JP2849954B2 - 新規な写真用カプラー - Google Patents

新規な写真用カプラー

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JP2849954B2
JP2849954B2 JP4234591A JP4234591A JP2849954B2 JP 2849954 B2 JP2849954 B2 JP 2849954B2 JP 4234591 A JP4234591 A JP 4234591A JP 4234591 A JP4234591 A JP 4234591A JP 2849954 B2 JP2849954 B2 JP 2849954B2
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弘志 北
金子  豊
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  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラー写真用素材として
用いられる新規な写真用カプラーに関し、詳しくは、熱
・湿度および光に対する堅牢性の優れた色素画像を形成
する写真用カプラーに関する。
【0002】
【発明の背景】ハロゲン化銀写真感光材料に露光を与え
た後、発色現像処理することにより、露光領域におい
て、酸化された芳香族第一級アミン発色現像主薬と色素
形成カプラーとが反応して色素が生成し、色画像が形成
される。
【0003】一般に、この写真方法においては減色法に
よる色再現法が使われ、イエロー、マゼンタおよびシア
ンの色画像が形成される。
【0004】上記のイエロー色画像を形成させるために
用いられる写真用カプラーとしては、例えばアシルアセ
トアニリド系カプラーがあり、また、マゼンタ色画像形
成用のカプラーとしては、例えばピラゾロン、ピラゾロ
ベンズイミダゾール、ピラゾロトリアゾールまたはイン
ダゾロン系カプラーが知られており、さらにシアン色画
像形成用のカプラーとしては、例えばフェノールまたは
ナフトール系カプラーが一般的に用いられる。
【0005】このようにして得られる色素画像は、長時
間光に曝されても、高温、高湿下に保存されても変褪色
しないことが望まれている。
【0006】しかしながら、シアン色素を形成する為の
カプラーとして、研究が進められてきたフェノール系カ
プラーおよびナフトール系カプラーは、形成されたシア
ン色素画像の分光吸収特性、耐熱性、耐湿性および耐光
性等の点で今一つ不十分であり、この改良をめざして、
置換基の工夫をはじめとし、種々の提案がなされている
が、これらをすべて満足するような化合物は未だ得られ
ていない。
【0007】そこで本発明者等は、前記の点につき、更
に研究を進めた結果、熱・湿度および光に対して色相変
化を起さないシアン色素画像を形成しうる写真用カプラ
ーを発見し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の目的】本発明の第1の目的は、カラー写真用素
材として用いられる新規な写真用カプラーを提供するこ
とにある。
【0009】本発明の第2の目的は、熱・湿度および光
に対し色相の変化を起こさないシアン色素画像を形成す
る写真用カプラーを提供することにある。
【0010】
【発明の構成】本発明の上記目的は、一般式〔I〕で表
される写真用カプラーによって達成された。
【0011】
【化2】 〔式中、R1 及びR2 は水素原子又は置換基を表し、R
1 とR2 は互いに縮合して環を形成してもよく、nは1
又は2を表し、Xは水素原子または発色現像主薬の酸化
体と反応して離脱する基を表し、ZはO又はSを表
す。〕以下、より具体的に本発明を説明する。
【0012】一般式〔I〕におけるR1 及びRの表す
置換基としては、特に制限はないが、代表的には、アル
キル、アリール、アニリノ、アシルアミノ、スルホンア
ミド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニル、シク
ロアルキル等の各基が挙げられるが、この他にハロゲン
原子及びシクロアルケニル、アルキニル、複素環、スル
ホニル、スルフィニル、ホスホニル、アシル、カルバモ
イル、スルファモイル、シアノ、アルコキシ、スルホニ
ルオキシ、アリールオキシ、複素環オキシ、シロキシ、
