JPH11181300A - 高分子微粒子分散液の製造方法及び高分子微粒子を用いた画像記録材料 - Google Patents

高分子微粒子分散液の製造方法及び高分子微粒子を用いた画像記録材料

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JPH11181300A
JPH11181300A JP36574797A JP36574797A JPH11181300A JP H11181300 A JPH11181300 A JP H11181300A JP 36574797 A JP36574797 A JP 36574797A JP 36574797 A JP36574797 A JP 36574797A JP H11181300 A JPH11181300 A JP H11181300A
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fine particle
polymer fine
dispersion
fine particles
inorganic fine
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JP36574797A
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Shinichi Okamura
真一 岡村
Chiaki Nagaike
千秋 長池
Eiichi Ueda
栄一 上田
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】経時安定性が優れた高分子微粒子分散液、無機
微粒子複合高分子微粒子分散液の製造方法及び写真性能
を改良した画像記録材料を提供すること。 【解決手段】高分子微粒子、無機微粒子複合高分子微粒
子の製造時または製造後にクエン酸塩を添加する高分子
微粒子分散液、無機微粒子複合高分子微粒子分散液の製
造方法、及び、親水性コロイド層に上記で得られた高分
子微粒子、無機微粒子複合高分子微粒子を含有させた画
像記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高分子微粒子分散液
及び無機微粒子複合高分子微粒子分散液の製造法及び該
製造法で製造された高分子微粒子または無機微粒子複合
高分子微粒子を用いた画像記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、画像記録材料の各構成層、例え
ば、下引き層や親水性コロイド層は、皮膜物性、例え
ば、現像前後の接着強度、現像前後の寸法安定性、湿・
熱に対する寸法安定性、柔軟性、耐圧性、乾燥性に関し
て所定の強度が要求される。そのために従来から、支持
体上にハロゲン化銀乳剤層、中間層、保護層等の親水性
コロイド層を塗設する際、親水性コロイド層中に各種の
モノマーを重合せしめた水溶性ポリマー或いはポリマー
ラテックスを含有させ、形成される親水性コロイド膜の
寸法安定性、引っ掻き強度、柔軟性、耐圧性及び乾燥性
等の皮膜物性を改良する各種の試みが行われている。
【0003】このような観点から、特開昭61−690
61号公報、特開昭61−151527号公報において
アクリルアミド誘導体を用いることが、米国特許第2,
376,005号明細書においてビニルアセテートのポ
リマーラテックスを用いることが、米国特許第3,32
5,286号明細書においてアルキルアクリエートのポ
リマーラテックスを用いることが、特公昭45−533
1号公報においてn−ブチルアクリレート、エチルアク
リレート、スチレン、ブタジエン、酢酸ビニル、アクリ
ロニトリル等のポリマーラテックスを用いることが、特
公昭46−22506号公報においてアルキルアクリレ
ート、アクリル酸、スルホアルキルアクリレートのポリ
マーラテックスを用いることが、特開昭51−1302
17号公報において2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸のポリマーラテックス等を用いること
等がそれぞれ提案されている。
【0004】更に、圧力カブリを改良するために、画像
記録材料中に高分子微粒子とコロイダルシリカ等の無機
微粒子を併用し添加することが提案されているが、これ
らの高分子微粒子やコロイダルシリカは、親水性コロイ
ドとの相溶性が悪く、多量に添加すると塗布性、擦り傷
耐性等が劣化したり、乾燥した雰囲気下で画像記録材料
がひび割れるなど、画像記録材料の品質を著しく低下さ
せるという問題があった。そこでこれらの問題を解決す
るために、例えば、特開平8−211537号公報で無
機微粒子を複合化した高分子微粒子を用いることが提案
されている。
【0005】ところが、高分子微粒子分散液、無機微粒
子複合高分子微粒子分散液は保存安定性が悪く、経時で
粒径が大きくなり、挙げ句の果てには凝集するため、有
効期限が短く、冷蔵保存しなければならないという問題
があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたものであり、その目的は、経時安定性が
優れた高分子微粒子分散液、無機微粒子複合高分子微粒
子分散液の製造方法及び写真性能を改良した画像記録材
料を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、 (1)高分子微粒子の製造時及び/または製造後にクエ
ン酸塩を添加することを特徴とする高分子微粒子分散液
の製造方法。 (2)無機微粒子複合高分子微粒子の製造時及び/また
は製造後にクエン酸塩を添加することを特徴とする無機
微粒子複合高分子微粒子分散液の製造方法。 (3)支持体上に少なくとも1層の親水性コロイド層を
有する画像記録材料において、親水性コロイド層の少な
くとも1層に、上記(1)に記載の高分子微粒子分散液
の製造方法で製造された高分子微粒子を含有させたこと
を特徴とする画像記録材料。 (4)支持体上に少なくとも1層の親水性コロイド層を
有する画像記録材料において、親水性コロイド層の少な
くとも1層に、上記(2)に記載の無機微粒子複合高分
子微粒子分散液の製造方法で製造された無機微粒子複合
高分子微粒子を含有させたことを特徴とする画像記録材
料。 (5)支持体上に少なくとも1層の親水性コロイド層を
有する画像記録材料において、親水性コロイド層の少な
くとも1層に、上記(1)に記載の高分子微粒子分散液
の製造方法で製造された高分子微粒子及び/または上記
(2)に記載の無機微粒子複合高分子微粒子分散液の製
造方法で製造された無機微粒子複合高分子微粒子を含有
させたことを特徴とする画像記録材料。によって達成さ
れる。
【0008】本発明により製造された高分子微粒子分散
液及び無機微粒子複合高分子微粒子分散液は保存安定性
