JPH09269561A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH09269561A
JPH09269561A JP7655696A JP7655696A JPH09269561A JP H09269561 A JPH09269561 A JP H09269561A JP 7655696 A JP7655696 A JP 7655696A JP 7655696 A JP7655696 A JP 7655696A JP H09269561 A JPH09269561 A JP H09269561A
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Ken Nagami
憲 永見
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 帯電防止性能に優れ、かつ、高湿度における
膜はがれが無いハロゲン化銀写真感光材料の提供。 【構成】支持体上にハロゲン化銀乳剤層と非感光性親水
性コロイド層を有し、かつ、少なくとも一層の導電層を
有するハロゲン化銀写真感光材料において、該導電層
が、金属元素を含む酸化物ゾルを含有し、かつ、該導電
層上に塗設されるハロゲン化銀乳剤層及び/又は非感光
性親水性コロイド層が平板状シリカを含有することを特
徴とするハロゲン化銀写真感光材料により達成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀写真
感光材料に関し、特に帯電防止性に優れ、かつ、高湿度
における膜はがれの無いハロゲン化銀写真感光材料に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、エレクトロニクスの進歩により映
像へのアクセスタイムの短縮化が飛躍的に進み、ハロゲ
ン化銀写真感光材料へも益々迅速処理が要求されてい
る。このため、ハロゲン化銀写真感光材料は、その諸物
性に対しても益々厳しい要求をされてきているが、この
ような要求の厳しい性能の一つとして、帯電防止性能も
挙げられる。
【0003】従来、ハロゲン化銀写真感光材料の帯電防
止剤としては、高分子電解質や、界面活性剤が用いられ
てきた。しかし、これらの高分子電解質や界面活性剤は
水溶性を持つため、現像処理時に処理液中に溶出し、濁
りやスラッジを生じることがある。よって、これらの高
分子電解質や界面活性剤は、水溶性の大きいものを選ぶ
か、高分子電解質を架橋する手段などがとられてきた。
しかしながら、近年、環境規制が厳しいことから処理液
の廃液量減少が要求されており、このような場合には、
上記手段によっても濁りやスラッジの問題は解決できな
い。
【0004】特公昭60−49894号では、このよう
な問題を避けるために非水溶性の結晶性の金属酸化物粒
子をビニリデン等の疎水性バインダーとともに用いるこ
とが提案されている。この場合、疎水性バインダーは導
電性が無いので、結晶性の金属酸化物粒子は、導電性を
出すために導電性層中の粒子の充填率を上げる必要があ
り、当該特許においては、80重量%以上であるが、結
晶性の金属酸化物粒子は光を散乱するため、これだけの
量を添加すると、現像後の失透性の劣化が問題となっ
た。これに対処するために、特公平3−24656号で
は、結晶性の金属酸化物粒子とともに、親水性バインダ
ーおよび、ポリオキシエチレン基を有するノニオン界面
活性剤を用いることが示され、また特公平3−2465
7号では、結晶性の金属酸化物粒子とともに、親水性バ
インダーおよび、弗素系界面活性剤を用いることが示さ
れている。しかしながら、これらの技術をもってしても
導電性を持たせるために、粒子の充填率は50%以上必
要であることが示されており、失透性の問題は十分解決
されず、更に、高湿度の環境においては、層間の接着性
の劣化が生じ、膜はがれなどの故障をも引き起こすとい
う問題を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題に対
して、本発明の課題は、帯電防止性能に優れ、かつ、高
湿度における膜はがれが無いハロゲン化銀写真感光材料
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、下
記手段により達成される。
【0007】(1)支持体上にハロゲン化銀乳剤層と非
感光性親水性コロイド層を有し、かつ、少なくとも一層
の導電層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、
該導電層が、金属酸化物コロイドを含有し、かつ、該導
電層上に塗設されるハロゲン化銀乳剤層及び/又は非感
光性親水性コロイド層が平板状シリカを含有することを
特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0008】(2)前記乳剤層のハロゲン化銀粒子がア
スペクト比3以上の平板状粒子であることを特徴とする
上記(1)項に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0009】以下、本発明について具体的に説明する。
【0010】本発明に用いられる平板状シリカとはアル
カリ、アルカリ土類金属、アルミニウムなどを含有する
層状ケイ酸塩を意味し、カオリン鉱物、雲母粘土鉱物、
スメクタイトが挙げられる。カオリン鉱物としては、カ
オリナイト、デイッカイト、ナクライト、ハロイサイ
ト、蛇文石が挙げられる。雲母粘土鉱物としては、パイ
ロフィライト、タルク、白雲母、膨潤性合成フッ素雲
母、セリサイト、緑泥石が挙げられる。スメクタイトと
しては、スメクタイト、バーミキュライト、膨潤性合成
弗素バーミキュライトが挙げられる。
【0011】このなかで好ましいものは、膨潤性とイオ
