JP2781425B2 - 固体撮像装置の製造方法 - Google Patents

固体撮像装置の製造方法

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JP2781425B2 JP1243845A JP24384589A JP2781425B2 JP 2781425 B2 JP2781425 B2 JP 2781425B2 JP 1243845 A JP1243845 A JP 1243845A JP 24384589 A JP24384589 A JP 24384589A JP 2781425 B2 JP2781425 B2 JP 2781425B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はビデオカメラ等に使用される固体撮像装置の
製造方法に関するものである。
従来の技術 CCD固体撮像装置、特にインターライン転送方式CCD固
体撮像装置は、優れた解像度をもち、また高い感度をも
つなど、総合的に特性が優れているため、ビデオカメラ
等に広く使われるようになってきた。
第4図は従来のPN接合フォトダイオードを感光部とし
て用いたインターライン転送方式CCD固体撮像装置の画
素部の断面図である。
第4図において、1つの画素部は感光部(PD)と電荷
読み出し部(CCD)とで構成されている。N形シリコン
基板1の上にはP形ウエル2が形成されている。P形ウ
エル2内の表面付近には隣接する画素間を分離するP形
のチャネルストップ領域3,4が形成されている。これら
のチャネルストップ領域3,4は接地電位に固定されてい
る。P形ウエル2内の一方のチャネルストップ領域3に
隣接して、N形不純物を拡散したN形領域5が形成され
ており、P形ウエル2とN形領域5とで感光部(PD)の
PN接合フォトダイオードが形成される。P形ウエル2内
の他方のチャネルストップ領域4に隣接して、N形不純
物を拡散したN形領域6が形成されている。このN形領
域6は、感光部(PD)で発生した信号電荷を順次転送す
るためのCCD転送チャネルとなる。P形ウエル2の表面
全域は二酸化シリコン膜7で覆われている。二酸化シリ
コン膜7内に多結晶シリコン電極8が埋め込まれてい
る。この多結晶シリコン電極8は、フォトダイオードで
あるN形領域5からCCD転送チャネルであるN形領域6
へ信号電荷を読み出すための読み出しゲートと、CCD転
送ゲートとを兼ねている。二酸化シリコン膜7の表面に
は、フォトダイオード以外への入射光を遮光するための
アルミニウム膜9が形成されている。過剰電荷をN形シ
リコン基板1にオーバーフローさせるために、バイアス
源10によってN形シリコン基板1にP形ウエル2に対し
て逆のバイアス電圧が印加されている[この技術自体
は、例えばアイエスエスシーシー・ダイジェスト・テク
ニカルペーパーズ(ISSCC・Digest・Technical Paper
s)P.168〜169,1982に示されている。] なお、第4図にはCCD固体撮像装置の1画素分のみを
示したが、実際には多数の感光部(PD)および電荷読み
出し部(CCD)が紙面と直交する方向に一列に並んでお
り、更に二次元の固体撮像装置においては、そのような
感光部(PD)列および電荷読み出し部(CCD)列が紙面
に沿った方向に多数列配置されている。
以上のような構成において、外部からの光が、アルミ
ニウム膜9で覆われていない部分から二酸化シリコン膜
7を通してフォトダイオードへ入射すると、フォトダイ
オードを構成するN形領域5又はP形ウエル2の付近に
電荷が生成される。これらの電荷は、多結晶シリコン電
極8に読み出し電位を与えることによりCCD側のN形領
域6内に読み出され、さらに紙面と直交する方向に並ん
だ多数の多結晶シリコン電極8に転送用の高電位と低電
位を交互に与えることによりCCD転送チャネルであるN
形領域6内に蓄積された電荷が、順次、紙面と直交する
方向に転送される。
発明が解決しようとする課題 ところで、第4図に示した従来のCCD固体撮像装置に
おいては、入射光を完全に遮断しても出力成分が観測さ
れる。これは暗電流と呼ばれる一種のノイズ成分であ
る。この暗電流は温度上昇に伴って指数関数的に増大す
ることが知られている。また、発明者らの実験によって
次のようなことも明らかになった。CCD固体撮像装置の
特性のうち重要なものの1つに残像特性がある。残像特
性はフォトダイオードの構造で決まる。そこで、通常、
完全空乏化型と呼ばれる構造のフォトダイオードを用い
て残像を抑制している。ところが、このように残像特性
を向上するために完全空乏化型のフォトダイオードを用
いると暗電流が増大することが判った。
