JPH0968768A - ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法

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JPH0968768A
JPH0968768A JP22663595A JP22663595A JPH0968768A JP H0968768 A JPH0968768 A JP H0968768A JP 22663595 A JP22663595 A JP 22663595A JP 22663595 A JP22663595 A JP 22663595A JP H0968768 A JPH0968768 A JP H0968768A
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JP
Japan
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silver halide
layer
sensitive material
photographic light
halide emulsion
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Application number
JP22663595A
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English (en)
Inventor
Takehiro Kobayashi
剛弘 小林
Iku Meji
郁 目時
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 迅速処理性と耐傷性に優れたハロゲン化銀写
真感光材料及びその処理方法の提供。 【構成】 感光材料を書き込みドラムの外面又は内部に
巻き付け、該ドラムを500rpm以上回転させるか、又は光
源の光を高速に回転させ書き込みを行う方式において、
該ハロゲン化銀乳剤層に塩化銀含有率が50モル%以上の
感光性ハロゲン化銀を含有し、該感光性ハロゲン化銀乳
剤を有する側の親水性コロイド層の少なくとも1層にゼ
ラチンで安定化されたポリマーラテックスを含有し、か
つ該バッキング層のマット度が100〜400mmHg又は640〜7
20mmHgであることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
料により達成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料に関し、詳しくは迅速処理性及び耐傷性が改良され
たハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、新聞製作においては、発刊の迅速
化などの目的から印刷工程の分散化が進んでいる。それ
を推進したのがファクシミリプロッターである。これに
より発刊の流れは本社で作成した原稿を活版で印刷する
方法から、本社のコンピューター上で作成した原稿を電
話回線を用い、分散工場に電送しファクシミリプロッタ
ーでハロゲン化銀写真感光材料に書き、それをPS版に
密着露光し、印刷する方法が主流となっている。
【0003】新聞製作で最も求められていることは、ニ
ュースの即時性、速報性であり、製作時の迅速性が望ま
れている。そのためファクシミリプロッターの書き込み
時間やハロゲン化銀写真感光材料の処理時間の迅速化の
必要性が高まっている。
【0004】ハロゲン化銀写真感光材料の迅速処理にお
ける技術課題は、乾燥性と現像性である。乾燥性はゼラ
チン量の低減により達成できるが、耐傷性(すり傷耐
性)やマット剤が沈み込むために生じる白ピンが劣化す
るという問題がある。現像性に関してはハロゲン化銀粒
子を高塩化銀の組成にすることで達成できるが、感度の
低下を招くという問題点がある。ここでいう耐傷性とは
バッキング層の凹凸とハロゲン化銀乳剤層が接触して起
こるものも、感光材料の搬送中に起こるものすべてを含
む。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題に対
して、本発明の課題は、迅速処理性と耐傷性に優れたハ
ロゲン化銀写真感光材料(以下、感光材料という)を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、下
記手段により達成される。
【0007】 支持体上の一方の側に、少なくとも1
層の感光性ハロゲン化銀乳剤層と、他層側に少なくとも
1層のバッキング層を有するハロゲン化銀写真感光材料
を書き込みドラムの外面に巻き付け、該ドラムを500
rpm以上回転させ書き込みを行う方式において、該ハ
ロゲン化銀乳剤層に塩化銀含有率が50モル%以上の感
光性ハロゲン化銀を含有し、該感光性ハロゲン化銀乳剤
を有する側の親水性コロイド層の少なくとも1層にゼラ
チンで安定化されたポリマーラテックスを含有し、かつ
該バッキング層のマット度が100〜400mmHgで
あることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0008】 支持体上の一方の側に、少なくとも1
層の感光性ハロゲン化銀乳剤層と、他層側に少なくとも
1層のバッキング層を有するハロゲン化銀写真感光材料
を書き込みドラムの内部に巻き付け、光源の光を高速に
回転させ、書き込みを行う方式において、該ハロゲン化
銀乳剤層に塩化銀含有率が50モル%以上の感光性ハロ
ゲン化銀を含有し、該感光性ハロゲン化銀乳剤を有する
側の親水性コロイド層の少なくとも1層にゼラチンで安
定化されたポリマーラテックスを含有し、かつ該バッキ
ング層のマット度が640〜720mmHgであること
を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0009】 スルホン酸基又はりん酸基を有する水
溶性ポリマーを含有することを特徴とする上記又は
に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0010】 上記〜に記載のハロゲン化銀写真
感光材料を全処理時間(Dry toDry)50秒以
下、かつラインスピードが2500mm/min以上で
処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の
処理方法。
【0011】 支持体上の一方の側に、少なくとも1
層の感光性ハロゲン化銀乳剤層と、他層側に少なくとも
1層のバッキング層を有するハロゲン化銀写真感光材料
を書き込みドラムの外面に巻き付け、該ドラムを500
rpm以上回転させ書き込みを行う方式において、該ハ
ロゲン化銀乳剤層に塩化銀含有率が50モル%以上の感
光性ハロゲン化銀を含有し、該感光性ハロゲン化銀乳剤
を有する側の親水性コロイド層の少なくとも1層にグリ
シジルメタクリレート又はグリシジルアクリレート単位
を有するラテックスであり、かつ該バッキング層のマッ
ト度が100〜400mmHgであることを特徴とする
ハロゲン化銀写真感光材料。
【0012】 支持体上の一方の側に、少なくとも1
層の感光性ハロゲン化銀乳剤層と、他層側に少なくとも
1層のバッキング層を有するハロゲン化銀写真感光材料
を書き込みドラムの内部に巻き付け、光源の光を高速に
回転させ、書き込みを行う方式において、該ハロゲン化
銀乳剤層に塩化銀含有率が50モル%以上の感光性ハロ
ゲン化銀を含有し、該感光性ハロゲン化銀乳剤を有する
側の親水性コロイド層の少なくとも1層にポリマーラテ
ックスがエポキシ基の開環率が35モル%以上であるグ
リシジルメタクリレート又はグリシジルアクリレート単
位を有するラテックスであり、かつ該バッキング層のマ
ット度が640〜720mmHgであることを特徴とす
るハロゲン化銀写真感光材料。
【0013】 スルホン酸基又はりん酸基を有する水
溶性ポリマーを含有することを特徴とする上記又は
に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0014】 上記〜に記載のハロゲン化銀写真
感光材料を全処理時間(Dry toDry)50秒以
下、かつラインスピードが2500mm/min以上で
処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の
処理方法。
【0015】以下、本発明について具体的に説明する。
【0016】本発明において、マット度とは、表面の粗
さを表すものであり、書き込みファクシミリプロッター
のドラムへの巻き付け方で最適なマット度に決める。即
ち感光材料を書き込みドラムの外面の巻き付け、該ドラ
ムを500rpm以上回転させ、書き込みを行う方式に
おいては、バッキング層のマット度は200〜400m
mHgが搬送性の面から最適である。また、感光材料を
書き込みドラムの内部に巻き付け、光源の光を高速に回
転させ書き込みを行う方式においては、バッキング層の
マット度は640〜720mmHgが最適である。