ン交換性を有するスメクタイトである。スメクタイトに
は、天然物と合成物の2種類があるが、天然物の例とし
ては、モンモリロナイトとバイデライトがあり、ベント
ナイト、酸性白土などとよばれる粘土としてえられ、こ
れらを、帯電防止剤として非感光性親水性コロイド層に
使用する例が、特開昭60−202438号、同60−
239747号に記載されている。しかし、透明性が優
れている点で合成物が最も好ましく用いられ、さらに耐
熱性を高める目的で弗素を含有するものもある。合成ス
メクタイトの具体例としては、例えば、コープケミカル
(株)製のルーセンタイトSWN、SWFなどを挙げる
ことができる。
【0012】これらの平板状シリカは、使用されている
乳剤層の全シリカの投影面積の総和の50%以上がアス
ペクト比2以上の平板状シリカであることが好ましい。
ここでいうアスペクト比とは、平板状シリカの投影面積
と同一の面積を有する円の直径と2つの平行平面間距離
の比を表す。本発明においてアスペクト比は2以上10
0未満、特に2以上50未満であることが好ましい。本
発明の平板状シリカは、厚みが1.0μm以下、好まし
くは0.5μm以下であることが好ましい。また、平板
粒子の分布はしばしば使用される変動係数(投影面積を
円近似した場合の標準偏差Sを直径Dで割った値S/D
の100倍)で30%以下、特に20%以下である単分
散物であることが好ましいが必須要件ではない。
【0013】本発明に用いられる平板状シリカの好まし
い使用量は、添加すべき層のバインダーとして用いられ
ているゼラチンに対して乾燥重量比で0.05〜1.0
で、特に好ましくは0.1〜0.6である。また平板状
シリカとコロイダルシリカを併用してもよい。
【0014】本発明に用いられる平板状シリカは水分散
液として塗布液に添加するのが一般的であり、その調製
方法としては、所定量の水を十分セン断力をもつ高速撹
拌機、例えばホモミキサー、インペラー等で撹拌しなが
ら、平板状シリカを少量ずつ添加して分散する方法が好
ましい。分散液を調製する際に、ピロリン酸ナトリウ
ム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどの多リン酸塩、ト
リメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリメ
チロールメタンなどの多価アルコール、ポリエチレング
リコールアルキルエステルなどの非イオン性重合体など
の分散剤を適宜加えることができる。
【0015】本発明において平板状シリカを含有する層
の親水性バインダーの塗布量は、好ましくは支持体片側
あたり3.0g/m2以下、特に2.0g/m2以下が好
ましく用いられる。ただし、本発明における親水性バイ
ンダーとは、ゼラチン、デキストラン、デキストリン、
ポリアクリルアミドのような天然または合成の親水性ポ
リマーの様な親水性コロイド物質を意味する。
【0016】本発明の金属酸化物コロイドとしては、亜
鉛、マグネシウム、ケイ素、カルシウム、アルミニウ
ム、ストロンチウム、バリウム、ジルコニウム、チタ
ン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、スズ、インジ
ウム、モリブデン、バナジウムなどの酸化物コロイドが
好ましく使用される。特にZnO、TiO2及びSnO2
が好ましく、更にSnO2が特に好ましい。また異種原
子をドープした例としては、ZnOに対してはAl、I
n等、TiO2に対してはNb、Ta等、SnO2に対し
てはSb、Nb、ハロゲン元素等が挙げられる。無機コ
ロイド粒子の平均粒径は好ましくは0.001〜1μm
が分散安定上好ましい。
【0017】本発明に用いる金属酸化物コロイド、特に
酸化第二錫からなるコロイド状SnO2ゾルの製造方法
に関しては、SnO2超微粒子を適当な溶媒に分散して
製造する方法、または溶媒に可溶なSn化合物の溶媒中
における分解反応から製造する方法など、いずれの方法
でも良い。
【0018】SnO2超微粒子の製造方法に関しては、
特に温度条件が重要で、高温度の熱処理を伴う方法は、
一次粒子の成長や、結晶性が高くなる現象を生じるので
好ましくなく、やむをえず熱処理を行う必要があるとき
には、300℃以下好ましくは200℃以下さらに好ま
しくは150℃以下で行なうべきである。しかし、25
℃から150℃までの加温は、バインダー中への分散を
考えたときには、好適に選ばれる手段である。
【0019】また、最近粉体製造技術の進歩により、超
微粒子を製造するにあたり、湿式法により製造された化
合物を電気炉中に噴霧する方法や、有機金属化合物の高
温度熱分解法などが開発されているが、かかる方法によ
り製造された超微粒子を溶媒中に再分散するには、かな
りの困難を伴い経済的に好ましくなく、また凝集粒の発
生など写真用感光材料として重大な欠陥を引き起こす可
能性がある。このような理由から金属酸化物だけ単離す
る製造プロセスの後、溶媒中へ再分散する方法は、写真
用帯電防止剤として使用する本発明においては採用しな
い。ただし、バインダーとSnO2ゾルの溶媒との相溶
性が悪い時には、溶媒置換の必要が生じるが、そのよう
なときには、SnO2ゾルの溶媒との相溶性または分散
安定性の良好な他の化合物を適量添加し、SnO2ゾル
からSnO2超微粒子と適量添加された化合物とを30
0℃以下、好ましくは200℃以下、さらに好ましくは
150℃以下の加温により乾燥分離後、他の溶媒中へ再
分散する。
【0020】溶媒に可溶なSn化合物の溶媒中における
分解反応から製造する方法に関して以下に述べる。溶媒
に可溶なSn化合物とは、K2SnO3・3H2Oのよう
なオキソ陰イオンを含む化合物、SnCl4のような水
溶性ハロゲン化物、R′2SnR2、R3SnX、R2Sn
2の構造を有する化合物で(ここで、R及びR′はア
