JP2722899B2 - 高Mn鋼の脱炭精錬方法 - Google Patents

高Mn鋼の脱炭精錬方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、[Mn]≧8wt%の高Mn溶
鋼の脱炭精錬方法に関する。ただし、ここで高Mn溶鋼
は、[Cr]を1%以上含有する溶鋼をも包含するものとす
る。
【0002】
【従来の技術】近年、鋼材の使用分野が多様化するなか
で、多くの新鋼種の開発がみられるが、マンガン含有量
がおよそ8% (特に断らない限り、%は「重量%」を意
味する) 以上の高Mn鋼もその一つである。高Mn鋼は、組
織としてはオーステナイトであって、Niを含有するオー
ステナイト系ステンレス鋼に比べて安価であるだけでな
く、高強度、低透磁率という利点を有しており、近年、
磁気浮上鉄道用部材、核融合装置用部材、消磁装置用部
材、電気機器用部材等に非磁性鋼、構造用鋼、耐摩耗鋼
として用途が拡大している。
【0003】ところで、一般に高Mn鋼中の炭素(C) は、
透磁率、溶接性、切削性に悪影響を及ぼす有害元素であ
る。そこで、高Mn鋼の製造においては、Mn源として、安
価なフェロマンガンを[C]規格の許容する限り添加し、
場合によっては、さらに[P] も規格の許容する限り添加
することもあるが、残りの所要Mn分を高価な金属Mnによ
り補充することにより、[C] の配合割合が高くならない
ようにするのが常であった。
【0004】しかしながら、この方法では、高価な金属
Mnを多量に使用するので溶製コストが高くなる。そこ
で、より安価な溶製技術として、大部分のMn分をかなり
安価である高Cフェロマンガンとして配合し、得られる
C含有量の高い高マンガン溶鉄を脱炭処理して低C高マ
ンガン溶鉄を製造する技術の確立が求められる。
【0005】ところで、今日、一般的な脱炭精錬法とし
ては、溶鉄を真空下で精錬する方法が広く用いられてい
る。その代表的なものとして、ステンレス鋼製造法で知
られるVOD (Vacuum Oxygen Decarburization、真空下O2
上吹法) がある。しかしながら、このVOD 法により低C
高Mn鋼を製造する場合、次のような問題点が見られる。
【0006】まず、電気炉において、Mn源として高炭素
フェロマンガンを主として使用して溶製した粗溶鋼につ
いて、脱炭処理前の成分の一例を示す。 [C] = 1.5% [Mn]= 20 % 次に、上記粗溶鋼をVOD 炉内にてポーラスプラグにて攪
拌ガスを供給しながら、O2上吹きしながら脱炭処理す
る。脱炭後の成分は、粗溶鋼が前述のような組成である
場合に下記のような組成となる。 [C] = 0.2% [Mn]= 16 〜17% このとき、溶鋼表面にはO2上吹きにより生成した FeO−
MnO 系の低融点のスラグが存在する。なお、耐火物に及
ぼす上記スラグの溶損は極めて大きいため、上記スラグ
の存在は操業上好ましくない。
【0007】次いで、スラグ中のMn分を回収すべく、Fe
−SiおよびCaO などを添加し還元精錬を行い、下記のよ
うな組成となる。 [C] = 0.2% [Mn]= 17 〜18% ところが、近年、前記したような機械的あるいは化学的
特性についての要求が一段と厳しくなっており、高Mn鋼
についても[C] 規格は0.1 〜0.2 %以下となっているも
のも多い。
【0008】そこで、[C] ≦0.1 〜0.2 %の高Mn鋼を溶
製すべく、[C] ≦0.2 %の領域で前記VOD 法による脱炭
精錬を適用しても 脱炭速度は極めて遅く、 Mnのみが上吹O2により酸化ロスし、 上記Mnの酸化熱により溶鋼温度が上昇し、 上記Mnの酸化により、高MnO スラグが生成し、 、により耐火物の溶損が激しくなるなどの問題
点が生じる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、低C高
Mn鋼を安価に溶製するために、高Mn溶銑段階で脱炭する
技術が必要である。しかしながら、従来の真空下O2上吹
法、つまりVOD 法による脱炭精錬法では、成品[C] =0.