が優れているばかりでなく、経時保存した高分子微粒子
分散液及び無機微粒子複合高分子微粒子分散液を画像記
録材料の親水性コロイド層へ添加しても、また、製造直
後の高分子微粒子分散液及び無機微粒子複合高分子微粒
子分散液を画像記録材料の親水性コロイド層へ添加して
も画像記録材料の写真性能を改良するという予想外の効
果を有している。
【0009】以下、本発明について詳述する。
【0010】先ず、本発明の高分子微粒子について説明
する。
【0011】本発明の高分子微粒子とは、高分子化合物
からなる微粒子のことである。
【0012】本発明の高分子微粒子を構成する高分子化
合物を形成する単量体は特に限定されず、親水性の単量
体であっても、疎水性の単量体であってもよく、また、
親水性の単量体と疎水性の単量体を併用したものであっ
てもよい。
【0013】疎水性単量体としては、ビニルエステル
類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、
オレフィン類、スチレン類、クロトン酸エステル類、イ
タコン酸ジエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマ
ル酸ジエステル類、アリル化合物、ビニルエーテル類、
ビニルケトン類、ビニル異節環化合物、グリシジルエス
テル類、不飽和ニトリル類、その他各種不飽和酸エステ
ル等を挙げることができるが、好ましくは、アクリル酸
エステル類、メタクリル酸エステル類及びスチレン類で
あり、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類
はエステル基の炭素原子数が6以上であるものが特に好
ましい。更にこれらに、少なくとも1.0重量%の、好
ましくは20〜100重量%のグリシジル基をもつ単量
体を組み合わせて用いることが好ましい。
【0014】親水性単量体としては、例えば、アクリル
酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有単量体、ヒド
ロキシエチルアクリレート等の水酸基含有単量体、アル
キレンオキサイド含有単量体、アクリルアミド類、メタ
クリルアミド類、スルホン酸基含有単量体、アミノ基含
有単量体等を好ましく用いることができるが、水酸基含
有単量体、カルボキシル基含有単量体、アミド基含有単
量体、スルホン酸基含有単量体が特に好ましい。
【0015】本発明の高分子化合物は、単一重合体であ
っても、共重合体であってもよい。
【0016】本発明の高分子化合物を得る重合方法とし
ては、乳化重合法、溶液重合法、懸濁重合法等が挙げら
れる。 (溶液重合)溶媒中で適当な濃度の単量体の組成物(通
常、溶媒に対して40重量%以下、好ましくは10〜2
5重量%)を開始剤の存在下で約10〜200℃、好ま
しくは30〜120℃の温度で、約0.5〜48時間、
好ましくは2〜20時間重合を行うことで得られる。
【0017】開始剤は、重合溶媒に可溶ならば任意に採
用でき、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリ
ル(AIBN)、過酸化ジ第3ブチル等の有機溶媒系開
始剤、過硫酸アンモニウム(APS)、過酸化カリウ
ム、2,2′−アゾビス−(2−アミジノプロパン)−
ハイドロクロライド等の水溶性開始剤、又これらとFe
2+塩や亜硫酸水素ナトリウム等の還元剤を組み合わせた
レドックス系重合開始剤等を挙げることができる。
【0018】溶媒としては、単量体の組成物を溶解する
ものならば任意で、水、メタノール、エタノール、ジメ
チルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジオキサン
若しくはこれらの2種以上の混合溶媒等を挙げることが
できる。重合終了後、生成した高分子化合物を溶かさな
い溶媒中に反応混合物を注ぎ込み、生成物を沈殿させ、
次いで乾燥することにより未反応組成物を分離除去する
ことができる。 (乳化重合)水を分散媒とし、水に対して1〜50重量
%の単量体と、単量体に対して0.05〜5重量%の重
合開始剤、0.1〜20重量%の分散剤を用い、約30
〜100℃、好ましくは60〜90℃で3〜8時間、撹
拌下で重合させることによって得られる。
【0019】開始剤としては、水溶性過酸化物(過硫酸
カリウム、過硫酸アンモニウム等)、水溶性アゾ化合物
(2,2′−アゾビス−(2−アミジノプロパン)−ハ
イドロクロライド等)、又これらとFe2+塩や亜硫酸水
素ナトリウム等の還元剤を組み合わせたレドックス系重
合開始剤等を挙げることができる。
【0020】分散剤としてはアニオン性界面活性剤、ノ
ニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面
活性剤のいずれも用いることができるが、好ましくはア
ニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤である。 (懸濁重合)水を分散媒とし、水に対して1〜50重量
%の単量体と、単量体に対して0.05〜5重量%の重
合開始剤、0.1〜20重量%の分散剤を用い、約30
℃〜100℃で3〜8時間、撹拌下で重合させることに
よって得られる。
【0021】開始剤としては、水に不溶で、単量体に可
溶である過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル等を挙げることがで
きる。
【0022】分散剤としては、ポリビニルアルコール、
カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、デンプン等の
水溶性高分子を挙げることができる。
【0023】高分子微粒子分散液を得る分散方法として
は、分散剤の存在下でボールミル、振動ミル、遊星ボー
ルミル、サンドミル、コロイドミル又はジェットミル等
を用いて機械的粉砕に必要な時間粉砕を行い、微粒子状
に分散出来るようにメッシュを揃え、平均粒径0.00
5〜3μm程度に粉砕してから、界面活性剤、水溶性ポ
リマー等の分散剤を水に加えて微粒子分散するのがよ
い。この場合クエン酸塩の添加は分散前でも分散後でも
構わない。
【0024】乳化重合、懸濁重合の場合、そのまま高分
子微粒子分散液として用いても、濾過或いは遠心分離等
により分離した後、上記の分散方法により高分子微粒子
分散液を得ても構わない。
【0025】次に、本発明の無機微粒子複合高分子微粒
子について説明する。
【0026】本発明の無機微粒子複合高分子微粒子と
は、無機微粒子及び高分子化合物を複合した複合体から
なる微粒子のことである。
【0027】係る無機微粒子複合高分子微粒子は、例え
ば、無機微粒子の存在下で単量体を重合することによっ
て製造することができる。
【0028】本発明に係る無機微粒子複合高分子微粒子
に用いられる無機微粒子としては、無機酸化物、窒化
