JP3243671B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP3243671B2 JP14645993A JP14645993A JP3243671B2 JP 3243671 B2 JP3243671 B2 JP 3243671B2 JP 14645993 A JP14645993 A JP 14645993A JP 14645993 A JP14645993 A JP 14645993A JP 3243671 B2 JP3243671 B2 JP 3243671B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料に関し、詳しくは擦り傷耐性、帯電防止性、フィルム
どうしのクッツキ及び画像銀の色調を改良した高感度ハ
ロゲン化銀写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ハロゲン化銀写真感光材料は高感
度、高コントラスト、優れた粒状性及び鮮鋭性などに加
えて迅速処理性が要求されている。特に医療診断用X線
写真感光材料では診断の迅速化のために迅速処理化が求
められており、例えば血管中にカテーテルを挿入して造
影剤を高圧で注入する血管造影撮影、或いは手術中にX
線撮影を行う術中撮影などではDry to Dryで45秒以下と
いう超迅速処理が必須要件とされている。
【0003】迅速処理化のためには撮影、搬送、処理な
どの自動化と併せて感光材料の迅速処理性が図られてき
た。しかし迅速処理が高温(30℃〜40℃)、高pHのため
に画質の劣化或いは高速搬送による乾燥不良、処理剤に
起因するキャリーオーバー量の増加などが問題点として
揚げられている。
【0004】感光材料面としては高画質化に対応するた
め、近年では平板状ハロゲン化銀粒子を用いることが多
くなってきている。平板状ハロゲン化銀粒子は比表面積
が大きいため分光増感色素による色増感効率の向上がみ
られ、いわゆるカバリングパワー(被覆力)の向上が得ら
れる。さらにX線用感光材料の場合にはクロスオーバー
光を減少させるとともに、光散乱が少なくなり解像力の
高い画像が得られる利点を有する。
【0005】さらに該平板状乳剤を高感度化する方法と
して金、硫黄増感剤に微量のセレン化合物を加えること
により、高感度で、かつ高コントラストを得られること
が例えば米国特許3,297,446号、同3,420,670号などで開
示されている。
【0006】しかしながら該平板状ハロゲン化銀粒子
は、他に比し圧力或いは折り曲げなどの外力に対する耐
圧性が弱く、例えば自動現像機などのローラー搬送によ
る接触部分に筋状の擦れ状カブリを生じ易いなどの重大
な欠点を有していることである。従来よりハロゲン化銀
写真感光材料の耐圧性を改良する方法としては数多く提
案されており、例えばポリマーラテックスを構成層中に
用いた米国特許3,632,342号が開示されている。該技術
はフィルム全体にかかる外的圧力に対しては効果がある
ものの、フィルム搬送時のローラーとの摩擦による耐圧
性などには十分な効果を有してなく、かつフィルム写真
性能において生保存性を劣化するなどの欠点を有してい
た。
【0007】又、該方法によるフィルム表面の改質によ
ってフィルムどうしのクッツキが発生し、その結果、機
械搬送でフィルムが2枚クッツいたままで搬送されると
いう問題点、或いは静電気によりスタチックマークと言
われるカブリを多発するなどの問題点が有った。
【0008】一方、医療用ハロゲン化銀写真感光材料の
ように銀画像を直接観察して診断評価する感光材料の場
合、観察者にとって重要な要因の一つに上述したような
フィルム物性上のカブリと併せて銀画像の色調が揚げら
れる。銀画像が変色或いは着色している場合、観察者に
不快な印象を与えるだけでなく誤診につながる恐れもあ
ることから、画像はクリアーで純黒調であることが望ま
しい。
【0009】現像銀の色調改良剤としては古くからメル
カプト化合物を用いることがよく知られているが、高感
度乳剤には著しい減感性を与えるため使用することは出
来ない。しかし、保護層に本発明のポリマーラテックス
を用いることにより銀画像の色調を黒色調に改良できる
ことは予想し得なかったことであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、写真性能を損なうことなく耐擦れ状カブリ性、耐ク
ッツキ性を改良した高感度ハロゲン化銀写真感光材料を
提供することである。さらに帯電防止性能を有し、かつ
純黒色調の銀画像を得られる高カバリングパワーのハロ
ゲン化銀写真感光材料を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の問題点は以下の本
発明によって解決された。即ち、支持体の少なくとも一
方の側に、少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層と親水
性コロイド層とを有するハロゲン化銀写真感光材料にお
いて、該ハロゲン化銀乳剤層のハロゲン化銀粒子が、セ
レン化合物によりセレン増感されたアスペクト比3以上
の平板状ハロゲン化銀粒子を含有し、かつ支持体から最
も遠い位置の親水性コロイド層中に、25℃における水に
対する溶解度が0.025重量%以下の単量体を少なくとも
1種重合したポリマーラテックスを含有することを特徴
とするハロゲン化銀写真感光材料によって達成された。
以下、本発明を詳述する。
【0012】本発明において、25℃における水に対する
溶解度が0.025重量%以下、好ましくは0.015重量%以下
である単量体(以下、モノマーと言う)としては、エチレ
ン性モノマーとしては例えばヘキシルアクリレート、2
-エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート
などのアクリル酸エステル類、ブチルメタクリレート、
iso-ブチルメタクリレート、ノニルメタリレートなどの
メタクリル酸エステル類などが挙げられる。iso-ノニル
メタリレート、シクロヘキシルメタリレート、n-ステア
リルメタリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシ
ルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類等やジビ
ニルベンゼン等が挙げられる。
【0013】上記モノマー化合物は他のモノマー化合物
と共重合してもよく、共重合するエチレン性モノマーと
しては、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エ
ステル類、ビニルエステル類、オレフィン類、スチレン
類、クロトン酸エステル類、イタコン酸ジエステル類、
マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、アク
リルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニ
ルケトン類、ビニル異項環化合物、グリシジルエステル
類、不飽和ニトリル類、多官能モノマー、各種不飽和酸
から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせたモノマー
化合物を挙げることができる。
【0014】これらのモノマーについて更に具体的に示
すと、アクリル酸エステル類としてはメチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、2-
クロロエチルアクリレート、2-ブロモエチルアクリレー
ト、4-クロロブチルアクリレート、シアノエチルアクリ
レート、ジメチルアミノエチルアクリレート、フェニル
アクリリレート、2,2-ジメチル-3-ヒドロキシプロピル
アクリレート、2-メトキシエチルアクリレート、1,1-ジ
クロロ-2-エトキシエチルアクリレートなどが挙げられ
る。
【0015】メタクリル酸エステル類の例としては、メ
チルメタクリレート、エチルメタクリレート、N-エチル
-N-フェニルアミノエチルメタクリレート、ジメチルア
ミノフェノキシエチルメタクリレート、フルフリルメタ
クリレート、ナフチルメタクリレート、2-メトキシエチ
ルメタクリレート、2-(メトキシエトキシ)エチルメタク
リレート、ω-メトキシポリエチレングリコールメタク
リレート(付加モル数n=6)、アリルメタクリレー
ト、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライ
ド塩などを挙げることができる。
【0016】ビニルエステル類の例としては、ビニルア
セテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、
ビニルイソブチレート、ビニルカプロエート、ビニルク
ロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルフ
ェニルアセテート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル
などが挙げられる。
【0017】またオレフィン類としてはシクロペンタジ
エン、エチレン、プロピレン、イソプレン、2,3-ジメチ
ルブタジエン等を挙げることができる。
【0018】スチレン類としては例えば、スチレン、ジ
メチルスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチ
レン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロル
スチレン、ブロムスチレン、トリフルオロメチルスチレ
ン、ビニル安息香酸メチルエステルなどが挙げられる。
【0019】クロトン酸エステル類の例としては、クロ
トン酸ブチル、クロトン酸ヘキシルなどが挙げられる。
イタコン酸類としては例えば、イタコン酸ジメチル、イ
タコン酸ジエチルなどが挙げられる。マレイン酸ジエス
テル類としては、例えばマレイン酸ジエチル、マレイン
酸ジブチルなどが挙げられる。フマル酸ジエステル類と
しては、例えばフマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、
フマル酸ジブチルなどが挙げられる。
【0020】アクリルアミド類としては例えばアクリル
アミド、メチルアクリルアミド、ベンジルアクリルアミ
ド、ヒドロキシメチルアクリルアミド、メトキシエチル
アクリルアミド、フェニルアクリルアミド、N-(2-アセ
トキシエチル)アクリルアミドなど、メタクリルアミド
類としては例えば、メタクリルアミド、メチルメタクリ
ルアミド、tert-ブチルメタクリルアミド、フェニルメ
タクリルアミド、β-シアノエチルメタクリルアミド
等、アリル化合物としては例えば酢酸アリル、ラウリル
酸アリル等、ビニルエーテル類としては例えば、メチル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ジメチルアミ
ノエチルビニルエーテルなど、ビニルケトン類として
は、例えば、メチルビニルケトン、フェニルビニルケト
ン、メトキシエチルビニルケトン等、ビニル異節環化合
物としては例えば、ビニルピリジン、N-ビニルイミダゾ
ール、N-ビニルオキサゾリドン、N-ビニルトリアゾー
ル、N-ビニルピロリドン等、グリシジルエステル類とし
て例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレートなど、不飽和ニトリル類としては例えば、アク
リロニトリル、メタクリルニトリルなど、多官能性モノ
マーとしては例えば、ジビニルベンゼン、メチレンビス
アクリルニトリル、エチレングリコールジメタクリレー
トなど。
【0021】更にアクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸、イタコン酸モノアルキル、例えばイタ
コン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、マレイン酸
モノメチル、マレイン酸モノエステル、シトラコン酸、
スチレンスルホン酸、ビニルベンジルスルホン酸、ビニ
ルスルホン酸、アクリロイルオキシアルキルスルホン
酸、例えばアクリロイルオキシメチルスルホン酸、アク
リロイルオキシエチルスルホン酸、アクリロイルオキシ
プロピルスルホン酸など、メタクリロイルオキシアルキ
ルスルホン酸として例えば、メタクリロイルオキシジメ
チルスルホン酸、メタクリロイルオキシエチルスルホン
