JPH10153833A - ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法

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JPH10153833A
JPH10153833A JP31201996A JP31201996A JPH10153833A JP H10153833 A JPH10153833 A JP H10153833A JP 31201996 A JP31201996 A JP 31201996A JP 31201996 A JP31201996 A JP 31201996A JP H10153833 A JPH10153833 A JP H10153833A
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gelatin
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halide photographic
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JP31201996A
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Ken Nagami
憲 永見
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、速効性硬膜剤を用い、カブ
リが少なく、かつ製品の機械的強度及び迅速処理適性に
優れたハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法を提
供することである。 【解決手段】 支持体上にハロゲン化銀乳剤層を含む親
水性コロイド層及び保護層を設けたハロゲン化銀写真感
光材料において、前記保護層が、ゾル−ゲル変換する多
糖類及び平板状シリカを含有し、且つビニルスルホン系
硬化剤で硬化されたゼラチン含有層であることを特徴と
するハロゲン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀写真
感光材料及びその処理方法に関し、詳しくは製造後、短
期間で硬化反応が終了し、速やかに最終製品としての使
用が可能となる、いわゆる速効性硬化剤を含むハロゲン
化銀写真感光材料及びその処理方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料は結合剤とし
てゼラチンを用いることが一般的であり、その現像処理
時の耐水性、機械的強度を向上するために種々の硬化剤
を用いてゼラチン膜の硬化を行うことが知られている。
例えばホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きア
ルデヒド系化合物類、米国特許第3,288,775号
その他に記載されている反応性のハロゲンを有する化合
物類、米国特許第3,642,486号、特公昭49−
13563号その他に記載されている反応性のエチレン
不飽和結合を持つ化合物類、米国特許第3,017,2
80号に記載されているアジリジン系化合物類、米国特
許第3,091,537号に記載されているエポキシ系
化合物類、ムコクロル酸のようなハロゲンカルボキシル
アルデヒド類、ジヒドロキシジオキサン、ジクロロジオ
キサン等のジオキサン類、或いは無機硬化剤としてクロ
ム明ばん、硫酸ジルコニウム等が知られている。しかし
ながらこれら公知のゼラチン硬化剤は写真感光材料に用
いる場合、硬化作用が充分でなかったり、ゼラチンに対
する硬化作用が緩慢なため起こる「後硬膜」と称する硬
化度の長期経時変化があったりする場合があった。この
硬化度の長期経時変化は、写真性(感度、階調、濃度
等)に大きな変化をもたらし、最終的な性質に達するま
でにかなりの期間、製品を貯蔵する必要があった。それ
ゆえ製造後短期間で硬化が終了し製品品質が最終的レベ
ルに達するような、いわゆる速効性硬化剤を用いること
は貯蔵期間を短縮できるなど大きなメリットを生み出
す。
【0003】この目的のため、既にゼラチンに対する硬
化反応が比較的速く、後硬膜が少ない硬化剤として、特
開昭50−38540号記載のジヒドロキノリン骨格を
有する化合物、特開昭52−93470号記載のリン−
ハロゲン結合を有する化合物、特開昭52−93470
号記載のN−スルホニルオキシイミド基を持つ化合物、
更には特公昭53−22089号記載のN−アシルオキ
シイミノ基を分子内に2個以上含有する化合物、特公昭
56−12853号及び特公昭58−32699号記載
のN−カルバモイルピリジニウム塩類、特開昭56−1
10762号記載の2−スルホニルオキシポリジニウム
塩類が知られている。また、ゼラチンに対する硬化反応
が著しく速く、しかも硬化剤が高い使用効率を与えるも
のとしては、特開昭60−225148号に記載されて
いるものとして、ハロホルムアミジニウム塩類、及び独
国特許公第2,225,230号、第2,439,55
1号等に記載されているものがある。これらの硬化剤を
写真感光材料に適用する際には、塗布の直前でゼラチン