【0017】マット度の測定については、試料を23
℃、50%RHで2時間調湿後、バッキング面に減圧で
きる金属製の筒を置き、ポンプを用い強制的に減圧を行
い、その時平衡状態となる真空度を測定しマット度とし
た。
【0018】本発明でバッキング層側の層に含有させる
マット剤は、有機又は無機化合物の粉体である。具体的
な有機化合物としては、ポリメチルメタクリレートのよ
うな水分散性ビニル重合体及びセルロースアセテートプ
ロピオネート、澱粉などが用いられる。特にメチルメタ
クリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタ
クリレートのようなアクリル酸エステルの単独重合体又
はこれらアクリル酸エステル同士か他のビニルモノマー
との共重合体のような水分散性ビニル重合体の球形マッ
ト剤が好ましい。
【0019】無機化合物としては、ハロゲン化銀、硫酸
ストロンチウムバリウム、炭酸カルシウム、2酸化ケイ
素、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、中空シリカ(日本
フィライト社製)、4弗化エチレン、酸化チタンなどが
好ましく用いられる。添加量は1〜1000mg/
2、好ましくは50〜500mg/m2である。平均粒
径は10μm以上であり、好ましくは30μm以下であ
る。100μmより大きくなると膜面からマット剤が剥
がれ易く、ファクシミリプロッターの故障等の原因とな
り、好ましくない。粒径は電子顕微鏡写真あるいはコー
ルターカウンターにより測定することができる。
【0020】本発明に用いることのできるゼラチンで安
定化されたポリマーラテックスは、ポリマーラテックス
の表面及び/又は内部がゼラチンによって分散安定化さ
れていることを特徴とする。ラテックスを構成するポリ
マーとゼラチンが何等かの結合をもっていることが特に
望ましい。この場合、ポリマーとゼラチンは直接結合し
ていてもよいし、架橋剤を介して結合していてもよい。
【0021】本発明のゼラチンで安定化されたポリマー
ラテックスはポリマーラテックスの重合反応が終了後、
反応系にゼラチン溶液を添加して反応させることによっ
て得ることができる。界面活性剤中で合成したポリマー
ラテックスとゼラチンを架橋剤を用いて反応させること
が好ましい。さらに、ポリマーの重合反応中にゼラチン
を存在させる方法によっても得られる。また、この場合
ポリマーの重合反応中に界面活性剤を使用しないことが
好ましいが、界面活性剤を使用する場合その添加量はポ
リマー成分に対し0.1〜3.0%、特に好ましくは0.1〜1.5
%である。
【0022】合成時のゼラチンとポリマーの比率は1:
100〜2:1が好ましく、特に好ましくは1:50〜1:
2である。
【0023】本発明に用いられるゼラチンで安定化され
たポリマーラテックスの平均粒径の好ましい範囲は0.00
5〜1μm、好ましくは0.02〜0.5μmである。
【0024】本発明のゼラチンで安定化させたポリマー
ラテックスとしては、例えば米国特許2,772,166号、同
3,325,286号、同3,411,911号、同3,311,912号、同3,52
5,620号、リサーチ・ディスクロージャー(Research
Disclosure)誌No.19551(1980年7月)等に記載されて
いるごとき、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、スチレン等のビニル重合体の水和物等がある。
【0025】本発明に好ましく用いられるゼラチンで安
定化されたポリマーラテックスのポリマーラテックス部
分としてはメチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト等のメタアルキルアクリレートの単独重合体、スチレ
ンの単独重合体、又は、メタアルキルアクリレートやス
チレンとアクリル酸、N-メチロールアクリルアミド、グ
リシドールメタクリレート等との共重合体、メチルアク
リレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等
のアルキルアクリレートの単独重合体もしくはアルキル
アクリレートとアクリル酸、N-メチロールアクリルアミ
ド等との共重合体(好ましくはアクリル酸等の共重合成
分は30重量%まで)、ブタジエンの単独重合体もしくは
ブタジエンとスチレン、ブトキシメチルアクリルアミ
ド、アクリル酸の1つ以上との共重合体、塩化ビニリデ
ン-メチルアクリレート-アクリル酸3元共重合体等が挙
げられる。
【0026】また架橋剤を介してゼラチンと結合させる
場合は、ポリマーラテックスを構成するモノマーには、
カルボキシル基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、水
酸基、アルデヒド基、オキサゾリン基、エーテル基、活
性エステル基、メチロール基、シアノ基、アセチル基、
不飽和炭素結合等の反応性基をもつものが含まれている
ことが望ましい。さらに架橋剤を使用する場合には、通
常のゼラチンの架橋剤として用いられているものを用い
ることができる。例えばアルデヒド系、グリコール系、
トリアジン系、エポキシ系、ビニルスルホン系、オキサ
ゾリン系、メタクリル系、アクリル系等の架橋剤を用い
ることができる。さらに本発明のゼラチンで安定化され
たポリマーラテックスの分散安定性をさらに高めるため
にポリマーラテックスを構成するモノマーとして2-アク
リルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸もしくはその
塩を用いることができる。上記モノマーの添加量は、構
成成分中の全重量に対して0.5〜20重量%が好ましい結
果をあたえる。
【0027】本発明のラテックスの安定化に用いるゼラ
チンとしては、後記のハロゲン化銀写真感光材料用とし
て一般に使用されているゼラチンおよびゼラチン誘導
体、セルロース誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフ
トポリマー及びそれ以外の蛋白質、糖誘導体、セルロー
ス誘導体、単一或いは共重合体の如き合成親水性高分子
物質等の親水性コロイドも併用して用いることができ
る。
【0028】蛋白質としては、アルブミン、カゼイン、
セルロース誘導体としてはヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、セルロースの硫酸エ
ステル、又、糖誘導体としてはアルギン酸ソーダ、澱粉
誘導体をゼラチンと併用してもよい。
【0029】本発明に用いられるゼラチンで安定化され
たポリマーラテックスは、少なくとも1層の親水性コロ
イド層に添加されていればよいが、支持体のある一方側
の親水性コロイド層全層中に添加されたほうが好ましい
結果が得られる。支持体に対し片面のみに含有されてい
てもよいし、また両面に含有されていてもよい。該ラテ
ックスの添加量は好ましくは、各親水性コロイド層中の
ゼラチンに対して30%以上であり、特に好ましくは30%
〜200%である。本発明のラテックスを添加した及び/
又はしない層には従来公知のラテックスを添加してもよ
い。支持体に対し両面に含有せしめられる場合、各々の
面の含有せしめられるポリマーラテックスの種類及び/
又は量は同じであってもまた異なっていてもよい。
【0030】次に、本発明に用いることができるラテッ
クスの具体例を示す。本明細書中に示すラテックスの具
体例はその構成成分よりなるラテックスの任意の組成比
のラテックスを表すものである。勿論、ここに示すラテ
ックスの具体例は使用できるラテックスの代表的な例で
あり、本発明に使用されるラテックスの(組成比のみな
らず)構成成分が、これらの具体例に限定されないこと
は言うまでもない。
【0031】
【化1】
【0032】
【化2】
【0033】
【化3】
【0034】
【化4】
【0035】
【化5】
【0036】
【化6】
【0037】
【化7】
【0038】本発明における親水性コロイド層とは、ゼ
ラチンを主たるバインダーとする層のことを意味する
が、帯電防止層、下引層はこれには含まれない。
【0039】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンの他、
酸処理ゼラチン、ビュレチン・オブ・ソサエティー・オ
ブ・ジャパン(Bull.Soc.Sci.Phot.Japan)No16,30頁
(1966)に記載されたような酸処理ゼラチンを用い
てもよく、又ゼラチンの加水分解物や酵素分解物も用い
ることができる。ゼラチン誘導体として、ゼラチンに例
えば酸ハライド、酸無水物、イソシアナート類、ブロモ
酢酸、アルカンサルトン類、ビニルスルホンアミド類、
マレインイミド化合物類、ポリアルキレンオキシド類、
エポキシ化合物類等種々の化合物を反応させて得られる
ものが用いられる。その具体例は米国特許2,614,
928号、同3,131,945号、同3,186,846号、同3,312,55
3号、英国特許861,414号、同1,033,189号、同1,055,784