アシルオキシ、カルバモイルオキシ、アミノ、アルキル
アミノ、イミド、ウレイド、スルファモイルアミノ、ア
ルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニル
アミノ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボ
ニル、複素環チオ、チオウレイド、カルボキシ、ヒドロ
キシ、メルカプト、ニトロ、スルホン酸等の各基、なら
びにスピロ化合物残基、有橋炭化水素化合物残基等も挙
げられる。
【0013】R1 及びR2 の表す置換基のうち、アルキ
ル基としては、炭素数1〜32のものが好ましく、直鎖
でも分岐でもよい。
【0014】アリール基としては、フェニル基が好まし
い。
【0015】アシルアミノ基としては、アルキルカルボ
ニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基等が挙げら
れる。
【0016】スルホンアミド基としては、アルキルスル
ホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基等が挙げ
られる。
【0017】アルキルチオ基、アリールチオ基における
アルキル成分、アリール成分は上記R1 及びR2 で表さ
れるアルキル基、アリール基が挙げられる。
【0018】アルケニル基としては、炭素数2〜32の
もの、シクロアルキル基としては炭素数3〜12、特に
5〜7のものが好ましく、アルケニル基は直鎖でも分岐
でもよい。
【0019】シクロアルケニル基としては、炭素数3〜
12、特に5〜7のものが好ましい。
【0020】スルホニル基としてはアルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基等;スルフィニル基としては
アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基等;
ホスホニル基としてはアルキルホスホニル基、アルコキ
シホスホニル基、アリールオキシホスホニル基、アリー
ルホスホニル基等;アシル基としてはアルキルカルボニ
ル基、アリールカルボニル基等;カルバモイル基として
はアルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基
等;スルファモイル基としてはアルキルスルファモイル
基、アリールスルファモイル基等;アシルオキシ基とし
てはアルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニル
オキシ基等;カルバモイルオキシ基としてはアルキルカ
ルバモイルオキシ基、アリールカルバモイルオキシ基
等;ウレイド基としてはアルキルウレイド基、アリール
ウレイド基等;スルファモイルアミノ基としてはアルキ
ルスルファモイルアミノ基、アリールスルファモイルア
ミノ基等;複素環基としては5〜7員のものが好まし
く、具体的には2−フリル基、2−チエニル基、2−ピ
リミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−ピロリル
基、1−テトラゾリル基等;複素環オキシ基としては5
〜7員の複素環を有するものが好ましく、例えば3,
4,5,6−テトラヒドロピラニル−2−オキシ基、1
−フェニルテトラゾール−5−オキシ基等;複素環チオ
基としては、5〜7員の複素環チオ基が好ましく、例え
ば2−ピリジルチオ基、2−ベンゾチアゾリルチオ基、
2,4−ジフェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6
−チオ基等;シロキシ基としてはトリメチルシロキシ
基、トリエチルシロキシ基、ジメチルブチルシロキシ基
等;イミド基としてはコハク酸イミド基、3−ヘプタデ
シルコハク酸イミド基、フタルイミド基、グルタルイミ
ド基等;スピロ化合物残基としてはスピロ〔3.3〕ヘ
プタン−1−イル等;有橋炭化水素化合物残基としては
ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−1−イル、トリシク
ロ〔3.3.1.13,7 〕デカン−1−イル、7,7−
ジメチル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−1−イル
等が挙げられる。