物、硫化物等が挙げられるが、好ましくは酸化物であ
る。具体的には、Si、Na、K、Ca、Ba、Al、
Zn、Fe、Cu、Sn、In、W、Y、Sb、Mn、
Ga、V、Nb、Tu、Ag、Bi、B、Mo、Ce、
Cd、Mg、Be、Pb等の単一又は複合の酸化物が好
ましく、特にSi、Y、Sn、Ti、Al、V、Sb、
In、Mn、Ce、Bの単一又は複合の酸化物が乳剤と
の混和性の点から好ましい。
【0029】これらは結晶性のものでも、非晶質のもの
でもよいが、好ましくは非晶質のものである。
【0030】無機微粒子の平均粒径は、0.5〜300
0nm程度、好ましくは3〜500nmである。無機微
粒子は水及び/又は水に可溶な溶媒に分散させて用いる
のが好ましい。
【0031】無機微粒子の添加量は高分子化合物に対し
て1〜2000重量%程度、好ましくは30〜1000
重量%である。
【0032】以下に好ましい酸化物の例を示す。 SO−1 SiO2 SO−2 TiO2 SO−3 ZnO SO−4 SnO2 SO−5 MnO2 SO−6 Fe23 SO−7 ZnSiO4 SO−8 Al23 SO−9 BeSiO4 SO−10 Al2SiO5 SO−11 ZrSiO4 SO−12 CaWO4 SO−13 CaSiO3 SO−14 InO2 SO−15 SnSbO2 SO−16 Sb25 SO−17 Nb25 SO−18 Y23 SO−19 CeO2 SO−20 Sb23 これらのなかでとりわけ好ましいのは、Siの酸化物で
あり、更にはコロイダルシリカである。
【0033】本発明の無機微粒子複合高分子微粒子にお
いて、高分子化合物を形成する単量体は特に限定され
ず、親水性の単量体であっても、疎水性の単量体であっ
てもよく、また、親水性の単量体と疎水性の単量体を併
用したものであってもよい。
【0034】疎水性単量体としては、ビニルエステル
類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、
オレフィン類、スチレン類、クロトン酸エステル類、イ
タコン酸ジエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマ
ル酸ジエステル類、アリル化合物、ビニルエーテル類、
ビニルケトン類、ビニル異節環化合物、グリシジルエス
テル類、不飽和ニトリル類、その他各種不飽和酸エステ
ル等を挙げることができるが、好ましくは、ビニルエス
テル類である。
【0035】親水性単量体としては、例えば、アクリル
酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有単量体、ヒド
ロキシエチルアクリレート等の水酸基含有単量体、アル
キレンオキサイド含有単量体、アクリルアミド類、メタ
クリルアミド類、スルホン酸基含有単量体、アミノ基含
有単量体等を好ましく用いることができるが、水酸基含
有単量体、カルボキシル基含有単量体、アミド基含有単
量体、スルホン酸基含有単量体が特に好ましい。
【0036】高分子化合物は、単一重合体であっても、
共重合体であってもよい。
【0037】本発明の無機微粒子複合高分子を得る重合
方法としては、乳化重合法、溶液重合法、懸濁重合法等
が挙げられる。 (溶液重合)無機微粒子を分散した溶媒中で適当な濃度
の単量体の組成物(通常、溶媒に対して40重量%以
下、好ましくは10〜25重量%)を開始剤の存在下で
約10〜200℃、好ましくは30〜120℃の温度
で、約0.5〜48時間、好ましくは2〜20時間重合
を行うことで得られる。
【0038】開始剤は、重合溶媒に可溶ならば任意に採
用でき、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソプチロニトリ
ル(AIBN)、過酸化ジ第3ブチル等の有機溶媒系開
始剤、過硫酸アンモニウム(APS)、過酸化カリウ
ム、2,2′−アゾビス−(2−アミジノプロパン)−
ハイドロクロライド等の水溶性開始剤、又これらとFe
2+塩や亜硫酸水素ナトリウム等の還元剤を組み合わせ
たレドックス系重合開始剤等を挙げることができる。
【0039】溶媒としては、単量体の組成物を溶解する
ものならば任意で、水、メタノール、エタノール、ジメ
チルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジオキサン
若しくはこれらの2種以上の混合溶媒等を挙げることが
できる。重合終了後、生成した高分子化合物を溶かさな
い溶媒中に反応混合物を注ぎ込み、生成物を沈殿させ、
次いで乾燥することにより未反応組成物を分離除去する
ことができる。 (乳化重合)無機微粒子を分散した水を分散媒とし、水
に対して1〜50重量%の単量体と、単量体に対して
0.05〜5重量%の重合開始剤、0.1〜20重量%
の分散剤を用い、約30〜100℃、好ましくは60〜
90℃で3〜8時間、撹拌下で重合させることによって
得られる。
【0040】開始剤としては、水溶性過酸化物(過硫酸
カリウム、過硫酸アンモニウム等)、水溶性アゾ化合物
(2,2′−アゾビス−(2−アミジノプロパン)−ハ
イドロクロライド等)、又これらとFe2+塩や亜硫酸
水素ナトリウム等の還元剤を組み合わせたレドックス系
重合開始剤等を挙げることができる。
【0041】分散剤としてはアニオン性界面活性剤、ノ
ニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面
活性剤のいずれも用いることができるが、好ましくはア
ニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤である。 (懸濁重合)無機微粒子を分散した水を分散媒とし、水
に対して1〜50重量%の単量体と、単量体に対して
0.05〜5重量%の重合開始剤、0.1〜20重量%
の分散剤を用い、約30℃〜100℃で3〜8時間、撹
拌下で重合させることによって得られる。
【0042】開始剤としては、水に不溶で、単量体に可
溶である過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル等を挙げることがで
きる。
【0043】分散剤としては、ポリビニルアルコール、
カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、デンプン等の
水溶性高分子を挙げることができる。
【0044】無機微粒子複合高分子微粒子分散液を得る
分散方法としては、分散剤の存在下でボールミル、振動
ミル、遊星ボールミル、サンドミル、コロイドミル又は
ジェットミル等を用いて機械的粉砕に必要な時間粉砕を
行い、微粒子状に分散出来るようにメッシュを揃え、平
均粒径0.005〜3μm程度に粉砕してから、界面活
性剤、水溶性ポリマー等の分散剤を水に加えて微粒子分
散するのがよい。この場合クエン酸塩の添加は分散前で