ルキル基を表す)、例えば(CH3SnCl・(ピ
リジン)、(C492Sn(O2CC252など有機
金属化合物、Sn(SO42・2H2Oなどのオキソ塩
を挙げる事ができる。
【0021】これらの溶媒に可溶なSn化合物を用いて
SnO2ゾルを製造する方法としては、溶媒に溶解後、
加熱、加圧などの物理的方法、酸化、還元、加水分解な
どの化学的方法、または中間体を経由後、SnO2ゾル
を製造する方法などがある。例として特公昭35−66
16号に記載されたSnO2ゾルの製造方法を述べる
と、SnCl4を100倍容量の蒸留水に溶解して、中
間体として水酸化第二錫の沈澱を作る。この水酸化第二
錫にアンモニア水を加え微アルカリ性となし溶解する。
ついでアンモニア臭の無くなるまで加温するとコロイド
状SnO2ゾルが得られる。なお、この例では、溶媒と
して水を用いたが、メタノール、エタノール、イソプロ
パノールなどのアルコール溶媒、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル溶媒、ヘ
キサン、ヘプタンなどの脂肪族有機溶媒、ベンゼン、ピ
リジンなどの芳香族有機溶媒などSn化合物に応じて様
々な溶媒を用いる事が可能であり、本発明は、溶媒に関
して特に制限はない。好ましくは、水、アルコール類の
溶媒が選ばれる。
【0022】溶媒に可溶なSn化合物の溶媒中における
分解反応から製造する方法においてはプロセスの途中で
溶媒に可溶なSn以外の元素を含む化合物の添加も可能
である。例えば溶媒に可溶な弗素含有化合物の添加や、
溶媒に可溶な3価または5価の配位数をとりうる金属の
化合物の添加である。
【0023】溶媒に可溶な弗素含有化合物とは、イオン
性弗化物または共有性弗化物のいずれでも良い。例え
ば、HF、もしくはKHF2、SbF3、MoF6などの
金属弗化物、NH4MnF3、NH4BiF4などのフルオ
ロ錯陰イオンを生成する化合物、BrF3、SF4、SF
6などの無機分子性弗化物、CF3I、CF3COOH、
P(CF33などの有機弗素化合物をあげることができ
るが、溶媒が水の場合には、CaF2と硫酸との組み合
わせのように、弗素含有化合物と不揮発性酸との組み合
わせも用いる事ができる。
【0024】溶媒に可溶な3価もしくは5価の配位数を
とりうる金属の化合物とは、Al、Ga、In、Tlな
どのIII族元素もしくはP、As、Sb、BiなどのV
族元素、3価もしくは5価の配位数をとりうるNb、
V、Ti、Cr、Mo、Fe、Co、Niなどの遷移金
属を含む化合物群である。
【0025】本発明に使用する導電層のバインダーとし
ては、ゼラチン、誘導体ゼラチン、コロイド状アルブミ
ン、カゼイン等の蛋白質;カルボキシメチルセルロー
ス、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等
のセルロース化合物;寒天、アルギン酸ソーダ、澱粉誘
導体等の糖誘導体;合成親水性コロイド例えばポリビニ
ルアルコール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアク
リル酸共重合体、ポリアクリルアミド又はこれらの誘導
体及び部分加水分解物、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル
ニトリル、ポリアクリル酸エステル等のビニル重合体及
びその共重合体、ロジン、シェラック等の天然物及びそ
の誘導体、その他多くの合成樹脂類が用いられる。
【0026】又、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ
アクリル酸、ポリアクリル酸エステル及びその誘導体、
ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重
合体、ポリオレフィン、オレフィン−酢酸ビニル共重合
体等のエマルジョンも使用することができる。その他カ
ーボネート系、ポリエステル系、ウレタン系、エポキシ
系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン及びポリ
ピロールのごとき有機半導体を使用することができる。
これらのバインダーは2種以上を混合して使用すること
もできる。
【0027】製造時の取り扱い容易性や製品品質の観点
から、これらのバインダーの中でも特にポリアクリル酸
共重合体、ポリアクリルアミド、ポリアクリルニトリ
ル、ポリアクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル及びポリ
塩化ビニリデンが好ましい。
【0028】本発明の導電層の抵抗は、導電層中の導電
性粒子の体積含有率を調節することにより及び/又は導
電層の厚みを調節することにより10〜1010Ω・cm
の範囲に容易に調整することができる。しかしながら、
導電層としての強度を十分に持たせるためには、バイン
ダーの量は5%を下回らないことが好ましい。導電性微
粒子の割合は体積含有率で15〜50%であり、その使
用量は0.05〜5.0g/m2、好ましくは0.5〜
2.0g/m2である。
【0029】前記溶媒のような支持体を膨潤せしめる化
合物は、0.01〜5.0g/m2好ましくは0.05
〜1.0g/m2である。
【0030】導電層の塗布に際しては、溶剤を適宜選択
して上記の組成物の分散液を調製する。溶剤の選択は当
業者であれば容易に行うことができる。塗布方法には特
別の制限はなく、公知の方法の中から任意の方法を選択
して採用することができる。又、塗布に際してはサポニ
ン、ドデシルベンゼンスルホン酸等の公知の等助剤や硬
膜剤、着色剤、紫外線吸収剤、熱源カット剤等を適宜必
要に応じて塗布液に加えることができる。又、支持体と
導電層との間の接着性を上げるために、両者の間に下引
層を設けてもよい。
【0031】次に、本発明に用いられるハロゲン化銀写
