JP2776534B2 - インスタント写真装置 - Google Patents

インスタント写真装置

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JP2776534B2
JP2776534B2 JP1045306A JP4530689A JP2776534B2 JP 2776534 B2 JP2776534 B2 JP 2776534B2 JP 1045306 A JP1045306 A JP 1045306A JP 4530689 A JP4530689 A JP 4530689A JP 2776534 B2 JP2776534 B2 JP 2776534B2
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    • G03D9/00Diffusion development apparatus
    • G03D9/02Diffusion development apparatus using rupturable ampoules of liquid

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Photographic Developing Apparatuses (AREA)
  • Cameras Adapted For Combination With Other Photographic Or Optical Apparatuses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ロール状の感光性帯状材を1枚ずつ切り
離して感光性シートを形成し、この感光性シートと現像
剤を封入したポツドと受像シートとを重ね合わせ、ポツ
ドを開裂させて感光性シートに形成された潜像を受像シ
ートに転写して顕像化するピールアパート方式のインス
タント写真装置に係り、特に、ネガフィルムの後端の検
知およびその検知状態に応じて異なる制御を行うことに
特徴のあるインスタント写真装置に関する。
〔従来の技術〕
この種のピールアパート式インスタント写真フィルム
を用いるインスタント写真装置は、ロール状の感光性帯
状材(以下、ネガフィルムと称する)を露光位置まで引
き出して露光し、所定長さにネガフィルムを切断するこ
とにより形成された感光性シート(以下、ネガシートと
称する)と、所定位置からタイミングをとって搬送され
る受像シート(以下、ポジシートと称する)とを、現像
剤が封入されたポツドを挟んで重ね合わせ、ローラ圧で
ポッドの封止部を開裂させて現像剤を両者間に均等に延
展し、ネガシートに形成された潜像を現像するとともに
ポジシートにその潜像を転写することによって画像を形
成するようになっている。
現像部についてさらに説明すると、現像剤は上記のよ
うにネガ、ホジ両シート間で均一に延展される必要があ
る。そのため、現像は現像ローラと呼ばれる微小間隔を
もったローラ対間をネガ、ポジ両シートを通すことによ
って行われる。そこで、ポジシート後端部まで充分に現
像剤を行き渡らせるためには、画像形成に必要な量以上
の現像剤が必要であり、余分な現像剤はシート後端部で
溜めるようにしている。これにより、現像剤がシートか
らはみ出して複写機内を汚すことのないよう意図されて
いる。また、ネガシートは最終枚のシートをジャムなく
機外に排出するため、実際に設定された枚数、例えば36
枚分のネガシートの長さよりも搬送に要する長さだけ長
く形成されている。
一方、ロール状の酸化亜鉛感光紙を用いたエレクトロ
ファックス機において、上記ロール状感光紙の終端部に
マーキングを施し、このマーキングを検出することによ
ってロール状感光紙の終端を検出するとともに、そのロ
ール状感光紙を切断せずに加圧されたローラ対によって
そのまま機外に排出することは公知である。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、このエレクトロファックス機のロール感光紙
排出方式をそのままインスタント写真装置に適用する
と、マーキング位置が最終端であるため、予めどのくら
いの長さ残っているかという判断ができないので、前述
の切断手段によって切断したネガフィルムが作像のため
に設定された1シート分の長さよりも短い場合には、ネ
ガシートとポジシートの後端から、両シートに挟まれて
延展される現像剤がはみ出し、現像ローラに付着するこ
とになる。この結果、現像ローラを含む機内を汚すとと
もに、現像ローラの真円度を損ない、形成した画像に濃
度むら等の悪影響を及ぼしたり、現像ローラからさらに
機内の機器に付着してトラブルの原因になるという問題
が生じる。
また、ジャムによって予め設定された位置に作像され
ず、作像位置が後ろにずれたときなどは、最終枚のネガ
フィルムが途中で切断されることがあり、この場合に
は、、完全な画像形成ができないにもかかわらず、この
切断されたネガフィルムをもとにポジシートおよびポッ
ドが消費されることから、ネガフィルム、ポジシートお
よび現像剤の浪費を招き、不経済である。なお、上記の
ように、予め設定された作像枚数よりも長くネガフィル
ムを形成すると、全ての作像が完全に予め設定された位
置で行われたときには、その余分に長くした部分が無駄
になり、不経済である。これは、ネガフィルムが銀塩を
用いていることから、余分なコストがかかることを意味
している。
さらには、ネガフィルムの最終枚が途中で切断され、
切断部からネガフィルムの最終端まで切断手段を挟んで
配置された搬送ローラ間の間隔よりも短い場合には、切
断部から最終端側のネガフィルムの搬送ができなくな
り、機内でジャムを生じ、その度に複写機を開いてネガ
フィルムを取り出す必要があり、使用性が悪いという問
題を生じる。
加えて、上記のように切断すると、ネガフィルムに作
像できない部分が生じ、コストの高いネガフィルムを無
駄にすることになり、ランニングコストが高くなる。ま
た、上記のように予めネガフィルムを搬送のために長く
し、その長くした部分に識別のためマーキングを施した
場合には、ジャムが生じて作像領域がずれたときに、そ
の作像領域とマーキングの位置が重複することがあり、
折角作像したとしてもマーキング位置の像が欠け、完全
なポジ画像を得ることができなくなるという問題があっ
た。
この発明は、上記のような従来技術の実情に鑑みてな
されたもので、その第1の目的は、現像剤によって機内
が汚損されることのないインスタント写真装置を提供す
ることにある。
その第2の目的は、ネガフィルムを有効に使用でき、
ランニングコストの低減を図ることのできるインスタン
ト写真装置を提供することにある。
その第3の目的は、ポジシートおよび現像剤を無駄に
することのないインスタント写真装置を提供することに
ある。
最後に、その第4の目的は、機内でジャムを生じる虞
がなく、使用性に優れたインスタント写真装置を提供す
ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記第1の目的は、ネガフィルムへの露光手段と、露
光したネガフィルムを1枚ずつシート状のネガシートに
切断する切断手段と、ネガシートを搬送する搬送手段
と、現像剤が封入されたポツドを供給するポツド供給手
段と、ポジシートを搬送する搬送手段と、現像ローラ対
とを備え、上記露光手段により潜像が形成されたネガシ
ートの潜像形成面とポジシートの受像面とを合わせて現
像ローラ対間を通すことにより両シート間でポツドを開
裂させ、ポツド中の現像剤を延展させてネガシートの潜
像形成面に形成された潜像を発色させ、その発色剤をポ
ジシート上に転写して画像を形成するインスタント写真
装置において、上記ロール性感光性帯状材の最終端部か
ら予め設定された距離離れた位置にマーキングを施すと
ともに、上記マーキングを検出する検出手段と、この検
出手段によってネガフィルムの搬送中に上記マーキング
を検出したときは上記切断手段に切断不可を指示して非
切断のままネガフィルムを排出させ、さらにその検出時
に検出したマーキング位置からネガフィルム後端までの
距離を加えても画像形成長さに満たないときには上記現
像ローラ対を互いに離間させる制御手段とを設けた第1
の手段によって達成される。
また、上記第1の目的は、上記ロール状ネガフィルム
の最終端部から予め設定された距離離れた位置にマーキ
ングを施すとともに、ネガフィルムを露光手段側に引き
出す引き出しローラ対と、この引き出しローラ対の近傍
に設けられる上記マーキングを検出する検出手段と、こ
の検出手段によりマーキングを検出したときに上記ネガ
フィルム先端から上記マーキングまでの通過時間をカウ
ントするカウント手段と、このカウント手段のカウント
結果により、ロール状のネガフィルムの収納容器内に残
存するネガフィルムの長さを演算する演算手段と、この
演算手段の演算結果により、残存した長さが画像形成長
さに足りる場合には複写動作を行わせ、画像形成長さに
足りない場合にはネガシートおよびポジシートを現像ロ
ーラ対を離間させた状態で搬送し、排出させる制御手段
とを設けてなる第2の手段によっても達成される。
さらに、上記第1の目的は、上記現像ローラ対の離間
量を、ネガシートおよびポジシートが現像ローラ対間を
通過した時に両シート間に位置するポツドが潰れない距
離以上に設定する第3の手段によって確実に達成され
る。
上記第2の目的は、上記ロール状ネガフィルムの後端
に可撓性帯部材を貼付して両者の境界によってマーキン
グを形成するとともに、上記可撓性部材を検出可能な検
