JPH09265158A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH09265158A
JPH09265158A JP7415596A JP7415596A JPH09265158A JP H09265158 A JPH09265158 A JP H09265158A JP 7415596 A JP7415596 A JP 7415596A JP 7415596 A JP7415596 A JP 7415596A JP H09265158 A JPH09265158 A JP H09265158A
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silver halide
layer
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emulsion
solution
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JP7415596A
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Ken Nagami
憲 永見
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルムにカールがなく、且つ、帯電防止性
能を改良したハロゲン化銀写真感光材料の提供。 【解決手段】 (1)支持体の片面に導電層を有し、そ
の反対面にポリマーラテックス含有層を有したハロゲン
化銀写真感光材料において、該導電層には金属酸化物コ
ロイドを含有し、該ポリマーラテックス含有層にはTg
が15℃〜150℃のポリマーラテックスを含有するこ
とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 (2)上記の導電層を有する側にハロゲン化銀乳剤層を
含む親水性コロイド層を有することを特徴とする(1)
項記載のハロゲン化銀写真感光材料。 (3)上記のポリマーラテックス含有層を有する側にハ
ロゲン化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を有すること
を特徴とする(1)項記載のハロゲン化銀写真感光材
料。 (4)上記(1)〜(3)項の何れか1項に記載のハロ
ゲン化銀写真感光材料のハロゲン化銀粒子が、平均アス
ペクト比3以上、15以下のハロゲン化銀粒子であるこ
とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術部分野】本発明はハロゲン化銀写真
感光材料に関し、詳しくは帯電防止されたハロゲン化銀
写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エレクトロニックスの進歩により
映像へのアクセスタイムの短縮化が飛躍的に進み、ハロ
ゲン化銀写真感光材料に対しても益々、迅速処理が要求
されてきている。そのため、感光材料には物性を含めて
厳しい要請がなされており、そのひとつに帯電防止性能
が挙げられる。
【0003】従来、ハロゲン化銀写真感光材料の帯電防
止剤としては高分子電解質や、界面活性剤が多く用いら
れてきた。しかしこれらの素材は水溶性を持つために、
現像処理時に処理液中に溶出し、処理液に濁りやスラッ
ジを生じる欠点を有していた。
【0004】従って素材としては水溶性の大きいものを
選ぶか、或いは高分子電解質を層中で架橋する手段など
が採られてきた。
【0005】しかし、近年における厳しい環境規制に対
しては、処理廃液量の減少と無公害化が必要であり、そ
のためには上記の手段では満足できないのが現状であっ
た。
【0006】このような問題を避けるために、非水溶性
で結晶性の金属酸化物粒子をビニリデンなどの疎水性バ
インダーとともに用いる方法が例えば特公昭60−49
894号にて開示されている。この場合、疎水性バイン
ダーには導電性がないために層中における金属酸化物粒
子の充填率を上げる必要がある。該公報では80重量%
以上としているが、結晶性の金属酸化粒子は光を散乱す
るために多量の添加は現像処理後のフィルムに失透性を
招く結果となり、好ましくない。
【0007】これに対処する技術として例えば特公平3
−24656号では、親水性バインダーとポリエチレン
オキシ基を持つ界面活性剤を用いる方法、或いは同3−
24657号ではフッ素系界面活性剤を用いることなど
を開示している。
【0008】なお、導電層は支持体の両面に塗設するこ
とが最も望ましいが、片面のみに設けた場合にはコスト
面では有利な反面、塗設された膜の収縮率の差からカー
ルが発生する。このカールを特に低湿度下で著しい。
【0009】なお、カールを防止するためにポリマーラ
テックスを使用することは、よく知られているが、乳剤
層を両面に有するX線用フィルムの場合、柔らかいポリ
マーラテックスを使用すると膜面に擦り傷を生じ易くな
ったり、フィルム同士がくっつき易くなるなどの問題を
招き好ましくなく、更なる改良技術が望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的は
処理後のフィルムにカールがなく、且つ、帯電防止性能
が優れたハロゲン化銀写真感光材料を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
以下の構成により解決された。
【0012】(1)支持体の片面に導電層を有し、その
反対面にポリマーラテックス含有層を有したハロゲン化
銀写真感光材料において、該導電層には金属酸化物コロ
イドを含有し、該ポリマーラテックス含有層にはTgが
15℃〜150℃のポリマーラテックスを含有すること
を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0013】(2)上記の導電層を有する側にハロゲン
化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を有することを特徴
とする(1)項記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0014】(3)上記のポリマーラテックス含有層を
有する側にハロゲン化銀乳剤層を含む親水性コロイド層
を有することを特徴とする(1)項記載のハロゲン化銀
写真感光材料。
【0015】(4)上記の(1)〜(3)項の何れか1
項に記載のハロゲン化銀写真感光材料のハロゲン化銀粒
子が、平均アスペクト比3以上、15以下のハロゲン化
銀粒子であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
料。
【0016】以下、本発明を詳述する。
【0017】本発明に用いられる金属酸化物コロイドと