も分散後でも構わない。
【0045】乳化重合、懸濁重合の場合、そのまま無機
微粒子複合高分子微粒子分散液として用いても、濾過或
いは遠心分離等により分離した後、上記の分散方法によ
り無機微粒子複合高分子微粒子分散液を得ても構わな
い。
【0046】次に、本発明において用いられるクエン酸
塩について説明する。
【0047】本発明において用いられるクエン酸塩とし
ては、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム等が挙げ
られるが、クエン酸ナトリウムが好ましい。
【0048】本発明のクエン酸塩は、いずれの形態のも
のであってもよく、例えば、クエン酸塩水和物、クエン
酸塩無水和物、クエン酸と水酸化物との混合物のどれで
も構わない。
【0049】クエン酸塩の添加量は、高分子微粒子分散
液、無機微粒子複合高分子微粒子分散液1kgに対し
0.4g〜4.0gが好ましい。
【0050】クエン酸塩の添加タイミングは、高分子微
粒子、無機微粒子複合高分子微粒子の製造中でも製造終
了後でも構わない。
【0051】本発明の高分子微粒子及び/或いは無機微
粒子複合高分子微粒子を画像記録材料に含有させるとき
の平均粒径は、重量平均で0.005〜3.0μm程度
が好ましく、更には0.01〜0.8μmが特に好まし
い。
【0052】本発明の画像記録材料としては、写真、電
子写真、静電写真、フォトサーモグラフイー、マイグレ
ーション、エレクトロサーモグラフイー、誘電記録、感
熱色素転写等の材料が挙げられる。
【0053】以下、本発明の画像記録材料がハロゲン化
銀写真感光材料である場合について説明する。
【0054】ハロゲン化銀写真感光材料に用いる好まし
いハロゲン化銀乳剤は、(100)面を主平面とする塩
化銀系平板状粒子からなる乳剤であり、 (a)塩化物30モル%以上の条件で、分散媒体中に銀
塩及びハロゲン化物塩を導入し核形成を行う工程 (b)核形成に引き続き、平板状粒子の(100)主平
面を維持する条件下でオストワルド熟成を行う工程 (c)所望の粒径、塩化銀含有率になるように、粒子成
長を行う工程 によって調製されたハロゲン化銀乳剤が好ましいものと
して挙げられる。
【0055】核形成時の銀塩とハロゲン化物塩を反応さ
せる形式としては、ダブルジェット法を用いることが好
ましい。
【0056】粒子成長時にもダブルジェット法を用いる
のが好ましく、ハロゲン化銀の生成する液相中のpAg
を一定に保つ方法、即ち、所謂コントロールドダブルジ
ェット法を用いることもできる。
【0057】ハロゲン化銀乳剤は、その粒子形成時、一
部又は全工程に渡り微細なハロゲン化銀粒子を供給して
粒子形成されたものであってもよい。該微粒子の粒子サ
イズはハライドイオンの供給速度を支配するため、形成
するハロゲン化銀粒子のサイズや組成にもよるが、好ま
しいサイズは概ね平均球相当直径で0.3μm以下であ
り、更には0.1μm以下である。微粒子が成長粒子上
に再結晶化によって積層するためには、この微粒子サイ
ズは成長粒子の球相当直径より小さいことが望ましく、
更に好ましくは成長粒子の球相当直径の1/10以下で
ある。
【0058】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、ハロ
ゲン化銀粒子の成長終了後に可溶性塩類を除去して化学
増感に適するpAgイオン濃度にするためにヌードル水
洗法、フロキュレーション沈降法等を用いてよく、好ま
しい水洗法としては、例えば、特公昭35−16086
号に記載のスルホ基を含む芳香族炭化水素系アルデヒド
樹脂を用いる方法、又は特開平2−7037号公報に記
載の高分子凝集剤である例示化合物G−3、G−8等を
用いる脱塩法を挙げることができる。又、リサーチ・デ
ィスクロージャーVol.102(1972)Oct.
Item10208及びVol.131(1975)M
ar.Item13122に記載の限外濾過法を用いて
脱塩を行ってもよい。
【0059】ハロゲン化銀乳剤はシアニン色素類等によ
って分光増感されてもよい。
【0060】ハロゲン化銀乳剤に用いるバインダーとし
ては、ゼラチンを始めとして、ポリビニルアルコール,
ポリアクリルアミド等の合成ポリマー、コロイド状アル
ブミン、ポリサッカライド、セルロース誘導体等の親水
性コロイドを用いることができる。本発明によれば、ゼ
ラチン含有量が片面当たり1.7g/m2以下といった
薄膜で超迅速処理に有利な感光材料において、その効果
を遺憾なく発揮することができる。
【0061】本発明の感光材料には、ハロゲン化銀乳剤
の物理熟成又は化学熟成前後の工程で、リサーチ・ディ
スクロージャーNo.17643(1978年12月),
同No.18716(1979年11月),同No.3081
19(1989年12月)等に記載の各種写真用添加剤
を用いることができる。
【0062】支持体としては、上記リサーチ・ディスク
ロージャーに記載のものが挙げられるが、プラスチック
フィルム等が適当で、塗布層の接着性のためにその表面
に下引層を設けたり、コロナ放電や紫外線照射等を施し
てもよい。
【0063】本発明の感光材料には、必要に応じて、ア
ンチハレーション層、中間層、フィルター層等を設ける
ことができる。
【0064】ハロゲン化銀写真感光材料の構成層の塗布
には、ディップ塗布法、ローラー塗布法、カーテン塗布
法、押し出し塗布法、スライド・ホッパー法等を用いる
ことができ、リサーチ・ディスクロージャーVol.1
76,p.27〜28の「Coating procedures」の項に
詳しい。
【0065】ハロゲン化銀写真感光材料の処理に用いる
ことができる処理液も、前記リサーチ・ディスクロージ
ャーNo.17643及び308119等に記載されてい
る。
【0066】白黒写真に用いる現像剤としては、ジヒド
ロキシベンゼン類(ハイドロキノン等)、3−ピラゾリ
ドン類(1−フェニル−3−ピラゾリドン)、アミノフ
ェノール類(N−メチル−アミノフェノール)等が挙げ
られ、現像液には必要に応じて保恒剤、アルカリ剤、p
H緩衝剤、カブリ防止剤、硬膜剤、現像促進剤、界面活
性剤、消泡剤、色調剤、硬水軟化剤、溶解助剤、粘性付
与剤等を添加することができる。また、定着液にはチオ
硫酸塩、チオシアン酸塩等の定着剤が用いられ、更に硬
膜剤としての水溶性のアルミニウム塩(硫酸アルミニウ
ム、カリ明礬等)、保恒剤、pH調整剤、硬水軟化剤等
を含有してもよい。
【0067】ハロゲン化銀写真感光材料は自動現像機を
用いてDry to dryの全処理時間で25秒以下といった超
迅速処理を行うことができ、現像液や定着液の補充量を
感光材料1m2当たり200ml以下といった低補充で
処理することができる。
【0068】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。 実施例1 《高分子微粒子分散液の製造》
