JPH075607A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH075607A
JPH075607A JP14378093A JP14378093A JPH075607A JP H075607 A JPH075607 A JP H075607A JP 14378093 A JP14378093 A JP 14378093A JP 14378093 A JP14378093 A JP 14378093A JP H075607 A JPH075607 A JP H075607A
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JP
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silver halide
acrylate
water
methacrylate
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JP14378093A
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English (en)
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Kazuya Tsukada
和也 塚田
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハロゲン化銀感光材料の擦り傷、ローラーマ
ーク及び、クッツキを防止し、かつ銀スラッジの発生を
抑えた高感度、高カバリングパワーのハロゲン化銀写真
感光材料の提供。 【構成】 ハロゲン化銀乳剤層中に特定のアセチルペニ
シラミン化合物の少なくとも一つを含有し、かつ該ハロ
ゲン化銀乳剤層及び/又は親水性コロイド層中に、25℃
における水に対する溶解度が0.025重量%以下である単
量体の少なくとも一つを含有することを特徴とするハロ
ゲン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料に関し、詳しくは写真感光材料の耐圧性と耐クッツキ
性などを改良した高感度ハロゲン化銀写真感光材料に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料は、断裁加工
をはじめとしてその取り扱い時に他からの外的圧力や、
折り曲げ等の機械的応力が加えられる機会が多い。
【0003】このような種々の機械的応力がハロゲン化
銀粒子に加わると圧力カブリや圧力減感を生じることは
よく知られている。
【0004】特にシート状フィルムの場合はプレッシャ
ーチャンスも多く、例えば医療用シートフィルムにおい
ては搬送時に生ずるフィルム同士の擦れ状カブリや、ロ
ーラーマークなどを発生することである。Xレイフィル
ムの場合は、これが画像診断上で大きな障害となり商品
価値を低下させることから、その改良は必須要件とされ
ている。
【0005】従来より感光材料の圧力耐性を改良する方
法としては数多く提案されているがそのなかで例えばポ
リマーラテックスを構成層中に用いた特開昭63-153538
号が開示されている。該技術はフィルム全体にかかる外
的圧力(例えば断裁加工)などに対しては効果があるも
のの、フィルム同士の摩擦や、フィルム搬送時のローラ
ーとの摩擦による擦り傷や、斑点状のローラーマークな
どに対しては殆ど効果を有していなかった。
【0006】さらにポリマーラテックスの添加によりそ
の疎水的性質から界面活性剤を吸蔵する現象を引き起こ
し、その結果、帯電防止性能が劣化しスタチックマーク
を発生するという欠点を有していた。
【0007】又、ポリマーラテックス使用による表面改
質によって、フィルム同士のクッツキが増大し、その結
果、機械搬送では2枚クッツいたままで搬送されるなど
の問題点を有していた。
【0008】なお、Xレイ用感光材料のように高銀量の
ハロゲン化銀写真感光材料を連続で自動現像機処理する
と、銀スラッジと言われる泥状沈殿物が処理槽内に蓄積
され易く、これがランニング過程でフィルムに付着する
などの重大な故障を招くことである。
【0009】ポリマーラテックスのようなバインダー的
な成分を乳剤層に比較的多量に用いても、このようなス
ラッジ発生を促進することなく高感度、高カバリングパ
ワーのハロゲン化銀写真感光材料が望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、写真性能を損なうことなく、耐擦り傷、耐ローラー
マーク性、耐クッツキ性を改良したハロゲン化銀写真感
光材料を提供することである。さらに銀スラッジの発生
を防止し、かつ高感度、高カバリングパワーのハロゲン
化銀写真感光材料を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の問題点は以下の本
発明によって解決された。即ち、支持体上の少なくとも
一方の側に、少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層と親
水性コロイド層とを有するハロゲン化銀写真感光材料に
於いて、該乳剤層中に下記一般式〔1〕又は〔2〕で表
される化合物の少なくとも一つを含有し、かつ該ハロゲ
ン化銀乳剤層及び/又は該親水性コロイド層中に、25℃
における水に対する溶解度が0.025重量%以下である単
量体の少なくとも一つを含有することを特徴とするハロ
ゲン化銀写真感光材料によって達成された。
【0012】
【化2】
【0013】式中、R1、R2は水素原子、炭素数1〜3
までのアルキル基を表す。但しR1とR2は同時に水素原
子になることはない。R3、R4は水素原子、炭素数1〜
3までのアルキル基を表し、R5は水酸基、アミノ基又
は炭素数1〜3までのアルキル基を表す。R6、R7は水
素原子、炭素数1〜5までのアルキル基、炭素数18まで
のアシル基又は-COOM2基を表す。但しR6とR7は同時に
水素原子になることはない。M1は水素原子、アルカリ
金属原子、アンモニウム基を表す。
【0014】M2は水素原子、炭素数1〜4までのアルキ
ル基、アルカリ金属原子、アリール基、炭素数15までの
アラルキル基を表す。
【0015】mは0、1又は2を表す。
【0016】以下、本発明を詳述する。上記において炭
素数1〜4までのアルキル基とは、例えばメチル、エチ
ル、プロピル又はブチル基などが挙げられる。
【0017】炭素数18までのアシル基とは、例えばアセ
チル基、ベンゾイル基などが挙げられ、炭素数15までの
アラルキル基とは、例えばベンジル基、フェネチル基な
どが挙げられる。アリール基とはフェニル基、ナフチル
基などが挙げられる。
【0018】又、M1のアルカリ金属原子としては、例
えばナトリウムイオン、カリウムイオンなどである。
【0019】本発明の上記の化合物は種々の合成法が知
られているが、例えばアミノ酸合成法として知られてい
るシュトレッカーアミノ酸合成法を用いてもよく、アミ
ノ酸のアセチル化は水溶液中でアルカリと無水酢酸を交
互に添加して行う。
【0020】次に本発明の一般式〔1〕及び一般式
〔2〕で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこ
れらのみに限定されるものではない。
【0021】
【化3】
【0022】
【化4】
【0023】本発明の上記の化合物は、それぞれ単独又
は組み合わせて用いてもよい。又、一般式〔1〕と一般
