JP3289176B2 - 写真用カプラー - Google Patents

写真用カプラー

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JP3289176B2
JP3289176B2 JP07765195A JP7765195A JP3289176B2 JP 3289176 B2 JP3289176 B2 JP 3289176B2 JP 07765195 A JP07765195 A JP 07765195A JP 7765195 A JP7765195 A JP 7765195A JP 3289176 B2 JP3289176 B2 JP 3289176B2
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金子  豊
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悟 池洲
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  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀カラー写真
感光材料用の素材として用いられる写真用カプラーに関
し(以下、単にカプラーともいう)、詳しく熱・湿度お
よび光に対する堅牢性が優れている色素画像を形成でき
る写真用カプラーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般にカラー写真画像を得る場合
には、ハロゲン化銀カラー写真感光材料(以下、単に感
光材料ともいう)に露光を与えた後、これを発色現像処
理すると、その露光領域において、酸化された芳香族第
一級アミン発色現像主薬と色素形成カプラーとが反応し
て色素を生成し、色画像が形成されるが、このような写
真方法においては減色法による色再現法が使用され、そ
れによってイエロー、マゼンタおよびシアンの各色画像
が形成される。
【0003】従来、上記のイエロー色画像を形成させる
ために用いられる写真用カプラーとしては、例えばアシ
ルアセトアニリド系カプラーがあり、またマゼンタ色画
像形成用のカプラーとしては、例えばピラゾロン、ピラ
ゾロベンツイミダゾール、ピラゾロトリアゾールまたは
インダゾロン系カプラーが知られており、さらにシアン
色画像形成用のカプラーとしては、例えばフェノールま
たはナフトール系カプラーが一般的に用いられており、
これらのカプラーから得られる色素画像は、長時間光に
曝されても、また高温、高湿下に保存されても変退色し
ないことが望まれている。
【0004】しかしながら、シアン色素を形成するため
のカプラーとして、これまでに研究・実用化が進められ
てきた上記フェノール系カプラーおよびナフトール系カ
プラーは、形成されたシアン色素画像の耐熱性および耐
湿性等の点で今一つ不十分であり、したがってこれの改
良をめざして、カプラー中の置換基の選択、探求をはじ
めとして、従来種々の提案がなされているが、これらの
特性に関するすべての要求を満足するようなカプラーは
まだ発見されていない。
【0005】一方、マゼンタ色画像形成カプラーとして
従来広く実用に供され、また研究されてきた5−ピラゾ
ロン系カプラーから形成される色素は、熱および光に対
する堅牢性については優れているものの、黄色成分に色
濁りの原因になる不要吸収を有するので、これを解決す
るために、ピラゾロベンツイミダゾール、インダゾロ
ン、ピラゾロトリアゾール、イミダゾピラゾール、ピラ
ゾロピラゾール、ピラゾロテトラゾール系等のカプラー
が提案され、事実これらのカプラーは色再現性の点から
みると好ましいものではあるけれど、そのカプラーから
形成される色素は光に対する堅牢性が著しく低く、熱、
湿度、光に対し変退色を起こし易いという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って上記問題を鑑
み、本発明の目的は熱・湿および光に起因する変退色を
起こしにくい色画像を形成できる写真用カプラーを提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成により達成される。
【0008】1.一般式〔I〕で表される写真用カプラ
ー。
【0009】
【化3】
【0010】式中、R、R1およびR2は水素原子、置換
基を表し、mは0または1〜4の整数を表す。mが2以
上の整数のとき、複数のRは同じであっても異なってい
てもよい。Xは水素原子または発色現像主薬の酸化体と