【0069】〈高分子微粒子分散液L−1の製造〉10
00mlの4つ口フラスコに撹拌器、温度計、滴下ロー
ト、窒素導入管、環流冷却器を取り付け、窒素ガスを導
入して脱酸素を行いつつ、蒸留水350ccを加え、内
部温度が80℃となるまで加熱した。下記の分散剤とし
て下記のSf 4.5gを添加し、重合開始剤として過
硫酸アンモニウム0.45gを添加し、次いで、エチル
ヘキシルアクリレート(単量体)90gを滴下ロートで
約1時間かけて滴下する。滴下終了後5時間そのまま反
応を続けた後、水蒸気蒸留で未反応単量体を除去する。
その後冷却しクエン酸ナトリウムでpHを6に調整して
本発明の高分子微粒子分散液L−1を得た。
【0070】Sf:C1225−Ph−O−(CH2
26−CH2CH2CH2SO3Na
【0071】〈高分子微粒子分散液L−2〜L−4の製
造〉高分子微粒子分散液L−1の製造において、分散剤
Sfに代え、表1に示す分散剤を用い、また、エチルヘ
キシルアクリレートに代え、表1に示す単量体を用いた
以外は高分子微粒子分散液L−1と同様にして高分子微
粒子分散液L−2〜L−4を製造した。
【0072】〈高分子微粒子分散液HL−1〜HL−4
(比較)の製造〉高分子微粒子分散液L−1〜L−4の
製造において、それぞれクエン酸ナトリウムに代え、水
酸化ナトリウムを用いた以外は高分子微粒子分散液L−
1〜L−4と同様にして高分子微粒子分散液HL−1〜
HL−4を製造した。
【0073】
【表1】
【0074】《保存安定性の評価》得られた高分子微粒
子分散液について、下記により濁度を評価し、保存安定
性を評価した。 (濁度の評価)高分子微粒子分散液を固形分濃度が1.
2重量%になるように純水で希釈し、積分球式濁度計
(SEP−PT−706D型)(三菱化成製)により濁
度を測定した。
【0075】濁度が高い値を示すというのは高分子微粒
子の平均粒径が大きいことを示している。
【0076】得られた結果を表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】本発明の高分子微粒子分散液L−1と比較
の高分子微粒子分散液HL−1を対比すると、本発明の
高分子微粒子分散液L−1は濁度の経時劣化性が大きく
改善されている。
【0079】実施例2 《無機微粒子複合高分子微粒子分散液の製造》
【0080】〈無機微粒子複合高分子微粒子分散液FL
−1の製造〉1000mlの4つ口フラスコに撹拌器、
温度計、滴下ロート、窒素導入管、環流冷却器を取り付
け、窒素ガスを導入して脱酸素を行いつつ、蒸留水31
0cc、30重量%のコロイダルシリカ分散物(平均粒
径12nm)(無機微粒子)240gを加え、内部温度
が70℃となるまで加熱した。下記の界面活性剤(A)
3.6gを添加し、重合開始剤として過硫酸アンモニウ
ム0.065gを添加し、次いで、酢酸ビニル18.0
gとピバリン酸ビニル18.0gからなる単量体混合物
を添加して4時間反応させた。その後、冷却し、最後に
クエン酸ナトリウムでpHを6に調整し無機微粒子複合
高分子微粒子分散液FL−1を得た。
【0081】
【化1】
【0082】〈無機微粒子複合高分子微粒子分散液FL
−2〜FL−5の製造〉無機微粒子複合高分子微粒子分
散液FL−1の製造において、酢酸ビニル18.0gと
ピバリン酸ビニル18.0gからなる単量体混合物に代
え、表3に示す単量体を用い、無機微粒子量及び単量体
量を表3に示す値に変更した以外は無機微粒子複合高分
子微粒子分散液FL−1と同様にして無機微粒子複合高
分子微粒子分散液FL−2〜FL−5を製造した。
【0083】〈無機微粒子複合高分子微粒子分散液HF
L−1〜HFL−5(比較)の製造〉無機微粒子複合高
分子微粒子分散液FL−1〜FL−5の製造において、
それぞれクエン酸ナトリウムに代え、水酸化ナトリウム
を用いた以外は無機微粒子複合高分子微粒子分散液FL
−1〜FL−5と同様にして無機微粒子複合高分子微粒
子分散液HFL−1〜HFL−5を製造した。
【0084】
【表3】
【0085】《化学的安定性の評価》得られた無機微粒
子複合高分子微粒子分散液について、下記により、化学
的安定性を評価した。 (濁度の評価)無機微粒子複合高分子微粒子分散液を固
形分濃度が1.2重量%になるように純水で希釈し、積
分球式濁度計(SEP−PT−706D型)(三菱化成
製)により濁度(A)を測定した。また、無機微粒子複
合高分子微粒子分散液を1.0mol/kgのNaCl
水溶液で固形分濃度が1.2重量%になるように希釈
し、積分球式濁度計(SEP−PT−706D型)(三
菱化成製)により濁度(B)を測定した。 (化学的安定性の評価)濁度(A)と濁度(B)との差
をもって、化学的安定性を評価した。得られた結果を表
4に示す。
【0086】
【表4】
【0087】本発明の無機微粒子複合高分子微粒子分散
液FL−4と比較の無機微粒子複合高分子微粒子分散液
HFL−4を対比すると、本発明の無機微粒子複合高分
子微粒子分散液FL−4は濁度の経時劣化が生じていな
いばかりでなく、化学的安定性の経時劣化も生じていな
い。
【0088】実施例3 《乳剤Em−lの調製》下記の様にして平板状沃臭化銀
粒子からなる乳剤Em−1を調製した。 (A1液) オセインゼラチン 24.2g 水 9657ml HO(CH2CH2O)n[CH(CH3)CH2O]17(CH2CH2O)mH (n+m=5〜7)10%メタノール溶液 1.20ml 臭化カリウム 10.8g 10%硝酸 160ml (B1液) 2.5N硝酸銀水溶液 2825ml (C1液) 臭化カリウム 841g 水で 2825ml (D1液) オセインゼラチン 121g 水 2040ml HO(CH2CH2O)n[CH(CH3)CH2O]17(CH2CH2O)mH (n+m=5〜7)10%メタノール溶液 5.70ml (E1液) 1.75N臭化カリウム水溶液 銀電位制御量
【0089】特公昭58−58288号公報に記載の混
合撹拌機を用いて、35℃で、A1液にB1液及びC1
液各々475.0mlを同時混合法により2.0分で添
加し、核形成を行った。
【0090】B1液及びC1液の添加終了後、60分か
けてA1液の温度を60℃に上昇させ、D1液の全量を
添加し、KOH3%水溶液でpHを5.5とし、再びB
1液及びC1液を各々55.4ml/分の添加速度で4
2分間添加した。この間、E1液を用いて銀電位(飽和
銀−塩化銀電極を比較電極として銀イオン選択電極で測
定)を+8mV及び+30mVになる様に制御した。
【0091】添加終了後、KOH3%水溶液でpHを
6.0とし、直ちに脱塩、水洗を行って種乳剤を得た。
この種乳剤を電子顕微鏡によって観察したところ、ハロ
ゲン化銀粒子の全投影面積の90%以上が最大隣接辺比
が1.0〜2.0の六角平板粒子よりなり、六角平板粒
子の平均厚さは0.090μm、平均円相当直径は0.