号、特公昭42-26845号などに記載されている。
【0040】本発明で用いられる水溶性ポリマーは、ポ
リスチレンスルホン酸誘導体であり、また、ヒドラジン
誘導体が分子構造中にアミノ基あるいはオニウム基を有
するヒドラジン誘導体であることが好ましい。本発明の
水溶性ポリマーへスルホン酸基及びリン酸基をポリマー
中に導入する方法としては、モノマーにスルホン酸基、
リン酸基を有するモノマーを用いる方法やポリマーを硫
酸、リン酸などで処理し直接スルホン酸基、リン酸基を
導入する方法、あるいはスルホン酸基、リン酸基の前駆
体をポリマー中に導入してその後酸化、加水分解などの
方法でスルホン酸基、リン酸基を生じさせる方法などが
用いられる。
【0041】スルホン酸基、リン酸基を有するモノマー
として好ましいものは2-アクリルアミド-2-メチル-プロ
パンスルホン酸(AMPS)、アクリルスルホン酸ナトリウム
塩、メタアクリルスルホン酸ナトリウム塩、スチレンス
ルホン酸ナトリウム塩、3-スルホプロピルアクリレート
カリウム塩、N-(3-スルホプロピル)-N-メタアクリロキ
シ-N,N-ジメチルアンモニウムベタイン(SPE)、アリルリ
ン酸等が挙げられる。
【0042】本発明に用いられる水溶性ポリマーにおい
てスルホン酸基、リン酸基を有するモノマー成分の割合
は好ましくは10%以上であり、さらに好ましくは50%以
上である。この他の共重合体を形成するモノマー成分と
してはエチレン、酢酸ビニル、ビニルメチルエーテル、
無水マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステルなど
が好ましく用いられる。
【0043】本発明に用いられる水溶性ポリマーとして
の好ましい分子量は数平均分子量で3000以上であり、さ
らに好ましくは10,000以上1,000,000以下である。また
添加位置は乳剤層、あるいは非感光性親水性コロイド層
のいずれでも構わないが、好ましくは乳剤層あるいは支
持体に対して乳剤層より下層の非感光性親水性コロイド
層である。好ましい添加量は、塗布液中に1mg/m2〜2
g/m2であり特に好ましくは5mg/m2〜500mg/m2であ
る。
【0044】本発明で用いられる水溶性ポリマーとして
最も好ましいのはポリスチレンスルホン酸誘導体であ
る。ここでポリスチレンスルホン酸誘導体とは、スチレ
ン重合体、スチレン共重合体ないしはスチレンブロック
コポリマーにスルホン酸基を導入したものを指し、これ
らのなかで本発明目的の効果の点からより好ましく用い
られるポリスチレンスルホン酸誘導体は、下記一般式
〔A〕で表される化合物である。
【0045】
【化8】
【0046】〔式中、Bは−SO3M1−、−OSO3M2−を表
す。mは全分子中の算術平均的なスルホン酸基を表し、
0.3〜4.5を表す。M1、M2は水素原子、アルカリ金属な
どの金属あるいはアンモニウムイオン、有機基で正の電
荷を有する対イオンを表す。
【0047】一般式中、nは好ましくは100以上、さら
に好ましくは200以上10000以下の範囲である。〕 水溶性ポリマーの具体例としては以下のものが挙げられ
る。
【0048】
【化9】
【0049】
【化10】
【0050】本発明に係るポリマーラテックスは一般的
に感光材料に用いられるポリマーラテックスを使用する
ことができる。すなわち重合性エチレン系化合物、重合
性ジオレフィン系化合物であり、疎水性モノマー、親水
性モノマーに大別される。疎水性モノマーとしては、例
えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチル
アクリレート、ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシ
ルアクリレート、t-ブチルアクリレート等のアクリル酸
アルキルエステル類、メチルメタクリレート、エチルメ
タクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタア
クリレート、オクチルメタクリレート、2-エチルヘキシ
ルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート、iso-プロ
ピルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル
類、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト等のグリシジルエステル類、スチレン、ビニルトルエ
ン、α-メチルスチレン、クロルメチルスチレン等のア
ルケニルベンゼン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル
等のビニルエステル類、メチルビニルエーテル、エチル
ビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエ
ーテル類、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン等
のハロゲン化ビニル類、アクリル酸アミド、メタクリル
酸アミド等のアミド類、ブタジエン等のジエン単量体等
を挙げることができる。また親水性単量体としては、ヒ
ドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアク
リレート等のアクリル酸ヒドロキシアルキルエステル
類、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート等のメタクリル酸ヒドロキシアルキ
ルエステル類、テトラエチレングリコール、モノメタク
リレート等の(メタ)アクリル酸エチレングリコール類、
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、α-アクリル
アミド-2-メチルプロパンスルホン酸等のイオン性単量
体が挙げられる。これらの単量体は単独で用いても良
く、二種類以上併用しても良いが、親水性単量体を用い
る場合は、疎水性の単量体との併用が好ましく、安定し
たラテックスを得るには親水性単量体はあまり多量に用
いない方がよい。
【0051】本発明に用いられるラテックスは、はじめ
から分散媒中で重合する乳化重合法、懸濁重合法で得て
もよいし、別に重合して重合体をとり出し、これを再分
散させてラテックスを得てもよいが、製造コスト、分散
安定性等の面からは乳化重合法が好ましい。
【0052】本発明において用いられるポリマーラテッ
クスとしては、例えば特開平5-50827号に記載のエポキ
シ開環率が35モル%以上であるグリシジルメタクリレー
トまたはグリシジルアクリレート単位を有するラテック
スが好ましい。このラテックスは、感光材料中に用いて
も次の点での悪影響がないか極めて少ないのが特徴であ
る。ラテックス表面が写真的に不活性であり、各種の写
真添加剤との相互作用が極めて少ない。その一例とし
て、染料や色素を吸着して写真要素を色汚染しにくい。
また現像の速度に影響のある現像促進剤、現像抑制剤な
どを吸着しにくく、感度やカブリに影響を与えにくい。
【0053】また感光材料を製造する際、本発明のラテ
ックスを分散させたハロゲン化銀乳剤におけるpH依存
性が少ないこと、イオン強度に左右されにくいことのた
め凝集沈殿しにくい。
【0054】上記ラテックスが上記特性を有すること
は、このラテックスのモノマー組成と性質が大きな影響
を与えていると考える。
【0055】ラテックスにはガラス転移点と言われる指
標がしばしば用いられる。この転移点が高いほど硬く緩
衝剤としての役目が果たせなくなるが、逆に低いと一般
に写真性能と相互作用し易く悪影響が出てくる。このた
め、写真特性を考えると組成の選択とその使用量は単純
ではない。スチレン、ブタジエン、ビニリデンなどのモ
ノマーを用いたラテックスはよく知られているがいずれ
も満足すべき性能が得られなかった。また、ラテックス
の合成のときアクリル酸イタコン酸、マレイン酸等のカ
ルボン酸基を有するモノマーを導入すると写真特性に影
響が少なくなると言われ、このような合成もしばしば試
みられている。しかし、このような方法も良好な性能を
保証するものでなかった。このような組み合わせで得ら
れたラテックスに対して本発明は少なくともエポキシ基
の開環率が35モル%以上であるグリシジルメタクリレー
トまたはグリシジルアクリレートモノマー単位を含ませ
ることにより驚くべき効果が発揮されたことは予想外の
ことであった。
【0056】特開平2-135335号には、平板粒子とメタク
リレートポリマーからなるラテックスの記載がある。そ
の中に硬化部位としてグリシジル基をもつメタクリレー
トの使用できることが明細書中に記載されている。しか
しながら、実施例にはこの例を取り上げておらず、本発
明の構成効果までを示唆するものではない。またこのエ
ポキシの開環には全く言及されていない。本発明はグリ
シジル基をもつメタクリレートまたはアクリレートのも
のを積極的に使用することにより平板粒子のもつ特徴を
充分に発揮させる新規な発明を提案するものである。