しては亜鉛、マグネシウム、ケイ素、カルシウム、アル
ミニウム、ストロンチウム、バリウム、ジルコニウム、
チタン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、錫、イン
ジウム、モリブデン、バナジウムなどの酸化物コロイド
が好ましく用いられる。
【0018】これらのうちでZnO、TiO2及びSn
2が好ましく、特にSnO2が好ましいコロイドとして
挙げられる。また、異種原子をドープされた例としては
ZnOに対してはAl、In等、TiO2に対してはN
b、Ta等、SnO2に対してはNb、Sb、ハロゲン
元素等が挙げられる。無機コロイド粒子の平均粒径は好
ましくは0.001〜1μmが分散安定性の面から好ま
しい。
【0019】本発明に用いる金属酸化物コロイド、特に
酸化第二錫からなるコロイド状SnO2ゾルの製造方法
に関しては、SnO2超微粒子を適当な溶媒に分散して
製造する方法、又は溶媒に可溶なSn化合物の溶媒中に
おける分解反応から製造する方法など、何れの方法でも
良い。
【0020】SnO2超微粒子の製造方法に関しては、
特に温度条件が重要で、高温度の熱処理を伴う方法は、
一次粒子の成長や、結晶性が高くなる現象を生じるので
好ましくなく、やむをえず熱処理を行う必要があるとき
には、300℃以下、好ましくは200℃以下、更に好
ましくは150℃以下で行なうべきである。しかし、2
5℃から150℃までの加温は、バインダー中への分散
を考えたときには、好適に選ばれる手段である。
【0021】また、最近粉体製造技術の進歩により、超
微粒子を製造するにあたり、湿式法により製造された化
合物を電気炉中に噴霧する方法や、有機金属化合物の高
温度熱分解法などが開発されているが、かかる方法によ
り製造された超微粒子を溶媒中に再分散するには、かな
りの困難を伴い経済的に好ましくなく、また凝集粒子の
発生など写真用感材として重大な欠陥を引き起こす可能
性がある。このような理由から金属酸化物だけ単離する
製造プロセスの後、溶媒中へ再分散する方法は、写真用
帯電防止剤として使用する本発明においては採用しな
い。ただし、バインダーとSnO2ゾルの溶媒との相溶
性が悪い時には、溶媒置換の必要が生じるが、そのよう
なときには、SnO2ゾルの溶媒との相溶性又は分散安
定性の良好な他の化合物を適量添加し、SnO2ゾルか
らSnO2超微粒子と適量添加された化合物とを300
℃以下、好ましくは200℃以下、更に好ましくは15
0℃以下の加温により乾燥分離後、他の溶媒中へ再分散
する。
【0022】溶媒に可溶なSn化合物の溶媒中における
分解反応から製造する方法に関して以下に述べる。
【0023】ここで溶媒に可溶なSn化合物とは、K2
SnO3・3H2Oのようなオキソ陰イオンを含む化合
物、SnCl4のような水溶性ハロゲン化物、R′2Sn
2、R3SnX、R2SnX2の構造を有する化合物で
(ここでR及びR′はアルキル基、Xはハロゲンを表
す)例えば(CH33SnCl・(ピリジン)、(C4
92Sn(O2CC252など有機金属化合物、Sn
(SO42・2H2Oなどのオキソ塩を挙げることがで
きる。これらの溶媒に可溶なSn化合物を用いてSnO
2ゾルを製造する方法としては溶媒に溶解後、加熱、加
圧などの物理的方法、酸化、還元、加水分解などの化学
的方法、又は中間体を経由後、SnO2ゾルを製造する
方法などがある。
【0024】製造例として例えば特公昭35−6616
号に記載されたSnO2ゾルの製造方法では、SnCl4
を100倍容量の蒸留水に溶解して、中間体として水酸
化第二錫の沈澱を作る。この水酸化第二錫にアンモニア
水を加え微アルカリ性とし溶解する。次いでアンモニア
臭の無くなるまで加温するとコロイド状SnO2ゾルが
得られる。なお、この例では、溶媒として水を用いた
が、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの
アルコール溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジ
エチルエーテルなどのエーテル溶媒、ヘキサン、ヘプタ
ンなどの脂肪族有機溶媒、ベンゼン、ピリジンなどの芳
香族有機溶媒などSn化合物に応じて様々な溶媒を用い
ることが可能であり、本発明は溶媒に関して特に制限は
ない。
【0025】好ましくは水、アルコール類の溶媒が選ば
れる。
【0026】溶媒に可溶なSn化合物の溶媒中における
分解反応から製造する方法においてはプロセスの途中で
溶媒に可溶なSn以外の元素を含む化合物の添加も可能
である。例えば溶媒に可溶な弗素含有化合物の添加や、
溶媒に可溶な3価又は5価の配位数をとりうる金属の化
合物の添加である。
【0027】溶媒に可溶な弗素含有化合物としては、イ
オン性弗化物又は共有性弗化物の何れでもよい。例えば
HF、もしくはKHF2、SbF3、MoF6などの金属
弗化物、NH4MnF3、NH4BiF4などのフルオロ錯
陰イオンを生成する化合物、BrF3、SF4、SF6
どの無機分子性弗化物、CF3I、CF3COOH、P
(CF33などの有機弗素化合物を挙げることができる
が、溶媒が水の場合にはCaF2と硫酸との組み合わせ
のように、弗素含有化合物と不揮発性酸との組み合わせ
も用いることができる。
【0028】溶媒に可溶な3価もしくは5価の配位数を
とりうる金属の化合物としては、Al、Ga、In、T
lなどの族元素もしくはP、As、Sb、BiなどのV
族元素、3価もしくは5価の配位数をとりうるNb、
V、Ti、Cr、Mo、Fe、Co、Niなどの遷移金
属を含む化合物群である。
【0029】本発明の導電層のバインダーとしてはゼラ
チン、誘導体ゼラチン、コロイド状アルブミン、カゼイ
ンなどのタンパク質:カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、ジアセチルセルロース、ト
リアセチルセルロースなどのセルロース化合物:寒天、
アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体などの糖誘導体:合成親
水性コロイド例えばポリビニルアルコール、ポリ−n−
ビニルピロリドン、ポリアクリル酸共重合体、ポリアク
リルアミド又はそれらに誘導体、及び部分加水分解物、
ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル
酸エエステルなどのビニル重合体及びその共重合体、ロ
ジン、シェラックなどの天然物及びその誘導体、その他
多くの合成樹脂類が用いられる。
【0030】またスチレン−ブタジエン共重合体、ポリ
アクリル酸、ポリアクリルエステル及びその誘導体、ポ
リ酢酸ビニル、酢酸ビニールアクリル酸エステル共重合
体、ポリオレフィン、オレフィン−酢酸ビニル−共重合
体、或いはエマルジョンも使用することができる。その
他、カーボネート系、ポリエステル系、ウレタン系、エ