出手段と、この検出手段の検出結果により、ロール状の
ネガフィルムの最終画像形成域を検知する検知手段とを
設けてなる第4の手段によって、あるいは上記ロール状
ネガフィルムの最終端部から予め設定された距離離れた
位置であって、潜像形成領域外にマーキングを施こした
第5の手段によっても達成される。
上記第3の目的は、上記第1の手段によって、あるい
は、上記第2の手段によって、さらには第3の手段によ
って達成される。
上記第1、2、3および4の目的は、第1、2、4お
よび5の手段に加重して、ネガフィルムもしくはネガフ
ィルムに貼付した可撓性帯状部材の最終端からマーキン
グまでの距離を、ネガフィルム搬送経路に配設された搬
送ローラの最長ローラ間距離よりも長く設定した第6の
手段によって達成される。
〔作用〕
上記第1の手段によれば、検出手段によってネガフィ
ルムの搬送中に上記マーキングを検出したときは、切断
手段に切断不可を指示して非切断のままネガフィルムを
排出させるので、ポッドがポジシートとの間で開裂して
もネガシートの後端から現像剤が機内に漏出する虞はな
い。さらにその検出時に検出したマーキング位置からネ
ガフィルム後端までの距離を加えても画像形成長さに満
たないときには現像ローラ対を互いに離間させるので、
ネガシートが短い状態でポッドが開裂することがなく、
現像剤が機内に漏出する虞はない。また、最終枚のとき
に検出したマーキング位置からネガフィルム後端までの
距離を加えても画像形成長さに満たないときには現像ロ
ーラ対を互いに離間させるので、1枚分の画像が形成さ
れないときには、ポジシートおよび現像剤を封入したポ
ッドが浪費されず、ポジシートおよび現像剤を無駄にす
ることがない。
上記第2の手段によれば、マーキングの検出手段によ
ってマーキングを検出したときに上ネガフィルムの先端
からマーキング個所までの通過時間をカウント手段によ
ってカウントし、そのカウント結果により、ロール状の
ネガフィルムの収納容器内に残存するネガフィルムの長
さを演算手段によって演算し、その演算結果により、残
存した長さが画像形成長さに足りる場合には複写動作を
行わせ、画像形成長さに足りない場合にはネガシートお
よびポジシートを現像ローラ対を離間させた状態で搬送
して排出させるので、ネガシートが短い状態でポッドが
開裂することがなく、現像剤が機内に漏出する虞はな
い。また、ネガシートが画像形成長さに足りない場合に
は、ネガシートとポジシート間でポッドを開裂させない
ので、ポジシートおよび現像剤を無駄にすることはな
い。
上記第3の手段によれば、1対の現像ローラ間の離間
距離がポッドが潰れない距離に設定されているので、確
実にパッドの開裂を防ぐことができ、現像剤の漏出を防
止することができるとともに、ポジシートおよび現像剤
の浪費を防ぐことができる。
上記第4の手段によれば、ネガフィルムの後端に可撓
性の部材を貼付し、両者の接続部分をマーキングに利用
するとともに、画像形成に利用できない部分を予め上記
可撓性の部材で置き換えてあるので、ネガフィルムの無
駄がなくなり、最後まで有効に使用することができる。
上記第5の手段によれば、ネガフィルムの画像形成領
域外であって、ネガフィルムの後端から予め設定された
距離はなれた位置にマーキングが施されているので、マ
ーキングによって画像形成が阻害される虞はなく、ネガ
フィルムの有効利用が図れる。
上記第6の手段によれば、第1,2,4および5の手段に
よる作用に加えて、ネガフィルムの最終端からマーキン
グまでの距離が、ネガフィルムの搬送経路に設けられた
搬送ローラ対の最長ローラ間距離よりも長く設定されて
いるので、最終枚で切断されたとしても、切断手段より
ネガフィルム搬送方向上流側に残ったネガフィルム、あ
るいはネガフィルムと可撓性帯状材は必ず隣接する搬送
ローラ間を間違いなく受け渡され、順次搬送方向下流側
の搬送ローラに挾持されて搬送される。これにより、機
内でのジャムを未然に防止できる。
〔実施例〕
(第1の実施例) <複写機の全体的構成> 以下、この発明の第1の実施例を図面を参照して説明
する。
第1図はピールアパート方式のインスタント写真装置
の全体構成図である。
同図において、インスタント写真装置は、原稿面を走
査しながら照明光を照射し、所定の位置(露光面)に結
像させる光学系ユニット1と、上記所定位置にネガシー
トを搬送、露光させ、さらにポジシートと位置合わせし
て重ね、その間に現像剤を延展させ、ポジシートに画像
を転写・形成する搬送ユニット2によって構成される。
以下、インスタント写真装置の内部構造の概略につい
て説明する。
光学系ユニット1は、コンタクトガラス3と、第1ミ
ラーおよび光源からなる第1走行体4と、第2ミラーお
よび第3ミラーからなる第2走行体5と、レンズ6、第
4ミラーおよび第5ミラーからなる第3走行体7と、第
6ミラー10等とによって構成されている。第1走行体4
に配された光源には螢光灯(色再現を良好にするために
演色用等が望ましい)が用いられ、コンタクトガラス3
上に下向きにおかれた原稿をコンタクトガラス3と平行
に走査しながら照射する。第2走行体5は第1走行体4
の1/2の速度で同方向に走査され、原稿面から露光面ま
での光路長を一定に保つ。また、変倍時の倍率および共
役長の調整は、レンズ6および第3走行体7の移動によ
って行う。原稿反射光は第1、第2および第3ミラーで
反射され、さらにレンズ6、第4、第5および第6ミラ
ーを経て露光位置Aでスリット露光される。
搬送ユニット2はネガフィルム64の繰り出し部18、繰
り出されたネガフィルム64を切断するカッタ部20、ネガ
シート搬送・露光部21、ポジシート搬送部50、および現
像部60から基本的に構成されている。
繰り出し部18は、後述の遮光容器63のネガフィルム64
の排出口63aに沿って配設された1対の引き出しローラ1
8a,18bとからなり、さらにそのネガフィルム搬送方向下
流側にカッタ部20が設けられている。このカッタ部20
は、固定刃20bとこれに対向して設けられた回転刃20aと
からなり、ネガフィルム64を後述するCPU110からの指令
により、予め設定されたシート長に切断するものであ
る。
ネガシート搬送・露光部21は、スリット領域の全域に
わたりフラット面に形成された露光部Aと、中間ローラ
対27と、大径のローラ28と、ガイド板31a,31bと、これ
らのガイド板31a,31bのネガフィルム64搬送方向の前後
に設けられた二つのローラ対26,52とから主に構成さ
れ、中間ローラ対27から大径のローラ28の外周およびガ
イド板31a,31bに沿ってネガフィルム64の搬送路が形成
されている。
ポジシート搬送部50は、機内から機外に突出して設け
られ、ポジシート14が初期状態において載置される下ガ
イド板35と、下ガイド板35の機内先端から現像部60まで
延設されたポジシート14のガイド板36a,36bと、2枚の
ガイド板36a,36bに挟まれる空間に突出し、ポジシート1
4を搬送する挿入ローラ対38とから主に構成されてい
る。
現像部60は、1対の現像ローラ30a,30bと、現像ロー
ラ30bを支持するとともに、カム45の動作に応じてピン5
4の回りで回動し、現像ローラ30bを対向する現像ローラ
30aに対して近接・離反動作させるアーム46とから主に
構成されている。
<インスタント写真フィルムの概略> 動作および構造の詳細について説明する前に、使用さ
れるネガフィルム64およびポジシート14の概略について
述べる。第2図および第3図はそれぞれネガフィルム64
およびネガシート11の斜視図、第3図はポジシート14の
斜視図である。
本装置に使用されるインスタント写真フィルムはネガ
フィルム64、ポジシート(印画紙)14および現像剤が封
入されたパック(以下、ポッド15と称する)とからなっ
ている。ネガフィルム64は前記光学系ユニット1により
露光され、潜像が形成される。その後、潜像が形成され
たネガフィルム64はその1枚の潜像形成面分がカッタ部
20で切断され、ネガシート11となる。次いで、ネガシー
ト11の潜像形成面とポジシート14の受像面とが合わさ
れ、その合わされた状態で現像ローラ30a,30b対間を通
過する。この通過時に現像ローラ30a,30bのローラ圧に
より、ポジシート14の先端に予め貼り付けてあったポッ
ド15の後端が開裂し、現像剤がポッド15の中から流出
し、現像ローラ30a,30bによってポジシート14およびネ
ガシート11間に均等に延典される。この現像剤の延展に
よって現像が開始され、数十秒間でネガシート11が発色
し、ポジシート14上に発色剤が転写される。転写後、ネ
ガシート11をポジシート14から剥がすと、ポジのカラー
画像がポジシート14上に得られる。
ネガフィルム64は長尺のもので、潜像形成面を内側に
してロール状に巻回され、感光性を有するため、遮光容
器63内に収納され遮光される。そして、作像の都度、引
き出しローラ18a,18bによって上記ネガフィルム64の端
部を一定長引き出し、第2図の1点鎖線で示す作像領域
73にわたって露光と潜像の形成を行ない、上記のように
カッタ部20でシート状に切断してネガシート11を形成す
る。
ポジシート14は必要とされる受像面積に形成されて第
3図に示すようにキャリアシート13上に貼付されてい
る。この貼り付けは、受像面が外側にくるように剥離可
能に行われている。この場合、キャリアシート13と同面
積の受像用ポジシート14を使用すれば、キャリアシート
13を不要にできるが、ポジシート14が薄いとき、あるい
は透明なポジシート14を用いたときには、現像処理中に