【0057】ラテックス中のエポキシ基の開環率が35モ
ル%以上であるグリシジルメタクリレートまたはグリシ
ジルアクリレートメタクリレート単位の導入量は、ラテ
ックス固形分中の0.01以上30重量%以下が好ましい。ラ
テックスの合成方法は、例えば特公昭60-15935号記載の
方法によって合成することができる。ラテックス合成方
法は、この特許以外にも幾多の合成方法があるので限定
されるものではない。
【0058】ラテックスの合成時に使用するモノマーと
してアルキルアクリレートやアルキルメタクリレート、
スチレン系を選択することが好ましい。アルキルアクリ
レートやアルキルメタクリレートのアルキル基としては
メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル
基、ノニル基、ドデシル基、ヘキサデシル基など、炭素
数1から16の置換されてもよい直鎖または分岐の脂肪属
基やシクロヘキシル基などの環状飽和環やフェニル基、
ピリジル基、フラン基などの芳香族基が直接置換された
ものや連結基を介しているものなどが挙げられる。
【0059】モノマーの選択には特公昭60-15935号に記
載されている例示モノマー中から選択することが可能で
ある。これらモノマーの配合は、ラテックスの硬さの指
標となるガラス転移点の設定により適宜選択することが
好ましい。アルキル基の選択によりラテックスのガラス
転移点は大きく影響を受けるが、アルキルアクリレート
成分を20重量%以上選択することによりガラス転移点を
60℃以下にすることが好ましく、さらには、特に50℃以
下さらには40℃が好ましい。
【0060】上記ラテックスは、エポキシ基をモノマー
単位に含むものであるが、必ずしもすべてラテックス中
に共重合していなくともよい。なぜなら一部はホモポリ
マーとして重合が進み、ラテックスの生成時に分散媒体
として作用し重合の安定化を図っていることもあるから
である。従って、エポキシ基を含むモノマーをあらかじ
め重合させこのホモポリマーの中でその他のモノマーの
重合を行うこともできる。
【0061】本発明のグリシジルメタクリレートまたは
グリシジルアクリレートモノマー単位を有するラテック
スのグリシジル基のエポキシ開環率が少なすぎると耐圧
性を劣化させ、大きすぎると経時保存でのクッツキを劣
化させることになる。したがって上記のグリシジル基の
エポキシ開環率は20モル%以上好ましくは35モル%以上
さらに好ましくは45%以上である。
【0062】本発明でいうグリシジル基の開環率とは、
高分子論文集、第34巻、第8号、571〜576頁(1977年8月)
に記載されているように塩酸-ピリジン法による測定値
であり、次の計算式によりもとめることができる。
【0063】グリシジル基開環率=[(A−B)/A]
×100(モル%) 上式において、Aは重合時に使用したグリシジル基含有
単量体モル数、またBは合成された重合体中のグリシジ
ル基含有単量体単位モル数である。
【0064】上記ラテックスはグリシジルメタクリレー
トまたはグリシジルアクリレートのエポキシ量の開環率
が35モル%以上であることを特徴とするが、グリシジル
基の開環率を所望の値にする方法として、重合温度、重
合反応時間を適宜選択するか、pHを低くしたり、高く
して強制的に酸またはアルカリで加水分解して開環させ
る方法、アミン類やアルデヒド類などのエポキシ基に反
応する化合物を添加して開環する方法がある。これらの
化合物を選択することは任意であり本発明を限定するも
のではない。
【0065】ラテックスの合成時にモノマーの分散に表
面活性剤を用いると、ラテックスの安定性を付与するこ
とができる。活性剤の種類は、アニオン性、ノニオン
性、カチオン性、両性と任意に選択できる。ノニオン性
あるいはアニオン性の活性剤の単独もしくは併用が良好
な結果を与える。また、重合の際のpHは、中性、アル
カリ、酸のいずれも選択することができる。酸モノマー
の場合、酸性下で重合するとポリマーに組み込まれ易
く、よい結果を与える。しかし、中性付近の写真乳剤や
写真塗布液に添加するには、酸(pH1〜6)やアルカ
リ(pH8〜14)で重合したときは中性に戻して添加す
るのがよい結果を与える。また、重合は、水溶液中で乳
化重合した分散物を使用するのが好ましいが、アルコー
ル中や有機溶媒中で重合後溶媒を蒸留して使用してもよ
い。
【0066】ラテックスの分散媒体として天然の両性で
あるゼラチンを用いてもよい。ゼラチンを用いると、ラ
テックス中に組み込まれて、架橋性の良いラテックスを
得ることができる。ゼラチンの用い方は、活性剤の代わ
りに添加する方法と活性剤と併用する方法とがある。ゼ
ラチンは、アルカリ分解して得られたものや酸で処理さ
れたものいずれでも良い。また分解の程度により分子量
をコントロールしてモノマーの分散性を良くして用いる
ことができる。
【0067】エポキシ量の開環率が15モル%以上である
グリシジルメタクリレートラテックスは、まだグリシジ
ル基のエポキシが開環していないグリシジルメタクリレ
ートと他の不飽和ビニルモノマーと任意に共重合させ、
しかる後に開環させることができる。しかし、重合前に
エポキシを開環させてから重合させてもよい。また、共
重合させる不飽和モノマーは特開昭51-114120号の5〜
8頁を参考にして選択することができる。特に共重合の
相手としてのビニルモノマーは、メタクリレートあるい
はアクリレート系が好ましい。しかし、これも限定され
るものでなく、スチレンやアクリロニトリルのような非
アクリレート系でもよい。
【0068】また、ラテックスの安定性を高めるため
に、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等のカルボン
酸基を有するモノマーを導入したり、2-アクリルアミド
-2-メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、
イソプレンスルホン酸などのスルホン基を導入すること
は任意である。これらの酸モノマーとして特開平2-1353
35号の6頁を参考にすることができる。
【0069】共重合生成物の分子量は、1000から100万
までを任意の重合度により設定可能である。好ましい分
子量は1500から60万であるがこの分子量に限定されるも
のではない。
【0070】ラテックスの粒子径は、0.001〜10μmまで
任意に選択することができる。粒子径が大きいとフィル
ムのヘイズが劣化する。また、小さいと乳化剤が多く必
要となり、写真性能や膜物性を劣化させる。好ましい粒
子径は0.01〜1μmであり、その粒子径の分布は、狭い
ほど好ましい。粒子の分布を示す指標はハロゲン化銀粒
子の場合と同じく、統計学的変動係数で表すことができ
る。通常は40%以内が使用される。好ましくは30%以
内、更には20%以内、10%以内、5%以内とするとよ
い。分布を狭くする方法は、重合反応の不均一性を除外
するようにすればよい。例えば、反応ベッセルの撹拌を
充分にする(レイノルズの完全撹拌混合条件で撹拌)こ
とやモノマーの添加を制御する(流速制御、pH制御)こ
となどを挙げることができる。
【0071】以下にラテックスの具体例を示すが、ここ
でエポキシ量の開環率が35モル%以上であるグリシジル
メタクリレートをGMA、グリシジルアクリレートをGA、
スチレンをSt、α-メチルスチレンをα-St、メチルアク
リレートをMA、メチルメタクリレートをMMA、エチルア
クリレートをEA、ブチルアクリレートをBA、ヘキシルア
クリレートをHA、イソノニルアクリレートをINA、シク
ロヘキシルメタクリレートをCA、ヒドロキシエチルアク
リレートをHEA、ヒドロキシエチルメタクリレートをHEM
A、アクリル酸をAA、イタコン酸をIA、マレイン酸をM
A、アクリルアミドAAm、スチレンスルホン酸をStS、ア
クリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸アミドをAMP
S、2-プロペニル-4-ノニルフェノキシエチレンオキサイ
ド(n=10)スルホン酸エステルをPFSと略す。付帯小文字
は組成重量組成比を表す。