と硬化剤とを混合し、塗布液中での硬化反応を最小限に
抑えることが一般的である。しかしながら上記で述べた
速効性の硬化剤、言い換えれば速いもので塗布乾燥終了
時点で、遅くても塗布後5日以内で硬化反応が終了する
硬化剤を用いる場合には、塗布直前で混合してもコーテ
ィングダイ内の滞留部等でゼラチンの硬化反応が起き、
長時間連続塗布において異物やすじの発生原因となる。
【0004】この問題を克服すべく、これまで種々の提
案がなされている。例えば特開平2−181143号に
あるようにゼラチンを実質的に含まず、硬化剤と反応し
ない水溶性バインダーと硬化剤とを含む層を最上層とし
て同時又は逐次塗布する方法、独国特許開3,700,
727号にあるようにV字型のカーテンダイを用いて硬
化剤層を最下層又は最上層として塗布する方法、米国特
許第4,241,171号にあるように最下層に硬化剤
層、その上に硬化剤と反応しないポリマー層を設定する
方法等がある。上記何れの方法においても硬化層にある
程度の粘性を付与するため、微量のゼラチン又はゼラチ
ン誘導体、ゼラチン以外の水溶性ポリマーを用いる必要
がある。このうちゼラチンを増粘剤として用いると予め
硬化剤と混合され内部架橋されたゼラチンにより塗布膜
の機械的強度の低下が見られ、また低濃度ゼラチンであ
っても長時間連続塗布における異物、すじの発生を抑え
ることは困難である。ゼラチン誘導体、ゼラチン以外の
水溶性ポリマーを増粘剤として用いる場合は、ゼラチン
誘導体やポリマーが製品表面に出ると、製品状態又は処
理中での膜表面の機械的強度を損なう場合が多い。逆に
硬化層を支持体隣接層とする方法はポリマーと支持体と
の接着性確保が困難になりやすい。また一般的に良く使
われる水溶性ポリマー、例えばポリアクリルアミド、ポ
リビニルアルコール等は現像処理時に処理液中に溶けだ
し、処理液汚染の原因となりやすい。更にゲル化しない
ポリマーでは、塗布後に水分を除去する乾燥工程におい
て風による流動がおき、面質的に許容できない場合があ
る。
【0005】これら問題を解決する手段として、特開平
7−159925号では、速効性の硬化剤を含む硬化層
のバインダーに該硬化剤によっては硬化されないゾル−
ゲル変換可能な多糖類を用い、この硬化層をゼラチンを
含む被硬化層間に設定してこれらを同時塗布する技術が
開示されている。
【0006】しかし、この技術では塗布乾燥後のカブリ
が劣化し、更には硬化せず比較的保水しやすいバインダ
ーを層間に設定することで処理時の乾燥性が劣化した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、速効
性硬膜剤を用い、カブリが少なく、かつ製品の機械的強
度及び迅速処理適性に優れたハロゲン化銀写真感光材料
及びその処理方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
構成により達成される。
【0009】(1) 支持体上にハロゲン化銀乳剤層を
含む親水性コロイド層及び保護層を設けたハロゲン化銀
写真感光材料において、前記保護層が、ゾル−ゲル変換
する多糖類及び平板状シリカを含有し、且つビニルスル
ホン系硬化剤で硬化されたゼラチン含有層であることを
特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0010】(2) 前記ゾル−ゲル変換する多糖類
が、カラギナンである(1)記載のハロゲン化銀写真感
光材料。
【0011】(3) 前記(1)又は(2)記載のハロ
ゲン化銀写真感光材料を全処理時間が10〜30秒の自
動現像機で処理することを特徴とするハロゲン化銀写真
感光材料の処理方法。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明において、ゾル−ゲル変換する多糖
類とは、ゼラチン硬化剤によって硬化されず、ゾル−ゲ
ル変換する多糖類であり、温度変化によりゾル−ゲル変
化するキサンタンガム、アガロース、カラギナン、アル
ギン酸、ファーセレランのごとき多糖類であり、特に結
合剤であるゼラチンとの静電的結合及び水素結合による
弱い橋架け構造を作るκ−カラギナン(例:台糖(株)
製:K−9F、新田ゼラチン(株)製:K−15:K−
21〜24、I−3)が好ましいが、これに限らない。
これらの多糖類で、硬化層に粘性を付与することによ
り、硬化されるべきゼラチンを含む被硬化層と同時に塗
布を行っても、異物やすじの発生もなく、長時間連続塗
布が可能であり、ゲル化するので乾燥工程における風に
より塗布膜の変形が引き起こされることもない。また、
現像処理時の処理液への溶けだしも一般的に少なく、処
理液汚染を起こしにくい。製品の層数が多く、完成まで
に多数回塗布を行う場合には、そのうち1回の塗布に硬
化剤を含む液を塗布すれば良い。
【0014】続いて、本発明に用いられる平板状シリカ
について説明をする。本発明に用いられる平板状シリカ
とはアルカリ、アルカリ土類金属、アルミニウムなどを
含有する層状ケイ酸塩を意味し、カオリン鉱物、雲母粘
土鉱物、スメクタイトがあげられる。カオリン鉱物とし
ては、カオリナイト、デイッカイト、ナクライト、ハロ