シート裏面側から室内光が侵入し、かぶり現象が生じ
る。これを防ぐには遮光部材をポジシート14に付加する
必要がある。したがって、キャリアシート13はこの遮光
部材としての役割を担っている。
キャリアシート13はポジシート14に比べて若干大きめ
で、先端部、両側部、後端部ともに余裕長C,D,Eが設け
られ、キャリアシート13の搬送方向最上流側にあたる先
端部には、上記のポッド15が貼付されている。これによ
り、この実施例の場合、キャリアシート13がポッド15の
供給手段を構成している。前述のポッド15の開裂部はポ
ッド15の搬送方向最下流側にあたる後端部Bに形成され
ているので、ポッド15の長手方向の全長にわたって現像
剤が延展しにくい。また、ポッド15が開裂した後、現像
剤がポジシート14の両サイドまで延展するには多少の助
走距離が必要となる。したがって、この助走距離間はポ
ジシート14の全幅にわたって良好な画像形成、すなわ
ち、ネガシート11からの画像転写が行えないため、第3
図Cに示す助走距離分ずらして画像形成を行う。ポッド
15に封入される現像剤はポジシート14の後端部まで十分
にいきわたるように画像形成に必要な量よりも多く内包
される。余分な現像剤はネガ、ホジ両シート11,14間の
後端部(図中D,D′に相当)に溜められ、両シート11,14
間からはみ出して現像ローラ30a,30b等に付着するのを
防止する。
<搬送ユニット> 引き続き搬送ユニット2の詳細をその動作とともに説
明する。
搬送ユニット2は大略上記のように構成され、遮光容
器63内にロール状に巻回されて収納されたポジシートと
同じ幅のネガフィルム64は、引き出しローラ18a,18bに
挾持され、両者の回転により露光部Aを経て中間ローラ
対27側に搬送される。
搬送されたネガフィルム64の先端がセンサ25により検
出されたとき、あるいはその一定時間後、第1走行体4
および第2走行体5が走査し、ガイド板24上の露光部A
で露光され、潜像が形成される。
露光部Aはスリット領域にわたりフラット面に形成さ
れ、引き出しローラ対18および中間ローラ対27のニップ
高さと同一もしくはそれより高く設けられる。中間ロー
ラ対27の周速は引き出しローラ対18の周速よりも若干速
く設定されるとともに、引き出しローラ対18のコロには
オーバーラン機構が設けられている。
上記のように構成することにより、ネガフィルム64は
露光部A上で引っ張り気味に搬送され、かつ、ガイド板
24上に密着させながら搬送される。これにより、ネガフ
ィルム面までの光路長と搬送速度とが一定に保たれる。
一定長露光され、潜像が形成されたネガフィルム64
は、一旦停止され、その後、回転刃20aが固定刃20bに接
触しながら回転することにより、シート状に切断され
る。この停止タイミングは、センサ25がネガフィルム64
の先端を検知してからの時間tをカウントすることによ
り求められる。
変倍により光学系の走査速度は変化するが、ネガフィ
ルム64の搬送速度は一定であるため、ネガフィルム64の
先端検知から一定時間t後にネガフィルム64の搬送を停
止させ、カットを行えば一定長さのネガシート11が得ら
れる。このため、切断されたネガシート11の後端部は少
なくとも露光位置Aから固定刃20bの先端までの距離以
上は潜像形成が行えない。しかし、この距離が後述する
ポジシート14上に転写される画像部後端までの距離(第
3図中のD)よりも小さくなるように露光位置Aと回転
刃20aおよび固定刃20bを配置させれば、いずれにしても
画像形成が不必要な領域であるから、ネガフィルム64の
浪費(不要長さ以上のカット)を防ぐことができ、上記
不具合を解消することができる。
同様に、切断されたネガシート11の先端部は少なくと
もセンサ25による検出位置から露光位置Aまでの距離以
上は潜像形成は行えないが、この距離がネガシート11の
先端部からネガシート11上に作像される潜像部先端まで
の距離(第2図中のC′)よりも小さくなるように露光
位置Aとセンサ25を配置させれば、ネガフィルム64の浪
費を防ぐことができる。さらに、上記の方式では、露光
が完全に終了したあとに、ネガフィルム64を切断するた
めに、露光中に切断すると、その切断の衝撃等によっ
て、搬送速度が変化するのを防止することができる。
切断されたネガシート11は、ローラ28、ガイド板29に
よって約180度方向転換された後、ローラ対26によっ
て、その先端が回転を停止しているローラ対52に当接す
るまで搬送される。以上のネガフィルム64およびネガシ
ート11の搬送、露光、切断はインスタント写真装置の外
装等によって外光を遮断して形成される機内の暗所で処
理される。
ポジシート14の搬送は、上記ネガフィルム64の搬送
(露光、切断)に先立って行われる。ポジシート14はネ
ガシート11とは異なり、感光性がないため機外から直接
挿入できる。この実施例の場合には、ポジシート14はキ
ャリアシート13とともに第1図において、本体右下の下
ガイド板35に沿って左側に1枚ずつ手差しで挿入され
る。このため、給紙装置、分離装置および給紙カセット
等が不要になり、装置自体を安価でコンパクトに形成す
ることができる。
第1図に示すように、キャリアシート13とポジシート
14を下ガイド板35および図示しない両サイドのガイドに
沿って、機内に挿入し、キャリアシート13の先端が前記
挿入ローラ対38の直前に設けられているセンサ37によっ
て検出されると、挿入ローラ対38が回転を開始する。こ
の挿入ローラ対38のコロは、キャリアシート13の先端に
貼り付けたポッド15を潰さないように、ポッド15よりも
外側に両端のみグリップする箇所に設けられる。ポジシ
ート14およびキャリアシート13は挿入ローラ対38によっ
てガイド板36a,36b間を搬送され、キャリアシート13の
先端が現像ローラ30a,30b対のニップに突き当たったと
きに停止する。この停止タイミングは現像ローラ30a,30
bのポジシート搬送方向の直前に設けられたセンサ47
が、キャリアシート13の先端を検知してからの時間tを
カウントすることによりもとめられる。
ガイド板36aの入り口側の折曲部36cには、遮光性のマ
イラ66の端部が全幅にわたって貼り付けられ、マイラ66
自身の剛性により軽い下向きの力でガイド板36bに押し
付けられる。ポジシート14およびキャリアシート13はマ
イラ66先端とガイド板36bとで擦られながら搬送され
る。また、このガイド板36a,36bによって形成される搬
送路は上記のように少なくとも1箇所折れ曲がってい
る。この折曲部36c等からなる折り曲げと、マイラ66等
によってポジシートの搬送路を遮光することによって、
ポジシート14の挿入口や上記搬送路から侵入する外光に
よるネガシート11の感光を防止している。
一方、インスタント写真装置における現像とは、ネガ
シート11とポジシート14との間に現像剤を均一に延展す
ることを意味するが、そのため、現像ローラ30a,30bは
それぞれ第4図に示すように金属ストレートローラとカ
ラー部L1,L2を有する段付き金属ローラとから構成さ
れ、両者は転接時には適当な力で加圧される。その場
合、ネガシート11とキャリアシート13の第2図、第3図
に示す側縁部E,E′が段付き金属ローラ(30b)のカラー
部L1,L2に喰え込まれて搬送される。このとき、ポッド1
5はカラー部L1,L2の内側で、ネガシート11とポジシート
14との間に挟まれて三者一体となって搬送される。ま
た、ポッド15の開裂によって流出した現像剤16は、粘性
が高いので第4図斜線部で示すように両シート11,14を
それぞれ金属ストレートローラ(30a)と段付き金属ロ
ーラ(30b)の円筒面に密着するまで撓ませ、両シート1
1,14を押し広げる。このため、両シート11,14間の現像
剤は約0.1mmの一定厚みに保たれる。第4図における延
展した現像剤を示す図は、判り易くするために誇張して
描かれている。
このような現像機構において、挿入されたキャリアシ
ート13の先端が前述のように現像ローラ30a,30b対に突
き当たって停止した後に、前述のネガフィルム64の搬送
と露光および切断が行われる。そして、停止したローラ
対52に突き当てられたネガシートは、ガイド板31a,31b
間の拡大部で一定量撓んだ後、ローラ対52の回転により
ガイド板33a,33b間を搬送される。そしてローラ対52に
突き当て、撓ませることによって、ネガシート11の搬送
タイミングを図るとともに、ネガシート11の先端をロー
ラ対52のニップにならわせてスキュー矯正が行われる。
なお、ローラ対52の回転開始タイミングは、センサ53が
ネガシート11の先端を検知してからの時間tをカウント
することによって求められる。
第5図は現像部60の近傍を示す概略説明図で、現像ロ
ーラ30a,30b対はネガシート11の先端が現像ローラ30a,3
0b対のニップに突き当たる前に、ローラ対52の搬送方向
の前後に設けられたセンサ53または42によってタイミン
グを図って回転を開始し、既に突き当てられたキャリア
シート13を先に搬送する。その後、ネガシート11の先端
がローラ対52の回転によって現像ローラ30a,30bのニッ
プに到達し、両者ともに現像ローラ30a,30b対の周速で
搬送されるので、キャリアシート13とネガシート11の先
端には第5図に示すずれJが生じる。このずれJは少な
くとも第3図のCよりも少なくなるように制御されるた
め、従来の両シート11,13の先端を一致させて現像する
タイプのものに対して、このずれ量Jだけ、切断される
