JP2794010B2 - 新規な写真用シアンカプラー - Google Patents
新規な写真用シアンカプラーInfo
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- G03C—PHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
- G03C7/00—Multicolour photographic processes or agents therefor; Regeneration of such processing agents; Photosensitive materials for multicolour processes
- G03C7/30—Colour processes using colour-coupling substances; Materials therefor; Preparing or processing such materials
- G03C7/32—Colour coupling substances
- G03C7/36—Couplers containing compounds with active methylene groups
- G03C7/38—Couplers containing compounds with active methylene groups in rings
- G03C7/381—Heterocyclic compounds
- G03C7/382—Heterocyclic compounds with two heterocyclic rings
- G03C7/3825—Heterocyclic compounds with two heterocyclic rings the nuclei containing only nitrogen as hetero atoms
- G03C7/3835—Heterocyclic compounds with two heterocyclic rings the nuclei containing only nitrogen as hetero atoms four nitrogen atoms
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Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、カラー写真感光材料に用いられる新規なピ
ラゾロアゾール系シアンカプラーに関し、特に鮮明なか
つ耐久性に優れたシアン画像が得られるピラゾロアゾー
ル系シアンカプラーに関するものである。 [発明の背景] ハロゲン化銀写真感光材料に露光を与えた後、発色現
像処理することにより、酸化された芳香族第一級アミン
発色現像主薬と色素形成カプラーとが反応して色素が生
成し色画像が形成される。 一般に、この写真方法においては減色法による色再現
法が使われ、イエロー、マゼンタおよびシアンの色画像
が形成される。 シアン色画像形成カプラーとして、これまでフェノー
ル類あるいはナフトール類が多く用いられている。 ところが、従来用いられているフェノール類およびナ
フトール類から得られるシアン画像には色再現上大きな
問題がある。それは、吸収の短波側のキレが悪く、緑領
域にも不要な吸収すなわち不整吸収をもつことである。
これにより、ネガにおいてはマスキング等による不整吸
収の補正を行なわざるを得ず、またペーパーの場合は補
正の手段がなく、色再現性をかなり悪化させているのが
現状である。 また、従来用いられているフェノール類およびナフト
ール類から得られる色素画像は、その保存性においても
幾つかの問題点が残されていた。例えば米国特許第2,36
7,531号および第2,423,730号明細書に記載の2−アシル
アミノフェノールシアンカプラーより得られる色素画像
は、一般に熱堅牢性が劣り、米国特許第2,369,929号お
よび第2,772,162号明細書に記載の2,5−ジアシルアミノ
フェノールシアンカプラーより得られる色素画像は一般
に光堅牢性が劣り、1−ヒドロキシ−2−ナフタミドシ
アンカプラーから得られる色素画像は、一般に光および
熱堅牢性の両面で不十分である。 また、米国特許第4,122,369号および特開昭57−15553
8号、特開昭57−157246号などの明細書に記載されてい
る2,5−ジアシルアミノフェノールシアンカプラーや米
国特許第3,880,661号明細書に記載されているバラスト
部分にヒドロキシ基を有する2,5−ジアシルアミノフェ
ノールシアンカプラーもその色素画像を長期保存するに
は、光・熱に対する堅牢性や、イエローステインの発生
の点で、未だ十分満足できるレベルは得られていない。 そこで、本発明者等は、色再現並びに熱や湿度に対し
て耐久性のあるシアンカプラーを探究した結果、ピラゾ
ロアゾール系化合物がその両者を満足するものであるこ
とを発見し、この知見に基づいて本発明はなされたもの
である。 [発明の目的] したがって、本発明の第一の目的は、カラー写真感光
材料に用いられる新規なシアンカプラーを提供すること
にある。 本発明の第二の目的は、吸収のキレがシャープで緑領
域に吸収が少ない分光吸収特性に優れた鮮明なシアン画
像を与えるシアンカプラーを提供することにある。 本発明の第三の目的は、熱、湿度に対して色相の変化
を起こさないシアン画像を形成しうるシアンカプラーを
提供することにある。 [発明の構成] 本発明の前記目的は、一般式[I]で表わされる写真
用シアンカプラーによって達成された。 一般式[I] [式中、R1は電子吸引性基を表わし、R2の少なくとも1
つが電子吸引性基を表わす。Zは含窒素複素環を形成す
るのに必要な非金属原子群を表わす。 Xは水素原子または発色現像主薬の酸化体との反応に
より離脱しうる置換基を表わす。 nは1または2を表わし、n=1のときR2は電子吸引
性基を表わし、n=2のときR2は同じであっても、異な
っていてもよい電子吸引性基または置換基を表わし、こ
のうち少なくとも1つは電子吸引性基である。] 以下、本発明を具体的に説明する。 本発明に係る一般式[I]で示されるカプラーは、ピ
ラゾロアゾール核が電子吸引基を有することに特徴があ
り、このR1および少なくとも一つのR2が表わす電子吸引
基としては、好ましくは、Hammettによって定義された
置換基定数δpが、+0.20以上の置換基であり、具体的
には、スルホニル、スルホニルオキシ、スルフィニル、
スルファモイル、ホスホリル、ハロゲン、ハロゲン化ア
ルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ニトロ、ピ
ロリル、テトラゾリル、シアノ、カルバモイル、アシ
ル、アシルオキシ、カルボキシル、オキシカルボニル等
の各基が挙げられる。 スルホニル基としては、アルキルスルホニル、アリー
ルスルホニル、また、ハロゲン化アルキルスルホニル、
ハロゲン化アリールスルホニル等の基が挙げられる。 スルホニルオキシ基としては、アルキルスルホニルオ
キシ、アリールスルホニルオキシ等の基が挙げられる。 スルフィニル基としては、アルキルスルフィニル、ア
リールスルフィニル等の基が挙げられる。 スルファモイル基としては、N,N−ジアルキルスルフ
ァモイル、N,N−ジアリ−ルスルファモイル、N−アル
キル−N−アリ−ルスルファモイル等の基が挙げられ
る。 ホスホリル基としては、アルコキシホスホリル、フェ
ノキシホスホリル、アルキルホスホリル、アリールホス
ホリル等の基が挙げられる。 ホロゲン原子としては、臭素、塩素等の原子が挙げら
れる。 ハロゲン化アルコキシ基としては、1−ハロゲン化ア
ルコキシ基が好ましい。 ハロゲン化アリールオキシ基としては、テトラまたは
ペンタフルオロアリールオキシ等が好ましい。 ピロール基としては、1−ピロール等の基が挙げられ
る。 テトラゾリル基としては、1−テトラゾリル等の基が
挙げられる。 カルバモイル基としてはN,N−ジアルキルカルバモイ
ル、N,N−ジアリールカルバモイル、N−アルキル−N
−アリ−ルカルバモイル等の基が挙げられる。 アシル基としては、アルキルカルボニル、アリールカ