イサイト、蛇文石があげられる。雲母粘土鉱物として
は、パイロフィライト、タルク、白雲母、膨潤性合成フ
ッ素雲母、セリサイト、緑泥石があげられる。スメクタ
イトとしては、スメクタイト、バーミキュライト、膨潤
性合成フッ素バーミキュライトがあげられる。
【0015】このなかで好ましいものは、膨潤性とイオ
ン交換性を有するスメクタイトである。スメクタイトに
は、天然物と合成物の2種類があるが、天然物の例とし
ては、モンモリロナイトとバイデライトがあり、ベント
ナイト、酸性白土などとよばれる粘土としてえられ、こ
れらを、帯電防止剤として非感光性親水性コロイド層に
使用する例が、特開昭60−202438号、同60−
239747号に記載されている。しかし、透明性が優
れている点で合成物が最も好ましく用いられ、更に耐熱
性を高める目的でフッ素を含有するものもある。合成ス
メクタイトの具体例としては、例えば、コープケミカル
(株)製のルーセンタイトSWN、SWFなどをあげる
ことができる。
【0016】これらの平板状シリカは、使用されている
乳剤層の全シリカの投影面積の総和の50%以上がアス
ペクト比2以上の平板状シリカであることが好ましい。
ここでいうアスペクト比とは、平板状シリカの投影面積
と同一の面積を有する円の直径と2つの平行平面間距離
の比を表す。本発明においてアスペクト比は2以上10
0未満、特に2以上50未満であることが好ましい。本
発明の平板状シリカは、厚みが1.0ミクロン以下、好
ましくは0.5ミクロン以下であることが好ましい。ま
た、平板粒子の分布はしばしば使用される変動係数(投
影面積を円近似した場合の標準偏差Sを直径Dで割った
値S/Dの100倍)で30%以下、特に20%以下で
ある単分散物であることが好ましいが必須要件ではな
い。
【0017】本発明に用いられる平板状シリカの好まし
い使用量は、添加すべき層のバインダーとして用いられ
ているゼラチンに対して乾燥重量比で0.05〜1.0
で、特に好ましくは0.1〜0.6である。また平板状
シリカとコロイダルシリカを併用してもよい。
【0018】本発明に用いられる平板状シリカは水分散
液として塗布液に添加するのが一般的であり、その調製
方法としては、所定量の水を十分セン断力をもつ高速撹
拌機、たとえばホモミキサー、インペラー等で撹拌しな
がら、平板状シリカを少量ずつ添加して分散する方法が
好ましい。分散液を調製する際に、ピロリン酸ナトリウ
ム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどの多リン酸塩、ト
リメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリメ
チロールメタンなどの多価アルコール、ポリエチレング
リコールアルキルエステルなどの非イオン性重合体など
の分散剤を適宜加えることができる。
【0019】本発明に用いられるビニルスルホン系硬膜
剤とは、スルホニル基に結合したビニル基或いはビニル
基を形成しうる基を有する化合物であり、好ましくはス
ルホニル基に結合したビニル基又はビニル基を形成しう
る基を少なくとも2つ有している。例えば下記一般式
〔VS−I〕で示される化合物が、本発明において好ま
しく用いられる。
【0020】一般式〔VS−I〕 L−(SO2−X)m 上記一般式〔VS−I〕において、Lはm価の連結基を
表し、Xは−CH=CH2又は−CH2CH2Yを表し、
Yは塩基によってHYの形で脱離しうる基、例えば、ハ
ロゲン原子、スルホニルオキシ基、スルホオキシ基(塩
を含む)等を表す。
【0021】mは2〜10の整数を表すが、mが2以上
の場合−SO2−Xは、同じでも互いに異なっていても
よい。
【0022】m価の連結基Lは、例えば脂肪族炭化水素
基(例えば、アルキレン、アルキリデン、アルキリジン
等、或いはこれらが結合して形成される基)、芳香族炭
化水素基(例えば、アリーレン等、或いはこれらが結合
して形成される基)、−O−、−NR′−(R′は水素
原子又は好ましくは1から15個の炭素原子を有するア
ルキル基を表す)、−S−、−N<、−CO−、−SO
−、−SO2−又は−SO3−で示される結合を1つ或い
は複数組み合わせることにより形成されるm価の基であ
り、−NR′−を2つ以上含む場合、それらのR′同志
が結合して環を形成してもよい。連結基Lは更に、ヒド
ロキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、スルファモ
イル基、アルキル基又はアリール基等の置換基を有する
ものも含む。
【0023】Xの具体例としては、−CH=CH2又は
−CH2CH2Cl等が好ましい。
【0024】以下にビニルスルホン系硬膜剤の代表的具
体例を示す。
【0025】
【化1】
【0026】
【化2】
【0027】
【化3】
【0028】
【化4】
【0029】
【化5】
【0030】
【化6】
【0031】
【化7】
【0032】本発明に用いられるビニルスルホン系硬膜
剤は、例えば、独国特許第1,100,942号及び米
国特許第3,490,911号等に記載されている如き
芳香族系化合物、特公昭44−29622号、同47−
25373号、同47−24259号に記載されている