ネガシート11の長さを短くすることができ、その分ネガ
フィルム64の節約を図ることができる。
現像ローラ30a,30b対は、通常、現像前には第6図に
示す状態で待機または回転している。現像ローラ30bは
両端をアーム46により回転自在に保持されている。アー
ム46はピン54を介して回転自在に支持され、反ピン支持
部側の先端部にスプリング101が懸架され、その弾性力
により現像ローラ30bを現像ローラ30aに加圧状態で接触
させている。また、アーム46のピン支持部側の端部側に
はカム45が設けられている。なお、第6図ではカム45は
アーム46には当接してはいない。
そして、現像ローラ30a,30b対により、キャリアシー
ト13とネガシート11間の作像領域73にわたって現像剤16
が延展された後、両シート11,13の後端部が現像ローラ3
0a,30b対のニップを越える前に、カム45が回転し、第7
図に示すようにアーム46に当接してこれを押し上げ、現
像ローラ30bを図において反時計方向に回転させる。こ
れにより、現像ローラ30bが現像ローラ30aの下側に離間
し、両現像ローラ30a,30b間に隙間Hが生じる。この隙
間Hは少なくともポッド15を圧潰することのない寸法に
設定されている。その後、現像ローラ30a,30bの回転は
停止する。なお、上記カム45の回転による現像ローラ30
bの離間タイミングは、センサ27がキャリアシート13の
後端を検知してからの時間をカウントすることにより求
める。このような動作によって、ネガシート11とキャリ
アシート13との間隔が拡がり、第2図および第3図に示
す両シート11,13のD−D′間に余剰現像剤を溜めるこ
とができる。現像ローラ30aには、第6図、第7図およ
び第8図に示すように、板ばね102がネガシート11の潜
像形成領域外の両端部に加圧状態で常時接触するよう
に、図示しない現像ユニットの側板に支持されて設けら
れている。また、現像ローラ30bの板ばね102に対向する
部分には図示しない段差があり、現像ローラ30aの加圧
時に板ばね102が現像ローラ30bの回転を妨げることはな
い。そして、現像剤を延展された両シート11,13は、現
像ローラ30a,30bの離間後も板ばね102と現像ローラ30a
により搬送され、機外へ排出される。その後、前述のよ
うに数十秒後、ポジシート14をネガシート11から剥がす
とフルカラー画像がポジシート14上に形成される。な
お、上記排出後、機内では再びカム45が回転して、現像
ローラ30a,30bは第6図の状態に戻る。
また、この制御に際して、ネガシート11およびキャリ
アシート13を現像剤16により密着させたまま離間した現
像ローラ30a,30bにその後端部を喰え込んだ状態で停止
させ、操作者により機外に排出するようにすることもで
きる。なお、この場合、第3図に示すDは、第9図に示
すようにネガシート11の後端部領域D′にセンサ47から
現像ローラ30a,30b対のニップまでの距離Kを加えた長
さよりも長く設けられる。これにより同図に示すよう
に、キャリアシート13の後端部がセンサ47から現像ロー
ラ30a,30b対のニップの間に残っていても、ネガシート1
1の後端部はニップから抜け出ていて、かつ現像剤16も
両シート11,13間に溜められているため、現像ローラ30
a,30bが加圧されても、現像剤16がはみ出して現像ロー
ラ30a,30b等を汚す心配はない。
第10図および第11図はカッタ部20の概略図である。遮
光容器63の近傍にはエンド検知センサ106があり、カッ
タ部20の下流側にはセンサ25、中間ローラ27、ガイド板
103、104、センサ107、ローラ28、押さえローラ28a,28
b、ガイド板29がこの順で配置されている。なお、上記
センサ25はセンサ107と兼ねることもできる。ガイド板1
03には第10図に示すように中央部に切欠部Gが形成さ
れ、センサ107は切欠部Gの図において下側に配設され
ている。中間ローラ27は図示しないモータによって正逆
転が可能に設定され、ローラ28は図示しないが本体側に
支点を有し、ガイド板103,104から退避する方向に回転
可能であり、ガイド板29も同様に開閉可能になってい
る。
<マーキング……ネガフィルム最後端部の処理> 引き続き遮光容器63内のネガフィルム64の撮影可能な
最終枚部の複写機の処理について説明する。
ネガフィルム64にはその後端75から一定長の長さMの
ところに第12図に示すようなネガフィルム64と反射率の
異なる例えば高反射率の標識70が画像形成部73から外れ
た端部にマーキングとして貼付されている。なお、この
標識70は印刷によって形成することもできる。上記長さ
Mは、後述するようにジャムを避けるため、搬送経路内
の最長ローラ間距離、この実施例の場合にローラ対27の
ニップからローラ28,28aのニップまでの距離(約150m
m)よりも長くなるように設定されている。上記標識70
は第11図に示すようにカッタ部20近傍に設けられた光反
射式のセンサ106(ホトリフレクタ)によって検出さ
れ、これを後述のネガフィルム64の搬送に関する制御回
路の中央処理装置(以下、CPUと称する)110に出力す
る。CPU110では、この検出入力に応じて遮光容器63内の
ネガフィルム64が最終枚にあたっていると認識する。な
お、上記標識70は、この実施例の場合には、高反射率の
ものが用いられているが、これはセンサ106との兼ね合
いで、センサ106が例えば光透過式(ホトインタラプ
タ)のものでは、第13図に示すような切欠71を形成し、
上記マーキングとすることもできる。
上記制御回路は、第14図のブロック図に示すように、
ネガフィルム64の搬送、切断および残量に応じた処理内
容を選択し制御するCPU110、処理の内容およびその手順
が予め記憶されたリード・オンリイ・メモリ(以下、RO
Mと称する)111、各種センサ25,37,42,47,53,106,107の
出力を受け、カッタモータ112、搬送ローラモータ113、
クラッチ114、ソレノイド115等のドライバ116に駆動制
御信号を出力するとともに、現像ローラモータ117のモ
ータ制御回路118および螢光灯119の点灯を制御する螢光
灯駆動回路120とCPU110との入出力を司るI/Oエキスパン
ダ121とからなっている。このように制御回路では、複
写動作開始後、ネガフィルム64の搬送中に上記標識70を
センサ106によって検出すると、CPU110はこの入力を受
けて、カッタモータ112の回転を停止させ、ネガフィル
ム64の切断を禁止する。したがって、このとき少なくと
も上記最長ローラ間距離の150mmは残っていることにな
り、たとえ複写動作開始直後に上記マーキングの検出が
行われたとしても、上記切断が行われないので、ネガシ
ート11は機外に残されることなく、現像ローラ30a,30b
対まで搬送される。このときの現像ローラ30a,30b対の
離間タイミングは、前述のようにキャリアシート13の後
端をセンサ37によって検出することによって行われる。
また、現像ローラ30a,30bの離間後は搬送力がなくなる
ため、現像ローラ30a,30bが離間したときにネガフィル
ム64の後端がローラ対52から抜け出ていない可能性があ
る。そのため、この実施例では、センサ53からネガフィ
ルム64の後端75を検出してから一定時間後、例えばネガ
フィルム後端75がローラ対52のニップを越えるまで回転
駆動するようにプログラムされている。これにより、上
記離間後ネガフィルム64は延展した現像剤16により密着
したポジシート14およびキャリアシート13を連行し、後
端がローラ対52のニップを越えるまで確実に搬送され
る。
また、この実施例においては、作像に必要なネガシー
ト11の長さは約360mmに設定されており、上記最長ロー
ラ間距離150mmよりも長くなっている。これは最長ロー
ラ間距離がネガシート11よりも長いと、切断したネガシ
ート11を搬送できなくなるためである。このため、例え
ば、複写動作開始直後に上記マーキングの検出がなされ
た場合には、ネガシート11の長さが作像するために必要
なネガシート長さよりも短くなり、必要長さ画像形成が
できない上、キャリアシート13と先端をJだけずらして
密着させて排出したとき、第15図に示すように現像剤16
がネガシート11の後端75からはみ出して、現像ローラ30
a,30bを汚すことになる。現像ローラ30a,30bが汚れる
と、ローラの真円度が損なわれ、前述のような悪影響を
及ぼす。そこで、ネガフィルム64の後端75からマーキン
グまでの距離を作像に必要なネガシート約360mm以上に
すれば、上記不具合を解消できるが、通常の動作でジャ
ム等が生じなければ、ポジシート14がなくなった時点で
上記マーキングの検出はされないため、遮光容器63内に
ネガフィルム64だけが残り、その残ったネガフィルム64
が無駄になる。このような理由により、ネガフィルム64
の後端75からマーキングの位置までの距離はできるだけ
短い方が望ましい。
この実施例では、さらに、マーキングの検出によって
カッタ部20での切断を禁止する外に、搬送を開始してマ
ーキングを検出するまでの時間と、マーキングからネガ
フィルム64の後端75までの長さとから、ネガフィルム64
の残りの長さを算出し、その長さが1枚の作像長さに満
たない時には複写動作を中止するとともに、現像ローラ
30a,30b対を上述のようにして離間させ、作像長さに達
しているときには、作像を行うという二通りの手順を踏
む。これを第16図のフローチャートにしたがって詳しく
説明する。
まず、プリントキーがオンになると、すでに上記した