【0072】 ラテックスの具体例 モノマー種 分子量(万) 平均粒子径 開環率(%) L-1 St25MA25EA40GMA10 2 0.20 63 L-2 St35MA15EA40GMA10 1 0.20 62 L-3 St35MA15EA40GMA10 2 0.20 63 L-4 [(2)の活性剤変化] 2 0.20 70 L-5 St2CA50NA38GMA10 2 0.20 62 L-6 St40MMA10EA40GMA10 2 0.20 42 L-7 St2MMA10NA40GMA10 3 0.10 43 L-8 AN25MMA10EA40GMA10 3 0.10 42 L-9 α-St25MMA10EA40GMA8 2 0.20 53 L-10 St20MMA30EA40BA8GMA2 2 0.20 51 L-11 St10MMA30EA50GMA10 2 0.20 55 L-12 EA90GMA10 5 0.10 58 L-13 MMA10EA88GA2 0.2 0.10 63 L-14 St30MMA20EA40BA5GMA5 0.8 0.20 72 L-15 CA60INA30GMA10 3 0.10 83 L-16 MMA50EA40GMA10 4 0.10 70 L-17 MMA50EA40GMA10 10 0.10 62 L-18 EA90GMA10 50 0.10 92 L-19 MMA50EA40GMA10 20 0.10 93 L-20 St20MMA30EA50GMA10 10 0.20 82 L-21 St10MMA30EA50HEMA5GMA5 10 0.20 83 L-22 BA40MMA20EA30AA5GMA5 10 0.10 71 L-23 CA60INA30MA10GMA2 20 0.10 65 L-24 CA60INA30AMPS8GMA2 4 0.10 60 L-25 CA50INA30EA10GMA10 3 0.08 52 L-26 EA95AA32GMA2 10 0.06 63 L-27 EA91BA3GMA6 13 0.05 52 L-28 EA42BA47AA3GMA8 20 0.03 63 L-29 EA80MMA5GMA15 2 0.02 70 L-30 St20MMA29EA39BA8AA3GMA1 5 0.01 82 L-31 St15IPS5INA30GMA50 0.2 0.20 92 L-32 EA65GMA35 0.8 0.05 63 L-33 MMA2EA88AMPS10GA3 3 0.06 62 L-34 St32MMA20EA40BA5AA3GA3 4 0.30 63 L-35 CA50INA30GA20 10 0.15 71 本発明に用いるハロゲン化銀としては、高感度を得るた
めに平板状粒子が用いられることが好ましい。ハロゲン
化銀組成としてAgBr,AgCl,AgClBr,AgClBrI,AgBrI,
AgClBrI等任意に用いることができるが、AgBr組成に富
むAgBrIが好ましい。
【0073】平板状粒子は、米国特許第4,439,520、同
第4,425,425号、同第4,414,304号等に記載されており、
容易に目的の平板状粒子を得ることができる。平板状粒
子は、特定表面部位に組成の異なるハロゲン化銀をエピ
タキシャル成長させたり、シェリングさせたりすること
ができる。また感光核を制御するために、平板状粒子の
表面あるいは内部に転移線を持たせてもよい。
【0074】本発明に用いられる平板状粒子は、平板状
粒子が使用されている乳剤層の全粒子の投影面積の総和
の50%以上がアスペクト比2以上の平板状粒子であるこ
とが好ましい。特に平板状粒子の割合が60%から70%、
さらに80%へと増大するほど好ましい結果が得られる。
ここでいうアスペクト比が平板状粒子の投影面積と同一
の面積を有する円の直径と2つの平行平面間距離の比を
表す。本発明においてアスペクト比は2以上20未満、3
以上16未満であることが好ましい。本発明の平板状粒子
は、厚みが0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下であるこ
とが好ましい。また、平板粒子の分布は、しばしば使用
される変動係数(投影面積を円近似した場合の標準偏差
Sを直径Dで割った値S/Dの100倍)が30%以下、特
に20%以下である単分散乳剤であることが好ましい。ま
た平板粒子と正常晶の非平板粒子を2種以上混合しても
よい。
【0075】平板状粒子の形成時に粒子の成長を制御す
るためにハロゲン化銀溶剤として例えばアンモニア、チ
オエーテル化合物、チオン化合物などを使用することが
できる。また、物理熟成時や化学熟成時に亜鉛、鉛、タ
リウム、イリジウム、ロジウム等の金属塩等を共存させ
ることができる。
【0076】化学増感する場合は、イオウ増感、セレン
増感、テルル増感、還元増感、貴金属増感及びそれらの
組み合わせが用いられる。本発明において適用できる硫
黄増感剤としては、米国特許1,574,944号、同2,410,689
号、同2,278,947号、同2,728,668号、同3,501,313号、
同3,656,955号、西独出願公開(OLS)1,422,869号、特開
昭56-24937号、同55-45016号公報等に記載されている硫
黄増感剤を用いることが出来る。具体例としては、1,3-
ジフェニルチオ尿素、トリエチルチオ尿素、1-エチル,
3-(2-チアゾリル)チオ尿素などのチオ尿素誘導体、ロー
ダニン誘導体、ジチアカルバミン酸類、ポリスルフィド
有機化合物、硫黄単体などが好ましい例として挙げられ
る。尚、硫黄単体としては斜方晶系に属するα-硫黄が
好ましい。
【0077】本発明の化学増感に用いられるセレン増感
剤は広範な種類のセレン化合物を含む。例えば、これに
関しては、米国特許1,574,944号、同1,602,592号、同1,
623,499号、特開昭60-150046号、特開平4-25832号、同4
-109240号、同4-147250号等に記載されている。有用な
セレン増感剤としては、コロイドセレン金属、イソセレ
ノシアネート類(例えば、アリルイソセレノシアネート
等)、セレノ尿素類(例えば、N,N-ジメチルセレノ尿
素、N,N,N′-トリエチルセレノ尿素、N,N,N′-トリメチ
ル-N′-ヘプタフルオロセレノ尿素、N,N,N′-トリメチ
ル-N′-ヘプタフルオロプロピルカルボニルセレノ尿
素、N,N,N′-トリメチル-N′-4-ニトロフェニルカルボ
ニルセレノ尿素等)、セレノケトン類(例えば、セレノ
アセトン、セレノアセトフェノン等)、セレノアミド類
(例えば、セレノアセトアミド、N,N-ジメチルセレノベ
ンズアミド等)、セレノカルボン酸類及びセレノエステ
ル類(例えば、2-セレノプロピオン酸、メチル-3-セレ
ノブチレート等)、セレノフォスフェート類(例えば、
トリ-p-トリセレノフォスフェート等)、セレナイド類
(ジエチルセレナイド、ジエチルジセレナイド、トリフ
ェニルフォスフィンセレナイド等)が挙げられる。特
に、好ましいセレン増感剤は、セレノ尿素類、セレノア
ミド類、及びセレノケトン類である。
【0078】これらのセレン増感剤の使用技術の具体例
は下記の特許明細書に開示されている。即ち米国特許1,
574,944号、同1,602,592号、同1,623,499号、同3,297,4
46号、同3,297,447号、同3,320,069号、同3,408,196
号、同3,408,197号、同3,442,653号、同3,420,670号、
同3,591,385号、フランス特許第2693038号、同2093209
号、特公昭52-34491号、同52-34492号、同53-295号、同
57-22090号、特開昭59-180536号、同59-185330号、同59
-181337号、同59-187338号、同59-192241号、同60-1500
46号、同60-151637号、同61-246738号、特開平3-4221
号、同3-24537号、同3-111838号、同3-116132号、同3-1
48648号、同3-237450号、同4-16838号、同4-25832号、
同4-32831号、同4-96059号、同4-109240号、同4-140738
号、同4-140739号、同4-147250号、同4-149437号、同4-
184331号、同4-190225号、同4-191729号、同4-195035
号、英国特許255846号、同861984号。尚H.E.Spencer等
著JournalofPhotographic Science誌、31巻、158〜169
頁(1983)等の科学文献にも開示されている。
【0079】セレン増感剤の使用量は使用するセレン化
合物、ハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等により変わる
が、一般にハロゲン化銀1モル当たり10-8モル〜10-4
ル程度を用いる。また、添加方法は、使用するセレン化
合物の性質に応じて、水またはメタノール、エタノー
ル、酢酸エチルなどの有機溶媒の単独または混合溶媒に
溶解して添加する方法でも、或いは、ゼラチン溶液と予
め混合して添加する方法でも、特開平4-140739号に開示
されている方法、即ち、有機溶媒可溶性の重合体との混
合溶液の乳化分散物の形態で添加する方法でも良い。
【0080】セレン増感剤を用いる化学熟成の温度は、
40〜90℃の範囲が好ましい。より好ましくは45℃以上80
℃以下である。またpHは4〜9、pAgは6〜9.5の範囲
が好ましい。
【0081】本発明の化学増感において用いられるテル
ル増感剤及び増感法に関しては、米国特許第1,623,499
号、同3,320,069号、同3,772,031号、同3,531,289号、
同3,655,394号、英国特許第235,211号、同1,121,496
号、同1,295,462号、同1,396,696号、カナダ特許第800,
958号、特開平4-204640号、同4-333043号等に開示され
ている。有用なテルル増感剤の例としては、テルロ尿素