式〔2〕の化合物を少なくとも1種以上組み合わせて用
いてもよい。
【0024】本発明の一般式〔1〕及び一般式〔2〕の
化合物の添加量は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-5
モル〜3×10-2モルで、好ましくは1×10-4モル〜1×
10-2モルである。この範囲を下まわると本発明の効果が
乏しくなり、越えると乳剤性能を劣化させ感度、ガンマ
及び最高濃度の低下を招く。
【0025】次に本発明に係る単量体について説明す
る。
【0026】前記単量体はアクリル酸エステル系化合物
であることが好ましく、特に好ましくはアクリル酸エス
テル系化合物とメタクリル酸エステル系化合物をともに
用いたときである。本発明のポリマーラテックスの粒子
サイズは300nm以下であることが好ましい。
【0027】また、本発明のポリマーラテックスは、水
溶性ポリマー及び/又は界面活性剤の存在下で好ましく
重合される。
【0028】本発明に用いられるポリマーラテックスを
形成する単量体としては少なくとも1種は25℃における
水に対する溶解度が0.025重量%以下であり、好ましく
は、0.015重量%以下である。この様なエチレン性単量
体としては例えばヘキシルアクリレート、2-エチルヘキ
シルアクリレート、オクチルアクリレート、tert−オク
チルアクリレート、ノニルアクリレート、iso-ノニルア
クリレート、シクロヘキシルアクリレート、n-ステアリ
ルアクリレート、ラウリルアクリレート、トリデシルア
クリレート等のアクリル酸エステル類、ブチルメタクリ
レート、iso-ブチルメタクリレート、tert-ブチルメタ
クリレート、ヘキシルメタリレート、2-エチルヘキシル
メタリレート、オクチルメタリレート、iso-オクチルメ
タクリレート、tert-オクチルメタリレート、ノニルメ
タリレート、iso-ノニルメタリレート、シクロヘキシル
メタリレート、n-ステアリルメタリレート、ラウリルメ
タクリレート、トリデシルメタクリレート等のメタクリ
ル酸エステル類等やジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0029】本発明に用いられるポリマーラテックスを
形成する単量体の25℃の水に対する溶解度は、新実験化
学講座基本操作1(丸善化学、1975)に記載されている
方法で測定することができる。この方法で測定すると上
記本発明の単量体の25℃の水に対する溶解度は、例えば
2-エチルヘキシルアクリレートで0.01重量%、2-エチル
ヘキシルメタクリレートで0.001重量%、シクロヘキシ
ルメタクリレートで0.001重量%である。比較の単量体
であるスチレンで0.03重量%、ブチルアクリレートで0.
32重量%ブチルメタクリレートで0.03重量%であった。
【0030】本発明で用いられるポリマーラテックス
は、上記単量体化合物の他の単量体化合物を共重合して
もよく、共重合するエチレン性単量体化合物としては、
例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル
類、ビニルエステル類、オレフィン類、スチレン類、ク
ロトン酸エステル類、イタコン酸ジエステル類、マレイ
ン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、アクリルア
ミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルケト
ン類、ビニル異節環化合物、グリシジルエステル類、不
飽和ニトリル類、多官能単量体、各種不飽和酸から選ば
れる1種又は2種以上を組み合わせた単量体化合物を挙
げることができる。
【0031】これらの単量体化合物について更に具体的
に示すと、アクリル酸エステル類としては、メチルアク
リレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレー
ト、イソプロピルアクリレート、n-ブチルアクリレー
ト、イソブチルアクリレート、sec-ブチルアクリレー
ト、tert-ブチルアクリレート、アミルアクリレート、
ヘキシルアクリレート、2-クロロエチルアクリレート、
2-ブロモエチルアクリレート、4-クロロブチルアクリレ
ート、シアノエチルアクリレート、2-アセトキシエチル
アクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、メ
トキシベンジルアクリレート、2-クロロシクロヘキシル
アクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロ
フルフリルアクリレート、フェニルアクリレート、2-ヒ
ドロキシエチルアクリレート、5-ヒドロキシペンチルア
クリレート、2,2-ジメチル-3-ヒドロキシプロピルアク
リレート、2-メトキシエチルアクリレート、3-メトキシ
ブチルアクリレート、2-エトキシエチルアクリレート、
2-iso-プロポキシアクリレート、2-ブトキシエチルアク
リレート、2-(2-メトキシエトキシ)エチルアクリレー
ト、2-(2-ブトキシエトキシ)エチルアクリレート、ω-
メトキシポリエチレングリコールアクリレート(付加モ
ル数n=9)、1-ブロモ-2-メトキシエチルアクリレー
ト、1,1-ジクロロ-2-エトキシエチルアクリレートなど
が挙げられる。
【0032】メタクリル酸エステル類の例としては、メ
チルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピ
ルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、アミ
ルメタクリレート、クロロベンジルメタクリレート、ス
ルホプロピルメタクリレート、N-エチル-N-フェニルア
ミノエチルメタクリレート、2-(3-フェニルプロピルオ
キシ)エチルメタクリレート、ジメチルアミノフェノキ
シエチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、
テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェニルメタ
クリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタク
リレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、4-ヒド
ロキシブチルメタクリレート、トリエチレングリコール
モノメタクリレート、ジプロピレングリコールモノメタ
クリレート、2-メトキシエチルメタクリレート、3-メト
キシブチルメタクリレート、2-アセトキシエチルメタク
リレート、2-アセトアセトキシエチルメタクリレート、
2-エトキシエチルメタクリレート、2-iso-プロポキシエ
チルメタクリレート、2-ブトキシエチルメタクリレー
ト、2-(2-メトキシエトキシ)エチルメタクリレート、2-
(2-エトキシエトキシ)エチルメタクリレート、2-(2-ブ
トキシエトキシ)エチルメタクリレート、ω-メトキシポ
リエチレングリコールメタクリレート(付加モル数n=
6)、アリルメタクリレート、メタクリル酸ジメチルア
ミノエチルメチルクロライド塩などを挙げることができ
る。
【0033】ビニルエステル類の例としては、ビニルア
セテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、
ビニルイソブチレート、ビニルカプロエート、ビニルク
ロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルフ
ェニルアセテート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル
などが挙げられる。
【0034】またオレフィン類の例としては、ジシクロ
ペンタジエン、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペ
ンテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、ク
ロロプレン、ブタジエン、2,3-ジメチルブタジエン等を
挙げることができる。
【0035】スチレン類としては、例えば、スチレン、
メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレ
ン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメ
チルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレ
ン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレ
ン、トリフルオロメチルスチレン、ビニル安息香酸メチ
ルエステルなどが挙げられる。
【0036】クロトン酸エステル類の例としては、クロ
トン酸ブチル、クロトン酸ヘキシルなどが挙げられる。
【0037】またイタコン酸ジエチル類としては、例え
ば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコ
ン酸ジブチルなどが挙げられる。
【0038】マレイン酸ジエステル類としては、例え
ば、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイ
ン酸ジブチルなどが挙げられる。
【0039】フマル酸ジエステル類としては、例えば、
フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチ
ルなどが挙げられる。
【0040】アクリルアミド類としては、アクリルアミ
ド、メチルアクリルアミド、エチルアクリルアミド、プ
ロピルアクリルアミド、ブチルアクリルアミド、tert-
ブチルアクリルアミド、シクロヘキシルアクリルアミ
ド、ベンジルアクリルアミド、ヒドロキシメチルアクリ
ルアミド、メトキシエチルアクリルアミド、ジメチルア
ミノエチルアクリルアミド、フェニルアクリルアミド、
ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、β
-シアノエチルアクリルアミド、N-(2-アセトアセトキシ
エチル)アクリルアミドなど;メタクリルアミド類、例
えば、メタクリルアミド、メチルメタクリルアミド、エ
チルメタクリルアミド、プロピルメタクリルアミド、ブ
チルメタクリルアミド、tert-ブチルメタクリルアミ
ド、シクロヘキシルメタクリルアミド、ベンジルメタク
リルアミド、ヒドロキシメチルメタクリルアミド、メト
キシエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノエチルメ
タクリルアミド、フェニルメタクリルアミド、ジメチル
メタクリルアミド、ジエチルメタクリルアミド、β-シ
アノエチルメタクリルアミド、N-(2-アセトアセトキシ
エチル)メタクリルアミドなど;アリル化合物、例え
ば、酢酸アリル、カプロン酸アリル、ラウリン酸アリ
ル、安息香酸アリルなど;ビニルエーテル類、例えば、
メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシ
ルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、ジ
メチルアミノエチルビニルエーテルなど;ビニルケトン
類、例えば、メチルビニルケトン、フェニルビニルケト
ン、メトキシエチルビニルケトンなど;ビニル異節環化
合物、例えば、ビニルピリジン、N-ビニルイミダゾー
ル、N-ビニルオキサゾリドン、N-ビニルトリアゾール、
N-ビニルピロリドンなど;グリシジルエステル類、例え
ば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
トなど;不飽和ニトリル類、例えば、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルなど;多官能性単量体、例え
ば、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド、
エチレングリコールジメタクリレートなど。
【0041】更に、アクリル酸、メタクリル酸、イタコ
ン酸、マレイン酸、イタコン酸モノアルキル、例えば、
イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコ
ン酸モノブチルなど;マレイン酸モノアルキル、例え
ば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マ
レイン酸モノブチルなど;シトラコン酸、スチレンスル
ホン酸、ビニルベンジルスルホン酸、ビニルスルホン
酸、アクリロイルオキシアルキルスルホン酸、例えば、
アクリロイルオキシメチルスルホン酸、アクリロイルオ
キシエチルスルホン酸、アクリロイルオキシプロピルス
ルホン酸など;メタクリロイルオキシアルキルスルホン
酸、例えば、メタクリロイルオキシジメチルスルホン
酸、メタクリロイルオキシエチルスルホン酸、メタクリ
ロイルオキシプロピルスルホン酸など;アクリルアミド
アルキルスルホン酸、例えば、2-アクリルアミド-2-メ
チルエタンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプ
ロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルブタン
スルホン酸など;メタクリルアミドアルキルスルホン
酸、例えば、2-メタクリルアミド-2-メチルエタンスル
ホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホ
ン酸、2-メタクリルアミド-2-メチルブタンスルホン酸
など;アクリロイルオキシアルキルホスフェート、例え
ば、アクリロイルオキシエチルホスフェート、3-アクリ
ロイルオキシプロピル-2-ホスフェートなど;メタクリ
ロイルオキシアルキルホスフェート、例えば、メタクリ
ロイルオキシエチルホスフェート、3-メタクリロイルオ
キシプロピル-2-ホスフェートなど;親水基を2個有す
る3-アリロキシ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸ナフ
チルなどが挙げられる。これらの酸はアルカリ金属(例
えば、Na、Kなど)又はアンモニウムイオンの塩であ
ってもよい。さらにその他の単量体化合物としては、米
国特許3,459,790号、同3,438,708号、同3,554,987号、
同4,215,195号、同4,247,673号、特開昭57‐205735号公
報明細書等に記載されている架橋性単量体を用いること
ができる。このような架橋性単量体の例としては、具体
的にはN-(2-アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、
N-{2-(2-アセトアセトキシエトキシ)エチル}アクリル
