンなど;ビニル異節環化合物、例えば、N−ビニルオ
キサゾリドン、N−ビニルピロリドンなど;グリシジル
エステル類、例えば、グリシジルアクリレート、グリシ
ジルメタクリレートなど;不飽和ニトリル類、例えば、
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど;
【0017】pは0から2を表し、qは0または1を表
す。一般式(1)のマット剤で表される本発明の共重合
体の組成比に関して説明する。xが大きいほど懸濁重合
適性が向上するが、その反面共重合体に占めるスチレン
誘導体の含率が高くなり、マット剤の変形や割れの発
生、およびは乳化分散時に微粒子や大粒子の生成が顕著
になりマット剤製造工程におけるろ過工程でフィルター
の目詰まりなどの製造に支障を来すという不都合を生じ
ることが検討の結果判明した。そのため、xとしては3
〜60モル%、好ましくは3〜50モル%、特に好まし
くは3〜40モル%が適切である。yとしては、30〜
96.5モル%、好ましくは35〜95モル%、特に好
ましくは40〜90モル%が適切である。また、zが小
さすぎるとゼラチンのような親水性保護コロイドとの親
和性が減少するためマット剤の凝集・剥落故障の発生確
率が高くなり、zが大きすぎると写真感光材料のアルカ
リ性の処理液に本発明のマット剤が溶解してしまう。そ
のため、zとしては0.5〜25モル%、好ましくは
0.5〜20モル%、特に好ましくは1〜20モル%が
好ましい。A、B及びC以外のモノマーを含有せしめて
もかまわないが、そのモノマーユニットの割合をz(モ
ル%)とすれば、zは0〜30モル%、好ましくは0〜
25モル%、特に好ましくは0〜20モル%である。従
って、w+x+y+z=100モル%である。
【0018】一般式(1)の化合物の特に好ましい化合
物としては、一般式(1)において、xは3〜40モル
%、yは40〜90モル%、zは0.5〜20モル%の
場合である。ここでx+y+z=100モル%を表す。
【0019】以下に一般式(1)で表されるポリマーの
好ましい例(組成はすべてモル比で示している)を例示
するが、本発明はこれに限定されるものではない。以
下、スチレンはSt、メチルメタクリレートはMMA、
エチルメタクリレートはEMA、メタクリル酸はMA、
アクリル酸はAAで表わす。 (P−1) St(20)MMA(70)MA(10) (P−2) St(15)MMA(75)MA(10) (P−3) St(55)MMA(25)MA(20) (P−4) St(30)MMA(65)MA(5) (P−5) St(7)MMA(90)MA(3) (P−6) St(25)MMA(60)AA(15) (P−7) St(40)MMA(45)AA(15) (P−8) St(20)EMA(70)AA(10) (P−9) St(10)EMA(75)AA(15) (P−10) St(15)EMA(70)MA(15) (P−11) St(10)MMA(80)アクリロイル
オキシエチルオルトフタル酸(10) (P−12) St(15)MMA(75)アクリロイル
オキシエチルサクシネート(10) (P−13) St(18)MMA(75)アクリロイル
オキシエチルサクシネート(7) (P−14) Cl−St(15)EMA(70)アクリロ
イルオキシエチルオルトフタル酸(15) (P−15) p−CH3 −St(40)EMA(55)
メタクリロイルオキシエチルサクシネート(5) (P−16) p−CH3 −St(10)MMA(80)
MA(10) (P−17) p−CH3 −St(15)MMA(80)
AA(5) (P−18) Cl−St(15)MMA(70)MA(1
5) (P−19) Cl−St(3)EMA(92)MA(5) (P−20) Cl−St(10)MMA(80)AA(1
0) (P−21) St(20)MMA(60)MA(10)
EMA(10) (P−22) St(20)MMA(70)MA(5)ブ
チルアクリレート(5) (P−23) Cl−St(10)EMA(65)MA(1
5)St(10)
【0020】これら一般式(1)で表される本発明のポ
リマーの合成には懸濁重合が特に好ましく、J.Polymer
Science:A:Polym.Chem.,24,2517(1986), Rev.Macromol.