【0021】R1 とR2 が互いに縮合して環を形成する
場合、その環は飽和炭化水素環、不飽和炭化水素環、芳
香環、ヘテロ環などである。
【0022】上記の基は、更に長鎖炭化水素基やポリマ
ー残基などの耐拡散性基等の置換基を有していてもよ
い。
【0023】Xの表す発色現像主薬の酸化体との反応に
より離脱しうる基としては、例えばハロゲン原子(塩素
原子、臭素原子、弗素原子等)及びアルコキシ、アリー
ルオキシ、複素環オキシ、アシルオキシ、スルホニルオ
キシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカ
ルボニル、アルキルオキザリルオキシ、アルコキシオキ
ザリルオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、複素環チ
オ、アルキルオキシチオカルボニルチオ、アシルアミ
ノ、スルホンアミド、N原子で結合した含窒素複素環、
アルキルオキシカルボニルアミノ、アリールオキシカル
ボニルアミノ、カルボキシル、
【0024】
【化3】
【0025】(R1 、R2 、nおよびZは前記一般式
〔I〕におけるR1 、R2 、nおよびZと同義であり、
a およびRb は水素原子、アリール基、アルキル基又
は複素環基を表す。)等の各基があげられる。
【0026】
【化4】
【0027】
【化5】
【0028】
【化6】
【0029】
【化7】
【0030】本発明のカプラーは熱現像感光材料(例え
ば特開昭63−301033号、同63−304242
号等に記載の熱現像感光材料)の色素供与物質としても
有効である。熱現像感光材料に用いる場合には、カプラ
ーの活性点置換基にバラスト基(例えばバラスト基とし
てはポリマー鎖が好ましい。)を有するものが好まし
い。
【0031】それらの具体的化合物例を下記に示す。
【0032】
【化8】 合成例(化合物I−13の合成)
【0033】
【化9】
【0034】中間体3の合成 中間体1 26.2gをエタノール200mlに溶解し、
さらに無水炭酸カリウム20.7g、モノクロロ酢酸1
0.4gを添加し、窒素雰囲気下3時間加熱還流した。
室温まで冷却後、無機物の残渣を濾取し、溶媒のエタノ
ールを減圧留去した後、酢酸エチル200mlと水100
mlを加え、さらに塩酸でpH約5にして抽出した。有機層
を100mlの水で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、溶媒の酢酸エチルを減圧留去した。
【0035】得られた生成物にトルエン500mlと硫酸
4gを加え、生成してくる水を留去しながら5時間加熱
還流した。反応液を室温まで冷却し、水200mlで3回
洗浄後、無水硫酸マグネシウムでトルエン相を乾燥し
た。溶媒のトルエンを減圧留去後、生成物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製し、さらにアセトニト
リルで再結晶することにより白色結晶の中間体3 1
3.1gを得た。(HNMR,IR,FDマススペク
トルにより構造を確認した。) I−13の合成 中間体3 13.0gに酢酸55mlと35%過酸化水素
水8.4mlを加え、さらにタングステン酸ナトリウム二
水和物0.16gを添加し、60℃で4時間加熱撹拌し
た。反応液を冷水250mlに注ぎ、得られた固体を濾取
し、水で十分に洗浄した後、固体を乾燥させた。生成物
をメタノールで再結晶することにより白色結晶のI−1
3 10.8gを得た。(HNMR,IR,FDマス
スペクトルにより構造を確認した。)本発明のカプラー
は通常ハロゲン化銀1モル当り1×10-3モル〜1モ
ル、好ましくは1×10-2モル〜8×10-1モルの範囲
で用いることができる。
【0036】また本発明のカプラーは他の種類のシアン
カプラーと併用することもできる。
【0037】本発明のカプラーには、通常の色素形成カ
プラーにおいて用いられる方法および技術が、同様に適
用される。
【0038】本発明のカプラーには、いかなる発色法に
よるカラー写真形成用素材としても用いることができる
が、具体的には、外式発色法および内式発色法が挙げら
れる。外式発色法として用いられる場合、本発明のカプ
ラーはアルカリ水溶液あるいは有機溶媒(例えばアルコ
ールなど)に溶解して、現像処理液中に添加し使用する
ことができる。
【0039】本発明のカプラーを内式発色法によるカラ