酸、メタクリロイルオキシプロピルスルホン酸など、ア
クリルアミドアルキルスルホン酸としては例えば、2-ア
クリルアミド-2-メチルエタンスルホン酸、2-アクリル
アミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミ
ド-2-メチルブタンスルホン酸など、メタクリルアミド
アルキルスルホン酸、例えば、2-メタクリルアミド-2-
メチルエタンスルホン酸 、2-メタクリルアミド-2-メチ
ルプロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチル
ブタンスルホン酸など、アクリロイルオキシアルキルホ
スフェート、例えば、アクリロイルオキシエチルホスフ
ェート、3-アクリロイルオキシプロピル-2-ホスフェー
トなど、メタクリロイルオキシアルキルホスフェート、
例えば、メタクリロイルオキシエチルホスフェート、3-
メタクリロイルオキシプロピル-2-ホスフェートなど、
親水基を2個有する3-アリロキシ-2-ヒドロキシプロパ
ンスルホン酸ナフチルなどが挙げられる。
【0022】これらの酸は、アルカリ金属(例えばN
a、Kなど)又はアンモニウムイオンの塩であってもよ
い。さらにその他のモノマー化合物としては例えば米国
特許3,459,790号、同3,438,708号、同3,554,987号、同
4,215,195号、同4,247,673号、特開昭57‐205735号等に
記載されている架橋性モノマーを用いることができる。
【0023】このような架橋性モノマーの例としては具
体的にはN-(2-アセトアセトキシエチル)アクリルアミ
ド、N-{2-(2-アセトアセトキシエトキシ)エチル}アクリ
ルアミド等を挙げることができる。
【0024】これらモノマーのうち、アクリル酸エステ
ル類、メタクリル酸エステル類、ビニルエステル類、ス
チレン類、オレフィン類が好ましく用いられる。
【0025】以下、上記モノマーにより形成されたポリ
マーラテックスの具体例を示すが本発明はこれらに限定
されるものではない。なおモノマー単位のサフィックス
はそれぞれの含有百分率を示す。
【0026】
【化1】
【0027】
【化2】
【0028】
【化3】
【0029】
【化4】
【0030】
【化5】
【0031】
【化6】
【0032】本発明において、ポリマーラテックスの使
用量は本発明に係る親水性コロイド層のゼラチン100に
対して重量比で10%以上、200%以下、好ましくは25%
以上、100%以下である。ポリマーラテックスの使用量
が少なすぎると本発明の効果が充分に発揮されず、また
使用量が多すぎる場合は充分な膜強度が得られない。更
に本発明に使用される水溶性ポリマーは、ポリマーラテ
ックス100に対して重量比で0.5%以上、30%以下、好ま
しくは1%以上、15%以下である。
【0033】本発明におけるポリマーラテックスは、25
℃における水に対する溶解度が、0.025重量%g以下であ
るモノマーの少なくとも1種を重合してなるポリマーラ
テックスを指す。
【0034】本発明に用いられるポリマーラテックス
は、種々の方法で容易に製造することができる。例えば
乳化重合法、溶液重合法、又は塊状重合法等で得たポリ
マーを再分散する方法等がある。
【0035】本発明で用いるポリマーラテックスは、そ
のままもしくは水に分散させて親水性コロイド層中に含
有させることができる。
【0036】以下に本発明に係るポリマーラテックスの
調製例を示す。
【0037】(Lx−1の合成)1,000ccの4つ口フラ
スコに攪拌器、温度計、滴下ロート、窒素導入管、還流
冷却器を施し、窒素ガスを導入し脱酸素を行いつつ蒸留
水350ccを加えて内温が80℃となるまで加熱した。分散
剤として下記の化合物1を4.5gを添加し、さらに開始
剤として過硫酸アンモニウム0.45gを添加し、次いでエ
チルヘキシルアクリレート90gを滴下ロートで約1時間
かけて滴下する。滴下終了後5時間そのまま反応を続け
た後、水蒸気蒸留で未反応単量体を除去する。その後冷
却しアンモニア水でpH6に調整しポリマーラテックス
を得た。粒径は150nmであった。
【0038】(Lx−2の合成)1,000ccの4つ口フラ
スコに攪拌器、温度計、滴下ロート、窒素導入管、還流
冷却器を施し、窒素ガスを導入し脱酸素を行いつつ蒸留
水350ccを加えて内温が80℃となるまで加熱した。分散
剤として下記の化合物2を4.5gを添加し、さらに開始
剤として過硫酸アンモニウム0.45gを添加し、次いでエ
チルヘキシルアクリレート90gを滴下ロートで約1時間
かけて滴下する。滴下終了後5時間そのまま反応を続け
た後、水蒸気蒸留で未反応単量体を除去する。その後冷
却しアンモニア水でpH6に調整しポリマーラテックス
を得た。粒径は200nmであった。
【0039】(Lx−10の合成)500ccの3つ口フラス
コにジオキサン200ccを入れ窒素ガスで脱酸素を行う。
その後、イソノニルアクリレート15g、シクロヘキシル
アクリレート35gを添加し、更に開始剤としてアゾビス
イソ酪酸ジメチル1.2gを加え、60℃で6時間反応を続
ける。反応終了後、反応液を3リットルの蒸留水に激し
く攪拌しながら加え、白色結晶を得た。
【0040】この白色結晶を濾取、乾燥した後、酢酸エ
チル100ccに溶解し、下記化合物3を分散剤として2g
添加した蒸留水500ccに激しく攪拌しながら加え、次い
で酢酸エチルを除去しポリマーラテックスを得た。粒径
は180nmであった。
【0041】(比較用ラテックスLの合成)水40リット
ルに名糖産業〔株〕製KMDS(デキストラン硫酸エス
テルナトリウム塩)0.25kg及び過硫酸アンモニウム0.05k
gを加えた液に、液温81℃で攪拌しつつ窒素雰囲気下
で、n-ブチルアクリレート4.51kg、スチレン5.49kg及び
アクリル酸0.1kgの混合液を1時間かけて添加、その後
過硫酸アンモニウムを0.005kg加え更に1.5時間攪拌後、
冷却し、アンモニア水を用いてpHを6に調製した。
【0042】得られたラテックス液をWhotman社製 GF
/Dフィルターで濾別し、水で50.5kgに仕上げ、平均粒
径250nmの単分散のラテックス(L)を調製した。
【0043】
【化7】
