JP2731563B2 - サポニンアジュバント - Google Patents

サポニンアジュバント

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JP2731563B2 JP63504974A JP50497488A JP2731563B2 JP 2731563 B2 JP2731563 B2 JP 2731563B2 JP 63504974 A JP63504974 A JP 63504974A JP 50497488 A JP50497488 A JP 50497488A JP 2731563 B2 JP2731563 B2 JP 2731563B2
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Description

【発明の詳細な説明】 関連出願の相互参照 本出願は1987年5月29日出願の米国特許出願第055229
号「サポニンアジュバント」の一部継続出願である。
本出願は米国特許出願第055298号にも関連している
が、これは米国特許出願第868585号、ベルツらによる
「ネコ白血病ウイルス抗原の調製法及び使用」の一部継
続出願である。
発明の背景 発明の分野 本発明は、免疫アジュバントの分野、それの調製方法
及び免疫アジュバントとワクチンとしてのそれの出願に
関するものである。
従来技術の簡単な説明 キラジャサポニンは、キラジャ・サポナリアの樹皮か
ら抽出されたトリテルペン配糖体の混合物である。粗製
サポニンは、足口病ワクチンにおけるアジュバントとし
て広く用いられ、プラスモディウム、トリパノゾーマ・
クルージーのような原生動物寄生体の試験的ワクチンに
よって与えられる保護免疫や、羊赤血球(SRBC)に対す
る体液反応を増強する。(ボンフォード、インターナシ
ョナル・アーカイブス・オブ・アレルギー・アンド・ア
プライド・イムノロジー67:127(1982)) サポニンは、いくつかの共通した特性を有する天然物
である。水溶液中であわを生じることから、この名がつ
けられた。それに加えて、溶血活性、魚に対する毒性、
コレステロールとの錯体形成、そして時に抗生物質活性
を示すといった特性を有する。コフラー、サポニン(ス
プリンガー ベアラーグ)、ベルリン、1927年;チェッ
シェら、ベミー・ウント・ビオロジー・サポニン、ホル
チャー、ベミー・デル・オルガニッシェン.ナツールス
トッフェ30,461(1972年) サポニンの共通した特性は、共通した化学組成に反映
してはいない。すべてのサポニンは配糖体であるが、ア
グリコンは、ステロイド、トリテルペノイド、あるいは
ステロイドアルカロイドに属する。配糖体結合について
いる糖及び糖鎖の数は大きく異なっている。サポニンは
工業生産されており、数多く使用されている。市販され
ているキラジャサポニンは、天然の混合物であり、ばら
つきが大きいので、獣医が治療に使ったり、人間の薬剤
として使用したりすることは、望ましくない。ばらつき
や不均一性のために、各々のバッチで、アジュバント活
性や毒性を調べるための毒性実験が行われなければなら
ない。市販品における不純物は、副作用を引きおこすこ
とにもなる。その上サポニンの、そのバッチ中の活性物
質の量も変化するので、バッチ間の再現性も低下する。
キラジャサポニンアジュバント精製の初期の試みは、
ダルスガードによって行われた。アルヒブ・フェル・デ
ィー・ゲザミー・ビルスホルシュンク44 243(1974)。
ダルスガードは、キラジャ・サポナリナ・モリナから取
ったサポニンアジュバント物質の水抽出物を、不完全で
はあるが精製した。ダルスガードが作った調製物は、ス
ーパーフォスから「キルA」という名で発売された。こ
れは、南米産のキラジャ・サポナリア・モリナの樹皮か
ら単離されたもので、炭水化物部分は、トリテルペノイ
ドであるキラー酸と配糖体結合しているという化学的特
性を有する。しかしながら、ダルスガードのサポニンで
あるキルAは、以前の市販サポニンよりも明らかに改善
されているにもかかわらず、まだかなりの不均一性を示
す。
ヒグチら、ファイトケミストリー26:229(1987年1
月)は、天然サポニン混合物を50%メタノール中、6%
NH4HCO3で、アルカリ性加水分解をし、2つの主要なサ
ポニンを生成し、DS−1,DS−2と名付けた。DS−1は、
グルクロン酸、ガラクトース、キシロース、フコーズ、
ラムノース、アピオーズ、キラジ酸を含有し、一方、DS
−2はこれらの成分に加えて、さらにグルコースをも含
有している。この脱アシル化の副産物として、以下のよ
うな多様な成分ができた;3,5−ジヒドロキシ−6−メチ
ルオクタン酸、5−0−α−L−アラビノフラノシド、
5−0−α−L−ラムノピラノシル−(1→2)−α−
L−アラビノフラノシド(ヒグチら、ファイトケミスト
リー26 2357(1987年8月)。
図面の簡単な説明 第1図は、透析された、メタノールに溶解しているキ
ラジャ樹皮抽出物の、逆相HPLCでの屈折率プロフィール
を示す図である。
第2図は、上記サンプルの屈折率ピークが、炭水化物
のピークに対応することを示す図である。
第3図では、スーパーフォスの「キルA」と、透析さ
れた、メタノール可溶性樹皮抽出物をHPLCを用いて比較
する図である。
第4図は、粗製サポニン混合物である「キルA」か
ら、QA−7、QA−17、QA−18、QA−19、QA−21をシリカ
クロマトグラフィーで(4A)、引き続いて逆相クロマト
グラフィー(4B,4C,4D)で精製したことを示す図であ
る。
第5図は、QA−7、QA−17、QA−18、QA−21、の逆相
(5A)及び順相(5B)の薄層クロマトグラフィーによる
純度を示す図である。
第6A図は、QA−7のUVスペクトルを示す図、第6B図
は、QA−17のUVスペクトルを示す図、第6C図は、QA−18
のUVスペクトルを示す図、第6D図は、QA−21のUVスペク
トルを示す図である。
第7A図は、QA−7の1H核磁気共鳴(「NMR」)を示す
図、第7B図は、QA−18の1HNMRを示す図、第7C図は、QA
−21の1HNMRを示す図である。
第8A図は、QA−7の高速原子衝撃質量分析器(「MS−
FAB」)によるスペクトルを示す図、第8B図は、QA−17
のMS−FABによるスペクトルを示す図、第8C図は、QA−2
1のMS−FABによるスペクトルを示す図である。
第9図は、バイオゲルP−200を用いたゲルろ過によ
る、純粋なQA−18ミセルと、純粋なQA−21ミセルの溶出
プロフィール、及び、標準タンパクの溶出位置との比較
を示す図である。バイオゲルP−200の中には、同じサ
ポニンの臨界ミセル濃度と平衡に達しているPBSが入っ
ている。
第10図は、QA−7、QA−8、QA−17、QA−18、QA−21
および、スーパーフォスの「キルA」による羊赤血球の
溶血を示す図である。
第11図は、HPLCで精製された樹皮抽出物の存在下で、
BSA抗原により免疫化したときの、模式的な終点力価を
示す図である。抗原特異性抗体の結合による吸収率は、
血清希釈の対数関数としてプロットされている。
第12図は、BSA抗原により免疫化した場合の、QA−
7、QA−17、QA−18、QA−21のアジュバント効果を、種
々の抗原濃度で比較し、またフロイントの完全アジュバ
ントと比較する図である。
第13図は、gp70R−デルタによる免疫化において、別
のアジュバントであるAl(OH)と一緒に使用した場合
の、HPLC精製アジュバントのアジュバント効果を示す図
である。
第14図は、アルキル化gp70R−デルタ抗原で免疫化し
た場合の、HPLC精製キラジャサポニン単独、及び、各々
を組み合わせたもの、あるいは他のアジュバントと組み
あわせたものの効果を要約して示す図である。
第15図は、BSA抗原で免疫化した場合のQA−18、QA−1
8H、QA−21、QA−21Hのアジュバント効果を比較する図
である。
発明の概要 比較的低量で使え、しかも毒性が低く、副作用の少な
いアジュバントとして使用されうる、十分に純粋なサポ
ニンが必要とされている。したがって、本発明は、十分
に純粋なサポニンアジュバント、それの精製法、十分に
純粋なサポニンの免疫アジュバントとしての使用法を提
供するものである。さらに本発明は、抗原成分と組み合
わせたサポニンアジュバントを含む免疫応答を刺激する
組成物をも包含するものである。
アジュバントサポニンは、南米産のキラジャ・サポナ
リア・モリナの樹皮の水抽出物から同定され精製され
た。サポニン活性のあるピークは、少なくとも22に分離
された。主な精製キラジャサポニンは、QA−7、QA−1
7、QA−18、QA−21と同定されている。これらのサポニ
ンは、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)と低圧シリ
カクロマトグラフィーにより精製される。これらの4種
のサポニンは、マウスでアジュバント効果を示す。キラ
ジャサポニンの生薬製剤であるスーパーフォスの「キル
A」から精製されるQA−7、QA−17、QA−18、QA−21
は、マウスで「キルA」よりも低い毒性を示し、QA−1
7、QA−18、はネコで「キルA」よりも低い毒性を示し
た(QA−7、QA−21は実験されていない)。さらに、ス
ーパーフォスの「キルA」の毒性成分はQA−19であると
同定されており、この成分は、マウスで「キルA」、QA
−7、QA−17、QA−18、QA−21よりも低量で毒性を示
す。QA−19が、QA−7、QA−17、QA−18、QA−21に比較
して毒性が強いということは、この成分がサポニンであ
り、よく似た炭水化物構成をしており、マウスで毒性を
発現するよりも低量でアジュバント活性を示し、クロマ