510μmであった。
【0092】得られた種乳剤を53℃にし、分光増感色
素A(5,5′−ジクロロ−9−エチル−3,3′−ジ
−(3−スルホプロピル)オキサカルボシアニンナトリ
ウム塩の無水物)450mg、分光増感色素B(5,
5′−ジ−(ブトキシカルボニル)−1,1′−ジ−エ
チル−3,3′−ジ−(4−スルホブチル)ベンゾイミ
ダゾロカルボシアニンナトリウムの無水物)8mgを固
体微粒子状の分散物として添加した後に、4−ヒドロキ
シ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン
(TAI)60mg、アデニン15mg、チオシアン酸
アンモニウム50mg、塩化金酸2.5mg及びチオ硫
酸ナトリウム5.0mgを含有する水溶液、沃化銀微粒
子乳剤(平均粒径0.05μm)5ミリモル相当、トリ
フェニルホスフィンセレナイド6.0mgの分散液を加
え、総計2時間30分の熟成を施した。熟成終了時に安
定剤としてTAI750mgを添加し、乳剤Em−lを
得た。
【0093】尚、分光増感色素の固体微粒子分散物は、
27℃の水に色素を加え高速撹拌機(ディゾルバー)で
3500r.p.m.にて30〜120分撹拌して得
た。またトリフェニルホスフィンセレナイドの分散液
は、トリフェニルホスフィンセレナイド120gを50
℃の酢酸エチル30kg中に添加して撹拌し、完全に溶
解させ、他方でゼラチン3.8kgを純水38kgに溶
解し、これにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2
5重量%水溶液93gを添加し、これらの2液を混合し
て直径10cmのディゾルバーを有する高速撹拌型分散
機により50℃、分散翼周速40m/秒で30分間分散
し、その後速やかに減圧して酢酸エチルの残留濃度が
0.3重量%以下になるまで、撹拌を行いつつ酢酸エチ
ルを除去し、純水で希釈して80kgに仕上げて得た。
【0094】《乳剤Em−2の調製》乳剤Em−1を種
乳剤として、以下の溶液を用い平板状沃臭化銀粒子から
なる乳剤Em−2を調製した。 (A2液) オセインゼラチン 19.04g HO(CH2CH2O)n[CH(CH3)CH2O]17(CH2CH2O)mH (n+m=5〜7)l0%メタノール溶液 2.00ml 沃化カリウム 7.00g Em−l 1.55モル相当 水で 2800mlに仕上げる (B2液) 臭化カリウム l493g 水で 3585m1に仕上げる (C2液) 硝酸銀 2l3lg 水で 3585m1に仕上げる (D2液) 3重量%のゼラチンと、沃化銀粒子(平均粒径0.05μm)からなる微粒子乳 剤 0.028モル相当 上記微粒子乳剤は、下記の如くして調製されたものであ
る。
【0095】0.06モルの沃化カリウムを含む5.0
重量%のゼラチン水溶液6.64リットルに、7.06
モルの硝酸銀と、7.06モルの沃化カリウムを含む水
溶液それぞれ2リットルを、10分間かけて添加した。
微粒子形成中のpHは硝酸を用いて2.0に、温度は4
0℃に制御した。粒子形成後に、炭酸ナトリウム水溶液
を用いてpHを6.0調整し、微粒子乳剤を調製した。
【0096】反応容器内でA2液を55℃に保ちながら
激しく撹拌し、B2液及びC2液のそれぞれ半量を35
分かけて同時混合法にて添加した。この間pHは5.8
に保った。1%KOH水溶液にてpHを8.8とし、B
2液、C2液及びD2液をD2液が無くなるまで同時混
合法で添加した。0.3%クエン酸水溶液にてpHを
6.0とし、B2液及びC2液の残量を25分かけて同
時混合法で添加した。この間のpAgは8.9に保っ
た。尚、B2液とC2液の添加速度は臨界成長速度に応
じて関数様に変化させ、小粒子の発生とオストワルド熟
成による多分散化を抑えた。
【0097】添加終了後、Em−1と同様に脱塩、水
洗、再分散を行い、再分散後40℃でpHを5.80、
pAgを8.2に調整した。
【0098】得られたハロゲン化銀乳剤を電子顕微鏡に
よって観察したところ、平均円相当直径0.91μm、
平均厚さ0.23μm、平均アスペクト比約4.0、粒
径分布の広さ(粒径分布の標準偏差/平均粒径)20.
5%の平板状ハロゲン化銀粒子からなる乳剤であった。
【0099】得られた乳剤を47℃にし、沃化銀微粒子
乳剤(平均粒径0.05μm)5ミリモル相当、分光増
感色素A 390mg及び分光増感色素B 4mgを固
体微粒子状の分散物として添加後に、アデニン10m
g、チオシアン酸アンモニウム50mg、塩化金酸2.