複写動作を行う(ステップS1)。そして複写動作の途中
でセンサ106によってマーキングを監視し(ステップS
2)、マーキングの検出がないときには、予め設定され
た1枚の作像長さごとに回転刃20aを作動させてネガフ
ィルム64を切断してネガシート11を形成し(ステップS
3)、通常の複写動作を引き続き行う(ステップS4)。
一方、ステップS2でマーキングを検出したときには、
残ったネガフィルム64で1枚分の画像形成ができるかど
うか、例えば、その作像を始める複写動作開始時からマ
ーキングを検出するまでの時間からマーキングの前まで
の長さを検出し、マーキング位置からネガフィルム64の
後端75までの長さに加算して1枚分作像できるかどうか
判断する(ステップS5)。そして、1枚分の作像が可能
と判断したときには、ステップS4に進んでそのまま複写
動作を継続し(したがって、ステップS3でのネガフィル
ム64の切断は行われない)、作像不能と判断したときに
は、現像ローラ30a,30bを解放してそのままネガフィル
ム64を排出する(ステップS6)。なお、これら制御は全
て制御回路内のCPU110を介して行われる。
また、この制御に際し、ステップS2でマーキングを検
出したときには、そのままステップS6で現像ローラ30a,
30b対を開いて排出するようにしても、機内の汚損は防
止できる。
上記のように構成して、ネガフィルム64のジャムが生
じないようにしても、作像工程でジャムが発生すること
がある。そこで、ジャムが発生したときには以下のよう
な操作によりジャム処理を行う。
すなわち、ネガフィルム64の切断後、現像工程以前で
ジャムしたときには特別な操作や動作は行わず、そのま
まの状態でガイド板29を開閉させて処理を行う。しか
し、ネガフィルム64の切断前にジャムが発生し、その
際、センサ107がネガフィルム64を検知しているときに
は回転刃20aを固定刃20bに対して作動させてジャムした
状態でネガフィルム64を切断する。そして、その状態で
ガイド板29を開閉し、場合によってはさらに、ローラ28
も回転させてジャムしたネガシート11を取り出す。この
場合、ジャムしたネガフィルム64はセンサ107がガイド
板103の切欠部G内にあるため、手を入れて除去できる
位置にネガフィルム64は存在している。また、センサ10
7がネガフィルム64を検知していないときには、中間ロ
ーラ27を一定時間逆転させて中間ローラ27のニップ部か
ら確実にネガフィルム64を逃がして遮光容器63を第11図
において矢印I方向に引き出すことによりジャム処理を
行う。この場合、そのままの状態で遮光容器63を引き出
すと、ネガフィルム64は中間ローラ27に挟まれたままの
可能性があり、その状態では遮光容器63を引き出すにし
たがってネガフィルム64が繰り出されてしまうためであ
る。また、現像工程以降のジャムについては、本体の後
述するネガシート11とポジシート14の排出口79から引き
出してジャム処理を行う。
このように、第1の実施例によれば、以下のような効
果がある。
ネガフィルム64に設けたマーキングを検出するセン
サ106を設け、搬送開始からそのセンサ106によってマー
キングを検出したときの検出タイミングに基づいて残り
の長さを算出し、1枚分の作像が可能なときにはネガフ
ィルム64の切断を行わないでそのまま複写動作を行わせ
るので、機内でネガフィルム64のジャムを生じる虞はな
い。
1枚分の作像が不可能なときには、切断を中止する
とともに、現像ローラ30a,30b対をポッド15を圧潰しな
いような間隔に離間させるので、現像不要なものを現像
して、ポジシート14およびポッド15内の現像剤を無駄に
する虞はないとともに、ネガフィルム64の最終枚の寸法
が足りずに現像剤が漏出する虞もない。
マーキングが作像領域から外れて設けられているの
で、マーキングを施すことによって画像形成に障害が生
じることはない。
(第2の実施例) 次に、第2の実施例について説明する。
この第2の実施例は、ネガフィルムの後端の検出方式
が異なるだけで、上記第1の実施例とその内部構造、現
像方式、ネガフィルム、ポジフィルムおよびポッドの構
造については基本的に同一なので、同一もしくは同一と
みなせる各構成要素には同一の参照符号を付し、重複す
る各構成要素ついての説明は適宜省略する。
<ネガフィルム最後端部の処理> 以下、第2の実施例における遮光容器63内のネガフィ
ルム64の最終枚部の処理について説明する。
ネガフィルム64にはその後端75から一定長の長さMの
ところに前述の第12図に示すようなネガフィルム64と反
射率の異なる高反射率の標識70が画像形成部73から外れ
た端部にマーキングとして貼付されている。上記長さM
は、第1の実施例と同様にジャムを避けるため、搬送経
路内の最長ローラ間距離、この実施例の場合にローラ対
27のニップからローラ28,28aのニップまでの距離(約15
0mm)よりも長くなるように設定されている。上記標識7
0は前述のようにカッタ部20近傍に設けられた光反射式
のセンサ106によって検出され、制御回路のCPU110に出
力される。CPU110では、この検出入力に応じて遮光容器
63内のネガフィルム64が最終枚にあたっていると認識す
る。このように制御回路では、複写動作開始後、ネガフ
ィルム64の搬送中に上記標識70をセンサ106によって検
出すると、CPU110はこの入力を受けて、カッタモータ11
2の回転を停止させ、ネガフィルム64の切断を禁止す
る。したがって、このとき少なくとも上記最長ローラ間
距離の150mmは残っていることになり、たとえ複写動作
開始直後に上記マーキングの検出が行われたとしても、
上記切断が行われないので、ネガシート11は機外に残さ
れることなく、現像ローラ30a,30b対まで搬送される。
このときの現像ローラ30a,30b対の離間タイミングは、
前述のようにキャリアシート13の後端をセンサ47によっ
て検出することによって行われる。また、現像ローラ30
a,30b対の離間後は搬送力がなくなるため、現像ローラ3
0a,30bが離間したときにネガフィルム64の後端がローラ
対52から抜け出ていない可能性がある。そのため、この
実施例でも、センサ53がネガフィルム64の後端75を検出
してから一定時間後、例えばネガフィルム後端75がロー
ラ対52のニップを越えるまで回転駆動するようにCPU110
にプログラムされている。これにより、上記離間後ネガ
フィルム64は延展した現像剤により密着したポジシート
14およびキャリアシート13を連行し、後端がローラ対52
のニップを越えるまで確実に搬送される。
また、この実施例においても、作像に必要なネガシー
ト11の長さは約360mmに設定されており、上記最長ロー
ラ間距離150mmよりも長くなっている。
この実施例では、センサ106がネガフィルム64の先端
を検知してからマーキングを検出するまでの正味の搬送
時間をカウントし、カウント時間に応じて以降の動作を
二つに分ける。引き出し搬送速度は常に一定であるた
め、このカウント時間によりそのときのネガフィルム64
の先端からマーキングまでの距離Lが算出できる。
すなわち、マーキングの位置からネガフィルム64の後
端75までの長さは上述のように一定で既知(M=約150m
m)のため、両者がわかるとネガフィルム64の残り長さ
Nは、 N=L+M =t×v+M …… 但し v=ネガフィルムの搬送速度(一定) t=カウンタから求められる搬送時間 で表せる。そして、この残り長さNがネガシート11の作
像に必要な長さ(360mm)に足りるかどうかで、以後の
動作を二つに分けることになる。
上記式を時間tについてまとめ、作像必要長さで場
合分けすると、 a.必要長さに足りないとき: t<(360−M)/v M=150 より、 t<210/v …… b.必要長さに足りるとき: t≧(360−M)/v すなわち、 t≧210/v …… となる。
したがって、上記および式からt=210/vの値に
よって場合分けされる。
まず、残り長さNが必要長さに足りるときには、ネガ
フィルム64は切断されずに各ローラ対および光学系ユニ
ット1によって搬送・露光が行われる。このとき、ネガ
フィルム64は遮光容器63から最後まで引き出され、通常
の切断されたネガシート長よりも長くなる。現像ローラ
30a,30b対の離間タイミングは前述のようにキャリアシ
ート13の後端を検知することにより求められる。また、
現像ローラ30a,30b対の離間後は搬送力がなくなるた
め、前述の第1の実施例と同様にして搬送される。
通常の動作で正規の長さに切断されたネガシート11の
場合には、センサ42によるネガシート11の後端検知の後
に、センサ47によるキャリアシート13の後端検知がなさ
れる。なお、キャリアシート13の後端検知後、しばらく
してから現像ローラ30a,30b対を再び加圧状態に復帰さ
せると、上記のようにネガシート11の長さが正規のシー
ト長よりの長い場合、ネガシート11の後端75を現像ロー
ラ30a,30b対が喰え込み、容易に両シート11,13を取り出
すことができなくなる。このため、この実施例では、キ
ャリアシート13の後端がセンサ47により検知されたと
き、ネガシート11の後端がローラ対52のニップを越えて
いない場合、センサ42がネガシート11の後端75を検知し
てから一定時間後、現像ローラ30a,30b対を再び加圧状
態に復帰させるようにして設定してある。このように、
キャリアシート13側を基準にするのではなくネガフィル
ム11側を基準にするとにより、上記不具合を解消でき、