トグラフの挙動も似ていることから、予期できなかっ
た。上述のすべてのサポニンは、キラジャ・サポナリア
・モリナ樹皮の水抽出物から単離される。本発明の十分
に純粋なサポニンは、免疫アジュバントとして有用であ
り、従来使用されていた不均質なサポニン製剤よりもか
なり低濃度で、個体における免疫応答を増強し、生薬サ
ポニン製剤に係る毒性をも示さない。
好ましい態様の説明 本発明のサポニンは、キラジャ・サポナリア・モリナ
の木から得られる。
ここで使用される「サポニン」という用語は、配糖体
トリテルベノイド化合物で、水溶液中あわを生じ、たい
ていの場合溶血活性を示し、免疫アジュバント活性を有
するものを包含する。本発明は、サポニンそのものと同
様に、天然あるいは薬学的に認められる塩、及び、薬学
的に認められる誘導体をも含めるものである。また、
「サポニン」という用語は、それらの、生物学的に活性
な断片をも含めるものである。
本発明は、また、免疫学的な配合のような、一種ある
いはそれ以上の十分に純粋なサポニンからなる組成物
や、これらの組成物の免疫アジュバントとしての使用方
法にも関与するものである。
ここで使用されている「免疫アジュバント」という用
語は、個体に投与されたり、インビトロで実験された場
合、前記の抗原が投与された個体または実験系に抗原に
対する免疫応答が増強される化合物を言う。ある種の抗
原は単独投与されたとき、免疫原生は弱いか、あるいは
前記の個体で免疫応答をひきおこす濃度で、個体に対し
て毒性がある。免疫アジュバントは、個体の抗原に対す
る免疫応答を、抗原の免疫原性を高めることによって増
強することができる。アジュバント効果により、前記の
個体における免疫応答を刺激するのに必要な、前記の抗
原の量をも少なくすることができる。
サポニンのアジュバント活性は、当業者に周知である
多くの方法の任意のものによって定量することができ
る。アジュバントを投与すると、特異抗原に対する抗体
の力価が上昇する。このことはアジュバント活性の判断
基準に利用することができる(ダルスガード、K.(197
8)アリタ・ベテロニア・スカンジナビア69、1−40、
スコット、M.T.、グロス−サムソン、M.,ボンフォード,
R.(1985)インターナショナル・アーカイブス・オブ・
アレルギー・アンド・アプライド・イムノロジー77、40
9−412)。簡単にいうと、そのような実験の1つに、種
々の量のアジュバントと思われるものを混ぜた抗原(た
とえば牛血清アルブミン、すなわちBSA)といっしょにC
D−1をマウスに皮下注射をする実験がある。血清は、
2週間後にマウスから採取され、抗BSA抗体のためのELI
SAによって実験された。透析されたメタノール溶性樹皮
抽出物と「キルA」を用いたアジュバント効果の比較
は、BSA抗原がPBS中単独で投与された場合よりも、BSA
抗原がサポニン存在下で投与された場合の方が、抗体力
価が次数で2も大きいということを示している。樹皮抽
出物は、炭水化物12μg(アンスロン検定による)ある
いはそれ以上に相当するアジュバント量で投与されたと
き、かなりのアジュバント効果を有している。「キル
A」に対するアジュバント反応は、樹皮抽出物の場合よ
りも低いが、炭水化物9−23μgの投与量範囲で、明ら
かに反応した。炭水化物重量(グルコースをスタンダー
ドとしたアンスロン検定による定量)は、これらの粗製
アジュバント抽出物の乾燥重量の約30%である。
「十分に純粋」という用語は、自然の状態で普通にサ
ポニン随伴している化合物がほとんどなく、定常的で再
現性のあるクロマトグラフィー反応、溶出プロフィー
ル、生物学的活性を呈することを意味する。「十分に純
粋である」という用語は、人為的な、あるいは合成され
た、サポニンと他の化合物との混合物を除外するもので
はない。
好ましくは、十分に純粋なサポニンは、精製され、一
種あるいはそれ以上の、以下の標準のようになったもの
である: 1)クロロホルム/メタノール/水(60/45/10、v/v/
v)に溶かした40mMの酢酸の溶媒系を使ったシリカゲルT
LC(EMサイエンス、HPTLC、Si60)にただ1つの大きな
炭水化物のバントが現れる。
2)メタノール/水(70/30、v/v)の溶媒系を使った逆
相TLC(EMサイエンス シリカゲル RP−8)にただ1
つの大きな炭水化物のバンドが現れる。
3)40mM酢酸のメタノール/水(58/42、v/v)溶液で、
ヴィダック(Vydac)C4(粒子サイズ5μm、孔径300
Å、内径4.6mm×長さ25cm)(なお、「ヴィダック」
は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ヘスペリア在ザ・
セパレーション・グループ社の高純度HPLC粒状シリカ製
品に対する商標名である。)の逆相HPLCを用いた場合、
大きなただ1つのピークとして現れる。
好ましい態様において、本発明のサポニンアジュバン
トは、キラジャ・サポナリア・モリナの樹皮から精製さ
れる。キラジャ・サポナリア・モリナ樹皮の水抽出物
は、水で透析された。透析された抽出物は、凍結乾燥さ
れ、メタノールで抽出された。そして、メタノールに溶
解している抽出物はシリカゲルクロマトグラフィー、及
び、逆相高速液体クロマトグラフィ(RP−HPLC)によ
り、さらに分離された。個々のサポニンは、逆相HPLCに
より実施例1に記載されているように分離された。少な
くとも22のピーク(QA−1〜QA−22と命名された。各々
のピークは第2図に示されているように、炭水化物ピー
クに対応し、逆相薄層クロマトグラフィーに単一のバン
ドとして現れた。各々の成分は、以下のとおり、ヴィダ
ックCaHPLCカラムの保持時間により同定された。
ピーク 保持時間(分) QA−1 溶媒前線 QA−2 4.6 QA−3 5.6 QA−4 6.4 QA−5 7.2 QA−6 9.2 QA−7 9.6 QA−8 10.6 QA−9 13.0 QA−10 17.2 QA−11 19.0 QA−12 21.2 QA−13 22.6 QA−14 24.0 QA−15 25.6 QA−16 28.6 QA−17 35.2 QA−18 38.2 QA−19 43.6 QA−20 47.6 QA−21 51.6 QA−22 61.0 免疫アジュバント活性は、マウスにおいて、外因性投
与抗原に対する精製サポニンの免疫応答増強能を測定す
ることにより試験された。本発明の精製サポニンは、生
薬抽出物よりも低量でアジュバント効果を示した。具体
的には、樹皮抽出物の主なサポニン(QA−7、QA−17、
QA−18、QA−21)は炭水化物4.5μgあるいはそれ以下
(アンスロン検定による)でアジュバント活性を示し
た。精製されたサポニンは、さらに炭水化物含量、逆相
及び順相TLC、UV、赤外吸収、NMR、スペクトル、高速原
子衝撃質量分析(器)によって特徴づけられる。
いくつかのよりよく精製されたサポニンの1%(w/
v)メタノール溶液中205nmで測定された吸光度係数の概
値は以下の通りである: 1%E205(nm) QA−7 34 QA−17 27 QA−28 27 QA−21 28 サポニンの定量に、炭水化物含量を用いられたことが
あった。炭水化物の検定には、実施例1に示すように、
スコットとメルビンのアンスロン法(アナリテイカル・
ケミストリー25:1656(1953))が用いられ、スタンダ
ードにはグルコースが用いられた。この検定により、精
製サポニン(乾燥重量)mgあたりのアンスロン反応(グ
ルコース当量で表現されている)の強さの比率を測定で
きるので、個々の調製物の乾燥重量が、アンスロン検定
により推定可能となった。アンスロンと、種々のサポニ
ンとの反応性のちがいは、量よりむしろ炭水化物の組成
に由来しているのかもしれない。というのは、本検定で
は、種々の単糖体は異なる反応性を示すからである。
十分に純粋なQA−7サポニンは、以下のような特徴を
有する:免疫アジュバント活性を有し、乾燥重量あた
り、約35%の炭水化物を含有(アンスロン検定による)
し、205−210nmにUVに吸収極大を示す。粒子の大きさ5
μm、孔径300Å、内径4.6mm×長さ25cmのヴィダックC4
カラムの付いたRP−HPLCを使い流速1ml/分で40mM酢酸の
メタノール/水(58/42:v/v)溶液を流したとき、保持
時間は約9−10分である。粒子の大きさが5μm、孔径
300Å、内径10mm×長さ25cmのヴィダックC4カラムを40m
M酢酸の50〜80%メタノール溶液で段階的に溶出したと
き、52−53%メタノールで溶出される。臨界ミセル濃度
は、水で約0.06%、リン酸緩衝液で約0.07%である、20
0μg/ml、あるいはそれ以下の濃度では羊赤血球に溶血
が認められず、また単糖残基として末端ラムノース、末
端キシロース、末端グルコース、末端ガラクトース、3
−キシロース、3,4−ラムノース、2,3−フコーズ、2,3
−グルクロン酸、アピノーズ(結合は解析されていな
い)が含有される。
十分に純粋なQA−17サポニンは、以下のような特徴を
有する:免疫アジュバント活性を有し、乾燥重量あたり
約29%の炭水化物を含有(アンスロン検定による)し、
205−210nmにUVの吸収極大を示す。粒子の大きさ5μ
m、孔径300Å、内径4.6mm×長さ25cmのヴィダックC4
ラムのついたRP−HPLCを使い流速1ml/分で40mM酢酸のメ
タノール/水(58/42,v/v)溶液を流したとき、保持時
間は約35分である。粒子の大きさが5μm、孔径300
Å、内径10mm×長さ25cmのヴィダックC4カラムを40mM酢
酸の50−80%メタノール溶液で段階的に溶出したとき、
63−64%メタノールで溶出される。臨界ミセル濃度は水