1 〜0.2 %レベル以下への脱炭は極めて困難である。こ
こに、本発明の目的は、[Mn]≧8wt%の高Mn溶銑を脱炭
精錬して、成品[C]=0.1 %未満にまで脱炭できる、高M
n鋼のより安価な脱炭精錬方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、日本国特
許No.1539737号 (特公平1−25370 号、特開昭58−1133
14号))にて「真空下の脱炭精錬において、溶鋼表面に粉
体状の脱炭精錬用添加剤を精錬用気体、キャリア気体な
どで溶鋼中に十分侵入しうる速度で吹き付けることによ
り、[C] 10ppm 以下の極低C鋼を溶製する」方法を開示
した。添加剤の例としては、クロム酸化物、マンガン酸
化物、そして鉄酸化物をそれぞれ主成分とするものが例
示されている。
【0011】しかしながら、上記方法はその対象が高々
1.7 %Mnの溶鋼であって、しかも粉体上吹後ではMn=1.
12%と大幅なマンガンロスが見られる。[Mn]≧8wt%の
溶鋼に対しても脱炭精錬が効率的に行われ得るか否か、
マンガンロスが見られるか否かについては全く教えるこ
とがない。まして、[Mn]≧8wt%の溶鋼の場合の最適な
粉体組成、還元精錬条件などについて何一つ教えること
がない。
【0012】そこで、本発明者らは、同じくVOD 法の優
位性に着目し、[Mn]≧8wt%の溶鋼の場合にあってもマ
ンガンロスを最小限に抑えるとともに〔C 〕<0.2 %に
まで効率的に脱炭できる手段について検討を重ね、脱炭
精錬剤として酸化マンガン粉末を使用することで、上述
の目的が達成されることを知り、本発明を完成した。
【0013】ここに、本発明の要旨とするところは、
[Mn]≧8wt%の高Mn鋼を減圧下で脱炭精錬する
際に、Mn酸化物を含有する粉体状の脱炭精錬用添加剤
を、精錬用気体および/または他のキャリアガスによっ
て、前記添加剤が溶鋼中に十分侵入し得る速度で、[M
n]≧8wt%の溶鋼表面に吹き付け、吹付が終了して
から、Siを含有する合金およびCaOを含有する化合
物をスラグ中に添加し、スラグ中のMn酸化物還元す
ことを特徴とする高Mn鋼の脱炭精錬方法である。
【0014】
【作用】次に、本発明において脱炭精錬条件を上述のよ
うに限定した理由について詳述する。Mnを含有する溶鋼
([Mn]≧8wt%) の脱炭は、従来のVOD 法を適用しても
[C]≒0.1 〜0.2 %以下に低減させることは困難であ
る。
【0015】しかしながら、本発明によれば、溶鋼の脱
炭法として、Mn酸化物を含有する粉体状の脱炭剤 (酸化
剤) を精錬用気体および/または他のキャリアガスによ
り、溶鋼表面に上吹きすることにより、[C]≒0.05%ま
で効果的に低減できる。すなわち、真空下において上吹
きされた粉体中のMnO2は、飛散することなく溶鋼中へ侵
入し、底吹ガス攪拌の効果により溶鋼中へ分散され、下
記の反応に寄与する。
【0016】 MnO2 + 2C → Mn + 2CO ・・・(1) ここで、Mn酸化物を含有する粉体によりマンガンロスを
伴うことなく脱炭が効果的に進行するのは、 粉体が、脱炭気泡の生成核としての役割を果たすた
め、脱炭反応が促進される、 脱炭サイトにおいて、上吹きで導入された粉体がMn酸
化物を含有するため、MnO が飽和状態に近くなり、溶鋼
中[Mn]の酸化が抑制されるためであり、また 脱炭サイトにおいてMn酸化物が冷材として働くばかり