【0044】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
おいて、支持体から最も遠い位置の親水性コロイド層と
は、具体的には感光性又は実質的に非感光性のハロゲン
化銀乳剤層、保護層、フィルター層、紫外線吸収層、帯
電防止層などのハロゲン化銀写真感光材料構成層の最表
面層を指し、好ましい層としては保護層である。
【0045】本発明で言う親水性コロイド層には、本発
明に係るポリマーラテックス以外に結合剤又は保護コロ
イドとしてゼラチンをはじめとして各種の合成高分子化
合物を用いることができる。
【0046】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほ
か、酸処理ゼラチン或はゼラチン誘導体などを用いても
よい。
【0047】次にセレン化合物について述べる。
【0048】本発明で用いられるセレン増感剤は、従来
公知の特許に開示されているセレン化合物を用いること
ができる。セレン増感は通常、不安定型セレン化合物及
び/又は非不安定型セレン化合物をハロゲン化銀乳剤に
添加して、高温、好ましくは40℃以上で乳剤を一定時間
撹拌することにより行われる。不安定型セレン化合物と
しては例えば特公昭44-15748号、特公昭43-13489号など
に記載の化合物を用いることが好ましい。具体的な不安
定セレン増感剤としては、イソセレノシアネート類(例
えばアリルイソセレノシアネートの如き脂肪族イソセレ
ノシアネート類)、セレノ尿素類、セレノケトン類、セ
レノアミド類、セレノカルボン酸類(例えば、2-セレノ
プロピオン酸、2-セレノ酪酸)、セレノエステル類、ジ
アシルセレニド類(例えば、ビス(3-クロロ-2,6-ジメト
キシベンゾイル)セレニド)、セレノホスフェート類、
ホスフィンセレニド類、コロイド状金属セレンなどがあ
げられる。
【0049】本発明で用いられる非不安定型セレン化合
物としては例えば特公昭46-4553号、特公昭52-34492号
及び特公昭52-34491号に記載の化合物が用いられる。非
不安定型セレン化合物としては例えば亜セレン酸、セレ
ノシアン化カリウム、セレナゾール類、セレナゾール類
の四級塩、ジアリールセレニド、ジアリールジセレニ
ド、ジアルキルセレニド、ジアルキルジセレニド、2-セ
レナゾリジンジオン、2-セレノオキサゾリジンチオンお
よびこれらの誘導体等があげられる。
【0050】セレン化合物のうち、好ましくは以下の一
般式(1)および(2)があげられる。
【0051】
【化8】
【0052】式中、Z1及びZ2はそれぞれ同じでも異な
っていてもよく、アルキル基(例えば、メチル、エチ
ル、t-ブチル、アダマンチル、t-オクチル)、アルケニ
ル基(例えば、ビニル、プロペニル)、アラルキル基
(例えば、ベンジル、フェネチル)、アリール基(例え
ば、フェニル、ペンタフルオロフェニル、4-クロロフェ
ニル、3-ニトロフェニル、4-オクチルスルファモイルフ
ェニル、a-ナフチル)、複素環基(例えば、ピリジル、
チエニル、フリル、イミダゾリル)、−NR1(R2)、−
OR3または−SR4を表す。
【0053】R1、R2、R3及びR4はそれぞれ同じでも
異なっていてもよく、アルキル基、アラルキル基、アリ
ール基または複素環基を表す。アルキル基、アラルキル
基、アリール基または複素環基としてはZ1と同様な例
があげられる。ただし、R1及びR2は水素原子またはア
シル基(例えば、アセチル、プロパノイル、ベンゾイ
ル、ヘプタフルオロブタノイル、ジフルオロアセチル、
4-ニトロベンゾイル、a-ナフトイル、4-トリフルオロメ
チルベンゾイル)であってもよい。
【0054】一般式(1)中、好ましくはZ1はアルキ
ル基、アリール基または−NR1(R2)を表し、Z2は−
NR5(R6)を表す。R1、R2、R5及びR6はそれぞれ同
じでも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ア
リール基、またはアシル基を表す。
【0055】一般式(1)中、より好ましくはN,N-ジア
ルキルセレノ尿素、N,N,N′-トリアルキル-N′-アシル
セレノ尿素、テトラアルキルセレノ尿素、N,N-ジアルキ
ル-アリールセレノアミド、N-アルキル-N-アリールセレ
ノアミドを表す。
【0056】これらのセレン増感剤は水またはメタノー
ル、エタノールなどの有機溶媒の単独または混合溶媒に
溶解し、化学増感時に添加される。好ましくは化学増感
開始前に添加される。使用されるセレン増感剤は1種に
限られず上記セレン増感剤の2種以上を併用して用いる
ことができる。不安定セレン化合物と非不安定セレン化
合物を併用してもよい。本発明に使用されるセレン増感
剤の添加量は、用いるセレン増感剤の活性度、ハロゲン
化銀の種類や大きさ、熟成の温度および時間などにより
異なるが、好ましくは、ハロゲン化銀1モル当たり1×
10-8以上である。より好ましくは1×10-7モル以上3×
10-5モル以下である。セレン増感剤を用いた場合の化学
熟成の温度は好ましくは40℃以上である。より好ましく
は45℃以上、80℃以下である。pAgおよびpHは任意で
ある。例えばpHは4から9までの広い範囲で本発明の
効果は得られる。セレン増感は、ハロゲン化銀溶剤の存
在下で行うことは、より効果的である。
【0057】本発明で用いることができるハロゲン化銀
溶剤としては、例えば米国特許3,271,157号、同3,531,2
89号、同3,574,628号、特開昭54-1019号、同54-158917
号等に記載された(a)有機チオエーテル類、特開昭53
-82408号、同55-77737号、同55-2982号等に記載された
(b)チオ尿素誘導体、特開昭53-144319号に記載され
た(c)酸素または硫黄原子と窒素原子とにはさまれた
チオカルボニル基を有するハロゲン化銀溶剤、特開昭54
-100717号に記載された(d)イミダゾール類、(e)
亜硫酸塩、(f)チオシアネート等が挙げられる。特に
好ましい溶剤としては、チオシアネートおよびテトラメ
チルチオ尿素がある。また用いられる溶剤の量は種類に
よっても異なるが、例えばチオシアネートの場合、好ま
しい量はハロゲン化銀1モル当たり1×10-4以上1×10
-2モル以下である。本発明のハロゲン化銀乳剤は、化学