ポキシ系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン及
びポリピロールなどを使用することができる。これらバ
インダーは2種以上を混合して使用することができる。
製造時の取り扱い容易性や製品性能の観点から、これら
のバインダーの中でも特にポリアクリル酸共重合体、ポ
リアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリアクリ
ル酸エステル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ
塩化ビニリデンなどが好ましい。
【0031】本発明において、導電層の抵抗は導電層中
の導電性粒子の体積含有率を調節することにより、及び
/又は導電層の厚みを調節することにより101Ω・c
m〜1010Ω・cmの範囲に容易に調整することができ
る。しかしながら導電層としての強度を十分に持たせる
ためにはバインダーの量は5重量%を下回らないことが
望ましい。
【0032】導電性微粒子の割合は体積含有率で10%
〜70%であり、より好ましくは15%〜50%であ
る。その使用量は0.05g/m2〜5g/m2であり、
好ましくは0.1g/m2〜2g/m2である。
【0033】支持体に塗設される全親水性コロイド(例
えばゼラチン)の量は0.01g/m2〜5g/m2であ
り、好ましくは0.05g/m2〜10g/m2である。
【0034】導電層の塗布に際しては、溶剤を適宜選択
して組成物の分散液を調製する。溶剤の選択は当業者で
あれば容易に行うことができる。塗布方法には特別の制
限はなく、公知の方法の中から任意の方法を選択して採
用することができる。また塗布に際してはサポニン、ド
デシルベンゼンスルホン酸等の公知の塗布助剤や硬膜
剤、着色剤、紫外線吸収剤等を適宜必要に応じて用いて
もよい。また支持体と導電層との接着性を高めるために
両者の間に下引き層を設けてもよい。
【0035】本発明においてハロゲン化銀乳剤層は該導
電層側のみに塗設されたものでもよく、また導電層を有
しない反対側面のみに塗設された、いわゆる片面乳剤層
であってもよい。好ましい実施態様としては両面に乳剤
層を塗設したもの、或いは導電層側に乳剤層を塗設し、
その反対側のポリマーラテックス層側に裏引き層を設け
た構成が挙げられる。
【0036】次に本発明のポリマーラテックスについて
述べる。本発明では導電層を塗布した支持体の反対面に
ポリマーラテックスを含む親水性層が設けられる。該親
水性層としては例えば乳剤層、保護層、中間層、染料
層、フィルター層、アンチハレーション層、裏引き層な
どハロゲン化銀写真感光材料の構成層の何れでもよい。
【0037】ここで用いられるポリマーラテックスは、
一般的にハロゲン化銀写真感光材料に用いられるポリマ
ーラテックスを使用することが出来る。即ち、重合性エ
チレン系化合物又は重合性ジオレフィン系化合物であ
り、これらは疎水性モノマー、親水性モノマーに大別さ
れる。疎水性モノマーとしては例えばメチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシ
ルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、t
−ブチルアクリレート等のアクリル酸アルキルエステル
類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブ
チルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチ
ルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、t−ブチルメタクリレート、iso−プロピルメタ
クリレート等のメタクリル酸アルキルエステル類、グリ
シジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のグ
リシジルエステル類、スチレン、ビニルトルエン、α−
メチルスチレン、クロルメチルスチレン等のアルケニル
ベンゼン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニ
ルエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエ
ーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル
類、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン等のハロ
ゲン化ビニル類、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミ
ド等のアミド類、ブタジエン等のジエン単量体等を挙げ
ることができる。
【0038】又、親水性単量体としては、ヒドロキシエ
チルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート等
のアクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類、ヒドロキ
シエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリ
レート等のメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル
類、テトラエチレングリコール、モノメタクリレート等
の(メタ)アクリル酸エチレングリコール類、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、α-アクリルアミド-2-
メチルプロパンスルホン酸等のイオン性単量体が挙げら
れる。これらの単量体は単独で用いてもよく、二種類以
上併用してもよいが、親水性単量体を用いる場合は、疎
水性の単量体との併用が好ましく、安定したラテックス
を得るには、親水性単量体はあまり用いない方がよい。
【0039】本発明に用いられるポリマーラッテックス
は、はじめから分散媒中で重合する乳化重合法、懸濁重
合法で得てもよいし、別に重合して重合体を取り出し、
これを再分散させてラテックスを得てもよいが、製造コ
スト、分散安定性等の面からは乳化重合法が好ましい。
【0040】本発明で用いられるポリマーラテックスは
ポリマーのTg(ガラス転移温度)が15℃以上、15
0℃以下である。より好ましくは20℃〜100℃であ
る。
【0041】Tgが15℃以下ではフィルム面が特に高
湿下でくっつきやすくなり、150℃以上では逆にカー
ルの改良効果が殆どなくなるので、本発明の目的効果を
得ることはできない。
【0042】本発明で用いられるエチレン性単量体類の
多くのポリマーのTgは、ブランドラップ等による“ポ