ー写真形成用素材として用いる場合、本発明のカプラー
は写真感光材料中に含有させて使用する。
【0040】典型的には、本発明のカプラーをハロゲン
化銀乳剤に配合し、この乳剤を支持体上に塗布してカラ
ー感光材料を形成する方法が好ましく用いられる。本発
明のカプラーは、例えばカラーのネガ及びポジフィルム
並びにカラー印画紙などのカラー写真感光材料に用いら
れる。
【0041】このカラー印画紙を初めとする本発明のカ
プラーを用いた感光材料は、単色用のものでも多色用の
ものでもよい。多色用感光材料では、本発明のカプラー
はいかなる層に含有させてもよいが、通常は赤色感光性
ハロゲン化銀乳剤層に含有させる。多色用感光材料はス
ペクトルの3原色領域のそれぞれに感光性を有する色素
画像形成構成単位を有する。各構成単位は、スペクトル
のある一定領域に対して感光性を有する単層または多層
乳剤層から成ることができる。画像形成構成単位の層を
含めて感光材料の構成層は、当業界で知られているよう
に種々の順序で配列することができる。典型的な多色用
感光材料は、少なくとも1つのシアンカプラーを含有す
る少なくとも1つの赤感光性ハロゲン化銀乳剤層からな
るシアン色素画像形成構成単位(シアンカプラーの少な
くとも1つは本発明のシアンカプラーである。)、少な
くとも1つのマゼンタカプラーを含有する少なくとも1
つの緑感光性ハロゲン化銀乳剤層からなるマゼンタ色素
画像形成構成単位、少なくとも1つのイエローカプラー
を含有する少なくとも1つの青感光性ハロゲン化銀乳剤
層からなるイエロー色素画像形成構成単位を支持体上に
担持させたものからなる。
【0042】感光材料は、追加の層たとえばフィルター
層、中間層、保護層、下塗り層等を有することができ
る。本発明のカプラーを乳剤に含有せしめるには、従来
公知の方法に従えばよい。例えばトリクレジルホスフェ
ート、ジブチルフタレート等の等の沸点が175℃以上
の高沸点有機溶媒または酢酸ブチル、プロピオン酸ブチ
ル等の低沸点溶媒のそれぞれ単独にまたは必要に応じて
それらの混合液に本発明のカプラーを単独でまたは併用
して溶解した後、界面活性剤を含むゼラチン水溶液と混
合し、次に高速度回転ミキサーまたはコロイドミルで乳
化した後、ハロゲン化銀に添加して本発明のカプラーを
含有するハロゲン化銀乳剤を調製することができる。
【0043】本発明のカプラーを用いた感光材料に好ま
しく用いられるハロゲン化銀組成としては、塩化銀、塩
臭化銀または塩沃臭化銀がある。また更に、塩化銀と臭
化銀の混合物等の組合せ混合物であってもよい、即ち、
ハロゲン化銀乳剤がカラー用印画紙に用いられる場合に
は、特に速い現像性が求められるので、ハロゲン化銀の
ハロゲン組成として塩素原子を含むことが好ましく、少
なくとも1%の塩化銀を含有する塩化銀、塩臭化銀また
は塩沃臭化銀であることが特に好ましい。
【0044】ハロゲン化銀乳剤は、常法により化学増感
される。また、所望の波長域に光学的に増感できる。
【0045】ハロゲン化銀乳剤には、感光材料の製造工
程、保存中、あるいは写真処理中のカブリの防止、及び
/又は写真性能を安定に保つことを目的として写真業界
においてカブリ防止剤または安定剤として知られている
化合物を加えることができる。
【0046】本発明のカプラーを用いたカラー感光材料
には、通常感光材料に用いられる色カブリ防止剤、色素
画像安定化剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、マット剤、
界面活性剤等を用いることができる。
【0047】これらについては、例えばリサーチ・ディ
スクロージャー(ResearchDisciosur
e)176巻、22〜31頁(1978年12月)の記
載を参考にすることができる。
【0048】本発明のカプラーを用いたカラー写真感光
材料は、当業界公知の発色現像処理を行なうことにより
画像を形成することができる。
【0049】本発明のカプラーを用いたカラー写真感光
材料は、親水性コロイド層中に発色現像主薬を発色現像
主薬そのものとして、あるいはそのプレカーサーとして
含有し、アルカリ性の活性化浴により処理することもで
きる。
【0050】本発明のカプラーを用いたカラー写真感光
材料は、発色現像後、漂白処理、定着処理が施される。
漂白処理は定着処理と同時に行ってもよい。
【0051】定着処理の後は、通常は水洗処理が行われ