0mg及びチオ硫酸ナトリウム3.3mgを含有する水
溶液、トリフェニルホスフィンセレナイド4.0mgの
分散液を加え、総計2時間30分の熟成を施した。熟成
終了時に安定剤としてTAI750mgを添加し、乳剤
Em−2を得た。
【0100】調製したEm−1とEm−2それぞれを重
量比で6:4に混合した乳剤を用いて以下の処方で試料
を作製した。
【0101】《試料No.1の作製》濃度0.15に青色
着色した厚さ175μmのポリエチレンテレフタレート
フィルムベースの両面に、下記処方(片面当たり)のク
ロスオーバーカット層、乳剤層、中間層、保護層をクロ
スオーバーカット層、乳剤層、中間層、保護層の順で、
片面当たりの銀付量1.8g/m2、保護層ゼラチン量
0.4g/m2、中間層ゼラチン量0.4g/m2、乳剤
層ゼラチン量1.5g/m2、クロスオーバーカット層
ゼラチン量0.2g/m2になるように塗布し、乾燥し
て試料を作製した。
【0102】 第1層(クロスオーバーカット層) 固体微粒子分散体染料(AH) 180mg/m2 ゼラチン 0.2g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物I 5mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 5mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.014μm) 10mg/m2 硬膜剤A 2mg/m2
【0103】 第2層(乳剤層) ハロゲン化銀乳剤 銀量1.8g/m2 化合物G 0.5mg/m2 2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミノ−1,3,5−トリア ジン 5mg/m2 t−ブチル−カテコール 130mg/m2 ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 35mg/m2 スチレン−無水マレイン酸共重合体 80mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 80mg/m2 トリメチロールプロパン 350mg/m2 ジエチレングリコール 50mg/m2 ニトロフェニル−トリフェニル−ホスホニウムクロリド 20mg/m2 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 500mg/m2 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物H 0.5mg/m2 n−C 49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 350mg/m2 化合物M 5mg/m2 化合物N 5mg/m2 コロイダルシリカ 0.5g/m2 デキストリン(平均分子量1000) 0.2g/m2 化合物P 0.2g/m2 化合物Q 0.2g/m2
【0104】 第3層(中間層) ゼラチン 0.4g/m2 ホルムアルデヒド 10mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 5mg/m2 ビス−ビニルスルホニルメチルエーテル 18mg/m2 ポリアクリル酸ナトリウム 10mg/m2 化合物S−1 3mg/m2 化合物K 5mg/m2 硬膜剤B 1mg/m2
【0105】 第4層(保護層) ゼラチン 0.4g/m2 マット剤(面積平均粒径7.0μmのポリメチルメタクリレート) 50mg/m2 ホルムアルデヒド 10mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 5mg/m2 ビス−ビニルスルホニルメチルエーテル 18mg/m2 ポリアクリルアミド(平均分子量10000) 0.05g/m2 ポリアクリル酸ナトリウム 20mg/m2 ポリシロキサンSI 20mg/m2 化合物I 12mg/m2 化合物J 2mg/m2 化合物S−1 7mg/m2 化合物K 15mg/m2 化合物O 50mg/m2 化合物S−2 5mg/m2919O(CH2CH2O)11H 3mg/m2817SO2N(C37)−(CH2CH2O)15H 2mg/m2817SO2N(C37)−(CH2CH2O)4(CH24SO3Na 1mg/m2 硬膜剤B 1.5mg/m2
【0106】《試料No.2〜9の作製》試料No.1におい
て、表5に示す期間保存した表5に示す高分子微粒子
を、第1層(クロスオーバーカット層)、第2層(乳剤
層)、第4層(保護層)に添加26した以外は試料No.
1と同様にして試料No.2〜9を作製した。
【0107】なお、高分子微粒子の添加量は、クロスオ
ーバーカット層(片面0.2g/m2)、乳剤層(片面
0.2g/m2)、保護層(片面0.1g/m2)であ
る。
【0108】
【化2】
【0109】
【化3】
【0110】
【化4】
【0111】
【化5】
【0112】《蛍光増感紙の作製》 (蛍光体層形成用塗布液) Gd22S:Tb蛍光体(平均粒径1.8μm) 200g ポリウレタン系熱可塑性エラストマー[住友バイエルウレタン(株)製:デモラ ツクTPKL−5−2625(固形分40%)] 20g ニトロセルロース(硝化度11.5%) 2g からなる組成物にメチルエチルケトン溶媒を加え、プロ
ペラ型ミキサーで分散させて粘度25ps(25℃)の
蛍光体層形成用塗布液を調製した。(結合剤/蛍光体:
1/20)
【0113】(下塗層形成用塗布液)軟質アクリル樹脂
90g(固形分)、ニトロセルロース50gにメチルエ
チルケトンを加え、分散、混合して粘度3〜6ps(2
5℃)の下塗層形成用塗布液を調製した。
【0114】二酸化チタンを練り込んだ厚さ250μm
のポリエチレンテレフタレート支持体をガラス板上に水
平に置き、下塗層形成用塗布液をドクターブレードを用
いて均一に塗布した後、25℃から100℃に徐々に昇
温して乾燥し、厚さ15μmの下塗層を形成した。
【0115】この上に蛍光体層形成用塗布液をドクター
ブレードを用いて膜厚240μmで均一に塗布し、乾燥
後、カレンダーロールを用いて800kgw/cm2
圧力で、80℃で圧縮を行った。
【0116】更に、特開平6−75097号公報の実施
例1に記載の方法で厚さ3μmの透明保護層を形成し、
支持体、下塗層、蛍光体層、透明保護層からなる蛍光増
感紙を作製した。
【0117】《感度及び失透性の評価》得られた試料N
o.1〜9について、下記により、感度及び失透性につい
て評価した。 (感度)上記蛍光増感紙に試料No.1〜9を挟み、コニ
カメディカル(株)製ペネトロメータB型を介してX線
照射し、自動現像機SRX−503〔コニカ(株)製〕