類(例えば、N,N-ジメチルテルロ尿素、テトラメチルテ
ルロ尿素、N-カルボキシエチル-N,N′-ジメチルテルロ
尿素、N,N′-ジメチル-N′フェニルテルロ尿素)、ホス
フィンテルリド類(例えば、トリブチルホスフィンテル
リド、トリシクロヘキシルホスフィンテルリド、トリイ
ソプロピルホスフィンテルリド、ブチル-ジイソプロピ
ルホスフィンテルリド、ジブチルフェニルホスフィンテ
ルリド)、テルロアミド類(例えば、テルロアセトアミ
ド、N,N-ジメチルテルロベンズアミド)、テルロケトン
類、テルロエステル類、イソテルロシアナート類などが
挙げられる。テルル増感剤の使用技術は、セレン増感剤
の使用技術に準じる。
【0082】本発明に於いては、還元増感を併用するこ
とも好ましい。該還元増感は、ハロゲン化銀粒子の成長
途中に施すのが好ましい。成長途中に施す方法として
は、ハロゲン化銀粒子が成長しつつある状態で還元増感
を施す方法だけでなく、ハロゲン化銀粒子の成長を中断
した状態で還元増感を施し、その後に還元増感されたハ
ロゲン化銀粒子を成長せしめる方法をも含む。
【0083】本発明に使用される金増感剤としては、塩
化金酸、チオ硫酸金、チオシアン酸金等の他に、チオ尿
素類、ローダニン類、その他各種化合物の金錯体を挙げ
ることができる。
【0084】硫黄増感剤、セレン増感剤、テルル増感
剤、還元増感剤及び金増感剤の使用量は、ハロゲン化銀
乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条件などによ
って一様ではないが、通常は、ハロゲン化銀1モル当た
り、1×10-4モル〜1×10-9モルであることが好まし
い。更に好ましくは1×10-5モル〜1×10-8モルであ
る。
【0085】本発明において硫黄増感剤、セレン増感
剤、テルル増感剤、還元増感剤及び金増感剤の添加方法
は、水或いはアルコール類、その他無機或いは有機溶媒
に溶解し、溶液の形態で添加しても良く、水に不溶性の
溶媒或いはゼラチンのような媒体を利用して、乳化分散
させて得られる分散物の形態で添加しても良い。
【0086】本発明に用いる増感色素は、ハロゲン化銀
粒子形成時ならびに形成後塗布までの任意の時期に添加
してよいが、脱塩工程終了前が好ましい。添加するとき
の反応液(通常反応釜中)のpHは、4〜10の範囲内で
あることが好ましい。更に好ましくはpH6〜9の範囲
内がよい。反応液(反応釜)中のpAgは5〜11であるこ
とが好ましい。
【0087】本発明において用いる増感色素は任意であ
る。例えばシアニン色素を好ましく用いることができ
る。その場合、特開平1-100533号に記載された一般式
(I)〜(III)で表されるS−1〜S−124の化合物を
好ましく使用できる。なお、上記増感色素を添加する場
合は、2種以上を併用してもよい。この場合には2種以
上の増感色素を混合して同時に添加してもよいし、また
異なる時期に別々に添加してもよい。また、添加量は、
銀1モル当たり1mg〜1000mg、好ましくは5mg〜500mg
がよい。更に、これらの増感色素を添加する前にヨウ化
カリウムを添加しておいてその後に添加することが好ま
しい。
【0088】本発明に用いる増感色素は、直接乳剤中へ
分散することができる。また、これらは適当な溶媒、例
えばメチルアルコール、エチルアルコール、メチルセロ
ソルブ、アセトン、水、ピリジン、あるいはこれらの混
合溶媒に溶解し、溶液の形で添加することもできる。ま
た、溶解に超音波を使用することもできる。また、水不
溶性増感色素を水に溶解することなしに高速インペラー
分散により微粒子分散液として添加してもよい。
【0089】増感色素を実質的に有機溶媒及び界面活性
剤を含まない状態で水中に分散させるためには、種々の
分散法が有効に用いられる。具体的には、高速撹拌機、
ボールミル、サンドミル、コロイドミル、アトライタ
ー、超音波分散機などが用いられる。本発明においては
高速分散機が好ましい。
【0090】高速撹拌型分散機は、垂直軸に複数個のイ
ンペラーを装着したディソルバー、あるいは複数の垂直
軸を設けた多軸ディソルバーを有したものであってもよ
い。又、ディソルバー単独のものの他、アンカー翼を有
した高速撹拌型分散機はより好ましいものである。具体
的な作業例としては、温度調節が可能なタンクに水を入
れた後、分光増感色素の粉体を一定量入れ、高速撹拌機
にて、温度制御のもとで一定時間撹拌し、粉砕、分散す
る。又、分光増感色素を機械的に分散する時のpHや温
度は特に問わないが、低温下では長時間分散を行っても
所望の粒径に達せず、高温下では再凝集あるいは分解な
どが生じて、所望の写真性能を得る事ができないという
問題点や、温度を上げると溶液系の粘度が低下するた
め、固体の粉砕及び分散効率を大きく低下させる等の問
題がある。よって、分散温度は15〜50℃であることが好
ましい。更に分散時の撹拌回転数は、低回転数では所望
の粒径を得るのに長時間を要し、又、余りに高速回転数
では気泡を巻き込み分散効率を低下させてしまうので、
1000〜6000rpmで分散するのが好ましい。
【0091】本発明でいう分散物とは、分光増感色素の
懸濁液の事をいい、好ましくは懸濁液中の増感色素の重
量比率が0.2〜5.0%のものが用いられる。
【0092】本発明によって調製された増感色素の分散
物は、ハロゲン化銀乳剤に直接添加してもよいし、適当
に希釈して添加してもよいが、この時の希釈液には水を
用いる。
【0093】本発明においては、マット剤として米国特
許第2,992,101号、同第2,701,245号、同第4,142,894
号、同第4,396,706号に記載のようなポリメチルメタク
リレートのホモポリマーまたはメチルメタクリレートと
メタクリル酸とのポリマー、デンプンなどの有機化合
物、シリカ、二酸化チタン、硫酸ストロンチウム、硫酸
バリウム等の無機化合物の微粒子を用いることができ
る。粒子サイズとしては、0.6〜10μm、特に1〜5μm
であることが好ましい。
【0094】本発明の感光材料には、トリメチロールプ
ロパン、ペンタンジオール、ブタンジオール、エチレン
グリコール、グリセリン等のポリオール類を可塑剤とし
て添加することができる。
【0095】本発明のハロゲン化銀写真感光材料にはク
ロスオーバーを減少せしめたり、ハレーションを防止す
る目的で染料を微結晶状態で分散して含有せしめること
が好ましい。本発明における微結晶分散体とは、染料自
体の溶解度が不足であるため、目的とする着色層中で分
子状態で存在する事が出来ず、実質的に層中の拡散が不
可能なサイズの固体としての存在状態を意味する。調製
方法については、国際出願公開(WO)88/04794号、ヨーロ
ッパ特許(EP)0276566A1号、特開昭63-197943号等に記載
されているが、本発明はこれらの調製方法に限定される
ものではない。かかる染料の微結晶状態での分散方法に
関しては、特開昭56-12639号、同55-155350号、同55-15
5351号、同52-92716号、同63-197943号、同63-27838
号、同64-40827号、ヨーロッパ特許0015601B1号、同027
6566A1号、国際出願公開88/04794号等の記載を参考にす
ることができる。染料としては、例えばpH9以上のア
ルカリには可溶で、pH7以下では難溶な構造を有する
染料であれば特に制限はないが、特願平2-118042号、同
2-145833号、同2-293046号、同2-303170号、同3-121749
号、同3-189594号、および同5-119113号明細書に記載さ
れた染料を好ましく用いることができる。この中でも、
現像処理時の脱色性がよい点で特願平5-119113号記載の
一般式(I)の化合物が特に好ましい。
【0096】本発明に用いる硬膜剤としては、通常ゼラ
チンを硬化することの出来る硬化剤、例えば、アルデヒ
ド系、トリアジン系、ビニルスルホン系や特開昭63-612
43号記載のカルボキシ活性型硬化剤などを使用すること
ができるが、本発明においては、硬膜反応が速く、塗布
故障が発生せず、かつ現像処理液の臭気の問題がないと
いう事から、特願平6-116824号第6〜12頁記載の一般式
〔1〕で示されるピロジニノカルボニルピリジウム基を
有する化合物の少なくとも1種を硬膜剤として用いる事
が好ましい。
【0097】本発明における動摩擦係数(μk)とは、J
IS K7125に記載の摩擦係数試験方法と同様の原理で求め
る事が出来る。25℃、60%RHの条件下で1時間以上放置
した後、サファイア針(例 直径0.5〜5mm)に一定の
荷重(接触力:Fp例 50〜200g)を加え、ハロゲン化
銀感光材料の表面を一定のスピード(例20〜100cm/mi
n)で滑らせ、そのときの動摩擦力(Fk)を測定し、下
記、式で求める。
【0098】動摩擦係数μk=FK/FP Fk:動摩擦力(g)、 Fp:接触力(g) 本発明における動摩擦係数(μk)は、例えば新東化学
(株)製表面性測定機(HEIDON-14型)で測定することがで
きる。
【0099】本発明において、最外層の動摩擦係数を0.