で約0.06%(w/v)、リン酸緩衝液で0.03(w/v)であ
る。25μg/mlあるいはそれ以上の濃度で羊赤血球に溶血
が認められ、また、単糖残基として末端ラムノース、末
端キシロース、2−フコーズ、3−キシロース、3,4−
ラムノース、2,3−グルクロン酸、末端グルコース、2
−アラビノース、末端ガラクトースとアピオーズ(結合
は解析されていない)が含有される。
十分に純粋なQA−18サポニンは、以下のような特徴を
有する:免疫アジュバント活性を有し、乾燥重量あたり
約25−26%の炭水化物を含有(アンスロン検定による)
し、205−210nmにUVの吸収極大を示す。粒子の大きさ5
μm、孔径300Å、内径4.6mm×長さ25cmのヴィダックC4
カラムのついたRP−HPLCを使い、流速1ml/分で40mM酢酸
のメタノール/水(58/42、v/v)溶液を流したとき、保
持時間は約38分である。粒子の大きさが5μm、孔径30
0Å内径10mm×長さ25cmのヴィダックC4カラムを40mM酢
酸の50−80%メタノール溶液で段階的に溶出したとき、
64−65%メタノールで溶出される。臨界ミセル濃度は水
で約0.04%(w/v)、リン酸緩衝液で0.02%(w/v)であ
る。25μg/mlあるいはそれ以上の濃度で羊赤血球に溶血
が認められ、また、単糖として末端ラムノース、末端ア
ラビノース、末端アピオーズ、末端キシロース、末端グ
ルコース、末端ガラクトース、2−フコーズ、3−キシ
ロース、3,4−ラムノース、2,3−グルクロン酸が含有さ
れる。
十分純粋なQA−21サポニンは、以下のような特徴を有
する:免疫アジュバント活性を有し、乾燥重量あたり約
22%の炭水化物を含有(アンスロン検定による)し、20
5−210nmにUVの吸収極大を示す。粒子の大きさ5μm、
孔径300Å、内径4.6mm×長さ25cmのヴィダックC4カラム
のついたRP−HPLCを使い、流速1ml/分で40mM酢酸のメタ
ノール/水(58/42、v/v)を流したとき、保持時間は約
51分である。粒子の大きさが5μm、孔径300Å、内径1
0mm×長さ25cmのヴィダックC4カラムを40mM酸の50−80
%メタノール溶液で段階的に溶出したとき、69−70%メ
タノールで溶出される。臨界ミセル濃度は、水で0.03%
(w/v)、リン酸緩衝液で0.02%(w/v)である。25μg/
mlあるいはそれ以上の濃度で羊赤血球に溶血が認めら
れ、また、単糖として末端ラムノース、末端アラビノー
ス、末端アピオーズ、末端キシロース、4−ラムノー
ス、末端グルコース、末端ガラクトース、2−フコー
ズ、3−キシロース、3,4−ラムノース、2,3−グルクロ
ン酸を含有する。
「個体」という用語は、ヒトを含め、免疫応答をひき
おこすことができるすべての動物を意味する。純粋なサ
ポニンは、広い投与量範囲で、また投与された抗原に対
する比率も広い範囲にわたって、アジュバント効果を示
す。ある態様においては、サポニンは抗原に対するアジ
ュバントの比率(w/w)が3.0あるいはそれ以下、望まし
くは1.0あるいはそれ以下で投与される。
精製されたサポニンは、各々個別にか、あるいは他の
十分純粋なアジュバントと混合して、抗原に対する免疫
応答を増強するために、投与することができる。本発明
におけるアジュバント混合物の中では、いっしょに投与
された、QA−7とQA−17、QA−7とQA−18、QA−17とQA
−18、あるいは、QA−7とQA−17とQA−18が効果的であ
った。純粋なサポニンは、非サポニンアジュバントとも
いっしょに投与された。本実験で有益であった非サポニ
ン性アジュバントとは、オイルアジュバント(たとえば
フロイントの完全及び不完全アジュバント)、リポソー
ム、無機塩(たとえば、Al(SO4、AlNa(SO4
AlNH4(SO4)、シリカ、みょうばん、Al(OH)、Ca3
(PO4、カオリン、炭素など)、ポリヌクレオチド
(たとえば、ポリIC及びポリAU酸)及びある主の天然物
(たとえば、ミコバクテリウム・ツベルクロシス由来の
ワックスD、同様にコリネバクテリウム・パリヴム、ポ
ルデテラ・ペルツシス及び多くのプルセラ属中に見いだ
された物質など)である。
本発明の純粋なサポニンは、あらゆる抗原に対して免
疫応答を増強するために利用される。本発明の、免疫応
答を引きおこす配合にちょうど適した抗原は、以下に示
すもののどれかに由来する抗原に包含される:インフル
エンザ、狂犬病、麻疹、B型肝炎、口蹄疫、HTLV−III
などのウイルス;炭疸、ジフテリア、結核などの細菌;
バベオシス・ボヴィス、プラスモディウムなどの原生動
物。
本発明の純粋なサポニンを、gp70組換え体タンパクに
対する免疫応答を増強するために用いたのは特有な例で
ある。gp70組換え体タンパクの1つにネコ白血病ウイル
スgp70膜タンパクのポリペプチド部を含有する抗原があ
る。この組換え体抗原は、「gp70R」「rec−gp70」ある
いは「Rpg70」と命名されている。ネコ白血病ウイルス
のサブグループAのp15e膜タンパクの、40個のアミノ末
端アミノ酸(Rpg70−デルタという)あるいは全アミノ
酸配列(Rgp90という)と共にネコ白血病ウイルスgp70
のポリペプチド部を含有するもう一つの抗原調製物は、
組換え体DNAのテクニックを使って作り出される。これ
らの組換え体gp70含有ポリペプチド、gp70R、gp70R−デ
ルタ及びgp90Rは、今後、まとめてgp70含有タンパクと
称す。gp−70含有タンパクという用語は、天然に産する
gp−70含有タンパクと同じアミノ酸配列をもつポリペプ
チドおよびその類似物を含めることとする。「類似物」
という用語は、一種あるいはそれ以上のアミノ酸をつけ
加えたり、取り去ったり、置き換えたりすることによっ
てできる、gp70、gp70−デルタ、gp−90とは異なるタン
パクや、ポリペプチドを含めることを意図するものであ
るが、上述のポリペプチドが十分なgp70タンパクの生物
学的活性を示すことを条件としている。
本発明の方法に有用な化合物の投与は、非経口、静脈
内、筋肉内、皮下、鼻中あるいは他の任意の適当な方法
で行なうことができる。投与量は、年令、体重、同時に
行う処置(ある場合)、与えられた抗原の性質によって
決定される。本発明の方法に役立つ有効化合物は、経口
では、カプセル、溶液、懸だく液、あるいはエリキシル
の形で、または、溶液や懸だく液のような無菌の液剤の
形で用いることができる。食塩水、リン酸緩衝食塩水の
ような不活性担体、あるいは、本発明の方法で用いられ
る化合物が、本発明の方法で使用するに適した溶解性を
もつ任意の同様な担体を用いるのが好ましい。
以上、本発明の概要を述べたが、本発明は以下の実施
例を参照すると更によく理解できるものであり、これら
は明確に述べない限り限定を目的とするものではない。
実施例1 キラジャ・サポナリア・モリナ樹皮抽出物の予備調製物 キラジャ・サポナリア・モリナ樹皮を、過剰な水(10
%w/v)とともに、かくはんしてサポニンを抽出した。
水抽出物はろ過し、0.1%NaN3中に保存した。この抽出
物150mlを20000×gで、30分間遠心にかけ、残渣の樹皮
部分を除去した。明るい茶色をした上清を凍結乾燥し、
それから水16mlを再び溶解し、1N酢酸160μを加えてp
H4以下に調整した。この溶液を、分子量排除限界12000
の透析管に入れ、水1で透析した。水は透析してから
8時間後に交換し、一晩中透析した。透析物サンプル
は、透析の1サイクルを2サイクルの後に取った。透析
した抽出物は、凍結乾燥してから、60℃に15分間40mlメ
タノールを用いて抽出し、次に1000×gで10分間遠心に
かけ、不溶物を沈殿させた。この材料は、あと2回メタ
ノールで抽出した。メタノール抽出物は、プールしてか
ら回転エバポレーターで、蒸発乾固し、5.5mlのメタノ
ールに再度溶解し、0.2μナイロン66メッシュを通して
ろ過し、残渣の不溶物を除去した。その分画はC8プレー
トのついた逆相薄層クロマトグラフィー(RP−TLC)
(E.M.サイエンスRP−TLC,C8)で70%メタノール/30%
水の溶媒を用いて展開、あるいは、シリカゲル60TLCプ
レートのついた順相薄層クロマトグラフィーでn−ブタ
ノール,エタノール,水,アンモニア(30/60/29/21 v
/v/v/v)の溶媒系を用いて展開した。炭水化物のバンド
はビアール試薬で発色させた。ビアール試薬は、硫酸炭
化法により検出可能なすべての主要バンドを、硫酸炭化
法より高い感度で検出する。ビアール炭水化物発色試薬
は、TLCプレートの検出試薬として、常法どおりに使用
した。すべての主要バンドはグリコシル化されていた。
透析により、主な炭水化物含有バンド(EMサイエンス
RP−TC8使用しメタノール/水(70/30,v/v)で展開した
とき、Rf=0.82)を取り出し、同様にいく分かの重要で
ない成分をも取り出された。さらに、透析により、吸収
極大280及び310nmで強い吸収がみられる成分がとり出さ
れた。約80%の炭水化物(アンスロン検定による)が透
析により取り出されたが、溶血活性は、透析時にも約95
%維持されていた。
たいていのアジュバントサポニンには、界面活性作用
があることが知られており、たとえば赤血球の溶血をひ
きおこしたりするので、溶血活性の保持は、おおよそで
はあるが、アジュバンドサポニンの保持を示すものであ
る。いくつかのバンドは透析で保持されたが、これらは
洗浄活性を示した。透析抽出物中にある全てのTLCバン
ドは1つのバンド(逆相及びシリカTLCプレートでRF=
0)を除いて、メタノールに溶解した。メタノール不溶
物質は、赤茶色であった。メタノールに溶解した物質
は、凍結乾燥すると白色になった。