でなく、Mn酸化物の分解反応の (吸熱反応) により、脱
炭サイトが冷却されるため、溶鋼中[Mn]の蒸発が抑制さ
れることが期待される。なお、低Mn鋼の場合、Mn酸化物
はもとより他の酸化剤を吹き込んでも良好な結果が得ら
れる。一方、高Mn鋼の場合は、低Mn鋼の場合と異なり、
溶鋼中の[Mn]が高いため、Mn酸化物以外の他の酸化物を
添加すると、(1) Mn酸化抑制効果がないため[Mn]の酸化
損失 (数%〜7、8%のオーダー) が激しく、(2) 生成
したスラグが粉体上吹した酸化物とMnO の低融点混合ス
ラグとなるため、かつ大量のスラグが生成するため、耐
火物の侵食が激しくなる。従って、高Mn鋼の場合、酸化
剤として、Mn酸化物を選択しないと良好な効果は得られ
ない。
【0017】次に、図1に示す如き、2.5 トン容量の高
周波真空精錬炉を用いて行った予備的実験の結果を示
す。この粉体上吹きを伴うVOD 精錬は、先ず粗溶鋼に対
する通常のO2上吹きによる粗脱炭工程があり、その低C
域では一部のMn、Feが酸化され、MnO −FeO 系スラグが
溶鋼表面に堆積することになる。
【0018】ここで、極低C高Mn鋼を溶製するために
は、上記スラグが堆積し始める前に (基礎試験結果によ
れば、O2上吹き速度、底吹き攪拌ガス量により変わる
が、おおよそ[C] =0.4 〜0.7 %) 、O2上吹きを終了さ
せ、本発明に係る粉体上吹きによる極低C化精錬が行わ
れる。すなわち、図1に示す高周波真空精錬炉の容器1
に巻装したコイル2への高周波通電により、溶鋼3を16
00℃に維持し、また真空度を20Torrと保つべくダクト4
を介して排気を行った。
【0019】溶鋼3の表面に吹き付ける脱炭剤5は 150
〜200メッシュの粉末混合物を用い、これを上吹きラン
ス6からキャリアガス (例えばAr) と共に溶鋼3へ高速
で吹き付けた。符号5はこれらの粉末混合物の流れを示
す。この上吹きランスは、図2に示す如き4孔のノズル
を有し、中心孔8は直径5mmのストレート型ノズルであ
り、またその周囲に3等配に形成された3つの側孔9は
直径2mmの内向き角度3°のラバール型ノズルである。
【0020】ここで中心孔8からは、脱炭剤粉体をキャ
リアガスとともにマッハ1(20 Torr下) で吹き出させ
た。また、側孔9からは、中心孔8から吹き出される脱
炭剤粉体の加速のために、Arをマッハ3.8 (20Torr 下)
で吹き出させた。なお、中心孔8のキャリアガス (例え
ばArの場合) の圧力は、3kg/cm2、ガス流量は0.2 〜0.
4 Nm3/min 、また側孔のそれらは5kg/cm2、0.4 〜0.5
Nm3/minとした。
【0021】一方、脱炭剤粉体の供給速度は、0.1 〜0.
5 kg/min・トンで総供給量は、酸化剤成分、粉体上吹き
前の[C] 値により変わるが、おおよそ20〜80 kg/トン
(但し、溶鋼への侵入効率と脱炭反応速度とを考慮し、
供給速度を徐々に低下させることもあった) であった。
さらに上吹きランス6の下端と溶鋼3湯面との間の距離
は、400 〜600 mmとした。
【0022】そして、ポーラスプラグ7を介して、1〜
2 Nl/min・トンの攪拌用ガス (例えばAr) を吹き込ん
だ。脱炭剤粉体としては、MnO2、もしくはMn鉱石、(T.M
n =54.4%、T.Fe=1.9 %、Al2O3 =3.9 %、SiO2=1.
