JP6664338B2 - 免疫原性組合せ物 - Google Patents

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Description

この特許文献の開示の一部には、著作権保護の対象となる資料が含まれている。著作権の所有者は、特許商標庁の特許ファイルまたは記録に記載されるように、特許文献または特許開示の他者による複写に異論を唱えないが、それ以外の場合はすべての著作権を留保する。
本開示は免疫学の分野に関する。具体的には、本開示は、呼吸器病原体から防御するための免疫応答を誘発する方法に関する。
気道は、環境と直接接触して、数多くの空中浮遊生物に曝されるため、病原生物による最も頻繁な感染部位である。こうした感染は、風邪から、気管支炎、細気管支炎、肺炎、そして深刻な慢性状態に至るまでの症状および疾患を引き起こし得る。呼吸器感染の一般的な病原体には、ライノウイルス、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、呼吸器合胞体ウイルスおよび他のパラミクソウイルス、アデノウイルスなどのウイルスと、連鎖球菌属(Streptococcus)の種、ジフテリア菌(Corynebacterium diptheriae)、百日咳菌(Bordatella pertussis)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenza)、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)などの細菌の両方が含まれる。
これらの呼吸器病原体の多くから子供と成人を保護するために効果的なワクチンが製造されている。しかし、他の呼吸器病原体に対して有効なワクチンを開発することは、難航を極めている。したがって、呼吸器病原体に対して有効な、安全かつ効果的なワクチンの新しい戦略が、特に幼児、高齢者、その他の脆弱な個体を保護するために必要である。
本開示は、a)呼吸器病原体のペプチドまたはポリペプチド抗原を含む免疫原性成分;およびb)同じ呼吸器病原体の抗原をコードする核酸を含む免疫原性成分;を含んでなる免疫原性組合せ物(immunogenic combination)に関し、この場合、これらの免疫原性成分は、同時投与、例えば同時局所的(co-localized)投与のために製剤化される。具体的には、呼吸器病原体は呼吸器合胞体ウイルス(respiratory syncytial virus:RSV)である。本開示はまた、呼吸器病原体に特異的な免疫応答を誘発するための、このような免疫原性組合せ物の使用ならびに該免疫原性組合せ物の投与方法に関する。
図1は、種々のレジメンに従って免疫した後のRSV A中和抗体価を示すグラフである。 図2は、種々のレジメンに従って免疫した後のインターフェロンγ(IFNγ)産生を示すグラフである。 図3は、種々のレジメンに従って免疫した後のRSV A中和抗体価を示すグラフである。 図4は、種々のレジメンに従って免疫した後のRSV M2-1特異的CD8+ T細胞を示すグラフである。 図5は、種々のレジメンに従って免疫した後の中和抗体価を示すグラフである。 図6は、種々のレジメンに従って免疫した後の肺におけるRSV価を示すグラフである。 図7は、種々のレジメンに従って免疫した後のTh1 T細胞とTh2 T細胞の比率を示すグラフである。 図8は、種々のレジメンに従って免疫した被験体のチャレンジ後の肺における粘液産生細胞の数を示すグラフである。 図9は、種々のレジメンに従って免疫した被験体のチャレンジ後の気管支肺胞洗浄(BAL)液中の好酸球の数を示すグラフである。 図10は、種々のレジメンに従って免疫した後のRSV A中和抗体価を示すグラフである。 図11は、種々のレジメンに従って免疫した後のRSV M2-1特異的CD8+ T細胞を示すグラフである。 図12は、種々のレジメンに従って免疫した被験体のチャレンジ後の肺ウイルス価を示すグラフである。 図13は、種々のレジメンに従って免疫した後のTh1 T細胞とTh2 T細胞の比率を示すグラフである。 図14は、種々のレジメンに従って免疫した被験体のチャレンジ後のRSV M2-1特異的CD8+ T細胞を示すグラフである。 図15は、種々のレジメンに従って免疫した被験体のチャレンジ後の肺における粘液産生細胞の数を示すグラフである。
詳細な説明
序文
特定の呼吸器病原体に対する安全かつ有効なワクチンを開発することは、特に難航を極めている。本開示は、免疫原性の効力が増大した、改善された組成物および方法に関する。具体的には、本開示は、強力なBおよびT細胞応答を誘発し、それによって、呼吸器病原体に対する免疫原性、安全性、最終的には防御を高める、同時投与、好ましくは同時局所的投与のための免疫原性組合せ物を提供する。
本開示の一態様は、a)呼吸器病原体のペプチドまたはポリペプチド抗原を含む少なくとも第1の免疫原性成分;およびb)同じ呼吸器病原体の抗原をコードする核酸を含む少なくとも第2の免疫原性成分;を含んでなる免疫原性組合せ物に関し、この場合、第1の免疫原性成分と第2の免疫原性成分は、同時投与のために製剤化される。
特定の実施形態において、呼吸器病原体はパラミクソウイルスなどのウイルスである。具体的な一実施形態では、呼吸器病原体は呼吸器合胞体ウイルス(RSV)である。このような実施形態において、抗原は、融合タンパク質(F)、付着タンパク質(G)、マトリックスタンパク質(M2 - これはM2-1(本明細書ではM2.1と記すことがある)およびM2-2遺伝子産物のいずれか一方または両方を含むことができる)、および核タンパク質(N)を含むRSV抗原から選択され得る。特定の実施形態では、ポリペプチド抗原成分は、融合前または融合後のコンフォメーションにおいて、コンフォメーション的に固定されたFタンパク質抗原を含む。
免疫原性組合せ物の特定の実施形態において、第1成分の抗原および第2成分の核酸によりコードされる抗原は、実質的な配列同一性、例えば約70%の配列を共有する。例示的な実施形態では、免疫原性組合せ物は、以下によって表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む第1成分;および/または以下によって表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸を含む第2成分を含んでなる:
a) 配列番号2を含むポリペプチド;
b) 天然に存在するRSV株のRSV Fタンパク質のポリペプチドに対応するアミノ酸配列を含む、配列番号2に対して少なくとも80%の配列同一性を有するポリペプチド;または
c) 天然に存在するRSV株に対応しないアミノ酸配列を含む、配列番号2に対して少なくとも80%の配列同一性を有するポリペプチド。
特定の実施形態において、第1の免疫原性成分は相同(homologous)抗原を含み、第2の免疫原性成分は相同抗原をコードする。このような相同抗原は、配列が同一であっても、配列が同一でなくてもよい。例えば、抗原は部分的に同一のアミノ酸配列をもつことができる。好ましくは、こうした抗原は、1つ以上の同一のまたは重複する免疫原性エピトープを含む。
例えば、RSVに特異的な免疫応答を誘発するための例示的な免疫原性組合せ物の一つは、RSV Fタンパク質の少なくとも約500アミノ酸のポリペプチドを含む第1の免疫原性成分、および同一または非同一のポリペプチド(例えば、RSV Fタンパク質の少なくとも約500アミノ酸のポリペプチド)をコードする核酸を含む第2の免疫原性成分を含んでなる。非同一である場合、RSV Fタンパク質のポリペプチドは、F1およびF2ドメイン内に少なくとも80%の配列同一性を有する。好ましくは、第1の免疫原性成分のポリペプチドおよび/または第2の免疫原性成分によりコードされるポリペプチドは、RSV Fタンパク質のエクトドメイン(FTM-)を含むか、または該エクトドメインである。
特定の実施形態において、第1の免疫原性成分および/または第2の免疫原性成分は、複数の抗原(例えば、呼吸器病原体、特にRSV)を含む。
上述したように、第1の免疫原性成分は、呼吸器病原体のペプチドまたはポリペプチド(もしくはその断片)抗原を含む。このようなペプチドまたはポリペプチドは、必要に応じて、VLPもしくはビロソーム(virosome)などの粒子、またはナノスケールの生物学的粒子の形態であり得る。
同様に、上述したように、第2の免疫原性成分は、呼吸器病原体の抗原をコードする核酸を含む。デオキシリボ核酸とリボ核酸の両方とも適している。好ましくは、該核酸はプラスミドDNA以外の核酸である。該核酸は、DNAもしくはRNAベクター、例えば複製可能なベクター(例:ウイルスレプリコン、自己増幅性核酸)に、またはウイルス(例:弱毒化生ウイルス)もしくはウイルスベクター(例:複製能の高いまたは複製欠損性のウイルスベクター)に含めることができる。適切なウイルスベクターとしては、限定するものではないが、アデノウイルス、改変ワクシニアアンカラウイルス(MVA)、パラミクソウイルス、ニューカッスル病ウイルス、アルファウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、水疱性口内炎ウイルス、およびフラビウイルスが挙げられる。場合により、ウイルスベクターは複製欠損性である。
一実施形態において、第1成分はRSV Fタンパク質抗原を含み、第2成分はRSV F抗原とRSV MおよびN抗原をコードする核酸を含む。具体的には、第1成分は融合前のコンフォメーションにおいてコンフォメーション的に固定されたRSV Fタンパク質抗原を含み、第2成分はRSV FDTM抗原とRSV M2-1およびN抗原をコードする核酸を含み、この場合に、自己切断部位がRSV FDTM抗原とRSV M2-1抗原との間に含まれ、フレキシブルリンカーがRSVのM2-1抗原とN抗原との間に含まれる。
免疫原性組合せ物の第1および第2の免疫原性成分は、異なる組成物中に(例えば、薬学的に許容される緩衝剤、担体、賦形剤および/またはアジュバントを用いて)製剤化することができる。あるいは、第1および第2の免疫原性成分は、投与のための単一の組成物中に(製造の時点で、例えば、貯蔵、分配および投与に適した安定な合剤(co-formulation)中に、または投与前の送達の時点で)一緒に製剤化(co-formulated)され得る。第1および第2の免疫原性成分が異なる組成物に製剤化される場合、それらは好ましくは同じ部位かその近くに同位置的(colocationally)に投与される。例えば、第1および第2の免疫原性成分は、注射により(例えば、筋肉内、経皮、皮内、皮下から選択される投与経路を介して)同じ側または四肢(extremity)に非経口的に投与することができる(同側(co-lateral)投与)。あるいは、第1および第2の免疫原性成分は、粘膜、鼻腔内、経口、舌下、またはエアロゾル経路を介して投与することができ、あるいは粉末(微粒子)または液体の形態で肺に送達することができる。
アジュバントを含有する製剤において、アジュバントは、金属塩(水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、アルミニウムヒドロキシホスフェート硫酸塩、水酸化カルシウム、フッ化カルシウム、リン酸カルシウム、硝酸セリウム(III)六水和物、硫酸亜鉛七水和物)、3-D-モノホスホリルリピドA(MPL)、サポニン、油と水のエマルション、および/またはナノ粒子の1種以上を含むことができる。
本開示の別の態様は、例えば、被験体(ヒト被験体など、例えば新生児、幼児、子供、青少年、または妊婦や高齢者などの成人)において呼吸器病原体による感染またはそれに関連した疾患を予防、軽減または治療するための、医療における上述した免疫原性組合せ物の使用に関する。したがって、上述した免疫原性組合せ物を投与することによって病原体に特異的な免疫応答を誘発させる方法も含まれる。その投与は、ワクチン接種レジメンにおいて、上気道および/または下気道および/または肺の感染を引き起こすウイルスまたは細菌などの呼吸器病原体による感染またはそれに関連した疾患を予防、軽減または治療するためであり得る。上述したように、特定の一実施形態では、前記使用、方法(またはワクチン接種レジメン)は、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)などのパラミクソウイルスによる感染またはそれに関連した疾患を予防、軽減または治療するためのものである。このような方法、使用またはワクチン接種レジメンでは、第1および第2の免疫原性成分は、同時に(同じまたはほぼ同じ時間に)、一般的には同じ位置またはその近くに(例えば、注射によって投与する場合には同側に)投与される。注射によって投与する場合、第1および第2の免疫原性成分は一緒に製剤化されてもよいし、個別に製剤化されてもよく、その場合、第1および第2の免疫原性成分は、マルチチャンバーシリンジを用いて、または経皮パッチのようなニードルフリー(無針)デバイスによって投与することが考えられる。
いくつかの実施形態では、第1および第2の免疫原性成分を同時におよび/または同時局所的に投与する前記の方法、使用またはワクチン接種レジメンは、別々に投与または使用した場合に第1の免疫原性成分と第2の免疫原性成分によって誘発される免疫応答の相加効果よりも大きい、該病原体に特異的な免疫応答を誘発する。好ましくは、本明細書に開示される免疫原性組合せ物の投与は、液性免疫応答、細胞性免疫応答、または液性免疫応答と細胞性免疫応答の両方を誘発する。
また、本明細書に記載される免疫原性組合せ物を含むキットも開示される。こうしたキットはまた、好ましくは、免疫原性組合せ物を投与するための少なくとも1つのデバイス、例えば、マルチチャンバーシリンジなどのプレフィルド(pre-filled)シリンジ、または経皮パッチなどのニードルフリーデバイスを1つ以上含む。
用語
他に説明されない限り、本明細書で使用する全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。分子生物学における一般用語の定義は、Benjamin Lewin, Genes V, Oxford University Press出版, 1994 (ISBN 0-19-854287-9); Kendrew et al. (編), The Encyclopedia of Molecular Biology, Blackwell Science Ltd.出版, 1994 (ISBN 0-632-02182-9); およびRobert A. Meyers (編), Molecular Biology and Biotechnology: a Comprehensive Desk Reference, VCH Publishers, Inc.出版, 1995 (ISBN 1-56081-569-8)に見出すことができる。
単数形の用語「a」、「an」および「the」は、文脈上そうでないとする明確な指示がない限り、複数形の指示対象を含む。同様に、「または」という語は、文脈上そうでないとする明確な指示がない限り、「および」を含むものとする。用語「複数」は2つ以上を指す。さらに、核酸またはポリペプチドに与えられる全ての塩基サイズまたはアミノ酸サイズ、ならびに全ての分子量または分子質量の値は近似値であり、説明のために提供されることを理解すべきである。また、抗原などの物質の濃度またはレベルに関して与えられる数値限定は、概算であることが意図される。したがって、濃度が少なくとも(例えば)200pgであると示されている場合、その濃度は少なくともおよそ(または「約」または「〜」)200pgであると理解されるよう意図されている。
本明細書に記載されるものと類似または同等の方法と材料を本開示の実施または試験に使用することができるが、適切な方法と材料を以下に記載する。用語「comprises(含む)」は、「includes(含む)」を意味する。したがって、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、用語「comprises(含む)」と「comprise」、「comprising」などの変形語は、記載された化合物、組成物(例えば、核酸、ポリペプチド、抗原)もしくはステップ、または化合物もしくはステップのグループを含むことを意味するが、他の化合物、組成物、ステップまたはそれらのグループを排除するものではないことが理解されよう。略語「e.g.(例えば)」は、ラテン語のexempli gratia(例えば)に由来し、本明細書では非限定的な例を示すために使用される。したがって、略語「e.g.(例えば)」は、用語「for example(例えば)」と同義である。
本開示のさまざまな実施形態の検討を容易にするために、以下に用語の説明が提供される。追加の用語および説明は、本開示の文脈の中で提供され得る。
用語「免疫原性(の)」は、例えば組成物を指す場合、その組成物が、例えば呼吸器病原体などの病原体に対して、特異的な免疫応答を誘発することが可能であることを意味する。「免疫原性エピトープ」は、例えばT細胞受容体および/または抗体の特異的結合を介して、特異的免疫応答(例えば、B細胞応答および/またはT細胞応答)を誘導する抗原の一部分である。
「免疫原性組成物」または「免疫原性成分」は、特異的な免疫応答を誘発することが可能な、(例えば、実験的設定における)ヒトまたは動物被験体への投与に適した組成物である。したがって、免疫原性組成物は、1つ以上の抗原(例えば、ポリペプチド抗原またはポリペプチド抗原をコードする核酸)または抗原性エピトープを含む。免疫原性組成物はまた、賦形剤、担体および/またはアジュバントなどの、免疫応答を誘発または増強することが可能な1種以上の追加の成分を含むことができる。ある場合には、免疫原性組成物は、病原体によって誘発される症状または疾患から被験体を保護する免疫応答を引き出すために投与される。場合によっては、病原体によって引き起こされる症状または疾患は、被験体が病原体に曝露された後、その病原体(例えば、呼吸器病原体)の複製を阻害することによって予防(または軽減または緩和)される。本開示の文脈において、免疫原性組成物という用語は、呼吸器病原体に対する防御的または緩和的免疫応答を誘発する目的で、被験体または被験体の集団への投与が意図される組成物(すなわち、ワクチン組成物またはワクチン)を包含するものと理解されよう。本開示の文脈において、「免疫原性成分」は、1つ以上のさらなる免疫原性成分または組成物と組み合わせて選択的に使用される免疫原性組成物を指す。「免疫原性組合せ物」は、2つ以上(複数)の置換成分「免疫原性成分」を含む免疫原性組成物である。