の反応により離脱する基を表す。
【0011】2.一般式〔II〕で表される写真用カプラ
ー。
【0012】
【化4】
【0013】式中、R′、R1′およびR2′は水素原
子、置換基を表し、m′は0または1〜4の整数を表
す。m′が2以上の整数のとき、複数のR′は同じであ
っても異なっていてもよい。X′は水素原子または発色
現像主薬の酸化体との反応により離脱する基を表す。
【0014】以下に本発明を詳述する。
【0015】一般式〔I〕および〔II〕において、R、
1、R2、R′、R1′およびR2′の表す置換基として
は、特に制限はないが、代表的には、脂肪族、アリー
ル、アニリノ、アシルアミノ、スルホンアミド、アルキ
ルチオ、アリールチオ、アルケニル、シクロアルキル等
の各基が挙げられるが、この他にハロゲン原子及びシク
ロアルケニル、アルキニル、複素環、スルホニル、スル
フィニル、ホスホニル、アシル、カルバモイル、スルフ
ァモイル、シアノ、アルコキシ、複素環オキシ、シロキ
シ、アシルオキシ、カルバモイルオキシ、アミノ、イミ
ド、ウレイド、スルファモイルアミノ、アルコキシカル
ボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アル
コキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヒドロ
キシ、カルボキシ、複素環チオ等の各基、ならびにスピ
ロ化合物残基、有橋炭化水素化合物残基等も挙げられ
る。
【0016】R、R1、R2、R′、R1′およびR2′で
表される脂肪族基は、直鎖状でも分岐状でも良く、また
飽和でも不飽和でも良い。また、この脂肪族基は他の置
換基によって置換されていてもよく、その置換基として
は特に制限はないが、代表的にはアリール、アニリノ、
アシルアミノ、スルホンアミド、アルキルチオ、アリー
ルチオ、アルケニル、シクロアルキル等の各基が挙げら
れるが、この他にハロゲン原子及びシクロアルケニル、
アルキニル、複素環、スルホニル、スルフィニル、ホス
ホニル、アシル、カルバモイル、スルファモイル、シア
ノ、アルコキシ、複素環オキシ、シロキシ、アシルオキ
シ、カルバモイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イ
ミド、ウレイド、スルファモイルアミノ、アルコキシカ
ルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、ア
ルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヒド
ロキシ、カルボキシ、複素環チオ等の各基、ならびにス
ピロ化合物残基、有橋炭化水素化合物残基等も挙げられ
る。
【0017】アリール基としては、フェニル基、1−ナ
フチル基、2−ナフチル基が好ましい。
【0018】アシルアミノ基としては、アルキルカルボ
ニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基等が挙げら
れる。
【0019】スルホンアミド基としては、アルキルスル
ホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基等が挙げ
られる。
【0020】アルキルチオ基、アリールチオ基における
アルキル成分、アリール成分としては、直鎖及び分岐の
アルキル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチ
ル基が挙げられ、さらにそれらは他の置換基によって置
換されていてもよい。
【0021】アルケニル基としては、炭素原子数2〜3
2のもの、シクロアルキル基としては、炭素原子数3〜
12、特に5〜7のものが好ましく、アルケニル基は直
鎖でも分岐でもよい。シクロアルケニル基としては、炭
素原子数3〜12、特に5〜7のものが好ましい。スル
ホニル基としては、アルキルスルホニル基、アリールス
ルホニル基等;スルフィニル基としては、アルキルスル
フィニル基、アリールスルフィニル基等;ホスホニル基
としては、アルキルホスホニル基、アルコキシホスホニ
ル基、アリールオキシホスホニル基、アリールホスホニ
ル基等;アシル基としては、アルキルカルボニル基、ア
リールカルボニル基等;カルバモイル基としては、アル
キルカルバモイル基、アリールカルバモイル基等;スル
ファモイル基としては、アルキルスルファモイル基、ア
リールスルファモイル基等;アシルオキシ基としては、
アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキ
シ基等;カルバモイルオキシ基としては、アルキルカル
バモイルオキシ基、アリールカルバモイルオキシ基等;
ウレイド基としては、アルキルウレイド基、アリールウ
レイド基等;スルファモイルアミノ基としては、アルキ
ルスルファモイルアミノ基、アリールスルファモイルア
ミノ基等;複素環基としては、5〜7員のものが好まし
く、具体的には2−フリル基、2−チエニル基、2−ピ
リミジル基、−−ベンゾチアゾリル基等;複素環オキシ
基としては、5〜7員の複素環オキシ基が好ましく、
3,4,5,6−テトラヒドロピラニル−2−オキシ
基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基等;複素
環チオ基としては、5〜7員の複素環チオ基が好まし
く、例えば2−ピリジルチオ基、2−ベンゾチアゾリル
チオ基、2,4−ジフェノキシ−1,3,5−トリアジ
ン−6−チオ基等;シロキシ基としては、トリメチルシ
ロキシ基、トリエチルシロキシ基、ジメチルブチルシロ
キシ基等;イミド基としては、こはく酸イミド基、3−
ヘプタデシルこはく酸イミド基、フタルイミド基、グル
タルイミド基等;スピロ化合物残基としては、スピロ
〔3.3〕ヘプタン−1−イル等;有橋炭化水素化合物
残基としては、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−1−
イル、トリシクロ〔3.3.1.137〕デカン−1−イ
ル、7、7−ジメチル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタ
ン−1−イル等が挙げられる。
【0022】RおよびR′として好ましくは、脂肪族、
アリール、アシルアミノ、スルホンアミド、ハロゲン原
子、アシル、カルバモイル、スルファモイル、アルコキ
シ、アシルオキシ、カルバモイルオキシ、イミド、ウレ
イド、スルファモイルアミノ、アルコキシカルボニルア
ミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルコキシカ
ルボニル、アリールオキシカルボニル、ヒドロキシの各
基が挙げられる。
【0023】R1、R2、R1′およびR2′として好まし
くは、脂肪族基、アリール基、脂肪族オキシ基、アシル
アミノ基、イミド基、スルホンアミド基、スルファモイ
ルアミノ基、オキシカルボニルアミノ基及びホスホニル
アミノ基の各基が挙げられる。
【0024】XおよびX′で表される発色現像主薬の酸
化体と反応して離脱し得る基としては、例えばハロゲン
原子(塩素原子、臭素原子、沸素原子等)及びアルコキ
シ、アリールオキシ、複素環オキシ、アシルオキシ、ス
ルホニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリー
ルオキシカルボニルオキシ、アルキルオキザリルオキ
シ、アルコキシオキザリルオキシ、アルキルチオ、アリ
ールチオ、複素環チオ、アルコキシチオカルボニルチ
オ、アシルアミノ、スルホンアミド、N原子で結合した
含窒素複素環、アルキルオキシカルボニルアミノ、アリ
ールオキシカルボニルアミノ、カルボキシル等の各基が
挙げられるが、好ましくはハロゲン原子、特に塩素原子
及びアルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ及びア
リールチオの各基である。
【0025】以下に、本発明のカプラーの代表具体例を
示すが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
【0026】
【化5】
【0027】
【化6】
【0028】
【化7】
【0029】
【化8】
【0030】
【化9】
【0031】次に前記一般式〔I〕および〔II〕で表さ
れる化合物の合成例を示す。
【0032】合成スキーム
【0033】
【化10】
【0034】〔合成例〕例示化合物(II−2)および
(I−1)の合成 (1)中間体−1の合成 36gの原料である、1,2−アミノ−3−カルボエトキ
シ−6−クロロインドール(ヘルベチカ・キミ−・アク
タ(Helv. Chim. Acta)、44、1748(1961)に記載されてい
る方法で合成した)と、29gの1−ブロモ−3,3−ジ
メチル−2−ブタノンを150mlのアセトニトリルに溶解
し、36gの炭酸カリウムの存在下、1時間加熱還流した
後、アセトニトリルを留去して約50gの中間体-1を得
た。中間体-1を精製することなく、直ちに次工程で用い
た。