真感光材料のハロゲン化銀粒子について説明する。
【0032】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子とし
ては、特に制限はないが、平板状ハロゲン化銀粒子でア
スペクト比は3以上のものが好ましい。さらに好ましく
は3.0以上15.0未満である。特に4以上8未満が
好ましい。本発明に用いられるハロゲン化銀粒子はハロ
ゲン化銀として臭化銀、塩化銀、沃臭化銀、塩臭化銀、
沃塩化銀、塩沃臭化銀等を用いることができる。沃化銀
の含有量は、ハロゲン化銀粒子全体での平均沃化銀含有
率として1.0モル%以下が好ましいが、更には0.5
モル%以下が更に好ましい。本発明において、ハロゲン
化銀粒子は種々のハロゲン組成が可能であるが塩化銀を
50モル%以上含有すること、更には70モル%以上含
有することが好ましい。
【0033】本発明に用いられる平板状ハロゲン化銀粒
子は米国特許5,320,938号記載の方法で作成す
ることが出来る。即ち、(100)面を形成しやすい条
件下で沃度イオンの存在下、低pClで核形成させるこ
とが好ましい。核形成後は、所謂オストワルド熟成によ
る成長を行い、所望の粒径、分布を有する平板状ハロゲ
ン化銀粒子を得ることが出来る。本発明に用いられる平
板状ハロゲン化銀粒子は、いわゆるハロゲン変換型(コ
ンバージョン型)の粒子であっても構わない。ハロゲン
変換量は銀量に対して0.2モル%〜0.5モル%が好
ましく、変換の時期は物理熟成中でも物理熟成終了後で
も良い。
【0034】ハロゲン化銀粒子は、粒子を形成する過程
及び/又は成長させる過程で、カドミウム塩、亜鉛塩、
鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩(錯塩を含む)、ロジ
ウム塩(錯塩を含む)、ルテニウム塩(錯塩を含む)、
オスミニウム塩(錯塩を含む)、及び鉄塩(錯塩を含
む)から選ばれる少なくとも1種を用いて金属イオンを
添加し、粒子内部及び/または粒子表面にこれらの金属
元素を含有させることが好ましい。
【0035】本発明において現像速度を促進するために
脱塩工程前にハロゲン化銀溶剤を添加することも好まし
い。例えば、チオシアン酸化合物(チオシアン酸カリウ
ム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウ
ム等)を銀1モル当たり1×10-3モル以上、3×10
-2モル以下加えることが好ましい。
【0036】本発明において、ハロゲン化銀粒子の保護
コロイド用分散媒としてはゼラチンを用いることが好ま
しく、ゼラチンとしてはアルカリ処理ゼラチン、酸処理
ゼラチン、低分子量ゼラチン(分子量が2万〜10
万)、フタル化ゼラチン等の修飾ゼラチンが用いられ
る。また、これ以外の親水性コロイドも使用できる。具
体的にはリサーチ・ディスクロージャー誌(Resea
rch Disclosure.以下RDと略す)第1
76巻No.17643(1978年12月)の項に記
載されているものが挙げられる。ゼラチン量としてはハ
ロゲン化銀写真感光材料片面当たりの全親水性コロイド
層のゼラチン量が1.0〜2.0g/m2である。
【0037】本発明において、ハロゲン化銀粒子の成長
時に不要な可溶性塩類を除去してもよいし、或いは含有
させたままでもよい。該塩類を除去する場合にはRD第
176巻No.17643のII項に記載の方法に基づ
いて行うことができる。
【0038】本発明のハロゲン化銀粒子は化学増感を施
すことができる。化学熟成即ち化学増感の工程の条件、
例えばpH、pAg、温度、時間等については特に制限
がなく、当業界で一般に行われている条件で行うことが
できる。化学増感のためには銀イオンと反応しうる硫黄
を含む化合物や活性ゼラチンを用いる硫黄増感法、セレ
ン化合物を用いるセレン増感法、テルル化合物を用いる
テルル増感法、還元性物質を用いる還元増感法、金その
他、貴金属を用いる貴金属増感法等を単独または組み合
わせて用いることができるが、なかでも、セレン増感
法、テルル増感法、還元増感法等が好ましく用いられ、
特にセレン増感法が好ましく用いられる。
【0039】セレン増感剤に関しては、米国特許1,5
74,944号、同1,602,592号、同1,62
3,499号、特開昭60−150046号、特開平4
−25832号、同4−109240号、同4−147
250号等に記載されている。
【0040】有用なセレン増感剤としては、コロイドセ
レン金属、イソセレノシアネート類(例えば、アリルイ
ソセレノシアネート等)、セレノ尿素類(例えば、N,
N−ジメチルセレノ尿素、N,N,N′−トリエチルセ
レノ尿素等)、セレノケトン類(例えば、セレノアセト
ン、セレノアセトフェノン等)、セレノアミド類(例え
ば、セレノアセトアミド、N,N−ジメチルセレノベン
ズアミド等)、セレノカルボン酸類及びセレノエステル
類(例えば、2−セレノプロピオン酸、メチル−3−セ
レノブチレート等)、セレノフォスフェート類(例え
ば、トリ−p−トリセレノフォスフェート等)、セレナ
イド類(ジエチルセレナイド、ジエチルジセレナイド、
トリフェニルフォスフィンセレナイド等)が挙げられ
る。特に、好ましいセレン増感剤は、セレノ尿素類、セ
レノアミド類、及びセレンケトン類である。
【0041】セレン増感剤の使用量は使用するセレン化
合物、ハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等により変わる
が、一般にハロゲン化銀1モル当たり10-8モル〜10
-4モル程度を用いる。また、添加方法は、使用するセレ
ン化合物の性質に応じて、水またはメタノール、エタノ
ール、酢酸エチルなどの有機溶媒の単独または混合溶媒
に溶解して添加する方法でも、或いは、ゼラチン溶液と