ルボニル等の基が挙げられる。 アシルオキシ基としては、アルキルカルボニルオキシ
等が好ましい。 オキシカルボニル基としてはアルコキシカルボニル、
アリールオキシカルボニル等の基が挙げられる。 上記基の他にハロゲン化アルキル基として1−ハロゲ
ン化アルキル基が好ましい。 ハロゲン化アリール基として、テトラまたはペンタフ
ルオロアリール基が好ましい。 また、アリールスルホメチル基やアルキルスルホメチ
ル基のようにスルホニル基の電子吸引性が有効に働く基
でもよい。 また、フッ素化アルキルカルボニルアミドのようなハ
ロゲン化アシルアミノ基等でもよい。 上記の基は耐拡散性基や更に電子吸引基などの置換基
を有していてもよい。 一般式[I]において、n=2の際、R1またはR2が電
子吸引性基以外の置換基である場合、該置換基は好まし
くは、Hammettによって定義された置換基定数δpが、
+0.20未満の置換基であれば、いかなるものでもよい。 代表的には、アルキル、アリール、アニリノ、スルホ
ンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニル、
シクロアルキル等の各基が挙げられるが、この他にシク
ロアルケニル、アルキニル、複素環、アルコキシ、アリ
ールオキシ、複素環オキシ、シロキシ、カルバモイルオ
キシ、アミノ、アルキルアミノ、イミド、ウレイド、ス
ルファモイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、ア
リールオキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニ
ル、アリールオキシカルボニル、複素環チオの各基、な
らびにスピロ化合物残基、有橋炭化水素化合物残基等も
挙げられる。 電子吸引性基以外のR1またはR2で表わされるアルキル
基としては、炭素数1〜32のものが好ましく、直鎖でも
分岐でもよい。アリール基としては、フェニル基が好ま
しい。 スルホンアミド基としては、アルキルスルホニルアミ
ノ基、アリールスルホニルアミノ基等が挙げられる。 アルキルチオ基、アリールチオ基におけるアルキル成
分、アリール成分は上記アルキル基、アリール基が挙げ
られる。 アルケニル基としては、炭素数2〜32のもの、シクロ
アルキル基としては炭素数3〜12、特に5〜7のものが
好ましく、アルケニル基は直鎖でも分岐でもよい。 シクロアルケニル基としては、炭素数3〜12、特に5
〜7のものが好ましい。 カルバモイルオキシ基としてはアルキルカルバモイル
オキシ基、アリールカルバモイルオキシ基等: ウレイド基としてはアルキルウレイド基、アリールウ
レイド基等: スルファモイルアミノ基としてはアルキルスルファモ
イルアミノ基、アリールスルファモイルアミノ基等: 複素環基としては5〜7員のものが好ましく、具体的
には2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル
基、2−ベンゾチアゾリル基等; 複素環オキシ基としては5〜7員の複数環を有するも
のが好ましく、例えば3,4,5,6−テトラヒドロピラニル
−2−オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキ
シ基等; 複素環チオ基としては、5〜7員の複素環チオ基が好
ましく、例えば2−ピリジルチオ基、2−ベンゾチアゾ
リルチオ基、2,4−ジフェノキシ−1,3,5−トリアゾール
−6−チオ基等; シロキシ基としてはトリメチルシロキシ基、トリエチ
ルシロキシ基、ジメチルブチルシロキシ基等; Xの表す発色現像主薬の酸化体との反応により離脱し
うる基としては、例えばハロゲン原子(塩素原子、臭素
原子、弗素原子等)及びアルコキシ、アリールオキシ、
複素環オキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、アル
コキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニル、
アルキルオキザリルオキシ、アルコキシオキザリルオキ
シ、アルキルチオ、アリールチオ、複素環チオ、アルキ
ルオキシチオカルボニルチオ、アシルアミノ、スルホン
アミド、N原子で結合した含窒素複素環、アルキルオキ
シカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミ
ノ、カルボキシル、 (R21′は前記R1と同義であり、Z′は前記Zと同義で
あり、Ra及びRbは水素原子、アリール基、アルキル基又
は複素環基を表す。)等の各基が挙げられるが、好まし
くはハロゲン原子、特に塩素原子である。 またZ又はZ′により形成される含窒素複素環として
は、ピラゾール環、イミダゾール環または、トリアゾー
ル環等が挙げられる。 一般式[I]で示されるものは更に具体的には例えば
下記一般式[II]〜[VI]により示される。 一般式[II]一般式[III] 一般式[IV] 一般式[V] 一般式[VI] 上記一般式[II]〜[VI]において、R1は一般式
[I]のR1と、R3〜R9およびXは前記R2およびXと同義
である。 以下に本発明に係る化合物の代表的具体例を示すが、
これは、その一例であって、本発明はこれに限定される
ものではない。 これら本発明のシアンカプラーはジャーナル・オブ・
ザ・ケミカル・ソサイアティ,パーキンI(J.Chem.So
c.,Perkin I)(1977),2047〜2052,ジャーナル・オブ
・ヘテロサイクリック.ケミストリー(J.Heterocycl.C
hem.,)11.423(1974),ベリヒテ(Ber.)32,797(189
9),ヘミッシェ・ベリヒテ(Chem.Ber.)95.2861,2881
(1962),米国特許第3,705,896号,3,725,067号、特開
昭59−162548号,同59−171956号,同60−43659号,同6
0−172982号,同60−197688号,特公昭61−65247号およ
び特願昭61−120054号等を参考にして容易に合成するこ
とができる。 以下、代表的な合成例を示す。 合成例1 (工程1) O−エチル−S−メチルジエチオマロネート0.012モ
ルおよびS−メチルイソチオカルボヒドラジド・ヨウ化
水素塩0.01モルをアミルアルコール25ml中で、30分間加
熱する。 冷却後、析出物を取し、エーテルで洗浄し、粗結晶
1を得た。 (工程2) 0.008モルの1を15mlの酢酸に溶かし、35%過酸化水
素水5mlをゆっくりと滴下し、60℃にて2時間撹拌し
た。その後水50mlを加え、水酸化ナトリウム水溶液に
て、ゆっくりと中和し、pH6.5になった反応液を酢酸エ
チルで抽出し、溶媒を留去する。得られた析出物をアセ
トニトリルにて洗浄し、白色針状結晶II−1 0.0068モル
を得た。 合成例2 工程1 O−エチル−S−フェニルジエチオマロネート0.012
モルおよびS−(p−ニトロフェニル)イソチオカルボ
ヒドラジド・ヨウ化水素0.01モルをアミルアルコール25
ml中1時間加熱し、冷却後析出物を取し、エーテルで
洗浄し、乾燥させて、2を得た。 工程22をTHF50mlに溶かし、pd/cを用いて水添した。pd/c
を別後、反応液を留去した。析出物を100mlのアセト
ニトリルに溶かし、0.01モルのテトラデカンスルホニル
クロライドを加え、0.012モルのトリエチルアミンを滴
下した。室温で2時間撹拌後、析出した結晶を別し、
さらに酢酸エチルより再結晶し、化合物3を0.0055モル
得た。 工程3 合成例1における工程2と同様にして3を酸化し、白
色針状結晶II−2 0.0039モルを得た。 合成例3 工程1 特願昭61−120054号に記載の方法に従って、4を得
た。 40.02モルを100mlのアセトニトリルに溶かし、0.030
モルの尿素を添加後、2時間撹拌して、析出物を取し
た。これを50ml酢酸、20ml硫酸、1.0ml水混合溶媒中、
1時間加熱環流後、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、
酢酸エチルで抽出して溶媒留去することにより、50.01
28モルを得た。 工程250.0062モルを60mlのアセトニトリルに溶かし、0.00
70モルのテトラデカンカルボニルクロリドを滴下し、少