「免疫応答」は、刺激に対する、例えば限定するものではないが、B細胞、T細胞、NK細胞、単球、樹状細胞、または多形核細胞などの、免疫系の細胞の応答である。免疫応答は、抗原特異的中和抗体などの特異的抗体の産生をもたらすB細胞応答であり得る。免疫応答はまた、CD4+応答またはCD8+応答などのT細胞応答であり得る。場合によっては、該応答は特定の抗原に特異的(すなわち、「抗原特異的応答」)である。抗原が病原体に由来する場合、抗原特異的応答は「病原体特異的応答」である。「防御免疫応答」は、病原体の有害な機能もしくは活性を阻害するか、病原体による感染を低減させるか、または病原体による感染に起因する症状(死を含む)を軽減させる免疫応答である。防御免疫応答は、例えば、プラーク減少アッセイでのプラーク形成もしくはウイルス複製の阻害により、機能的抗体応答により、徴候もしくは症状の軽減により、またはin vivoでの病原体チャレンジに対する耐性の測定により、測定可能である。
「抗原」は、動物(ヒトなど)に注射される、吸収される、または他の方法で導入される組成物を含めて、動物における抗体の産生および/またはT細胞応答を刺激することができる化合物、組成物または物質である。用語「抗原」は、全ての関連する抗原性エピトープを含む。用語「エピトープ」または「抗原決定基」は、B細胞および/またはT細胞が応答する抗原上の部位を指す。「ドミナント抗原性エピトープ」または「ドミナントエピトープ」は、機能的に重要な宿主免疫応答、例えば抗体応答またはT細胞応答、が引き出されるエピトープである。場合によっては、1つ以上のドミナントエピトープに対する宿主応答は、病原体に対する防御免疫応答をもたらす。用語「T細胞エピトープ」は、適切なMHC分子に結合したとき、T細胞によって(T細胞受容体を介して)特異的に結合されるエピトープを指す。「B細胞エピトープ」は、抗体(またはB細胞受容体分子)によって特異的に結合されるエピトープである。
用語「ポリペプチド」は、モノマーがアミノ酸残基であって、それらがアミド結合を介して一緒に連結されているポリマーを指す。本明細書で使用する用語「ポリペプチド」または「タンパク質」は、任意のアミノ酸配列を包含し、糖タンパク質などの修飾された配列を含むことが意図される。用語「ポリペプチド」は、天然に存在するタンパク質、ならびに組換えまたは合成によって生成されたタンパク質を包含することが特に意図される。ポリペプチドに関して、用語「フラグメント」はポリペプチドの一部(すなわち、部分配列)を指す。用語「免疫原性フラグメント」は、全長基準タンパク質またはポリペプチドの少なくとも1つのプレドミナント免疫原性エピトープを保持する、ポリペプチドの全てのフラグメントを指す。用語「ペプチド」は、(アミド結合を介して連結された)アミノ酸のポリマーを指し、一般的には100アミノ酸未満の長さ(例えば、50アミノ酸未満、40アミノ酸未満、30アミノ酸未満、25アミノ酸未満、20アミノ酸未満、15アミノ酸未満、または10アミノ酸未満の長さ)である。ペプチドまたはポリペプチド内の配向は、一般的に、N末端からC末端の方向で記載され、個々のアミノ酸のアミノ部分とカルボキシ部分の配向によって規定される。ポリペプチドは、Nまたはアミノ末端から、Cまたはカルボキシ末端に向かって翻訳される。
用語「核酸」および「ポリヌクレオチド」は、少なくとも10塩基の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。ヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、またはいずれかのヌクレオチドの修飾形態であり得る。この用語には、DNAまたはRNAの一本鎖および二本鎖の形態、またはプラス鎖およびマイナス鎖の形態が含まれる。「単離された」核酸(またはポリヌクレオチド)とは、その由来となる生物の天然に存在するゲノム中でそれが直に接している両方のコード配列(5'末端に1つと3'末端に1つ)と直に接していない核酸(またはポリヌクレオチド)を意味する。一実施形態では、ポリヌクレオチドはポリペプチドをコードする。核酸の5'および3'方向は、個々のヌクレオチド単位の連結性を参考にして定義され、デオキシリボース(またはリボース)糖環の炭素位置に従って指定される。核酸配列の情報(コード)内容は、5'から3'の方向に読み取られる。
核酸との関連において、用語「ベクター」は、異なる供給源から得られた核酸(「インサート」)を組み込むまたは運ぶことができ、細胞(例えば、宿主細胞)に導入したとき、挿入されたポリヌクレオチド配列を複製および/または発現することができる核酸を指す。核酸ベクターは、DNAまたはRNAのいずれであってもよい。ベクターという用語は、例えば、プラスミド、コスミド、ファージ、ウイルスベクター、自律複製ウイルス核酸、レプリコン、人工染色体などを含むと理解される。
「アジュバント」は、免疫応答の生成を非特異的に増強する薬剤である。一般的なアジュバントとしては、以下が挙げられる:抗原を吸着する鉱物(ミョウバン、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム)の懸濁液;エマルション、例えば油中水型および水中油型(およびそれらの変形物、例えば二重エマルションおよび可逆的エマルション)、リポサッカライド、リポ多糖体、免疫刺激性核酸(例えば、CpGオリゴヌクレオチド)、リポソーム、Toll様受容体アゴニスト(特に、TLR2、TLR4、TLR7/8およびTLR9アゴニスト)、およびこのような成分の各種組み合わせ。
「ワクチン接種レジメン」は、抗原(または複数の抗原)に特異的な所望の免疫応答を惹起するように決定された、免疫原性組成物または免疫原性組成物の組み合わせを投与するためのプロトコル(例えば、一連の手順)を指す。
「同時(concurrent)」または「同時に(concurrently)」という用語は、同時(at the same time)またはほぼ同時を意味する。免疫原性組合せ物の同時投与は、2つ以上の免疫原性成分を同時にまたはほぼ同時に投与することを意味する。ワクチン接種レジメンとの関連で、この用語は、反応速度論的に関連する免疫応答(例えば、一次応答、または二次応答もしくはメモリー応答を再刺激または増強する応答)を誘発するための2つ以上の免疫原性成分の投与を意味すると理解される。典型的には、2つ以上の免疫原性成分(例えば、免疫原性組合せ物の該成分)の同時投与は、0日〜10日の間に起こる。典型的には、同時投与は、約7日、例えば約5日、好ましくは約3日を超えない間隔で、例えば24時間以内、好ましくは約8時間以内に行われる。一般に、2つ以上の免疫原性成分の同時投与は約2時間以内に行われ、かくして、第1および少なくとも第2の免疫原性組成物または成分は、2時間以内、1時間以内、または約30分もしくは約10分以内に投与されることになる。ある場合には、同時投与は、例えば1回以上の注射で、同時に実施される。
1つより多い免疫原性組成物の被験体への投与に関する用語「共投与(co-administration)」は、該免疫原性組成物を同時に投与することを意味する。
用語「同位置的に(colocationally)」は、2つの組成物(例えば、免疫原性組成物または免疫原性組合せ物の免疫原性成分)が、レシピエント被験体の身体上の同じ(またはほぼ同じ)位置に投与されることを意味する。同じ位置は、本明細書では、同じまたはほぼ同じ部位もしくは開口部を意味すると理解される。例えば、粘膜投与の場合、免疫原性組合せ物は同じ開口部(例えば、口または鼻)に投与され得る。非経口投与の場合、同位置的とは、身体の同じ(またはほぼ同じ)部位で極めて接近していること、例えば、同じ部位に接近していること(例えば、同じデバイスによる)、または約10cm以内、より一般的には約5cm以内、例えば約2cm以内、もしくは1cm以内で接近していることを意味する。ある場合には、2つ以上の成分は、同じ部位への投与のために単一の組成物中に組み合わされる(一緒に製剤化される)。非経口投与の場合の用語「同側(co-lateral)」または「同側に(co-laterally)」は、肉眼的に左右相称の生物(例えば、ヒトまたは動物などの哺乳類)において身体の同じ側を意味する。同側という用語は、肉眼的に左右相称の生物の反対側を指す用語「対側(contra-lateral)」と対照的である。
「被験体」は、生存している多細胞脊椎動物である。本開示の文脈において、被験体は実験的被験体、例えば、非ヒト動物、例えばマウス、コットンラット、または非ヒト霊長類であり得る。あるいは、被験体はヒト被験体であり得る。
免疫原性組合せ物
本開示は、例えばナイーブな被験体において、強いT細胞およびB細胞応答を誘発することが可能な免疫原性組合せ物に関する。本明細書に開示される免疫原性組合せ物は、a)ペプチドまたはポリペプチド抗原を含む少なくとも第1の免疫原性成分;およびb)抗原をコードする核酸を含む少なくとも第2の免疫原性成分;を含む。ペプチドまたはポリペプチド抗原を含む免疫原性成分と抗原をコードする核酸を含む免疫原性成分は、レシピエントへの同時投与のために製剤化される。同時に投与された場合、第1および第2の免疫原性成分は、別々に投与されたときの各成分の相加的応答よりも強いまたはより広い(例えば、より多様なかつ/または質的によりバランスのとれた)免疫応答を誘発する。
防御免疫応答は、主にB細胞応答(抗体、例えば中和抗体)またはT細胞応答(例えば、CD8+ T細胞応答)のいずれかであると特徴づけることができるが、ある場合には、病原体の抗原(同じかまたは異なる)に特異的な強いB細胞応答と強いT細胞応答を生じさせることが望ましくもあり、有利でもある。残念ながら、多くのワクチン接種レジメンは、防御的な相補的応答の増加なしに、B細胞応答かT細胞応答のいずれかを偏って誘発する。このB細胞応答とT細胞応答の両方を誘発できないことは、乳児の免疫系の相対的な未熟さと、さらに母親由来の抗体の存在のために、乳児を保護する上で特に重要であり得る。
典型的なワクチンレジメンは、同一の免疫原性組成物(例えば、ワクチン)の反復投与を含む。初回の投与(便宜上、プライミング投与または「プライム(prime)」と称する)は、抗原上に存在する1つ以上の免疫原性エピトープに特異的なBおよび/またはT細胞前駆体の増殖と成熟を誘導する(誘導期)。2回目の(場合によっては、後続の)投与(便宜上、ブースティング投与または「ブースト(boost)」と称する)は、以前の投与(複数可)によって誘発された細胞の既往反応をさらに刺激して、潜在的に選択する。したがって、B細胞免疫応答またはT細胞免疫応答のいずれかへの偏りが、同じ免疫原性組成物のその後の投与によって増幅される。特定の場合には、初回の投与はナイーブな被験体への投与である。
本発明は、病原体特異的中和抗体によって証明されるような、タンパク質(またはペプチド)抗原と、同じ病原体の抗原をコードする核酸との同時投与が、その抗原に特異的なB細胞応答とT細胞応答を誘発することができ、こうした応答が2つの組成物を別々におよび/またはその後に投与することによって誘発される累積応答を(定量的にも定性的にも)上回るという実証に基づいている。さらに、この組合せは、複数の(例えば、関連する)抗原の組合せの場合に頻繁に観察される免疫干渉(immune interference)なしに達成することができる。ある場合には、免疫干渉は、混合ワクチン接種が逆効果になるほど顕著に、誘発される免疫応答を減少させる。免疫干渉は、呼吸器病原体に対するワクチン(例えば、混合ワクチン)との関連においてだけでなく、母親由来の抗体と生後間もない乳児(例えば、約6ヶ月齢までの新生児期の乳児)のワクチン接種との間の干渉においても以前に報告されている。
上で使用される「同時(concurrent)」または「同時(simultaneous)」投与は、進行している同じ免疫応答を指す。好ましくは、両組成物は同時に投与される(DNA+タンパク質の同時投与);しかし、一方の化合物は、他方(初回)の投与から数分以内に(例えば、同じ診察予約時または通院時に)、数時間以内に、または数週間以内(好ましくは0〜10日以内)に投与され、同じ免疫応答の進行中にそれら両方が作用するため、依然として「同時」とみなすことができる。
通常、ポリペプチドが投与される場合、免疫応答は、その抗原が免疫系に曝露されると直ちに免疫応答が開始するという点で、即時と考えられる。対照的に、核酸が投与される場合は、投与後3〜7日でピーク抗原発現(in vivo)が観察され、したがって、免疫系への抗原曝露は、タンパク質ワクチン接種の反応速度論と比較して「遅延」とみなすことができる。反応速度論のこの相違にもかかわらず、核酸とポリペプチドの共投与は、免疫応答が進行している過程でそれらが両方とも機能的に存在していることを理解することによって、「同時」とみなすことができる。両方の免疫原性成分(すなわち、ポリペプチドそれ自体および投与された核酸により発現されるポリペプチドの両方)を免疫系にほぼ同時に提示するために、投与後に製剤からのポリペプチドの放出が遅れるようなやり方でポリペプチドを含む製剤が考えられる。これは、ポリヌクレオチドからのポリペプチドの発現が最初に起こることを可能にし、その後、製剤から遅延放出されたポリペプチドによって補完される。
特定の一実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組合せ物は核酸とタンパク質の両方の同時投与を含み、その際、該タンパク質(ポリペプチド)は、該抗原を免疫系から短期間隠すことを目的とした遅延放出粒子の形態で存在するか、または投与される。好ましくは、このような期間は0〜10日間である。典型的には、同時投与は、約7日、例えば約5日を超えない間隔で、より典型的には約3日を超えない間隔で、例えば24時間以内、例えば約8時間以内に行われる。一般に、2つ以上の免疫原性成分の同時投与は約2時間以内に行われ、かくして、第1および少なくとも第2の免疫原性組成物または成分は2時間以内、1時間以内、約30分以内、約20分以内、約10分以内、約5分以内、または約2分以内に投与されることになる。ある場合には、同時投与は、例えば1回以上の注射で、同時に実施される。同時投与は1回の診察予約時または通院(doctor's visit)時に便利に行うことができると想定される。
上述したような、同時投与のさまざまな手段または可能性にもかかわらず、進行している免疫応答の誘導期の間に両方の免疫原性成分が存在していることが重要である。これと比較して、プライム・ブーストの概念は、次のような2つの別々の免疫応答を指す:(i)ポリヌクレオチドによる免疫系の初期プライミングと、これに続く(ii)一次免疫応答が確立されてから数週間または数ヶ月後のポリペプチドによる免疫系の二次的または追加的な増強。
それゆえ、核酸成分とタンパク質成分は、2回の別々のイベントとして投与することができ、また、1回の投与を可能にするために組み合わせる(混合する)ことができる。好ましくは、核酸成分とタンパク質成分は混合される。混合は、使用の直前に、または2つの成分が製造(および製剤化)されるときに、またはその間のいつでも行うことができる。
開示された免疫原性組合せ物は、免疫干渉を回避し、かつタンパク質または核酸ベースのワクチンのいずれかの個別の投与と比較して優れたまたはより広範な(例えば、より多様なかつ/またはバランスのとれた)免疫原性を示すことが実証された。開示された免疫原性組合せ物は、呼吸器病原体、特にRSVに対する免疫応答を誘発するのに特に適している。
呼吸器病原体とは、上部(鼻腔、咽頭、喉頭)および/または下部(気管、気管支、肺)気道の細胞に感染して、重篤な場合には気管支炎、細気管支炎および/または肺炎を引き起こす病原体を意味すると理解される。呼吸器病原体には、細菌とウイルスの両方が含まれる。気道に感染する細菌性病原体には、例えば、肺炎連鎖球菌(S. pneumoniae)、髄膜炎菌(N. meningitide)、ならびにインフルエンザ菌(H. influenza)およびM.カタラーリス(M. catarrhalis)が含まれ、これらは市中肺炎(CAP)および慢性気管支炎の急性増悪(AECB)に関与している。ジフテリア菌(C. diptheriae)は上気道感染症ジフテリアの起因病原体であり、一方百日咳菌(B. pertussis)は百日咳を引き起こす。気道感染症を引き起こす他の細菌には、肺炎クラミジア(C. pneumoniae)、肺炎マイコプラズマ(M. pneumoniae)およびレジオネラ・ニューモフィラ(L. pneumophila)が含まれる。また、細菌性呼吸器病原体には、(いくつかある兆候の中で特に)肺結核を引き起こす結核菌(M. tuberculosis)、吸入すると致命的な気道感染症を引き起こす炭疽菌(B. anthracis)、および肺ペストを引き起こすことが可能なペスト菌(Y. pestis)も含まれる。
さらに、各種ウイルスも気道に感染して疾患を引き起こす。主に、ウイルス性呼吸器病原体には、オルソミクソウイルス科(Orthomyxoviridae)のメンバー、例えばインフルエンザウイルス、パラミクソウイルス科、例えば呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、メタニューモウイルス(例:ヒトメタニューモウイルス、hMPV)、パラインフルエンザウイルス(PIV)、ならびに麻疹(モリビリウイルス(Morbillivirus))、流行性耳下腺炎(ルブラウイルス(Rubulavirus))およびニューカッスル病を引き起こすウイルスが含まれる。アデノウイルスもまた一般的な呼吸器病原体である。あまり頻繁ではないが、特定のコロナウイルス(例えば、SARSウイルス)は、重度の呼吸器疾患を引き起こすことがある。さらに、風疹を引き起こすトガウイルス科(Togavirus)のルビウイルス属(Rubivirus)は、気道感染症の原因となり得る。
したがって、本開示の文脈において、広く言えば、細菌性呼吸器病原体とウイルス性呼吸器病原体の両方が、本明細書に記載される免疫原性組合せ物および方法のための適切な標的である。特定の実施形態では、呼吸器病原体は細菌であるように選択される。細菌性呼吸器病原体に起因する感染症もしくは疾患を予防または軽減(または治療)するための(本明細書に記載されるような)免疫原性組合せ物において、免疫原性組成物は、細菌から選択される抗原、例えば、肺炎連鎖球菌、髄膜炎菌、インフルエンザ菌、M.カタラーリス、ジフテリア菌、百日咳菌、肺炎クラミジア、肺炎マイコプラズマ、レジオネラ・ニューモフィラ、結核菌、炭疽菌、およびペスト菌から選択される抗原を含む。