【0035】(2)例示化合物(II−2)の合成 約34gの未精製の中間体-1を150mlのメタノールに溶解
し、この中に10gのナトリウムメトキシドを含むメタノ
ールを35ml加え、1時間加熱還流した後、反応液を約300
mlの塩酸水溶液に注いだ。この溶液から酢酸エチルを用
いて反応生成物を抽出し、酢酸エチルを留去した後、カ
ラムクロマトグラフィーで精製して、例示化合物(II−
2)を24g(収率75%)得た。尚、例示化合物(II−
2)の構造は、NMR、IR、およびマススペクトルで
確認した。
【0036】(3)例示化合物(I−1)の合成 24gの例示化合物(I−2)を150mlの硫酸水溶液(H2S
O4:H2O=1:1)に懸濁し、100℃で1時間攪拌した後、氷水
に注いだ。この溶液から酢酸エチルを用いて反応生成物
を抽出し、酢酸エチルを留去した後、カラムクロマトグ
ラフィーで精製して、例示化合物(I−1)を12g(収
率66%)得た。例示化合物(I−1)の構造は、NM
R、IR、およびマススペクトルで確認した。
【0037】本発明のカプラーは通常ハロゲン化銀1モ
ル当り1×10-3〜1モル、好ましくは1×10-2〜8×10-1
ルの範囲で用いることができる。
【0038】また本発明の写真用カプラーはマゼンタか
らシアン領域の発色を示すがマゼンタ発色を示すものが
多い。従って、他の種類のマゼンタカプラーと併用する
こともできる。
【0039】本発明のカプラーには、通常の色素形成カ
プラーにおいて用いられる方法および技術が同様に適用
される。
【0040】本発明の写真用カプラーはいかなる発色法
によるカラー写真形成用素材として用いることができる
が、具体的には、外式発色法および内式発色法が挙げら
れる。
【0041】外式発色法として用いられる場合、本発明
のカプラーはアルカリ水溶液あるいは有機溶媒(例えば
アルコール等)に溶解して、現像処理液中に添加し使用
することができる。
【0042】本発明の写真用カプラーを内式発色法によ
るカラー写真形成用素材として用いる場合、本発明のカ
プラーは写真感光材料中に含有させて使用する。
【0043】典型的には、本発明の写真用カプラーをハ
ロゲン化銀乳剤に配合し、該乳剤を支持体上に塗布して
ハロゲン化銀カラー写真感光材料を形成する方法が好ま
しく用いられる。本発明の写真用カプラーは、例えばネ
ガおよびポジフィルム並びにカラー印画紙などのハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料に用いられる。
【0044】前記カラー印画紙を始めとする本発明の写
真用カプラーを用いた感光材料は、単色用のものでも多
色用のものでもよい。多色用感光材料では、本発明のカ
プラーはいかなる層に含有させてもよいが、通常は緑色
感光性ハロゲン化銀乳剤層に含有させる。多色用感光材
料はスペクトルの3原色領域のそれぞれに感光性を有す
る色素画像形成構成単位を有する。各構成単位は、スペ
クトルのある一定領域に対して感光性を有する単層また
は多層乳剤層から成ることができる。画像形成構成単位
の層を含めて感光材料の構成層は、当業界で知られてい
るように種々の順序で配列することができる。典型的な
多色用感光材料は、シアンカプラーを含有する赤感光性
ハロゲン化銀乳剤層からなるシアン色素画像形成構成単
位、マゼンタカプラーを含有する緑感光性ハロゲン化銀
乳剤層からなるマゼンタ色素画像形成構成単位(マゼン
タカプラーの少なくとも1つは本発明のマゼンタカプラ
ーである)、イエローカプラーを含有する青感光性ハロ
ゲン化銀乳剤層からなるイエロー色素画像形成構成単位
を支持体上に担持させたものからなる。
【0045】本発明に使用される感光材料は、追加の層
たとえばフィルター層、中間層、保護層、下塗り層等を
有することができる。本発明の写真用カプラーを乳剤に
含有せしめるには、従来公知の方法に従えばよい。例え
ばトリクレジルホスフェート、ジブチルフタレート等の
沸点が175℃以上の高沸点有機溶媒または酢酸ブチ
ル、プロピオン酸ブチル等の低沸点溶媒のそれぞれ単独
でまたは必要に応じてそれらの混合液に本発明のカプラ
ーを単独でまたは併用して溶解した後、界面活性剤を含
むゼラチン水溶液と混合し、次に高速度回転ミキサーま
たはコロイドミルで乳化した後、ハロゲン化銀に添加し
て本発明に使用するハロゲン化銀乳剤を調整することが
できる。
【0046】本発明の写真用カプラーを用いた感光材料
に好ましく用いられるハロゲン化銀組成としては、塩化
銀、塩臭化銀または塩沃臭化銀がある。また更に、塩化
銀と臭化銀の混合物等の組合せ混合物であってもよい。