アミド等を挙げることができる。
【0042】これらの単量体化合物のうち、アクリル酸
エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニルエステル
類、スチレン類、オレフィン類が好ましく用いられる。
【0043】本発明のポリマーラテックスの重合の際用
いられる界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、
ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界
面活性剤のいずれも用いることができるが、好ましくは
アニオン性界面活性剤及び/またはノニオン性界面活性
剤である。アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活
性剤としては、それぞれ当業界で公知の種々の化合物を
使用できるが、特に好ましくはアニオン性界面活性剤が
用いられる。
【0044】本発明のポリマーラテックスの重合の際に
用いられる水溶性高分子としては、例えば合成高分子及
び天然水溶性高分子が挙げられるが、本発明ではいずれ
も好ましく用いることができる。このうち、合成水溶性
高分子としては、分子構造中に例えばノニオン性基を有
するもの、アニオン性基を有するもの、カチオン性基を
有するもの、ノニオン性基とアニオン性基を有するも
の、ノニオン性基とカチオン性基を有するもの、アニオ
ン性基とカチオン性基を有するもの等が挙げられる。ノ
ニオン性基としては、例えばエーテル基、アルキレンオ
キサイド基、ヒドロキシ基、アミド基、アミノ基等が挙
げられる。アニオン性基としては、例えばカルボン酸基
あるいはその塩、燐酸基あるいはその塩、スルホン酸基
あるいはその塩等が挙げられる。カチオン性基として
は、例えば4級アンモニウム塩基、3級アミノ基等が挙
げられる。
【0045】また、天然水溶性高分子としても、分子構
造中に例えばノニオン性基を有するもの、アニオン性基
を有するもの、カチオン性基を有するもの、ノニオン性
基とアニオン性基を有するもの、ノニオン性基とカチオ
ン性基を有するもの、アニオン性基とカチオン性基を有
するもの等が挙げられる。
【0046】本発明のポリマーラテックスの重合の際に
用いられる水溶性ポリマーとしては、合成水溶性ポリマ
ー、天然水溶性のいずれの場合にも、アニオン性基を有
するものおよびノニオン性基とアニオン性基を有するも
のを好ましく用いることができる。
【0047】本発明において、水溶性ポリマーとは、20
℃の水100gに対して、0.05g以上溶解すればよく、好
ましくは0.1g以上のものである。
【0048】天然水溶性ポリマーとしては、水溶性高分
子水分散方樹脂の総合技術資料集(経営開発センター)
に詳しく記載されているものが挙げられるが、好ましく
はリグニン、澱粉、プルラン、セルロース、デキストラ
ン、デキストリン、グリコーゲン、アルギン酸、ゼラチ
ン、コラーゲン、グァーガム、アラビアゴム、ラミナラ
ン、リケニン、ニグラン等およびこれらの誘導体であ
る。また天然水溶性高分子の誘導体としては、スルホン
化、カルボキシル化、燐酸化、スルホアルキレン化、カ
ルボキシアルキレン化、アルキル燐酸化したものおよび
その塩が好ましく用いられる。特に好ましくは、グルコ
ース、ゼラチン、デキストラン、セルロースおよびその
誘導体である。
【0049】本発明に用いるポリマーラテックスは、種
々の方法で容易に製造することができる。例えば、乳化
重合法、或いは溶液重合又は塊状重合等で得たポリマー
を、再分散する方法等がある。
【0050】乳化重合法では、水を分散媒とし、水に対
して10〜50重量%の単量体と単量体に対して0.05〜5重
量%の重合開始剤、0.1〜20重量%の分散剤を用い、約3
0〜100℃、好ましくは60〜90℃で3〜8時間撹拌下重合
させることによって得られる。単量体の濃度、開始剤
量、反応温度、時間等は幅広くかつ容易に変更できる。
【0051】開始剤としては、水溶性過酸化物(例えば
過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、水溶性アゾ
化合物(例えば2,2′-アゾビス-(2-アミノジプロパン)-
ハイドロクロライド等)等を挙げることができる。
【0052】分散剤としては水溶性ポリマーの他にアニ
オン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性
活性剤、両性活性剤が挙げられ、これらを単独で用いて
もまた併用しても良く、好ましくは水溶性ポリマーとノ
ニオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤との併
用である 溶液重合では一般に適当な溶剤(例えばエタノール、メ
タノール、水等)中で適当な濃度の単量体の混合物(通
常、溶剤に対して40重量%以下、好ましくは10〜25重量
%の混合物)を重合開始剤(例えば、過酸化ベンゾイ
ル、アゾビスイソブチロニトリル、過硫酸アンモニウム
等)の存在下で適当な温度(例えば40〜120℃、好まし
くは50〜100℃)に加熱することにより共重合反応が行
われる。その後、生成したコポリマーを溶かさない媒質
中に反応混合物を注ぎこみ、生成物を沈降させ、ついで
乾燥することにより未反応混合物を分離除去する。
【0053】次いでコポリマーは溶かすが水には溶けな
い溶媒(例えば酢酸エチル、ブタノール等)にコポリマ
ーを溶かし、分散剤(例えば界面活性剤、水溶性ポリマ
ー等)の存在下、激しく分散し、その後溶媒を留去しポ
リマーラテックスを得る。
【0054】本発明で用いるポリマーラテックスを形成
するポリマーのTg(ガラス転移温度)は、60℃以下で
あることが好ましく特に好ましくは40℃以下である。
【0055】本発明で用いられるエチレン性単量体類の
多くのポリマーのTgは、ブランドラップらによる“ポ
リマーハンドブック”III−139頁からIII−179頁(1966
年)(ワイリーアンドサンズ社版)に記載されており、
コポリマーのTg(°K)は下記の式で表される。
【0056】 Tg(コポリマー)=v1Tg1+v2Tg2+…+vWTgW 但し上式中v1,v2…vWはコポリマー中の単量体の重
量分率を表し、Tg1,Tg2…TgWはコポリマー中の各単
量体のホモポリマーのTg(°K)を表す。
【0057】上式に従って計算されたTgには、±5℃
の精度がある。
【0058】本発明で用いるポリマーラテックスの合成
法に関しては、米国特許2,852,386号、同2,853,457号、
同3,411,911号、同3,411,912号、同4,197,127号、ベル
ギー特許688,882号、同691,360号、同712,823号、特公
昭45‐5331号、特開昭60‐18540号、同51-130217号、同
58-137831号、同55-50240号などに詳しく記載されてい
る。
【0059】本発明で用いるポリマーラテックスの平均
粒径は、0.5〜300nmのものであればいずれも好ましく使
用することができ、30〜250nmが特に好ましい。
【0060】本発明で用いるポリマーラテックスの粒子
サイズは、'高分子ラテックスの化学'(高分子刊行会、
1973年)に記載されている電子顕微鏡写真法、石鹸滴定
法、光散乱法、遠心沈降法により測定できるが、光散乱
法が好ましく用いられる。光散乱法の装置としては、D
LS700(大塚電子社製)を用いた。
【0061】又、分子量の規定は特にはないが、好まし