ウイルス性呼吸器病原体に起因する感染症もしくは疾患を予防または軽減(または治療)するための免疫原性組合せ物の実施形態では、免疫原性組成物は、ウイルスから選択される抗原、例えば、オルソミクソウイルス科、例えばインフルエンザウイルス、パラミクソウイルス科、例えば呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、メタニューモウイルス、パラインフルエンザウイルス(PIV)、麻疹ウイルス(モリビリウイルス)、流行性耳下腺炎ウイルス(ルブラウイルス)、ニューカッスル病ウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス(例えば、SARSウイルス)、ルビウイルス属およびトガウイルス科から選択される抗原を含む。
したがって、特定の実施形態では、呼吸器病原体をインフルエンザウイルスとすることができ、タンパク質(またはペプチド)抗原および核酸によってコードされる抗原はインフルエンザウイルスの抗原である。適切なインフルエンザウイルス抗原には、ヘマグルチニン(HA)、ノイラミニダーゼ(NA)、核タンパク質(NP)およびマトリックス(M)タンパク質が含まれる。特定の実施形態では、抗原は相同抗原を含むように選択される。すなわち、ポリペプチド抗原と核酸によってコードされる抗原の両方は、HA抗原、NA抗原、NP抗原および/またはM抗原であるように選択される。このような場合、HA、NA、NPおよび/またはM抗原は同一であっても、同一でなくてもよい。同一でない場合、2つの抗原は、それでもなお、配列が同一である1つ以上の相同エピトープを含むことができる。あるいは、同一でない場合、2つの抗原は、インフルエンザの異なる血清型から選択される1つ以上の相同エピトープを含むことができる。
実施例に示される特定の好ましい実施形態では、呼吸器病原体は、インフルエンザ以外のウイルス、例えばパラミクソウイルス(例:RSV、hMPVまたはPIV)である。したがって、このような免疫原性組合せ物は、パラミクソウイルスの抗原を含む。特定の一実施形態では、該組合せ物はRSVの抗原を含むように選択される。
上に示したように、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)はパラミクソウイルス科の病原性ウイルスである。本明細書に開示される免疫原性組合せ物との関連においてRSVの適切な抗原は、融合タンパク質(F)、付着タンパク質(G)、マトリックスタンパク質(M2)および核タンパク質(N)から選択することができる。
用語「Fタンパク質」、「融合タンパク質」、「Fタンパク質ポリペプチド」または「融合タンパク質ポリペプチド」は、RSV融合タンパク質ポリペプチドのアミノ酸配列の全部もしくは一部を有するポリペプチドまたはタンパク質を指す。同様に、用語「Gタンパク質」または「Gタンパク質ポリペプチド」は、RSV付着タンパク質ポリペプチドのアミノ酸配列の全部もしくは一部を有するポリペプチドまたはタンパク質を指す。用語「Mタンパク質」、「マトリックスタンパク質」または「Mタンパク質ポリペプチド」は、RSVマトリックスタンパク質のアミノ酸配列の全部もしくは一部を有するポリペプチドまたはタンパク質を指す。同様に、用語「Nタンパク質」、「ヌクレオカプシドタンパク質」または「Nタンパク質ポリペプチド」は、RSV核タンパク質のアミノ酸配列の全部もしくは一部を有するポリペプチドまたはタンパク質を指す。
主にG糖タンパク質の抗原性の差に基づいて、ヒトRSV株の2つのグループ、AグループとBグループが記載されている。現在までに多数のRSV株が分離されており、そのいずれも本明細書に開示される免疫原性組合せ物の抗原との関連において適切である。GenBankおよび/またはEMBLアクセッション番号によって示される例示的な株は、米国特許出願公開第2010/0203071号(WO2008114149)に見出すことができ、これは、開示された免疫原性組合せ物において使用するのに適したRSV FおよびGタンパク質の核酸およびポリペプチド配列を開示する目的で、参照により本明細書に組み入れられる。
例示的なMおよびNタンパク質の核酸とタンパク質配列は、例えば、米国特許出願公開第2014/0141042号(WO2012/089833)に見出すことができ、これは、開示された免疫原性組合せ物において使用するのに適したRSV MおよびNタンパク質の核酸およびポリペプチド配列を開示する目的で、参照により本明細書に組み入れられる。
さらなるRSV株(およびそれらのF、G、MおよびNタンパク質抗原)が分離される可能性があり、それらはRSV抗原の属(genus)に包含される。同様に、RSVの属は、遺伝的浮動(genetic drift)、人工合成および/または組換えによって、天然に存在する株(例えば、以前にまたはその後に同定された株)から生じる変異体を包含する。文書化されたRSV株のゲノムならびにそれらの置換成分の核酸およびそれによってコードされるタンパク質(特にF、G、MおよびNタンパク質)の配列は、GenBank(ワールドワイドウェブ(http://www)でncbi.nlm.nih.gov/genbank)を検索することによって、当業者により容易に決定され得る。
特定の好ましい実施形態では、ポリペプチド抗原はFタンパク質のポリペプチド抗原である。本明細書に開示される免疫原性組合せ物においてポリペプチド抗原成分として特に適しているのは、コンフォメーション的に固定されたFポリペプチド抗原である。コンフォメーション的に固定されたFタンパク質は、融合前(PreF)と融合後(PostF)の両方のコンフォメーションがすでに記載されている。このようなコンフォメーション的に固定されたFタンパク質は、典型的には、工学的に操作されたRSV Fタンパク質のエクトドメインを含む。Fタンパク質のエクトドメインポリペプチドは、RSV Fタンパク質の細胞外ドメインの全部または一部を含みかつ機能的な膜貫通ドメインを(例えば、欠失または置換により)欠くRSV Fタンパク質の一部分であり、例えば細胞培養において可溶性(膜に付着していない)形態で発現させることができる。
融合前のコンフォメーションにおいてコンフォメーション的に固定された例示的なFタンパク質抗原は、当技術分野ですでに記載されており、例えば、米国特許第8,563002号(WO2009079796); 米国特許出願公開US2012/0093847 (WO2010/149745); US2011/0305727 (WO2011/008974); US2014/0141037およびWO2012158613に詳細に開示されており、これらの各々は、融合前のFポリペプチド(および核酸)ならびにそれらの製造方法を例示する目的で、参照により本明細書に組み入れられる。典型的には、該抗原はポリペプチドの三量体の形態である。融合前のコンフォメーションでのFタンパク質の例を提供するさらなる刊行物としては、McLellan et al., Science, Vol. 340: 1113-1117; McLellan et al., Science, Vol 342: 592-598; およびRigter et al., PLOS One, Vol. 8: e71072が挙げられ、これらの各々もまた、本明細書に開示される免疫原性組合せ物との関連において使用され得る。同様に、融合後のコンフォメーションにおいてコンフォメーション的に固定されたFタンパク質抗原も当技術分野で周知であり、本明細書に開示される免疫原性組合せ物との関連において使用することができる。典型的には、該抗原はポリペプチドの三量体の形態である。融合後のコンフォメーション的に固定されたFタンパク質ポリペプチドの例は、例えばUS2011/0305727 (WO2011/008974)、およびSwanson et al., PNAS, Vol. 108:9619-9624に詳しく開示されており、その各々は、融合後のFポリペプチドおよび核酸ならびにそれらの製造方法を例示する目的で、参照により本明細書に組み入れられる。
例えば、融合前コンフォメーションにおいて安定化されたFタンパク質ポリペプチドには、典型的には、Fタンパク質の融合前コンフォメーションを安定化させた少なくとも1つの修飾を含むFタンパク質のエクトドメイン(例えば、可溶性Fタンパク質ポリペプチド)が含まれる。例えば、その修飾は、三量体形成ドメインの(典型的にはC末端への)付加、1つ以上のフューリン(furin)切断部位(アミノ酸〜105-109および〜133-136)の欠失、pep27ドメインの欠失、疎水性ドメイン(例えば、HRAおよび/またはHRB)中の親水性アミノ酸の置換または付加から選択することができる。一実施形態では、コンフォメーション的に固定されたPreF抗原は、フューリン切断部位が介在しないRSV Fタンパク質ポリペプチドのF2ドメイン(例えば、アミノ酸1-105)およびF1ドメイン(例えば、アミノ酸137-516)を含み、この場合、該ポリペプチドは、F1ドメインのC末端に位置付けられた異種の三量体形成ドメインをさらに含む。任意で、PreF抗原はまた、グリコシル化を変える(例えば、グリコシル化を増加させる)修飾、例えば、RSV Fタンパク質のアミノ酸〜500-502に対応する位置での1個以上のアミノ酸の置換を含む。追加的にまたは代替的に、融合前コンフォメーションにおいてコンフォメーション的に固定されたFポリペプチドは、少なくとも2個の導入されたシステイン残基を含むことができ、これらは互いに近接していて、融合前RSV Fポリペプチドを安定化させるジスルフィド結合を形成する。例えば、2個のシステインは互いに約10Å以内にあり得る。例えば、システインを位置165および296に導入することができる。例示的なPreF抗原は配列番号2によって表される。
他の実施形態において、コンフォメーション的に固定されたF抗原は、以下から選択される1つ以上の修飾を含むことができる:1)1つまたは両方のフューリン切断部位に対する1つ以上の修飾(例えば、突然変異)、2)融合ペプチドに対する1つ以上の修飾、3)p27リンカーに対する1つ以上の修飾、4)オリゴマー化配列の付加;および/またはプロテアーゼ切断部位を提供する配列の付加。
一実施形態において、F抗原は、それぞれ内因性HRA領域および場合により内因性HRB領域を含む3つのRSV Fエクトドメインポリペプチドと、少なくとも1つのオリゴマー化ポリペプチドとを含み、この場合、3つのエクトドメインポリペプチドと少なくとも1つのオリゴマー化ポリペプチドは、6へリックスバンドル(six-helix bundle)を形成するが、ただし、RSV Fポリペプチドの内因性HRA領域は6へリックスバンドルの一部ではない。その三量体は、6ヘリックスバンドルがHRB領域を含めて形成されるという点で特徴づけることができる。
実施例に詳述される特定の好ましい一実施形態において、Fタンパク質ポリペプチドは、以下の群から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質である:a)配列番号2を含むポリペプチド;b)天然に存在するRSV株のRSV Fタンパク質ポリペプチドに対応するアミノ酸配列を含む、配列番号2に対して少なくとも80%の配列同一性を有するポリペプチド;およびc)天然に存在するRSV株に対応しないアミノ酸配列を含む、配列番号2に対して少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド。
配列同一性を決定する方法は、当技術分野で周知であり、前述の抗原ポリペプチドならびにそれらをコードする核酸(例えば、以下に記載されるもの)に適用可能である。さまざまなプログラムおよびアライメントアルゴリズムが、以下に記載されている:Smith and Waterman, Adv. Appl. Math. 2:482, 1981; Needleman and Wunsch, J. Mol. Biol. 48:443, 1970; Higgins and Sharp, Gene 73:237, 1988; Higgins and Sharp, CABIOS 5:151, 1989; Corpet et al., Nucleic Acids Research 16:10881, 1988; およびPearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444, 1988。Altschul et al., Nature Genet. 6:119, 1994は、配列アライメント方法およびホモロジー計算の詳細にわたる検討を提示する。NCBI Basic Local Alignment Search Tool (BLAST)(Altschul et al., J. Mol. Biol. 215:403, 1990)は、国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information: NCBI, Bethesda, MD)を含むいくつかの情報源から、ならびに配列解析プログラムblastp、blastn、blastx、tblastnおよびtblastxに関連して使用するためのインターネット上で入手可能である。このプログラムを用いて配列同一性を決定する方法の説明は、インターネット上のNCBIウェブサイトで利用可能である。
場合によっては、選択された抗原は、その由来となる天然に存在する株のアミノ酸配列に対して1つ以上のアミノ酸修飾(例えば、融合前または融合後のコンフォメーションを安定化する修飾など)を有する。こうした違いは、1個以上のアミノ酸の付加、欠失または置換であり得る。変異体は、典型的には、アミノ酸残基のせいぜい約1%、2%、5%、10%、15%、または20%だけ相違する。例えば、変異型抗原ポリペプチド配列は、配列番号2の基準F抗原ポリペプチド配列などの基準ポリペプチドと比較して、1個、2個、最大で5個まで、約10個まで、約15個まで、約50個まで、または約100個までのアミノ酸の相違を含むことができる。したがって、RSV Fタンパク質抗原との関連において変異体は、典型的には、基準タンパク質(例えば、配列番号2に示される基準配列)と少なくとも80%または85%、より一般的には少なくとも約90%またはそれ以上、例えば95%、98%または99%の配列同一性を共有し、かつ本明細書に開示される例示的なPreFおよび/またはPostF抗原のどれかを含む(例えば、米国特許第8,563002号(WO2009079796); 米国特許出願公開US2012/0093847 (WO2010/149745); US2011/0305727 (WO2011/008974); US2014/0141037; WO2012158613; McLellan et al., Science, Vol. 340: 1113-1117; McLellan et al., Science, Vol 342: 592-598; Rigter et al., PLOS One, Vol. 8: e71072; US2011/0305727 (WO2011/008974); およびSwanson et al., PNAS, Vol. 108:9619-9624を参照されたい)。
本開示の特徴として含まれるさらなる変異体は、米国特許出願公開第2010/0203071号(WO2008114149)に開示される天然に存在する変異体から選択されたヌクレオチドまたはアミノ酸配列の全部もしくは一部を含むF抗原(PreFおよびPostF抗原を含む)である。さらなる変異体は、遺伝的浮動を介して生じることができるか、部位特異的もしくはランダム変異誘発を用いて、または2つ以上の既存の変異体の組換えによって、人工的に作製することができる。このようなさらなる変異体も本明細書に開示されるF抗原との関連において適切である。例えば、その修飾は、結果として生じるF(例:PreFまたはPostF)抗原のコンフォメーションまたは免疫原性エピトープを変えない1個以上のアミノ酸(例えば、2個のアミノ酸、3個のアミノ酸、4個のアミノ酸、5個のアミノ酸、約10個までのアミノ酸、またはそれ以上)の置換であり得る。
代替的にまたは追加的に、修飾は、1個以上のアミノ酸の欠失および/または1個以上のアミノ酸の付加を含むことができる。実際、所望であれば、ポリペプチドドメインの1つ以上は、単一のどの株にも対応しないが、複数の株からの、または複数の株のRSVウイルスポリペプチドをアライメントすることによって推定されたコンセンサス配列からの、成分部分配列を含む、合成ポリペプチドであり得る。コンセンサスRSV F(ならびにMおよびN)タンパク質抗原の例については、US 2014/0141042 (WO 2012/089833)を参照されたい;これは、例示的なF、MおよびNコンセンサス配列ポリペプチド抗原の設計を教示するために参照により本明細書に組み入れられる。
特定の実施形態では、ポリペプチドドメインの1つ以上は、タグを構成するアミノ酸配列の付加によって修飾され、該タグはその後の処理または精製を容易にする。このようなタグは、抗原性タグもしくはエピトープタグ、酵素的タグ、またはポリヒスチジンタグであり得る。典型的には、タグは、抗原もしくは融合タンパク質のC末端またはN末端など、タンパク質の一端または他端に位置付けられる。
ポリペプチドまたはペプチド抗原に加えて、本明細書に開示される免疫原性組合せ物は、(第1の免疫原性成分に含まれるペプチドまたはポリペプチド抗原と)同じ呼吸器病原体の抗原をコードする核酸を含む第2の免疫原性成分をも含む。その核酸はプラスミドDNA以外の核酸であると考えられる。核酸は、複製型ベクターまたは複製欠損型ベクター、例えばウイルスベクター、の形態であり得る。免疫原性核酸を被験体に導入するのに適した数多くのウイルスベクターが当技術分野で公知であり、DNAウイルスとRNAウイルスの両方が含まれる。本明細書に開示される免疫原性組合せ物との関連において抗原をコードするのに適切な例としては、例えば、以下が挙げられる:アデノウイルスベクター(複製型または複製欠損型)、ポックスウイルスベクター(ワクシニアウイルスベクターを含み、例えば、改変ワクシニアアンカラウイルス(MVA)、NYVAC、アビポックス(avipox)ベクター、カナリア痘(ALVAC)および鶏痘ウイルス(FPV)など)、アルファウイルスベクター(例えば、シンドビスウイルス、セムリキフォレストウイルス(SFV)、ロスリバーウイルス、およびベネズエラウマ脳炎(VEE)ウイルスなど)ならびにそれらのキメラおよびレプリコン、ヘルペスウイルスベクター(例えば、サイトメガロウイルス(CMV)由来ベクター)、アレナウイルスベクター、例えば、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)ベクター、麻疹ウイルスベクター、水疱性口内炎ウイルスベクター、仮性狂犬病ウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、ウイルス様粒子、およびその他多数。