量のピリジンを添加後、室温にて撹拌した。反応溶液を
水あけし、析出物を取してGを得た。さらに合成例1
の工程2と同様にしてII−3を得た。 反応式 合成例4 合成例3における化合物5を用いた。 50.006 モルを60mlのアセトニトリルに溶かし、0.0
065モルのm−ニトロフェニルスルホニルクロリドを滴
下し、少量のピリジン添加後室温にて撹拌した。反応溶
液を水あけし、析出物を取した。さらにこれを、合成
例2(工程2)と同様に、水添還元後テトラデカンカル
ボニルクロリドと反応させ、更に合成例1,工程2と同様
に酸化することによりII−4 0.0028モルを得た。 合成例5 J.Heterocyc1.Chem.Vo1.11.423(1974)および特願昭
61−120054号等に記載されている方法に従って、6を合
成した。 6 0.01モルとm−ニトロフェニルスルホニルベンゾ
イルクロリド0.015モルを50mlの酢酸エチルに加え、1.0
gのトリエチルアミンを滴下し、2時間撹拌後、析出し
た結晶を取、水洗し、この結晶と、0.01モルのオキシ
塩化リンを30mlトルエン中にて2時間加熱還流した。溶
媒を留去し、10gのピリジンと30mlのアセトニトリルを
加え、さらに2時間加熱還流後、析出物をアセトニトリ
ルで再結晶することにより7 0.0069モルを得た。ひき
つづき合成例2の工程2と同様に反応を行ない目的物II
−6 0.0031モルを得た。 反応式 合成例6 工程1 J.Heterocycl.Chem.Vol.423(1974)等に記載されて
いる方法に従って、下記アミノピラゾールの合成を行
い、8,9,10を得た。 また、特公昭61−65247に記載されている方法に従っ
て、相当するニトリル化合物から、下記11,12を合成し
た。 工程2 8 0.01モルと11 0.011モルとをトルエン20ml中、2
0時間加熱還流後、トルエンを留去し、残渣をエタノー
ル20mlに溶かしてヒドロキシルアミンのメタノール溶液
を0℃で加え、室温にて1時間撹拌した。これを200ml
の水にあけて、析出物を取した。 これを50ccのTHFに溶かし、0.004モルのトリエチルア
ミンを加え、撹拌している中へ、p−トルエンスルホン
酸クロリド0.7gのTHF溶液を加え、さらに撹拌後、不溶
物を別し、液を窒素中、7時間加熱還流した。その
後THFを留去し、残渣を少量のメタノールに溶かして水5
0mlにあけると、13 0.004モルが得られた。 合成例2,工程2と同様にして13 0.004モルを水添還元
後、酸クロライドと反応させ、更に合成例2,工程3と同
様に酸化させることによりIII−1 0.0026 モルを得
た。 合成例7 合成例6,工程1で合成した8と12を用いてIII−2
を、9と11を用いてIII−6を、10と12を用いてIII−7
をそれぞれ合成例6,工程2の方法に従って収率各々29
%,47%,30%で得た。 合成例8 J.Heterocyclic.Chem.10.411(1973)および特開昭59
−162548号に従って、14および15を合成した。 14 0.01モルと15 0.012モルを無水エタノール中、1
0時間加熱還流し、溶媒を除去した後、減圧蒸留するこ
とにより16 0.0072モルを得た。 この16をエタノール300ml、20%硫酸80ml中3時間加
熱還流し、冷却後過剰の固体の炭酸ナトリウムを加え、
過し、溶媒を除去し、得られた残渣をアセトニトリル
にて再結晶してIV−1 0.0051モルを得た。 反応式 合成例9 合成例8と同様にして、17,18を合成した。 合成例8と同様にして、0.05モルの17と、0.06モルの
18との反応により19 0.031モルを得た。 合成例2,工程2と同様にして19を水添還元した後、ビ
リジン存在下、酢酸エチル中で、1.2倍モルの酸クロラ
イドとの反応により得られた粗結晶を、アセトニトリル
で再結晶することによりIV−5 0.025モルを得た。 合成例10 19 0.01モル、メタノール0.03モル、ジクロロエタン
20mlの混合物に硫酸0.05mlを加え、8時間還流する。放
冷後水50mlを加え、酢酸エチルで抽出する。この酢酸エ
チル溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、溶媒留去
後、残査をアセトニトリルで再結晶する。さらに、合成
例2の工程2と同様水添還元後、酸クロリドとの反応に
よって、IV−2 0.0065モルを得た。 本発明のシアンカプラーは、主にカラー感光材料の素
材として使用されることが多く、例えばカラーのネガ及
びポジフィルム、並びにカラー印画紙などである。 このカラー印画紙をはじめとする本発明のシアンカプ
ラーを用いた感光材料は、単色用のものでも多色用のも
のでもよい。多色用感光材料はスペクトルの3原色領域
のそれぞれに感光性を有する色素画像形成構成単位を有
する。各構成単位は、スペクトルのある一定領域に対し
て感光性を有する単層または多層乳剤層から成ることが
できる。画像形成構成単位の層を含めて感光材料の構成
層は、当業で知られているように種々の順序で配列する
ことができる。典型的な多色用感光材料は、少なくとも
1つのシアンカプラーを含有する少なくとも1つの赤感
光性ハロゲン化銀乳剤層からなるシアン色素画像形成構
成単位(シアンカプラーの少なくとも1つは本発明のシ
アンカプラーである。)、少なくとも1つのマゼンタカ
プラーを含有する少なくとも1つの緑感光性ハロゲン化
銀乳剤層からなるマゼンタ色素画像形成構成単位、少な
くとも1つのイエローカプラーを含有する少なくとも1
つの青感光性ハロゲン化銀乳剤層からなるイエロー色素
画像形成構成単位を支持体上に担持させたものからな
る。感光材料は、追加の層たとえばフィルター層、中間
層、保護層、下塗り層等を有することができる。 本発明のシアンカプラーを乳剤に含有せしめるには、
従来公知の方法に従えばよい。例えばトリクレジルホス
フェート、ジブチルフタレート等の沸点が175℃以上の
高沸点有機溶媒または酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル
等の低沸点溶媒のそれぞれ単独にまたは必要に応じてそ
れらの混合液に本発明のシアンカプラーを単独でまたは
併用して溶解した後、界面活性剤を含むゼラチン水溶液
と混合し、次に高速度回転ミキサーまたはコロイドミル
で乳化した後、ハロゲン化銀に添加して本発明に使用す
るハロゲン化銀乳剤を調製することができる。 本発明のシアンカプラーを用いた感光材料に好ましく
用いられるハロゲン化銀組成としては、塩化銀、塩臭化
銀または塩沃臭化銀がある。また更に、塩化銀と臭化銀
の混合物等の組合せ混合物であってもよい。即ち、ハロ
ゲン化銀乳剤がカラー用印画紙に用いられる場合には、
特に速い現像性が求められるので、ハロゲン化銀のハロ
ゲン組成として塩素原子を含むことが好ましく、少なく
とも1%の塩化銀を含有する塩化銀、塩臭化銀または塩
沃臭化銀であることが特に好ましい。 ハロゲン化銀乳剤は、常法により化学増感される。ま
た、所望の波長域に光学的に増感できる。 ハロゲン化銀乳剤には、感光材料の製造工程、保存
中、あるいは写真処理中のカブリの防止、及び/又は写
真性能を安定に保つことを目的として写真業界において
カブリ防止剤または安定剤として知られている化合物を
加れることができる。 本発明のシアンカプラーを用いたカラー感光材料に
は、通常感光材料に用いられる色カブリ防止剤、色素画
像安定化剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、マット剤、界
面活性剤等を用いることができる。 これらについては、例えばリサーチ・ディスクロージ
ャー(Research Disclosure)176巻、22〜31頁(1978
年12月)の記載を参考にすることができる。 本発明のシアンカプラーを用いたカラー感光材料は、
当業界公知の発色現像処理を行うことにより画像を形成
することができる。 本発明に係るシアンカプラーを用いたカラー感光材料
は、親水性コロイド層中に発色現像主薬を発色現像主薬
そのものとして、あるいはそのプレカーサーとして含有
し、アルカリ性の活性化浴により処理することもでき