る。また水洗処理の代替として安定化処理を行ってもよ
いし、両者を併用してもよい。
【0052】
【実施例】次に本発明を実施例によって具体的に説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。
【0053】実施例1 ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体上に下記の
各層を支持体側より順次塗設し、赤色感光性カラー感光
材料試料1を作成した。尚、化合物の添加量は、特に断
りのない限り1m2 当りの量を示す(ハロゲン化銀は銀
換算値)。
【0054】第1層:乳剤層 ゼラチン1.2g、赤感性塩臭化銀乳剤(塩化銀96モ
ル%含有)0.30gおよびジオクチルホスフェート
1.35gに溶解した比較カプラーa 9.1×10-4
モルからなる赤感性乳剤層。
【0055】第2層:保護層 ゼラチン0.50gを含む保護層。尚、硬膜剤として
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナ
トリウム塩をゼラチン1g当り0.017gになるよう
添加した。
【0056】次に、試料1において比較カプラーaを表
1に示すカプラー(添加量は比較カプラーaと同モル
量)に代えた以外は、全く同様にして、本発明の試料2
〜5を作製した。
【0057】上記で得た試料1〜5は、それぞれ常法に
従ってウェッジ露光を与えた後、次の工程で現像処理を
行った。
【0058】 [現像処理工程] 発色現像 38℃ 3分30秒 漂白定着 38℃ 1分30秒 安定化処理 25℃〜30℃ 3分 乾 燥 75℃〜80℃ 2分
【0059】各処理工程において使用した処理液組成
は、下記の如くである。 [発色現像液] ベンジルアルコール 15ml エチレングリコール 15ml 亜硫酸カリウム 2.0g 臭化カリウム 0.7g 塩化ナトリウム 0.2g 炭酸カリウム 30.0g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.0g ポリ燐酸(TPPS) 2.5g 3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−(β−メタンスルホン アミドエチル)アニリン硫酸塩 5.5g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体)1.0g 水酸化カリウム 2.0g 水を加えて全量を1リットルとし、pH10.20に調整
する。
【0060】 [漂白定着液] エチレンジアミン四酢酸第2鉄アンモニウム2水塩 60g エチレンジアミン四酢酸 3g チオ硫酸アンモニウム(70%溶液) 100ml 亜硫酸アンモニウム(40%溶液) 27.5ml 炭酸カリウムまたは氷酢酸でpH7.1に調整し、水を加
えて全量を1リットルとする。
【0061】 [安定化液] 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 1.0g エチレングリコール 10g 水を加えて1リットルとする。
【0062】上記で処理された試料1〜5について、濃
度計(コニカ株式会社製KD−7R型)を用いて濃度を
測定した。さらに、上記各処理済試料を高温・高湿(6
0℃、80%RH)雰囲気下に14日間放置し、色素画
像の耐熱・湿性を調べた。
【0063】また、各試料をキセノンフェードメーター
で10日間照射した後、濃度を測定して耐光性を調べ
た。
【0064】結果を表1に示す。但し色素画像の耐熱・
湿性および耐光性は初濃度1.0に対する耐熱・湿およ
び耐光試験後の色素残存率で表す。
【0065】
【化10】
【0066】
【表1】
【0067】表1の結果から、本発明のカプラーを用い
た試料は、比較カプラーを用いた試料に比べて、いずれ
も色素残存率が高く、耐熱・湿性に優れており堅牢であ
ることがわかる。また、耐光性も同等またはそれ以上で
あり優れていることがわかる。
【0068】実施例2 下引済のトリアセテートフィルム上に、下記の各層を支
持体側より順次塗設し、赤色感光性カラー感光材料(試
料6)を作成した。尚、化合物の添加量は、特に断りの
ない限り1m2 当りの量を示す(ハロゲン化銀は銀換算
値)。
【0069】第1層:乳剤層 ゼラチン1.4g、赤感性沃臭化銀乳剤(沃化銀4モル
%含有)1.5gおよびトリクレジルホスフェート1.