特定の一実施形態では、ベクターはアデノウイルスである。アデノウイルスベクターの作製および使用は、当業者に周知である。本明細書に開示される免疫原性組合せ物との関連において、呼吸器病原体の抗原を含むアデノウイルスベクターの設計、作製および使用の開示例は、例えば、米国特許出願公開番号US2014/0141042 (WO 2012/089833)に見出すことができる。アデノウイルスベクターに関するさらなる詳細は、例えば、米国特許第8,216,834号(WO 2005/071093);および米国特許出願公開US2012/0027788 (WO 2010/086189);米国特許出願公開US20050214323に見出せる。
本発明で使用するアデノウイルスベクターは、広範囲の哺乳動物宿主に由来し得る。
さまざまな哺乳動物種に感染する100種を超える異なる血清型のアデノウイルスが分離されており、そのうちの51種はヒト起源のものである。したがって、アデノウイルスベクターの1つ以上は、ヒトアデノウイルスに由来し得る。このようなヒト由来アデノウイルスの例は、Ad1、Ad2、Ad4、Ad5、Ad6、Ad11、Ad24、Ad34、Ad35、特にAd5、Ad11およびAd35である。ヒトおよび非ヒトアデノウイルス血清型は、いくつかの生物学的、化学的、免疫学的および構造的基準に基づいて、6つの亜属(A〜F)に分類されている。
Ad5ベースのベクターは多くの遺伝子治療試験で広く使用されているが、自然感染による一般集団における既存の免疫のため、Ad5と他のヒトグループCアデノウイルスベクターの使用には制限が存在し得る。Ad5と他のヒトグループCのメンバーは、最も血清陽性率の高い(seroprevalent)血清型に入る方である。既存のベクターに対する免疫が、治療中に該ベクターに曝された結果として発生する可能性がある。血清陽性率の高いベクターに対するこれらのタイプの既存の免疫または発生した免疫は、遺伝子治療またはワクチン接種の努力の成果を制限する可能性がある。したがって、これらに代わるアデノウイルス血清型は、宿主免疫応答を回避することが可能な遺伝子送達系の探求において極めて重要な目標となる。
そのような代替血清型の一分野は、非ヒト霊長類に由来するもの、特にチンパンジー、ボノボおよびゴリラから分離されたアデノウイルスである。2種のチンパンジーアデノウイルスのゲノムについて記載している米国特許第6,083,716号を参照されたい。
非ヒト類人猿アデノウイルスベクターは、ヒトアデノウイルスベクターと同じくらい効率的に導入遺伝子産物に対する強い免疫応答を誘導することが示されている(Fitzgerald et al. J. Immunol. 170:1416; Colloca et al. (2012) Science Translational Medicine 4:1-9; Roy et al. (2004) Virology 324: 361-372; Roy et al. (2010) Journal of Gene Medicine 13:17-25)。
非ヒト霊長類アデノウイルスは、動物の腸間膜リンパ節または糞便から分離され、HEK 293細胞においてin vitroで複製することができる。これらの類似性にもかかわらず、非ヒト類人猿アデノウイルスは、より一般的なヒト血清型(Ad2およびAd5)とは系統発生学的および免疫学的に明確に区別される。
したがって、アデノウイルスベクターの1つ以上は、非ヒト霊長類アデノウイルス、例えば、血清型ChAd3、ChAd63、ChAd83、ChAd155、Pan5、Pan6、Pan7およびPan9から選択されるようなチンパンジーアデノウイルスに由来し得る。具体的には、ウイルスは、非ヒトアデノウイルス、例えば類人猿アデノウイルス、特にChAd155、Pan 5、6、7または9などのチンパンジーアデノウイルスであり得る。このような株の例は、WO03/000283に記載されており、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection; 10801 University Boulevard, Manassas, Virginia 20110-2209)および他の供給源から入手可能である。望ましいチンパンジーアデノウイルス株としては、Pan 5 [ATCC VR-591]、Pan 6 [ATCC VR-592]、およびPan 7 [ATCC VR-593]が挙げられる。あるいは、アデノウイルスベクターは、非ヒト類人猿アデノウイルス由来、例えばPanAd1、PanAd2またはPanAd3などのボノボ由来であり得る。本明細書に記載されるこの種のベクターの例は、例えばWO2005/071093、WO2010/086189およびGB1510357.5に見出すことができる。
非ヒト類人猿アデノウイルスの使用は、標的集団におけるアデノウイルスに対する既存の免疫の欠如、特に交差中和抗体の欠如のために、ヒトアデノウイルス血清型の使用よりも有利であると考えられる。チンパンジーアデノウイルスと既存の中和抗体応答との交差反応は、特定の候補ヒトアデノウイルスベクターの場合の35%と比較して、標的集団の2%に存在するにすぎない。チンパンジーアデノウイルスは、より一般的なヒトサブタイプAd2およびAd5とは区別されるが、多く見られるサブタイプではないサブグループEのヒトAd4とはより密接な関係にある。Pan 6は、Pan 5、7および9とそれほど密接な関係にない。
本発明のアデノウイルスは複製欠損型であり得る。これは、野生型ウイルスと比較して非相補性細胞において複製する能力が低下していることを意味する。これは、ウイルスを変異させることによって、例えば、E1a、E1b、E3またはE4遺伝子などの、複製に関与する遺伝子を欠失させることによって、もたらされ得る。
本発明によるアデノウイルスベクターは、機能的E1の欠失を含む複製欠損型アデノウイルスに由来し得る。こうして、本発明によるアデノウイルスベクターは、アデノウイルスE1aおよびE1bを発現する能力の欠如のため、すなわちE1aおよびE1bが機能的に欠失されているため、複製欠損型であり得る。組換えアデノウイルスはまた、他の遺伝子に機能的欠失を有してもよく[WO 03/000283参照]、例えば、E3またはE4遺伝子に欠失を有し得る。アデノウイルス遅延型初期遺伝子E3は、組換えウイルスの一部を形成するアデノウイルス配列から除去することができる。E3の機能は、組換えアデノウイルス粒子の生成に必須ではない。したがって、本発明に有用な組換えアデノウイルスをパッケージングするために、この遺伝子産物の機能を元に戻す必要はない。特定の一実施形態では、組換えアデノウイルスは、E1およびE3遺伝子が機能的に欠失されている。このようなベクターの構築は、Roy et al., Human Gene Therapy 15:519-530, 2004に記載されている。
組換えアデノウイルスはまた、E4 ORF6機能を保持することが望ましい場合があるが、E4遺伝子の機能的欠失を有するように構築することができる。本発明によるアデノウイルスベクターはまた、遅延型初期遺伝子E2aに欠失を含んでいてもよい。欠失はまた、アデノウイルスゲノムの後期遺伝子L1〜L5のいずれかにおいて行うことができる。同様に、中期遺伝子IXおよびIVaの欠失も有用であり得る。
他の欠失が、アデノウイルスの他の構造遺伝子または非構造遺伝子においてなされてもよい。上記の欠失は個々に用いることができ、すなわち、本発明で使用するためのアデノウイルス配列は、E1のみの欠失を含んでいてよい。あるいは、生物学的活性を破壊するのに有効な遺伝子の全体またはその一部の欠失を任意に組み合わせて用いてもよい。例えば、1つの例示的なベクターにおいて、アデノウイルス配列は、E1遺伝子とE4遺伝子の欠失、またはE1、E2aおよびE3遺伝子の欠失、またはE1遺伝子とE3遺伝子の欠失(例えば、E1aとE1bの機能的欠失、およびE3の少なくとも一部の欠失)、またはE3の欠失を伴うもしくは伴わないE1、E2aおよびE4遺伝子の欠失などを有することができる。このような欠失は、これらの遺伝子の部分的または完全な欠失であってよく、所望の結果を達成するために温度感受性変異などの他の変異と組み合わせて用いてもよい。本発明で使用するアデノウイルスベクターとしては、PanAd3 (WO 2010/086189)およびChAd155 (GB1510357.5)が挙げられる。
アデノウイルスベクターは、ウイルスが複製し得る任意の適切な細胞株で生産することができる。特に、複製特性(例えば、E1および/またはE4)の欠損をもたらす、ウイルスベクターから失われている因子を供給する相補性細胞株(complementing cell line)を使用することができる。限定するものではないが、こうした細胞株は、とりわけ、HeLa [ATCCアクセッション番号CCL 2]、A549 [ATCCアクセッション番号CCL 185]、HEK 293、KB [CCL 17]、Detroit [例:Detroit 510、CCL 72]およびWI-38 [CCL 75]細胞であり得る。これらの細胞株は全てがアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(10801 University Boulevard, Manassas, Virginia 20110-2209)から入手可能である。他の適切な親細胞株は、例えば、応用微生物学研究センター(Centre for Applied Microbiology and Research: CAMR, 英国)のヨーロッパ動物細胞培養物コレクション(European Collection of Animal Cell Cultures: ECACC)にECACC番号96022940で寄託された細胞によって代表されるPER.C6細胞、またはHer 96細胞(Crucell社)など、他の供給源から得ることができる。
別の実施形態において、ウイルスベクターはポックスウイルスベクターである。好ましい実施形態では、ポックスウイルスは以下の群から選択される:米国特許第6,761893号(WO02/42480); 米国特許第7,964,395号; 米国特許第7,964,396号; 米国特許出願公開US2013/0183335 (WO2012/048817); およびPCT出願公開WO2014/019718は、本明細書に開示される免疫原性成分との関連において適切なMVAベクターを作製するための例示的なベクターおよび方法を提供する。先行技術の各々は、適切なMVAベクターおよび方法の教示のために参照により本明細書に組み入れられる。
別の実施形態において、ウイルスベクターは、アルファウイルスベクター、例えばアルファウイルスレプリコンまたは他の自己複製RNAベクターである。本明細書に開示される免疫原性組合せ物との関連で用いるのに適した、例示的なアルファウイルスベクターおよびそれらの作製・送達方法は、例えば、US20090104226 (WO2006078294); US20110300205 (WO2011005799); US20130195968 (WO 2012/006376); US20130177639 (WO2012006377); WO2013006838; およびWO2013006842に記載されており、これらの各々は、開示された免疫原性組合せ物との関連で適している例示的な自己複製RNAベクターの開示のために、参照により本明細書に組み入れられる。
本明細書に開示される免疫原性組合せ物において、呼吸器病原体のポリペプチド抗原と、核酸によってコードされる同じ病原体の抗原は、同じであっても異なっていてもよい。好ましくは、本明細書に開示される免疫原性組合せ物において、2つの免疫原性成分は相同であり(すなわち、共通の進化的前駆体の子孫でつながっており)、したがって、少なくとも部分的な配列同一性(上記で決定される)を共有する。いくつかの実施形態では、免疫原性組合せ物の第1の免疫原性成分と、第2の免疫原性成分によってコードされる抗原(複数可)は、少なくとも1つの同一抗原または相同抗原を含む。特定の実施形態では、該抗原は同一ではなく、その場合に、該抗原は、例えば、それらが少なくとも1つの同一のまたは部分的に同一の免疫原性エピトープを含むように、部分的に同一のアミノ酸配列を含むことができる。部分的に同一のエピトープは、例えば、その病原体の別の株または血清型の相同抗原の対応する部分から選択することができる。
免疫原性組合せ物の特定の実施形態において、第1の成分の抗原と第2の成分の核酸によってコードされる抗原は、実質的な配列同一性を共有し、例えば、それらの長さの全部または一部にわたって約70%の配列同一性、約75%の同一性、約80%の同一性、約85%の同一性、約90%の同一性、または約95%もしくはそれ以上の同一性を共有する。1つの成分が1つの抗原を含み(またはコードし)、もう1つの成分が複数の抗原を含む(またはコードする)実施形態では、配列同一性は対応する抗原間で比較される。例示のために、第1の成分がRSV Fタンパク質抗原を含み、第2の成分がRSV F抗原とRSV MおよびN抗原をコードする核酸を含む実施形態では、配列同一性は(MおよびNタンパク質成分に関係なく)Fタンパク質間で比較される。複数の抗原が各成分に含まれる場合には、少なくとも1つは70%の配列同一性の閾値を満たすことが期待される。
例えば、RSVに特異的な免疫応答を誘発する好ましい一実施形態では、免疫原性組合せ物は、RSV Fタンパク質抗原を含有する第1の免疫原性成分を含む。第2の免疫原性成分は、RSV Fタンパク質をコードする核酸を含有する。一実施形態では、免疫原性成分の一方または両方は、RSV Fタンパク質のエクトドメイン(FΔTM)であり得る。一実施形態では、抗原は同一である。別の実施形態では、Fタンパク質抗原は配列が同一でない。例えば、以下により詳細に記載される例示的な一実施形態では、第1の免疫原性成分は、コンフォメーション的に固定されたFタンパク質抗原であるポリペプチド抗原を含み、第2の免疫原性成分は、コンフォメーション的に固定されていない異なる配列のFタンパク質ポリペプチド、例えばUS2012/0027788に記載のように設計されたコンセンサス配列Fタンパク質ポリペプチド、をコードする核酸(および例えばアデノウイルスベクター)を含む。一実施形態では、第1の成分はRSV Fタンパク質抗原を含み、第2の成分はRSV F抗原とRSV MおよびN抗原をコードする核酸を含む。具体的には、第1の成分は、融合前コンフォメーションにおいてコンフォメーション的に固定されたRSV Fタンパク質抗原を含み、第2の成分は、RSV FΔTM抗原とRSV M2-1およびN抗原をコードする核酸を含み、この場合、自己切断部位がRSV FΔTM抗原とRSV M2-1抗原との間に含まれ、また、フレキシブルリンカーがRSV M2-1抗原とN抗原との間に含まれる。さらに具体的には、第1の成分は、配列番号2で表されるRSV Fタンパク質抗原を含むことができ、第2の成分は、配列番号3で表される核酸インサートを保有するアデノウイルスベクターを含むことができる。
必要に応じて、免疫原性成分の一方または両方は複数の抗原を含む。典型的には、これらは同じ標的病原体から選択される。しかし、複数の病原体の抗原が免疫原性組合せ物に含まれている実施形態も考えられる。
免疫原性成分および組合せ物
本明細書に開示される免疫原性組合せ物において、(核酸およびタンパク質)を含む免疫原性成分は、単一の免疫原性組成物または異なる免疫原性組成物での投与のために製剤化することができる。単一の組成物での投与のために製剤化する場合、該成分は、投与前に混合されるか、または製造中に安定的に一緒に製剤化され得る。
本明細書に開示される免疫原性組成物は、典型的には、薬学的に許容される担体または賦形剤を含有する。薬学的に許容される担体および賦形剤は周知であり、当業者によって選択され得る。形容詞「薬学的に許容される」は、指示対象が被験体(例えば、ヒトまたは動物被験体)への投与に適していることを示す。E. W. MartinによるRemington's Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Co., Easton, PA, 15th Edition (1975))には、免疫原性組成物などの治療用および/または予防用組成物の医薬送達に適した組成物および処方(希釈剤を含む)が記載されている。
例えば、本明細書に開示される免疫原性成分および組合せ物との関連において、担体または賦形剤は、好ましくは、緩衝剤を含むことができる。場合により、担体または賦形剤はまた、溶解性および/または安定性を安定化させる少なくとも1つの成分を含む。可溶化剤/安定化剤の例としては、界面活性剤、例えば、ラウロイルサルコシンおよび/またはトゥイーンが挙げられる。これらに代わる可溶化剤/安定剤には、アルギニンおよびガラス形成ポリオール(例えば、スクロース、トレハロースなど)が含まれる。数多くの薬学的に許容される担体および/または薬学的に許容される賦形剤が当技術分野で公知であり、例えば、E. W. MartinによるRemington's Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Co., Easton, PA, 5th Edition (1975))に記載されている。
したがって、適切な賦形剤および担体は、選択された投与経路で被験体に送達するのに適した製剤を製造するために、当業者によって選択され得る。