予め混合して添加する方法でも、特開平4−14073
9号に開示されている方法、即ち、有機溶媒可溶性の重
合体との混合溶液の乳化分散物の形態で添加する方法で
も良い。
【0042】本発明の実施に際して用いられるハロゲン
化銀乳剤は、シアニン色素類その他によって分光増感さ
れてもよい。増感色素は単独で用いてもよいが、それら
の組み合わせを用いてもよく、増感色素の組み合わせは
特に強色増感の目的でしばしば用いられる。
【0043】本発明のハロゲン化銀乳剤によるハロゲン
化銀写真感光材料は、乳剤の物理熟成又は化学熟成前後
の工程で、各種の写真用添加剤を用いることができる。
【0044】このような工程で使用できる化合物として
は例えば、前記のリサーチ・ディスクロージャー(R
D)17643号23〜29頁、(RD)18716号
(1979年11月)648〜651頁及び(RD)3
08119号(1989年12月)996〜1009頁
に記載されている各種の化合物が挙げられる。
【0045】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる支持体としては、上記のRDに記載されているも
のが挙げられるが、適当な支持体としてはプラスチック
フィルムなどで、支持体表面は塗布層の接着性をよくす
るために下引き層を設けたり、コロナ放電や紫外線照射
などが施されてもよい。そして、このように処理された
支持体上の両面に本発明に係る乳剤を塗布することがで
きる。本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、他に必
要に応じて、アンチハレーション層、中間層、フィルタ
ー層などを設けることができる。
【0046】本発明のハロゲン化銀写真感光材料におい
て、ハロゲン化銀乳剤層その他の親水性コロイド層は種
々の塗布法により支持体上または他の層上に塗布でき
る。塗布には、ディップ塗布法、ローラー塗布法、カー
テン塗布法、押しだし塗布法、スライド・ホッパー法な
どを用いることができる。詳しくは、リサーチ・ディス
クロージャー、第176巻、P.27−28の「Coa
ting procedures」の項に記載されてい
る方法を用いうる。
【0047】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の処理
は例えば、前記のRD−17643のXX〜XXI、29〜
30頁或いは同308119のXX〜XXI、1011〜1
012頁に記載されているような処理液による処理を行
うことができる。
【0048】白黒写真処理での現像剤としては、ジヒド
ロキシベンゼン類(例えばハイドロキノン)、3−ピラ
ゾリドン類(例えば1−フェニル−3−ピラゾリド
ン)、アミノフェノール類(例えばN−メチル−アミノ
フェノール)などを単独もしくは組み合わせて用いるこ
とができる。なお、現像液には公知の例えば保恒剤、ア
ルカリ剤、pH緩衝剤、カブリ防止剤、硬膜剤、現像促
進剤、界面活性剤、消泡剤、色調剤、硬水軟化剤、溶解
助剤、粘性付与剤などを必要に応じて用いてもよい。
【0049】定着液にはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩な
どの定着剤が用いられ、さらに硬膜剤として水溶性のア
ルミニウム塩例えば硫酸アルミニウム或いはカリ明ばん
などを含んでいてもよい。その他保恒剤、pH調整剤、
硬水軟化剤などを含有していてもよい。
【0050】本発明において全処理時間(Dry to
Dry)が10〜30秒以下の超迅速処理することが
できる。本発明における“現像工程時間”又は“現像時
間”とは、処理する感光材料の先端が自動現像機(以
下、自現機と呼ぶ)の現像タンク液に浸漬してから次の
定着液に浸漬するまでの時間、“定着時間”とは定着タ
ンク液に浸漬してから次の水洗タンク液(安定液)に浸
漬するまでの時間、“水洗時間”とは、水洗タンク液に
浸漬している時間をいう。また“乾燥時間”とは、通常
自現機には、35℃〜100℃、好ましくは40℃〜8
0℃の熱風が吹きつけられる乾燥ゾーンが設置されてお
り、その乾燥ゾーンに入っている時間をいう。
【0051】本発明の現像、定着等の処理では、処理時
間が15秒以下、処理温度は25℃〜50℃であるが、
好ましくは30℃〜40℃で2秒〜10秒である。
【0052】本発明の方法によれば、現像、定着及び水
洗(又は安定化)された感光材料は水洗水をしぼり切る
スクイズローラーを経て乾燥される。水洗工程は、5〜
50℃で2〜10秒が好ましい。
【0053】本発明では現像、定着、水洗された感光材
料はスクイズローラーを経て乾燥される。乾燥方式は、
熱風対流乾燥、遠赤外線ヒーターによる放射乾燥、ヒー
トローラーによる伝熱乾燥のいずれか又は併用すること
ができる。乾燥温度と時間は40〜100℃で4〜15
秒で行われる本発明においては、現像液や定着液の補充
量が感光材料1m2当たり35〜130mlで処理する
ことができる。補充方法としては、特開昭55−126
243号に記載の幅、送り速度による補充、特開昭60
−104946号記載の面積補充、特開平1−1491
56号記載の連続処理枚数によりコントロールされた面
積補充でもよい。
【0054】
【実施例】以下、実施例により本発明の効果を具体的に
例証する。
【0055】(導電性粒子P1の分散液)塩化第2錫水
和液65gを水溶液2000mlに溶解し、均一溶液を
得た。次いでこれを煮沸し、共沈殿物を得た。生成した
沈殿物をデカンテーションにより取り出し、蒸留水にて
沈殿を何度も水洗する。沈殿を洗浄した蒸留水中に硝酸
銀を滴下し、塩素イオンの反応がないことを確認する。
この沈殿物を蒸留水1000ml中に添加して分散後、
全量を2000mlとする。さらに30%アンモニア水
を40ml加え、水浴中で加温するとSnO2ゾル溶液
が生成する。