増感においてイオウ増感及び/又は金増感を併用するこ
とによりさらに高感度、低かぶりを達成することができ
る。イオウ増感は、通常、イオウ増感剤を添加して、高
温、好ましくは40℃以上で乳剤を一定時間撹拌すること
により行われる。また、金増感は、通常、金増感剤を添
加して、高温、好ましくは40℃以上で乳剤を一定時間撹
拌することにより行われる。上記のイオウ増感には硫黄
増感剤として公知のものを用いることができる。例えば
チオ硫酸塩、チオ尿素類、アリルイソチアシアネート、
シスチン、p-トルエンチオスルホン酸塩、ローダニンな
どが挙げられる。
【0058】
【化9】
【0059】式中、Z3、Z4およびZ5はそれぞれ同じ
でも異なっていてもよく、脂肪族基、芳香族基、複素環
基、−OR7、−NR8(R9)、−SR10、−SeR11、−
Xまたは水素原子を表す。
【0060】R7、R10およびR11は脂肪族基、芳香族
基、複素環基、水素原子またはカチオンを表し、R8
よびR9は脂肪族基、芳香族基、複素環基または水素原
子を表し、Xはハロゲン原子を表す。
【0061】一般式(2)において、Z3、Z4、Z5
7、R8、R9、R10およびR11で表される脂肪族基は
直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、アラルキル基(例えば、メチル、エチル、
n-プロピル、イソプロピル、t-ブチル、n-ブチル、n-オ
クチル、n-デシル、n-ヘキサデシル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、アリル、2-ブテニル、3-ペンテニル、
プロパルギル、3-ペンチニル、ベンジル、フェネチル)
を表す。
【0062】Z3、Z4、Z5、R7、R8、R9、R10およ
びR11で表される芳香族基は単環または縮環のアリール
基(例えば、フェニル、ペンタフルオロフェニル、4-ク
ロロフェニル、3-スルホフェニル、a-ナフチル、4-メチ
ルフェニル)を表す。
【0063】Z3、Z4、Z5、R7、R8、R9、R10およ
びR11で表される複素環基は窒素原子、酸素原子または
硫黄原子のうち少なくとも一つを含む3〜10員環の飽和
もしくは不飽和の複素環基(例えば、ピリジル、チエニ
ル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダ
ゾリル)を表す。
【0064】R7、R10およびR11で表されるカチオン
はアルカリ金属原子またはアンモニウムを表し、Xで表
されるハロゲン原子は、例えばフッ素原子、塩素原子、
臭素原子または沃素原子を表す。
【0065】好ましくはZ3、Z4またはZ5は脂肪族
基、芳香族基または−OR1を表し、R7は脂肪族基また
は芳香族基を表す。一般式(2)中、より好ましくはト
リアルキルホスフィンセレニド、トリアリールホスフィ
ンセレニド、トリアルキルセレノホスフェートまたはト
リアリールセレノホスフェートを表す。
【0066】以下に一般式(1)および(2)で表され
る化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定される
ものではない。
【0067】
【化10】
【0068】
【化11】
【0069】
【化12】
【0070】
【化13】
【0071】
【化14】
【0072】
【化15】
【0073】本発明に用いられる平板状ハロゲン化銀乳
剤のハロゲン化銀組成は、任意でよく例えば塩化銀、臭
化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀などのいずれのハロゲン化
銀を用いてもよいが、高感度を得られるという点からは
沃塩臭化銀乳剤が好ましく、平均沃化銀含有率は0〜4.
0モル%で特に好ましくは0.2〜3.0モル%で、平均塩化
銀含有率は0〜5モル%である。平板状ハロゲン化銀乳剤
の製造方法は例えば特開昭58-113927号、同58-113934
号、同62-1855号、ヨーロッパ特許219,849号、同219、85
0号などを参考に調製することができる。
【0074】高アスペクト比を持つ平板状沃臭化銀乳剤
の製造法としては、pBrが2以下に保たれたゼラチン水
溶液に、硝酸銀水溶液又は硝酸銀水溶液とハロゲン化物
水溶液を同時に添加して種晶を発生させ、次にダブルジ
ェット法により成長させることにより得ることができ
る。平板状ハロゲン化銀粒子の大きさは、粒子形成時の
温度、銀塩及びハロゲン化銀水溶液の添加速度によって
コントロールできる。
【0075】又、平板状ハロゲン化銀乳剤の沃化銀含有
率は、添加するハロゲン化物水溶液の組成、即ち臭化物
と沃化物の比率を変えることによりコントロールするこ
とができる。
【0076】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、例えばT.H.James著“The Theory of the
Photographic process”第4版、Macmillan社刊(1977
年)38〜104頁に記載の方法、G.F.Duffin著“Photograph
ic Emulsion Chemistry”、Focal Press社刊(1966年)、
P.Glafkides著“Chimie et Physique Photographique”
Paul Montel社刊(1967年)或はV.L.Zelikman他著“Makin
g And Coating Photographic Emulsion" Focal Press社
刊(1964)などに記載の方法により調製することができ
る。
【0077】即ち、酸性法、アンモニア法、中性法など
の溶液条件にて順混合法、逆混合法、ダブルジェット
法、コントロール・ダブルジェット法などの混合条件、
コンバージョン法、コア/シェル法などの粒子調製条件
およびこれらの組合わせ法を用いて製造することができ
る。
【0078】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、アスペクト比(粒子径)/(粒子厚み)が3
以上の平板状ハロゲン化銀粒子であって、該ハロゲン化
銀粒子が本発明の感光材料の全投影面積の少なくとも50
%を占めていることが好ましい。
【0079】該平板状ハロゲン化銀粒子はアスペクト比