くは総分子量で1,000〜1,000,000、更に好ましくは2,00
0〜500,000である。
【0062】本発明で用いるポリマーラテックスは、そ
のままもしくは水に分散させて写真構成層に含有するこ
とができる。
【0063】次にポリマーラテックスの製造法の例を述
べるが、本発明は以下の例に限られない。
【0064】(ポリマーラテックスの製造法) 製造例1(Lx−1の合成) 1,000mlの4つ口フラスコに撹拌器、温度計、滴下ロー
ト、窒素導入管、還流冷却器を施し、窒素ガスを導入し
脱酸素を行いつつ蒸留水350ccを加えて内温が80℃とな
るまで加熱した。分散剤としてSf−1、4.5gを添加
し、さらに開始剤として過硫酸アンモニウム0.45gを添
加し、次いでエチルヘキシルアクリレート90gを滴下ロ
ートで約1時間かけて滴下する。滴下終了後5時間その
まま反応を続けた後、水蒸気蒸留で未反応単量体を除去
する。その後冷却しアンモニア水でpH6に調整しポリ
マーラテックスを得る。粒径は150nmであった。
【0065】製造例2(Lx−2の合成) 1,000mlの4つ口フラスコに撹拌器、温度計、滴下ロー
ト、窒素導入管、還流冷却器を施し、窒素ガスを導入し
脱酸素を行いつつ蒸留水350ccを加えて内温が80℃とな
るまで加熱した。分散剤として本発明に係わるP−3、
4.5gを添加し、さらに開始剤として過硫酸アンモニウ
ム0.45gを添加し、次いでエチルヘキシルアクリレート
90gを滴下ロートで約1時間かけて滴下する。滴下終了
後4時間そのまま反応を続けた後、水蒸気蒸留で未反応
単量体を除去する。その後冷却しアンモニア水でpH6
に調整しポリマーラテックスを得る。粒径は200nmであ
った。
【0066】製造例3(Lx−10の合成) 500mlの3つ口フラスコに、ジオキサン200mlを入れ窒素
ガスで脱酸素を行う。その後、イソノニルアクリレート
15g、シクロヘキシルアクリレート35gを添加し、更に
開始剤としてアゾビスイソ酪酸ジメチル1.2gを加え、6
0℃で6時間反応を続ける。反応終了後、反応液を3l
の蒸留水に激しく撹拌しながら加え、白色結晶を得る。
【0067】この白色結晶を濾取、乾燥した後、酢酸エ
チル100mlに溶解し、Sf−2、2gを添加した蒸留水5
00mlに激しく撹拌しながら加え、次いで酢酸エチルを除
去しポリマーラテックスを得る。粒径は180nmであっ
た。
【0068】製造例4(比較用ラテックスLの合成) 水40リットルに名糖産業製KMDS(デキストラン硫酸
エステルナトリウム塩)0.25kg及び過硫酸アンモニウム
0.05kgを加えた液に、液温81℃で撹拌しつつ窒素雰囲気
下で、n-ブチルアクリレート4.51kg、スチレン5.49kg及
びアクリル酸0.1kgの混合液を1時間かけて添加、その
後過硫酸アンモニウムを0.005kg加え、更に1.5時間撹拌
後、冷却し、アンモニア水を用いてpHを6に調整し
た。
【0069】得られたラテックス液をWhotman社製GF
/Dフィルターで濾別し、水で50.5kgに仕上げ、平均粒
径250nmの単分散なラテックス(L)を作製した。
【0070】以下に本発明に係わるポリマーラテックス
及びその合成に使用された分散剤の具体例を示す。モノ
マー単位のサフィックスはそれぞれの含有百分率を示
す。
【0071】
【化5】
【0072】
【化6】
【0073】
【化7】
【0074】
【化8】
【0075】
【化9】
【0076】
【化10】
【0077】本発明に係る単量体のポリマーラテックス
は、本発明のハロゲン化銀写真感光材料のいずれの層に
も添加してもよい。ハロゲン化銀乳剤層とその他の親水
性コロイド層のうちの1層中のみに添加してもよいが、
好ましくはこの両方に添加したほうがよい。さらに好ま
しくはハロゲン化銀乳剤層と、支持体から最も遠い位置
にある親水性コロイド層の両方に添加するのがよい。
【0078】本発明に係るポリマーラテックスを、ハロ
ゲン化銀乳剤層のみに添加した場合には、カバリングパ
ワーの向上が若干抑えられ、かつ擦り傷改良巾も小さく
なってしまう。又、本発明に係るポリマーラテックスを
親水性コロイド層のみに添加した場合には、強い外的圧
力に対する改良巾が低下し、処理液中に於ける液中プレ
ッシャー性改良巾も充分でなくなる。特にポリマーラテ
ックスを保護層のみに用いても本発明の目的効果を充分
に得ることはできない。従って本発明の効果をより大き
く発揮すためには乳剤層とその最上層の保護層中に添加
するのが最も好ましい。
【0079】ポリマーラテックスの添加量は写真構成層
のバインダー量に対して5〜70重量%の範囲で添加する
のが好ましい。この量範囲より少ない場合は本発明の効
果に乏しく、多すぎる場合は写真性能を劣化することに
なる。なお、乳剤層と保護層の両層に添加する場合のポ
リマーラテックスの比は、保護層添加量/乳剤層添加量
が0.3〜0.4が好ましい範囲である。この範囲を下まわる
場合は擦り傷改良効果が乏しく、越える場合はローラー
マーク改良効果が落ちる。
【0080】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、臭化銀、沃臭化銀、或は少量の塩化銀を
含む沃塩臭化銀乳剤乳であってよいが、特に高感度を得
られる点では沃臭化銀乳剤であることが好ましい。
【0081】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、アスペクト比(粒子径/粒子厚みの比)が
2以上の平板状粒子である。好ましくは4以上でより好
ましくは8以上である。
【0082】このような平板状粒子の利点としては、分
光増感効率の向上や画像の粒状性及び鮮鋭性の改良など
が得られるとして例えば米国特許4,386,156号、同4,50
4,570号、同4,478,929号、同4,414,304号、同4,411,986
号、同4,400,463号、同4,414,306号、同4,439,520号、
同4,433,048号、同4,434,226号、同4,413,053号、同4,4
59,353号、同4,490,458号、同4,399,215号などで開示さ
れており、乳剤はこれら公報に記載の方法により調製す
ることができる。
【0083】上述した乳剤は、粒子表面に潜像を形成す
る表面潜像型或は粒子内部に潜像を形成する内部潜像
型、表面と内部の両方に潜像を形成する型のいずれの乳
剤であってもよい。
【0084】これらの乳剤は物理熟成或は粒子調製の段
階で、例えばカドミウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タリウム
塩、イリジウム塩又はその錯塩、ロジウム塩又はその錯
塩、鉄塩又はその錯塩などを用いてもよい。
【0085】乳剤は可溶性塩類を除去するためにヌーデ
ル水洗法、フロキュレーション沈降法などを用いてよ
く、好ましい水洗法としては例えば、特公昭35-16086号
記載のスルホ基を含む芳香族炭化水素系アルデヒド樹脂
を用いる方法、又は特開昭63-158644号記載の高分子凝
集剤である例示G-3、G-8などを用いる脱塩法を挙げる
ことができる。
【0086】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、物理熟成又は化学熟成前後の工程で、各
種の写真用添加剤を用いることができる。このような工
程で使用される化合物としては例えば、リサーチ・ディ
スクロージャー(RD)No.17643、(RD)No.18716及び(RD)No.