如きヘテロ原子で結合されたアルキル化合物、特公昭4
7−8736号等に記載されている如きスルホンアミ
ド、エステル系化合物、特開昭49−24435号等に
記載されている如き1,3,5−トリス〔β−(ビニル
スルホニル)−プロピオニル〕−ヘキサヒドロ−s−ト
リアジン或いは特公昭50−35807号、特開昭51
−44164号等に記載されている如きアルキル系化合
物及び特開昭59−18944号に記載されている化合
物等を包含する。
【0033】これらのビニルスルホン系硬膜剤は、水又
は有機溶剤に溶解し、バインダーに対して0.005〜
20重量%、好ましくは0.02〜10重量%用いられ
る。
【0034】次に、本発明に用いられるハロゲン化銀粒
子について説明する。
【0035】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子とし
ては、特に制限はないが、平板状ハロゲン化銀粒子でア
スペクト比は3以上のものが好ましい。更に好ましくは
3以上15未満である。特に3以上8未満が好ましい。
【0036】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子はハ
ロゲン化銀として臭化銀、塩化銀、沃臭化銀、塩臭化
銀、沃塩化銀、塩沃臭化銀等を用いることができる。沃
化銀の含有量は、ハロゲン化銀粒子全体での平均沃化銀
含有率として1.0モル%以下が好ましいが、更には
0.5モル%以下が更に好ましい。
【0037】本発明において、ハロゲン化銀粒子は種々
のハロゲン組成が可能であるが塩化銀を50モル%以上
含有すること、更には70モル%以上含有することが好
ましい。
【0038】本発明に用いられる平板状ハロゲン化銀粒
子は米国特許5,320,938号記載の方法で作成す
ることが出来る。即ち、(100)面を形成しやすい条
件下で沃度イオンの存在下、低pClで核形成させるこ
とが好ましい。核形成後は、オストワルド熟成及び/又
は成長を行い、所望の粒径、分布を有する平板状ハロゲ
ン化銀粒子を得ることが出来る。本発明に用いられる平
板状ハロゲン化銀粒子は、いわゆるハロゲン変換型(コ
ンバージョン型)の粒子であっても構わない。ハロゲン
変換量は銀量に対して0.2モル%〜0.5モル%が好
ましく、変換の時期は物理熟成中でも物理熟成終了後で
も良い。
【0039】ハロゲン化銀粒子は、粒子を形成する過程
及び/又は成長させる過程で、カドミウム塩、亜鉛塩、
鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩(錯塩を含む)、ロジ
ウム塩(錯塩を含む)、ルテニウム塩(錯塩を含む)、
オスミニウム塩(錯塩を含む)、及び鉄塩(錯塩を含
む)から選ばれる少なくとも1種を用いて金属イオンを
添加し、粒子内部及び/又は粒子表面にこれらの金属元
素を含有させることが好ましい。
【0040】本発明において現像速度を促進するために
脱塩工程前にハロゲン化銀溶剤を添加することも好まし
い。例えば、チオシアン酸化合物(チオシアン酸カリウ
ム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウ
ム等)を銀1モル当たり1×10-3モル以上、3×10
-2モル以下加えることが好ましい。
【0041】本発明において、ハロゲン化銀粒子の保護
コロイド用分散媒としてはゼラチンを用いることが好ま
しく、ゼラチンとしてはアルカリ処理ゼラチン、酸処理
ゼラチン、低分子量ゼラチン(分子量が2万〜10
万)、フタル化ゼラチン等の修飾ゼラチンが用いられ
る。また、これ以外の親水性コロイドも使用できる。具
体的にはリサーチ・ディスクロージャー誌(Resea
rch Disclosure.以下RDと略す)第1
76巻No.17643(1978年12月)の項に記
載されているものが挙げられる。ゼラチン量としては感
光材料片面当たりの全親水性コロイド層のゼラチン量が
1.0〜2.0g/m2である。
【0042】本発明において、ハロゲン化銀粒子の成長
時に不要な可溶性塩類を除去してもよいし、或いは含有
させたままでもよい。該塩類を除去する場合にはRD第
176巻No.17643のII項に記載の方法に基づい
て行うことができる。
【0043】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は化
学増感を施すことができる。化学熟成即ち化学増感の工
程の条件、例えばpH、pAg、温度、時間等について
は特に制限がなく、当業界で一般に行われている条件で
行うことができる。化学増感のためには銀イオンと反応
しうる硫黄を含む化合物や活性ゼラチンを用いる硫黄増
感法、セレン化合物を用いるセレン増感法、テルル化合
物を用いるテルル増感法、還元性物質を用いる還元増感
法、金その他、貴金属を用いる貴金属増感法等を単独又
は組み合わせて用いることができるが、なかでも、セレ
ン増感法、テルル増感法、還元増感法等が好ましく用い
られ、特にセレン増感法が好ましく用いられる。
【0044】セレン増感剤に関しては、米国特許1,5
74,944号、同1,602,592号、同1,62
3,499号、特開昭60−150046号、特開平4