1gに溶解した比較カプラーb 8.0×10-4モルか
らなる赤感性乳剤層。
【0070】第2層:保護層 ゼラチン1.5gを含む保護層。尚、硬膜剤として2,
4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリ
ウム塩をゼラチン1g当り、0.017gになるよう添
加した。
【0071】次に、試料6において、比較カプラーbを
表2に示すカプラー(添加量は比較カプラーbと同モル
量)に代えた以外は、全く同様にして、本発明の試料7
〜10を作製した。
【0072】得られたフィルム試料を、通常の方法でウ
ェッジ露光し、下記のカラー用処理工程に従いカラー現
像を行った。
【0073】
【化11】
【0074】[処理工程] (処理温度38℃) 処
理時間 発色現像 3分15秒 漂 白 6分30秒 水 洗 3分15秒 定 着 6分30秒 水 洗 3分15秒 安 定 化 1分30秒 乾 燥
【0075】各処理工程において使用した処理液組成は
下記の如くである。 [発色現像液] 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒドロキシ エチル)アニリン硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシアミン1/2硫酸塩 2.0g 無水炭酸カリウム 37.5g 臭化ナトリウム 1.3g ニトリロ三酢酸・3ナトリウム(1水塩) 2.5g 水酸化カリウム 1.0g 水を加えて1リットルとし、水酸化ナトリウムを用いて
pH10.6に調整する。
【0076】 [漂白液] エチレンジアミン四酢酸鉄アンモニウム塩 100.0g エチレンジアミン四酢酸2アンモニウム塩 10.0g 臭化アンモニウム 150.0g 氷酢酸 10.0g 水を加えて1リットルとし、アンモニア水を用いてpH
6.0に調整する。
【0077】 [定着液] チオ硫酸アンモニウム 175.0g 無水亜硫酸ナトリウム 8.6g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3g 水を加えて1リットルとし、酢酸を用いてpH6.0に調
整する。
【0078】 [安定化液] ホルマリン(37重量%) 1.5ml コニダックス(コニカ株式会社製) 7.5ml 水を加えて1リットルとする。
【0079】上記で処理された試料6〜10について、
濃度計(コニカ株式会社製KD−7R型)を用いて透過
濃度を測定した。さらに、上記各処理済試料を高温・高
湿(60℃、80%RH)雰囲気下に14日間放置し、
色素画像の耐熱・湿性を調べた。
【0080】また、各試料をキセノンフェードメーター
で10日間照射した後、濃度を測定して耐光性を調べ
た。
【0081】結果を表2に示す。但し色素画像の耐熱・
湿性および耐光性は初濃度1.0に対する耐熱・湿およ
び耐光試験後の色素残存率で表す。
【0082】
【表2】
【0083】表2の結果から、本発明のカプラーを用い
た試料は、比較カプラーを用いた試料に比べて、いづれ
も色素残存率が高く、耐熱・湿性および耐光性に優れて
おり堅牢であることがわかる。
【0084】実施例3 トリアセチルセルロースフィルム支持体上に、下記の各
層を支持体側より順次塗設し、表3に示すカプラーを含
有する赤感光性カラー反転写真感光材料11〜15を作
成した。
【0085】第1層:乳剤層 ゼラチン1.4g、赤感性塩臭化銀乳剤(塩化銀96モ
ル%含有)0.5gおよびジブチルフタレート1.5g
に溶解した表3に示すカプラー9.1×10-4モルから
なる赤感性乳剤層。
【0086】第2層:保護層 ゼラチン0.5gを含む保護層。尚、硬膜剤として2,
4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリ
ウム塩をゼラチン1g当り、0.017gになるよう添
加した。
【0087】上記で得た試料に、それぞれ常法に従って
ウェッジ露光を与えた後、次の工程で現像処理を行っ
た。
【0088】[反転処理工程] 工程 時間 温度 第一現像 6分 38℃ 水 洗 2分 38℃ 反 転 2分 38℃ 発色現像 6分 38℃ 調 整 2分 38℃ 漂 白 6分 38℃ 定 着 4分 38℃ 水 洗 4分 38℃ 安 定 1分 38℃ 乾 燥 常 温