308119(1989年12月)に記載されている各種の化合物を用
いることができる。
【0087】これら3つの(RD)に記載されている化合物
種類と記載箇所を下記に掲載した。 添加剤 RD-17643 RD-18716 RD-308119 頁 分類 頁 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IV 減感色素 23 IV 998 IV B 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 硬膜剤 26 X 651左 1004〜5 X 界面活性剤 26〜27 XI 650右 1005〜6 XI 可塑剤 27 XII 650右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1003〜4 IX 支持体 28 XVII 1009 XVII 本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる支持体
としては、上記のRDに記載されているものが挙げられ、
適当な支持体としてはポリエチレンテレフタレートフィ
ルムなどで、支持体表面は塗布層の接着性をよくするた
めに下引き層を設けたりコロナ放電や紫外線照射などが
施されてもよい。
【0088】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0089】実施例1 種乳剤の調製1 60℃、pAg=8、pH=2.0にコントロールしつつ、ダブル
ジェット法で平均粒径0.3μmの沃化銀2モル%を含む沃
臭化銀の単分散立法晶粒子を調製した。 得られた反応液を40℃にて花王アトラス社製、 デモール
N水溶液と硫酸マグネシウム水溶液を用いて脱塩したの
ち、 ゼラチン水溶液を加えて再分散し、 種乳剤を得た。 種乳剤からの成長1 上述の種乳剤を用い次のように粒子を成長させた。まず
40℃に保たれたゼラチン水溶液中に上記の種乳剤を分散
し、さらにアンモニア水と酢酸でpHを9.7に調整した。
この液にアンモニア性硝酸銀イオン水溶液及び臭化カリ
ウムと沃化カリウムの水溶液をダブルジェット法で添加
した。添加中はpAg=7.3、pHを9.7に制御し沃化銀含有
率35モル%の層を形成した。次にアンモニア性硝酸銀水
溶液と臭化カリウム水溶液をダブルジェット法で添加し
た。目標粒径の95%まではpAg=9.0に保ち、pHは9.0〜
8.0にまで連続的に変化させた。その後 pAgを11.0に調
整しpHを8.0に保ちながら目標粒径まで成長させた。続
いて酢酸でpHを6.0まで下げてから5,5´-ジクロロ-9-
エチル-3,3´-ジ-(3-スルホプロピル)オキサカルボシア
ニンナトリウム塩の無水物をハロゲン化銀1モル当たり
400mg添加し、前記のデモールN水溶液と硫酸マグネシ
ウム水溶液を用いて脱塩した後ゼラチン溶液を加えて再
分散した。
【0090】この方法により平均沃化銀含有率2.0モル
%の頂点が丸みを帯びた14面体で平均粒径 0.40μm、0.
65μm、1.00μm、変動係数(δ/r)がそれぞれ0.17、0.
16、0.16の単分沃臭化銀乳剤を(A)、(B)及び(C)を調
製した。
【0091】乳剤の調製2 1)種乳剤の調製2 40℃で激しく撹拌した過酸化水素処理ゼラチンを含む0.