暗電流が増大すると、特に低照度時に、信号電流
(S)に対する暗電流(N)の比率が増大し、いわゆる
S/N比が劣化する。また各フォトダイオードごとに暗電
流の大きさがばらつくと、低照度時や高温時に固定パタ
ーン雑音が増加する。
したがって、CCD固体撮像装置の総合的な特性を高め
るためには、暗電流そのものの抑制と、暗電流のばらつ
きを抑制することが極めて重要である。
本発明の第1の目的は、暗電流を抑制することのでき
る固体撮像装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、複数のフォトダイオード間で
の暗電流のばらつきを抑制することのできる固体撮像装
置を提供することにある。
課題を解決するための手段 本発明は、固体撮像装置の製造方法において、第一導
電型の半導体基板の表面に、感光部を構成する第二導電
型の第一の不純物領域と電荷転送チャネル部を構成する
第二導電型の第二の不純物領域とを形成する工程と、半
導体基板、第一の不純物領域および第二の不純物領域の
表面に第一の絶縁膜を形成する工程と、第一の不純物領
域から第二の不純物領域へ信号電荷を読み出すための読
み出しゲートを、その端部が第一の不純物領域の端部と
重なり合うように第一の絶縁膜の表面に形成する工程
と、読み出しゲートの表面と側面に第二の絶縁膜を形成
する工程と、読み出しゲートと第二の絶縁膜とをマスク
として不純物を添加することにより、第一の不純物領域
の表面に第一導電型の第三の不純物領域を形成する工程
と、第一導電型の不純物領域を読み出しゲート側へ拡散
する工程とを備え読み出しゲートの端部から第三の不純
物領域の接合深さを越える距離だけ離れた位置より不純
物を添加するようにして第三の不純物領域を形成するも
のである。
作用 第二の不純物領域の一端と読み出しゲートの感光部か
ら信号電荷を読み出す側の一端との間に、第二の不純物
領域の接合深さを越える距離のギャップを設けて第二の
不純物領域を形成することにより、残像を悪化させるこ
となく暗電流を大幅に低減することができる。
実施例 第1図は本発明の固体撮像装置の第1の実施例の断面
図であり、第1図においても、第4図と同様に、PN接合
フォトダイオードを感光部として用いたインターライン
転送方式CCD固体撮像装置の画素部のみを示している。
第1図において、第4図に示した従来のCCD固体撮像
装置と実質的に同一機能をもつ部分には同一符号を付し
て説明を省略する。
第1図と第4図を比較すれば明らかなように、第1図
においては、フォトダイオードを構成するN形領域5の
表面にP型の不純物を注入又は拡散したP形領域11を形
成している。P形領域11の一端は多結晶シリコン電極8
の一端から距離l1だけ離れた所に位置しており、P形領
域11の他端はP形のチャネルストップ領域3に接続され
ている。したがってP形領域11はチャネルストップ領域
3を介して接地電位に固定されている。なお、この実施
例においては、P形領域11の接合深さは0.5μm,表面濃
度2×1018/cm3である。
暗電流の発生原因はいくつか考えられるが、発明者ら
の実験の結果、シリコン基板とその表面の二酸化シリコ
ン膜の界面に発生する空乏化領域が、暗電流の主な発生
場所であることがわかった。前述のように、残像特性を
向上するために完全空乏化型のフォトダイオードを用い
ると暗電流が増大する、ということからも、基板と二酸
化シリコン膜の界面における空乏化領域が、暗電流成分
生成の支配的因子であることがわかる。
すなわち、第4図に示した従来のCCD固体撮像装置に
おいては、空乏化領域が、P形ウエル2とN形領域5の
界面、およびN形領域5と二酸化シリコン膜7の界面に
発生する。このうち、特にN形領域5と二酸化シリコン
膜7の界面に発生する空乏化領域は、その界面に存在す
る界面準位を空乏化し、エレクトロンを発生させやすく
する。このエレクトロンによる発生電流が暗電流成分の
主なものとなる。しかも半導体処理プロセスにおけるプ
ラズマ処理やイオン処理工程でのダメージや静電気破壊
によって、N形領域5と二酸化シリコン膜7の界面準位
密度が増加し、また温度上昇に伴い界面準位密度が指数
関数的に増加するため、暗電流成分は必然的に大きくな
る。
そこで、第1図に示す本発明の第1の実施例において
は、界面準位の発生する部分、すなわちN形領域5と二
酸化シリコン膜7の界面にP形領域11を形成し、このP
形領域11をP形のチャネルストップ領域3を介して接地
電位に固定している。
第2図(a)は第1図のA−A線にそったポテンシャ
ルプロファイルを示したものである。二酸化シリコン膜
7の直下には、第2図にXで模式的に示すような界面準
位12が発生する。一方、第2図(b)は第4図のA−A