Chem.Phys.,215,(1991) 、高分子学会編「高分子科学実
験法」などに記載の方法を参考にして行うと好都合であ
る。目的に応じて、重合開始剤、濃度、重合温度、反応
時間などを幅広くかつ容易に変更できることはいうまで
もない。
【0021】好ましい懸濁重合の方法について以下に説
明する。水相媒体中で重合開始剤および分散剤存在下、
エチレン性不飽和モノマーの重合を行えばよく、必要に
応じて補助溶媒(好ましくは水に混和する有機溶媒、例
えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、2−
プロパノール、アセトン、アセトニトリル等)を水と混
合して用いてもよい。水に混和しうる有機溶媒の量は水
に対して体積比で0〜100%、好ましくは0〜70%
である。
【0022】重合反応は、通常重合すべきモノマーに対
して0.05〜10重量%、好ましくは0.05〜5重
量%のラジカル重合開始剤を用い、一般に30〜100
℃、好ましくは40〜90℃の温度で行われる。重合開
始剤としては、アゾビス化合物、パーオキサイド、ハイ
ドロパーオキサイド、レドックス触媒など、例えば過硫
酸カリウム、過硫酸カリウムと亜硫酸水素ナトリウムの
併用、過硫酸アンモニウム、tert−ブチルパーオク
トエート、ベンゾイルパーオキサイド、イソプロピルパ
ーカーボネート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキ
サイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハ
イドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,
2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス
(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライドなどがあ
る。このうち、使用するモノマーに可溶な開始剤が好ま
しく、具体的には2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、ベン
ゾイルパーオキサイドなどが特に好ましく用いられる。
分散剤としては、塩基性リン酸カルシウム、水酸化アル
ミニウム、炭酸マグネシウムなどの水難溶性無機微粒子
やポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、ポリアクリ
ルアミド、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体な
どの水溶性高分子が挙げられるが、好ましくはポリアク
リル酸塩、ポリメタクリル酸塩、ポリビニルアルコール
が用いられる。
【0023】エチレン性不飽和モノマーの添加は、予め
水相媒体中に混合してもよいが、数分ないし5時間程度
かけて滴下してもよい。また、重合開始剤はエチレン性
不飽和モノマーの添加後に投入してもよいし、エチレン
性不飽和モノマーと同時、あるいは添加前に投入しても
構わない。本発明のエチレン性不飽和モノマーの重合反
応においては、ゲル化等によるポリマーの不溶化が起こ
らない範囲内ならば重合開始剤、濃度、重合温度、反応
時間などを幅広くかつ容易に変更できることはいうまで
もない。本発明のために用いられるポリマーの分子量
は、通常約3千以上のものが用いられ、好ましくは1万
〜100万程度のものが用いられる。しかし、これらの
値は、本発明の効果をうるための臨界的な値ではない。
【0024】以下に本発明のポリマーの合成例を示す。 合成例1(例示化合物P−1の懸濁重合) 攪拌装置、還流冷却管、温度計を装着した2リットル三
ツ口フラスコにポリアクリル酸ナトリウム1.44g、
蒸留水600mlを入れ、ポリアクリル酸ナトリウムを
十分膨潤させた後に、85℃で加熱攪拌してポリアクリ
ル酸ナトリウムを溶解させた。次にスチレン41.86
g、メタクリル酸メチル140.84g、メタクリル酸
17.30gの混合液、さらにジメチル2,2’−アゾ
ビスイソブチレート6.00gを2−プロピルアルコー
ル254mlに溶解したものを加えて、窒素気流下6時
間加熱攪拌を続けた。ポリマー懸濁液を室温程度までに
冷却した後、それをろ過し、得られたポリマーを蒸留水
で十分洗浄し、送風乾燥機(送風温度55℃)により乾
燥した。乾燥時間5時間後のポリマーの固形分は99.
2wt%であった。一連の操作により粒径約1mmの粒
子として例示化合物P−1を192.23g得た。得ら
れたポリマーをアセトンに溶解し、ガスクロマトグラフ
ィー(カラム:Gaskuropack54)により残
存モノマーを定量したところ、スチレン0.03wt
%、メタクリル酸メチル0.18wt%、メタクリル酸
0.08wt%の残存モノマーを有することがわかっ
た。
【0025】合成例2(例示化合物P−9の懸濁重合) 合成例1において、添加するモノマーをスチレン19.