る。 本発明のシアンカプラーを用いたカラー感光材料は、
発色現像後、漂白処理、定着処理を施される。漂白処理
は定着処理と同時に行ってもよい。 定着処理の後は、通常は水洗処理が行われる。また水
洗処理の代替えとして安定化処理を行ってもよいし、両
者を併用してもよい。 [実施例] 次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体上に下記
の各層を支持体側より順次塗設し、赤色感光性カラー感
光材料試料1を作成した。尚、化合物の添加量は特に断
りのない限り1m2当りを示す(ハロゲン化銀は銀換算
値)。 第1層:乳剤層 ゼラチン1.2g、赤感性塩臭化銀乳剤(塩化銀96モル%
含有)0.30gおよびトリオクチルホスフェート1.50に溶
解した比較シアンカプラーa0.45gからなる赤感性乳剤
層。 第2層:保護層 ゼラチン0.50gを含む保護層。尚、硬膜剤として2,4−
ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム
塩をゼラチン1g当り0.017gになるように添加した。 次に、試料1において比較カプラーaを表1に示す本
発明のカプラーに代えた(添加量は試料1と等モルとし
た)以外は、全く同様にして、試料2〜20を作成した。 上記で得た試料1〜20は、それぞれ常法に従ってウェ
ッジ露光を与えた後、次の工程で現像処理を行った。 (現像処理工程) 発色現像 38℃ 3分30秒 漂白定着 38℃ 1分30秒 安定化処理/または水洗処理 25℃〜30℃ 3分 乾 燥 75℃〜80℃ 2分 各処理工程において使用した処理液組成は、下記の如
くである。 (発色現像液) ベンジルアルコール 15 ml エチレングリコール 15 ml 亜硫酸カリウム 2.0g 臭化カリウム 0.7g 塩化ナトリウム 0.2g 炭酸カリウム 30.0g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.0g ポリ燐酸(TPPS) 2.5g 3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N− (β−メタンスルホンアミドエチル) アニリン硫酸塩 5.5g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベ ンジスルホン酸誘導体) 1.0g 水酸化カルウム 2.0g 水を加えて全量を1とし、pH10.20に調整する。 (漂白定着液) エチレンジアミン四酢酸第2鉄 アンモニウム2水塩 60 g エチレンジアミン四酢酸 3 g チオ硫酸アンモニウム(70%溶液) 100 ml 亜硫酸アンモニウム(40%溶液) 27.5ml 炭酸カリウムまたは氷酢酸でpH7.1に調整し、水を加
えて全量を1とする。 (安定化液) 5−クロロ−2−メチル−4− イソアゾリン−3−オン 1.0g エチレングリコール 10 g 水を加えて1とする。 上記で処理された各試料の分光吸収極大波長
(λmax)およびλmaxにおける反射濃度が1.0の時の420
nmにおける反射濃度および分光吸収の半値巾(λmaxよ
りも波長側における反射濃度0.5の波長と、λmaxよりも
短波側における反射濃度0.5の波長との差)を測定し
た。Dλ420の値が小さい程、赤色領域での不整吸収が
少なく、半値巾が小さい程、吸収がシャープで色再現性
が優れていることを意味する。 試料1,2,13の吸収スペクトルを第1図に示す。 また、上記各処理済試料を高温・高湿(60℃、80%P
H)雰囲気下に14日間放置し、色素画像の耐湿熱性を調
べた。得られた結果を併せて表−1に示す。但し、色素
画像の耐湿熱性は諸濃度1.0に対する耐湿熱試験後の色
素残留パーセントで表す。 諸測定にはKD−7型濃度計(小西六写真工業株式会社
製)を用いた。 以上の結果をまとめて表−1に示す。 比較カプラーa 表−1の結果から明らかなように、本発明のカプラー
を用いた試料は、比較カプラーを用いた試料に比べて、
いずれも半値巾(W1/2)が小さく、Dλ420で検出され
る不整吸収が小さく、非常に色再現性が良好であること
がわかる。なお、本発明の試料は比較試料に比べて、λ
maxが小さいが、スペクトル波形が良好である為に、色
再現性の優れたシアン画像を与えている。 さらに、本発明のカプラーを用いた試料は比較試料に
比べて、色素残存率が高く、耐熱性に優れていることが
わかる。 なお、第1図は、本発明のカプラーが従来のフェノー
ル系カプラーに比べて、緑色領域(550nm)での好まし
くない不整吸収が少なく、かつ、λmax付近での吸収が
シャープであることを示している。 実施例2 トリアセチルセルロースフィルム支持体上に、下記の
各層を順次支持体側から塗設し、赤感光性カラー反転写
真感光材料21〜29を作成した。尚、化合物の添加量は特
に断りのない限り1m2当りを示す(ハロゲン化銀は銀換
算値)。 第1層:乳剤層 ゼラチン1.4g、赤感性塩臭化銀乳剤(塩化銀96モル%
含有)0.5gおよびジオクチルフェニルホスフェート1.65
gに溶解した表−2に示すカプラーからなる赤感性乳剤
層。 第2層:保護層 ゼラチン0.5gを含む保護層、尚、硬膜剤として2,4−
ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム
塩をゼラチン1g当り0.017gになるように添加した。 上記で得た試料は、それぞれ常法に従ってウェッジ露
光を与えた後、次の工程で現像処理を行った。 [反転処理工程] 工程 時間 温 度 第1現像 6分 38 ℃ 水 洗 2分 38 ℃ 反 転 2分 38 ℃ 発色現像 6分 38 ℃ 調 整 2分 38 ℃ 漂 白 6分 38 ℃ 定 着 4分 38 ℃ 水 洗 4分 38 ℃ 安 定 1分 常 温 乾 燥 処理液の組成は以下のものを用いる。 [第一現像液] 水 700 ml テトラポリリン酸ナトリウム 2 g 亜硫酸ナトリウム 20 g ハイドロキノン・モノスルフォネート 30 g 炭酸ナトリウム(1水塩) 30 g 1−フェニル・4メチル・4−ヒドロ キシメチル−3−ピラゾリドン 2 g 臭化カリウム 2.5g チオシアン酸カリウム 1.2g ヨウ化カリウム(0.1%溶液) 2 ml 水を加えて 1000 ml (pH10.1) [反転液] 水 700 ml ニトロソ−N,N,N−トリメチレン オキスキン酸・6Na塩 3 g 塩化第1スズ(2水塩) 1 g p−アミノフェノール 0.1g 水酸化ナトリウム 5 g 氷酢酸 15 ml 水を加えて 1000 ml [発色現像液] 水 700 ml テトラポリリン酸ナトリウム 2 g 亜硫酸ナトリウム 7 g 第3リン酸ナトリウム(12水塩) 36 g 臭化カリウム 1 g 沃化カリウム(0.1%溶液) 90 ml 水酸化ナトリウム 3 g シトラジン酸 1.5g N−エチル−N−(β−スルホン アミドエチル)−3−メチル −4−アミノアニリン・硫酸塩 11 g エチレンジアミン 3 g 水を加えて1000 ml [調整液] 水 700 ml 亜硫酸ナトリウム 12 g エチレンジアミン、テトラ酢酸 ナトリウム(2水塩) 8 g チオグリセリン 0.4ml 氷酢酸 3 ml 水を加えて 1000 ml [漂白液] 水 500 ml エチレンジアミンテトラ酢酸 ナトリウム(2水塩) 2.0g エチレンジアミンテトラ酢酸 鉄(III)アンモニウム(2水塩) 120.0g 臭化カリウム 100.0g 水を加えて 1000 ml [定着液] 水 800 ml チオ硫酸アンモニウム 80.0g 亜硫酸ナトリウム 5.0g 重亜硫酸ナトリウム 5.0g 水を加えて 1000 ml [安定液] 水 800 ml ホルマリン(37重量%) 5.0ml 水を加えて 1000 ml 上記で処理された試料の分光吸収極大波長(λmax)
および半値巾(W1/2)を実施例1と同様の測定法によっ
て測定した。その結果を表−2に示す。 なお、本実施例2における諸測定にはKD−7R型濃度計
を用いて、透過濃度の測定を行なった。 表−2から明らかなように本発明のカプラーを用いた
試料は比較カプラーを用いた試料に比べていずれも半値
巾が小さく、不整吸収が小さく、非常に色再現性が優れ