即ち、ハロゲン化銀乳剤がカラー用印画紙に用いられる
場合には、特に速い現像性が求められるので、ハロゲン
化銀のハロゲン化銀組成として塩素原子を含むことが好
ましく、少なくとも1%の塩化銀を含有する塩化銀、塩
臭化銀または塩沃臭化銀であることが好ましい。
【0047】ハロゲン化銀乳剤は、常法により化学増感
される。また所望の波長域に光学的に増感できる。ハロ
ゲン化銀乳剤には、感光材料の製造工程、保存中、ある
いは写真処理中のカブリの防止、および/または写真性
能を安定に保つことを目的として、写真業界においてカ
ブリ防止剤または安定剤として知られている化合物を加
えることができる。
【0048】本発明の写真用カプラーを用いたハロゲン
化銀カラー写真感光材料には、通常感光材料に用いられ
る色カブリ防止剤、色素画像安定化剤、紫外線吸収剤、
帯電防止剤、マット剤、界面活性剤等を用いることがで
きる。これらについては例えばリサーチ・ディスクロー
ジャー(Research Disclosure)、176巻、22〜31頁 (1978
年12月) の記載を参考にすることができる。
【0049】本発明の写真用カプラーを用いたハロゲン
化銀カラー写真感光材料は、当業界公知の発色現像処理
を行うことにより画像を形成することができる。
【0050】本発明の写真用カプラーを用いたハロゲン
化銀カラー写真感光材料は、親水性コロイド層中に発色
現像主薬を発色現像主薬そのものとして、あるいはその
プレカーサーとして含有し、アルカリ性の活性化浴によ
り処理することもできる。
【0051】本発明の写真用カプラーを用いたハロゲン
化銀カラー写真感光材料は、発色現像後、漂白処理、定
着処理を施される。漂白処理は定着処理と同時に行って
もよい。
【0052】定着処理の後は、通常は水洗処理が行われ
る。また水洗処理の代替えとして安定化処理を行っても
よいし、両者を併用してもよい。
【0053】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0054】実施例1 ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体上に下記の
各層を支持体側より順次塗設し、緑色感光性カラー感光
材料試料1を作成した。尚、以下の実施例において、化
合物の添加量は特に断わりのない限り1m2当りを示
す。(ハロゲン化銀は銀換算値) 第1層:乳剤層 ゼラチン1.4g、緑感性塩臭化銀乳剤(塩化銀99.
5モル%含有)0.21gおよびジオクチルフタレート
1.35gに溶解した下記比較カプラー(a)5.4×
10-4モルからなる緑感光性乳剤層。
【0055】
【化11】
【0056】第2層:保護層 ゼラチン0.50gを含む保護層。尚、硬膜剤として
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナ
トリウム塩をゼラチン1g当り0.017gになるよう
に添加した。
【0057】次に、試料1において使用した比較カプラ
ー(a)を以下に示す本発明の写真用カプラー(添加量
は比較カプラー(a)と同モル量)に代えた以外は全く
同様にして、本発明の試料2〜8を作成した。各試料に
は硬膜剤、活性剤、防黴剤(2−メチルイソチアゾール
−3−オン及び5−クロロ−2−メチルイソチアゾール
−3−オンの混合物)を添加した。
【0058】上記で得た試料1〜8は、それぞれ常法に
従ってウエッジ露光を与えた後、次の工程で現像処理を
行った。
【0059】処理条件は下記の通りである。
【0060】 処理 工程 時 間 温 度 発色 現像 45秒 35.0±0.3℃ 漂白 定着 45秒 35.0±0.5℃ 安 定 化 90秒 30〜34℃ 乾 燥 60秒 60〜80℃ 〔発色現像液〕 純水 800ml トリエタノールアミン 10g N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 5.0g 臭化カリウム 0.02g 塩化カリウム 2.0g 亜硫酸カリウム 0.3g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.0g エチレンジアミン四酢酸 1.0g カテコール−3,5−ジホスホン酸2ナトリウム 1.0g ジエチレングリコール 10g N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチル−3− メチル−4−アミノアニリン・硫酸塩 4.5g 蛍光増白剤(4、4′−ジアミノスチルベン ジスルホン酸誘導体) 1.0g 炭酸カリウム 27g 水を加えて全量を1lとし、pH10.10に調整する。