【0056】塗布液として用いるときには、このゾル溶
液へアンモニアを吹き込みながら濃度約8wt%に濃縮
して用いる。また、このゾル溶液に含まれる粒子の体積
固有抵抗については、ゾル溶液を用いてシリカガラス上
に薄膜を形成し、四端子法で測定した値を粒子の固有抵
抗値とした。測定された体積固有抵抗は3.4×104
Ωcmであった。
【0057】(導電性粒子P2の分散液)塩化第2錫水
和液65gと三塩化アンチモン1.0gを水溶液200
0mlに溶解し、均一溶液を得た。次いでこれを煮沸
し、共沈殿物を得た。生成した沈殿物をデカンテーショ
ンにより取り出し、蒸留水にて沈殿を何度も水洗する。
沈殿を洗浄した蒸留水中に硝酸銀を滴下し、塩素イオン
の反応がないことを確認する。この沈殿物を蒸留水10
00ml中に添加して分散後、全量を2000mlとす
る。さらに30%アンモニア水を40ml加え、水浴中
で加温するとSnO2ゾル溶液が生成する。
【0058】このゾル溶液を400℃に加熱した電気炉
に噴霧し導電性粉末を合成した。得られた粉末を錠剤成
型器にて成型後、四端子法で測定した体積固有抵抗は
1.5×101Ωcmであった。この導電性粉末をpH
10のアンモニア水に濃度8wt%となるように分散し
た。
【0059】(ハロゲン化銀写真感光材料用支持体の作
成) <支持体1>2軸延伸・熱固定後の厚さ175μm、濃
度0.15に青色着色したポリエチレンテレフタレート
フィルムの両面に8W分/mのコロナ放電処理を施
し、一方の面に特開昭59−19941号記載のように
下記組成の下引塗布液B−1を乾燥膜厚0.8μmにな
るよう下引層B−1として塗布し、100℃で1分間乾
燥した。又、ポリエチレンテレフタレートフィルムに対
し下引層B−1と反対側の面に、特開昭59−7743
9号記載のように下記組成の下引塗布液B−2−1を乾
燥膜厚0.8μmになるように下引層B−2として塗
布、100℃で1分間乾燥した。
【0060】 [下引第1層]下引塗布液B−1 ブチルアクリレート・t−ブチルアクリレート・スチレン・ 2−ヒドロキシエチルアクリレート (30:20:25:25重量%)共重合体ラテックス液 (固形分30%) 270g 化合物A 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1リットルに仕上げる。
【0061】下引塗布液B−2−1 ブチルアクリレート・スチレン・グリジルアクリレート (40:20:40重量%)共重合体ラテックス液 (固形分30%) 23g 導電性P1分散液 415g ポリエチレングリコール(分子量600) 0.00012g 水 568g [下引第2層]更に上記下引層B−1及びB−2−1の
上に8W分/mのコロナ放電を施し、下記組成の下引
塗布液B−3を乾燥膜厚0.1μmになるように塗布
し、100℃で1分間乾燥した。
【0062】下引塗布液B−3 ゼラチン 10g 化合物A 0.4g 化合物B 0.1g 平均粒径3μmのシリカ粒子 0.1g 水で1リットルに仕上げる。
【0063】
【化1】
【0064】<支持体2>下引塗布液B−2−1の代わ
りに下記下引き塗布液B−2−2を用いた以外は支持体
1と同様にして支持体2を作成した。
【0065】下引塗布液B−2−2 ブチルアクリレート・スチレン・グリジルアクリレート (40:20:40重量%)共重合体ラテックス液 (固形分30%) 23g 導電性P2分散液 760g ポリエチレングリコール(分子量600) 1.65g 水 700g <支持体3>下引塗布液B−2−1の代わりに下記下引
き塗布液B−2−3を用いた以外は支持体1と同様にし
て支持体3を作成した。
【0066】下引塗布液B−2−3 ブチルアクリレート・スチレン・グリジルアクリレート (40:20:40重量%)共重合体ラテックス液 (固形分30%) 27g 導電性P1分散液 83g ポリエチレングリコール(分子量600) 0.48g 水 700g <支持体4>下引塗布液B−2−1の代わりに下記下引
き塗布液B−0−1を用いた以外は支持体1と同様にし
て支持体4を作成した。但し下引塗布液B−0−1に含
まれる酸化錫粉末溶液とは、900℃の温度で酸化アン
チモンを3%添加した酸化錫を焼成し、ボールミルで粉
砕した粉末を8wt%含むアンモニア水溶液である。こ
の粉末の平均粒径は0.5μmで比重は6.9であっ
た。
【0067】下引塗布液の調製方法は支持体1と同様に
行ったが、フィルム塗布後の塗布溶液容器中には酸化錫
粉末の沈殿物が観察された。
【0068】下引塗布液B−0−1 ブチルアクリレート・スチレン・グリジルアクリレート (40:20:40重量%)共重合体ラテックス液 (固形分30%) 27g 酸化錫粉末溶液 90g ポリエチレングリコール(分子量600) 1.3g 水 800g 以下に、乳剤の調製方法を示す。
【0069】(Em−1の調製)以下に示す3種の溶液
を用い、平板状沃塩化銀乳剤Em−1を調製した。
【0070】 A1 低メチオニンゼラチン 214.37g 塩化ナトリウム 1.995g 沃化カリウム 149.6mg 水で 6090mlに仕上げる B1 塩化ナトリウム 10.48g 沃化カリウム 149.4g 水で 90mlに仕上げる C1 硝酸銀 30.58g 水で 90mlに仕上げる D1 塩化ナトリウム 165.0g 水で 5640mlに仕上げる E1 硝酸銀 479.0g 水で 5640mlに仕上げる 反応容器内で溶液A1を40℃に保ちながら激しく撹拌
し、そこに溶液B1と溶液C1の全量を毎分180ml
の流量で30秒かけて同時混合法にて添加した。
【0071】次に、この混合溶液を40℃で10分間保
った後、溶液D1と溶液E1を毎分24mlの流量で4
0分かけて同時混合法にて添加し、引き続き、更に溶液
D1と溶液E1の残り全量を初期流量24ml、最終流
量48mlとなるように直線的に流量を増やしながら、