操作者によって、容易にネガシート11およびポジシート
14を貼付したキャリアシート13を取り出すことができ
る。
ネガシート11とキャリアシート13はネガシート感光面
とポジシート受像面とを延展された現像剤16を介して向
かい合わされた状態で、ネガシート11が上になって機内
から取り出される。このとき、L+Mが360mm以上の場
合には、第17図に示すように取り出された両シート11,1
3の全長Nの間に、マーキングとしての標識70や切欠71
が存在する。そのため、上記検出物がネガシート11の画
像形成部73に存在するとその箇所の画像形成が行えな
い。したがって、この実施例では、標識70はネガシート
感光面の裏側、あるいは、感光面の場合には、第2図に
示す幅方向の余裕長E′の部分に設けられる。また、切
欠71は第4図に示すカラー部分L1,L2より外側になる部
分に設けられる。これらにより、上記標識70や切欠71な
どのマーキングによって、画像形成部73が侵されること
なく、また、現像剤16が切欠71から漏れることなく、良
好な画像形成が行える。
一方、残り長さNが画像形成のための必要長さ、すな
わち360mmよりも少ない場合には、必要長さ画像形成が
できない上、現像剤がネガフィルム64の後端75からはみ
出して現像ローラ30a,30bを汚し、画像形成に悪影響を
及ぼすため、通常の画像形成は行わない。以下、このと
きの動作について説明する。
この場合、ネガフィルム64は切断されずに引き出しロ
ーラ18a,18b、中間ローラ対27等によって現像ローラ30
a,30b対まで搬送される。光学系ユニット1はこの場合
走査を禁止し、露光は行わなくともよい。このとき、ネ
ガシート11の先端が前記センサ42によって検出されると
前述のカム45が作動し現像ローラ30a,30b対が離間す
る。この離間タイミングはセンサ42を利用しなくとも、
前述のセンサ106の先端検知から予め設定された時間が
経過した時に行われるように設定することできる。この
離間量は前述のように、ポッド15を圧潰しない寸法Hに
設定されている。ローラ対38はキャリアシート13の後端
がセンサ37によって検出されてから一定時間後、その後
端がローラ対38のニップを越えるまで回転駆動され、そ
の後停止する。ローラ対52もネガシート11の後端75がセ
ンサ53によって検出されてから一定時間後、その後端75
がローラ対52のニップを越えるまで回転駆動され、その
後停止する。また、上記ローラ対52は、第5図に示すよ
うに、そのニップから排出口79までの距離Pが、マーキ
ングからネガフィルム64の後端75までの距離M(約150m
m)よりも短くなるように配置されている。これによ
り、ネガシート11の長さが最小のシート長Mであって
も、先端が排出口79から露出するため、容易に取り出す
ことができる。
同様にローラ対38は、そのニップから排出口79までの
距離Qがキャリアシート13の長さよりも短くなるように
配置されている。これにより、キャリアシート13の後端
がローラ対38のニップを越えていれば、先端が排出口か
ら露出するため、容易に取り出すことができる。
上記のように構成し、動作させることにより、ネガシ
ート11、ポジシート14およびキャリアシート13とも加圧
されたローラ対52,38や現像ローラ30a,30b対に喰れ込ま
れることなく、負荷もなく容易に機外へ取り出すことが
でき、ネガシート64が機内に取り残されることもない。
また、上記のように現像ローラ30a,30b対が少なくとも
上記寸法Hだけ離間するので、キャリアシート13の先端
に貼付されたポッド15を潰すこともなくキャリアシート
13を取り出すことができる。このとき、ポジシート14は
感光性がないため再使用可能な状態で取り出すことがで
き、ポジシート14の浪費を防止することができる。
なお、ネガシート搬送路内にネガシート11がジャムし
て詰まった場合、あるいは切断の誤動作等が生じた場合
には、すでに現像ローラ30a,30b対近傍まで挿入されて
いるポジシート14は、CPU110からの指令により、自動排
出されるようにプログラムされ、このときにも、現像ロ
ーラ30a,30b対は上記寸法H以上離間される。そのた
め、ネガシート11のジャムが発生しても、ポッド15を含
むポジシート14は必ず再使用可能な状態で取り出すこと
ができる。このようなことから、ネガシート11のジャム
発生時におけるポジシート14の取り出し忘れやポジシー
ト14の2重挿入を防止することができる。
上記の動作を第18図のフローチャートにしたがって説
明する。
まず、プリントキーがオンになると、すでに上記した
複写動作を行う(ステップS11)。そして複写動作の途
中でセンサ106によってマーキングを監視し(ステップS
12)、マーキングの検出がないときには、予め設定され
た1枚の作像長さごとにカッタ20a,20bによって切断し
てネガシート11を形成し(ステップS13)、設定された
複写動作を引き続き行う(ステップS14)。
一方、ステップS12でマーキングを検出したときに
は、上記t=210/vの値をCPU110で算出し、残ったネガ
フィルム64で1枚分の画像形成ができるかどうか式に
基づいて判断する(ステップS15)。そして、算出した
長さから1枚分の作像が可能と判断したときには、ステ
ップS14に進んでそのまま複写動作を継続し、作像不能
と判断したときには、現像ローラ30a,30bを解放してそ
のままネガフィルム64を排出する(ステップS16)。な
お、これら制御は全て制御回路内のCPU110を介して行わ
れる。
このように、第2の実施例によれば、以下のような効
果がある。
ネガフィルム64に設けたマーキングを検出し、その
検出があったときにはセンサ106によって検出したネフ
ィルム64の先端からの時間とマーキングからネガフィル
ム64の後端までの既知の長さとから、残りの長さNを算
出し、1枚分の作像が可能なときにはネガフィルム64の
切断を行わないでそのまま複写動作を行わせるので、最
後端部の切断が原因となって機内でネガフィルム64のジ
ャムを生じる虞はない。
1枚分の作像が不可能なときには、切断を中止する
とともに、現像ローラ30a,30b対をポッド15を圧潰しな
いような間隔に離間させるので、現像不要なものを現像
して、ポジシート14およびポッド15内の現像剤を無駄に
する虞はないとともに、ネガフィルム64の最終枚の寸法
が足りずに現像剤が漏出する虞はない。
マーキングが作像領域から外れて設けられているの
で、マーキングを施すことによって画像形成に障害が生
じることはない。
(第3の実施例) 次に、第3の実施例について説明する。
この第3の実施例は、ネガフィルムの後端にネガフィ
ルム以外の可撓性帯状部材を貼付し、この可撓性帯状材
もしくは可撓性帯状材とネガフィルムとの境界をマーキ
ングとするもので、その内部構造、現像方式、ネガフィ
ルム、ポジフィルムおよびポッドの構造については上記
第2の実施例と基本的に同一なので、同一もしくは同一
とみなせる各構成要素には同一の参照符号を付し、重複
する各構成要素についての説明は適宜省略する。
第19図はこの第3の実施例に係るロール状感光材料、
すなわちネガフィルムの後端部の斜視図である。
同図に示すように、第2図に示したロール状のネガフ
ィルム64の後端75には、このネガフィルム64とほぼ同じ
幅で反射率の異なる可撓性を有する紙片からなる可撓性
帯状材80が貼付されている。この可撓性帯状材80はネガ
フィルム64の感光面が黒色なので、例えば白色のものが
選択され、ネガフィルム64の後端75から可撓性帯状材80
の後端81までの長さRが、少なくとも前述の最長ローラ
間距離、すなわち約150mm以上になるように設定されて
いる。また、キャリアシート13、ポジシート14およびポ
ッド15は第3図に示したものと同一である。
このようにネガフィルム64を構成すると、光反射型の
センサ(ホトリフレクタ)によって、ネガフィルム64か
ら可撓性帯状材80に移ったときにセンサ出力が変わるこ
とから、ネガフィルム64の後端75の位置が検出できる。
以下、この形式のネガフィルム64を使用した場合の動作
について説明する。
ロール状に巻回されたネガフィルム64は遮光容器63に
収められ複写機内の所定位置にセットされる。そして、
複写時に引き出しローラ18a,18b対によって1枚分ずつ
引き出され、センサ106によってネガフィルム64の先端
を検知し、ネガフィルム64が最小作像長さM以上あると
きには、最小作像長さMより長い一定長さ搬送された
後、前述のようにカッタ部20で切断される。そして、現
像ローラ30a,30b対まで送られ、前述のようにポジシー
ト14と合わされた上、現像ローラ30a,30b対の間をポジ
シートともに通し、ポッド15を開裂させて現像を行う。
最終枚にあたる部分で、可撓性帯状材80を含まないネガ
フィルム64の残量が第3図において前述のJのいずれか
らポジフィルム14の後端までの距離S以上でキャリアシ
ート13の後端までの距離T未満であっても同様に搬送と
現像が行われる。このとき余分な現像剤16はキャリアシ
ート13の第3図Dにあたる部分とネガシート11および可
撓性帯状材80との間に溜まり、現像剤16が漏れ出して現
像ローラ30a,30b等を汚損する虞はない。
また、可撓性帯状材80を含まないネガフィルム64の長
さが上記距離Sよりも小さいときには、最初に可撓性帯
状材80を検出した位置を前述のマーキング位置と認識し
て第2の実施例におけるネガフィルム64の後端処理と同
様に第18図のフローチャートに沿った手順で処理が行わ