ていることがわかる。 さらに、本発明のカプラーを用いた試料は比較試料に
比べて、色素残存率が高く、耐熱性に優れていることが
わかる。 [発明の効果] 本発明のピラゾロアゾール系シアンカプラーを用いた
ハロゲン化銀カラー写真感光材料から得られる画像は、
分光吸収特性に優れた鮮明なシアン画像を得ることがで
き、また該シアン画像は、熱,湿度に対して安定であ
り、光に対しても比較的安定である。
ラゾロアゾール系シアンカプラーに関し、特に鮮明なか
つ耐久性に優れたシアン画像が得られるピラゾロアゾー
ル系シアンカプラーに関するものである。 [発明の背景] ハロゲン化銀写真感光材料に露光を与えた後、発色現
像処理することにより、酸化された芳香族第一級アミン
発色現像主薬と色素形成カプラーとが反応して色素が生
成し色画像が形成される。 一般に、この写真方法においては減色法による色再現
法が使われ、イエロー、マゼンタおよびシアンの色画像
が形成される。 シアン色画像形成カプラーとして、これまでフェノー
ル類あるいはナフトール類が多く用いられている。 ところが、従来用いられているフェノール類およびナ
フトール類から得られるシアン画像には色再現上大きな
問題がある。それは、吸収の短波側のキレが悪く、緑領
域にも不要な吸収すなわち不整吸収をもつことである。
これにより、ネガにおいてはマスキング等による不整吸
収の補正を行なわざるを得ず、またペーパーの場合は補
正の手段がなく、色再現性をかなり悪化させているのが
現状である。 また、従来用いられているフェノール類およびナフト
ール類から得られる色素画像は、その保存性においても
幾つかの問題点が残されていた。例えば米国特許第2,36
7,531号および第2,423,730号明細書に記載の2−アシル
アミノフェノールシアンカプラーより得られる色素画像
は、一般に熱堅牢性が劣り、米国特許第2,369,929号お
よび第2,772,162号明細書に記載の2,5−ジアシルアミノ
フェノールシアンカプラーより得られる色素画像は一般
に光堅牢性が劣り、1−ヒドロキシ−2−ナフタミドシ
アンカプラーから得られる色素画像は、一般に光および
熱堅牢性の両面で不十分である。 また、米国特許第4,122,369号および特開昭57−15553
8号、特開昭57−157246号などの明細書に記載されてい
る2,5−ジアシルアミノフェノールシアンカプラーや米
国特許第3,880,661号明細書に記載されているバラスト
部分にヒドロキシ基を有する2,5−ジアシルアミノフェ
ノールシアンカプラーもその色素画像を長期保存するに
は、光・熱に対する堅牢性や、イエローステインの発生
の点で、未だ十分満足できるレベルは得られていない。 そこで、本発明者等は、色再現並びに熱や湿度に対し
て耐久性のあるシアンカプラーを探究した結果、ピラゾ
ロアゾール系化合物がその両者を満足するものであるこ
とを発見し、この知見に基づいて本発明はなされたもの
である。 [発明の目的] したがって、本発明の第一の目的は、カラー写真感光
材料に用いられる新規なシアンカプラーを提供すること
にある。 本発明の第二の目的は、吸収のキレがシャープで緑領
域に吸収が少ない分光吸収特性に優れた鮮明なシアン画
像を与えるシアンカプラーを提供することにある。 本発明の第三の目的は、熱、湿度に対して色相の変化
を起こさないシアン画像を形成しうるシアンカプラーを
提供することにある。 [発明の構成] 本発明の前記目的は、一般式[I]で表わされる写真
用シアンカプラーによって達成された。 一般式[I] [式中、R1は電子吸引性基を表わし、R2の少なくとも1
つが電子吸引性基を表わす。Zは含窒素複素環を形成す
るのに必要な非金属原子群を表わす。 Xは水素原子または発色現像主薬の酸化体との反応に
より離脱しうる置換基を表わす。 nは1または2を表わし、n=1のときR2は電子吸引
性基を表わし、n=2のときR2は同じであっても、異な
っていてもよい電子吸引性基または置換基を表わし、こ
のうち少なくとも1つは電子吸引性基である。] 以下、本発明を具体的に説明する。 本発明に係る一般式[I]で示されるカプラーは、ピ
ラゾロアゾール核が電子吸引基を有することに特徴があ
り、このR1および少なくとも一つのR2が表わす電子吸引
基としては、好ましくは、Hammettによって定義された
置換基定数δpが、+0.20以上の置換基であり、具体的
には、スルホニル、スルホニルオキシ、スルフィニル、
スルファモイル、ホスホリル、ハロゲン、ハロゲン化ア
ルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ニトロ、ピ
ロリル、テトラゾリル、シアノ、カルバモイル、アシ
ル、アシルオキシ、カルボキシル、オキシカルボニル等
の各基が挙げられる。 スルホニル基としては、アルキルスルホニル、アリー
ルスルホニル、また、ハロゲン化アルキルスルホニル、
ハロゲン化アリールスルホニル等の基が挙げられる。 スルホニルオキシ基としては、アルキルスルホニルオ
キシ、アリールスルホニルオキシ等の基が挙げられる。 スルフィニル基としては、アルキルスルフィニル、ア
リールスルフィニル等の基が挙げられる。 スルファモイル基としては、N,N−ジアルキルスルフ
ァモイル、N,N−ジアリ−ルスルファモイル、N−アル
キル−N−アリ−ルスルファモイル等の基が挙げられ
る。 ホスホリル基としては、アルコキシホスホリル、フェ
ノキシホスホリル、アルキルホスホリル、アリールホス
ホリル等の基が挙げられる。 ホロゲン原子としては、臭素、塩素等の原子が挙げら
れる。 ハロゲン化アルコキシ基としては、1−ハロゲン化ア
ルコキシ基が好ましい。 ハロゲン化アリールオキシ基としては、テトラまたは
ペンタフルオロアリールオキシ等が好ましい。 ピロール基としては、1−ピロール等の基が挙げられ
る。 テトラゾリル基としては、1−テトラゾリル等の基が
挙げられる。 カルバモイル基としてはN,N−ジアルキルカルバモイ
ル、N,N−ジアリールカルバモイル、N−アルキル−N
−アリ−ルカルバモイル等の基が挙げられる。 アシル基としては、アルキルカルボニル、アリールカ
ルボニル等の基が挙げられる。 アシルオキシ基としては、アルキルカルボニルオキシ
等が好ましい。 オキシカルボニル基としてはアルコキシカルボニル、
アリールオキシカルボニル等の基が挙げられる。 上記基の他にハロゲン化アルキル基として1−ハロゲ
ン化アルキル基が好ましい。 ハロゲン化アリール基として、テトラまたはペンタフ
ルオロアリール基が好ましい。 また、アリールスルホメチル基やアルキルスルホメチ
ル基のようにスルホニル基の電子吸引性が有効に働く基
でもよい。 また、フッ素化アルキルカルボニルアミドのようなハ
ロゲン化アシルアミノ基等でもよい。 上記の基は耐拡散性基や更に電子吸引基などの置換基
を有していてもよい。 一般式[I]において、n=2の際、R1またはR2が電
子吸引性基以外の置換基である場合、該置換基は好まし
くは、Hammettによって定義された置換基定数δpが、
+0.20未満の置換基であれば、いかなるものでもよい。 代表的には、アルキル、アリール、アニリノ、スルホ
ンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニル、
シクロアルキル等の各基が挙げられるが、この他にシク
ロアルケニル、アルキニル、複素環、アルコキシ、アリ
ールオキシ、複素環オキシ、シロキシ、カルバモイルオ
キシ、アミノ、アルキルアミノ、イミド、ウレイド、ス
ルファモイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、ア
リールオキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニ
ル、アリールオキシカルボニル、複素環チオの各基、な
らびにスピロ化合物残基、有橋炭化水素化合物残基等も
挙げられる。 電子吸引性基以外のR1またはR2で表わされるアルキル
基としては、炭素数1〜32のものが好ましく、直鎖でも
分岐でもよい。アリール基としては、フェニル基が好ま
しい。 スルホンアミド基としては、アルキルスルホニルアミ
ノ基、アリールスルホニルアミノ基等が挙げられる。 アルキルチオ基、アリールチオ基におけるアルキル成