線にそったポテンシャルプロファイルを示したものであ
る。第4図に示した従来の構造においては、二酸化シリ
コン膜7の直下がN形領域5であったため、ポテンシャ
ルプロファイルは、第2図(b)にバンドレベル13で示
すように、N形領域5のポテンシャルが二酸化シリコン
膜7の界面までフラットに続く。このため界面準位12か
ら発生したエレクトロンがN形領域5に流れ込み、これ
が暗電流の発生原因になる。ところが、第1図に示す本
発明の第1の実施例の構造によれば、N形領域5の表面
にP形領域11が埋込まれ、このP形領域11が接地電位に
固定されている。このためポテンシャルプロファイルに
は、第2図(a)に太い実線で示すように、P形領域11
で0Vに固定される。その結果、界面準位で発生したエレ
クトロンがP形領域11および界面準位12を介してホール
と再結合して消滅する。このため界面準位で発生したエ
レクトロンがN形領域5に流れ込むことはなくなり、暗
電流が大幅に抑制される。
なお、暗電流を抑制するためには、N形領域5の表面
全域にP形領域11を埋込むことが望ましい。このように
すれば、第1図にl1で示す領域における界面準位の影響
をも抑えることができる。しかしながら、l1を0.5μm
程度、すなわちl1をP形領域11の接合深さ程度にする
と、P形不純物が多結晶シリコン電極8の下部近くまで
拡散し、信号電荷の読み出し動作時のポテンシャル分布
に影響を与えることがある。このため、信号電荷の取り
残しによる残像が発生しやすくなる。したがって、l1
フォトダイオードの形状,N形領域5の不純物分布等を考
慮して決める必要があり、経験によると、P形領域11の
接合深さを超える距離(寸幅)が適当である。第1図の
実施例では、l1を0.8μm,N形領域5の表面の約80%にP
形領域11を形成した。このとき、暗電流は従来の約25%
に減少した。
なお、第1図の実施例ではP形領域11の不純物納度を
2×1018/cm3としたが、発明者らの実験によれば、P形
領域11の不純物濃度を1017オーダーとしたときは安定性
が悪く、1018オーダー以上にすると、通常動作時での界
面の空乏化を防ぎ、安定に暗電流を抑制することができ
た。
第1図に示した本発明の第1の実施例においては、CC
D側の読み出しゲート部、すなわちN形領域6,多結晶シ
リコン電極8等の構造は、従来と同一構造でよい。この
ため、残像その他の信号読み出し機能に関連する特性は
全く変化しない。したがってCCD固体撮像装置に接続さ
れる外部回路等の変更も不要である。
ところで、第1図,第2図の実施例では、暗電流その
ものを抑制することを意図したが、現実には多数の画素
間で暗電流成分の大きさがばらつくことがあり、この暗
電流ムラによってCCDの雑音が増えたり、あるいはダイ
ナミックレンジが狭くなり、低照度あるいは高温時に画
面全体がスリガラスを通したようにざらつく現象が起こ
る。
また、第1図の実施例に関連して述べたように、多結
晶シリコン電極8とP形領域11の距離l1を短くすれば暗
電流は減少するが、多結晶シリコン電極8とN形領域5
のオーバーラップ部のポテンシャル分布がP形領域11の
影響により高くなる。このため、読み出し動作時に信号
電荷の取り残しによる残像が発生しやすくなる。
このような暗電流のばらつきを抑え、また残像特性を
改善するためには、多結晶シリコン電極8に対するP形
領域11の正確な位置制御が極めて重要となる。
第3図(a)〜(c)は本発明の第2の実施例、すな
わち多結晶シリコン電極8に対するP形領域11の正確な
位置制御を可能にする固体撮像装置の製造方法を工程順
に示す断面図であり、第1図と実質的に同一の部分には
同一符号を付している。
以下、第3図(a)〜(c)にそってその製造方法を
説明する。
まず、第3図(a)に示すように、二酸化シリコン膜
7の上に多結晶シリコン電極8を形成する。その後、多
結晶シリコン電極8を酸化し、0.5μmを超える膜厚の
二酸化シリコン膜7を多結晶シリコン電極8の表面およ
び側面に形成する[第3図(b)]。次いで第3図
(c)に示すように、二酸化シリコン膜7の表面から基
板表面に向けてボロン(B+)イオンを注入する。第3図
(c)において、ボロンイオンは二酸化シリコン膜7を
通して注入されるが、多結晶シリコン電極8の側面は二
酸化シリコン膜が厚く、したがって多結晶シリコン電極
8とその側面の二酸化シリコン膜7がイオン注入時のマ
スクとして働く。このため、多結晶シリコン電極8から
ほぼ第3図(b)で成長した二酸化シリコン膜7の膜厚
分だけ離れた位置までボロンイオンが注入される。その
後、900℃、約1時間の熱処理により、ボロンイオンの
不純物を多結晶シリコン電極8側へ拡散させる。
このように、第3図に示す本発明の第2の実施例にお