リマーハンドブック”III−139頁〜179頁(19
66年)(ワイリーアンドサンズ社版)に記載されてお
りコポリマーのTg(゜K)は下記式で表される。
【0043】Tg(コポリマー)=V1Tg1+V2Tg2
+…+vWTgW 但し上式中、v1、v2は…vWはコポリマー中の単量体
の重量分率を表し、Tg1、Tg2…TgWはコポリマー
中の各単量体のホモポリマーのTg(゜K)を表す。上
式に従って計算されたTgには±5℃の精度がある。
【0044】以下、本発明に用いられるポリマーラテッ
クスの好ましい例を示すが、本発明はこれらに限定され
ない。
【0045】 (P−1) St(20)MMA(70)MA(10) (P−2) St(15)MMA(75)MA(10) (P−3) St(50)MMA(35)MA(15) (P−4) St(25)MMA(70)MA(15) (P−5) St(40)MMA(55)AA(15) (P−6) St(20)EMA(70)AA(10) (P−7) St(10)MMA(75)AA(15) (P−8) St(10)MMA(80)アクリロイル
オキシエチルオルトフタル酸(10) (P−9) St(15)MMA(75)アクリロイル
オキシエチルサクシネート(10) (P−10)St(18)MMA(75)アクリロイル
オキシエチルサクシネート(7) (P−11)CHMA(60)AIN(30)GMA
(10) (P−12)CHMA(80)AIN(15)GMA
(5) (P−13)CHMA(80)GMA(20) (P−14)CHMA(80)EMA(15)GMA
(5) (P−15)CHMA(65)EMA(25)GMA
(10) St:スチレン、 MMA:メチルメタクリレート、E
MA:エチルメタクリレート、MA:メタクリル酸、A
A:アクリル酸、CHMA:シクロヘキシルメタクリレ
ートを表す(組成は重量分率を示す)。
【0046】本発明において上記のポリマーラテックス
は任意に使用できるが、通常はハロゲン化銀写真感光材
料1m2当たり50mg〜2000mgでよく、好まし
くは150mg〜1000mgである。
【0047】ポリマーラテックスの添加時期は、任意の
工程で添加してもよいが、好ましくは塗布工程前の塗布
液に添加するのが好ましくい。
【0048】次に、本発明に用いられるハロゲン化銀粒
子について説明する。
【0049】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、
平均アスペクト比が3以上の平板状ハロゲン化銀粒子で
ある。更に好ましくは平均アスペクト比が3.0以上、
15.0以下であり、特に3以上、8未満が好ましい。
【0050】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子はハ
ロゲン化銀として臭化銀、塩化銀、沃臭化銀、塩臭化
銀、沃塩化銀、塩沃臭化銀等を用いることができる。沃
化銀の含有量は、ハロゲン化銀粒子全体での平均沃化銀
含有率として1.0モル%以下が好ましいが、更には
0.5モル%以下が更に好ましい。
【0051】本発明において、ハロゲン化銀粒子は種々
のハロゲン組成が可能であるが塩化銀を50モル%以上
含有すること、更には70モル%以上含有することが好
ましい。
【0052】本発明に用いられる平板状ハロゲン化銀粒
子は米国特許5,320,938号記載の方法で作成す
ることが出来る。即ち、(100)面を形成しやすい条
件下で沃度イオンの存在下、低pClで核形成させるこ
とが好ましい。核形成後は、オストワルド熟成及び/又
は成長を行い、所望の粒径、分布を有する平板状ハロゲ
ン化銀粒子を得ることが出来る。本発明に用いられる平
板状ハロゲン化銀粒子は、いわゆるハロゲン変換型(コ
ンバージョン型)の粒子であっても構わない。ハロゲン
変換量は銀量に対して0.2モル%〜0.5モル%が好
ましく、変換の時期は物理熟成中でも物理熟成終了後で
も良い。
【0053】ハロゲン化銀粒子は、粒子を形成する過程
及び/又は成長させる過程で、カドミウム塩、亜鉛塩、
鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩(錯塩を含む)、ロジ
ウム塩(錯塩を含む)、ルテニウム塩(錯塩を含む)、
オスミニウム塩(錯塩を含む)、及び鉄塩(錯塩を含
む)から選ばれる少なくとも1種を用いて金属イオンを
添加し、粒子内部及び/又は粒子表面にこれらの金属元
素を含有させることが好ましい。
【0054】本発明において現像速度を促進するために
脱塩工程前にハロゲン化銀溶剤を添加することも好まし
い。例えば、チオシアン酸化合物(チオシアン酸カリウ
ム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウ
ム等)を銀1モル当たり1×10-3モル以上、3×10
-2モル以下加えることが好ましい。
【0055】本発明において、ハロゲン化銀粒子の保護
コロイド用分散媒としてはゼラチンを用いることが好ま
しく、ゼラチンとしてはアルカリ処理ゼラチン、酸処理
ゼラチン、低分子量ゼラチン(分子量が2万〜10
万)、フタル化ゼラチン等の修飾ゼラチンが用いられ
る。また、これ以外の親水性コロイドも使用できる。具
体的にはリサーチ・ディスクロージャー誌(Resea
rch Disclosure.以下RDと略す)第1
76巻No.17643(1978年12月)の項に記
載されているものが挙げられる。ゼラチン量としては感
光材料片面当たりの全親水性コロイド層のゼラチン量が
1.0〜2.0g/m2である。
【0056】本発明において、ハロゲン化銀粒子の成長
時に不要な可溶性塩類を除去してもよいし、或いは含有
させたままでもよい。該塩類を除去する場合にはRD第
176巻No.17643のII項に記載の方法に基づ
いて行うことができる。
【0057】本発明のハロゲン化銀粒子は化学増感を施
すことができる。化学熟成即ち化学増感の工程の条件、
例えばpH、pAg、温度、時間等については特に制限
がなく、当業界で一般に行われている条件で行うことが
できる。化学増感のためには銀イオンと反応しうる硫黄
を含む化合物や活性ゼラチンを用いる硫黄増感法、セレ
ン化合物を用いるセレン増感法、テルル化合物を用いる
テルル増感法、還元性物質を用いる還元増感法、金その
他、貴金属を用いる貴金属増感法等を単独又は組み合わ
せて用いることができ、なかでもセレン増感法、テルル
増感法、還元増感法等が好ましく用いられる。
【0058】本発明の実施に際して用いられるハロゲン
化銀乳剤は、シアニン色素類その他によって分光増感さ
れてもよい。増感色素は単独に用いてもよいが、それら
の組み合わせを用いてもよく、増感色素の組み合わせは
特に強色増感の目的でしばしば用いられる。
【0059】本発明のハロゲン化銀乳剤による感光材料
は、乳剤の物理熟成又は化学熟成前後の工程で、各種の
写真用添加剤を用いることができる。