分、アリール成分は上記アルキル基、アリール基が挙げ
られる。 アルケニル基としては、炭素数2〜32のもの、シクロ
アルキル基としては炭素数3〜12、特に5〜7のものが
好ましく、アルケニル基は直鎖でも分岐でもよい。 シクロアルケニル基としては、炭素数3〜12、特に5
〜7のものが好ましい。 カルバモイルオキシ基としてはアルキルカルバモイル
オキシ基、アリールカルバモイルオキシ基等: ウレイド基としてはアルキルウレイド基、アリールウ
レイド基等: スルファモイルアミノ基としてはアルキルスルファモ
イルアミノ基、アリールスルファモイルアミノ基等: 複素環基としては5〜7員のものが好ましく、具体的
には2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル
基、2−ベンゾチアゾリル基等; 複素環オキシ基としては5〜7員の複数環を有するも
のが好ましく、例えば3,4,5,6−テトラヒドロピラニル
−2−オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキ
シ基等; 複素環チオ基としては、5〜7員の複素環チオ基が好
ましく、例えば2−ピリジルチオ基、2−ベンゾチアゾ
リルチオ基、2,4−ジフェノキシ−1,3,5−トリアゾール
−6−チオ基等; シロキシ基としてはトリメチルシロキシ基、トリエチ
ルシロキシ基、ジメチルブチルシロキシ基等; Xの表す発色現像主薬の酸化体との反応により離脱し
うる基としては、例えばハロゲン原子(塩素原子、臭素
原子、弗素原子等)及びアルコキシ、アリールオキシ、
複素環オキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、アル
コキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニル、
アルキルオキザリルオキシ、アルコキシオキザリルオキ
シ、アルキルチオ、アリールチオ、複素環チオ、アルキ
ルオキシチオカルボニルチオ、アシルアミノ、スルホン
アミド、N原子で結合した含窒素複素環、アルキルオキ
シカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミ
ノ、カルボキシル、 (R21′は前記R1と同義であり、Z′は前記Zと同義で
あり、Ra及びRbは水素原子、アリール基、アルキル基又
は複素環基を表す。)等の各基が挙げられるが、好まし
くはハロゲン原子、特に塩素原子である。 またZ又はZ′により形成される含窒素複素環として
は、ピラゾール環、イミダゾール環または、トリアゾー
ル環等が挙げられる。 一般式[I]で示されるものは更に具体的には例えば
下記一般式[II]〜[VI]により示される。 一般式[II]一般式[III] 一般式[IV] 一般式[V] 一般式[VI] 上記一般式[II]〜[VI]において、R1は一般式
[I]のR1と、R3〜R9およびXは前記R2およびXと同義
である。 以下に本発明に係る化合物の代表的具体例を示すが、
これは、その一例であって、本発明はこれに限定される
ものではない。 これら本発明のシアンカプラーはジャーナル・オブ・
ザ・ケミカル・ソサイアティ,パーキンI(J.Chem.So
c.,Perkin I)(1977),2047〜2052,ジャーナル・オブ
・ヘテロサイクリック.ケミストリー(J.Heterocycl.C
hem.,)11.423(1974),ベリヒテ(Ber.)32,797(189
9),ヘミッシェ・ベリヒテ(Chem.Ber.)95.2861,2881
(1962),米国特許第3,705,896号,3,725,067号、特開
昭59−162548号,同59−171956号,同60−43659号,同6
0−172982号,同60−197688号,特公昭61−65247号およ
び特願昭61−120054号等を参考にして容易に合成するこ
とができる。 以下、代表的な合成例を示す。 合成例1 (工程1) O−エチル−S−メチルジエチオマロネート0.012モ
ルおよびS−メチルイソチオカルボヒドラジド・ヨウ化
水素塩0.01モルをアミルアルコール25ml中で、30分間加
熱する。 冷却後、析出物を取し、エーテルで洗浄し、粗結晶
1を得た。 (工程2) 0.008モルの1を15mlの酢酸に溶かし、35%過酸化水
素水5mlをゆっくりと滴下し、60℃にて2時間撹拌し
た。その後水50mlを加え、水酸化ナトリウム水溶液に
て、ゆっくりと中和し、pH6.5になった反応液を酢酸エ
チルで抽出し、溶媒を留去する。得られた析出物をアセ
トニトリルにて洗浄し、白色針状結晶II−1 0.0068モル
を得た。 合成例2 工程1 O−エチル−S−フェニルジエチオマロネート0.012
モルおよびS−(p−ニトロフェニル)イソチオカルボ
ヒドラジド・ヨウ化水素0.01モルをアミルアルコール25
ml中1時間加熱し、冷却後析出物を取し、エーテルで
洗浄し、乾燥させて、2を得た。 工程22をTHF50mlに溶かし、pd/cを用いて水添した。pd/c
を別後、反応液を留去した。析出物を100mlのアセト
ニトリルに溶かし、0.01モルのテトラデカンスルホニル
クロライドを加え、0.012モルのトリエチルアミンを滴
下した。室温で2時間撹拌後、析出した結晶を別し、
さらに酢酸エチルより再結晶し、化合物3を0.0055モル
得た。 工程3 合成例1における工程2と同様にして3を酸化し、白
色針状結晶II−2 0.0039モルを得た。 合成例3 工程1 特願昭61−120054号に記載の方法に従って、4を得
た。 40.02モルを100mlのアセトニトリルに溶かし、0.030
モルの尿素を添加後、2時間撹拌して、析出物を取し
た。これを50ml酢酸、20ml硫酸、1.0ml水混合溶媒中、
1時間加熱環流後、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、
酢酸エチルで抽出して溶媒留去することにより、50.01
28モルを得た。 工程250.0062モルを60mlのアセトニトリルに溶かし、0.00
70モルのテトラデカンカルボニルクロリドを滴下し、少
量のピリジンを添加後、室温にて撹拌した。反応溶液を
水あけし、析出物を取してGを得た。さらに合成例1
の工程2と同様にしてII−3を得た。 反応式 合成例4 合成例3における化合物5を用いた。 50.006 モルを60mlのアセトニトリルに溶かし、0.0
065モルのm−ニトロフェニルスルホニルクロリドを滴
下し、少量のピリジン添加後室温にて撹拌した。反応溶
液を水あけし、析出物を取した。さらにこれを、合成
例2(工程2)と同様に、水添還元後テトラデカンカル
ボニルクロリドと反応させ、更に合成例1,工程2と同様
に酸化することによりII−4 0.0028モルを得た。 合成例5 J.Heterocyc1.Chem.Vo1.11.423(1974)および特願昭
61−120054号等に記載されている方法に従って、6を合
成した。 6 0.01モルとm−ニトロフェニルスルホニルベンゾ
イルクロリド0.015モルを50mlの酢酸エチルに加え、1.0
gのトリエチルアミンを滴下し、2時間撹拌後、析出し
た結晶を取、水洗し、この結晶と、0.01モルのオキシ
塩化リンを30mlトルエン中にて2時間加熱還流した。溶
媒を留去し、10gのピリジンと30mlのアセトニトリルを
加え、さらに2時間加熱還流後、析出物をアセトニトリ
ルで再結晶することにより7 0.0069モルを得た。ひき
つづき合成例2の工程2と同様に反応を行ない目的物II
−6 0.0031モルを得た。 反応式 合成例6 工程1 J.Heterocycl.Chem.Vol.423(1974)等に記載されて
いる方法に従って、下記アミノピラゾールの合成を行
い、8,9,10を得た。 また、特公昭61−65247に記載されている方法に従っ
て、相当するニトリル化合物から、下記11,12を合成し
た。 工程2 8 0.01モルと11 0.011モルとをトルエン20ml中、2
0時間加熱還流後、トルエンを留去し、残渣をエタノー
ル20mlに溶かしてヒドロキシルアミンのメタノール溶液
を0℃で加え、室温にて1時間撹拌した。これを200ml
の水にあけて、析出物を取した。 これを50ccのTHFに溶かし、0.004モルのトリエチルア