適切な賦形剤としては、限定するものではないが、以下が挙げられる:グリセロール、ポリエチレングリコール(PEG)、ソルビトール、トレハロース、N-ラウロイルサルコシンナトリウム塩、L-プロリン、非界面活性剤スルホベタイン、塩酸グアニジン、尿素、トリメチルアミンオキシド、KCl、Ca2+、Mg2+、Mn2+、Zn2+および他の二価カチオン関連塩、ジチオトレイトール、ジチオエリトロール(Dithioerytrol)、ならびにβ-メルカプトエタノール。その他の賦形剤は、界面活性剤(例えば、Tween80、Tween20、Triton X-00、NP-40、Empigen BB、オクチルグルコシド、ラウロイルマルトシド、Zwittergent 3-08、Zwittergent 3-0、Zwittergent 3-2、Zwittergent 3-4、Zwittergent 3-6、CHAPS、デオキシコール酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム)であり得る。
必要に応じて、開示された免疫原性組合せ物はアジュバントをも含み、このアジュバントも開示されたワクチンレジメン、方法、使用およびキットと共に使用することができる。特定の実施形態では、呼吸器病原体のポリペプチド抗原を含む免疫原性成分が、アジュバントを用いて製剤化される。他の実施形態では、呼吸器病原体の抗原をコードする核酸を含む免疫原性成分が、アジュバントを用いて製剤化される。一実施形態では、両方の免疫原性成分がアジュバントを含有する組成物中で投与される。典型的には、アジュバントは、抗原成分と(例えば、投与前に)混合されるか、または安定的に製剤化される。組合せ免疫原性組成物を特定の年齢層の被験体に投与する場合、アジュバントはその被験体または被験体の集団に安全かつ有効であるように選択される。従って、高齢者(例えば、65歳以上)に投与するための組合せ免疫原性組成物を製剤化する場合、アジュバントは高齢者に安全かつ有効であるように選択される。同様に、組合せ免疫原性組成物を新生児または幼児(例えば、生まれてから2歳までの被験体)に投与しようとする場合、アジュバントは新生児と幼児に安全かつ有効であるように選択される。新生児と幼児における安全性および有効性について選択されたアジュバントの場合、アジュバント用量は、成人被験体に一般的に投与される用量の希釈液(例えば、分割量)となるように選択され得る。
さらに、アジュバントは、典型的には、投与経路(この経路で組合せ免疫原性組成物が投与される)を経て投与されるときに免疫応答の望ましい面を増強するように選択される。例えば、経鼻投与用の組合せ免疫原性組成物を製剤化する場合は、プロテオソーム(proteosome)およびプロトリン(protollin)が好ましいアジュバントである。対照的に、組合せ免疫原性組成物を筋肉内投与用に製剤化する場合は、3D-MPL、スクアレン(例えば、QS21)、リポソーム、および/または油と水のエマルションの1種以上を含むアジュバントを選択することが好ましい。
本明細書に開示される免疫原性組合せ物と共に使用するのに適した1つのアジュバントは、非毒性の細菌性リポ多糖誘導体である。リピドAの適切な非毒性誘導体の例は、モノホスホリルリピドA、さらに特定すると3-脱アシル化モノホスホリルリピドA(3D-MPL)である。3D-MPLは、GlaxoSmithKline Biologicals N.A.によりMPLという名称で販売されており、本明細書全体を通してMPLまたは3D-MPLと呼ばれる。例えば、米国特許第4,436,727号; 第4,877,611号; 第4,866,034号および第4,912,094号を参照されたい。3D-MPLは、主にIFN-γ(Th1)表現型を有するCD4+ T細胞応答を促進する。3D-MPLは、GB2220211 Aに開示された方法に従って製造することができる。化学的には、それは3、4、5または6個のアシル化鎖を有する3-脱アシル化モノホスホリルリピドAの混合物である。本開示の組成物においては、小粒子3D-MPLを使用することができる。小粒子3D-MPLは、0.22μmフィルターを通して滅菌濾過できるような粒子サイズである。このような調製物はWO94/21292に記載されている。
3D-MPLのようなリポ多糖体は、免疫原性組成物のヒト用量あたり1〜50μgの量で使用することができる。こうした3D-MPLは、約25μgのレベルで、例えば20〜30μg、好ましくは21〜29μg、22〜28μg、23〜27μgもしくは24〜26μg、または25μgのレベルで、使用され得る。別の実施形態では、免疫原性組成物のヒト用量は、3D-MPLを、約10μgのレベルで、例えば5〜15μg、好ましくは6〜14μg、7〜13μg、8〜12μgもしくは9〜11μg、または10μgのレベルで含む。さらなる実施形態では、免疫原性組成物のヒト用量は、3D-MPLを、約5μgのレベルで、例えば1〜9μgもしくは2〜8μg、好ましくは3〜7μgもしくは4〜6μg、または5μgのレベルで含む。
他の実施形態において、リポ多糖体は、米国特許第6,005,099号および欧州特許第0 729 473 B1号に記載されるような、β(1-6)グルコサミン二糖体であり得る。当業者は、これらの参考文献の教示に基づいて、3D-MPLなど、さまざまなリポ多糖体を容易に製造することができよう。それでもなお、これらの参考文献の各々は、参照により本明細書に組み入れられる。上記の免疫賦活剤(LPSまたはMPLもしくは3D-MPLに構造が類似する)に加えて、上記MPL構造の下位部分であるアシル化単糖および二糖誘導体も適切なアジュバントである。他の実施形態では、アジュバントは、リピドAの合成誘導体(その一部はTLR-4アゴニストとして記載される)であり、限定するものではないが、以下が挙げられる:OM174 (2-デオキシ-6-o-[2-デオキシ-2-[(R)-3-ドデカノイルオキシテトラ-デカノイルアミノ]-4-o-ホスホノ-β-D-グルコピラノシル]-2-[(R)-3-ヒドロキシテトラデカノイルアミノ]-α-D-グルコピラノシル二水素ホスフェート)(WO 95/14026); OM 294 DP (3S, 9R)-3-[(R)-ドデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-4-オキソ-5-アザ-9(R)-[(R)-3-ヒドロキシテトラデカノイルアミノ]デカン-1,10-ジオール,1,10-ビス(二水素ホスフェート)(WO 99/64301およびWO 00/0462); およびOM 197 MP-Ac DP (3S-, 9R)-3-[(R)-ドデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]-4-オキソ-5-アザ-9-[(R)-3-ヒドロキシテトラデカノイルアミノ]デカン-1,10-ジオール,1-二水素ホスフェート 10-(6-アミノヘキサノエート)(WO 01/46127)。
使用することができる他のTLR4リガンドは、WO 98/50399または米国特許第6,303,347号(AGPの調製方法も開示される)に開示されたものなどのアルキルグルコサミニドリン酸(AGP)、好適にはRC527またはRC529、あるいは米国特許第6,764,840号に開示されるようなAGPの薬学的に許容される塩である。一部のAGPはTLR4アゴニストであり、一部はTLR4アンタゴニストである。両方ともアジュバントとして有用であると考えられる。
TLR-4を介してシグナル伝達応答を引き起こすことができる他の適切なTLR-4リガンド(Sabroe et al, JI 2003 p1630-5)は、例えば、グラム陰性細菌由来のリポ多糖体とその誘導体、またはその断片、特にLPSの非毒性誘導体(3D-MPLなど)である。他の適切なTLRアゴニストは、熱ショックタンパク質(HSP)10、60、65、70、75または90; サーファクタントプロテインA、ヒアルロナンオリゴ糖、ヘパラン硫酸フラグメント、フィブロネクチンフラグメント、フィブリノーゲンペプチドおよびb-ディフェンシン-2、ならびにムラミルジペプチド(MDP)である。一実施形態では、TLRアゴニストはHSP 60、70または90である。他の適切なTLR-4リガンドは、WO 2003/011223およびWO 2003/099195に記載されるもの、例えば、WO 2003/011223の4〜5ページまたはWO 2003/099195の3〜4ページに開示される化合物I、化合物IIおよび化合物III、特にWO 2003/011223中にER803022、ER803058、ER803732、ER804053、ER804057、ER804058、ER804059、ER804442、ER804680、およびER804764として開示される化合物である。例えば、1つの好適なTLR-4リガンドはER804057である。
さらなるTLRアゴニストはアジュバントとしても有用である。用語「TLRアゴニスト」は、直接的なリガンドとして、または内因性もしくは外因性リガンドの生成を介して間接的に、TLRシグナル伝達経路を経てシグナル伝達応答を引き起こすことができる物質を指す。このような天然または合成TLRアゴニストは、代替または追加のアジュバントとして使用することができる。アジュバント受容体としてのTLRの役割の概説は、Kaisho & Akira, Biochimica et Biophysica Acta 1589:1-13, 2002に提供される。これらの潜在的アジュバントには、TLR2、TLR3、TLR7、TLR8およびTLR9のアゴニストが含まれるが、これらに限定されない。したがって、一実施形態では、該アジュバントと組合せ免疫原性組成物は、以下からなる群より選択されるアジュバントをさらに含む:TLR-1アゴニスト、TLR-2アゴニスト、TLR-3アゴニスト、TLR-4アゴニスト、TLR-5アゴニスト、TLR-6アゴニスト、TLR-7アゴニスト、TLR-8アゴニスト、TLR-9アゴニスト、またはこれらの組み合わせ。
本開示の一実施形態では、TLRアゴニストとしては、TLR-1を介してシグナル伝達応答を引き起こすことができるものが使用される。適切には、TLR-1を介してシグナル伝達応答を引き起こすことができるTLRアゴニストは、以下から選択される:トリアシル化リポペプチド(LP);フェノール可溶性モジュリン;結核菌LP;S-(2,3-ビス(パルミトイルオキシ)-(2-RS)-プロピル)-N-パルミトイル-(R)-Cys-(S)-Ser-(S)-Lys(4)-OH, 三塩酸塩(Pam3Cys)LP(これは細菌リポタンパク質のアセチル化アミノ末端を模倣する)およびボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)由来のOspA LP。
別の実施形態では、TLRアゴニストとして、TLR-2を介してシグナル伝達応答を引き起こすことができるものが使用される。適切には、TLR-2を介してシグナル伝達応答を引き起こすことができるTLRアゴニストは、リポタンパク質、ペプチドグリカン、結核菌、ボレリア・ブルグドルフェリまたは梅毒トレポネーマ(T. pallidum)由来の細菌リポペプチド;黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)を含む種由来のペプチドグリカン;リポテイコ酸、マンヌロン酸、ナイセリア(Neisseria)ポーリン、細菌線毛、エルシニア(Yersina)病原性因子、CMVビリオン、麻疹ヘマグルチニン、および酵母由来のザイモサンの1つ以上である。
別の実施形態では、TLRアゴニストとして、TLR-3を介してシグナル伝達応答を引き起こすことができるものが使用される。適切には、TLR-3を介してシグナル伝達応答を引き起こすことができるTLRアゴニストは、二本鎖RNA (dsRNA)、またはウイルス感染に関連する分子核酸パターンのポリイノシン・ポリシチジン酸(ポリIC)である。
別の実施形態では、TLRアゴニストとして、TLR-5を介してシグナル伝達応答を引き起こすことができるものが使用される。適切には、TLR-5を介してシグナル伝達応答を引き起こすことができるTLRアゴニストは、細菌のフラジェリンである。
別の実施形態では、TLRアゴニストとして、TLR-6を介してシグナル伝達応答を引き起こすことができるものが使用される。適切には、TLR-6を介してシグナル伝達応答を引き起こすことができるTLRアゴニストは、マイコバクテリアのリポタンパク質、ジアシル化LP、およびフェノール可溶性モジュリンである。さらなるTLR6アゴニストは、WO 2003/043572に記載される。
別の実施形態では、TLRアゴニストとして、TLR-7を介してシグナル伝達応答を引き起こすことができるものが使用される。適切には、TLR-7を介してシグナル伝達応答を引き起こすことができるTLRアゴニストは、一本鎖RNA (ssRNA)、ロキソリビン(loxoribine)、位置N7およびC8でのグアノシン類似体、またはイミダゾキノリン化合物もしくはその誘導体である。一実施形態では、このTLRアゴニストはイミキモド(imiquimod)である。さらなるTLR7アゴニストは、WO 2002/085905に記載される。
別の実施形態では、TLRアゴニストとして、TLR-8を介してシグナル伝達応答を引き起こすことができるものが使用される。適切には、TLR-8を介してシグナル伝達応答を引き起こすことができるTLRアゴニストは、一本鎖RNA (ssRNA)、抗ウイルス活性を有するイミダゾキノリン分子、例えばレシキモド(resiquimod)(R848)である;レシキモドはTLR-7によっても認識され得る。使用できる他のTLR-8アゴニストには、WO 2004/071459に記載のものが含まれる。
別の実施形態では、TLRアゴニストとして、TLR-9を介してシグナル伝達応答を引き起こすことができるものが使用される。一実施形態では、TLR-9を介してシグナル伝達応答を引き起こすことができるTLRアゴニストは、HSP90である。あるいは、TLR-9を介してシグナル伝達応答を引き起こすことができるTLRアゴニストは、細菌またはウイルスDNA、非メチル化CpGヌクレオチドを含むDNA、特にCpGモチーフとして知られる配列構成(sequence context)を含むDNAである。CpG含有オリゴヌクレオチドは、優先的にTh1応答を誘導する。このようなオリゴヌクレオチドは周知であり、例えば、WO 96/02555、WO 99/33488、ならびに米国特許第6,008,200号および第5,856,462号に記載される。適切には、CpGヌクレオチドはCpGオリゴヌクレオチドである。組合せ免疫原性組成物で用いるのに適したオリゴヌクレオチドは、少なくとも3個、好ましくは少なくとも6個またはそれ以上のヌクレオチドによって分離された2つ以上のジヌクレオチドCpGモチーフを場合により含む、CpG含有オリゴヌクレオチドである。CpGモチーフは、シトシンヌクレオチドの後にグアニンヌクレオチドが続くモチーフである。CpGオリゴヌクレオチドは典型的にはデオキシヌクレオチドである。特定の実施形態では、該オリゴヌクレオチド中のヌクレオチド間結合は、ホスホロジチオエート、適切にはホスホロチオエート結合であるが、ホスホジエステルおよび他のヌクレオチド間結合も可能である。また、混合ヌクレオチド間結合を有するオリゴヌクレオチドも可能である。ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドまたはホスホロジチオエートの製造方法は、米国特許第5,666,153号、第5,278,302号、およびWO 95/26204に記載される。
開示された免疫原性組合せ物中で、または開示された免疫化レジメン、方法、使用およびキットと共に、例えば単独でまたは3D-MPLもしくは本明細書に記載の別のアジュバントと組み合わせて、使用することができる他のアジュバントは、QS21のようなサポニンである。
サポニンは、Lacaille-Dubois, MおよびWagner H. (1996. A review of the biological and pharmacological activities of saponins (サポニンの生物学的および薬理学的活性の概説). Phytomedicine vol 2 pp 363-386)に教示されている。サポニンは、植物および海洋動物界に広く分布するステロイドまたはトリテルペン配糖体である。サポニンは、振とうすると発泡するコロイド溶液を水中で形成するために、また、コレステロールを沈殿させるために注目される。サポニンが細胞膜の近くにあるとき、サポニンは、膜を破裂させる細孔様構造を膜中に形成する。赤血球の溶血はこの現象の一例であり、これは、全てではないが一部のサポニンの特性である。
サポニンは、全身投与用のワクチンのアジュバントとして知られている。個々のサポニンのアジュバント活性および溶血活性は、当技術分野で広く研究されている(Lacaille-Dubois and Wagner, 前掲)。例えば、Quil A (南アメリカの高木であるQuillaja Saponaria Molina(シャボンノキ)の樹皮由来)およびその画分は、米国特許第5,057,540号;“Saponins as vaccine adjuvants”, Kensil, C. R., Crit Rev Ther Drug Carrier Syst, 1996, 12 (1-2):1-55;およびEP 0 362 279 B1に記載されている。免疫刺激複合体(ISCOMS)と呼ばれる、Quil Aの画分を含む粒子状構造は、溶血性であって、ワクチンの製造に利用されている(Morein, B., EP 0 109 942 B1; WO 96/11711; WO 96/33739)。溶血性サポニンQS21およびQS17 (Quil AのHPLC精製画分)は、強力な全身アジュバントとして記載されており、その製造方法は、米国特許第5,057,540号およびEP 0 362 279 B1に開示される;これらは参照により本明細書に組み入れられる。全身ワクチン接種試験に使用されてきた他のサポニンには、カスミソウ属(Gypsophila)およびサボンソウ属(Saponaria)などの他の植物種に由来するものが含まれる(Bomford et al., Vaccine, 10(9):572-577, 1992)。