35以下とするためには、いわゆる滑り剤を用いることが
好ましい。本発明に用いられる滑り剤の代表的なものと
しては、例えば米国特許第3,042,522号、英国特許第95
5,061号、米国特許第3,080,317号、同4,044,927号、同
4,047,958号、同3,489,567号、英国特許第1,143,118号
等に記載のシリコーン系滑り剤、米国特許第2,454,043
号、同2,732,305号、同2,976,148号、同3,206,311号、
独国特許第1,284,295号、同1,284,294号等に記載の高級
脂肪酸系、アルコール系、酸アミド系滑り剤、英国特許
第1,263,722号、米国特許第3,933,516号等に記載の金属
石鹸、米国特許第2,588,765号、同3,121,060号、英国特
許第1,198,387号等に記載のエステル系、エーテル系滑
り剤、米国特許第3,502,473号、同3,042,222号に記載の
タウリン系滑り剤、前記コロイド状シリカ等がある。
【0100】本発明に用いられる滑り剤としては、特開
平4-214551号記載の一般式(IV)で示される側鎖にポリ
オキシアルキレン鎖を有するアルキルポリシロキサン、
および一般式(V)で示されるアルキルポリシロキサン
が特に好ましく用いられる。
【0101】本発明における滑り剤の添加量としては、
最外層のバインダー量対して、重量比で0.01〜1.0で、
好ましくは0.05〜0.5である。特に、0.01〜0.1g/m2
あることが好ましい。
【0102】本発明の感光材料は全処理時間が15〜60秒
である自動現像機による迅速現像処理にすぐれた性能を
示す。本発明の迅速処理において現像、定着等の温度及
び時間は約25℃〜50℃で各々25秒以下であるが、好まし
くは30℃〜40℃で4秒〜15秒である。本発明においては
感光材料は現像、定着された後水洗される。ここで、水
洗工程は、2〜3段の向流水洗方式を用いることによっ
て、節水処理することができる。また少量の水洗水で水
洗するときにはスクイズローラー洗浄槽を設けることが
好ましい。本発明では現像、定着、水洗された写真要素
はスクイズローラーを経て乾燥される。乾燥は40℃〜80
℃で4秒〜30秒で行われる。本発明における全処理時間
とは自動現像機の挿入口にフイルムの先端を挿入してか
ら、現像槽、渡り部分、定着槽、渡り部分、水洗槽、渡
り部分、乾燥部分を通過して、フイルムの先端が乾燥出
口からでてくるまでの全時間である。本発明の感光材料
は圧力特性を損なうことなく、乳剤層及び保護層のバイ
ンダーとして用いられるゼラチンを減量することができ
るため、全処理時間が15〜60秒の迅速処理においても現
像速度、定着速度、乾燥速度を損なうことなく、現像処
理をすることができる。
【0103】
【実施例】以下実施例によって本発明を具体的に説明す
る。なお、当然のことではあるが、本発明は以下述べる
実施例に限定されるものではない。
【0104】実施例1 (ラテックスL−H)水60リットルにゼラチンを1.0k
g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.01kgおよ
び過硫酸アンモニウム0.05kgを加えた液に、液温を60℃
で撹拌しつつ、窒素雰囲気下で下記に示すモノマー
(ア)〜(ウ)の混合液及び2-アクリルアミド-2-メチ
ルプロパンスルホン酸のナトリウム塩0.8kg1時間かけ
て添加し、その後1.5時間撹拌後、更に1時間水蒸気蒸
留して残留モノマーを除去したのち、室温まで冷却して
から、アンモニアを用いてpHを6.0に調整した。得られ
たラテックス液は水で75.0kgに仕上げた。以上のように
して平均粒径0.1μmの単分散ラテックスを得た。
【0105】 (ア)スチレン 3.0kg (イ)メチルメタクリレート 2.0kg (ウ)エチルアクリレート 4.2kg (乳剤1) A液 水 1000ml プロピレンオキサイド-エチレンオキサイドの共重合体 0.15g NaCl 20g ゼラチン 2g 硝酸(3.7N) 8ml B液 水 440ml プロピレンオキサイド-エチレンオキサイドの共重合体 0.10g NaCl 41.0g ゼラチン 10.8g KBr 35.7g K3IrCl6 0.2mg K3RhCl6 0.01mg 490mlに仕上げる C液 水 443ml 硝酸(3.7N) 8.2ml AgNO3 170g 490mlに仕上げる。
【0106】38℃に保温された上記A液中にpH3.5,pA
g8.0に保ちながら、上記B液及びC液のそれぞれ1/10量
を同時に11.0ml/minの一定速度で添加し、その2分後
に残りのB液及びC液を関数的に90分間にわたって添加
し、更に10分間撹拌し続けた後、CaCO3水溶液でpHを5.
8に調製し、MgSO4及びポリナフタレンスルホン酸を用
い、通常の脱塩を行い、臭化銀30モル%、塩化銀70モル
%、平均粒径0.36μmの塩臭化銀粒子を得た。
【0107】(乳剤2)乳剤1と同様にし、B液のNaCl
とKBrの比率を変え、臭化銀55モル%、塩化銀45モル%
の塩臭化銀粒子を得た。
【0108】(塗布試料の作成)得られた乳剤に銀1モ
ル当たりクエン酸0.12g、KBr 0.25gを加え、pH5.5、
pAg7に調製した後た後、塩化金酸8.5mgと無機硫黄1.2m
gを加え60℃で最高感度になるように化学熟成を行っ
た。その後、1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 35
mg、4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザインデ
ンを2g添加し、温度を50℃に下げた後、増感色素D−
4を230mg、D−5を350mg添加し分光増感を行った。こ
こで、増感色素D−4及びD−5を次の添加方法で添加
した。
【0109】添加方法:D−4、D−5を濃度2%とな
るように水に添加し、高速撹拌機 Excel Auto Homogeni
zer[日本精機(株)製]で2000rpmで40分撹拌し、分散
液を調製し添加した。
【0110】さらにハロゲン化銀1モル当たり以下の量
の添加剤を加えて乳剤塗布液とした。
【0111】 化合物 1.4g 0.5N NaOH 2.8ml ハイドロキノン 2.0g 化合物A−4 1.2g ラテックス(表1に示す) 500mg/m2になるように添加 さらに乳剤保護層液以下のように準備した。
【0112】 ゼラチン 60g 不定形シリカ 11.3g ビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸エステル 1.0g フェニドン 0.4g 化合物A−4 0.45g また上記乳剤を塗布する前に以下のように調製したバッ
キング層及びその保護層を塗布した。
【0113】 バッキング層液 ゼラチン 50g 化合物 0.72g 化合物 2.90g ドデシリベンゼンスルホン酸ナトリウム 5.3g クエン酸 0.50g 化合物A−4 0.67g バッキング保護層 ゼラチン 42g ビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸エチル 0.58g 塩化ナトリウム 0.2g ポリシロキサン 2.5g 化合物A−4 0.50g さらに表1に示したように本発明のマット剤としてポリ
メチルメタクリレートを添加した。これらの液を両面下
引きしたポリエチレンテレフタレートベースにバッキン
グ層のゼラチン量1.6g/m2、バッキング保護層のゼラチ
ン量0.7g/m2、硬膜剤としてH−1 92mg/m2、H−2
110mg/m2、H−3 110mg/m2、を加え、同時塗布した。
【0114】その後、上記バッキング層の反対側に銀量
3.6g/m2、ゼラチン量1.5g/m2、乳剤保護層のゼラチン量
0.6g/m2になるように乳剤層及び乳剤保護層を塗布し
た。また硬膜剤として、H−1 140mg/m2添加した。
【0115】
【化11】
【0116】
【化12】
【0117】 現像液処方 亜硫酸ナトリウム 55g 炭酸カリウム 40g ハイドロキノン 24g 4-メチル-4-ヒドロキシメチル-1-フェニル-3-ピラゾリドン 0.9g 臭化カリウム 5g 5-メチル-ベンゾトリアゾール 0.13g 硼酸 2.2g ジエチレングリコール 40g 化合物P−1 6
0g
【0118】
【化13】
【0119】水と水酸化カリウムを加えて1リットル/
pH10.4にする。
【0120】 定着液処方 (組成A) チオ硫酸アンモニウム(72.5w/v%水溶液) 240ml 亜硫酸ナトリウム 17g 酢酸ナトリウム・3水塩 6.5g 硼酸 6.0g クエン酢酸ナトリウム・2水塩 2.0g (組成B) 純水 17ml 硫酸(50w/v%水溶液) 4.7g 硫酸アルミニウム(Al2O3換算含有量が8.1w/v%の水溶液) 21g 定着液の使用時に水500ml中にじ組成(A)、(B)の
順に溶解し、酢酸を加えて1リットル/pH4.8にする。
【0121】 各工程の時間は次工程までの渡り搬送時間を含み、ライ
ンスピードはそれぞれ2600mm/min、2700mm/minとした。
【0122】(感度)得られた試料を光学ウェッジを通
して680nmの干渉フィルターを透過した光を10-6秒間で
露光し、自動現像機はコニカ(株)製GR-26SRのラインス
ピードとラック長を調整し、上記A,Bの時間で処理を
行った。又、現像液及び定着液の補充量は300ml/m2
び400ml/m2とした。処理後、試料をPDA-65濃度計(コ
ニカ(株)製)で測定した。感度は濃度3.5を得るのに必
要な露光量の逆数で、試料No.1-1を100とした相対感度
で表した。
【0123】(白ピン故障)感度の評価で用いた現像処
理済試料の最高濃度部分を目視で評価した。
【0124】(スリキズ)得られた試料を30℃80%Rhの