炭水化物の濃度は、スコットとメルヴィンの方法(ス
コット,T.A.,及びメルヴィン,E.H.アナリティカル・ケ
ミストリー25 1656(1953))により定量した。簡単に
説明すると、検定される水溶サンプル、あるいは炭水化
物溶液のスタンダードであるグルコース(450μ)
は、0.2%アンスロン(w/v)900μと、硫酸中で混合
し、90−100℃で16分間インキュベートした。625nmで吸
収が認められた。グルコースはスタンダードとして用い
た。
サンプルの溶血活性は以下のようにして検定した。簡
単に説明すると、サンプルは、丸底微量滴定用プレート
中、リン酸緩衝食塩水で、連続列として1:2で希釈した
(100μ/ウェル)。アルセヴァーズ溶液(ハゼルト
ン)中の10μの正常なウサギの血液を各々のウェルに
加え、混合した。プレートは、室温で1時間インキュベ
ートとして、続いてソルヴォールRT6000中で遠心にか
け、溶血しなかった血球を沈殿させた。ウェルの底の溶
血していない細胞のペレットの存在から未溶血の程度を
検定した。
実施例2 透析されたメタノール可溶性樹皮抽出物とスーバーフォ
スの「キル−A」とのTLC及びHPLCによる比較 スーパーフォスの「キル−A」と、透析された樹皮抽
出分のメタノールの可溶成分は、実施例1と同様に調製
し、実施例1で説明した逆相TLCで比較した。透析した
メタノール溶解した後の樹皮抽出物の全てのバンドは
「キル−A」にも存在した。さらに、「キル−A」に
は、逆相TLCプレート上にrf=0のバンドが含まれた。
この成分は、上述のようにメタノール溶解することで除
去された。透析されたメタノール可溶樹皮抽出物と「キ
ル−A」の成分の類似性はHPLCにより確認された。樹皮
抽出物の個々の成分は、40mM酢酸のメタノール/水(58
/42 v/v)溶液を用いて、ヴィダックC4のついた逆相HP
LC(粒子の大きさ5μm、粒子径300Å、内径4.6mm×長
さ25cm)で分離することができた。個々の分画の屈折率
を測定した。第1図にRP−HPLCのピーク(保持時間の短
い順にQA−1からQA−22と記号をつけた)の屈折率プロ
フィールを示した。樹皮抽出物とスーパーフォスの「キ
ル−A」の各ピークの相対比率を以下の第1表に示し
た。
個々のピークは逆相薄膜クロマトグラフィーのプレー
ト上の単一のバンドに対応する。第2図に示されたもう
ひとつの実験でも、屈折率のピークは炭水化物のピーク
に対応し、すべての主な樹皮抽出物の成分はグリコシル
であるということが確認された(HPLC分画の炭水化物は
アンスロン検定された)。
透析してメタノールに溶解した樹皮抽出物と「キル−
A」を、このHPLC系で直接比較した。個々の成分は、保
持時間で同定した。透析してメタノールに溶解した樹皮
抽出物に認められたすべてのピークは、よく似た割合で
「キル−A」にも認められたが、例外があり、樹皮抽出
物に比較して、スーパーフォスの「キル−A」のQA−8
成分は高い割合で、QA−17成分は低い割合で認められ
た。第3図では、透析してメタノールに溶解した樹皮抽
出物とスーパーフォスの「キル−A」を、半調製用ヴィ
ダックC4(内径10mm×長さ25cm、孔径300Å、粒子の大
きさは5μm)を使って比較している。サンプルは、40
mM酢酸の50%メタノール溶液に溶かしてかけ、40mM酢酸
グラジエント(第3図に示す)でサンプルを流出した。
吸光度は214nmでモニターされた。
キラジャ樹皮の種々のサンプルが抽出され、HPLCで分
析された。ピークの相対比率には、ばらつきがあった
が、いつも同じピークが現れた。比率のばらつきか、抽
出過程における効率によるものなのか、用いた樹皮が異
なるためなのかは今のところ不明である。「キル−A」
は入手しやすく、樹皮抽出物と組成も似ているため、物
質のmg含量産出に、「キル−A」が利用された。BSA抗
原を使った。マウスにおけるアジュバント活性は、投与
量が炭水化物3.0μg(アンスロン検定により定量され
た)で、ピーク4、7、11、12、15、16、17、18、19、
20に関して認められた(第2表)。血清希釈1:10におけ
る、抗原特異性抗体の結合による吸光度(免疫化後2週
間、ELISAにより検定)から、アジュバント活性が、半
定量的に測定された(アジュバントを与えずに免疫化し
たマウスにおける0.07から、QA−20を与えて免疫化した
マウスにおける1.24の範囲の範囲に広がっている)。
樹皮抽出物のQA−7、QA−17、QA−18、QA−21のピー
クが大きく出たので、これら4種の成分は、以下の実施
例3と4で述べるように、大規模に抽出した。
実施例3 シリカクロマトグラフィーによる精製 「キル−A」1gをメタノール75mlに懸濁し、60℃で15
分間加熱し、ろ過した。2回めは、不溶物は、60℃で50
mlメタノールにより抽出し、ろ過した。ろ過物は、回転
エバポレーターで蒸発乾固した。リクロペップシリカSi
60カラム(E.M.サイエンス、内径25mm×長さ310mm、粒
子の大きさは40−60μm)は、40mM酢酸のクロロホルム
/メタノール/水(62/32/6、v/v/v)で、前平衡の状態
にした。
サポニンの粗製混合物である「キル−A」は、乾燥し
カラム溶媒5mlに溶解し、この溶媒系を用いて流速1ml/
分でシリカからイソクラックに流出した。薄層クロマト
グラフィーとHPLCを用いた炭水化物分析で、QA−7、QA
−17、QA−18、QA−21の分画をモニターした。19−30の
分画は、QA−21を多量に含み、さらにQA−21を精製する
ためにプールしておいた。31−60の分画は、QA−8とQA
−18を多量に含み、さらにこれらの成分を精製するため
にプールしておいた。85−104の分画は、QA−7とQA−1
7を多量に含み、さらにこれらの成分を精製するために
プールしておいた。これらのプールは、さらに精製する
前に、フラッシュ蒸発させた。
実施例4 逆相HPLCによるさらなる精製 シリカの分画は、ヴィダックC4(内径10mm×長さ25c
m)のついた半調製逆相HPLCで、さらに精製した。第4
図。シリカ分画(10−20mg)は適当な溶媒に溶かして、
ヴィダックC4にかけた。分画を溶出するのに、メタノー
ルグラジエントを用いた。流速は毎分3mlとした。分画
は、214nmにおける吸光度によってモニターした。第4B
図では、19−30のシリカ分画からQA−21を、40mM酢酸の
58%メタノール/42%水溶液でイソクラチック分離して
精製したことを示している。保持時間65−72分で溶出し
た分画は、逆相TLCにより、QA−21であると同定され
た。この分画は、さらに特性を調べるために、プールし
ておいた。第4C図では、31−60のシリカ分画からQA−18
を、40mM酢酸のメタノールグラジエント、(50−56%メ
タノール/0−10分、56−69%メタノール/10−79分)で
精製したことを示している。保持時間46−48分で溶出し
た分画は、逆相TLCにより、QA−18であると同定され
た。この分画は、さらに特性を調べるために、プールし
ておいた。第4D図では、85−104のシリカ分画からQA−
7とQA−17を、第4C図のものと同じグラジエントを用い
て精製したことを示している。保持時間21−23分で溶出
した分画は、逆相TLCにより、QA−7であると同定され
た。この分画は、さらに特性を調べるために、プールし
ておいた。保持時間44−46分で溶出した分画は、逆相TL
Cにより、QA−17であると同定された。この分画は、さ
らに特性を調べるために、プールしておいた。
実施例5 シリカ及び逆相クロマトグラフィーにより精製されたア
ジュバントの純度及び特性記述 純度 第5a図は、逆相TLC(E.M.サイエンスRP−TLC、C8(溶
媒=70%メタノール、発色スプレー=ビアール試薬))
を表している。実施例3と4で述べた方法で精製したQA
−7、QA−17、QA−18、QA−21、各5μgをクロマトグ
ラフィーにかけた。このTLC系では、アジュバントは各
々、単一なバンドとして現れた。
第5b図は、EM Si60HPTLCプレート(溶媒=40mM酢酸の
クロロホルム/メタノール/水(60/45/10、v/v/v)溶
液、発色スプレー=ビアール試薬)に現れたQA−7、QA
−17、QA−18、QA−21及び「キル−A」の分画を表して
いる。実施例3と4で述べた方法で精製したQA−7、QA
−17、QA−18、QA−21の各2μgと、粗製サポニン抽出
物である「キル−A」の20μgをクロマトグラフィーに
かけた。HPLCで精製した物質は、単一なバンドとして著
明に現れた。
分光学 メタノールに溶解したQA−7、QA−17、QA−18、QA−
21のUVスペクトルは、第6図A〜Dに個別に示した。ダ
ルスガード(ダルスガード,K.、アクタ・ベテリナリア
・スカンジナビア・サプルメント69:1−40(1978))の
アジュバント分画には、280nmに吸光度のピークが認め
られるが、本発明の、HPLCで精製した分画には280nmで
ピークが認められず、200−220nmの間の部分に大きなピ
ークが認められ、260nmに中心をもつ肩があった。
フーリエ変換赤外線共鳴(「FT−IR)」のスペクトル
は、アジュバント間で少ししか差がなかったが、このこ
とは、これらが同じ官能基を有しているということを示
している。しかしながら、IRからは構造の同定はできな
いが、スペクトルのデータはダルスガード(ダルスガー
ド,K.,上記)により示唆されたカルボキシル基の存在と
一致する。
CD3OD中の精製サポニンの250MH2における1H−NMRは、
精製サポニンであるQA−7(第7A図)、QA−18(第7B
図)、QA−21(第7C図)の複雑な特性を示している。4.