51g、メタクリル酸エチル160.26g、アクリル
酸20.24gとした以外は、合成例1と全く同じ方法
で例示化合物P−9を191.50g得た。
【0026】次に本発明のポリマーを用いたマット剤に
ついて述べる。本発明のマット剤はゼラチン等の分散媒
の水溶液に前述のポリマーの有機溶媒溶液を添加し、乳
化分散後脱溶媒する方法により製造される。マット剤の
分散媒には様々な水溶性ポリマーを用いることができ、
ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリア
クリルアミドなども好ましいが、ゼラチンが特に好まし
い。その分散媒の濃度は12重量%以下が好ましく、さ
らには7重量%以下が好ましい。
【0027】ポリマーを溶解する有機溶媒は、ポリマー
を溶解し、脱溶媒時の負荷の少ないものがよく、クロロ
ホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、アセトン、テト
ラヒドロフランなどが好ましく、ジクロロメタンが特に
好ましい。乳化分散時の温度は、5〜80℃が好ましい
が、5〜50℃が特に好ましい。乳化分散に用いる界面
活性剤としては、カチオン性、アニオン性、ノニオン性
のいずれの界面活性剤を用いることができ、テトラデシ
ルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ヘキサデシルオキ
シプロピルスルホン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリ
ウム、オレイン酸ナトリウム、リノール酸ナトリウム、
ドデシル硫酸ナトリウム、オレイル−N−メチルタウラ
イドナトリウムなどアニオン性の界面活性剤が特に好ま
しい。また、脱溶媒は用いた有機溶媒が留去できる温度
と減圧度を適宜選択することができる。
【0028】保護層に含有せられるマット剤の塗布量と
しては0.001〜0.3g/m2、特に0.01〜0.
15g/m2が好ましく、マット剤の平均粒子サイズとし
ては2〜15μm、特に2〜8μmであることが好まし
い。この場合、全塗布量のうち30重量%以上、好まし
くは50重量%以上が本発明のマット剤であれば本効果
を発揮できる。またこの場合に併用する本発明のマット
剤は特に限定されず、例えばポリメチルメタクリレー
ト、ポリスチレンのような有機化合物でもよく、二酸化
ケイ素のような無機化合物でもよい。さらに本発明では
本発明のマット剤どうしを2種以上混合して用いてもそ
の効果は十分に発揮される。本発明において感光材料中
に用いられる全マット剤の70重量%以上、好ましくは
80重量%、特に好ましくは90重量%以上が保護層に
存在することが好ましい。
【0029】上記の通り、本発明のマット剤の平均粒径
は2μm以上が好ましいが、その粒子径分布としては特
に3μm以上と3μm以下に粒径サイズ分布の極大を有
するものが好ましい。これは、3μm以上のマット剤が
感材のはく離性を制御するのに対し3μm以下のマット
剤が主に感材のすべり性や光沢を制御するためである。
通常塗布液中の沈降や処理時の剥落を起こすのは、この
3μm以上の粒子である。本発明は、この3μm以上の
成分において特に有効である。
【0030】本発明のマット剤は、高温迅速処理化に伴
う感材設計上の最外層のゼラチン量の低減化において特
に有効であり、最外層のゼラチン量が好ましくは塗布量
0.3以上0.7g/m2以下、さらに好ましくは0.5
g/m2以下の場合でも、塗布液中のマット剤の沈降や処
理時のマット剤の剥落の防止に有効性を示す。
【0031】
【実施例】
実施例1 平板状粒子乳剤の調製 水1リットル中に臭化カリウム6.0g、平均分子量1
万5千の低分子量ゼラチン7.0gを添加し55℃に保
った容器中へ攪拌しながら硝酸銀水溶液37cc(硝酸銀
4.00g)と臭化カリウム5.9gを含む水溶液38
ccをダブルジェット法により37秒間で添加した。つぎ
にゼラチン18.6gを添加した後70℃に昇温して硝
酸銀水溶液89cc(硝酸銀9.80g)を22分間かけ
て添加した。ここで25%のアンモニア水溶液7ccを添
加、そのままの温度で10分間物理熟成したのち100
%酢酸溶液を6.5cc添加した。引き続いて硝酸銀15
3gの水溶液と臭化カリウムの水溶液をpAg8.5に
保ちながらコントロールダブルジェット法で35分かけ
て添加した。次に2Nのチオシアン酸カリウム溶液15
ccを添加した。5分間そのままの温度で物理熟成したの
ち35℃に温度を下げた。平均投影面積直径1.10μ
m、厚み0.165μm、平均アスペクト比6.7、直