条件で2時間調湿した後、試料を2枚重ね、その上に1
kgの重りを乗せ、上の試料をゆっくり引っ張る。その
後、上記の現像処理を行い、その黒化の程度を目視で評
価した。
【0125】(マット度)得られた試料を23℃、50%RH
で2時間調湿後、バッキング面に減圧できる金属製の筒
を置き、ポンプを用い強制的に減圧を行い、その時平衡
状態となる真空度を測定した。表面の粗さが大きい程、
空気圧に近い値となる。
【0126】(搬送不良率)得られた試料をファクシミ
リプロッターMARK-III(松下電送製)で30℃、80%RHで
10000枚搬送テストし、不良率を求めた。
【0127】結果を表1に示す。
【0128】
【表1】
【0129】
【化14】
【0130】以上のように、本発明の試料は迅速処理し
ても、感度が高く、擦り傷、白ピン故障が改善されてい
る事がわかる。
【0131】実施例2 (乳剤3)実施例1の乳剤1の調製において、B液のK3
IrCl6を280mg、K3RhCl6を78mgにした以外、同様にA、
B、C液を調製した。これらの液を実施例1と同様に混
合脱塩した。但し、初期の添加速度を15.7ml/minとす
ることで、臭化銀35モル%、塩化銀65モル%、平均粒径
0.25μmの塩臭化銀粒子を得た。
【0132】(乳剤4)乳剤3と同様にし、B液のNaCl
とKBrの比率を変え、臭化銀65モル%、塩化銀35モル%
の塩臭化銀粒子を得た。
【0133】(塗布試料の作成)得られた乳剤にクエン
酸0.12g、NaCl 0.6gを加え、pH5.5、pAg7に調整し
た後、塩化金酸14.2mg、チオ硫酸ナトリウム8.5mgを加
え60℃で最高感度になるように化学熟成を行い、1-フェ
ニル-5-メルカプトテトラゾール 14mg、4-ヒドロキシ-6
-メチル-1,3,3a,7-テトラザインデンを1.5g添加した。
【0134】次に、増感色素D−6、D−7をそれぞれ
14mg添加し分光増感を行った。
【0135】添加方法は、D−6、D−7を濃度2%と
なるように水に添加し、高速撹拌機で2000rpmで40分撹
拌し、分散液を調製し添加した。更にハロゲン化銀1モ
ル当たり以下の量を添加剤を添加した。
【0136】 化合物 1.4g フェニドン 0.28g ハイドロキノン 4.00g 化合物 60mg KBr 1.8g クエン酸 0.10g A−4 2.4g スチレン−マレイン酸共重合体 2.4g また、ポリマーラテックスを表2に示したように500mg
/m2添加した。
【0137】さらに、乳剤層の上層とする非感光性コロ
イド層を以下の様に準備した。
【0138】 ゼラチン 170g 不定型シリカ(平均粒径2.8μm) 34.0g ビス-(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸エステル 5.0g また、上記乳剤層を塗布する前に、バッキング層、及び
その保護層を塗布した。
【0139】その調製は以下のようにして用意した。
【0140】 バッキング層 ゼラチン 48.8g 化合物 0.35g 化合物 1.26g ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 1.53g クエン酸 0.40g ポリスチレンスルフォン酸 0.67g バッキング保護層 ゼラチン 60g ビス-(2エチルヘキシル)スルホコハク酸エステル 0.72g NaCl 1.0g ポリシロキサン 2.5g ポリメチルメタクリレート 表2に示す
【0141】
【化15】
【0142】これらの液を両面下引きしたPETベース
にバッキング層のゼラチン量1.6g/m2、バッキング保
護層のゼラチン量0.7g/m2、硬膜剤としてグリオキザ
ールを加え、同時塗布した。その後、銀量3.6g/m2
乳剤層のゼラチン量が1.2g/m2、保護層のゼラチン量
0.8g/m2となるように塗布した。また硬膜剤として、
ゼラチン1g当たりトリアジン、ホルマリンをそれぞれ
14mg添加した。
【0143】このようにして得られた試料について実施
例1と同様な評価を行い、結果を表2に示した。ただ
し、感度の測定は、以下の様にした。
【0144】(感度)得られた試料を光学ウェッジを通
して780nmの干渉フィルターを透過した光を10-6秒間で
露光し、これを実施例1と同様に処理した。感度は濃度
4.0を得るのに必要な露光量の逆数で、試料No2-1を100
とした相対感度で表した。
【0145】(搬送不良率)実施例1のMARK−III
に代えてファクシミリプロッターFT−210(NEC
(株)製)を用い実施例1と同様にテストした。
【0146】
【表2】
【0147】以上のように、本発明の試料は迅速処理し
ても、感度が高く、擦り傷、白ピン故障が改善されてい
る事がわかる。
【0148】
【発明の効果】本発明により、迅速処理性と耐傷性に優
れたハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法を提供
する事ができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 5/08 G03C 5/08 5/26 5/26

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の一方の側に、少なくとも1層
    の感光性ハロゲン化銀乳剤層と、他層側に少なくとも1
    層のバッキング層を有するハロゲン化銀写真感光材料を
    書き込みドラムの外面に巻き付け、該ドラムを500r
    pm以上回転させ書き込みを行う方式において、該ハロ
    ゲン化銀乳剤層に塩化銀含有率が50モル%以上の感光
    性ハロゲン化銀を含有し、該感光性ハロゲン化銀乳剤を
    有する側の親水性コロイド層の少なくとも1層にゼラチ
    ンで安定化されたポリマーラテックスを含有し、かつ該
    バッキング層のマット度が100〜400mmHgであ
    ることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 支持体上の一方の側に、少なくとも1層
    の感光性ハロゲン化銀乳剤層と、他層側に少なくとも1
    層のバッキング層を有するハロゲン化銀写真感光材料を
    書き込みドラムの内部に巻き付け、光源の光を高速に回
    転させ、書き込みを行う方式において、該ハロゲン化銀
    乳剤層に塩化銀含有率が50モル%以上の感光性ハロゲ
    ン化銀を含有し、該感光性ハロゲン化銀乳剤を有する側
    の親水性コロイド層の少なくとも1層にゼラチンで安定
    化されたポリマーラテックスを含有し、かつ該バッキン
    グ層のマット度が640〜720mmHgであることを
    特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 スルホン酸基又はりん酸基を有する水溶
    性ポリマーを含有することを特徴とする請求項1又は2
    記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載のハロゲン化銀写真感
    光材料を全処理時間(Dry to Dry)50秒以
    下、かつラインスピードが2500mm/min以上で
    処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の
    処理方法。
  5. 【請求項5】 支持体上の一方の側に、少なくとも1層
    の感光性ハロゲン化銀乳剤層と、他層側に少なくとも1
    層のバッキング層を有するハロゲン化銀写真感光材料を
    書き込みドラムの外面に巻き付け、該ドラムを500r
    pm以上回転させ書き込みを行う方式において、該ハロ
    ゲン化銀乳剤層に塩化銀含有率が50モル%以上の感光
    性ハロゲン化銀を含有し、該感光性ハロゲン化銀乳剤を
    有する側の親水性コロイド層の少なくとも1層にグリシ
    ジルメタクリレート又はグリシジルアクリレート単位を
    有するラテックスであり、かつ該バッキング層のマット
    度が100〜400mmHgであることを特徴とするハ
    ロゲン化銀写真感光材料。
  6. 【請求項6】 支持体上の一方の側に、少なくとも1層
    の感光性ハロゲン化銀乳剤層と、他層側に少なくとも1
    層のバッキング層を有するハロゲン化銀写真感光材料を
    書き込みドラムの内部に巻き付け、光源の光を高速に回
    転させ、書き込みを行う方式において、該ハロゲン化銀
    乳剤層に塩化銀含有率が50モル%以上の感光性ハロゲ
    ン化銀を含有し、該感光性ハロゲン化銀乳剤を有する側
    の親水性コロイド層の少なくとも1層にポリマーラテッ
    クスがエポキシ基の開環率が35モル%以上であるグリ
    シジルメタクリレート又はグリシジルアクリレート単位
    を有するラテックスであり、かつ該バッキング層のマッ
    ト度が640〜720mmHgであることを特徴とする
    ハロゲン化銀写真感光材料。
  7. 【請求項7】 スルホン酸基又はりん酸基を有する水溶
    性ポリマーを含有することを特徴とする請求項5又は6
    記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7記載のハロゲン化銀写真感
    光材料を全処理時間(Dry to Dry)50秒以
    下、かつラインスピードが2500mm/min以上で
    処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の
    処理方法。
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