れ、カッタ部20での切断を禁止する。それとともに、現
像ローラ30a,30b対を解決してポッド15の圧潰を回避
し、可撓性帯状材80が貼付されたネガフィルム64、ポジ
シート14およびポッド15が貼付されたキャリアシート13
をそのまま排出する。この場合、可撓性帯状材80は白色
の紙片によって形成されているので、センサ106によっ
てこの可撓性帯状材80の機内での停留の検出は可能であ
る。したがって、上記の処理の外に、カッタ部20で回転
刃20aを作動させて可撓性帯状材80を切断し、上述のよ
うにネガフィルム64、ポジシート14およびポッド15が貼
付されたキャリアシート13をそのまま排出するととも
に、CPU110側から複写機の複写動作を禁止し、ネガフィ
ルム64が終わった旨を表示してネガフィルム64を取り替
えるように促すこともできる。なお、可撓性帯状材80を
途中で切断する場合には、切断された残りの部分が機内
に残るが、この残りの部分は、そのままカッタ部分20の
搬送方向上流側に残しておいてもよいし、例えば、下流
側に搬送し取り出し易いローラ28部分で停止させるよう
に設定することもできる。
このように可撓性帯状材80をネガフィルム64の後端75
に貼付すると、最終的に捨てなければならないネガフィ
ルム64の後端部を可撓性帯状材80に置き換えているの
で、ネガフィルム64の必要長さを短くすることができ、
ネガフィルム64を節約することが可能になる。
しかし、可撓性帯状材80をネガフィルム64に貼付する
と、その接合部に段差が形成され、巻回したときに部分
的な圧力差を与える結果となる。このような圧力差は感
度差となり、形成する画像上でプレシャーマークとも呼
ばれる濃度差および色調変化を生じさせる。これを防止
するためには、芯なしで巻回し、その巻径の内周を貼付
する可撓性帯状材80のシート長さ以上にすればよい。
また、上記のように可撓性帯状材80をネガフィルム64
の後端に貼付すると、センサ106により、最終枚を検出
したときには、可撓性帯状材を検出したとことになるの
で、センサ106がネガフィルム64とは異なるものを常時
検出することが可能になり、遮光容器63からなるカート
リッジ内の残量の記録手段を省略することもできる。
なお、上記実施例においては、可撓性帯状材80として
紙片が選択されているが、その他、色の異なるフィルム
等を選択してもよい。
このように、第3の実施例によれば、以下のような効
果がある。
ネガフィルム64に可撓性帯状材80を貼付し、その可
撓性帯状材80とネガフィルム64との境界をマーキングと
して検出し、その検出があったときにはセンサ106によ
って検出したネガフィルム64の先端からの時間と上記境
界までの既知の長さとから、残りの長さNを算出し、1
枚分の作像が可能なときにはカッタ部20で切断してその
まま通常の複写動作を行わせるので、用意したネガフィ
ルム64の全長を無駄なく使用することができる。
このとき、可撓性帯状材80は少なくとも最長ローラ
間距離の長さ残っているので、ネガフィルム64の残った
長さで1枚の作像が不可能でも、現像ローラ30a,30b対
を解放してそのまま排出することができ、最後端部の切
断が原因となって機内でネガフィルム64のジャムを生じ
る虞はない。
1枚分の作像が不可能なときには、切断を中止する
とともに、現像ローラ30a,30b対をポッド15を圧潰しな
いような間隔に離間させるので、現像不要なものを現像
して、ポジシート14およびポッド15内の現像剤を無駄に
する虞はないとともに、ネガフィルム64の最終枚の寸法
が足りずに現像剤が漏出する虞はない。
可撓性帯状材80はネガフィルム64とは反射率の異な
る材質や色が選択されているので、ネガフィルム64の後
端以降が確実に検出でき、それに応じた制御が可能にな
る。
(第4の実施例) 引き続き、第4の実施例について説明する。
この第4の実施例はネガフィルムの終端検知が上記第
1および第2の実施例と若干異なるだけで、その内部構
造、現像方式、ネガフィルム、ポジフィルムおよびポッ
ドの構造については上記第1の実施例と基本的に同一な
ので、同一もしくは同一とみなせる各構成要素には同一
の参照符号を付し、重複する各構成要素についての説明
は適宜省略する。
この実施例では、ネガフィルム64の裏面、すなわち反
感光面側に第20図に示すように最終端から距離Wをおい
てエンドマーク105を設ける。一方、第11図に示すよう
にカッタ部20の両側に設けられた引き出しローラ18a,18
b対と中間ローラ対27との距離をW1として上記距離W
を、 W>W1 となるように設定する。また、センサ25とセンサ106と
の距離をW2、1枚の作像に必要とされる切断後の予め設
定されたネガシート11の長さをW0とする。前述したよう
にネガシート11の切断長さは、センサ25がネガフィルム
64の先端を検出してからのタイミングで求められる。同
様にエンドマーウ105をセンサ106が検出すると、それま
での間にセンサ25から搬送方向下流側に搬送されたネガ
シート長WFも求めることができる。
そこで、ネガフィルム64の搬送中にセンサ106がエン
ドマーク105を検出したとき、上記ネガシート長WFが、 WF≧W0−W−W2 の状態になっているときには、前述の第16図に示したフ
ローチャートでステップS5からステップS4と同様の手順
を踏み、回転刃20aの作動を禁止してそのまま複写動作
を継続し、作像を行ってネガシート11およびポジシート
14を排出する。
これに対し、 WF<W0−W−W2 の状態のときには、ネガフィルム64の後端75が中間ロー
ラ対27を越えるまでネガフィルム64を搬送し、中間ロー
ラ対27を越えた時点で搬送を止める。この搬送停止は、
ネガフィルム64の後端75をセンサ106が検知した後、予
め設定された一定時間の経過を待って行われる。そのと
き、キャリアシート13に貼付されたポジシート14は現像
ローラ30a,30b対を前記寸法H離間した状態で機外に排
出される。
なお、この場合、エンドマーク105から後端75までの
距離Wは、前述のように引き出しローラ18a,18bと中間
ローラ対27間の距離W1よりも大きく設定してあるため、
上記のような処理を行ってもネガフィルム64が両ローラ
対間に止まることはなく、確実に中間ローラ対27から下
流側に搬送される。また、上記のように処理することに
より、ジャム等でランダムにネガフィルム64が切断され
たとしても、最終段で残るネガフィルム11の長さは上記
距離W以上となり、操作上困難な位置にネガフィルム64
が停止することはない。これにより、ジャム処理も容易
に行える。さらに、現像ローラ30a,30b対まで送られる
ネガシート11は上記長さW0以上を確保できるので、現像
剤16のはみ出し等によるトラブルの発生もない。加え
て、ジャムの発生確率はそれほど多くないため、通常は
回転刃20aの作動を禁止したまま排出される場合が多
く、このときの最大シート長はW0+Wであるので、作像
上の必要長さに距離Wだけの寸法を追加するだけでた
り、不必要にネガフィルム64が多くなることはない。
このように、第4の実施例によれば、以下のような効
果がある。
ネガフィルム64に設けたエンドマーク105を検出
し、その検出があったときにはセンサ25によって検出し
たネフィルム64の先端からエンドマーク105までの距離
と、センサ106によって検出したエンドマーク105からネ
ガフィルム64の後端までの既知の長さとから、残りの長
さを算出し、1枚分の作像が可能なときにはネガフィル
ム64の切断を行わないでそのまま複写動作を行わせるの
で、最後端部の切断が原因となって機内でネガフィルム
64のジャムを生じる虞はない。
1枚分の作像が不可能なときには、切断を中止する
とともに、ネガフィルム64の後端75が中間ローラ対27を
越えまでネガフィルム64を搬送して停止させるので、カ
ッタ部20近傍でネガフィルム64のジャムを生じる虞はな
く、ジャム処理が容易になる。
このとき、現像ローラ30a,30b対をポッド15を圧潰
しないような間隔に離間させるので、ポジシート14およ
びポッド15内の現像剤を無駄にする虞はないとともに、
ネガフィルム64の最終枚の寸法が足りずに現像剤が漏出
する虞はない。
エンドマーク105が作像領域から外れたネガフィル
ム64の裏面側に設けられているので、エンドマーク105
を施こすことによって画像形成に障害が生じることはな
い。
〔発明の効果〕
これまでの説明で明らかなように、上記のように構成
されたこの発明によれば、以下のような効果がある。
請求項1,2,3および6記載の発明によれば、マーキン
グを検出したときは、切断を行わないでネガフィルムを
排出させるので、ポッドがポジシートとの間で開裂して
もネガシートの後端から現像剤が漏出する虞がなく、そ
れ故、現像剤によって機内を汚損することのないインス
タント写真装置を提供することができる。
請求項4および6記載の発明によれば、画像形成に利
用できないネガフィルムの後端以降の部分をネガフィル
ムとは異なる可撓性帯状材に置き換えてあるので、ネガ
フィルムを有効に使用し、ランニングコストの低減が可
能なインスタント写真装置を提供することができる。
請求項5および6記載の発明によれば、ネガフィルム
の画像形成領域外にマーキングが施されているので、マ
ーキングが画像形成の障害になる虞はなく、ネガフィル
ムを有効に使用し、ランニングコストの低減が可能なイ
ンスタント写真装置を提供することができる。
請求項1,2,3および6記載の発明によれば、マーキン