径の変動係数18.5%の単分散純臭化銀平板状粒子を
得た。この後、沈降法により可溶性塩類を除去した。再
び40℃に昇温してゼラチン30gとフェノキシエタノ
ール2.35gおよび増粘剤としてポリスチレンスルホ
ン酸ナトリウム0.8gを添加し、苛性ソーダと硝酸銀
溶液でpH5.90、pAg8.00に調整した。この
乳剤を攪拌しながら56℃に保った状態で化学増感を施
した。まずチオスルフォン酸化合物−1を1×10-5
ル/モルAg添加し、チオスルフォン酸化合物−1
【0032】
【化3】
【0033】さらに二酸化チオ尿素0.043mgを添加
し22分間そのまま保持して還元増感を施した。つぎに
平均球相当径0.03μmのAgI微粒子をハロゲン化
銀1モルあたり0.2モル%相当を添加した。つぎに4
−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラ
ザインデン20mgと増感色素
【0034】
【化4】
【0035】を添加した。さらに塩化カルシウム0.8
3gを添加した。引き続きチオ硫酸ナトリウム1.3mg
とセレン化合物−1を2.7mgを加え、さらに塩化金酸
2.6mgおよびチオシアン酸カリウム90mgを添加し4
0分後に35℃に冷却した。セレン化合物−1
【0036】
【化5】
【0037】こうして平板状粒子乳剤T−1を調製完了
した。
【0038】マット剤粒子ゼラチン分散物の調製 水1リットルにゼラチン100gを膨潤・溶解した溶液
を30℃に保ち、その容器に500mlの水にオレイル−
N−メチル−タウリンナトリウム塩 3.0gを溶解し
た液および850mlの塩化メチレンに本発明のマット剤
ポリマー 300g溶解した液を加え、目標のマット剤
粒子の平均粒径を得るために攪拌速度・時間を種々変更
し乳化分散した。乳化後、この液から減圧留去により塩
化メチレンを除き、直径12cmのFGフィルター(富士
フイルム製、30μm)でろ過を行い、マット剤粒子ゼ
ラチン分散物を調製した。
【0039】塗布試料の調製 ハロゲン化銀1モルあたり下記の薬品を添加して塗布液
とした塗布試料を作製した。 ・ゼラチン(乳剤中のGelも含め) 108g ・トリメチロールプロパン 9g ・デキストラン(平均分子量3.9万) 18.5g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 1.8g ・硬膜剤 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 膨潤率が230%の値になるように添加量を調整
【0040】
【化6】
【0041】
【化7】
【0042】表面保護層はで調製したマット剤粒子分
散物を用いて各成分が下記の塗布量となるように調製準
備した。 表面保護層の内容 塗布量(g/m2) ・ゼラチン 0.900 ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 0.023 ・4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7− テトラザインデン 0.015
【0043】
【化8】
【0044】 ・プロキセル(NaOHでpH7.4に調整) 0.0005 ・マット剤 0.100 ここで表1のように添加するマット剤粒子分散物の種類
を変え、塗布液の粘度が0.25ポアズになるように加
水して塗布試料1−1〜9を作成し、これら表面保護層
塗布液中での40℃24時間静置後の全マット剤添加量
に対するマット剤の沈降量の割合を示した。本発明のマ
ット剤は、塗布液中でマット剤の沈降の防止に優れた効
果を示した。
【0045】
【表1】
【0046】ここで支持体は、以下の様に調整した。 支持体の調製 (1) 下塗層用染料D−1の調製 下記の染料を特開昭63−197943号に記載の方法
でボールミル処理した。
【0047】
【化9】
【0048】水434mlおよび Triton X−200界面
活性剤(TX−200)の6.7%水溶液791mlとを
2リットルのボールミルに入れた。染料20gをこの溶
液に添加した。酸化ジルコニウム(ZrO)のビーズ4
00ml(2mm径)を添加し内容物を4日間粉砕した。こ
の後、12.5%ゼラチン160gを添加した。脱泡し
たのち、濾過によりZrOビーズを除去した。得られた
染料分散物を観察したところ、粉砕された染料の粒径は
直径0.05〜1.15μmにかけての広い分野を有し
ていて、平均粒径は0.37μmであった。さらに、遠
心分離操作をおこなうことで0.9μm以上の大きさの
染料粒子を除去した。こうして染料分散物D−1を得