【0061】 〔漂白定着液〕 エチレンジアミン四酢酸第2鉄 アンモニウム2水塩 60g エチレンジアミン四酢酸 3.0g チオ硫酸アンモニウム(70%溶液) 100ml 亜硫酸アンモニウム (40%溶液) 27.5ml 水を加えて全量を1lとし、炭酸カリウムまたは氷酢酸でpH=5.7に調 整する。
【0062】 〔安定化液〕 5−クロロ−2−メチル−4− イソチアゾリン−3−オン 0.2g 1、2−ベンツイソチアゾリン−3−オン 0.3g エチレングルコール 1.0g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 2.0g O−フェニルフェノールナトリウム 1.0g エチレンジアミン四酢酸 1.0g 水酸化アンモニウム(20%水溶液) 3.0g 蛍光増白剤(4、4′−ジアミノスチルベン ジスルホン酸誘導体) 1.5g 水を加えて全量を1lとし、硫酸または水酸化カリウムでpH=7.0に調整 する。
【0063】上記で処理された試料1〜8について、濃
度計(コニカ株式会社製KD−7型)を用いて濃度を測
定し、さらに、上記各処理済み試料を高温・高湿(60
℃、80%RH)雰囲気下に14日間放置し、色素画像
の耐熱・耐湿性を調べた。結果を以下に示す。但し、耐
熱・湿性は初濃度1.0に対する耐熱・湿試験後の色素
残留パーセントで表す。また、各試料をキセノンフェー
ドメーターで100時間照射した後、濃度を測定し初濃
度1.0に対する耐光試験後の色素残存率から色素画像
の耐光性を調べた。この結果を以下に示す。
【0064】 色素残存率(%) 試料 No. 使用カプラー 耐熱・耐湿性 耐光性 1 比 較 (a) 87 40 2 本発明 (I−4) 91 62 3 本発明 (I−5) 88 58 4 本発明 (I−7) 92 60 5 本発明 (I−12) 87 57 6 本発明 (I−14) 88 59 7 本発明 (II−3) 88 56 8 本発明 (II−4) 90 61 以上の結果から明らかなように、本発明のカプラーを用
いた試料は、比較カプラーを用いた試料に比べて、耐光
性が大幅に改良され、かつ、耐熱湿性に優れていること
から、堅牢な色素画像が形成されることがわかる。
【0065】実施例2 下引済みのトリアセチルセルロースフィルム支持体上
に、下記の各層を支持体側より順次塗設し、以下に示す
カプラーを含有する緑色感光性カラー反転感光材料(試
料9〜14)を作成した。
【0066】第1層:乳剤層 ゼラチン1.4g、緑感性塩臭化銀乳剤(塩化銀96モ
ル%含有)0.5gおよびジブチルフタレート1.5g
に溶解した以下に示すカプラー7.5×10−4モルか
らなる緑感性乳剤層。
【0067】第2層:保護層 ゼラチン0.5gを含む保護層。尚、硬膜剤として2、
4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリ
ウム塩をゼラチン1g当り0.017gになるように添
加した。
【0068】上記で得た試料は、それぞれ常法に従って
ウエッジ露光を与えた後、次の工程で現像処理を行っ
た。
【0069】〔反転処理工程〕 処理工程 温度 時間 第1現像 38℃ 6分 水 洗 38℃ 2分 反 転 38℃ 2分 発色現像 38℃ 6分 調 整 38℃ 2分 漂 白 38℃ 6分 定 着 38℃ 4分 水 洗 38℃ 4分 安 定 常温 1分 乾 燥 処理液の組成は以下のものを用いる。
【0070】 〔第1現像液〕 テトラポリ燐酸ナトリウム 2.0g 亜硫酸ナトリウム 20.0g ハイドロキノン・モノスルホネート 30.0g 炭酸ナトリウム(1水塩) 30.0g 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン 2.0g 臭化カリウム 2.5g チオシアン酸カリウム 1.2g 沃化カリウム(0.1%溶液) 2ml 水を加えて1000mlにする。
【0071】 〔反 転 液〕 ニトリロトリメチレンホスホン酸・6ナトリウム塩 3.0g 塩化第1スズ(2水塩) 1.0g p−アミノフェノール 0.1g 水酸化ナトリウム 5.0g 氷酢酸 15ml 水を加えて1000mlにする。