グを検出した位置からネガフィルム後端までの距離を加
算しても画像形成に必要な長さに満たないときには現像
ローラ対を離間させ、現像剤を封入したポッドの開列を
防止するので、ポジシートおよび現像剤を無駄にするこ
とのないインスタント写真装置を提供することができ
る。
請求項6記載の発明によれば、マーキングからネガフ
ィルムの最後端、もしくは可撓性帯状材の後端までの距
離が、カッタ部の両側のローラ対を含むネガフィルムの
搬送経路内の最長ローラ間距離よりも長く設定されてい
るので、最終枚で切断したとしても必ず搬送され、機内
でジャムを生じる虞がなく、使用性に優れたインスタン
ト写真装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
図は全てこの発明の実施例を説明するためのもので、第
1図は実施例に係るインスタント写真装置の内部構造を
示す概略図、第2図はネガフィルムを展開した状態を示
す斜視図、第3図はポジシート、キャリアシートおよび
ポッドの状態を示す斜視図、第4図は現像ローラ対の正
面図、第5図は現像部近傍の要部拡大図、第6図および
第7図はそれぞれ現像ローラ対の接離機構を示す説明
図、第8図はネガシートと現像ローラ対を示す平面図、
第9図は現像ローラ対近傍の要部拡大図、第10図および
第11図はそれぞれカッタ部近傍の要部拡大図、第12図お
よび第13図はそれぞれネガフィルムの後端部を示す斜視
図、第14図は制御回路の概略構成を示すブロック図、第
15図はネガシートの後端部の現像の一例を示す斜視図、
第16図は処理手順の一例を示すフローチャート、第17図
はマーキングに切欠を用いたものの現像時の状態を示す
斜視図、第18図は他の処理手順を示すフローチャート、
第19図は可撓性帯状材を貼付したネガフィルムの後端部
を示す斜視図、第20図はエンドマークの一例を示す要部
平面図である。 1……光学ユニット、2……搬送ユニット、11……ネガ
シート、13……キャリアシート、14……ポジシート、15
……ポッド、16……現像剤、18a,18b……引き出しロー
ラ、20a……回転刃、20b……固定刃、25……センサ、2
6,27,52……ローラ対、28……ローラ、30a,30b……現像
ローラ、31a,31b,36a,36b……ガイド板、35……下ガイ
ド板、37……センサ、38……搬送ローラ対、42……セン
サ、45……カム、46……アーム、47……センサ、53……
センサ、54……ピン、63……遮光容器、64……ネガフィ
ルム、70……標識、71……切欠、75……ナガフィルム後
端、80……可撓性帯状材、105……エンドマーク、106,1
07……センサ、110……CPU,111……ROM。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 茂 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 昭63−26657(JP,A) 特開 昭63−298244(JP,A) 特開 平1−250936(JP,A) 特開 平2−176643(JP,A) 特開 昭63−254432(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03B 17/52 G03C 8/00 G03D 9/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロール状の感光性帯状材への露光手段と、
    露光した感光性帯状材を1枚ずつシート状の感光性シー
    トに切断する切断手段と、感光性シートを搬送する搬送
    手段と、現像剤が封入されたポツドを供給するポツド供
    給手段と、受像シートを搬送する搬送手段と、現像ロー
    ラ対とを備え、上記露光手段により潜像が形成された感
    光性シートの潜像形成面と受像シートの受像面とを合わ
    せて現像ローラ対間を通すことにより両シート間でポツ
    ドを開裂させ、ポツド中の現像剤を延展させて感光性シ
    ートの潜像形成面に形成された潜像を発色させ、その発
    色剤を受像シート上に転写して画像を形成するインスタ
    ント写真装置において、 上記ロール状感光性帯状材の最終端部から予め設定され
    た距離はなれた位置にマーキングを施すとともに、 上記マーキングを検出する検出手段と、 この検出手段によって感光性帯状材の搬送中に上記マー
    キングを検出したときは上記切断手段に切断不可を指示
    して非切断のまま感光性帯状材を排出させ、さらにその
    検出時に検出したマーキング位置から感光性帯状材後端
    までの距離を加えても画像形成長さに満たないときには
    上記現像ローラ対を互いに離間させる制御手段と、 を設けたことを特徴とするインスタント写真装置。
  2. 【請求項2】ロール状の感光性帯状材への露光手段と、
    露光した感光性帯状材を1枚ずつシート状の感光性シー
    トに切断する切断手段と、感光性シートを搬送する搬送
    手段と、現像剤が封入されたポツドを供給するポツド供
    給手段と、受像シートを搬送する搬送手段と、現像ロー
    ラ対とを備え、上記露光手段により潜像が形成された感
    光性シートの潜像形成面と受像シートの受像面とを合わ
    せて現像ローラ対間を通すことにより両シート間でポツ
    ドを開裂させ、ポツド中の現像剤を延展させて感光性シ
    ートの潜像形成面に形成された潜像を発色させ、その発
    色剤を受像シート上に転写して画像を形成するインスタ
    ント写真装置において、 上記ロール状感光性帯状材の最終端部から予め設定され
    た距離はなれた位置にマーキングを施すとともに、 ロール状感光性帯状材を露光手段側に引き出す引き出し
    ローラ対と、 この引き出しローラ対の近傍に設けられる上記マーキン
    グを検出する検出手段と、 この検出手段によりマーキングを検出したときに上記感
    光性帯状材先端から上記マーキングまでの通過時間をカ
    ウントするカウント手段と、 このカウント手段のカウント結果により、ロール状の感
    光性帯状材の収納容器内に残存する感光性帯状材の長さ
    を演算する演算手段と、 この演算手段の演算結果により、残存した長さが画像形
    成長さに足りる場合には複写動作を行わせ、画像形成長
    さに足りない場合には感光性シートおよび受像シートを
    現像ローラ対を離間させた状態で搬送し、排出させる制
    御手段と、 を設けたことを特徴とするインスタント写真装置。
  3. 【請求項3】請求項1および2のいずれかの記載におい
    て、上記現像ローラ対の離間量が、感光性シートおよび
    受像シートが現像ローラ対間を通過した時に両シート間
    に位置するポツドが潰れない距離以上に設定されている
    ことを特徴とするインスタント写真装置。
  4. 【請求項4】ロール状の感光性帯状材への露光手段と、
    露光した感光性帯状材を1枚ずつシート状の感光性シー
    トに切断する切断手段と、感光性シートを搬送する搬送
    手段と、現像剤が封入されたポツドを供給するポツド供
    給手段と、受像シートを搬送する搬送手段と、現像ロー
    ラ対とを備え、上記露光手段により潜像が形成された感
    光性シートの潜像形成面と受像シートの受像面とを合わ
    せて現像ローラ対間を通すことにより両シート間でポツ
    ドを開裂させ、ポツド中の現像剤を延展させて感光性シ
    ートの潜像形成面に形成された潜像を発色させ、その発
    色剤を受像シート上に転写して画像を形成するインスタ
    ント写真装置において、 上記ロール状感光性帯状材の後端に可撓性帯状材を貼付
    して両者の境界によってマーキングを形成するととも
    に、 上記可撓性部材を検出可能な検出手段と、 この検出手段の検出結果からロール状の感光性帯状材の
    最終画像形成域を検知する検知手段と、を設けたことを
    特徴とするインスタント写真装置。
  5. 【請求項5】ロール状の感光性帯状材への露光手段と、
    露光した感光性帯状材を1枚ずつシート状の感光性シー
    トに切断する切断手段と、感光性シートを搬送する搬送
    手段と、現像剤が封入されたポツドを供給するポツド供
    給手段と、受像シートを搬送する搬送手段と、現像ロー
    ラ対とを備え、上記露光手段により潜像が形成された感
    光性シートの潜像形成面と受像シートの受像面とを合わ
    せて現像ローラ対間を通すことにより両シート間でポツ
    ドを開裂させ、ポツド中の現像剤を延展させて感光性シ
    ートの潜像形成面に形成された潜像を発色させ、その発
    色剤を受像シート上に転写して画像を形成するインスタ
    ント写真装置において、 上記ロール状感光性帯状材の最終端部から予め設定され
    た距離はなれた位置であって、潜像形成領域外にマーキ
    ングが施こされていることを特徴とするインスタント写
    真装置。
  6. 【請求項6】請求項1,2,4および5のいずれか1項の記
    載において、感光性帯状材を含む帯状材の最終端からマ
    ーキングまでの距離が、ネガフィルムの搬送経路に配設
    された搬送ローラの最長ローラ間距離よりも長く設定さ
    れていることを特徴とするインスタント写真装置。
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