【0060】このような工程で使用できる化合物として
は例えば、リサーチ・ディスクロージャー(RD)17
643号、(RD)18716号(1979年11月)
及び(RD)308119号(1989年12月)に記
載されている各種の化合物が挙げられる。これら3つの
(RD)に記載されている化合物の種類と記載箇所を下
記に掲載した。
【0061】
【表1】
【0062】本発明の感光材料に用いられる支持体とし
ては、上記のRDに記載されているものが挙げられる
が、適当な支持体としてはポリエチレンテレフタレート
フィルムなどで、支持体表面は塗布層の接着性をよくす
るために下引き層を設けたり、コロナ放電や紫外線照射
などが施されてもよい。そして、このように処理された
支持体上の両面に本発明に係る構成層を塗布することが
できる。なお本発明の感光材料には必要に応じて、アン
チハレーション層、中間層、フィルター層、裏引き層な
どを設けることができる。
【0063】本発明の感光材料において、ハロゲン化銀
乳剤層その他の親水性コロイド層は種々の塗布法により
支持体上又は他の層上に塗布できる。塗布には、ディッ
プ塗布法、ローラー塗布法、カーテン塗布法、押しだし
塗布法、スライド・ホッパー法などを用いることができ
る。詳しくは、リサーチ・ディスクロージャー、第17
6巻、P.27−28の「Coating proce
dures」の項に記載されている方法を用いうる。
【0064】本発明の感光材料の処理は例えば、前記の
RD−17643のXX〜XXI、29〜30頁或いは同3
08119のXX〜XXI、1011〜1012頁に記載さ
れているような処理液による処理がなされてよい。
【0065】白黒写真処理での現像剤としては、ジヒド
ロキシベンゼン類(例えばハイドロキノン)、3−ピラ
ゾリドン類(例えば1−フェニル−3−ピラゾリド
ン)、アミノフェノール類(例えばN−メチル−アミノ
フェノール)、レダクトン類などを単独又は組み合わせ
て用いることができる。なお、現像液には公知の例えば
保恒剤、アルカリ剤、pH緩衝剤、カブリ防止剤、硬膜
剤、現像促進剤、界面活性剤、消泡剤、色調剤、硬水軟
化剤、溶解助剤、粘性付与剤などを必要に応じて用いて
もよい。
【0066】定着液にはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩な
どの定着剤が用いられ、更に硬膜剤として水溶性のアル
ミニウム塩例えば硫酸アルミニウム或いはカリ明ばんな
どを含んでいてもよい。その他保恒剤、pH調整剤、硬
水軟化剤などを含有していてもよい。
【0067】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は全処
理時間(Dry to Dry)が10〜30秒以下の
超迅速処理することができる。ここで全処理時間とは処
理する感光材料の先端が自動現像機の現像タンク液に浸
漬してからスクイズローラーを経て乾燥されるまでの時
間を言う。本発明のハロゲン化銀写真感光材料は現像液
や定着液の補充量が感光材料1m2当たり35〜130
mlで処理することができる。補充方法としては、特開
昭55−126243号に記載の幅、送り速度による補
充、特開昭60−104946号記載の面積補充、特開
平1−149156号記載の連続処理枚数によりコント
ロールされた面積補充でもよい。
【0068】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
【0069】実施例1 支持体の作成 (支持体1の作成)2軸延伸・熱固定後の厚さ175μ
mの濃度0.15に青色着色したポリエチレンテレフタ
レートフィルムの両面に8W分/m2のコロナ放電処理
を施し、一方の面に特開昭59−19941号記載のよ
うに下記組成の下引塗布液B−1を乾燥膜厚0.8μm
になるよう塗布し、100℃で1分間乾燥した。又、B
−1と反対側の面に、特開昭59−77439号記載の
ように下記組成の下引塗布液B−2を乾燥膜厚0.8μ
mになるように塗布し100℃で1分間乾燥した。
【0070】下引き第1層 <下引塗布液B−1> ブチルアクリレート・t−ブチルアクリレート・スチレン・ 2−ヒドロキシエチルアクリレートの(30:20:25:25 重量%)共重合体ラテックス液 (固形分30%)270g 化合物A 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1リットルに仕上げる。
【0071】 <下引塗布液B−2−1> ブチルアクリレート・スチレン・グリシジルアクリレートの (40:20:40重量%)共重合体ラテックス液(固形分30%) 23g 導電性P1分散液 415g ポリエチレングリコール(分子量600) 0.00012g 水 568g 下引き第2層 更に上記の下引層B−1及びB−2−1の上に8W分/
2のコロナ放電を施し、下記組成の下引塗布液B−3
を乾燥膜厚0.1μmになるように塗布し、100℃で
1分間乾燥した。
【0072】 <下引塗布液B−3> ゼラチン 10g 化合物A 0.4g 化合物B 0.1g 平均粒径3μmのシリカ粒子 0.1g 水で1リットルに仕上げる。
【0073】
【化1】
【0074】(支持体2の作成)下引塗布液B−2−1
の代わりに下引塗布液B−2−2を用いた以外、支持体
1と同様に作成した。
【0075】 <下引塗布液B−2−2> ブチルアクリレート・スチレン・グリシジルアクリレートの(40:20: 40重量%)共重合体ラテックス液 (固形分30%)23g 導電性P2分散液 760g ポリエチレングリコール(分子量600) 1.65g 水 700g (支持体3の作成)下引塗布液B−2−1の代わりに下
引塗布液B−2−3を用いた以外、支持体1と同様に作
成した。
【0076】 <下引塗布液B−2−3> ブチルアクリレート・スチレン・グリシジルアクリレートの(40:20: 40重量%)共重合体ラテックス液 (固形分30%)27g 導電性P1分散液 83g ポリエチレングリコール(分子量600) 0.48g 水 700g (支持体4の作成・比較試料)下引塗布液B−2−1の
代わりに下引塗布液B−0−1を用いた以外、支持体1
と同様に作成した。但し、下引き塗布液B−0−1に含
まれる酸化錫粉末溶液とは900℃の温度で酸化アンチ
モンを3%添加した酸化錫を焼成し、ボールミルで粉砕
した粉末を8wt%含むアンモニア水溶液である。この
粉末の平均粒径は0.5μmで比重は6.9であった。
【0077】下引き塗布液の調製方法は支持体1と同様
に行ったが、フィルム塗布液後の塗布液容器中には酸化
錫粉末の沈殿物が観察された。
【0078】 <下引塗布液B−0−1> ブチルアクリレート・スチレン・グリシジルアクリレートの(40:20: 40重量%)共重合体ラテックス液 (固形分30%)27g 酸化錫粉末溶液 90g ポリエチレングリコール(分子量600) 1.3g 水 800g 実施例2 <ハロゲン化銀乳剤の調製> (Em−1の調製)以下に示す3種の溶液を用い、平板