130分かけて同時添加法にて添加した。この間、pC
lは2.35に終始保った。その後、塩化ナトリウムで
1.30に調整し、限外濾過膜を用いてpClを2.0
とし、更に塩化ナトリウムを添加してpClを1.65
に調整した。
【0072】得られたハロゲン化銀乳剤は沃度を0.0
6モル%含有しており、電子顕微鏡観察したところ平均
粒径(円直径換算)1.45μm、平均厚さ0.13μ
m、平均アスペクト比11、直径の変動係数18.5%
の主平面が四角形状(隣接辺比1.4)の単分散平板状
ハロゲン化銀粒子であった。
【0073】引き続き、上記の乳剤Em−1を55℃に
した後に、下記の分光増感色素(A)、(B)の所定量
を固体微粒子状の分散物として添加後にチオシアン酸ア
ンモニウム、塩化金酸水溶液、下に示す硫黄増感剤の水
溶液或いはメタノール溶液及びトリフェニルホスフィン
セレナイドの固体微粒子状分散物を加え、総計2時間の
熟成を施した。熟成終了時に安定剤として4−ヒドロキ
シ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン
(TAI)を添加した。
【0074】尚、添加剤とその添加量(AgX1モル当
たり)を下に示す。
【0075】 分光増感色素(A) 300mg 分光増感色素(B) 375mg チオシアン酸アンモニウム 145mg 塩化金酸 18.5mg チオ硫酸ナトリウム(5水塩) 15.0mg 1−エチル,3−(2−チアゾリル)チオ尿素 3.8mg 単体硫黄 3.5mg トリフェニルホスフィンセレナイド 3.0mg 安定剤(TAI) 1000mg 分光増感色素の固体微粒子状分散物は特願平4−994
37号に記載の方法に準じた方法によって調製した。
【0076】即ち分光増感色素の所定量を予め27℃に
調温した水に加え高速撹拌機(ディゾルバー)で3,5
00rpmにて30〜120分間にわたって撹拌するこ
とによって得た。
【0077】増感色素(A):5,5′−ジクロロ−9
−エチル−3,3′−ジ−(スルホプロピル)オキサカ
ルボシアニン−ナトリウム塩無水物 増感色素(B):5,5′−ジ−(ブトキシカルボニ
ル)−1,1′−ジエチル−3,3′−ジ−(4−スル
ホブチル)ベンゾイミダゾロカルボシアニン−ナトリウ
ム塩無水物 (Em−2の調製) [種乳剤−1の調製]下記のようにして種乳剤−1を調
製した。
【0078】 A2 オセインゼラチン 100g 臭化カリウム 2.05g 水で 11.5lに仕上げる B2 オセインゼラチン 55g 臭化カリウム 65g 沃化カリウム 1.8g 0.2N硫酸 38.5ml 水で 2.6lに仕上げる C2 オセインゼラチン 75g 臭化カリウム 950g 沃化カリウム 27g 水で 3.0lに仕上げる D2 硝酸銀 95g 水で 2.7l E2 硝酸銀 1410g 水で 3.2lに仕上げる 反応釜で60℃に保温したA2液に、B2液とD2液を
コントロールダブルジェット法により、30分間かけて
添加し、その後、C2及びE2液をコントロールダブル
ジェット法により105分間かけて加えた。撹拌は、5
00rpmで行った。流速は、粒子の成長に伴い、新し
い核が発生せず、かつ所謂オストワルド熟成をおこし、
粒径分布の広がらない流速で添加した。銀イオン液及び
ハライドイオン液の添加時において、pAgは臭化カリ
ウム液を用い、8.3±0.05に調整し、pHは硫酸
を用いて2.0±0.1に調整した。
【0079】添加終了後、pHを6.0に合わせてか
ら、過剰の塩類を除去するため、特公昭35−1608
6号記載の方法により脱塩処理を行った。
【0080】この種乳剤を電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、平均粒径0.27μm、粒径分布の広さ17%の角
がややかけた立方体形状の14面体単分散性乳剤であっ
た。
【0081】種乳剤−1と以下に示す7種の溶液を用
い、単分散性コア/シェル型乳剤を調製した。
【0082】 A3 オセインゼラチン 10g アンモニア水(28%) 28ml 氷酢酸 3ml 種乳剤−1 0.119モル相当 水で 600mlに仕上げる B3 オセインゼラチン 0.8g 臭化カリウム 5g 沃化カリウム 3g 水で 110mlに仕上げる C3 オセインゼラチン 2g 臭化カリウム 90g 水で 240mlに仕上げる D3 硝酸銀 9.9g アンモニア水(28%) 7.0ml 水で 110mlに仕上げる E3 硝酸銀 130g アンモニア水(28%) 100ml 水で 240mlに仕上げる F3 臭化カリウム 94g 水で 165mlに仕上げる G3 硝酸銀 9.9g アンモニア水(28%) 7.0ml 水で 110mlに仕上げる A3液を40℃に保温し撹拌機で800rpmで撹拌を
行った。A3液のpHは酢酸を用い9.90に調整し、
種乳剤−1を採取し分散懸濁させ、その後G3液を7分
間かけて等速で添加しpAgを7.3にした。更に、B
3液、D3液を同時に20分かけて添加した。この時の
pAgは7.3一定とした。さらに10分間かけて臭化
カリウム溶液及び酢酸を用いてpH=8.83、pAg
=9.0に調整した後、C3液、E3液を同時に30分
間かけて添加した。
【0083】この時、添加速度時と添加終了時の流量比
は1:10であり、時間とともに流速を上昇せしめた。
又、流量比に比例してpHを8.83から8.00まで
低下せしめた。又、C3液及びE3液が全体の2/3量
だけ添加された時に、F3液を追加注入し8分間かけて
等速で添加した。この時、pAgは9.0から11.0
まで上昇した。更に酢酸を加えてpHを6.0に調整し
た。
【0084】添加終了後、過剰な塩類を除去するため
に、デモール(花王アトラス社製)水溶液及び硫酸マグ
ネシウム水溶液を用いて沈澱脱塩を行い、pAg8.