た。 (2) 支持体の調製 二軸延伸された厚さ183μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルム上にコロナ放電処理をおこない、下記の
組成より成る第1下塗液を塗布量が5.1cc/m2となる
ようにワイヤーバーコーターにより塗布し、175℃に
て1分間乾燥した。次に反対面にも同様にして第1下塗
層を設けた。使用したポリエチレンテレフタレートには
下記構造の染料が0.04wt%含有されているものを
用いた。
【0049】
【化10】
【0050】 ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス溶液 (固型分40%ブタジエン/スチレン重量比=31/69) 79cc 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム 塩4%溶液 20.5cc 蒸留水 900.5cc
【0051】
【化11】
【0052】上記の両面の第1下塗層上に下記の組成か
らなる第2の下塗層を塗布量が下記に記載の量となるよ
うに片側ずつ、両面にワイヤー・バーコーター方式によ
り150℃で塗布・乾燥した。 ・ゼラチン 160mg/m2 ・染料分散物D−1(染料固型分として26mg/m2
【0053】
【化12】
【0054】 ・マット剤 平均粒径 2.5μmのポリメチルメタクリレート 2.5mg/m2
【0055】写真材料の調整 準備した支持体上に先の乳剤層と表面保護層を同時押し
出し法により両面に塗布し、感材2−1〜9を調製し
た。片面当りの塗布銀量は1.75g/m2とした。塗布
ゼラチン量と液体窒素による凍結乾燥法によりもとめる
膨潤率は乳剤層に添加するゼラチンと硬膜剤量とで調整
した。
【0056】(処理) 自動現像機・・・・富士フイルム社製FPM−9000
の駆動モーターとギア分を改造して搬送スピードを速め
た。 <現像液濃縮液> 水酸化カリウム 56.6g 亜硫酸ナトリウム 200g ジエチレントリアミン五酢酸 6.7g 炭酸カリ 16.7g ホウ酸 10g ヒドロキノン 83.3g ジエチレングリコール 40g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−3− ピラゾリドン 22.0g 5−メチルベンゾトリアゾール 2g
【0057】
【化13】
【0058】水で1リットルとする(pH10.60に
調整)。
【0059】 <定着液濃縮液> チオ硫酸アンモニウム 560g 亜硫酸ナトリウム 60g エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム・二水塩 0.10g 水酸化ナトリウム 24g 水で1リットルとする(酢酸でpH5.10に調整する)。 現像処理をスタートするときには自動現像機の各タンク
に以下の如き処理液を満たした。 現像タンク:上記現像液濃縮液331、水667ml及び
臭化カリウム2gと酢酸1.8gとを含むスターター1
0mlを加えてpHを10.25とした。 定着タンク:上記定着液濃縮液200ml及び水800ml 処理スピード…… Dry to Dry 35秒 現像温度…………35℃ 定着温度…………32℃ 乾燥温度…………55℃ 補充量 …………現像液 22ml/10×12インチ 定着液 30ml/10×12インチ
【0060】この様にして作製した塗布感材2−1〜9
を18cm×38cmの大きさに各々600枚裁断し、その
各々について富士写真フイルム社製CEPROS−M自
現機とオートフィーダーを用いて定着液の補充を行なわ
ずに、ランニング処理を行なった。600枚処理後定着
液を1リットルサンプリングし、富士写真フイルム社製
FM−22、47−00フィルターにて濾過を行ない、
濾過物の重量を測定したところ表2の結果を得た。又、
濾過残留物について電子顕微鏡で確認したところ、マッ
ト剤であることが確認された。
【0061】また、各々の感材600枚を25℃、25
%の条件下にランニングしたときの搬送不良の発生回数
を同じく表2にまとめた。ここでいう搬送不良とは、フ
ィルター搬送時の多数枚同時送りやローラー搬送時のひ
っかかりを指す。また、処理後の試料の表面を電子顕微
鏡で観察し、マット剤が溶解または割れ・変形などなく
原形(現像処理前と同じ形)をとどめているかを識別
し、結果を表2にまとめた。以上の結果から、本発明の
感材が処理時のマット剤の剥落・搬送不良がほとんどな
く、マット剤の割れ・変形がない大変優れたものである
ことがわかる。
【0062】
【表2】
【0063】実施例2 実施例1に対し表面保護層塗布液中のゼラチン塗布量を