−25832号、同4−109240号、同4−147
250号等に記載されている。
【0045】有用なセレン増感剤としては、コロイドセ
レン金属、イソセレノシアネート類(例えば、アリルイ
ソセレノシアネート等)、セレノ尿素類(例えば、N,
N−ジメチルセレノ尿素、N,N,N′−トリエチルセ
レノ尿素等)、セレノケトン類(例えば、セレノアセト
ン、セレノアセトフェノン等)、セレノアミド類(例え
ば、セレノアセトアミド、N,N−ジメチルセレノベン
ズアミド等)、セレノカルボン酸類及びセレノエステル
類(例えば、2−セレノプロピオン酸、メチル−3−セ
レノブチレート等)、セレノフォスフェート類(例え
ば、トリ−p−トリセレノフォスフェート等)、セレナ
イド類(ジエチルセレナイド、ジエチルジセレナイド、
トリフェニルフォスフィンセレナイド等)が挙げられ
る。特に、好ましいセレン増感剤は、セレノ尿素類、セ
レノアミド類、及びセレンケトン類である。
【0046】セレン増感剤の使用量は使用するセレン化
合物、ハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等により変わる
が、一般にハロゲン化銀1モル当たり10-8モル〜10
-4モル程度を用いる。また、添加方法は、使用するセレ
ン化合物の性質に応じて、水又はメタノール、エタノー
ル、酢酸エチルなどの有機溶媒の単独又は混合溶媒に溶
解して添加する方法でも、或いは、ゼラチン溶液と予め
混合して添加する方法でも、特開平4−140739号
に開示されている方法、即ち、有機溶媒可溶性の重合体
との混合溶液の乳化分散物の形態で添加する方法でも良
い。
【0047】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
シアニン色素類その他によって分光増感されてもよい。
増感色素は単独に用いてもよいが、それらの組み合わせ
を用いてもよく、増感色素の組み合わせは特に強色増感
の目的でしばしば用いられる。
【0048】本発明の感光材料は、ハロゲン化銀乳剤の
物理熟成又は化学熟成前後の工程で、各種の写真用添加
剤を用いることができる。
【0049】このような工程で使用できる化合物として
は例えば、前記のリサーチ・ディスクロージャー(R
D)17643号、(RD)18716号(1979年
11月)及び(RD)308119号(1989年12
月)に記載されている各種の化合物が挙げられる。これ
ら3つの(RD)に記載されている化合物の種類と記載
箇所を以下に掲載した。
【0050】 添加剤 RD−17643 RD−18716 RD−308119 頁 分類 頁 頁 分類 化学増感剤 23 III 648右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8
IV 減感色素 23 IV 998 IVB 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 硬膜剤 26 X 651左 1004〜5 X 界面活性剤 26〜27 XI 650右 1005〜6 XI 可塑剤 27 XXI 650右 1006 XXI スベリ剤 27 XXI マット剤 28 XVI 650右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1003〜4 支持体 28 XVII 1009 XVII 本発明の感光材料に用いられる支持体としては、上記の
RDに記載されているものが挙げられるが、適当な支持
体としてはプラスチックフィルムなどで、支持体表面は
塗布層の接着性をよくするために下引き層を設けたり、
コロナ放電や紫外線照射などが施されてもよい。そし
て、このように処理された支持体上の両面にハロゲン化
銀乳剤を塗布することができる。本発明の感光材料に
は、他に必要に応じて、アンチハレーション層、中間
層、フィルター層などを設けることができる。
【0051】本発明の感光材料において、ハロゲン化銀
乳剤層その他の親水性コロイド層は種々の塗布法により
支持体上又は他の層上に塗布できる。塗布には、ディッ
プ塗布法、ローラー塗布法、カーテン塗布法、押しだし
塗布法、スライド・ホッパー法などを用いることができ
る。詳しくは、リサーチ・ディスクロージャー、第17
6巻、P.27−28の「Coating proce
dures」の項に記載されている方法を用いうる。
【0052】本発明の写真要素が医療用両面乳剤X線感
材として利用される場合は、画像鮮鋭性を向上させる目
的で、横断光遮断層を設けることが好ましい。該横断光
遮断層には横断光を吸収させる目的で染料の固体微粒子
分散体が含有される。このような染料としては、例えば
pH9以上のアルカリには可溶で、pH7以下では難溶
な構造を有する染料であれば特に制限はないが、現像処
理時の脱色性がよい点で特願平5−119113号記載
の一般式(I)の化合物が好ましく用いられる。
【0053】本発明の感光材料の処理は例えば、前記の
RD−17643のXX〜XXI、29〜30頁或いは同3
08119のXX〜XXI、1011〜1012頁に記載さ
れているような処理液による処理がなされてよい。