7 %) などを適用した。
【0023】処理した溶鋼の初期濃度は、 [Mn] ≒ 18 % [C] ≒ 0.5% であり、処理量は1.5 トンであった。
【0024】また、粉体上吹終了後の還元期において、
スラグ中Mnを回収すべく、Fe−Siおよび塩基度調製のた
めCaO を添加し、(2) 式に示すようにMnO を還元した。
【0025】 2MnO + Si → SiO2Mn ・・・(2) 図3は、本例における処理時の経過に伴う溶鋼の[C] お
よび[Mn]の挙動を示す。これらの本結果より分かるよう
に、従来達成されていた成品[C] =0.1 〜0.2%に対
し、本発明の場合到達[C] は0.01%以下であった[C] は
十分低減できることが分かる。なお、[C] ≧0.05%での
脱炭速度定数は4〜5×10-4 kg/秒・トンと良好であっ
た。
【0026】また、目視での溶鋼表面観察によれば、
[C] =0.2 〜0.4 %以上ではスラグは観察されず、溶鋼
の強攪拌および溶鋼−スラグの強攪拌を実施できた。こ
こで、溶鋼の攪拌が不十分であれば、低C域において溶
鋼中のCの移動 (溶鋼内バルクから脱炭サイトへの) が
阻害されることにより、(1) 式の反応が遅れ、脱炭速度
が低下すると考えられる。従って、脱炭速度を十分保つ
には、溶鋼攪拌は重要である。
【0027】[C] =0.2 〜0.4 %以下では、溶鋼表面に
若干の塊状スラグが生成した。これは成分分析の結果、
MnO を主とする高融点化合物である。耐火物に対する影
響は塊状のためほとんどないと考えられる。
【0028】[Mn]のロスについては、 [C] ≧0.05%では、Δ[Mn]/Δ[C] ≒3.5 の場合で[M
n]が低下するが、 [C] <0.05%では、Mnの損失が急激に増加した。
【0029】また、還元精錬時には[Mn]は約2%スラグ
中より回収できた。なお、還元処理後の (CaO)/(SiO2)
≒1.5 であった。本発明にかかる方法の優位性を明らか
にするため、図4にMn酸化物粉体上吹法と従来法 (O2
吹法) を比較する。
【0030】図4は、真空脱炭中の[C] と[Mn]の関係を
示す。ここで、脱炭中に急に脱炭速度が低下し、Mnの損
失が増加し始める[C] 値を臨界[C] と定義すれば、本発
明方法の臨界[C]が約0.05%であるのに対し、従来法の
それは約0.2 %であり、低C化に対して、本発明方法が
優れていることは明らかである。なお、この優位性は溶
鋼の[Mn]量が高くなればなる程顕著となる。つまり、高
マンガンになればなるほど、Mn酸化物粉体上吹時の臨界
[C] の値と、従来法 (O2上吹法、その他) の時の臨界
[C] の値の差は大きくなる。
【0031】上吹きする粉体の種類については、Mnの酸
化物を含有する化合物、例えば純MnO2、Mn鉱石などが適
している。その他、粉体として、Feの酸化物を含有する
化合物も考えられ、事実、低炭化は可能であったが、以
下の点の如き問題点があることが分かった。
【0032】脱炭処理中にFeO −MnO 系スラグが生成
し、本発明法において塊状MnO 系スラグが生成する場合
に比べ溶鋼のMnの酸化が進行する傾向にある。 上記スラグ生成により、耐火物が溶損される。 また、粉体の供給速度については、溶鋼の攪拌および溶
鋼−スラグの強攪拌を確保する必要もあるため、溶鋼表
面に過度にMn酸化物を含むスラグが堆積するのを抑制し
得る限界の条件、すなわち、おおよそ、0.1 〜1.0 kg/
min ・トンとした。
【0033】還元精錬時のスラグの条件として、 溶鋼−スラグ間での(2) 式の反応を進行させるため、
スラグの融点は低い方が有利で、その範囲は、(CaO)/(S
iO2)=1〜2とするのが好ましく、 MnO の還元を促進させるためには、MnO の溶解度を下
げることが望ましいと考えられ、MnO が弱いながらも塩