【0089】処理液の組成は以下のものを用いた。 [第一現像液] テトラポリリン酸ナトリウム 2g 亜硫酸ナトリウム 20g ハイドロキノン・モノスルフォネート 30g 炭酸ナトリウム(1水塩) 30g 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル −3−ピラゾリドン 2g 臭化カリウム 2.5g チオシアン酸カリウム 1.2g ヨウ化カリウム(0.1%溶液) 2 ml 水を加 えて 1000 ml
【0090】 [反転液] ニトリロトリメチレンホスホン酸・6ナトリウム塩 3g 塩化第1スズ(2水塩) 1g p−アミノフェノール 0.1g 水酸化ナトリウム 5g 氷酢酸 15ml 水を加えて 1000 ml
【0091】 [発色現像液] テトラポリリン酸ナトリウム 2g 亜硫酸ナトリム 7g 第3リン酸ナトリウム(12水塩) 36g 臭化カリウム 1g 沃化カリウム(0.1%溶液) 90 ml 水酸化ナトリウム 3g シトラジン酸 1.5g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3− メチル−4−アミノアニリン・硫酸塩 11g エチレンジアミン 3g 水を加えて 1000 ml
【0092】 [調整液] 亜硫酸ナトリウム 12g エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム(2水塩) 8g チオグリセリン 0.4 ml 氷酢酸 3 ml 水を加えて 1000 ml
【0093】 [漂白液] エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(2水塩) 2.0g エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム(2水塩) 120.0g 臭化カリウム 100.0g 水を加えて 1000 ml
【0094】 [定着液] チオ硫酸アンモニウム 80.0g 亜硫酸ナトリウム 5.0g 重亜硫酸ナトリウム 5.0g 水を加えて 1000 ml
【0095】 [安定液] ホルマリン(37%水溶液) 5.0 ml コニダックス(コニカ株式会社製) 5.0 ml 水を加えて 1000 ml
【0096】上記で処理された各試料について、実施例
2と同様に色素画像の耐熱・湿性および耐光性を調べ
た。その結果を表3に示す。
【0097】
【表3】
【0098】表3の結果からから、本発明のカプラーを
用いた試料は、比較カプラーを用いた試料に比べて、い
づれも色素残存率が高く、耐熱・湿性および耐光性に優
れており堅牢であることがわかる。
【0099】実施例4 透明ポリエチテンテレフタレートフィルム支持体上に、
支持体1m2当り以下の構成成分からなる熱現像感光層を
塗設して熱現像感光材料を作成した。
【0100】 ベンズトリアゾール銀 0.6g ゼラチン 3.0g 還元剤*1 0.97g カプラー(I−26) 1.0g ヨウ臭化銀(銀換算) 0.45g ポリビニルピロリドン 1.0g ベンズトリアゾール 0.02g 抑制剤*2 0.05g 熱溶剤*3 0.45g 上記の感光材料を像様露光後、写真用バライタ紙上にポ
リ塩化ビニルを塗設して得た受像材料と重ね合わせて、
150℃で1分間熱現像したところ受像材料上に良好な
シアン色の転写画像が得られた。
【0101】
【化12】
【0102】
【発明の効果】本発明のカプラーは、熱、湿度および光
に対して堅牢な色素画像を形成することができる。また
このカプラーは、熱現像感光材料の色素供与物質として
も有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−183658(JP,A) 特開 平2−85851(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 7/38

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔I〕で表される写真用カプラ
    ー。 【化1】 〔式中、R1 及びR2 は水素原子又は置換基を表し、R
    1 とR2 は互いに縮合して環を形成してもよく、nは1
    又は2を表し、Xは水素原子または発色現像主薬の酸化
    体と反応して離脱する基を表し、ZはO又はSを表
    す。〕
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