0.65g/m2とする以外は、まったく同様にして、実
施例1で作成した感材2−1〜9に対応する感材3−1
〜9を作製し、まったく同様にして表面保護層塗布液静
置沈降試験とランニング処理でのマット剤剥落、搬送不
良の試験および処理後のマット剤の形状観察を行なった
ところ表3の結果を得た。これより特にゼラチン塗布量
の少ないところでの本発明感材のすぐれた性能が確認で
きた。
【0064】
【表3】
【0065】実施例3 実施例1に対し、表面保護層塗布液中の下記化合物
【0066】
【化14】
【0067】を、15mg/m2の塗布量相当まで低下させ
る以外は、まったく同様にして塗布液ならびに塗布試料
を実施例1の2−1〜9に対応して4−1〜9として作
成した。これらの塗布液を実施例1と同じ静置試験法で
評価したところ、いずれも10%以下しかマット剤が沈
降しなかった。しかしながら、これらの感材を、25℃
10%の条件下で、実施例1記載の自現機処理をしたと
ころ、いずれの感材もスターチックマークが発生して、
かぶってしまった。したがってポリエチレンオキサイド
含量を下げてしまうと塗布液の沈降は、防げてもハンド
リング上好ましい感材を作れないことが確認された。
【0068】実施例4 実施例1、2に記載の本発明感材について以下に示す写
真性能評価を行なった。 (写真性能の評価)富士写真フイルム(株)製のXレイ
オルソスクリーンHR−4を使用して両側から0.05
秒の露光を与え評価を行なった。この実験に用いた自現
機は、富士写真フイルム社製自現機FPM−9000型
を改造したものであり、その処理工程は下記表4の通り
である。
【0069】
【表4】
【0070】処理液については次の通りである。 現像処理 濃縮液の調製 <現像液> パーツ剤A 水酸化カリウム 270g 亜硫酸カリウム 1125g 炭酸ナトリウム 450g ホウ酸 75g ジエチレングリコール 150g ジエチレントリアミン五酢酸 30g 1−(N,N−ジエチルアミノ)エチル−5−メルカプト テトラゾール 1.5g ハイドロキノン 405g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−3− ピラゾリドン 30g 水を加えて 4500ml パーツ剤B テトラエチレングリコール 750g 3,3′−ジチオビスヒドロ桂皮酸 3g 氷酢酸 75g 5−ニトロインダゾール 4.5g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 67.5g 水を加えて 1000ml パーツ剤C グルタールアルデヒド(50wt/wt%) 150g 臭化カリウム 15g メタ重亜硫酸カリウム 120g 水を加えて 750ml
【0071】 <定着液> チオ硫酸アンモニウム(70wt/vol %) 3000ml エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム・二水塩 0.45g 亜硫酸ナトリウム 225g ホウ酸 60g 1−(N,N−ジメチルアミノ)−エチル−5−メルカプ トテトラゾール 15g 酒石酸 48g 氷酢酸 675g 水酸化ナトリウム 225g 硫酸(36N) 58.5g 硫酸アルミニウム 150g 水を加えて 6000ml pH 4.68
【0072】処理液の調製 上記現像液濃縮液を下記の容器に各パーツ剤毎に充填し
た。この容器はパーツ剤A、B、Cの各部分容器が容器
自身によって一つに連結されているものである。また、
上記定着液濃縮液も同種の容器に充填した。
【0073】まず、現像槽内にスターターとして、酢酸
54gと臭化カリウム55.5gを含む水溶液300ml
を添加した。上記処理剤入容器を逆さにして自現機の側
面に装着されている処理液ストックタンクの穿孔刃にさ
しこんで、キャップの封止膜を被り、容器内の各処理剤
をストックタンクに充填した。これらの各処理剤を下記
の割合で自現機の現像槽、定着槽に、それぞれ自現機に
設置されているポンプを作動して満たした。補充条件は
現像液、定着液とも10cc/4切である。
【0074】 現像液パーツ剤A 60ml パーツ剤B 13.4ml パーツ剤C 10ml 水 116.6ml pH 10.50
【0075】 定着液 濃縮液 80ml 水 120ml pH 4.62 水洗槽には水道水を満たした。
【0076】本発明の試料は、良好な写真性能を示し
た。
【0077】実施例5 実施例1、2の感材をそれぞれ実施例1、2と同様に但
し現像液のパーツ剤Cよりグルタールアルデヒドを除去
し、なおかつ現像液と定着液の補充を4切当り11ccと