QS21は、キラヤ・サポナリア・モリナ(Quillaja Saponaria Molina)の樹皮由来のHPLC精製された非毒性画分である。QS21の製造方法は米国特許第5,057,540号に記載される。QS21を含有する非反応原性(non-reactogenic)アジュバント処方物は、WO 96/33739に記載される。前述の参考文献は参照により本明細書に組み入れられる。前記の免疫学的に活性なサポニン、例えばQS21は、組合せ免疫原性組成物のヒト用量あたり1〜50μgの量で使用することができる。有利には、QS21は、約25μgのレベルで、例えば20〜30μg、好ましくは21〜29μg、22〜28μg、23〜27μg、24〜26μg、または25μgのレベルで使用される。別の実施形態では、組合せ免疫原性組成物のヒト用量は、QS21を、約10μgのレベルで、例えば5〜15μg、好ましくは6〜14μg、例えば7〜13μg、8〜12μg、9〜11μg、または10μgのレベルで含む。さらなる実施形態では、組合せ免疫原性組成物のヒト用量は、QS21を、約5μgのレベルで、例えば1〜9μg、2〜8μg、好ましくは3〜7μg、4〜6μg、または5μgのレベルで含む。QS21とコレステロールを含むこのような処方物は、抗原とともに製剤化した場合に、良好なアジュバントであることが示されている。こうして、例えば、開示された免疫原性組合せ物のポリペプチドは、QS21とコレステロールの組み合わせを含むアジュバントと共に提供され得る。
必要に応じて、アジュバントは、代替的にまたは追加的に、無機塩、例えば、アルミニウム塩(例:水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、アルミニウムヒドロキシホスフェート硫酸塩)またはカルシウム塩(例:水酸化カルシウム、フッ化カルシウム、リン酸カルシウム)を含むことができる。アジュバントの処方に適した他の塩には、硝酸セリウム(III)六水和物および硫酸亜鉛七水和物が含まれる。例えば、アルミニウム塩(例:水酸化アルミニウムまたは「ミョウバン(alum)」)と組み合わせて3D-MPLを含有するアジュバントは、本明細書に記載の呼吸器病原体の抗原を含む免疫原性組合せ物中に処方するのに適している。あるいは、このような無機塩アジュバントは、非無機塩アジュバントとの併用以外で使用してもよく、すなわち、組合せ免疫原性組成物は、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウムおよびリン酸カルシウムなどの1つまたは複数の無機塩アジュバントのみを用いて、アジュバントの添加を行うことができる。
本明細書に開示される免疫原性組合せ物に使用するのに適切なアジュバントの別のクラスには、OMPベースの免疫刺激性組成物が含まれる。OMPベースの免疫刺激性組成物は粘膜アジュバントとして、例えば鼻腔内投与に、特に適している。OMPベースの免疫刺激性組成物は、限定するものではないが、ナイセリア属(Neisseria)の種などのグラム陰性細菌に由来する外膜タンパク質(OMP、一部のポーリンを含む)の調製物の一属であり(例えば、Lowell et al., J. Exp. Med. 167:658, 1988; Lowell et al., Science 240:800, 1988; Lynch et al., Biophys. J. 45:104, 1984; Lowell, "New Generation Vaccines" 2nd ed., Marcel Dekker, Inc., New York, Basil, Hong Kong, page 193, 1997; 米国特許第5,726,292号; 米国特許第4,707,543号参照)、これらは担体として、または細菌もしくはウイルス抗原などの免疫原のための組成物において有用である。いくつかのOMPベースの免疫刺激性組成物は「プロテオソーム(Proteosome)」と呼ばれることがあり、疎水性でありかつヒトでの使用に安全である。プロテオソームは、約20nm〜約800nmの小胞または小胞様のOMPクラスターに自己集合する能力があり、かつタンパク質抗原(Ag)、特に疎水性部分を有する抗原を非共有結合的に取り込み、配位させ、会合させ(例えば、静電的または疎水的に)、または他の方法で該抗原と協働する能力がある。1つ以上のOMPの多分子膜構造体またはモルテン・グロビュール(molten globular)様OMP組成物を含めて、小胞または小胞様形態の外膜タンパク質成分をもたらす調製方法はどれも、プロテオソームの定義内に含まれる。プロテオソームは、例えば、当技術分野で記載されるとおりに(例えば、米国特許第5,726,292号または米国特許第5,985,284号参照)、調製することができる。プロテオソームはまた、OMPポーリンの生産に使用される細菌(例えば、ナイセリア属の種)に由来する内因性リポ多糖体またはリポオリゴ糖(それぞれ、LPSまたはLOS)を含むことができ、一般的には、それは全OMP調製物の2%未満である。
プロテオソームは、主として、髄膜炎菌(Neisseria menigitidis)由来の化学的に抽出された外膜タンパク質(OMP)(主にポーリンAおよびBならびにクラス4 OMP)から構成され、界面活性剤によって溶液中に維持される(Levine MM, Woodrow GC, Kaper JB, Cobon GS編, New Generation Vaccines. New York: Marcel Dekker, Inc. 1997; 193-206中のLowell GH. Proteosomes for Improved Nasal, Oral, or Injectable Vaccines(改善された鼻腔内、経口または注射用のワクチンのためのプロテオソーム))。プロテオソームは、例えばダイアフィルトレーションまたは従来の透析プロセスにより、ウイルス源から誘導された精製または組換えタンパク質(本明細書に開示されるRSV Fタンパク質ポリペプチドを含む)などの種々の抗原と共に、または精製された百日咳抗原タンパク質と共に、製剤化することができる。界面活性剤を徐々に除去すると、直径約100〜200nmの粒子状疎水性複合体が形成される(Levine MM, Woodrow GC, Kaper JB, Cobon GS編, New Generation Vaccines. New York: Marcel Dekker, Inc. 1997; 193-206中のLowell GH. Proteosomes for Improved Nasal, Oral, or Injectable Vaccines.)。
本明細書で使用する「プロテオソーム:LPSまたはプロトリン(Protollin)」とは、OMP-LPS組成物(免疫刺激性組成物として機能し得る)を提供するために、少なくとも1種類のリポ多糖体と、例えば外部からの添加によって、混合されたプロテオソームの調製物を指す。こうして、OMP-LPS組成物は、(1)グラム陰性細菌、例えば髄膜炎菌、から調製されたプロテオソームの外膜タンパク質調製物(例えば、プロジュバント(Projuvant))と、(2)1つ以上のリポサッカライドの調製物とを含む、プロトリンの2つの基本成分から構成され得る。リポオリゴ糖は内因性である(例えば、OMPプロテオソーム調製物と一緒に天然で含まれる)か、外因的に調製された(例えば、OMP調製物とは異なる培養物または微生物から調製された)リポオリゴ糖からOMP調製物と混合または組み合わされるか、あるいはこれらの組み合わせであり得る。このような外因的に添加されるLPSは、OMP調製物が作られたのと同じグラム陰性細菌由来であっても、異なるグラム陰性細菌由来であってもよい。プロトリンはまた、脂質、糖脂質、糖タンパク質、小分子など、またはこれらの組み合わせを必要に応じて含んでいてもよいと理解されるべきである。プロトリンは、例えば、米国特許出願公開第2003/0044425号に記載されるように、調製することができる。
上記のような異なるアジュバントの組み合わせもまた、開示された免疫原性組合せ物(例えば、個々の成分またはその混合物を含む)中で使用することができる。例えば、すでに述べたように、QS21は3D-MPLと一緒に処方され得る。QS21:3D-MPLの比は、典型的には、ほぼ1:10〜10:1の程度であり、例えば1:5〜5:1、多くの場合はおおむね1:1である。典型的には、この比は、2.5:1から1:1の範囲の3D-MPL:QS21である。別の混合アジュバント処方物には、3D-MPLとアルミニウム塩、例えば水酸化アルミニウム、が含まれる。
いくつかの例では、アジュバント処方物は、無機塩、例えば、アルミニウム(ミョウバン)塩、例えばリン酸アルミニウムもしくは水酸化アルミニウムなど、またはリン酸カルシウムを含む。ミョウバンが、例えば3D-MPLと組み合わせて、存在する場合、その量は、典型的には、用量あたり約100μg〜1mg、例えば、約100μg、または約200μg〜約750μg、例えば約500μgである。
いくつかの実施形態では、アジュバントは油と水のエマルション、例えば水中油型エマルションを含む。水中油型エマルションの一例は、水性担体中に代謝可能な油、例えばスクアレン、トコフェロール(例:α-トコフェロール)などのトコール、および界面活性剤、例えばトリオレイン酸ソルビタン(Span 85(商標))またはモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(Tween 80(商標))を含有する。特定の実施形態では、水中油型エマルションは、追加の免疫刺激剤を含まない(特に、それは3D-MPLなどの非毒性リピドA誘導体、またはQS21などのサポニンを含まない)。水性担体は、例えば、リン酸緩衝生理食塩水であり得る。さらに、水中油型エマルションは、span 85および/またはレシチンおよび/またはトリカプリリンを含むことができる。
別の実施形態では、組合せ免疫原性組成物は、水中油型エマルションおよび任意に1種以上のさらなる免疫刺激剤を含み、その場合に、該水中油型エマルションは0.5〜10mgの代謝可能な油(適切にはスクアレン)、0.5〜11mgのトコール(適切にはトコフェロール、例えばα-トコフェロール)および0.4〜4mgの乳化剤を含む。
特定の一実施形態では、アジュバント処方物は、水中油型エマルションのようなエマルションの形態で調製された3D-MPLを含む。ある場合には、該エマルションは、WO 94/21292に開示されるように、直径が0.2μm未満の小さな粒子サイズを有する。例えば、3D-MPLの粒子は、(欧州特許第0 689 454号に記載されるように)0.22μmの膜を通して滅菌濾過するのに十分小さいサイズであり得る。あるいは、3D-MPLはリポソーム製剤に調製することができる。場合により、3D-MPL(またはその誘導体)を含有するアジュバントは、追加の免疫刺激性成分を含む。
アジュバントは、免疫原性組成物が投与される集団において安全かつ有効であるように選択される。成人および高齢者の集団では、製剤は、典型的には、幼児用製剤に通常見られるよりも多くのアジュバント成分を含む。水中油型エマルションを使用する特定の製剤では、該エマルションは、例えば、コレステロール、スクアレン、α-トコフェロール、および/またはTween 80もしくはSpan 85のような界面活性剤などの追加の成分を含むことができる。例示的な製剤では、こうした成分は以下の量で存在し得る:約1〜50mgのコレステロール、2〜10%のスクアレン、2〜10%のα-トコフェロールおよび0.3〜3%のTween 80。典型的には、スクアレン:α-トコフェロールの比は1以下であり、これにより、より安定なエマルションが得られる。場合により、製剤は安定剤を含むこともできる。
RSV Fタンパク質のポリペプチド抗原を含む組合せ免疫原性組成物が幼児への投与のために製剤化される場合、アジュバントの投与量は、幼児被験体において有効かつ比較的非反応原性であるように決定される。一般に、幼児用製剤中のアジュバントの用量は、成人(例えば、65歳以上)への投与のために設計された製剤で使用される量よりも低くする(例えば、該用量は、成人に投与される製剤で提供される用量の何分の1かの量であり得る)。例えば、3D-MPLの量は、典型的には、用量あたり1μg〜200μg、例えば10〜100μg、または10〜50μgの範囲である。幼児用量は、典型的には、この範囲の下端にあり、例えば、約1μg〜約50μg、例えば、約2μg、約5μgまたは約10μgから、約25μgまたは約50μgまでである。典型的には、QS21が製剤中で使用される場合、その範囲は同様であり(かつ上記で示した比に従う)。油と水のエマルション(例えば、水中油型エマルション)の場合、子供または幼児に提供されるアジュバントの用量は、成人被験体に投与される用量の何分の1かの量であり得る。
本明細書に開示される免疫原性組合せ物、つまり開示されたワクチン接種レジメン、方法、使用およびキットにおいて用いるための免疫原性組合せ物は、典型的には、免疫学的に有効な量(またはその分割量)の免疫原性成分(および/またはポリペプチドもしくは核酸)を含み、従来の技術によって調製することができる。
「免疫学的に有効な量」は、組成物に対する、または組成物中の抗原に対する免疫応答を被験体において誘発するために使用される組成物(典型的には、免疫原性組成物)の量である。一般に、所望の結果は、病原体から被験体を保護することが可能であるか、または保護することに寄与する、抗原(例えば、病原体)特異的免疫応答の発生である。しかし、病原体に対する防御免疫応答を得るためには、免疫原性組成物を複数回投与することが必要であり得る。したがって、本開示において、免疫学的に有効な量という用語は、以前のまたは後続の投与と組み合わせて、防御免疫応答を達成することに寄与する分割量を包含する。
ヒト被験体に投与するためのものを含めて、免疫原性組成物の調製は、一般的に、Pharmaceutical Biotechnology, Vol.61 Vaccine Design-the subunit and adjuvant approach, Powell and Newman編, Plenum Press, 1995;New Trends and Developments in Vaccines, Voller et al.編, University Park Press, Baltimore, Maryland, U.S.A. 1978に記載される。リポソーム内へのカプセル化は、例えば、Fullertonの米国特許第4,235,877号に記載される。タンパク質の巨大分子へのコンジュゲーションは、例えば、Likhiteの米国特許第4,372,945号およびArmorらの米国特許第4,474,757号に開示される。
典型的には、免疫原性組成物の各用量中の抗原(例えば、タンパク質)または抗原をコードする核酸の量は、典型的な被験体において重大かつ有害な副作用なしに防御(または免疫防御)応答を誘導する量として選択される。これに関連して防御は、感染を完全に防御することを必ずしも意味しない;それは症状または疾患、特に病原体に関連する重篤な疾患、からの保護を意味する。抗原の量は、どの特異抗原(または核酸)が使用されるかに応じて変動し得る。
こうして、抗原または抗原をコードする核酸は、免疫学的に有効な用量で投与される。当業者には、免疫学的に有効な量が体重、年齢、および免疫学的および/または生理学的状態などのパラメータに基づいて被験体間で異なり得ることが理解されよう;かくして、幼児の用量は一般的に成人の用量よりも低く、また、ヒトの用量は実験動物(非ヒト動物)に投与される用量と異なっていてよい。例えば、ヒトの用量は、典型的には、マウスに投与される用量の10倍〜20倍である。一般に、ポリペプチド抗原成分に関して、各ヒト用量は、各タンパク質または抗原を1〜1000μg含み、例えば、約1μg〜約100μg、約1μg〜約50μg、例えば約1μg、約2μg、約5μg、約10μg、約15μg、約20μg、約25μg、約30μg、約40μg、または約50μg含有する。あるいは、ポリペプチド成分は、50μg〜250μg、例えば約50μg、75μg、100μg、120μg、150μg、175μg、200μgまたは250μgの量で投与され得る。これらの量は例示的であると理解され、上記範囲内の整数または間隔が許容可能である。
核酸成分に関して、その量は、同様に、(1回以上の投与で)被験体に免疫学的に有効な量を提供するように計算される。このような量は、核酸の場合、1ng〜100mgの間であり得る。例えば、DNAの適切な量は1μg〜100mgであり得る。RNAの場合、適切な量は1ng〜100μgであり得る。特定の核酸(例えば、ベクター)の適切な量は、当業者によって容易に決定され得る。核酸成分の例示的な有効量は、1ng〜100μg、例えば1ng〜1μg(例:100ng〜1μg)、または1μg〜100μg、例えば10ng、50ng、100ng、150ng、200ng、250ng、500ng、750ng、もしくは1μg(またはこれらの量の範囲内に包含される任意の整数もしくはこれらの量を含めた間隔)であり得る。また、核酸の有効量は、1μg〜500μg、例えば1μg〜200μg、10μg〜100μg、例えば1μg、2μg、5μg、10μg、20μg、50μg 75μg、100μg、150μg、もしくは200μg、または1〜200μgの間の整数もしくは間隔もしくは一部を含むことができる。あるいは、核酸の例示的な有効量は、100μg〜1mg、例えば100μg〜500μg、例えば100μg、150μg、200μg、250μg、300μg、400μg、500μg、600μg、700μg、800μg、900μgもしくは1mg、または1μg〜1mgの間の任意の整数もしくは間隔であり得る。
核酸成分を含有する組換えウイルスベクター(例えば、アデノウイルス)の場合、典型的には、1×105〜1×1015個のウイルス粒子、例えば1×108〜1×1012個(例えば、1×108、5×108、1×109、5×109、1×1010、2.5×1010、5×1010、1×1011、5×1011、1×1012個の粒子)の用量で投与される。あるいは、ウイルスベクターは、典型的には1×105〜1×1010プラーク形成単位(PFU)、例えば、1×105PFU、5×105 PFU、1×106 PFU、5×106 PFU、1×107 PFU、5×107 PFU、1×108 PFU、5×108 PFU、1×109 PFU、5×109 PFU、または1×1010 PFUの用量で投与され得る。上記のように、指定された範囲内の任意の整数または間隔を投与することができる。