状沃塩化銀乳剤Em−1を調製した。
【0079】 A1 低メチオニンゼラチン 214.37g 塩化ナトリウム 1.995g 沃化カリウム 149.6mg 水で 6090mlに仕上げる B1 塩化ナトリウム 10.48g 沃化カリウム 149.4g 水で 90mlに仕上げる C1 硝酸銀 30.58g 水で 90mlに仕上げる D1 塩化ナトリウム 165.0g 水で 5640mlに仕上げる E1 硝酸銀 479.0g 水で 5640mlに仕上げる 反応容器内で溶液A1を40℃に保ちながら激しく撹拌
し、そこに溶液B1と溶液C1の全量を、毎分180m
lの流量で30秒かけて同時混合法にて添加した。次に
この混合溶液を40℃で10分間保った後、溶液D1と
溶液E1を毎分24mlの流量で40分かけて同時混合
法にて添加し、引き続き更に溶液D1と溶液E1の残り
全量を初期流量24ml、最終流量48mlとなるよう
に直線的に流量を増やしながら、130分かけて同時添
加法にて添加した。この間、pClは2.35に終始保
った。その後、塩化ナトリウムで1.30に調整し、限
外濾過膜を用いてpClを2.0とし、更に塩化ナトリ
ウムを添加してpClを1.65に調整した。
【0080】得られたハロゲン化銀乳剤は沃度を0.0
6モル%含有しており、電子顕微鏡観察したところ平均
粒径(円換算直径)1.45μm、平均厚さ0.13μ
m、平均アスペクト比11で粒径の変動係数が18.5
%の主平面が四角形状(隣接辺比1.4)の単分散平板
状ハロゲン化銀粒子であった。
【0081】得られた乳剤Em−1を所定量に分割し、
温度を55℃にした後に下記の分光増感色素(A)、
(B)の所定量を固体微粒子状の分散物として添加後
に、チオシアン酸アンモニウム、塩化金酸水溶液及び下
記に示す硫黄増感剤とトリフェニルホスフィンセレナイ
ドの固体微粒子状分散物を加え、総計2時間の熟成を施
した。熟成終了時に4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラザインデン(TAI)を添加して
安定化した。
【0082】添加剤とその添加量(AgX1モル当た
り)を下記に示す。
【0083】 分光増感色素(A) 300mg 分光増感色素(B) 375mg チオシアン酸アンモニウム 145mg 塩化金酸 18.5mg チオ硫酸ナトリウム(5水塩) 15mg 1−エチル−3−(2−チアゾリル)チオウレア 3.8mg 単体硫黄 3.5mg トリフェニルホスフィンセレナイド 3.0mg (TAI) 1000mg 分光増感色素の固体微粒子状分散物は特願平4−994
37号に記載の方法に準じて調製した。即ち分光増感色
素の所定量を予め27℃に調温した水に加え高速撹拌機
(ディゾルバー)で3,500rpmにて30〜120
分間にわたって撹拌することによって得た。
【0084】分光増感色素(A) アンヒドロ−5,5′−ジクロロ−9−エチル−3,
3′−ジ−(3−スルホプロピル)−オキサカルボシア
ニンヒドロキシド 分光増感色素(B) アンヒドロ−5,5′−ジブトキシカルボニル−1,
1′−ジエチル−3,3′−ジ−(3−スルホプロピ
ル)−ベンゾイミダゾロカルボシアニンヒドロキシド (Em−2の調製) (種乳剤−1の調製)下記のようにして種乳剤−1を調
製した。
【0085】 A2 オセインゼラチン 100g 臭化カリウム 2.05g 水で 11.5l B2 オセインゼラチン 55g 臭化カリウム 65g 沃化カリウム 1.8g 0.2N硫酸 38.5ml 水で 2.6l C2 オセインゼラチン 75g 臭化カリウム 950g 沃化カリウム 27g 水で 3.0l D2 硝酸銀 95g 水で 2.7l E2 硝酸銀 1410g 水で 3.2l 反応釜内にて、60℃に保温したA2液に、B2液とD
2液をコントロールダブルジェット法により、30分間
かけて添加し、その後、C2及びE2液をコントロール
ダブルジェット法により105分間かけて加えた。撹拌
は500rpmで行った。流速は粒子の成長に伴い新し
い核が発生せず、かつ、オストワルド熟成をおこして粒
径分布の広がりがないような流速で添加した。
【0086】銀イオン液及びハライドイオン液の添加時
において、pAgは臭化カリウム液を用い、8.3±
0.05に調整し、pHは硫酸を用いて2.0±0.1
に調整した。添加終了後、pHを6.0に合わせてか
ら、過剰の塩類を除去するため、特公昭35−1608
6号記載の方法により脱塩処理を行った。この種乳剤を
電子顕微鏡で観察したところ、平均粒径0.27μm、
粒径分布の広さ17%の角がややかけた立方体形状の1
4面体単分散性乳剤であった。
【0087】得られた種乳剤−1と以下に示す7種の溶
液を用い、単分散性コア/シェル型乳剤(Em−2)を
調製した。
【0088】 A3 オセインゼラチン 10g アンモニア水(28%) 28ml 氷酢酸 3ml 種乳剤−1 0.119モル相当 水で 600mlに仕上げる B3 オセインゼラチン 0.8g 臭化カリウム 5g 沃化カリウム 3g 水で 110mlに仕上げる C3 オセインゼラチン 2g 臭化カリウム 90g 水で 240mlに仕上げる D3 硝酸銀 9.9g アンモニア水(28%) 7.0ml 水で 110mlに仕上げる E3 硝酸銀 130g アンモニア水(28%) 100ml 水で 240mlに仕上げる F3 臭化カリウム 94g 水で 165mlに仕上げる G3 硝酸銀 9.9g アンモニア水(28%) 7.0ml 水で 110mlに仕上げる 上記のA3液を40℃に保温し、撹拌機で800rpm
で撹拌を行った。A3液のpHは酢酸で9.90に調整
し、種乳剤−1を採取し分散懸濁させ、その後G3液を
7分間かけて等速で添加しpAgを7.3にした。更に
B3液、D3液を同時に20分かけて添加した。この時
のpAgは7.3一定とした。更に10分間かけて臭化
カリウム溶液及び酢酸を用いてpH=8.83、pAg
=9.0に調整した後、C3液、E3液を同時に30分
間かけて添加した。
【0089】このとき添加速度時と添加終了時の流量比
は1:10であり、時間とともに流速を上昇せしめた。
又、流量比に比例してpHを8.83から8.00まで
低下せしめた。
【0090】又、C3液及びE3液が全体の2/3量だ
け添加された時にF3液を追加注入し8分間かけて等速
で添加した。このときpAgは9.0から11.0まで
上昇した。更に酢酸を加えてpHを6.0に調整した。
添加終了後、過剰な塩類を除去するために前記の種乳剤
と同様の方法で沈澱脱塩を行い、pAg8.5、40℃
においてpH5.85の平均沃化銀含有率が2モル%の
乳剤Em−3を得た。
【0091】得られた乳剤を電子顕微鏡にて観察したと