【0072】 〔発色現像液〕 テトラポリ燐酸ナトリウム 2.0g 亜硫酸ナトリウム 7.0g 第3燐酸ナトリウム(12水塩) 36.0g 臭化カリウム 1.0g 沃化カリウム(0.1%溶液) 90ml 水酸化ナトリウム 3.0g シトラジン酸 1.5g N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチル−3− メチル−4−アミノアニリン・硫酸塩 11.0g エチレンジアミン 3.0g 水を加えて1000mlにする。
【0073】 〔調 整 液〕 亜硫酸ナトリウム 12.0g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(2水塩) 8.0g チオグリセリン 0.4ml 氷酢酸 3ml 水を加えて1000mlにする。
【0074】 〔漂 白 液〕 エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(2水塩) 2.0g エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム(2水塩) 120.0g 臭化カリウム 100.0g 水を加えて1000mlにする。
【0075】 〔定 着 液〕 チオ硫酸アンモニウム 80.0g 亜硫酸ナトリウム 5.0g 重亜硫酸ナトリウム 5.0g 水を加えて1000mlにする。
【0076】 〔安 定 液〕 ホルマリン(37重量%) 5ml コニダックス(コニカ株式会社製) 5ml 水を加えて1000mlにする。
【0077】上記で処理された各試料について、実施例
1と同様に色素画像の耐光性、耐熱・耐湿性を調べた。
その結果を以下に示す。
【0078】 色素残存率(%) 試料 No. 使用カプラー 耐熱・耐湿性 耐光性 9 比 較 (a) 87 40 10 本発明 (I−8) 91 62 11 本発明 (I−9) 88 58 12 本発明 (I−10) 92 60 13 本発明 (II−7) 87 57 14 本発明 (II−8) 88 59 上記の結果から明らかなように、本発明のカプラーを用
いた試料は、比較カプラーを用いた試料に比べて、いず
れも色素残存率が高く、耐熱湿性および耐光性に優れて
おり堅牢であることがわかる。
【0079】実施例3 透明ポリエチレンテレフタレートフィルム支持体上に、
支持体1m2当り以下の構成成分からなる熱現像感光材
料を作成した。
【0080】 ベンズトリアゾール銀 0.6g ゼラチン 3.0g 還元剤*1 0.97g 本発明のカプラー(I−1) 1.0g 沃臭化銀(銀換算) 0.45g ポリビニルピロリドン 1.0g ベンズトリアゾール 0.02g 抑制剤*2 0.001g 熱溶剤*3 4.5g
【0081】
【化12】
【0082】上記の感光材料を像様露光後、写真用バラ
イタ紙上にポリ塩化ビニルを塗設して得た受像材料と重
ね合わせて、150℃で1分間熱現像したところ受像材
料上に良好なマゼンタ色の転写画像が得られた。
【0083】この画像を高温、高湿(60℃、80%R
H)雰囲気下で14日間保存したところ、90%色素残
存率を示し、堅牢な色素画像を得られることが分かる。
【0084】
【発明の効果】本発明による写真用カプラーは熱・湿度
および光に起因する色相の変化を起こさない優れた色画
像を得ることができ、熱現像感光材料の色素供与物質と
しても有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−107705(JP,A) 特開 平4−156454(JP,A) 特開 昭58−130339(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 7/38 REGISTRY(STN) CAPLUS(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔I〕で表される写真用カプラ
    ー。 【化1】 〔式中、R、R1およびR2は水素原子、置換基を表し、
    mは0または1〜4の整数を表す。mが2以上の整数の
    とき、複数のRは同じであっても異なっていてもよい。
    Xは水素原子または発色現像主薬の酸化体との反応によ
    り離脱する基を表す。〕
  2. 【請求項2】 一般式〔II〕で表される写真用カプラ
    ー。 【化2】 〔式中、R′、R1′およびR2′は水素原子、置換基を
    表し、m′は0または1〜4の整数を表す。m′が2以
    上の整数のとき、複数のR′は同じであっても異なって
    いてもよい。X′は水素原子または発色現像主薬の酸化
    体との反応により離脱する基を表す。〕
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