【0054】白黒写真処理での現像剤としては、ジヒド
ロキシベンゼン類(例えばハイドロキノン)、3−ピラ
ゾリドン類(例えば1−フェニル−3−ピラゾリド
ン)、アミノフェノール類(例えばN−メチル−アミノ
フェノール)などを単独もしくは組み合わせて用いるこ
とができる。なお、現像液には公知の例えば保恒剤、ア
ルカリ剤、pH緩衝剤、カブリ防止剤、硬膜剤、現像促
進剤、界面活性剤、消泡剤、色調剤、硬水軟化剤、溶解
助剤、粘性付与剤などを必要に応じて用いてもよい。
【0055】定着液にはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩な
どの定着剤が用いられ、更に硬膜剤として水溶性のアル
ミニウム塩例えば硫酸アルミニウム或いはカリ明ばんな
どを含んでいてもよい。その他保恒剤、pH調整剤、硬
水軟化剤などを含有していてもよい。
【0056】本発明において全処理時間(Dry to
Dry)が10〜30秒以下の超迅速処理をすること
ができる。本発明における“現像工程時間”又は“現像
時間”とは、処理する感光材料の先端が自動現像機(以
下、自現機と呼ぶ)の現像タンク液に浸漬してから次の
定着液に浸漬するまでの時間、“定着時間”とは定着タ
ンク液に浸漬してから次の水洗タンク液(安定液)に浸
漬するまでの時間、“水洗時間”とは、水洗タンク液に
浸漬している時間をいう。また“乾燥時間”とは、通常
自現機には、35℃〜100℃、好ましくは40℃〜8
0℃の熱風が吹きつけられる乾燥ゾーンが設置されてお
り、その乾燥ゾーンに入っている時間をいう。
【0057】本発明において、現像、定着等の処理で
は、処理時間が15秒以下、処理温度は25℃〜50℃
であるが、好ましくは30℃〜40℃で2秒〜10秒で
ある。
【0058】本発明の方法によれば、現像、定着及び水
洗(又は安定化)された感光材料は水洗水をしぼり切る
スクイズローラーを経て乾燥される。水洗工程は、5〜
50℃で2〜10秒が好ましい。
【0059】本発明では現像、定着、水洗された感光材
料はスクイズローラーを経て乾燥される。乾燥方式は、
熱風対流乾燥、遠赤外線ヒーターによる放射乾燥、ヒー
トローラーによる伝熱乾燥のいずれか又は併用すること
ができる。乾燥温度と時間は40〜100℃で4〜15
秒で行われる。
【0060】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0061】実施例1 以下に、乳剤の調製方法を示す。
【0062】(Em−1の調製)以下に示す3種の溶液
を用い、平板状沃塩化銀乳剤Em−1を調製した。
【0063】 A1 低メチオニンゼラチン 214.37g 塩化ナトリウム 1.995g 沃化カリウム 149.6mg 水で 6090mlに仕上げる B1 塩化ナトリウム 10.48g 沃化カリウム 149.4g 水で 90mlに仕上げる C1 硝酸銀 30.58g 水で 90mlに仕上げる D1 塩化ナトリウム 165.0g 水で 5640mlに仕上げる E1 硝酸銀 479.0g 水で 5640mlに仕上げる 反応容器内で溶液A1を40℃に保ちながら激しく撹拌
し、そこに溶液B1と溶液C1の全量を毎分180ml
の流量で30秒かけて同時混合法にて添加した。
【0064】次に、この混合溶液を40℃で10分間保
った後、溶液D1と溶液E1を毎分24mlの流量で4
0分かけて同時混合法にて添加し、引き続き、更に溶液
D1と溶液E1の残り全量を初期流量24ml、最終流
量48mlとなるように直線的に流量を増やしながら、
130分かけて同時添加法にて添加した。この間、pC
lは2.35に終始保った。その後、塩化ナトリウムで
1.30に調整し、限外濾過膜を用いてpClを2.0
とし、更に塩化ナトリウムを添加してpClを1.65
に調整した。
【0065】得られたハロゲン化銀乳剤は沃度を0.0
6モル%含有しており、電子顕微鏡観察したところ平均
粒径(円直径換算)1.45μm、平均厚さ0.13μ
m、平均アスペクト比11、直径の変動係数18.5%
の主平面が四角形状(隣接辺比1.4)の単分散平板状
ハロゲン化銀粒子であった。
【0066】引き続き、上記の乳剤Em−1を所定量に
分割し、55℃にした後に、下記の分光増感色素
(A)、(B)の所定量を固体微粒子状の分散物として
添加後にチオシアン酸アンモニウム、塩化金酸水溶液、
下に示す硫黄増感剤の水溶液或いはメタノール溶液及び
トリフェニルホスフィンセレナイドの固体微粒子状分散
物を加え、総計2時間の熟成を施した。熟成終了時に安
定剤として4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3
a,7−テトラザインデン(TAI)を添加した。
【0067】尚、添加剤とその添加量(AgX1モル当
たり)を下に示す。
【0068】 分光増感色素(A) 300mg 分光増感色素(B) 375mg チオシアン酸アンモニウム 145mg 塩化金酸 18.5mg チオ硫酸ナトリウム(5水塩) 15.0mg 1−エチル,3−(2−チアゾリル)チオ尿素 3.8mg 単体硫黄 3.5mg トリフェニルホスフィンセレナイド 3.0mg 安定剤(TAI) 1000mg 分光増感色素の固体微粒子状分散物は特願平4−994