一般に、ヒト用量は0.5ml〜2mlの容量である。したがって、本明細書に記載の使用および方法のための組成物は、個々のまたは組み合わされた免疫原性成分について、例えば0.5、1.0、1.5または2.0mlヒト用量の容量で製剤化することができる。
免疫原性組成物中で利用される量は、被験体集団に基づいて選択される。特定の組成物の最適量は、被験体における抗体価と他の応答の観察を含む標準的な試験によって確認することができる。初回のワクチン接種後、被験体は約4〜12週間で2回目の投与(例えば、ブースト)を受けることができる。例えば、免疫原性組成物を幼児被験体に投与する場合、初回の接種とその後の接種は、この時期に投与される他のワクチンと重なるように投与することができる。
さらなる製剤化の詳細はWO2010/149745に見ることができる;これは、PreF類似体などのRSV Fタンパク質抗原を含む免疫原性組成物の製剤化に関するさらなる詳細を提供する目的で、参照により本明細書に組み入れられる。
本明細書に記載される免疫化の実施形態は、筋肉内、経皮、皮内、または皮膚投与を含めて、非経口法などの適切な投与経路を経て行われる。例えば、免疫化は皮膚に行われ、これは抗原が皮膚の真皮および/または表皮に(例えば、皮内に)導入されることを意味する。特定の好ましい実施形態では、免疫原性組合せ物の2つの免疫原性成分は、同位置的に、被験体の同じ部位またはほぼ同じ部位に、例えば同じ側または四肢に投与される。非経口投与の場合、同位置的とは、身体の同じ(またはほぼ同じ)部位で極めて接近していること、例えば、同じ部位に(例えば、同じデバイスによる)、または約10cm以内、より一般的には約5cm以内、例えば約2cm以内、もしくは1cm以内を意味する。ある場合には、2つ以上の成分は、同じ部位への投与のために単一の組成物中に組み合わされる(一緒に製剤化される)。したがって、好ましい一実施形態では、左右相称の被験体(ヒトなど)への免疫原性成分の投与は身体の同側に行われ得ることが理解されよう。すなわち、ポリペプチド抗原を含む免疫原性成分と、抗原をコードする核酸を含む免疫原性成分は、同側的に投与される。必要に応じて、2つの成分は、製造中または投与前のいずれかで、単一の免疫原性組成物中に一緒に製剤化される。
皮内経路などの皮膚経路を介した送達は、筋肉内送達などの他の経路よりも抗原の低用量を可能にすることができる。そのため、例えば通常の筋肉内投与量よりも少ない、例えばタンパク質または核酸成分について上記で提供された通常の筋肉内用量の50%以下の低用量で呼吸器病原体の抗原を含む、皮膚または皮内送達用の免疫原性組合せ物も提供される。必要に応じて、皮膚または皮内送達用の免疫原性組成物はまた、アジュバント、例えば金属塩、QS21もしくは3D-MPLまたはそれらの組み合わせを含んでもよい。
皮膚投与のためのデバイスには、短針デバイス(長さが約1〜約2mmの針を有する)が含まれ、例えば、US 4,886,499、US5,190,521、US5,328,483、US 5,527,288、US 4,270,537、US 5,015,235、US 5,141,496、US 5,417,662およびEP1092444に記載のものがある。皮膚ワクチンはまた、参照により本明細書に組み入れられるWO99/34850に記載されるような、皮膚への針の有効針入長(effective penetration length)を制限するデバイスおよびその機能的等価物によって投与することもできる。さらに、液体ジェット注射器を介して、または角質層を刺し通して真皮に到達するジェットを生成する針を介して、液体ワクチンを真皮に送達するジェット注射デバイスも適している。ジェット注射デバイスは、例えば、US 5,480,381、US 5,599,302、US 5,334,144、US 5,993,412、US 5,649,912、US 5,569,189、US 5,704,911、US 5,383,851、US 5,893,397、US 5,466,220、US 5,339,163、US 5,312,335、US 5,503,627、US 5,064,413、US 5,520,639、US 4,596,556、US 5 4,790,824、US 4,941,880、US 4,940,460、WO 97/37705およびWO 97/13537に記載される。
皮膚投与のためのデバイスには、粉末状のワクチンを皮膚の外層から真皮へと加速するために圧縮ガスを使用する弾道(ballistic)粉末/粒子送達デバイスも含まれる。また、従来のシリンジを古典的なマントゥー(mantoux)の皮膚投与方法で使用することもできる。しかし、従来のシリンジの使用には、高度に熟練したオペレータが必要であり、したがって、高度に熟練したユーザがいなくても正確な送達が可能なデバイスが好ましい。皮膚投与のためのさらなるデバイスには、本明細書に記載されるような免疫原性組成物を含むパッチが含まれる。皮膚送達パッチは、一般に、固体基材(例えば、閉鎖または非閉鎖外科用包帯)を含むバッキングプレートを含む。このようなパッチは、角質層を刺し通す微小突起(microprojections)を介して、真皮または表皮に免疫原性組成物を送達する。微小突起は、一般に、10Dm〜2mm、例えば20Dm〜500Dm、30Dm〜1mm、100〜200、200〜300、300〜400、400〜500、500〜600、600〜700、700、800、800〜900、100Dm〜400Dm、特に約200Dm〜300Dmまたは約150Dm〜250Dmである。皮膚送達用パッチは、一般に、複数の微小突起を含み、例えば、2〜5000個の微小針、例えば1000〜2000個の微小針を含む。微小突起は、角質層、表皮および/または真皮を刺し通すのに適したどのような形状であってもよい。微小突起は、例えばWO2000/074765およびWO2000/074766に開示されるように成形することができる。微小突起は、少なくとも3:1(基部での直径に対する高さ)、少なくとも約2:1、または少なくとも約1:1のアスペクト比をもつことができる。微小突起の1つの好適な形状は、例えば六角形またはひし形の形をした、多角形の底部を有する円錐形である。他の可能な微小突起の形状は、例えば、米国特許出願公開第2004/0087992号に示される。特定の実施形態では、微小突起は、基部に向かってより厚くなる形状を有する。アレイ中の微小突起の数は、典型的には、少なくとも約100個、少なくとも約500個、少なくとも約1000個、少なくとも約1400個、少なくとも約1600個、または少なくとも約2000個である。微小突起の面積密度は、それらの小さなサイズを考慮すると、特に高いというわけではないが、例えば、cm2あたりの微小突起の数は、少なくとも約50個、少なくとも約250個、少なくとも約500個、少なくとも約750個、少なくとも約1000個、または少なくとも約1500個であり得る。本開示の一実施形態では、組合せ免疫原性組成物は、宿主の皮膚上にパッチを置いてから5時間以内に、例えば4時間、3時間、2時間、1時間または30分以内に、被験体に送達される。特定の実施形態では、組合せ免疫原性組成物は、皮膚上にパッチを置いてから20分以内に、例えば30秒、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または19分以内に送達される。
微小突起は、当業者に知られている任意の適切な材料で作ることができる。特定の実施形態では、微小突起の少なくとも一部、特に微小突起の先端または微小突起の最外層は、生分解性である。特定の実施形態では、実質的に全ての微小突起が生分解性である。本明細書で使用する用語「生分解性」は、生分解のメカニズムにかかわらず、in vivo使用(例えば、皮膚への挿入)の予想される条件下での分解性を意味する。例示的な生分解メカニズムには、崩壊、分散、溶解、浸食、加水分解、および酵素分解が含まれる。
抗原を含む微小突起の例は、WO2008/130587およびWO2009/048607に開示される。代謝可能な微小針の製造方法は、WO2008/130587およびWO2010/124255に開示される。微小突起の抗原によるコーティングは、当業者に知られた任意の方法によって、例えばWO06/055844、WO06/055799に開示された方法によって、行うことができる。
本明細書に記載の方法および使用において皮内送達を含む皮膚送達に適切な送達デバイスには、皮内投与用の微小針デバイスであるBD Soluvia(商標)デバイス、Corium MicroCor(商標)パッチ送達システム、Georgia Tech微小針ワクチンパッチ、Nanopass微小針送達デバイス、およびDebiotech Nanoject(商標)微小針デバイスが含まれる。また、本明細書に記載の組合せ免疫原性成分または組成物(任意でアジュバントと共に製剤化されたもの)を含有する皮膚または皮内送達デバイスが提供される。
免疫原性組合せ物は、鼻腔内または経口などの経路を含む、粘膜経路を介して投与することができ、抗原は上気道の粘膜に接触した状態で直接配置される。
したがって、免疫原性組合せ物およびその成分は、医療における使用、特にヒト被験体における呼吸器病原体(RSVなど)による感染症または該病原体に関連する疾患の予防または治療が期待される。
このような方法および使用の特定の実施形態において、被験体はヒト被験体である。該ヒト被験体は、新生児、幼児、子供、青少年、成人、および高齢者からなる群より選択することができる。被験体は妊婦であってよい。あるいは、被験体は妊婦でなくてもよい。被験体が新生児である場合、組合せ免疫原性組成物の投与は、出生後1日以内に、1週間以内に、または1ヶ月以内に行うことができる。
免疫学的に有効な量の本明細書に開示された免疫原性組合せ物を被験体に投与することを含む、呼吸器病原体に対する免疫応答を誘発するための開示された方法に関連して、呼吸器病原体(例:RSV)に対して惹起された免疫応答は、有利には、該病原体(例:RSV)による感染症の発症を低下もしくは防止するか、その重症度を軽減する、および/または該病原体による感染後の病理学的応答の発生を低下もしくは防止するか、その重症度を軽減する、防御免疫応答を含む。上記の惹起された免疫応答は、ブースター応答であってもよい。
好ましくは、こうした投与は、そのようなコホートにおける症状または疾患(例えば、肺炎および/または呼吸困難・呼吸不全、あるいは重度の呼吸器疾患による入院の必要性)を、ワクチン接種を受けていない被験体と比較して、少なくとも約50%、少なくとも約60%、60〜70%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%軽減する。重度のLRTI(下気道感染症)のため入院の必要性があると考えられるかどうか、またはLRTIの特定の症例を入院させるかどうかは、国ごとに異なっていることがあり、そのため、当技術分野でよく知られている定義された臨床症状に従って判断される重度のLRTIは、入院の必要性よりも優れた評価基準であり得る。
免疫原性組合せ物を幼児に投与する場合には、組成物を1回以上投与することができる。最初の投与は、出生時もしくはほぼ出生時(例えば、出生の日または翌日)、出生後1週間以内、または出生後約2週間以内であり得る。あるいは、最初の投与は、出生後約4週、出生後約6週、出生後約2ヶ月、出生後約3ヶ月、出生後約4ヶ月またはそれ以降、例えば、出生後約6ヶ月、出生後約9ヶ月、もしくは出生後約12ヶ月であり得る。
上述したように、開示されたワクチン接種レジメン、方法および使用において用いるための前記組合せ物の免疫原性成分は、本明細書に記載されるように一緒に製剤化された組成物であっても、または各成分を別個に提供する異なる組成物であってもよい。このような「別個」の組成物はキットとして提供することができる。
こうしたキットでは、第1の免疫原性成分のポリペプチド抗原および/または第2の免疫原性成分の抗原をコードする核酸(上記で開示されたもの)は、1つの(組み合わせまたは同時成型)容器または2つ以上の容器、例えば、少なくとも1つ(または1つ以上)のプレフィルドシリンジに含まれ得る。このようなシリンジは、マルチチャンバー(例えば、デュアルチャンバー)シリンジであり得る。マルチチャンバーシリンジの場合、一実施形態では、第1の免疫原性成分は1つのチャンバー内に含まれ、第2の免疫原性成分は第2のチャンバー内に含まれる。投与前に、2つの成分が混合され、その後、被験体に同じ部位で(例えば、単一の針によって)導入され得る。別の実施形態では、キットは、本明細書に開示されるパッチのような、別の送達デバイスを含む。
以下の実施例は、いくつかの特定の特徴および/または実施形態を例示するために提供される。これらの実施例は、記載された特定の特徴または実施形態に本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
RSV F、NおよびM2.1タンパク質を発現するアデノウイルスベクターとアジュバント添加組換えFタンパク質によるCD1マウスの組合せ免疫化は、個々のワクチンレジメンよりも広い免疫応答を誘導する。
組み合わされたPanAd3 RSV (配列番号4で表されるアミノ酸配列をコードする核酸インサートを含むPanAd3ベクター)および組換えF(rF)タンパク質/AS04の2回投与の免疫原性をマウスにおいて評価した。CD1マウスのグループ(n=10/グループ)を以下の製剤(1回目の投与/2回目の投与)により4週間隔で2回筋肉内に免疫化した。この実施例では、組換えFタンパク質は、融合前のコンフォメーションで安定化するように操作された、コンフォメーション的に固定されたFタンパク質類似体であるように選択した(以後、実施例ではrFまたはPreFと呼ばれる - これは配列番号2で表される抗原である)。グループ5では、アデノウイルスと組換えタンパク質を同じ部位に約10分間隔で2回の注射により共投与した。
Figure 0006664338
全てのマウス由来の血清を49日目(2回目の免疫化の20日後)に個別に採取し、プラーク減少アッセイを用いてRSV中和抗体の存在について試験した。
簡単に説明すると、各血清の連続希釈液をRSV A (Long株)と共に37℃でプレインキュベートした。インキュベーション後、ウイルス-血清混合物を、前もってVero細胞を播種しておいたプレートに移した。各プレート上で、1列の細胞をウイルスのみとインキュベートし(100%感染性)、2つのウェルにはウイルスまたは血清を添加しなかった(細胞対照)。プレートを33℃で2時間インキュベートし、培地を除去して、0.5%CMC (低粘度カルボキシメチルセルロース)を含むRSV培地を全ウェルに添加した。プレートを33℃で3日間インキュベートした後、免疫蛍光染色を行った。
染色のために、細胞単層をPBSで洗浄し、1%パラホルムアルデヒドで固定した。市販のヤギ抗RSV抗血清、続いてウサギ抗ヤギIgG-FITCコンジュゲートを用いてRSV陽性細胞を検出した。ウェルあたりの染色されたプラークの数を、自動イメージングシステムを用いて計数した。各血清の中和抗体価は、血清を含まない対照と比較して、プラーク数の60%減少を引き起こす血清希釈倍率の逆数として測定した(ED60)。結果を図1に示す。異なるグループを比較するために採用した統計的手法は、log10値での分散分析(ANOVA 1)であった。
細胞性応答は、2回目の免疫化の3週間後にIFNγ産生脾細胞を測定することにより評価した。脾細胞による抗原特異的IFNγ産生は、標準ELISpotアッセイによって測定した。簡単に説明すると、マルチスクリーン96ウェル濾過プレートを抗マウスIFNγ抗体でコーティングし、+4℃で一晩インキュベートした。翌日、リンパ球を調製し、対応する抗原にまたがるペプチドの存在下、Agをコーティングしたウェルにて37℃で16時間インキュベートした。一晩のインキュベーション後、細胞を除去し、ビオチン化抗マウスIFNγを添加して、室温で3時間インキュベートした。発色のために、アルカリホスファターゼ結合ストレプトアビジンを添加し、続いて1ステップNBT-BCIP発色液を添加した。プレートを取得して、自動プレートリーダーで分析した。ELISpotデータは、100万個の脾細胞あたりのIFNγスポット形成細胞(SFC)として表した。結果を図2に示す。
図1に示した結果は、PanAd3 RSVとアジュバント添加組換えFタンパク質の共投与(共投与グループ)が最高レベルの中和抗体を誘導したことを示す。さらに、アジュバント添加組換えFタンパク質の2回投与と比較して、共投与グループは、かなり高い細胞性応答を誘導した(図2)。共投与グループをPanAd3 RSVの2回投与と比較したとき、同様の状況(mirror situation)が観察された:共投与グループは、わずかに高いT細胞応答を誘導したが、著しく高い中和抗体価を誘導した。一方、プライムPanAd3 RSV/ブーストMVAグループは、高い細胞性応答を誘導したが(図2)、このグループの中和抗体価は、共投与グループで観察されたものより有意に低かった(図1)。結論として、PanAd3 RSVとアジュバント添加組換えFタンパク質の共投与は、試験した全てのワクチンレジメンのうちで液性応答と細胞性応答の組み合わせの最高の結果をもたらした。
RSV F、NおよびM2.1タンパク質を発現するアデノウイルスベクターとアジュバント添加組換えFタンパク質によるBalb/cマウスの組合せ免疫化は、高レベルの中和抗体およびCD8 T細胞応答を誘導する。
組み合わされたPanAd3 RSV+rF/AS04の免疫原性を、2回目の免疫化の14日後に、免疫したマウス(同系交配Balb/c)の血液中の中和抗体応答を測定し、かつM2.1特異的CD8 T細胞を同定することによって評価した。Balb/cマウスのグループ(n=11/グループ)を以下の製剤(1回目/2回目)により3週間隔で2回筋肉内に免疫化した。
Figure 0006664338
中和抗体応答を実施例1に記載したように評価し、その結果を図3に示す。PanAd3 RSVと、ミョウバンまたはAS04のいずれかをアジュバント添加された組換えFタンパク質(PreF)からなる組合せワクチンの2回投与は、PanAd3 RSVの2回投与よりも著しく高い抗体価を誘導した。