いて注目すべき特徴は、多結晶シリコン電極8の端部を
基準とする自己整合によってP形領域11の正確な位置制
御が可能となる点である。すなわち、第3図(b)にお
いて、多結晶シリコン電極8の側面における二酸化シリ
コン膜7の膜厚は正確にコントロールできる。また第3
図(c)において、これらの多結晶シリコン電極8,二酸
化シリコン膜7をマスクとしてボロンイオンが注入され
るため、P形領域11の形状も正確にコントロールでき
る。
なお、以上の実施例では基板としてP形ウエル2を用
いている。エピタキシャル成長で形成されるP形ウエル
2を基板として用いることにより、ブルーミングやスミ
ア現象を抑え、さらには分光感度を人間の目の感度に近
付けることができる等の効果が得られる。
また、以上の実施例では、過剰電荷をN形シリコン基
板1にオーバーフローさせるものについて説明したが、
過剰電荷を基板表面に形成したドレインに掃き出す方式
のものでも同様の効果が得られる。
さらに、以上いずれの実施例においてもN形シリコン
基板1を用いたが、P形シリコン基板上に形成してもよ
いことは言うまでもない。
また、CCD以外の方式の固体撮像装置に応用しても同
様の効果が得られる。
発明の効果 本発明は、PN接合フォトダイオードを構成する一導電
型の不純物領域の主表面のうち、電荷読み出し部側の一
部を除く領域に、逆導電型の不純物領域を形成したもの
である。このように一導電型の不純物領域の主平面に逆
導電型の不純物領域を形成すれば、半導体基板とその表
面の二酸化シリコン膜との界面に発生する界面準位を低
減することができ、その結果、残像特性を悪化させずに
暗電流の発生を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例における固体撮像装置の
1画素分の断面図、第2図(a)は第1図のA−A線に
そったポテンシャルプロファイルを示す図、第2図
(b)は第4図のA−A線にそったポテンシャルプロフ
ァイルを示す図、第3図(a)〜(c)は本発明の第2
の実施例における固体撮像装置の製造方法を工程順に示
す断面図、第4図は従来の固体撮像装置の1画素分の断
面図である。 1……N形シリコン基板、2……P形ウエル、3,4……
P形チャネルストップ領域、5,6……N形領域、7……
二酸化シリコン膜、8……多結晶シリコン電極、9……
アルミニウム膜、10……バイアス源、11……P形領域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広島 義光 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 子工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−145865(JP,A) 特開 平1−232761(JP,A) 特開 平1−135184(JP,A) 1986年テレビジョン学会 全国大会講 演予稿集 P.67−68

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一導電型の半導体基板の表面に、感光部
    を構成する第二導電型の第一の不純物領域と電荷転送チ
    ャネル部を構成する第二導電型の第二の不純物領域とを
    形成する工程と、前記半導体基板、前記第一の不純物領
    域および前記第二の不純物領域の表面に第一の絶縁膜を
    形成する工程と、前記第一の不純物領域から前記第二の
    不純物領域へ信号電荷を読み出すための読み出しゲート
    を、該読み出しゲートの端部が前記第一の不純物領域の
    端部と重なり合うように前記第一の絶縁膜の表面に形成
    する工程と、前記読み出しゲートの表面と側面に第二の
    絶縁膜を形成する工程と、前記読み出しゲートと前記第
    二の絶縁膜とをマスクとして不純物を添加することによ
    り、前記第一の不純物領域の表面に第一導電型の第三の
    不純物領域を形成する工程と、前記第一導電型の不純物
    領域を前記読み出しゲート側へ拡散する工程とを備えた
    固体撮像装置の製造方法であって、前記読み出しゲート
    の端部から前記第三の不純物領域の接合深さを越える距
    離だけ離れた位置より不純物を添加するようにして前記
    第三の不純物領域を形成することを特徴とする固体撮像
    装置の製造方法。
  2. 【請求項2】第三の不純物領域の不純物濃度を1×1018
    /cm3以上としたことを特徴とする請求項1記載の固体撮
    像装置の製造方法。
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