が3以上、好ましくは5以上で実用的には5〜8以上で
よい。該平板状粒子が占める割合は、全投影面積に対し
50%以上、好ましくは70%以上で、より好ましくは90%
以上であることが最も好ましい。平板状粒子の平均粒径
は0.2〜2.5μmが好ましく、特に好ましくは0.5〜2.0μm
である。粒子の平均厚さは0.4μm以下が好ましく、より
好ましくは0.3μm以下で特に好ましくは0.05〜0.25μm
である。
【0080】本発明においてハロゲン化銀粒子の直径
は、ハロゲン化銀粒子の電子顕微鏡写真の観察から粒子
の球相当径として定義される。ハロゲン化銀粒子の厚み
は、平板状ハロゲン化銀粒子を構成する二つの平行な面
の距離のうち最小のものと定義される。平板状粒子の厚
さは、ハロゲン化銀粒子の影の付いた電子顕微鏡写真又
はハロゲン化銀乳剤を支持体に塗布して乾燥したサンプ
ルの電子顕微鏡断層写真から求めることができる。
【0081】平均アスペクト比を求めるには最低1000サ
ンプルの測定を行う。本発明に係る平板状ハロゲン化銀
乳剤は、単分散性であるものが好ましく、平均粒径を中
に±20%の粒径範囲に含まれるハロゲン化銀粒子が50重
量%以上含有されることが特に好ましい。
【0082】乳剤は可溶性塩類を除去するためにヌード
ル水洗法、フロキュレーション沈降法などを用いてよ
く、好ましい水洗法としては例えば、特公昭35-16086号
記載のスルホ基を含む芳香族炭化水素系アルデヒド樹脂
を用いる方法、又は特開昭63-158644号記載の高分子凝
集剤である例示G-3、G-8などを用いる脱塩法を挙げる
ことができる。
【0083】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、物理熟成又は化学熟成前後の工程で、各
種の写真用添加剤を用いることができる。
【0084】このような工程で使用される化合物として
は例えば、前述の(RD)No.17643、(RD)No.18716及び(RD)N
o.308119(1989年12月)に記載されている各種の化合物を
用いることができる。これら3つの(RD)に記載されてい
る化合物の種類と記載箇所を下記に掲載した。
【0085】 添加剤 RD-17643 RD-18716 RD-308119 頁 分類 頁 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IV 減感色素 23 IV 998 IVB 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 硬膜剤 26 X 651左 1004〜5 X 界面活性剤 26〜27 XI 650右 1005〜6 XI 可塑剤 27 XII 650右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1003〜4 IX 支持体 28 XVII 1009 XVII 本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる支持体
としては、上記のRDに記載されているものが挙げられ、
適当な支持体としてはポリエチレンテレフタレートフィ
ルムなどで、支持体表面は塗布層の接着性をよくするた
めに下引き層を設けたりコロナ放電や紫外線照射などが
施されてもよい。
【0086】本発明の感光材料の写真処理は例えば、前
記のRD-17643のXX〜XXI、29〜30頁或は同308119のXX〜XX
I、1011〜1012頁に記載されているような処理液による
処理がなされてよい。この処理は銀画像を形成する白黒
写真処理で処理温度は通常18℃から50℃の範囲で処理さ
れる。
【0087】白黒写真処理での現像剤としては、ジヒド
ロキシベンゼン類(例えばハイドロキノン)、3-ピラゾリ
ドン類(例えば1-フェニル-3-ピラゾリドン)、アミノフ
ェノール類(例えばN-メチル-P-アミノフエノール)など
を単独もしくは組合せて用いることができる。なお、現
像液には公知の例えば保恒剤、アルカリ剤、pH緩衡
剤、カブリ防止剤、硬膜剤、現像促進剤、界面活性剤、
消泡剤、色調剤、硬水軟化剤、溶解助剤、粘性付与剤な
どを必要に応じて用いてもよい。
【0088】定着液にはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩な
どの定着剤が用いられ、さらに硬膜剤として水溶性のア
ルミニウム塩例えば硫酸アルミニウム或はカリ明ばんな
どを含んでいてもよい。その他保恒剤、pH調整剤、硬
水軟化剤などを含有していてもよい。
【0089】
【実施例】以下、本発明を実施例にて説明する。
【0090】実施例1 1)種乳剤の調製1 60℃、pAg=8、pH=2.0にコントロールしつつ、ダブル
ジェット法で平均粒径0.3μmの沃化銀2モル%を含む沃
臭化銀の単分散立方晶粒子を調製した。
【0091】得られた反応液を40℃にて花王アトラス社
製、 デモールN水溶液と硫酸マグネシウム水溶液を用い
て脱塩したのち、 ゼラチン水溶液を加えて再分散し、 種
乳剤を得た。
【0092】2)種乳剤からの成長1 上述の種乳剤を用い次のように粒子を成長させた。まず
40℃に保たれたゼラチン水溶液中に上記の種乳剤を分散
し、さらにアンモニア水と酢酸でpHを9.7に調製した。
この液にアンモニア性硝酸銀イオン水溶液及び臭化カリ
ウムと沃化カリウムの水溶液をダブルジェット法で添加
した。添加中はpAg=7.3、pHを9.7に制御し沃化銀含有
率35モル%の層を形成した。次にアンモニア性硝酸銀水
溶液と臭化カリウム水溶液をダブルジェット法で添加し
た。目標粒径の95%まではpAg=9.0に保ち、pHは9.0
〜8.0にまで連続的に変化させた。その後 pAgを11.0に
調製しpHを8.0に保ちながら目標粒径まで成長させた。
続いて酢酸でpHを6.0まで下げてから5,5′-ジクロロ-9
-エチル-3,3′-ジ-(3-スルホプロピル)オキサカルボシ
アニンナトリウム塩の無水物をハロゲン化銀1モル当た
り400mg添加し、前記のデモールN水溶液と硫酸マグネ
シウム水溶液を用いて脱塩した後ゼラチン水溶液を加え
て再分散した。
【0093】この方法により平均沃化銀含有率2.0モル
%の頂点が丸みを帯びた14面体で平均粒径 0.40μm、0.