1ppm〜5.4ppmの間の範囲にあるシグナルから、単糖類の
アノマー性プロレンによる多重シグナルがあることが明
らかになった。このことは単糖類の多重結合の存在を示
している。しかし、サポニンのNMRのスペクトルがとて
も複雑なので構造決定ができなかった。
精製サポニンQA−7、QA−17、QA−21のMS−FAB(そ
れぞれ、第8A図、第8B図、第8C図に示す)から、偽似分
子イオン質量が、それぞれ約1870、2310、1980であるこ
とが示された。QA−18は、水に溶解しにくいため、MS−
FABでは決定できなかった。これらの分子量は8〜10個
の糖残基に結合したトリテルペントと推定される。そし
てそれらは、メタノールに溶解した精製サポニンを、サ
イズ排除HPLC(ゾルバックスPSM60Siカラム25cm×6.2m
m、流速1ml/分、分子量スタンダード=18−β−グリシ
リチレン酸とギンノサイドRb1)で決定した、モノマー
の分子量と同じ範囲にあった。このことから、QA−7、
QA−17、QA−18、QA−21の分子量は、それぞれ、約260
0、2400、1800、2400であることが示された。FAB−MS
と、サイズ排除HPLC間に認められる差は、ほとんど、サ
ポニンと分子量スタンダードの形のちがいのせいであ
る。
炭水化物組成 精製サポニンQA−7、QA−17、QA−18、QA−21の炭水
化物組成と結合の分析を、以下に掲げた第3表に示し
た。サポニン0.2mgを2N 0.1mg/mlのイノシトール含有の
2Nトリフルオロ酢酸0.3mlに溶かして、120℃で2時間加
熱することによって、サポニンの炭水化物をアルディト
ールアセテートに変換した。酸は空気を送って除去し
た。残った酸は、イソプロパノール(2×0.25ml)を加
えて取り除き、空気を送って乾燥した。得られた乾燥残
留物は、10mg/mlのボロデューテライドナトリウム含有1
M水酸化アンモニウム(0.25ml)に溶解し、室温で1時
間放置した。氷酢酸(0.1ml)を加え、空気を送って乾
燥した。残ったホウ酸は、10%酢酸のメタノール溶液
(3×0.25ml)で、最終にはメタノール(2×0.25ml)
で、共蒸留し除去した。乾燥残留物は、無水酢酸(0.1m
l)とピリジン(0.1ml)に溶解し、120℃で20分間加熱
した。冷却した溶液にトルエン(9.02ml)を加え、溶媒
は空気を流して除去した。トルエンを加えて、ピリジン
と無水酢酸を除去する操作は、2回繰り返して行われ
た。残留物は、ジクロロメタン(0.5ml)中にとり出
し、水(0.5ml)で抽出した。有機相は、きれいな試験
官に移し、乾燥した。残留物はアセトン(0.1ml)に溶
解し、GLC(気液クロマトグラフィー)で分析した。ア
ルジトールアセテートは、水素炎イオン化検出器のつい
たSP2330キャピラリーGLCカラム(30m×0.25mm)により
235℃で分析した。サポニンの炭水化物を、0.1mgを、50
μg/mlイノシトール含有メタノール性HCl(0.3ml)に溶
解して、80℃で16時間加熱すると、トリメチルチル化メ
チルグリコシドに変換した。サンプルは、空気を送って
乾燥し、残った酸は、t−ブチルアルコール(2×0.25
ml)を加えてから、空気を送って乾燥することによって
除去した。乾燥残留物は、ピリジン、ヘキサメチルジシ
ラザン、トリメチルクロロシラン(5:1:0.5v/v、「Tri
−Sil」)の溶液に溶解し、80℃で20分間加熱した。シ
リル化試薬は、室温で蒸発させ、残留物をヘキサン(1m
l)に溶解した。不溶残渣をガラスウールプラグを用い
てろ過して除去した後、ろ液をきれいな試験官に移し、
蒸発させた。残留物はヘキサン(0.2ml)に溶解してか
ら、GLCにかけて分析した。トリメチルシル化メチルグ
リコシドは、水素炎イオン化検出器のついた、シリカDB
1結合GLCカラム(25cm×0.25mm)を用いて、160℃で3
分、続いて200℃まで2゜/minで上昇させ、それから260
℃まで10゜/minで上昇させて分析した。
グリコシド結合は、以下の方法で分析した。サンプル
(1mg)に乾燥ジメチルスルホキシド(0.2ml)、ポタ
ジウムジメチルスルフィニールアニオン(2M)、を加
え、混合物を、アルゴン存在下で12時間かくはんした。
反応している混合物は氷中で冷却し、ヨウ化メチル(0.
2ml)を滴加した。得られた混合物、超音波処理し、室
温で1時間かくはんした。メチル化された物質は、エタ
ノール(20ml)、アセトニトリル(8ml)、水(10ml)
で調整されたセプーパックC18カートリッジを用いて単
離された。メチル化反応中の混合物に水(1ml)を加
え、過剰のヨウ化メチルは、窒素を溶液に通して除去し
た。透明な溶液は、水(8ml)と20%アセトニトリル(5
ml)で洗浄したカートリッジに入れた。メチル化された
物質は、100%アセトニトリル(4ml)とエタノール(4m
l)で、カートリッジから流出した。溶媒は、空気を送
って除去、乾燥したメチル化物は、室温で1時間、「ス
ーパーデューテライドン溶液で処理し、ウロン酸残渣を
還元して、対応するヘキソースにした。氷酢酸(0.1m
l)で過剰の試薬を破壊した後、反応中の混合物に、10
%酢酸/メタノールを加えて、空気を送り込んで乾燥さ
せた。これをあと2回行った。メチル化物を還元して得
らてた物質は、メタノールに溶解して、ダウエックス−
50W(H+)のカラムを通し、流出物は、乾燥した。還元
されたメチル化物を、上記のセクション1で述べたよう
に、メチル化アルディトールに変換した。それで、GLC
(シリカカラム(30m×0.25mm)結合SP2330、170℃で3
分間、その後4゜/分で240℃まで上昇)とGLC−MS(シ
リカカラム(30m×0.25mm)結合SP2330、80℃で2分
間、その後170℃までは30゜/分で、それから240℃まで
は4゜/分、その後は240℃で10分間維持、マススクト
ルの分析は、ビューレットーパッカードMSDによる)で
分析した。
炭水化物組成が似ていたにもかかわらず、微妙なちが
いから、個々のサポニンを区別できた。詳細には他のサ
ポニンと比較すると、QA−7にはアラビノースがなく、
QA−21ではグルコースが少ない。
界面活活性剤としてのサポニンの特性 アジュバントQA−7、QA−17、QA−18およびQA−21の
臨界ミセル濃度は、デベンディティスらの方法〔デベン
ディティス・イー、パルムボ・ジィおよびボクチニ・ブ
イ(1981年)、アナリィティカル・バイオケミストリ
ィ、115巻、278〜286頁〕により、以下のように測定し
た。1−アニリノナフタレン−8−スルホン酸(ANS)
の水中での放射スペクトルを、臨界ミセル濃度の上下限
をカバーすべく、0.01〜0.10重量/容量%のアジュバン
ト乾燥重量濃度で測定した。臨界ミセルの濃度以上で
は、けい光染料のミセル中への分配により、ANSのけい
光収率は増加し、放射物の最大波長は減少する。QA−
7、QA−17、QA−18およびQA−21についての水中の同様
な臨界ミセル濃度(各々、0.06%、0.06%、0.04%およ
び0.03%)は、リン酸緩衝食塩水中で測定した濃度(各
々0.07%、0.03%、0.02%および0.02%)よりもわずか
に低いことが、判明した。
第9図は、精製QA−18およびQA−21により形成したミ
セルのゲルろ過クロマトグラフィ〔バイオ−ゲルP−20
0(6.6mmID×90cmht)〕を示すが、これは、かかるサポ
ニンのリン酸緩衝食塩水中臨界ミセル濃度と等しい精製
サポニン濃度で予め平衡にして、モノマー・ミセル平衡
についての見掛けミセル半径の減少を防止したものであ
る。QA−18およびQA−21ミセルは、蛋白質ウシ血清アル
ブミンと同様な寸法で溶離する。
アジュバントの溶血活性は、以下の方法で測定した。
アジュバントQA−7、QA−8、QA−17、QA−18、QA−21
およびスーパーホス「キル−A」の希釈液を丸底マイク
ロタイター・プレート上に調製した(各ウエルあたり75
μ)。ヒツジ赤血球細胞(SRBC)をPBSで3回洗浄
し、PBSで4%に希釈した。SRBC25μを各ウエルに添
加し、アジュバントと混合した。室温で30分間のインキ
ュベーション後、プレートを1000rpm×5分間、ソルバ
ルRT6000、H−ローターで遠心分離して、未溶血細胞を
沈澱させた。各ウエルの上澄液50μを平底マイクロタ
イター・プレートのウエルに移し、H2Oで200μに希釈
した。ダイナテック・マイクロタイター・プレート・リ
ーダーで570nmの吸収率を測定した(第9図)。溶血
は、ヘモグロビンの溶血細胞からの放出により570nmの
吸収率を増加させた。アジュバント間で、著しい溶血の
差異が観察された。QA−17、QA−18、QA−21およびスー
パーホス「キル−A」は、部分的な溶血を、25μg/mlほ
どの低い濃度で引き起こす一方、QA−8については150
μg/mlで部分的な溶血が観察された。QA−7について
は、テストした濃度(200μg/ml以下)では溶血は観察
されなかった。
実施例6 毒性成分QA−19の単離 毒性成分QA−19をQA−18と共に、シリカ上でクロマト
グラフィに付し、シリカ・フラクション31〜60中に富化