37号に記載の方法に準じた方法によって調製した。
【0069】即ち分光増感色素の所定量を予め27℃に
調温した水に加え高速撹拌機(ディゾルバー)で3,5
00rpmにて30〜120分間にわたって撹拌するこ
とによって得た。
【0070】増感色素(A):5,5′−ジクロロ−9
−エチル−3,3′−ジ−(スルホプロピル)オキサカ
ルボシアニン−ナトリウム塩 無水物 増感色素(B):5,5′−ジ−(ブトキシカルボニ
ル)−1,1′−ジエチル−3,3′−ジ−(4−スル
ホブチル)ベンゾイミダゾロカルボシアニン−ナトリウ
ム塩 無水物 以下の塗布液を、グリシジメタクリレート50wt%、
メチルアクリレート10wt%、ブチルメタクリレート
40wt%の3種モノマーからなる共重合体の濃度が1
0wt%になるように希釈して得た共重合体水性分散液
を下引き液として下引き処理された、ブルー濃度0.1
5に着色した厚さ175μのポリエチレンテレフタレー
ト支持体の両面に下から横断光遮光層、乳剤層、保護下
層、保護上層の順に毎分150mのスピードで両面同時
重層塗布、乾燥した。
【0071】(試料の作成) 第1層(横断光遮光層) 固体微粒子分散体染料(AH) 50mg/m2 ゼラチン 0.1g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(I) 5mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 5mg/m2 ポリスチレンスルホン酸カリウム 50mg/m2 第2層(乳剤層) 上記で得た乳剤(Em−1)に下記の各種添加剤を加え
た。
【0072】 テトラクロロパラジウム(2)酸カリウム 100mg/m 化合物(G) 0.5mg/m2 2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミノ− 1,3,5−トリアジン 5mg/m2 t−ブチル−カテコール 130mg/m2 ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 35mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 80mg/m2 トリメチロールプロパン 50mg/m2 ジエチレングリコール 50mg/m2 ニトロフェニル−トリフェニル−ホスホニウムクロリド 20mg/m2 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 100mg/m2 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(H) 0.5mg/m2 n−C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 35mg/m2 化合物(M) 5mg/m2 化合物(N) 5mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.014μm) 500mg/m2 ラテックス(L) 500mg/m2 デキストラン(平均分子量1000) 100mg/m2 ただし、ゼラチン量は1.2g/m2になるように調整
した。
【0073】 第3層(保護下層) ゼラチン (表1記載の量) 本発明の多糖類(表1記載) (表1記載の量) 本発明のビニルスルホン系硬膜剤(表1記載) (表1記載の量) ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量500000) 30mg/m2 化合物(K) 15mg/m 第4層(保護上層) ゼラチン (表1記載の量) 本発明の多糖類(表1記載) (表1記載の量) 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン 50mg/m2 ポリメチルメタクリレート粒子(平均粒径4.0μm) 20mg/m2 ポリメチルメタクリレート粒子(平均粒径1.0μm) 50mg/m2 本発明のビニルスルホン系硬膜剤(表1記載) (表1記載の量) 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 10mg/m2 ビス−ビニルスルホニルメチルエーテル 36mg/m2 ポリアクリルアミド(平均分子量10000) 50mg/m2 ポリシロキサン(SI) 20mg/m2 化合物(I) 12mg/m2 化合物(J) 2mg/m2 化合物(S−1) 7mg/m2 化合物(O) 50mg/m2 化合物(S−2) 5mg/m2 化合物(F−1) 3mg/m2 化合物(F−2) 2mg/m2 化合物(F−3) 1mg/m2 なお、素材の付量は片面分であり、塗布銀量は片面分と
して1.5g/m2になるように調整した。
【0074】
【化8】
【0075】
【化9】
【0076】
【化10】
【0077】上記により作成した試料を用い、カブリ、
乾燥性、耐圧性の評価を下記の要領で行った。
【0078】(1)カブリの評価 温度23℃、相対湿度50%の条件(A)と、温度55