CD8 T細胞応答は、全血中のM2.1特異的細胞を、M2.1 82-90エピトープを有する蛍光色素標識したペンタマー主要組織適合複合体(MHC)クラスIで同定することによって測定した。この目的のために、各マウスから血液を採取し、赤血球を溶解して、蛍光生存マーカー、CD3、CD8およびB-220抗体ならびにMHCペンタマーで細胞を染色した。染色された細胞をフローサイトメトリー(LSR, Beckton Dickinson社)により分析し、ペンタマー陽性CD8 T細胞の割合を測定した(図4)。
PanAd3 RSVの2回投与、またはいずれかの共投与レジメンによるワクチン接種は、強いM2.1特異的CD8応答を誘導した。中和抗体のデータと組み合わせた場合、CD8 T細胞データは、PanAd3 RSVと、ミョウバンまたはAS04のどちらかをアジュバント添加されたrFの共投与からなるワクチンレジメンは、強力な体液性免疫応答と細胞性免疫応答を併せ持つことを示している。
RSV F、NおよびM2.1タンパク質を発現するアデノウイルスベクターとアジュバント添加組換えFタンパク質によるBalb/cマウスの同時免疫化は、強力な液性免疫応答を誘導しRSVチャレンジから保護する。
共投与されたPanAd3 RSV+RSV-rF/AS04の2回投与の免疫原性をBalb/cマウスにおいて評価した。Balb/cマウスのグループ(n=13/グループ)を以下の製剤により3週間隔で2回筋肉内に免疫化した。
Figure 0006664338
グループ5では、アデノウイルスと組換えタンパク質を同じ部位に約10分の間隔を空けて2回注射することによって共投与した。
2回目の免疫化の14日後(試験35日目)に血清を採取し、この時点で2.9×106 pfuの生存RSV A Longにより動物に鼻腔内チャレンジした。肺のウイルス量を評価するために、チャレンジの4日後に5匹の動物から肺を摘出した。2回目の免疫化の14日後に、実施例1に記載したように中和抗体応答を評価した。
CD1マウスで観察されたように、Balb/cにおいて、PanAd3 RSVとアジュバント添加F(PreF)タンパク質の共投与は、他の全ての試験グループ、特にアジュバント添加Fタンパク質の2回投与またはPanAd3 RSVとMVAもしくはPanAd3 RSVと組換えタンパク質の組合せ物の逐次投与、よりも有意に高いRSV中和抗体のレベルをもたらした(図5)。
これらの例示的なワクチンの有効性を測定するために、RSVチャレンジの4日後に肺を摘出し、個々に秤量して、ホモジナイズした。各肺ホモジネートの連続希釈液(各8つのレプリケート)をVero細胞と共にインキュベートし、播種の6日後にプラークを含むウェルを免疫蛍光によって同定した。ウイルス価は、TCID50を計算するためのSpearman-Karber法を用いて決定し、肺1グラムあたりで表した。ウイルスの複製は全てのワクチン接種動物の肺において阻害され、このことは、試験した全てのワクチンレジメンがこのモデルにおいて防御的であることを示している(図6)。
RSVタンパク質を発現するアデノウイルスベクターとアジュバント添加組換えF(PreF)タンパク質によるBalb/cマウスの同時免疫化は、RSVチャレンジ後の肺T細胞においてTh1表現型を誘導し、肺好酸球増加または粘液産生を誘発しない。
アデノウイルスベクターRSV候補とアジュバント添加タンパク質を含むレジメンによるワクチン接種が、チャレンジ後の肺CD4 T細胞のTh1/Th2応答、肺好酸球増加および粘液産生に及ぼす効果を、Balb/cマウスで評価した。FI-RSVを病変の増強のための陽性対照として用いた。Balb/cマウスのグループ(n=12または13/グループ)を以下の製剤により3週間隔で2回筋肉内に免疫化した。
Figure 0006664338
グループ5では、アデノウイルスと組換えタンパク質を同じ部位に約10分の間隔を空けて2回注射することによって共投与した。
2回目の免疫化の14日後(試験35日目)に、1〜3×106 pfuの生存RSV A Longにより動物に鼻腔内チャレンジした。1グループあたり12匹の動物から肺を摘出し、3匹の肺を合わせて4つのプールを調製した。肺を細かく刻んで、リベラーゼ(Liberase)TLおよびDNAseを含有するRPMI中、37℃で45分間、オービタルシェーカー上でインキュベートした。次いで、全ての組織をホモジナイズし、滅菌100μmナイロン製セルストレーナー(cell strainer)で濾過し、リンパ球をパーコール勾配により単離した。白血球を界面から収集し、F抗原由来の重複ペプチドと共に37℃で6時間インキュベートした。このインキュベーションの最初の30分後、ブレフェルジン(Brefeldin)Aを添加した。プレートを4℃で一晩保存した。翌日、細胞を遠心分離し、再懸濁し、洗浄し、生存マーカーと共にインキュベートし、洗浄し、固定し、透過処理し、そしてCD4、CD8、CD45、IL-13およびIFNγに対する抗体-蛍光色素コンジュゲートで染色した。細胞をフローサイトメーター(LSR, Beckton Dickinson社)で取得し、CD45posCD4posCD8negIFNγpos/IL-13neg細胞(Th1)およびCD45posCD4posCD8negIFNγneg/IL-13pos細胞(Th2)のパーセンテージを決定した。Th2/Th1細胞の比率を計算した(図7)。
図7は、組合せワクチンPanAd3 RSV+rF/AS04が、rF/AS04製剤と比較してTh2/Th1比をTh1の方にシフトさせることを示している(バランスのとれたTh2/Th1比の1を点線で示す)。rF、PanAd3 RSVまたはMVA組合せ物を含有する全てのワクチン製剤は、高レベルのCD4 Th2細胞を誘導することが知られたワクチンレジメンであるFI-RSVグループで観察されたものよりもはるかに低いTh2/Th1比を誘導する。
組織病理学のために、13匹の動物から左肺を集めて、ホルマリン中で膨らませ、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)マウス肺組織切片上で過ヨウ素酸-シッフ染色を行った。染色されたスライドは、画像解析ソフトウェアを用いて定量分析を行った。PAS陽性組織(粘液産生細胞)の定量分析のために、PAS陽性セグメント化組織の面積(10分の1に分割)を気道上皮の外周により正規化し、基底膜(BM)1ミリメートルあたりの平均PAS負荷±標準偏差として表した。これは、典型的には、被験体あたり20の気道で実施して、被験体あたりの平均PAS/mmBMを計算した(図8)。
図8は、組合せワクチンPanAd3 RSV+rF/AS04が、fF/AS04製剤と比較したとき、粘液産生細胞の数を減少させることができることを示す。さらに、共投与製剤ならびに全ての他の試験したPanAd3 RSV、MVAおよびfF/AS04の組合せ物は、RSVチャレンジ後にFI-RSVワクチンよりも著しく低い粘液産生細胞を誘導する。
気管支肺胞洗浄(BAL)液を8匹の動物の右肺葉から集めた。CD45、CD11cおよびSiglecFに対する抗体-蛍光色素コンジュゲートでBAL細胞を染色することによってBAL分別を行った。細胞をフローサイトメーター(LSR, Becton Dickinson社)で取得し、CD45posSiglecFposCD11cneg(好酸球)細胞のパーセンテージを決定した。BAL中の好酸球のパーセンテージは病変増強のマーカーとして使用された(図9)。
図9は、好酸球の極めて低いレベルが、PanAd3 RSV+fF/AS04共投与グループにおいて、ならびにFI-RSVを除いた他のワクチングループにおいて、観察されることを示している。まとめると、図7〜9に示したデータは、PanAd3 RSVとfF/AS04からなる同時投与ワクチンが、Th1に偏った肺CD4 T細胞応答および肺における粘液産生細胞と好酸球の低レベルによって示されるように、RSVチャレンジ時の病変増強と関連しないことを示している。
2つのタンパク質用量および3つのアジュバント用量でのRSVタンパク質を発現するアデノウイルスベクターとアジュバント添加組換えFタンパク質によるBalb/cマウスの同時免疫化は、中和抗体およびT細胞応答、ならびにRSVチャレンジ後の肺T細胞におけるTh1表現型を、肺ウイルス量の顕著な減少とともに、誘導する。
ワクチン接種の免疫原性、ならびにチャレンジ後の肺CD4 T細胞のTh1/Th2応答、肺好酸球増加および粘液産生に対するワクチン接種の効果を、RSV F、NおよびM2.1(配列番号4)を発現する核酸を含むアデノウイルスベクター(チンパンジーアデノウイルス155; ChAd155-RSV)RSV候補とアジュバント添加タンパク質(PreF、配列番号2)を含む共投与レジメンを用いて、2つのタンパク質用量および3つのミョウバンアジュバント用量で、Balb/cマウスにおいて評価した。Balb/cマウスのグループ(n=15/グループ)は、以下の製剤を同時に(数分の差で)用いて、3週間隔で2回筋肉内に免疫化した。
Figure 0006664338
免疫原性:11匹/グループのマウスからの血清を35日目(2回目の免疫化の14日後)に個別に採取して、実施例1に記載したプラーク減少アッセイを用いてRSV中和抗体の存在について試験した。結果を図10に示す。同時に投与されるChAd155-RSVと、ミョウバンまたはAS04のいずれかをアジュバント添加された組換えF(PreF)タンパク質とからなる組合せワクチンの2回投与は、ミョウバン50μgをアジュバント添加されたタンパク質の2回投与と同等の中和抗体価を誘導したが、ChAd155-RSVの2回投与より著しく高い抗体価を引き出した。ChAd155-RSVとアジュバント添加タンパク質との組合せ物は、50μgのアジュバントを添加されたタンパク質(単独またはChAd155-RSVと同時)と同等の中和抗体応答を維持しながら、ミョウバンの用量を17μgに減少させることを可能とした。用量応答は2μg〜0.2μgのタンパク質用量で観察され、ミョウバンの最低レベル(6μg)は両方のタンパク質用量でより低い中和抗体価をもたらした。
CD8 T細胞応答は、全血中のM2.1特異的細胞を、M2.1 82-90エピトープを有する蛍光色素標識したペンタマー主要組織適合複合体(MHC)クラスIで同定することによって測定した。この目的のために、2回目の免疫化の14日後に、5匹/グループのマウスから血液を採取した。赤血球を溶解して、蛍光生存マーカー、CD3、CD8およびB-220抗体ならびにMHCペンタマーで細胞を染色した。染色された細胞をフローサイトメトリー(LSR, Beckton Dickinson社)により分析し、ペンタマー陽性CD8 T細胞の割合を測定した(図11)。同等のCD8応答は、ChAd155 RSVで免疫化した全てのグループにおいて全血T細胞中に検出されたが、PreFタンパク質単独で免疫化したグループでは検出されなかった。
チャレンジに対する応答:マウスを1〜3×106pfuの生存RSV A Longで鼻腔内チャレンジした。チャレンジ後4日目に、肺を摘出し、個々に秤量して、ホモジナイズした。各肺ホモジネートの連続希釈液(各8つのレプリケート)をVero細胞と共にインキュベートし、播種の6日後にRSVプラークを含むウェルを免疫蛍光によって同定した。ウイルス価は、TCID50を計算するためのSpearman-Karber法を用いて決定し、肺1グラムあたりで表した(図12)。ChAd 155-RSVおよび/またはアジュバント添加タンパク質のグループのほとんどの動物は、完全な防御(肺におけるウイルス負荷が検出されない)を示した。最低のミョウバン用量ではやや低い防御傾向が見られた。
チャレンジの4日後に4匹/グループの動物から肺を摘出し、実施例4に記載したように調製した。F抗原由来のプールしたペプチドでリンパ球を再刺激した後、実施例4に記載したように細胞内サイトカインのフローサイトメトリー分析のために細胞を染色し、Th2/Th1細胞の比率を計算した(図13)。M2.1抗原由来のプールしたペプチドによる肺リンパ球の再刺激を同様に実施した後、IFNγを発現するCD8+ T細胞の割合を計算した(図14)。
図13は、(全てのアジュバント用量で)ChAd155 RSV+PreFが、PreF/ミョウバン製剤と比較して、Th2/Th1比をTh1の方にシフトさせ(バランスのとれたTh2/Th1比の1を点線で示す)、アジュバントの選択および用量の影響がほとんどないことを示している。ChAd155 RSV+PreF組合せ物を含有する全てのワクチン製剤はまた、FI-RSVグループ(高レベルのCD4 Th2細胞を誘導することが知られた、RSV疾患の増強と関連するワクチンレジメン)で観察されたものよりも低いTh2/Th1比を誘導する。
図14は、高レベルのINFγ発現CD8+ T細胞が、共投与ChAd155 RSV+PreFグループの全ての肺で検出されたことを示す。より高いタンパク質用量では、ミョウバンの減少はより高いCD8応答と相関したが、アジュバントのレベルは、より低いタンパク質用量では、ほとんど影響しなかった。CD8レベルは、ChAd155 RSV単独で免疫化したマウスの肺では共投与グループよりも低く、PreFタンパク質/ミョウバンのグループでは検出できなかった。
組織病理学のために、実施例4に記載したようにホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)マウス肺組織切片上の粘液産生細胞を定量するために、過ヨウ素酸-シッフ染色を行った。粘液産生細胞は、Balb/c RSVチャレンジモデルにおいてFI-RSVにより誘導されたRSV病変の増強と関連している。対象動物あたりの平均PAS/mmBMを計算した(図15)。
図15は、ChAd155-RSVとPreF/ミョウバンとの共投与が、PreF/ミョウバン製剤と比較して、RSVチャレンジ後に粘液産生細胞の数を増加させないことを示す。より高いタンパク質用量では、ミョウバンの減少はより低い粘液産生細胞の数と相関したが、アジュバントのレベルは、より低いタンパク質用量では影響がより少なかった。ChAd155-RSVとPreF/AS04Dとの組合せ物は、同等のChAd155-RSV/PreF+ミョウバンの組合せ物よりも低いレベルの粘液産生細胞を誘導した。ChAd155-RSVを単独で投与した場合に最も少ない数の粘液産生細胞が見られた。
図10〜15の結果は、ChAd155 RSVとアジュバント添加PreFタンパク質抗原からなる同時投与ワクチンが、防御中和抗体およびTh1/Th2バランスのとれたCD4応答を有するT細胞応答を誘発することができ、かつRSVチャレンジ時に病変を増強しないことを示す。
(配列表)
配列番号1:例示的なコンフォメーション的に固定されたPreF抗原のヌクレオチド配列
Figure 0006664338
配列番号2:例示的なコンフォメーション的に固定されたPreF抗原のアミノ酸配列
Figure 0006664338
配列番号3:RSV抗原をコードする例示的な核酸のヌクレオチド配列
Figure 0006664338
配列番号4:RSV抗原をコードする例示的な核酸のアミノ酸配列
Figure 0006664338
位置1-524=FΔTMタンパク質
位置525-552=2a配列
位置553-943=Nタンパク質
位置944-1146=M2-1タンパク質

Claims (13)

  1. a)融合前のコンフォメーションに固定された呼吸器合胞体ウイルス(RSV)のコンフォメーション的に固定されたFタンパク質抗原を含む、少なくとも第1の免疫原性成分;および
    b)呼吸器合胞体ウイルス(RSV)の抗原をコードする核酸を含むアデノウイルスベクターを含む、少なくとも第2の免疫原性成分;
    を含んでなり、第1の免疫原性成分と第2の免疫原性成分が同時投与のために製剤化される、免疫原性組合せ物。
  2. 第1および第2の免疫原性成分の抗原が1つ以上の同一の免疫原性エピトープを含む、請求項1に記載の免疫原性組合せ物。
  3. 少なくとも第1のおよび/または少なくとも第2の免疫原性成分が複数の抗原を含む、請求項1または2に記載の免疫原性組合せ物。
  4. 第2の免疫原性成分がRSV Fタンパク質のエクトドメイン(FΔTM)をコードする核酸を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の免疫原性組合せ物。
  5. 第2の免疫原性成分が、RSV FΔTM抗原とRSV M2-1およびN抗原をコードする核酸を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の免疫原性組合せ物。
  6. 自己切断部位がRSV FΔTM抗原とRSV M2-1抗原との間に含まれ、フレキシブルリンカーがRSV M2-1抗原とN抗原との間に含まれる、請求項5に記載の免疫原性組合せ物。
  7. 第1および第2の免疫原性成分が異なる組成物中に製剤化される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の免疫原性組合せ物。
  8. 第1および第2の免疫原性成分が単一の組成物中に製剤化される(一緒に製剤化される)、請求項1〜7のいずれか1項に記載の免疫原性組合せ物。
  9. 第1および/または第2の免疫原性成分の少なくとも1つが、担体、賦形剤、緩衝剤およびアジュバントの1種以上をさらに含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の免疫原性組合せ物。
  10. 前記アジュバントが金属塩、3-D-モノホスホリル-リピドA(MPL)、サポニン、油と水のエマルション、リポソームおよびナノ粒子の1種以上を含む、請求項9に記載の免疫原性組合せ物。
  11. 前記金属塩が水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、アルミニウムヒドロキシホスフェート硫酸塩、およびリン酸アルミニウムの群から選択されるアルミニウム塩、またはリン酸カルシウムおよびフッ化カルシウムの群から選択されるカルシウム塩である、請求項10に記載の免疫原性組合せ物。
  12. 被験体における呼吸器合胞体ウイルス(RSV)による感染の予防、軽減または治療に使用するための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の免疫原性組合せ物。
  13. 被験体における呼吸器合胞体ウイルス(RSV)による感染の予防、軽減または治療のための医薬の製造における、請求項1〜11のいずれか1項に記載の免疫原性組合せ物の使用。
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