05Nの臭化カリウム水溶液に、硝酸銀水溶液と過酸化水
素処理ゼラチンを含む等モルの臭化カリウム水溶液をダ
ブルジェット法で添加し、1.5分後から30分間かけて25
℃まで液温を下げてから硝酸銀1モル当たり80mlのアン
モニア水(28%)を加え5分間撹拌を続けた。
【0092】その後、酢酸にてpHを6.0に合わせてから
デモールN水溶液と硫酸マグネシウム水溶液を用いて脱
塩した後、ゼラチン水溶液を加えて再分散した。得られ
た種乳剤は平均粒径0.23μm、変動係数0.28の球型粒子
だった。
【0093】種乳剤からの成長2 上述の種乳剤を用い次のように粒子を成長させた。75℃
で激しく撹拌したオセインゼラチンと、プロピレンオキ
シ-ポリエチレンオキシ-ジサクシネート-ジナトリウム
塩を含む水溶液に臭化カリウムと沃化カリウムの水溶液
及び硝酸銀水溶液をダブルジェット法で添加した。
【0094】この間pH=5.8、pAg=9.0に保った。添加
終了後pHを6.0に合わせ5,5′-ジクロロ-9-エチル-3,
3′-ジ-(3-スルホプロピル)オキサカルボシアニンナト
リウム塩の無水物をハロゲン化銀1モル当たり400mg添
加した。さらに40℃にてデモールN水溶液を用いて脱塩
した後ゼラチン水溶液を加えて再分散した。
【0095】この方法により平均沃化銀含有率1.5モル
%で投影面積直径0.96μm、変動係数0.25、アスペクト
比が2.0、3.5、5.0及び8.0の平板状沃臭化銀乳剤(D-
1)、(D-2)、(D-3)及び(D-4)を調製した。
【0096】試料の調製 得られた乳剤(A)、(B)、(C)及び(D-1)〜(D-4)の
それぞれに、55℃にて5,5′-ジクロロ-9-エチル-3,3′-
ジ-(3-スルホプロピル)オキサカルボシアニンナトリウ
ムの無水物と5,5′-ジ-(ブトキシカルボニル)-1,1′-ジ
エチル-3,3′-ジ-(4-スルホブチル)ベンゾイミダゾロカ
ルボシアニンナトリウム塩の無水物を200:1の重量比
で、ハロゲン化銀1モル当たり(A)が975mg、(B)が600
mg、(C)が390mg、(D-1)〜(D-4)が500mg添加した。 10分後、適当量の塩化金酸、チオ硫酸ナトリウム、チオ
シアン酸アンモニウムを加えて化学熟成を行った。熟成
終了15分前に沃化カリウムをハロゲン化銀1モル当たり2
00mg添加し、その後4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-
テトラザインデンをハロゲン化銀1モル当たり3×10-2
モル加え、ゼラチンを70g含む水溶液に分散した。 熟成済みの4種類の乳剤の内(A)、(B)及び(C)は重量
比で15:65:20の割合で混合し乳剤(R-1)とし、(D-
1)、(D-2)、(D-3)及び(D-4)は単独のまま用い
た。
【0097】乳剤のそれぞれに対し特開平2-301744号、
95頁16行〜96頁20行に示された通りの添加剤を加えた。
ついで本発明に係る一般式〔1〕又は〔2〕で表される
化合物とラテックスを表に示したように添加した。
【0098】さらに下記に示す染料乳化分散液をハロゲ
ン化銀1モル当たり1.2g加えて乳剤塗布液とした。
【0099】染料乳化分散液の調製方法 下記の染料10kgをトリクレジルホスヘイト28lと酢酸エ
チル85lからなる溶媒に55℃で溶解した。これをオイル
系溶媒と言う。一方、下記のアニオン性活性剤(AS)を1.
35Kg含む9.3%ゼラチン水溶液を調製し、次いでオイル
系溶媒と、このゼラチン水溶液を分散釜にいれ、液温を
40℃に保ちながら分散した。得られた分散液にフェノー
ルと1,1′-ジメチロール-1-ブロム-1-ニトロメタンの適
当量を加え水で240kgに仕上げた。
【0100】
【化11】
【0101】また保護層液に用いた添加剤は以下の通り
である。添加量は塗布液1リットル当たりの量である。
【0102】 石灰処理イナートゼラチン 68g 酸処理ゼラチン 2g ナトリウム-i-アミル-n-デシルスルホサクシネート 0.3g 本発明に係るポリマーラテックス 表に示す量 ポリメチルメタクリレート(面積平均粒径5μmのマット剤) 1.1g 二酸化ケイ素 (面積平均粒径3μmのマット剤) 0.5g ルドックスAM(デュポン社製コロイダルシリカ) 30mg グリオキザール40%水溶液 1.5ml (CH2=CHSO2CH2)2O 500mg
【0103】
【化12】
【0104】得られた塗布液を厚さ175μmの下引き済み
のブルーに着色したポリエチレンテレフタレートフィル
ムベース上に均一に塗布、乾燥した。
【0105】なお、塗布量は片面当たり乳剤層が銀換算
値で2.25g/m2で、ゼラチン付量として2.5g/m2、保護層
はゼラチン付量として0.99g/m2になるように2台のスラ
イドホッパー型コーターで毎分90mのスピードで乳剤
層、保護層を両面同時塗布して試料を得た。
【0106】次に本発明に用いた現像液及び定着液の組
成を示す。
【0107】 現像液処方 Part-A(12l仕上げ用) 水酸化カリウム 700g 亜硫酸カリウム(50%溶液) 2280g ジエチレンテトラアミン5酢酸 120g 重炭酸水素ナトリウム 132g 5-メチルベンゾトリアゾール 1.2g 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 0.2g ハイドロキノン 340g 水を加えて 5000mlに仕上げる。
【0108】 Part-B(12l仕上げ用) 氷酢酸 170g トリエチレングリコール 185g 1-フェニル-3-ピラゾリドン 22g 5-ニトロインダゾール 0.4g スターター 氷酢酸 120g 臭化カリウム 225g 水を加えて 1.0lに仕上げる。
【0109】 定着液処方 Part-A(18l仕上げ用) チオ硫酸アンモニウム(70wt/vol%) 6000g 亜硫酸ナトリウム 150g 酢酸ナトリウム・3水塩 450g クエン酸ナトリウム 50g グルコン酸 70g 1-(N,N-ジメチルアミノ)-エチル-5-メルカプトテトラゾール 18g 氷酢酸 150g Part-B 硫酸アルミニウム 800g 50%H2SO4 100g 現像液の調製は水約5lにPartA、PartBを同時添加
し、撹拌溶解しながら水を加え12lに仕上げ氷酢酸でp
Hを10.40に調整した。これを現像補充液とする。この
現像補充液1lに対して前記のスターターを20ml/l
添加しpHを10.26に調整し使用液とする。
【0110】定着液の調製は水約5lにPartA、PartB
を同時添加し、撹拌溶解しながら水を加え18lに仕上
げ、硫酸とNaOHを用いてpHを4.4に調整した。これを定
着補充液とする。
【0111】〈センシメトリー〉得られた試料を蛍光増