にてSR−DF処理液〔コニカ(株)製〕を用い、現像
温度35℃でDry to dry45秒で処理を行った。このと
き、カブリ濃度+1.0の濃度を得るのに必要なX線量
の逆数を感度とし、試料No.1の感度を100とする相
対感度で評価した。
【0118】(失透性)未露光の試料No.1〜9を自動
現像機SRX−503〔コニカ(株)製〕にてSR−D
F処理液〔コニカ(株)製〕を用い、現像温度35℃で
Dry to dry45秒で現像処理し、現像済試料の透明度
を、下記の評価基準で目視により3段階評価した。 〈評価基準〉 3:透明度の低下がないもの。 2:僅かに乳白色になるもの。 1:乳白色になるもの。
【0119】得られた結果を表5に示す。
【0120】
【表5】
【0121】表5の記載から明らかなとおり、製造後室
温で1年保存した後の高分子微粒子分散液を用いた場
合、クエン酸塩を用いて製造した高分子微粒子を含有す
る試料No.5、9は、製造時にクエン酸塩を用いなかった
高分子微粒子を含有する試料No.3、7に比較して、感
度、失透性について良好な結果を得た。
【0122】また、製造後室温で1日保存した後の高分
子微粒子分散液を用いた場合、クエン酸塩を用いて製造
した高分子微粒子を含有する試料No.4、8は、製造時
にクエン酸塩を用いなかった高分子微粒子を含有する試
料No.2、6に比較し感度が高い。
【0123】実施例4 実施例3に記載の試料No.1において、表6に示す期間
保存した表6に示す高分子微粒子及び無機微粒子複合高
分子微粒子を、高分子微粒子は第1層(クロスオーバー
カット層)、第2層(乳剤層)、第4層(保護層)に、
無機微粒子複合高分子微粒子は第2層(乳剤層)、第4
層(保護層)に添加した以外は試料No.1と同様にして
試料No.21〜28を作製した。
【0124】なお、高分子微粒子の添加量は、クロスオ
ーバーカット層(片面0.2g/m2)、乳剤層(片面
0.2g/m2)、保護層(片面0.1g/m2)であ
り、無機微粒子複合高分子微粒子の添加量は、乳剤層
(片面1.0g/m2)、保護層(片面0.2g/m2
である。
【0125】《感度、失透性及びカバリングパワーの評
価》得られた試料No.21〜28について、下記によ
り、感度、失透性及びカバリングパワーについて評価し
た。 (感度)試料No.21〜28について、感度を実施例3
に記載の方法により求め、実施例3に記載の試料No.1
の感度を100とする相対感度で評価した。 (失透性)試料No.21〜28について、失透性を実施
例3に記載の方法により評価した。
【0126】(カバリングパワー)試料No.21〜28
を実施例3に記載の蛍光増感紙に挟み、X線照射し、コ
ニカ(株)製自動現像機SRX−503にてSR−DF
処理液(同)を用い、現像温度35℃でDry to dry45
秒で処理を行い、最高濃度を求めた。得られた最高濃度
を塗布銀量で割った値をカバリングパワーとし、実施例
3に記載の試料No.1のカバリングパワーを100とし
た相対値で評価した。
【0127】得られた結果を表6に示す。
【0128】
【表6】
【0129】表6の記載から明らかなとおり、製造後室
温で1年保存した後の無機微粒子複合高分子微粒子分散
液を用いた場合、クエン酸塩を用いて製造した無機微粒
子複合高分子微粒子を含有する試料No.24、26は、
製造時にクエン酸塩を用いなかった無機微粒子複合高分
子微粒子を含有する試料No.22、25に比較して、感
度、失透性だけでなくカバリングパワーについて良好な
結果を得た。
【0130】また、製造後室温で1日保存した後の無機
微粒子複合高分子微粒子分散液を用いた場合、クエン酸
塩を用いて製造した無機微粒子複合高分子微粒子を含有
する試料No.23、27、28は、製造時にクエン酸塩
を用いなかった無機微粒子複合高分子微粒子を含有する
試料21に比較して、感度、カバリングパワーが高い。
特に、クエン酸塩を用いて製造した高分子微粒子及びク
エン酸塩を用いて製造した無機微粒子複合高分子微粒子
の両方を含有する試料No.28は効果が著しい。
【0131】
【発明の効果】本発明の製造方法で製造された高分子微
粒子分散液、無機微粒子複合高分子微粒子分散液は、経
時安定性が優れており、本発明の製造方法で製造された
高分子微粒子、無機微粒子複合高分子微粒子を含有する
画像記録材料は、感度、失透性に優れている。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子微粒子の製造時及び/または製造後
    にクエン酸塩を添加することを特徴とする高分子微粒子
    分散液の製造方法。
  2. 【請求項2】無機微粒子複合高分子微粒子の製造時及び
    /または製造後にクエン酸塩を添加することを特徴とす
    る無機微粒子複合高分子微粒子分散液の製造方法。
  3. 【請求項3】支持体上に少なくとも1層の親水性コロイ
    ド層を有する画像記録材料において、親水性コロイド層
    の少なくとも1層に、請求項1に記載の高分子微粒子分
    散液の製造方法で製造された高分子微粒子を含有させた
    ことを特徴とする画像記録材料。
  4. 【請求項4】支持体上に少なくとも1層の親水性コロイ
    ド層を有する画像記録材料において、親水性コロイド層
    の少なくとも1層に、請求項2に記載の無機微粒子複合
    高分子微粒子分散液の製造方法で製造された無機微粒子
    複合高分子微粒子を含有させたことを特徴とする画像記
    録材料。
  5. 【請求項5】支持体上に少なくとも1層の親水性コロイ
    ド層を有する画像記録材料において、親水性コロイド層
    の少なくとも1層に、請求項1に記載の高分子微粒子分
    散液の製造方法で製造された高分子微粒子及び/または
    請求項2に記載の無機微粒子複合高分子微粒子分散液の
    製造方法で製造された無機微粒子複合高分子微粒子を含
    有させたことを特徴とする画像記録材料。
JP36574797A 1997-12-22 1997-12-22 高分子微粒子分散液の製造方法及び高分子微粒子を用いた画像記録材料 Pending JPH11181300A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005060505A (ja) * 2003-08-11 2005-03-10 Nippon Shokubai Co Ltd 分散体
JP2014151311A (ja) * 2013-02-13 2014-08-25 Nippon Soda Co Ltd 水性懸濁組成物

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