させた。これらのフラクションを集め、付加的な精製前
に、フラッシュ蒸発させた。第4C図は、逆相HPLC/Vydac
C4(10mmID×25cmL、メタノール勾配使用)によるQA
−19のQA−18からの分離を示す。保持時間50〜52分で溶
離するフラクションは、逆相TLCおよび分析用HPLCによ
りQA−19として同固定し、集め、さらに特性を調べた。
QA−19は、狭いメタノール勾配での再精製により、2つ
のピークにさらに分離することができ、短い保持時間の
ピークをQA−19aと命名し、長い保持時間のピークをQA
−19bと命名した。QA−19bよりもマウス中での毒性が強
いピークQA−19aの炭水化物についての分析は、他のサ
ポニンと同様な炭水化物組成を示した(第3表)。
実施例7 アルカリ加水分解精製物の単離 短時間のアルカリ加水分解により、QA−18を処理し、
1つの主生成物として炭水化物含有アルカリ加水分解生
成物(QA−18Hと命名)を得た。精製QA−18Hは、以下の
方法により、QA−18から製造、単離した。
QA−18(5mg/ml)1mlを1N NaOH25μと共に15分間、
室温にてインキュベートした。1N酢酸100μの添加に
より反応を停止させた。これらの加水分解条件を用い、
QA−18を加水分解主生成物(QA−18H)に完全に変換さ
せると、これは未加水分解QA−18の保持時間66.8分に対
し8分の保持時間のピークで溶離し、QA−18Hの増加し
た親水性を示した〔クロマトグラフィ/Vydac C4(4.6m
mID×25cmL、メタノール/水(=55/45)(容量/容
量)中0.1%トリフルオロ酢酸、流速1ml/分で180分間を
要しメタノール/水(64/36)(容量/容量)勾配で溶
離〕。純粋なQA−18Hを含有するピーク(保存時間8
分)を集め、さらに特性を調べた。QA−21の加水分解生
成物(QA−21Hと命名)を同様な方法で、製造、精製し
た。QA−21Hは、未加水分解QA−21の80.4分に対し9.3分
の保持時間を有した。これらの加水分解生成物は、HPLC
の保持時間および逆相薄層クロマトグラフィにより、ヒ
グチらの方法〔フィトケミストリィ、26巻、229頁(198
7年)、NH4HCO3穏やかなアルカリ加水分解〕で得られた
加水分解主生成物と、同じであることが示された。ま
た、これらの生成物、QA−18HおよびQA−21Hは、キル−
A、QA−7、QA−17、QA−18およびQA−21含有粗サポニ
ン混合物ならびに他のサポニン類の加水分解による主分
解生成物であることが示され、該加水分解生成物QA−21
HおよびQA−18Hは、ヒグチらが単離した加水分解生成物
と、とりわけ構造特性について同じであることが示され
た。QA−18HおよびQA−21Hはアジュバント活性の付加的
な特性を調べるため貯蔵した。
実施例8 簡潔には、アジュバント効果は免疫体系において可能
性のあるアジュバントの添加による抗原−特異的抗体力
価の増大により評価する。抗体濃度が増大すれば、およ
び/または抗原/抗体親和性が増大すればするほど力価
は増大する。サポニンのアジュバント効果は従来はモル
モットの口蹄疫ワクチンに対する中和抗体の力価の増大
(ダルスガード,K.、アルヒブ・フュア・ディー・ゲザ
ムテ・フィルスフォルシュング等44巻243−254頁(1974
年)、BSA/サポニン混合物で接種したモルモットのBSA
に対する沈降抗体力価(放射状免疫拡散法により測定)
の増大(ダルスガード,K.、アクタ・ベテリナリア・ス
カンジナビカ第69巻第1−40頁(1978年))およびKLH/
サポニンに免疫したマウスにおける抗キーホールリンペ
ットヘモシアニン(KLH)抗体(エリザにより測定)の
増大(スコット,M.T.ら、インターナショナル・アーカ
イブス・オブ・アレルギー・アンド・アプライド・イム
ノロジー第77巻409−412頁(1985年))によって測定さ
れている。
本研究におけるアジュバント効果の評価は、サホニン
不存在下のBSAによる免疫後と、BSA/サポニンで免疫後
のBSA抗体の増加を比較して測定した。精製後の画分に
おけるアジュバント活性は下記のように測定した:CD−
1マウス(8−10週令)をつぎのような処方により、皮
内免疫した:BSA10μg(シグマ7030、脂肪酸無含有)お
よびBSA200μl中キラジャアジュバント(アンスロン検
定炭水化物1.5−45μg投与量)。免疫2週間後血清を
採取した。抗−BSA抗体をエリザにより測定した。すな
わち、A、C、EおよびG列のイムロン(Immulon)II
プレートを、BSA無含有脂肪酸100μlで1昼夜(PBS中1
0μg)覆っておく。プレートを2回PBSにて洗浄する。
すべてのウェルを、ウェル当たり希釈液(PBS中2%カ
ゼイン酸加水分解物(オキソイド(Oxoid)、w/v))10
0μlとともに1.5時間37℃にてインキュベートして、非
特異的結合を妨害する。プレートは蒸留水中0.05%ツイ
ーン20液にて4回洗浄する。10、102、103および104
に希釈した血清を、各A+B、C+D、E+FおよびG
+Hの列(100μl/ウェル)として、室温にて1時間イ
ンキュベートする。プレートを上記と同様に洗浄する。
ベーリンガー−マンハイム−ヤギ抗−マウス抗体結合ホ
ースラディッシユペルオキシダーゼ(5%BSA中1/5000
希釈)(すべてのウェルにつき、ウェル当たり100μ
l)を室温にて30分間インキュベートする。プレートを
上記と同様に洗浄する。ペルオキシダーゼ反応の程度
を、2,2′−アジノ−ビス(3−エチルベンズチアゾリ
ン)−6−スルホナート(室温にて30分間反応、410nm
における吸収を測定)、または3,3′,5,5′−テトラメ
チルベンジジン(室温にて10分間反応、410nmにおける
吸収を測定)による反応によって測定する。総抗体結合
に対する非特異的抗体結合の寄与は各血清希釈について
抗体陽性ウェルの吸収から、抗体陰性ウェルの吸収を排
除して除く。抗体特異的結合による吸収を血清希釈率の
対数関数としてプロットする(第11図)。アジュバント
不存在下免疫の場合、典型的な末端の力価は、血清希釈
10、またはそれより小であり、サポニンアジュバントの
存在下では103の高さであった。炭水化物12μgまたは
それ以上(アンスロン検定による炭水化物)のアジュバ
ント投与量における透析後のメタノール可溶性樹皮抽出
物は力価をPBS中BSAと比較して次数で2も増大する。好
ましいアジュバント効果は「キル−A」の炭水化物9−
23μg投与において見られる。
実施例9 HPLC−精製抽出成分のアジュバント試験 実施例8記載の方法により、QA−7、QA−11、QA−1
2、QA−15、QA−16、QA−17、QA−18、QA−19およびQA
−20は種々の程度のアジュバント効果を有しており、こ
の当該実験において、炭水化物3.0μgの投与量で、QA
−15、QA−17、QA−18、QA−19およびQA−20は好ましい
効果を有する。免疫に使用したマウスの数が少ないこと
(2)および個々のマウスにおける当然の免疫応答差の
ために、この実験はこれらのピークの相対的なアジュバ
ント効果を定量的評価に通常使用できない。しかしなが
ら、アジュバント活性の存在の質的評価は得られる。QA
−2、QA−3、QA−10、QA−13およびQA−14に明示的な
効果がないことは異なるアジュバント投与量、またはア
ジュバント/蛋白質の比におけるアジュバント効果を除
外するものではないことに注目すべきである。
さらに、QA−7、QA−17およびQA−18について、蛋白
質/アジュバントの種々の比でアジュバントの検討が行
なわれた。一般に、QA−7、QA−17およびQA−18はおよ
そ3:1から9:1の蛋白質/アジュバントの比(蛋白質重量
/炭水化物重量)を用いたとき、良好なアジュバント効
果が得られた(第12図)。QA−21(本実験では蛋白質/
炭水化物の重量比6:1でのみこの実験を行った)もアジ
ュバント効果を有する。しかしながら、最適免疫応答の
蛋白質に対するアジュバントの適当な比は当該サポニン
アジュバントおよび当該使用抗原の両方の関数であるこ
とに注目すべきである。抗原結合アジュバントはサポニ
ンアジュバントの効果の作用機構において重要な役割を
果たす。蛋白質結合サポニンの場合、疎水性相互作用が
主な要素である。従って、HPLC精製アジュバントの疎水
性の差が疎水蛋白質の結合係数に影響を与えるであろ
う。さらに、蛋白質上の疎水結合部位の数もサポニンア
ジュバントへの結合能力に影響を与えるであろう。した
がって、各個々のアジュバントおよび抗原について最適
アジュバント投与量を決定する必要がある。このような
最適化は公知の技術による。
HPLCP−精製アジュバントもフロイントの完全アジュ
バントと比較され、同程度の免疫応答をもたらすことが
判明した(第12b図)。
実施例10 FeLV組換え体gp70R−デルタの製造 (封入体製造) 組換え体エシエリヒア・コリのクローンR16−38を、
1%グルコースおよび0.1%カザミノ酸補足LB培地中、3
2℃で光学密度(560nm)0.4−0.6まで成長させた。つい
で培養物を42℃に移し、さらに2時間インキュベートし