し、処理時間を30秒として処理したところ同様の結果
が得られた。
【0078】実施例6 実施例4と同様に但し以下の現像液と定着液で補充を4
切当り20ccとし、処理時間を45秒として処理したと
ころ同様の結果が得られた。
【0079】 現像液 パートA 水酸化カリウム 28.0g 亜硫酸カリウム 75.0g ジエチレントリアミン五酢酸 2.0g 炭酸ナトリウム 30.0g ハイドロキノン 18.0g 1−(ジエチルアミノ)−エチル5−メルカプトテトラゾール 0.1g 臭化カリウム 1.0g 水を加えて 300ml パートB トリエチレングリコール 6.0g 5−ニトロインダゾール 0.3g 酢酸 40.0g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 3.5g 3,3′−ジチオビスヒドロ桂皮酸 0.2g 水を加えて 50ml 水を加えて使用液1リットル(pH10.30に合せる) 補充の比率 パートA 300ml パートB 50ml 水 650ml この状態でCOD約50,000
【0080】 定着液 パートA チオ硫酸ナトリウム 96.4g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水塩 0.025g メタ重亜硫酸ナトリウム 22.0g 水を加えて 500ml NaOHでpH=5.0に合せる 補充の比率 パートA 500ml 水 500ml この状態でCOD約40,000
【0081】実施例7 実施例1の本発明の態様で但し乳剤の作り方を工夫して
各種のサイズを作り、乳剤層を複数設けることにより、
SHRS、SHRL、SHRA、SHRC、SHRG、
HRHA(全て富士写真フイルム(株)社製)の感材と
同じ階調が得られた。実施例1の本発明の態様で但し乳
剤の作り方を工夫して各種のサイズを作り乳剤層を複数
設けることによりMINP、MIMA、MINP(全て
富士写真フイルム(株)社製)の感材と同じ階調を得ら
れた。
【0082】
【発明の効果】本発明の感材に含まれるマット剤は塗布
液中で沈降しないため感材の安定製造が可能であり、ま
た本発明の感材は迅速処理時のマット剤の剥落・搬送不
良がほとんどなく、マット剤の割れ・変形がない大変優
れたもである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−55351(JP,A) 特開 昭60−126644(JP,A) 特開 昭57−14835(JP,A) 特開 昭61−230136(JP,A) 特開 平3−293657(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 1/32,1/047,1/76

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、少なくとも1層の感光性ハ
    ロゲン化銀乳剤層と最外層に非感光性保護層を有して成
    るハロゲン化銀写真感光材料において、該最外層に少な
    くとも下記一般式(1)のA、B及びCのモノマーユニ
    ットからなるポリマーマット剤を含有することを特徴と
    するハロゲン化銀写真感光材料。 一般式(1) 【化1】 (式中、R1 はメチル基またはハロゲン原子を表し、R
    2 はメチル基またはエチル基を表す。R3 は水素原子ま
    たはメチル基を表し、Lは2価の連結基を表す。pは0
    〜2を表し、qは0または1を表す。xは3〜60モル
    %、yは30〜96.5モル%、zは0.5〜25モル
    %を表す。
  2. 【請求項2】 前記一般式(I)で表わされる前記ポリ
    マーマット剤のxが3〜40モル%、yが40〜90モ
    ル%、zが1〜20モル%、かつx+y+z=100モ
    ル%、q=0であることを特徴とする請求項1に記載の
    ハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 前記最外層が、ゼラチンを塗布量で0.
    3以上0.7g/m2以下含有することを特徴とする請求
    項1または2に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 一般式(I)で表わされる前記ポリマー
    マット剤のxが5〜50モル%であることを特徴とする
    請求項1または3に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
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