5、40℃においてpH5.85の平均沃化銀含有率が
約2モル%の乳剤を得た。
【0085】得られた乳剤を電子顕微鏡にて観察したと
ころ、平均粒径0.55μm、粒径分布の広さが14%
の丸みを帯びた14面体単分散性コア/シェル型乳剤を
得た。
【0086】次に、得られた乳剤を50℃に保った状態
で、平均粒径0.06μmのAgI微粒子乳剤を銀1モ
ル当たり6.0×10-4モル添加した後、増感色素
(A)を360mg/モルAg、及び(B)を3.6m
g/モルAg添加した後、チオシアン酸アンモニウム塩
を銀1モル当たり7.0×10-4モル、及び適当な量の
塩化金酸とチオ硫酸ナトリウムを添加して化学増感を行
い、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−
テトラザインデン銀1モル当たり1.0×10-2モルで
安定化した。
【0087】次に、先に作成した各支持体の両面に、下
記のごとくクロスオーバーカット層、乳剤層、保護層の
順に両面に均一に塗布、乾燥して試料を作成した。この
とき、各試料の片面当たりの銀付き量は、1.8g/m
2、ゼラチン量は、保護層0.4g/m2、乳剤層1.5
g/m2、横断光遮光層は、0.2g/m2になるように
調製した。
【0088】 (試料の作成) 第1層(横断光遮光層) 固体微粒子分散体染料(AH) 50mg/m2 ゼラチン 0.2g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(I) 5mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5− トリアジンンナトリウム塩 5mg/m2 ラテックス(L) 0.2g/m2 ポリスチレンスルホン酸カリウム 50mg/m2 本発明の平板状シリカ 表1記載の量 第2層(乳剤層)上記で得た各々の乳剤に下記の各種添
加剤を加えた。
【0089】 テトラクロロパラジウム(2)酸カリウム 100mg/m2 化合物(G) 0.5mg/m2 2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4− ジエチルアミノ−1,3,5−トリアジン 5mg/m2 t−ブチル−カテコール 130mg/m2 ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 35mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 80mg/m2 トリメチロールプロパン 50mg/m2 ジエチレングリコール 50mg/m2 ニトロフェニル−トリフェニル−ホスホニウムクロリド 20mg/m2 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4− スルホン酸アンモニウム 100mg/m2 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(H) 0.5mg/m2 n−C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 35mg/m2 化合物(M) 5mg/m2 化合物(N) 5mg/m2 デキストラン(数平均分子量4万) 300mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.014μm) 500mg/m2 ラテックス(L) 500mg/m2 第3層(乳剤保護層) ゼラチン 0.4g/m2 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7− テトラザインデン 50mg/m2 ポリメチルメタクリレート粒子(平均粒径4.0μm) 20mg/m2 ポリメチルメタクリレート粒子(平均粒径1.0μm) 50mg/m コロイダルシリカ(平均粒径0.014μm) 10mg/m ホルムアルデヒド 20mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5− トリアジンンナトリウム塩 10mg/m2 ビス−ビニルスルホニルメチルエーテル 36mg/m2 ポリアクリルアミド(平均分子量10000) 50mg/m2 ポリシロキサン(SI) 20mg/m2 化合物(I) 12mg/m2 化合物(J) 2mg/m2 化合物(S−1) 7mg/m2 化合物(K) 15mg/m2 化合物(O) 50mg/m2 化合物(S−2) 5mg/m2 化合物(F−1) 3mg/m2 化合物(F−2) 2mg/m2 化合物(F−3) 1mg/m
【0090】
【化2】
【0091】
【化3】
【0092】
【化4】
【0093】
【化5】
【0094】得られた試料につき下記の如く評価した。
【0095】(帯電防止性能の評価:灰付着テスト法)
23℃、20%RHの条件下で、現像済試料の乳剤面側
をゴムローラーで数回こすり、タバコの灰を近づけて、
フィルムにくっつくかどうかを下記評価に従って調べ
た。
【0096】 ○ :1cmまで近づけても全く付着しない ○△ :1cmを超え4cm未満まで近づけると付着する △ :4〜10cm未満まで近づけると付着する × :10cm以上でも付着する ○△以上ならば実用上支障がない (膜付き評価)試料を23℃、80%RHにて調湿後、
試料の表面に軽く傷をつけ、その上にセロテープを接着
する。このセロテープをはがした時のテープ接着面積に
対するゼラチン層のはがれ方によりA〜Dの4段階評価
を行った。
【0097】A:はがれ無し B:僅かにはがれる C:半分ほどはがれる D:全面はがれる 結果を表1に示す。
【0098】
【表1】
【0099】表1の結果から、本発明の試料は、帯電防
止性に優れ、膜付きも良好であることがわかる。
【0100】
【発明の効果】本発明により、帯電防止性能に優れ、か
つ、高湿度における膜はがれが無いハロゲン化銀写真感
光材料を提供することができた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にハロゲン化銀乳剤層と非感光
    性親水性コロイド層を有し、かつ、少なくとも一層の導
    電層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、該導
    電層が、金属酸化物コロイドを含有し、かつ、該導電層
    上に塗設されるハロゲン化銀乳剤層及び/又は非感光性
    親水性コロイド層が平板状シリカを含有することを特徴
    とするハロゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 前記乳剤層のハロゲン化銀粒子がアスペ
    クト比3以上の平板状粒子であることを特徴とする請求
    項1に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
JP7655696A 1996-03-29 1996-03-29 ハロゲン化銀写真感光材料 Pending JPH09269561A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1011020A3 (en) * 1998-12-18 2000-09-06 Eastman Kodak Company Imaging element containing an electrically-conductive layer and a transparent magnetic recording layer

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1011020A3 (en) * 1998-12-18 2000-09-06 Eastman Kodak Company Imaging element containing an electrically-conductive layer and a transparent magnetic recording layer

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