ころ平均粒径0.55μm、粒径分布の広さが14%の
丸みを帯びた14面体単分散性コア/シェル型乳剤を得
た。
【0092】上記で得た乳剤Em−1及びEm−2を5
0℃に保った状態で、平均粒径0.06μmのAgI微
粒子乳剤を銀1モル当たり6.0×10-4モル添加し
た後、前記の分光増感色素(A)を360mg、(B)
を3.6mg添加した。
【0093】次いでチオシアン酸アンモニウム塩を銀1
モル当たり、7.0×10-4モル、塩化金酸水溶液とチ
オ硫酸ナトリウムの適量を添加して化学増感を行ってか
ら4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テ
トラザインデン(TAI)を添加して安定化した。
【0094】次に先に作成した各支持体の両面に下記に
示した如く、染料層、乳剤層、保護層の順に両面に均一
に塗布、乾燥して試料を作成した。なお試料の片面当た
りの銀付き量は1.8g/m2で、ゼラチンは乳剤層が
1.5g、保護層が0.4g/m2、染料層が0.2g
/m2になるよう塗布した。
【0095】乳剤に用いた添加剤は次の通りである。
【0096】 第1層(染料層) 固体微粒子分散体染料(AH) 50mg/m2 ゼラチン 0.2g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(I) 5mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 5mg/m2 ポリスチレンスルホン酸カリウム 50mg/m2 本発明のポリマーラテックス 表2記載量 第2層(乳剤層) 上記で得た各々の乳剤に下記の各種添加剤を加えた。
【0097】 テトラクロロパラジウム(2)酸カリウム 100mg/m2 化合物(G) 0.5mg/m2 2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミノ−1,3,5− トリアジン 5mg/m2 t−ブチル−カテコール 130mg/m2 ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 35mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 80mg/m2 トリメチロールプロパン 50mg/m2 ジエチレングリコール 50mg/m2 ニトロフェニル−トリフェニル−ホスホニウムクロリド 20mg/m2 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 100mg/m2 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(H) 0.5mg/m2 n−C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 35mg/m2 化合物(M) 5mg/m2 化合物(N) 5mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.014μm) 500mg/m2 デキストラン(数平均分子量4万 0.3g/m2 本発明のポリマーラテックス 表2記載量 第3層(乳剤保護層) ゼラチン 0.4g/m2 (TAI) 50mg/m2 ポリメチルメタクリレート(平均粒径4.0μm) 20mg/m2 ポリメチルメタクリレート(平均粒径1.0μm) 50mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.014μm) 10mg/m2 ホルムアルデヒド 20mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 10mg/m2 ビス−ビニルスルホニルメチルエーテル 36mg/m2 ポリアクリルアミド(平均分子量10000) 50mg/m2 ポリシロキサン(SI) 20mg/m2 化合物(I) 12mg/m2 化合物(J) 2mg/m2 化合物(S−1) 7mg/m2 化合物(K) 15mg/m2 化合物(O) 50mg/m2 化合物(S−2) 5mg/m2919O(CH2CH2O)11H 3mg/m2817SO2N(C37)(CH2CH2O)15H 2mg/m2817SO2N(C37)(CH2CH2O)4(CH24SO3Na 1mg/m2 本発明のポリマーラテックス 表2記載量
【0098】
【化2】
【0099】
【化3】
【0100】
【化4】
【0101】以上のようにして得られた試料について以
下を評価した。
【0102】(カールの評価)試料を30cm×25c
mの大きさに断裁し、温度23℃、RH20%の条件下
で5時間放置後、試料の凸方向を下に向けて水平な面に
置く。続いて弧状に反った試料の四隅の下面からの距離
を測定し、それらの平均値をもってカール度とした。下
面からの距離が小さい程カールが少なく優れていること
を表す。
【0103】(帯電防止性能の評価)温度23℃、RH
20%の条件下で現像処理済み試料の乳剤面側を、ゴム
ローラーで数回こすり、タバコの灰を近づけて、フィル
ムに付着するかどうかを下記基準で評価した。○又は○
△であれば実用上、支障はない。
【0104】 ○ :1cmまで灰を近づけても全く付着しない ○△:1〜4cmまで近づけると付着する △ :4〜10cmまで近づけると付着する × :10cm以上でも付着する なお表中の比較用ラテックスは下記を用いた。
【0105】 Tg(計算値) 比較ラテックス1:St(15)EA(85) −6℃ 比較ラテックス2:CHMA(30)AIN(55)GMA(15) −21℃ 得られた結果を下記の表3に示す。
【0106】
【表2】
【0107】
【表3】
【0108】表3から明かなように本発明の試料は、カ
ールが少なく、且つ、優れた帯電防止性能を有している
ことが分かる。
【0109】実施例3 〈塩臭化銀乳剤の調製〉下記に示すA液、B液及びC液
を用いて塩臭化銀乳剤を調製した。
【0110】 A液 オセインゼラチン 6.8g ポリプロピレンオキシ−ポリエチレンオキシ−ジサクシネートナトリウム塩 (10%エタノール水溶液) 1ml 蒸留水 700ml B液 硝酸銀 170g 蒸留水 410ml C液 NaCl 35.1g KBr 47.6g 6塩化イリジウム塩 50mg ポリプロピレンオキシ−ポリエチレンオキシ−ジサクシネートナトリウム塩 (10%エタノール水溶液) 3ml オセインゼラチン 11g 蒸留水 407ml A液を45℃に保温した後、EAg値が120mVにな
るようにNaCl溶液を添加した。次に特開昭57−9
2523号に記載の混合撹拌機を用いて、ダブルジェッ
ト法にて溶液B及びCを添加した。添加流量は下記に示
したように全添加時間の25分の間にわたって、徐々に
添加流量を増加させEAg値を一定に保ちながら添加を