た。この期間後、400gで30分間遠心して細胞を集め、50
トリスHCl(pH7.5)で洗浄し、イソプロパノール中1ml
の0.1Mフェニルメチルスルホニルフルオリド(最終濃度
0.5)および0.4mlの5mg/mlアプロチニン(最終濃度10.0
μg/ml)を加えた200mlの50トリスHClに再けんだくし
た。細胞を0.2%トリトンX−100の存在下リソチーム
(最終濃度0.5mg/ml)を用いる酵素消化で溶解した。30
分間撹拌後、2ml MgCl2(0.5M)、5ml DNアーゼI(1mg
/ml)および1ml 0.1Mフェニルメチルスルホニルフルオ
リドを加えた。さらに30分撹拌後、40ml EDTA(0.25M、
pH7.5)および4mlトリトンX−100(10%w/v)を加え
た。製品を10000xgで30分間4℃において遠心し、ペレ
ットを50ml 50トリスHCl(pH7.5)に再けんだくした。
ペレットを低速で15秒間ホモジナイズした。リソチーム
を0.5mg/mlの濃度に加え、0.6mlの10%トリトンX−100
を加えた。15分間撹拌後、10mlのMgCl2(0.5M)および1
mlのDNアーゼI(1mg/ml)を加え、撹拌をさらに15分間
続けた。50トリス(pH9.0)で300mlに容量調整後、40ml
の10%トリトンX−100および51.2mlのEDTA(0.25M、pH
7.5)を加え、50トリス(pH9.0)で最終容量400mlに調
整した。30分間撹拌後、けんだく液を10000xg、4℃で3
0分間遠心し、ペレットを4M尿素、50EDTAおよび1%ト
リトンX−100含有50トリスHCl(pH7.5)400mlに再けん
だくした。15分間撹拌後、けんだく液を10000xg、4℃
で30分間遠心し、ペレットを1.0M NaCl含有トリスHCl
(pH7.5)400mlに再けんだくした。15分間撹拌後、けん
だく液を10000xg、4℃で30分間遠心し、ペレットを6M
尿素および5EDTA含有トリスHCl(pH7.5)に再けんだく
した。15分間撹拌後、けんだく液を10000xg、4℃で30
分間遠心した。この時点で、封入体のペレットをその後
の使用のために凍結するか、または6MグアニジンHCl、5
0EDTA、および0.5%ベータケルカプトエタノール含有50
トリスHCl(pH9.5)に溶解した。ついで、gp70R−デル
タポリペプチドを下記実施例11の方法の何れかにより精
製した。
実施例11 FeLV組換え体gp70R−デルタの精製 (方法I) 実施例8の溶解蛋白を6M尿素、50トリスHCl(pH8.
0)、5EDTAおよび1ジチオスレイトール(DTT)に対し
て透析した。約120mgの蛋白を、同じ緩衝液で平衡化し
たCM−TSKカラム(EMサイエンス、1.5cmID×4cm)にか
けた。蛋白を、同一緩衝液中NaCl(0−1.0M、150ml
中)直線勾配で溶離した。フラクションを集め、10%SD
Sポリアクリルアミドゲル上での電気泳動で分析した。
クーマシー染色をgp70R−デルタ蛋白の同定に用いた。
約0.1M NaClで溶出したフラクション25−31を集め、免
疫化に用いた。
(方法II) gp70R−デルタの疎水性を減少させるため、スルフヒ
ドリル基をヨードアセトアミドでアルキル化し、リジン
残基をシトラコン酸無水物でN−アシル化した。実施例
8で製造した蛋白を50mMほう酸塩(pH9.0)、0.5%ベー
タメルカプトエタノール(v/v)中6MグアニジンHClに溶
解した。ヨードアセトアミドをモル比1:1(ヨードアセ
トアミド:総スルフヒドリル基)で加えた。アルキル化
を遮光下室温で1時間行なった。総スルフヒドリル基
(蛋白およびベータメルカプトエタノール)のアルキル
化をDTNB(エルマン試薬)でモニターして完全アルキル
化を図った。蛋白濃度を2mg/mlに調整した。
蛋白を、シトラコン酸無水物(蛋白1mg当り0.0022m
l、遊離リジンに対し約50モル過剰)の添加により遮光
下でシトラコニル化した。製品を遮光下50mMほう酸塩
(pH9.0)に対して数回透析した。蛋白リジン基の完全
アシル化を、残留遊離リジン基を測るトリニトロベンゼ
ンスルホン酸(TNBS)との反応で測定した。TNBS(10m
M、200μ)を200μgのアルキル化、シトラコニル
化、透析gp70R−デルタに1ml 50mMほう酸ナトリウム(p
H9.0)中で加えた。混合物を遮光下40℃で2時間インキ
ュベートし、反応を0.5mlの1N HClおよび0.5mlの1%S
DSで停止させ、340nmの吸収を読んだ。TNP−リジンの濃
度は10400の分子吸光係数を用いて測定した。
アルキル化、シトラコニル化gp70R−デルタの精製
は、pH9.0でリジン基の脱封鎖を防ぎつつ行なった。最
終濃度4Mの尿素を修飾蛋白に加えた。蛋白を限外濾過に
より3mg/mlに濃縮し、セファロース6B−Clカラム(1.5
×86cm)にかけた。gp70R−デルタ蛋白は4M尿素、50mM
ほう酸ナトリウム(pH9.0)を用い流速6.6ml/時間で溶
出した。フラクション(5.3ml/フラクション)を集め、
gp70R−デルタを蛋白アッセイとSDS−ポリアクリルアミ
ド電気泳動で測定して、フラクション13−15にあること
がわかった。
gp70R−デルタのシトラニコル化は、5mlのアルキル
化、シトラニコル化gp70R−デルタを50mMくえん酸ナト
リウム(pH5.5)中6M尿素に対して室温で48時間透析す
ることにより逆行させた。gp70R−デルタを100mM炭酸水
素ナトリウム(pH8.0)中6M尿素に対して透析し、水酸
化アルミニウム吸着前に0.8mg/mlに蛋白濃度を調整し
た。
(方法III) 上記のアルキル化、シトラニコル化gp70R−デルタの
精製法の変法を開発した。すなわち、アルキル化、シト
ラニコル化gp70R−デルタを上記のように修飾し50mMほ
う酸ナトリウム(pH9.0)に対して透析した。尿素を最
終濃度8.0Mになるように加えた。蛋白をPM−30メンブラ
ンで限外濾過し、2.5mg/mlの蛋白を得た。蛋白液をセフ
アクリルS−400カラム(1.5×90cm)に、8M尿素含有50
mMほう酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)に入れて適用し、
同一の緩衝液で溶離した。フラクション(2.9ml/フラク
ション)を集め、gp70R−デルタを含有するフラクショ
ン34−37を集めた。これらのフラクションから得た21mg
の蛋白を50mMほう酸ナトリウム(pH9.0)で最終濃度4M
尿素に希釈し、DEAE−TSKカラム(1.5×11cm)に適用し
た。蛋白を4M尿素含有50mMほう酸ナトリウム(pH9.0)
中NaCl(0−0.5M)直線勾配で溶離した。3mlのフラク
ションを集めた。gp70R−デルタを含むフラクション89
−95を集め、gp70R−デルタ15mlを採取した。
実施例12 水酸化アルミニウム吸着gp70R−デルタによる免疫 多数の蛋白に対してアジュバント効果をもつことが判
明しワクチンに繁用されている水酸化アルミニウムを、
gp70R−デルタの担体として用いた。上記実施例11の方
法Iで製造したgp70R−デルタは、6M尿素含有50mMトリ
スCl(pH8.0)の存在下10%水酸化アルミニウムに強く
吸着する。約3μgのgp70R−デルタを100μgの水酸化
アルミニウムに吸着させた。水酸化アルミニウムに吸着
したgp70R−デルタをりん酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄
し、PBS中に再けんだくし、動物の免疫に用いた。
CD−1マウス(8−10週令)を、HPLC精製サポニンQA
−17もしくはQA−18またはQA−17とQA−18の混合物の存
在下または不存在下、総量200μPBS中のAl(OH)
着gp70R−デルタで皮内免疫した。各用量当り20−25μ
gのgp70R−デルタを注射した。HPLC精製サポニンQA−1
7もしくはQA−18またはQA−17とQA−18の混合物は、乾
燥重量用量10μgで用いた。各製剤につき2匹のマウス
を注射した。マウスに、最初の注射6週後gp70R−デル
タ/水酸化アルミニウムのブースター注射をした、マウ
ス血清をFEA(FeLVサブグループA)に対する反応性に
つき免疫化2、4および8週後にELISAイムノアッセイ
で分析した。免疫4週後に、組換え体gp70R−デルタに
より誘発された抗FeLV反応が見られた。HPLC精製サポニ
ンアジュバントQA−17およびQA−18はこの反応を増強し
た。反応は、サポニンアジュバントの不存在下免疫の場
合に較べて、QA−17存在下の方が免疫4週後で次数2だ
け大きかった。この実験の結果は第13図に示す。
抗FEA抗体はELISAアッセイで測定した。FEAウイルス
(10μg/ml、PBS中)をイムロンIIプレートに4℃で一
夜吸着させた(100μ/ウエル)。プレートをPBSで洗
浄し、非特異的抗体結合をPBS中10%正常やぎ血清(100
μ/ウエル)と室温で1時間インキュベーションする
ことによりブロックした。ついでプレートを蒸留水中0.