℃、相対湿度50%の条件(B)の下で各試料を5日間
保存した後に、未露光のまま下記処理条件で現像処理を
行った。各試料の濃度を測定し、条件(B)保存の試料
の値から条件(A)保存の試料の値を差し引いて△カブ
リとした。
【0079】<自動現像機>ローラー搬送型自動現像機
(SRX−501:コニカ(株)製)使用。
【0080】 現像液処方 Part−A(12l仕上げ用) 水酸化カリウム 450g 亜硫酸カリウム(50%溶液) 2280g ジエチレンテトラアミン5酢酸 120g 重炭酸水素ナトリウム 132g 5−メチルベンゾトリアゾール 1.2g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.2g ハイドロキノン 340g 水を加えて 5000mlに仕上げる。
【0081】 Part−B(12l仕上げ用) 氷酢酸 170g トリエチレングリコール 185g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 22g 5−ニトロインダゾール 0.4g スターター 氷酢酸 120g 臭化カリウム 225g 水を加えて 1.0lに仕上げる。
【0082】定着液処方 Part−A(18l仕上げ用) チオ硫酸アンモニウム(70wt/vol%) 6000g 亜硫酸ナトリウム 110g 酢酸ナトリウム・3水塩 450g クエン酸ナトリウム 50g グルコン酸 70g 1−(N,N−ジメチルアミノ)−エチル−5−メルカプトテトラゾール 18g Part−B 硫酸アルミニウム 800g 現像液の調製は水約5lにPartA、PartBを同
時添加し、撹拌溶解しながら水を加え12lに仕上げ氷
酢酸でpHを10.40に調整した。これを現像補充液
とする。
【0083】この現像補充液1lに対して前記のスター
ターを20ml/l添加しpHを10.26に調整し使
用液とする。
【0084】定着液の調製は水約5lにPartA、P
artBを同時添加し、撹拌溶解しながら水を加え18
lに仕上げ、硫酸とNaOHを用いてpHを4.4に調
整した。これを定着補充液とする。
【0085】(2)乾燥性の評価 上記処理条件に従って10×12インチの試料を連続し
て処理した際の試料の乾燥性を触感にて以下のランクを
基準にして官能評価した。ただし、テストの環境条件は
高温多湿の場所を想定して30℃,80%RHにて評価
した。
【0086】なお試料は短辺が処理の搬送方向になるよ
うにして連続的に処理した。
【0087】3:30枚めでも試料は完全に乾燥してい
る。さわった感じも問題なし 2:30枚めで試料をさわるとやや冷たく感じるが連続
処理した試料どうしがくっつくようなことはなく実用上
許容レベル 1:30枚めで試料をさわると明らかに湿っている。場
合によっては、連続処理した試料どうしがくっつき実用
に耐えないレベル。
【0088】(3)耐圧性の評価 得られた試料を23℃,相対湿度40%RH条件下で2
時間放置後、新東科学(株)製連続荷重引掻試験機(H
EIDON−18型)を用い、直径0.1mmのサファ
イヤ針で0〜200gの連続荷重で試料の表面を摩擦
後、未露光のまま上記と同じ現像処理を行い、黒化濃度
がカブリ+0.1になる荷重を求めた。つまり、この値
が大きい程、耐圧性がよいことになる。
【0089】これらの結果を表1,2に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】表1,2から明らかなように、本発明は比
較品に比べ、カブリが少なく、乾燥性及び耐圧性に優れ
たハロゲン化銀写真感光材料であることがわかる。
【0093】
【発明の効果】本発明により、速効性硬膜剤を用い、カ
ブリが少なく、かつ製品の機械的強度及び迅速処理適性
に優れたハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法を
提供することができた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にハロゲン化銀乳剤層を含む親
    水性コロイド層及び保護層を設けたハロゲン化銀写真感
    光材料において、前記保護層が、ゾル−ゲル変換する多
    糖類及び平板状シリカを含有し、且つビニルスルホン系
    硬化剤で硬化されたゼラチン含有層であることを特徴と
    するハロゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 前記ゾル−ゲル変換する多糖類が、カラ
    ギナンである請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材
    料。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のハロゲン化銀写真
    感光材料を全処理時間が10〜30秒の自動現像機で処
    理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処
    理方法。
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