65μm、1.00μm、変動係数がそれぞれ0.17、0.16、0.16
の単分散沃臭化銀乳剤を(A)、(B)及び(C)を調製し
た。
【0094】3)種乳剤の調製2 40℃で激しく撹拌した過酸化水素処理ゼラチンを含む0.
05Nの臭化カリウム水溶液に、硝酸銀水溶液と過酸化水
素処理ゼラチンを含む等モルの臭化カリウム水溶液をダ
ブルジェット法で添加し、1.5分後から30分間かけて25
℃まで液温を下げてから硝酸銀1モル当たり80mlのアン
モニア水(28%)を加え5分間撹拌を続けた。
【0095】その後、酢酸にてpHを6.0に合わせてから
デモールN水溶液と硫酸マグネシウム水溶液を用いて脱
塩した後、ゼラチン水溶液を加えて再分散した。得られ
た種乳剤は平均粒径0.23μm、変動係数0.28の球型粒子
だった。
【0096】4)種乳剤からの成長2 上述の種乳剤を用い次のように粒子を成長させた。75℃
で激しく撹拌したオセインゼラチンと、プロピレンオキ
シ-ポリエチレンオキシ-ジサクシネート-ジナトリウム
塩を含む水溶液に臭化カリウムと沃化カリウムの水溶液
及び硝酸銀水溶液をダブルジェット法で添加した。この
間pH=5.8、pAg=9.0に保った。添加終了後pHを6.0に
合わせ5,5′-ジクロロ-9-エチル-3,3′-ジ-(3-スルホプ
ロピル)オキサカルボシアニンナトリウム塩の無水物を
ハロゲン化銀1モル当たり400mg添加した。次いで40℃
にてデモールN水溶液を用いて脱塩した後、ゼラチン水
溶液を加えて再分散した。
【0097】この方法によりpAgと沃化カリウムを変化
させて平均沃化銀含有率1.5モル%で投影面積直径0.96
μm、変動係数0.25、アスペクト比2.0、3.5、5.0 8.0
の平板状沃臭化銀乳剤D-1、D-2、D-3、D-4を調
製した。
【0098】試料の調製 得られた乳剤(A)、(B)、(C)及び(D-1、D-2、D-
3、D-4)のそれぞれに、55℃にて5,5′-ジクロロ-9-
エチル-3,3′-ジ-(3-スルホプロピル)オキサカルボシア
ニンナトリウム塩の無水物と5,5′-ジ-(ブトキシカルボ
ニル)-1,1′-ジエチル-3,3′-ジ-(4-スルホブチル)ベン
ゾイミダゾロカルボシアニンナトリウム塩の無水物を20
0:1の重量比で、ハロゲン化銀1モル当たり(A)が975
mg、(B)が600mg、(C)が390mg、(D)が500mg添加し
た。
【0099】10分後、適当量の塩化金酸、チオ硫酸ナト
リウム、チオシアン酸アンモニウムを加えて化学熟成を
行った。熟成終了15分前に沃化カリウムをハロゲン化銀
1モル当たり200mg添加し、その後4-ヒドロキシ-6-メチ
ル-1,3,3a,7-テトラザインデンをハロゲン化銀1モル当
たり3×10-2モル加え、ゼラチンを70g含む水溶液に分
散した。
【0100】熟成済みの4種類の乳剤の内(A)、(B)及
び(C)を重量比で15:65:20の割合で混合し乳剤(R-
1)とし、(D-1〜D-4)は単独のまま用いた。
【0101】これらの乳剤のそれぞれに対し、特開平2-
301744号の95頁16行〜96頁20行に記載されたものと同様
な添加剤を同様に加えた。さらに下記の染料乳化分散液
を1.2gを加え乳剤塗布液とした。
【0102】染料乳化分散液の調製方法 下記の染料10kgをトリクレジルホスヘイト28lと酢酸エ
チル85lからなる溶媒に55℃で溶解した。これをオイル
系溶媒と言う。一方、下記のアニオン性活性剤(AS)を1.