5%ツイーン20で洗浄した。血清をPBS中10%正常やぎ血
清で希釈し、血清希釈率10、102、103および104(100μ
/ウエル)でプレート上、室温、1時間インキュベー
トした。プレートを蒸留水中0.05%ツイーン20で洗浄
後、100μ/ウエルのPBS中1/5000希釈ペルオキシダー
ゼ・コンジュゲートやぎ抗マウスIgG(ベーリンガー・
マンハイム)と室温で30分間インキュベートした。プレ
ートを蒸留水中0.05%ツイーン20で洗浄後、IgG結合
を、ダイナテク・マイクロリッター・プレート・リーダ
ー上の450nm吸収値から、3,3′,5,5′−テトラメチルベ
ンジジンとのペルオキシダーゼ反応により測定した。
実施例13 水酸化アルミニウム吸着アルキル化gp70R−デルタによ
る免疫 CD−1マウス(8−10週令)を、200μPBS中、実施
例11の方法IIにより精製したアルキル化gp70R−デルタ
(実施例12の記載により水酸化アルミニウム吸着)15μ
g/用量で皮内免疫した。HPLC精製アジュバントQA−7、
QA−17、QA−18および3種アジュバント混合物を、乾燥
重量用量で10μg使用した。各製剤につきマウス3匹を
注射した。マウス血清を、免疫2および4週後に実施例
10記載のようにしてFEAとの反応性について分析した。
実施例10に示した非修飾gp70R−デルタによる免疫と同
様、アルキル化gp70R−デルタ免疫により抗FeLVウイル
ス反応が免疫4週後に誘発された。サポニンアジュバン
ト不存在の場合に較べて、HPLC精製アジュバントQA−
7、QA−17、QA−18はすべて免疫反応を増強した。QA−
17およびQA−17・QA−18混合物が最高の反応を誘発し、
サポニンアジュバント不存在下の免疫よりほとんど次数
2の大きさで大きな最終力価を誘発した。これらの実験
の結果を第14図に要約する。
実施例14 QA−7、QA−17、QA−18、QA−19、QA−21、「キル−
A」の毒性 粗製キラジャサポニンの場合、マウスにおける主要な
毒性症状は肝臓の壊死として出現する。マウスに、各15
0μgのQA−7、QA−17、QA−18、QA−21および他の成
分の粗製用粗原料として用いた粗製サポニン抽出物「キ
ル−A」を皮内注射した。QA−7、QA−17、QA−18およ
びQA−21を注射した動物は当初僅かに病状を示したが、
注射数時間内に完全に回復したように見えた。「キル−
A」は48時間続く重い症状を示した。全部のマウスを48
時間後に殺し、肝臓の死後剖検を行なった。「キル−
A」」は、急性壊死の多中心領域を示す重い肝障害を起
こした。QA−7、QA−17、QA−18およびQA−21は肝に大
きな影響をもたらしたようには見えなかった。QA−17と
QA−18はまた、8および10週目に各100μgを皮下注射
することにより、子ねこで試験したが、臨床的および血
液化学的に全く毒性が見られなかった。反対に、「キル
−A」は子ねこで発熱反対を誘発し、これは数時間続い
た。その故、精製サポニンはマウスおよび子ねこの両方
で「キル−A」より毒性が小さいと思われ、このこと
は、精製工程がこれらのサポニンから粗キラジヤ抽出物
中に存在した1種以上の毒性成分を分離し去ったことを
示す。このような毒性成分の1つを仮にQA−19とする。
50μg以上の用量でマウスを注射後数日間に殺す。QA−
19をさらに精製したところ、2つのピークQA−19aおよ
びQA−19bに分離し得ることが判明した。QA−19aは100
μg以上でマウスを殺すが、QA−19bはみたところ150μ
gの容量まで致死的でない。それ故、QA−19aとQA−19b
の混合物で相乗効果により毒性が増すことを除外するこ
とができない。「キル−A」から分離された他の小ピー
クの予備的スクリーニングは、他のフラクションもまた
毒性であり得ることを示す。故に、精製プロトコルは、
さらに毒性が強いかまたは毒性不純物とクロマトグラフ
上共同行動する、類似であるが別個の化合物からのアジ
ュバント活性サポニンの分離を可能にするものである。
実施例15 実施例7記載のように製造したQA−18HおよびQA−11H
を、実施例3および4記載のように製造した非加水分解
原製品QA−18およびQA−21と直接比較して、BSAと共に
アジュバント効果について試験した。QA−18とQA−21は
マウスにおいて免疫2週間後少なくとも次数1だけ液性
免疫反応を増した。しかし、同用量の加水分解製品QA−
18およびQA−21Hは反応を顕著に増さなかった(第15
図)。それ故、最適アジュバント効果は無償のサポニン
でみられる。すなわち、QA−18とQA−21がそれぞれQA−
18HとQA−21Hへ加水分解されたとき、アジュバント活性
に必要な基本構造がそう失または改変されたことにな
る。
以上、本発明を充分説明したが、下記の本発明の精神
または範囲を逸脱することなく多数の変更および修正を
なし得ることが当業者にとって明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マーシャニ、ダンテ・ジェイ アメリカ合衆国01748 マサチューセッ ツ、ホプキントン、スクール・ストリー ト 48番 (72)発明者 ベルツ、ジェラルド・エイ アメリカ合衆国02173 マサチューセッ ツ、レキシントン、ダウニング・ロード 43番 (72)発明者 ハング、チュング‐ホー アメリカ合衆国01757 マサチューセッ ツ、ミルフォード、ウィンザー・ロード 12番 (56)参考文献 特開 昭54−132218(JP,A) 特開 昭61−7286(JP,A) 特開 昭62−48619(JP,A) 米国特許4335113(US,A) Chem,Pharm,Bull 28 (7)p2059−2064 Chem,Pharm,Bull 29 (10)p2844−2850 Phytochemstry 26 (1)p229−235 Archiv for die ge samte Virustorschu ng 44 p.243−254

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キャラジャ・サポナリアから得られ、ヴィ
    ダック(Vydac)C4カラム:粒径5μm、孔径300Å、内
    径4.6mm×長さ25cm、溶媒:メタノール/水(58:42、容
    量/容量)中40mM酢酸、流速:1ml/分の条件下の逆相HPL
    Cで分析したとき単一のピークを与え、免疫アジュバン
    ト活性を有し、かつアジュバントとしての毒性が低い、
    実質的に純粋なサポニン。
  2. 【請求項2】請求項1に記載された条件下の逆相HPLCに
    おいて保持時間が約9〜10分である、請求項1記載のサ
    ポニン(QA−7サポニン)。
  3. 【請求項3】請求項1に記載された条件下の逆相HPLCに
    おいて保持時間が約35分である、請求項1記載のサポニ
    ン(QA−17サポニン)。
  4. 【請求項4】請求項1に記載された条件下の逆相HPLCに
    おいて保持時間が約51分である、請求項1記載のサポニ
    ン(QA−21サポニン)。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のサポニン
    を有効成分とする、固体中で抗原に対する免疫応答を向
    上させるための薬剤。
  6. 【請求項6】免疫有効量の抗原と、該抗原に対する個体
    の免疫応答を向上させるに充分な量の請求項1〜4のい
    ずれかに記載のサポニンとを含有する、固体中で抗原に
    対する抗体の生産を誘導するに有用な医薬組成物。
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