基性酸化物であることから、スラグの塩基度は高い方が
望ましいことが挙げられる。次に、実施例を挙げて本発
明をさらに具体的に説明するが、これは単に例示であっ
て、不当に本発明を制限するためのものではない。
【0034】
【実施例】50トン電気炉および50トンVOD 炉を使用し、
Mn源として主に高炭素フェロマンガンを用いて慣用手段
でもって大気溶解、脱りん、粗脱炭を実施した。このよ
うにして得られた高C高Mn溶鋼([C]≒0.9 〜1.0 %、[M
n]≒18〜19%)42トンに対し、次いで、本発明方法を用
いて脱炭および還元精錬を行った。なお、いずれの場合
にもキャリアガスとしてマッハ1のArガスを使用した。
【0035】脱炭精錬条件および結果を表1に示す。ま
た比較のためにFe203 もテストした。実施例No.1に示す
ように、本発明によれば[C] は0.1 %以下となり、また
還元精錬により[Mn]も2%以上回収できた。また、実施
例No.2に示すように、MnO2に脱炭用ガスO2を混合させて
も、同上の結果が得られた。
【0036】しかしながら、比較例No.3に示すように、
O2上吹 (通常VOD 操業) では脱炭は[C] ≦0.2 %近傍よ
り停滞し、[Mn]の酸化、蒸発ロスのみ進行した。また、
溶湯も1800℃近くまで達し、耐火物溶損の懸念があり脱
炭精錬を中止した。その後の還元精錬でも[Mn]は1%程
度しか回収できず、大部分のMnが蒸発したものと推定さ
れる。
【0037】一方、比較例No.4のようにMn酸化物の代替
としてFe酸化物を吹込んだ場合、極低C化は可能だった
が、Mnの酸化量は大きく、また耐火物に悪影響を及ぼす
流動性の良い FeO−MnO 系スラグが大量に発生した。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明方法によれば、高マンガン溶鋼段
階で従来の成品規格[C] =0.1 〜0.2%に対し、[C] =
0.1 %以下まで脱炭することができる。本発明方法は、
近年、生産量の増加している高マンガン鋼を低コストで
製造するのに極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施状態を示す模式図である。
【図2】上吹用ランスの下面図の一例である。
【図3】MnO2粉体上吹による高マンガン溶鋼の脱炭の経
過を示すもので、処理時間と[C] 、[Mn]の関係を示すグ
ラフである。
【図4】MnO2粉体上吹により高マンガン溶鋼の脱炭を行
う本発明方法と従来方法の脱炭挙動の比較を示すため
に、脱炭処理中の[C] と[Mn]の関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 : 容器 2 : コイル 3 : 溶鋼 4 : ダクト 6 : ランス 7 : ポーラスプラグ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 [Mn]≧8wt%の高Mn鋼を減圧下
    で脱炭精錬する際に、Mn酸化物を含有する粉体状の脱
    炭精錬用添加剤を、精錬用気体および/または他のキャ
    リアガスによって、前記添加剤が溶鋼中に十分侵入し得
    る速度で、[Mn]≧8wt%の溶鋼表面に吹き付け
    吹付が終了してから、Siを含有する合金およびCaO
    有する化合物をスラグ中に添加し、スラグ中のMn
    酸化物を還元することを特徴とする高Mn鋼の脱炭精錬
    方法。
  2. 【請求項2】 前記添加剤を溶鋼表面に吹き付けている
    期間中の少なくとも一部において、溶鋼の表面下に精錬
    用または攪拌用気体を導入することを特徴とする請求項
    1記載の高Mn鋼の脱炭精錬方法。
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