ミンを加え、撹拌している中へ、p−トルエンスルホン
酸クロリド0.7gのTHF溶液を加え、さらに撹拌後、不溶
物を別し、液を窒素中、7時間加熱還流した。その
後THFを留去し、残渣を少量のメタノールに溶かして水5
0mlにあけると、13 0.004モルが得られた。 合成例2,工程2と同様にして13 0.004モルを水添還元
後、酸クロライドと反応させ、更に合成例2,工程3と同
様に酸化させることによりIII−1 0.0026 モルを得
た。 合成例7 合成例6,工程1で合成した8と12を用いてIII−2
を、9と11を用いてIII−6を、10と12を用いてIII−7
をそれぞれ合成例6,工程2の方法に従って収率各々29
%,47%,30%で得た。 合成例8 J.Heterocyclic.Chem.10.411(1973)および特開昭59
−162548号に従って、14および15を合成した。 14 0.01モルと15 0.012モルを無水エタノール中、1
0時間加熱還流し、溶媒を除去した後、減圧蒸留するこ
とにより16 0.0072モルを得た。 この16をエタノール300ml、20%硫酸80ml中3時間加
熱還流し、冷却後過剰の固体の炭酸ナトリウムを加え、
過し、溶媒を除去し、得られた残渣をアセトニトリル
にて再結晶してIV−1 0.0051モルを得た。 反応式 合成例9 合成例8と同様にして、17,18を合成した。 合成例8と同様にして、0.05モルの17と、0.06モルの
18との反応により19 0.031モルを得た。 合成例2,工程2と同様にして19を水添還元した後、ビ
リジン存在下、酢酸エチル中で、1.2倍モルの酸クロラ
イドとの反応により得られた粗結晶を、アセトニトリル
で再結晶することによりIV−5 0.025モルを得た。 合成例10 19 0.01モル、メタノール0.03モル、ジクロロエタン
20mlの混合物に硫酸0.05mlを加え、8時間還流する。放
冷後水50mlを加え、酢酸エチルで抽出する。この酢酸エ
チル溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、溶媒留去
後、残査をアセトニトリルで再結晶する。さらに、合成
例2の工程2と同様水添還元後、酸クロリドとの反応に
よって、IV−2 0.0065モルを得た。 本発明のシアンカプラーは、主にカラー感光材料の素
材として使用されることが多く、例えばカラーのネガ及
びポジフィルム、並びにカラー印画紙などである。 このカラー印画紙をはじめとする本発明のシアンカプ
ラーを用いた感光材料は、単色用のものでも多色用のも
のでもよい。多色用感光材料はスペクトルの3原色領域
のそれぞれに感光性を有する色素画像形成構成単位を有
する。各構成単位は、スペクトルのある一定領域に対し
て感光性を有する単層または多層乳剤層から成ることが
できる。画像形成構成単位の層を含めて感光材料の構成
層は、当業で知られているように種々の順序で配列する
ことができる。典型的な多色用感光材料は、少なくとも
1つのシアンカプラーを含有する少なくとも1つの赤感
光性ハロゲン化銀乳剤層からなるシアン色素画像形成構
成単位(シアンカプラーの少なくとも1つは本発明のシ
アンカプラーである。)、少なくとも1つのマゼンタカ
プラーを含有する少なくとも1つの緑感光性ハロゲン化
銀乳剤層からなるマゼンタ色素画像形成構成単位、少な
くとも1つのイエローカプラーを含有する少なくとも1
つの青感光性ハロゲン化銀乳剤層からなるイエロー色素
画像形成構成単位を支持体上に担持させたものからな
る。感光材料は、追加の層たとえばフィルター層、中間
層、保護層、下塗り層等を有することができる。 本発明のシアンカプラーを乳剤に含有せしめるには、
従来公知の方法に従えばよい。例えばトリクレジルホス
フェート、ジブチルフタレート等の沸点が175℃以上の
高沸点有機溶媒または酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル
等の低沸点溶媒のそれぞれ単独にまたは必要に応じてそ
れらの混合液に本発明のシアンカプラーを単独でまたは
併用して溶解した後、界面活性剤を含むゼラチン水溶液
と混合し、次に高速度回転ミキサーまたはコロイドミル
で乳化した後、ハロゲン化銀に添加して本発明に使用す
るハロゲン化銀乳剤を調製することができる。 本発明のシアンカプラーを用いた感光材料に好ましく
用いられるハロゲン化銀組成としては、塩化銀、塩臭化
銀または塩沃臭化銀がある。また更に、塩化銀と臭化銀
の混合物等の組合せ混合物であってもよい。即ち、ハロ
ゲン化銀乳剤がカラー用印画紙に用いられる場合には、
特に速い現像性が求められるので、ハロゲン化銀のハロ
ゲン組成として塩素原子を含むことが好ましく、少なく
とも1%の塩化銀を含有する塩化銀、塩臭化銀または塩
沃臭化銀であることが特に好ましい。 ハロゲン化銀乳剤は、常法により化学増感される。ま
た、所望の波長域に光学的に増感できる。 ハロゲン化銀乳剤には、感光材料の製造工程、保存
中、あるいは写真処理中のカブリの防止、及び/又は写
真性能を安定に保つことを目的として写真業界において
カブリ防止剤または安定剤として知られている化合物を
加れることができる。 本発明のシアンカプラーを用いたカラー感光材料に
は、通常感光材料に用いられる色カブリ防止剤、色素画
像安定化剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、マット剤、界
面活性剤等を用いることができる。 これらについては、例えばリサーチ・ディスクロージ
ャー(Research Disclosure)176巻、22〜31頁(1978
年12月)の記載を参考にすることができる。 本発明のシアンカプラーを用いたカラー感光材料は、
当業界公知の発色現像処理を行うことにより画像を形成
することができる。 本発明に係るシアンカプラーを用いたカラー感光材料
は、親水性コロイド層中に発色現像主薬を発色現像主薬
そのものとして、あるいはそのプレカーサーとして含有
し、アルカリ性の活性化浴により処理することもでき
る。 本発明のシアンカプラーを用いたカラー感光材料は、
発色現像後、漂白処理、定着処理を施される。漂白処理
は定着処理と同時に行ってもよい。 定着処理の後は、通常は水洗処理が行われる。また水
洗処理の代替えとして安定化処理を行ってもよいし、両
者を併用してもよい。 [実施例] 次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体上に下記
の各層を支持体側より順次塗設し、赤色感光性カラー感
光材料試料1を作成した。尚、化合物の添加量は特に断
りのない限り1m2当りを示す(ハロゲン化銀は銀換算
値)。 第1層:乳剤層 ゼラチン1.2g、赤感性塩臭化銀乳剤(塩化銀96モル%
含有)0.30gおよびトリオクチルホスフェート1.50に溶
解した比較シアンカプラーa0.45gからなる赤感性乳剤
層。 第2層:保護層 ゼラチン0.50gを含む保護層。尚、硬膜剤として2,4−
ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム
塩をゼラチン1g当り0.017gになるように添加した。 次に、試料1において比較カプラーaを表1に示す本
発明のカプラーに代えた(添加量は試料1と等モルとし
た)以外は、全く同様にして、試料2〜20を作成した。 上記で得た試料1〜20は、それぞれ常法に従ってウェ
ッジ露光を与えた後、次の工程で現像処理を行った。 (現像処理工程) 発色現像 38℃ 3分30秒 漂白定着 38℃ 1分30秒 安定化処理/または水洗処理 25℃〜30℃ 3分 乾 燥 75℃〜80℃ 2分 各処理工程において使用した処理液組成は、下記の如