行った。EAg値は120mVより添加開始7分後にN
aCl水溶液を用いてEAg値を100mVに変化さ
せ、以後混合の完了までこの値を維持した。
【0111】EAg値を一定に保つため3モル/リット
ルのNaCl水溶液を用いてEAg値を制御した。
【0112】 添加時間 B液 C液 (分) (ml/min) (ml/min) 0 5.4 5.3 7 5.4 5.3 10 22.0 21.6 25 22.0 21.6 EAg値の測定には金属銀電極とダブルジャンクション
型飽和Ag/AgCl比較電極を用いた(電極の構成は
特開昭57−197534号に開示されているダブルジ
ャンクションを使用した)。又、B液、C液の添加には
流量可変型のローラーチューブ定量ポンプを用いた。
【0113】添加中、乳剤のサンプリングにより系内に
新たな粒子の発生が認められないことを電子顕微鏡によ
り観察し確認している。さらに添加中、系のpH値を
3.0に一定に保つよう3%硝酸水溶液で制御した。
【0114】B液、C液を添加終了後、乳剤を10分間
オストワルド熟成した後、常法により脱塩、水洗を行
い、その後オセインゼラチンの水溶液600ml(オセ
インゼラチン15gを含有)を添加し、55℃で30分
間撹拌により分散した後、750mlに調整し、平均粒
径0.2μm、塩化銀含有率60モル%の塩臭化銀乳剤
Aを得た。
【0115】このようにして得られた乳剤Aに対して金
硫黄増感を施し、安定剤として4−ヒドロキシ−6−メ
チル−1,3,3a,7−テトラザインデンを銀1モル
当たり0.6g加え、次いで下記の分光増感色素(イ)
及び(ロ)を銀1モル当たり各々100mgと40mg
添加した。
【0116】
【化5】
【0117】得られた乳剤Aに対して下記の添加剤を加
えてから、pHを6.20、銀電位を80mv(35
℃)になるよう炭酸ナトリウムとKBr水溶液を用いて
乳剤塗布液とした。乳剤層のハロゲン化銀1モル当たり
の添加剤の添加量を下記に示す。
【0118】 〈乳剤層〉 トリメチロールプロパン 10g ニトロフェニル−トリフェニルホスホニウムクロリド 50mg 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 1g 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸 10mg 1,1−ジメチロール−1−ブロム−ニトロメタン 10mg C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1g 本発明のポリマーラテックス 表4記載の量
【0119】
【化6】
【0120】〈乳剤保護層〉下記組成で添加量は塗布液
1リットル当たりの量で示す。
【0121】 石灰処理イナートゼラチン 68g 酸処理ゼラチン 2g i−アミル−n−デシルスルホサクシネートナトリウム 1.4g ポリメチルメタクリレート(粒径4μm) 0.15g 二酸化ケイ素粒子(面積平均粒径1.2μm) 0.5g ルドックスAM(デュポン社製コロイダルシリカ) 30g トップサイド300(Permchem Asia Ltd製) 45g 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 (2%水溶液) 10ml ビス−ビニルスルホニルメチルエーテル 0.5g
【0122】
【化7】
【0123】〈バッキング層〉 バッキング下層塗布液 (下記の組成で添加量は塗布液1リットル当たりの量で
示す。) ゼラチン 60g i−アミル−n−デシルスルホサクシネートナトリウム 50mg ジエチレングリコール 0.7g グリオキザール(40%水溶液) 0.5ml バッキング上層塗布液 (下記の組成で添加量は塗布液1リットル当たりの量で
示す。) ゼラチン 60g i−アミル−n−デシルスルホサクシネートナトリウム 1.5g ハレーション防止染料−1 1.5g ポリメチルメタクリレート(粒径4μm) 2.0g グリオキザール(40%水溶液) 5ml
【0124】
【化8】
【0125】
【化9】
【0126】上記の各々の塗布液を、先に作成した各々
の支持体上に塗布した。即ち、乳剤層は支持体片側面1
2当たりに銀量が2.2g、ゼラチン量は保護層を含
めて表4に記載の量になるよう調整して塗布した。
【0127】又、該乳剤層の反対側面には、バッキング
層として前記の下層と上層を塗布した。バッキング層の
塗布量は1m2当たりゼラチン量が下層が2.0g、上
層が0.7gになるよう塗布した。得られた試料につい
て実施例2と同様の方法で評価した結果を下記の表5に
示す。
【0128】
【表4】
【0129】
【表5】
【0130】表5から明らかなように本発明に係る試料
は、片面乳剤層の場合においてもカールが少なく、且
つ、優れた帯電防止性能を有していた。
【0131】実施例4 支持体の導電層を有する面にバッキング層及びバッキン
グ保護層、導電層を有しない面に乳剤層及び乳剤保護層
を塗設したものを作成し、同様の評価を行った結果、実
施例4と同様の効果を得られた。
【0132】
【発明の効果】実施例で実証の如く、本発明によれば処
理後のフィルムにカールが少なく、且つ、優れた帯電防
止性能を有するハロゲン化銀写真感光材料を得られた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面に導電層を有し、その反対
    面にポリマーラテックス含有層を有したハロゲン化銀写
    真感光材料において、該導電層には金属酸化物コロイド
    を含有し、該ポリマーラテックス含有層にはTgが15
    ℃〜150℃のポリマーラテックスを含有することを特
    徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 上記の導電層を有する側にハロゲン化銀
    乳剤層を含む親水性コロイド層を有することを特徴とす
    る請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 上記のポリマーラテックス含有層を有す
    る側にハロゲン化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を有
    することを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真
    感光材料。
  4. 【請求項4】 上記請求項1〜3の何れか1項に記載の
    ハロゲン化銀写真感光材料のハロゲン化銀粒子が、平均
    アスペクト比3以上、15以下のハロゲン化銀粒子であ
    ることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
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