35Kg含む9.3%ゼラチン水溶液を調製した。
【0103】次いでオイル系溶媒と、このゼラチン水溶
液を分散釜にいれ、液温を40℃に保ちながら分散した。
得られた分散液にフェノールと1,1′-ジメチロール-1-
ブロム-1-ニトロメタンの適当量を加え水で240kgに仕上
げた。
【0104】
【化16】
【0105】また保護層液に用いた添加剤は次の通りで
ある。添加量は塗布液1リットル当たりの量で示した。
【0106】 石灰処理イナートゼラチン 68g 酸処理ゼラチン 2g ナトリウム-i-アミル-n-デシルスルホサクシネート 0.3g 本発明のポリマーラテックス 表に示す量 ポリメチルメタクリレート(面積平均粒径5.0μmのマット剤) 1.1g 二酸化ケイ素 (面積平均粒径3.0μmのマット剤) 0.5g ルドックスAM(デュポン社製コロイダルシリカ) 30mg グリオキザール40%水溶液 1.5ml (CH2=CHSO2CH2)2O 500mg
【0107】
【化17】
【0108】乳剤層は片面当たり銀量換算で2.0g/
m2、ゼラチン付き量として2.5g/m2、保護層はゼラチ
ン付き量として0.99g/m2となるように2台のスライド
ホッパー型コーターを用い、毎分90mのスピードで支持
体上に両面同時塗布を行い、2分20秒で乾燥し試料を得
た。
【0109】用いた支持体はグリシジルメタクリレート
50wt%、メチルアクリレート10wt%、ブチルメタクリレ
ート40wt%の3種のモノマーからなる共重合体の濃度が
10wt%になるように希釈して得た共重合体水性分散液を
下引き液として塗設した厚さ175μmの青色着色したポリ
エチレンテレフタレートフィルムベースを用いた。
【0110】<センシトメトリー>得られた試料を蛍光
増感紙KO-250(コニカ〔株〕製)で挟み、管電圧90KVP、2
0mA で0.05秒間X線を照射し、距離法にてセンシトメト
リーカーブを作成し感度、ガンマを求めた。このときの
感度は濃度1.0+カブリ濃度を得るに必要な露光量の逆
数の相対値で求め、料No.1を100としたときの相対感度
値で示した。又、ガンマ値は特性曲線上の濃度1.0と2.0
を結ぶ直線部のガンマ値で示した。
【0111】なお現像は、自動現像機 SRX-501(コニカ
〔株〕製)を用い、処理液は下記を用い、現像温度35
℃、定着温度33℃、水洗水を18℃で毎分3.5リットルを
供給し、全処理工程を45秒で処理した。
【0112】 (現像液組成) 亜硫酸カリウム 70g ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸三ナトリウム 8g ハイドロキノン 28g ホウ酸 10g 5-メチルベンゾトリアゾール 0.04g 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 0.01g メタ重亜硫酸ナトリウム 5g 酢酸(90%) 13g トリエチレングリコール 15g 1-フェニル-3-ピラゾリドン 1.2g 5-ニトロインダゾール 0.2g グルタルアルデヒド 4g 1リットルの水に溶かし苛性ソーダでpH10.4に調整する。
【0113】 (スターター) 氷酢酸 144g 臭化カリウム 300g 水を加えて 1リットルに仕上げる (上記の現像液1リットルに対して20ミリリットルのスターターを添加) (定着液組成) チオ硫酸ナトリウム5水塩 4.5g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.5g チオ硫酸アンモニウム 150g 無水亜硫酸ナトリウム 8g 酢酸カリウム 16g 硫酸アルミニウム(10〜18水塩) 10g 硫酸(50wt%) 5g クエン酸 1g ホウ酸 7g 氷酢酸 5g 1リットルの水溶液にして氷酢酸でpH4.2の液とする。
【0114】<擦り傷耐性の評価>温度 23℃、相対湿度
48%の条件下で、試料を4時間調湿してから、ナイロ
ンたわしを用いて100g/cm2の荷重をかけてこすった
後、前記の現像液で現像処理し、傷の程度を目視で判定
した。
【0115】評価基準 A:殆ど擦り傷が無い B:実用上問題のないレベルだが、擦り傷が若干ある C:擦り傷が目立つ程度に発生し、実用上問題である D:擦り傷が非常に多く、傷の幅も太く濃度も高い <表面比抵抗>試料を相対湿度20%下に1時間調湿して
から、電極間隔14mm、長さ100mmの黄色銅製電極に挟
み、武田理化〔株〕製の絶縁計TR-8651型で23℃、相対
湿度20%の条件下で1分間測定した。値が大きいほど帯
電防止性がよいことを示す。
【0116】<くっつき試験>試料を13.5cm×7cmの大
きさに裁断し、相対湿度80%下に1時間調湿後、2枚の
フィルム同士を重ね1kgの荷重をかけて3日間放置し
た。3日後フィルムを剥がすときの感触レベルから、く
っつきを評価した。
【0117】5:サラサラしている 4:僅かにくっついている 3:はっきりくっついており、剥がすときに音がする 2:くっつきがあり、乳剤が剥がれる 1:1/2以上くっついていて、剥がれにくい <銀色調>センシトメトリーと同様の処理を行った試料
について以下のように目視による銀色調性を評価した。
【0118】4:純黒色調 3:やや赤みを帯びた黒色 2:やや黄色みを帯びた黒色 1:黄色を帯びた黒色 以上、得られた結果を下記の表に示す。
【0119】
【表1】
【0120】
【表2】
【0121】表から明らかなように、本発明によれば、
擦れ状カブリ性、耐クッツキ性が改良され、かつ帯電防
止性能を有した純黒色調の銀画像を有する高感度、高ガ
ンマの写真感光材料を得られることが分かる。
【0122】
【発明の効果】本発明により、写真性能を損なうことな
く耐擦れ状カブリ性、耐クッツキ性を改良した高感度ハ
ロゲン化銀写真感光材料を得られる。さらに本発明によ
れば帯電防止性能を有し、かつ純黒色調の銀画像を有す
る高カバリングパワーのハロゲン化銀写真感光材料を得
られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 1/04 501 G03C 1/035 G03C 1/053 G03C 1/09 G03C 1/76 501

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも一方の側に、少なく
    とも1層のハロゲン化銀乳剤層と親水性コロイド層とを
    有するハロゲン化銀写真感光材料において、該ハロゲン
    化銀乳剤層のハロゲン化銀粒子が、セレン化合物により
    セレン増感されたアスペクト比3以上の平板状ハロゲン
    化銀粒子を含有し、かつ支持体から最も遠い位置の親水
    性コロイド層中に、25℃における水に対する溶解度が0.
    025重量%以下の単量体を少なくとも1種重合したポリ
    マーラテックスを含有することを特徴とするハロゲン化
    銀写真感光材料。
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