くである。 (発色現像液) ベンジルアルコール 15 ml エチレングリコール 15 ml 亜硫酸カリウム 2.0g 臭化カリウム 0.7g 塩化ナトリウム 0.2g 炭酸カリウム 30.0g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.0g ポリ燐酸(TPPS) 2.5g 3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N− (β−メタンスルホンアミドエチル) アニリン硫酸塩 5.5g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベ ンジスルホン酸誘導体) 1.0g 水酸化カルウム 2.0g 水を加えて全量を1とし、pH10.20に調整する。 (漂白定着液) エチレンジアミン四酢酸第2鉄 アンモニウム2水塩 60 g エチレンジアミン四酢酸 3 g チオ硫酸アンモニウム(70%溶液) 100 ml 亜硫酸アンモニウム(40%溶液) 27.5ml 炭酸カリウムまたは氷酢酸でpH7.1に調整し、水を加
えて全量を1とする。 (安定化液) 5−クロロ−2−メチル−4− イソアゾリン−3−オン 1.0g エチレングリコール 10 g 水を加えて1とする。 上記で処理された各試料の分光吸収極大波長
(λmax)およびλmaxにおける反射濃度が1.0の時の420
nmにおける反射濃度および分光吸収の半値巾(λmaxよ
りも波長側における反射濃度0.5の波長と、λmaxよりも
短波側における反射濃度0.5の波長との差)を測定し
た。Dλ420の値が小さい程、赤色領域での不整吸収が
少なく、半値巾が小さい程、吸収がシャープで色再現性
が優れていることを意味する。 試料1,2,13の吸収スペクトルを第1図に示す。 また、上記各処理済試料を高温・高湿(60℃、80%P
H)雰囲気下に14日間放置し、色素画像の耐湿熱性を調
べた。得られた結果を併せて表−1に示す。但し、色素
画像の耐湿熱性は諸濃度1.0に対する耐湿熱試験後の色
素残留パーセントで表す。 諸測定にはKD−7型濃度計(小西六写真工業株式会社
製)を用いた。 以上の結果をまとめて表−1に示す。 比較カプラーa 表−1の結果から明らかなように、本発明のカプラー
を用いた試料は、比較カプラーを用いた試料に比べて、
いずれも半値巾(W1/2)が小さく、Dλ420で検出され
る不整吸収が小さく、非常に色再現性が良好であること
がわかる。なお、本発明の試料は比較試料に比べて、λ
maxが小さいが、スペクトル波形が良好である為に、色
再現性の優れたシアン画像を与えている。 さらに、本発明のカプラーを用いた試料は比較試料に
比べて、色素残存率が高く、耐熱性に優れていることが
わかる。 なお、第1図は、本発明のカプラーが従来のフェノー
ル系カプラーに比べて、緑色領域(550nm)での好まし
くない不整吸収が少なく、かつ、λmax付近での吸収が
シャープであることを示している。 実施例2 トリアセチルセルロースフィルム支持体上に、下記の
各層を順次支持体側から塗設し、赤感光性カラー反転写
真感光材料21〜29を作成した。尚、化合物の添加量は特
に断りのない限り1m2当りを示す(ハロゲン化銀は銀換
算値)。 第1層:乳剤層 ゼラチン1.4g、赤感性塩臭化銀乳剤(塩化銀96モル%
含有)0.5gおよびジオクチルフェニルホスフェート1.65
gに溶解した表−2に示すカプラーからなる赤感性乳剤
層。 第2層:保護層 ゼラチン0.5gを含む保護層、尚、硬膜剤として2,4−
ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム
塩をゼラチン1g当り0.017gになるように添加した。 上記で得た試料は、それぞれ常法に従ってウェッジ露
光を与えた後、次の工程で現像処理を行った。 [反転処理工程] 工程 時間 温 度 第1現像 6分 38 ℃ 水 洗 2分 38 ℃ 反 転 2分 38 ℃ 発色現像 6分 38 ℃ 調 整 2分 38 ℃ 漂 白 6分 38 ℃ 定 着 4分 38 ℃ 水 洗 4分 38 ℃ 安 定 1分 常 温 乾 燥 処理液の組成は以下のものを用いる。 [第一現像液] 水 700 ml テトラポリリン酸ナトリウム 2 g 亜硫酸ナトリウム 20 g ハイドロキノン・モノスルフォネート 30 g 炭酸ナトリウム(1水塩) 30 g 1−フェニル・4メチル・4−ヒドロ キシメチル−3−ピラゾリドン 2 g 臭化カリウム 2.5g チオシアン酸カリウム 1.2g ヨウ化カリウム(0.1%溶液) 2 ml 水を加えて 1000 ml (pH10.1) [反転液] 水 700 ml ニトロソ−N,N,N−トリメチレン オキスキン酸・6Na塩 3 g 塩化第1スズ(2水塩) 1 g p−アミノフェノール 0.1g 水酸化ナトリウム 5 g 氷酢酸 15 ml 水を加えて 1000 ml [発色現像液] 水 700 ml テトラポリリン酸ナトリウム 2 g 亜硫酸ナトリウム 7 g 第3リン酸ナトリウム(12水塩) 36 g 臭化カリウム 1 g 沃化カリウム(0.1%溶液) 90 ml 水酸化ナトリウム 3 g シトラジン酸 1.5g N−エチル−N−(β−スルホン アミドエチル)−3−メチル −4−アミノアニリン・硫酸塩 11 g エチレンジアミン 3 g 水を加えて1000 ml [調整液] 水 700 ml 亜硫酸ナトリウム 12 g エチレンジアミン、テトラ酢酸 ナトリウム(2水塩) 8 g チオグリセリン 0.4ml 氷酢酸 3 ml 水を加えて 1000 ml [漂白液] 水 500 ml エチレンジアミンテトラ酢酸 ナトリウム(2水塩) 2.0g エチレンジアミンテトラ酢酸 鉄(III)アンモニウム(2水塩) 120.0g 臭化カリウム 100.0g 水を加えて 1000 ml [定着液] 水 800 ml チオ硫酸アンモニウム 80.0g 亜硫酸ナトリウム 5.0g 重亜硫酸ナトリウム 5.0g 水を加えて 1000 ml [安定液] 水 800 ml ホルマリン(37重量%) 5.0ml 水を加えて 1000 ml 上記で処理された試料の分光吸収極大波長(λmax)
および半値巾(W1/2)を実施例1と同様の測定法によっ
て測定した。その結果を表−2に示す。 なお、本実施例2における諸測定にはKD−7R型濃度計
を用いて、透過濃度の測定を行なった。 表−2から明らかなように本発明のカプラーを用いた
試料は比較カプラーを用いた試料に比べていずれも半値
巾が小さく、不整吸収が小さく、非常に色再現性が優れ
ていることがわかる。 さらに、本発明のカプラーを用いた試料は比較試料に
比べて、色素残存率が高く、耐熱性に優れていることが
わかる。 [発明の効果] 本発明のピラゾロアゾール系シアンカプラーを用いた
ハロゲン化銀カラー写真感光材料から得られる画像は、
分光吸収特性に優れた鮮明なシアン画像を得ることがで
き、また該シアン画像は、熱,湿度に対して安定であ
り、光に対しても比較的安定である。
【図面の簡単な説明】
第1図は現像処理済試料No.1,2および13の吸収スペクト
ル曲線である。 試料1……比較カプラーa 試料2……本発明カプラー(II−2) 試料13……本発明カプラー(II−10)
ル曲線である。 試料1……比較カプラーa 試料2……本発明カプラー(II−2) 試料13……本発明カプラー(II−10)
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭64−553(JP,A)
特開 昭64−554(JP,A)
特開 昭64−555(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.一般式[I]で表わされる写真用シアンカプラー。 一般式[I] [式中、R1は電子吸引性基を表わし、R2の少なくとも1
つが電子吸引性基を表わす。Zは含窒素複素環を形成す
るのに必要な非金属原子群を表わす。 Xは水素原子または発色現像主薬の酸化体との反応によ
り離脱しうる置換基を表わす。 nは1または2を表わし、n=1のときR2は電子吸引性
基を表わし、n=2のときR2は同じであっても、異なっ
ていてもよい電子吸引性基または置換基を表わし、この
うち少なくとも1つは電子吸引性基である。]
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-
1987
- 1987-02-16 JP JP62032649A patent/JP2794010B2/ja not_active Expired - Lifetime
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