感紙 KO−250(コニカ(株)製)で挟み、管電圧90KVP、20m
A、0.05秒のX線を照射し、距離法にてセンシトメトリ
ーカーブを作成し感度及びガンマを求めた。感度の値は
カブリ+0.1の濃度を得るのに必要なX線量の逆数とし
て求めた。結果は試料No.1の感度を100とした場合の相
対感度で表した。
【0112】また、ガンマは特性曲線の濃度1.0の点と
2.0の点を結んだ直線の傾きをθとしたときのtanθをガ
ンマ(γ)とした。
【0113】なお、現像は自動現像機 SRX−501(コニカ
(株)製)で現像温度が35℃、定着温度が33℃、水洗水は
温度18℃で毎分3.51を供給し、乾燥温度45℃で全処理工
程を次ぎに示す45秒モードで処理した結果を表1に示
す。
【0114】 [処理工程] 工 程 処理温度(℃) 処理時間(秒) 補充量 挿 入 − 1.2 現像+渡り 35 14.6 33cc/四ッ切 定着+渡り 33 8.2 63cc/四ッ切 水洗+渡り 18 7.2 3.51/分 スクイズ 40 5.7 乾 燥 45 8.1 合 計 − 45.0 〈カバリングパワー(cp)の評価〉試料を現像後の濃度が
最高濃度になるように適性露光をかけてから前記のセン
シトメトリーと同様の処理を行った。
【0115】得られた試料の濃度〔D〕と現像銀量〔A
v(mg/dm2)〕を測定し、cp=〔D〕/〔Av〕×100
として求めた。
【0116】〈擦り傷試験〉暗室内で、市販のナイロン
タワシを用いて100g/cm2の荷重をかけてこすった後、
前記の自動現像機で現像処理しA〜Dの4段階評価を行
った。
【0117】評価基準 A:ほとんど擦り傷がない B:実用上問題のないレベルだが、擦り傷が若干ある C:擦り傷が目立つ程度に発生し、実用上問題である D:擦り傷が非常に多く、傷の幅太く濃度も濃い 〈くっつき試験〉試料を7cm×13.5cmの大きさに裁断
し、80%RHで1時間調湿後、2枚のフィルム同志を重
ね、1kg荷重をかけて3日間放置した。3日後、フィル
ムを剥がす時の感触レベルをもってくっつきのレベルと
した。下記に評価基準を示す。
【0118】評価基準 5:サラサラしている 4:僅かにくっついている 3:はっきりとくっついており、剥がす時に音がする 2:くっつきがあり、乳剤が剥がれる 〈ローラーマークの評価〉試料を127mm×305mmに裁断し
現像後の濃度が約0.4,0.6,1.0になるように3段階の
濃度を持つよう予め露光した試料と未露光の試料を用意
した。これらの試料を前記と同様の処理機、処理剤でDr
y to Dryで45秒処理を行い得られた試料の斑点状マーク
の発生状況を下記の5段階で評価した。
【0119】◎ :全く発生していない ○ :僅かに発生 △ :僅かに発生しているが実用上可のもの × :数多く発生し、実用上不可のもの ××:著しく発生 〈銀スラッジの評価〉4つ切り試料の全面の濃度が1.0
になるようX線露光した試料を、前記の自動現像機で現
像液補充量250ml/m2、定着液補充量が300ml/m2の条件下
で1日70枚を30日間毎日処理した。そのときに現像ラッ
クローラーの汚れ及び槽壁面の汚れ及び処理試料につい
て以下の4段階の目視評価を行った。
【0120】○ :銀スラッジはほとんど見られず、ロ
ーラー及び壁面に全く汚れがない △ :現像液が濁り、処理槽壁面にわずかに汚れが見ら
れた × :銀スラッジが発生し、現像ラックを洗っても容易
に汚れが落ちない ××:現像液槽に多量の銀スラッジが発生し、処理され
るフィルムに付着し、画像汚染を生じた。
【0121】以上、評価した結果を下記に示す。
【0122】
【表1】
【0123】
【表2】
【0124】
【表3】
【0125】
【表4】
【0126】表から明らかなように本発明の構成によれ
ば、写真性能を損なうことなく、耐擦り傷、耐ローラー
マーク性、耐クッツキ性を改良していることが分かる。
さらに本発明によれば銀スラッジの発生を防止し、かつ
高感度、高カバリングパワーのハロゲン化銀写真感光材
料を得られた。
【0127】
【発明の効果】本発明により、写真性能を損なうことな
く、感光材料の耐擦り傷、耐ローラーマーク性、耐クッ
ツキ性を改良することができた。さらに本発明によれば
銀スラッジの発生を防止し、かつ高感度、高カバリング
パワーのハロゲン化銀写真感光材料を得ることができ
た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の少なくとも一方の側に、少な
    くとも1層のハロゲン化銀乳剤層と親水性コロイド層と
    を有するハロゲン化銀写真感光材料に於いて、該乳剤層
    中に下記一般式〔1〕又は〔2〕で表される化合物の少
    なくとも一つを含有し、かつ該ハロゲン化銀乳剤層及び
    /又は該親水性コロイド層中に、25℃における水に対す
    る溶解度が0.025重量%以下である単量体の少なくとも
    一つを含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光
    材料。 【化1】 式中、R1、R2は水素原子、炭素数1〜3までのアルキ
    ル基を表す。但しR1とR2は同時に水素原子になること
    はない。R3、R4は水素原子、炭素数1〜3までのアル
    キル基を表し、R5は水酸基、アミノ基又は炭素数1〜
    3までのアルキル基を表す。R6、R7は水素原子、炭素
    数1〜5までのアルキル基、炭素数18までのアシル基又
    は-COOM2基を表す。但しR6とR7は同時に水素原子にな
    ることはない。M1は水素原子、アルカリ金属原子、ア
    ンモニウム基を表す。M2は水素原子、炭素数1〜4まで
    のアルキル基、アルカリ金属原子、アリール基、炭素数
    15までのアラルキル基を表す。mは0、1又は2を表
    す。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6613761B1 (en) 1995-09-13 2003-09-02 Takeda Chemical Industries, Ltd. Benzoxazepine compounds, their production and use

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US6613761B1 (en) 1995-09-13 2003-09-02 Takeda Chemical Industries, Ltd. Benzoxazepine compounds, their production and use

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