JP2778335B2 - 高Mn鋼の脱炭精錬方法 - Google Patents
高Mn鋼の脱炭精錬方法Info
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鋼の脱炭精錬方法に関する。
で、多くの新鋼種の開発がみられるが、マンガン含有量
がおよそ8% (特に断らない限り、%は「重量%」を意
味する) 以上の高Mn鋼もその一つである。高Mn鋼は、組
織としてはオーステナイトであって、Niを含有するオー
ステナイト系ステンレス鋼に比べて安価であるだけでな
く、高強度、低透磁率という利点を有しており、近年、
磁気浮上鉄道用部材、核融合装置用部材、消磁装置用部
材、電気機器用部材等に非磁性鋼、構造用鋼、耐摩耗鋼
としてその用途が拡大してきている。
透磁率、溶接性、切削性に悪影響を及ぼす有害元素であ
る。そのため高Mn鋼の溶製に際しては、Mn源として、安
価なフェロマンガンを[C] 規格の許容する限度で添加
し、場合によっては、さらに[P] も規格の許容する限り
添加することもあるが、残りの所要Mn分は高価な金属Mn
により補充することにより、[C] の配合割合が高くなら
ないようにするのが常であった。しかしながら、このよ
うな方法では、高価な金属Mnを多量に使用することにな
るので溶製コストが高くなる。
分のMn分をかなり安価である高Cフェロマンガンとして
配合し、得られるC含有量の高い高マンガン溶鉄に今度
は脱炭処理を行って低C高マンガン溶鉄を製造する技術
の確立が求められる。今日、一般的な脱炭精錬法として
は、溶鉄を真空下で精錬する方法が広く用いられてい
る。その代表的な方法としては、ステンレス鋼製造法で
知られるVOD 法(Vacuum Oxygen Decarburization、真空
下O2上吹法) がある。
鋼を製造する場合、次のような問題点が見られる。ま
ず、電気炉において、Mn源として高炭素フェロマンガン
を主として使用して溶製した粗溶鋼は、脱炭処理前には
例えば次のような成分組成となっている。 [C] = 1.5% [Mn]= 20 %。
プラグにて攪拌ガスを供給しながら、O2上吹きして脱炭
処理すると、脱炭後の成分は、粗溶鋼が前述のような組
成である場合には下記のような組成となる。 [C] = 0.2% [Mn]= 16 〜17% このとき、溶鋼表面にはO2上吹きにより生成した FeO−
MnO 系の低融点のスラグが存在する。
影響は極めて大きいため、上記スラグの存在は操業上好
ましくない。最後に、スラグ中のMn分を回収すべく、Fe
−SiおよびCaO などをスラグに添加し還元精錬を行う。
そのときの溶鋼は下記のような組成となる。 [C] = 0.2% [Mn]= 17 〜18% ところが、近年、前記したような機械的あるいは化学的
特性についての要求が一段と厳しくなっており、高Mn鋼
についても[C] 規格は0.1 〜0.2 %以下となっているも
のも多い。
製すべく、[C] ≦0.2 %の領域で前記VOD 法による脱炭
精錬を適用しても 脱炭速度は極めて遅く、 Mnのみが上吹O2により酸化ロスし、 上記Mnの酸化熱により溶鋼温度が上昇し、 上記Mnの酸化により、高MnO スラグが生成し、 、により耐火物の溶損が激しくなるなどの問題
点が生じる。
るためには、高Mn溶銑段階で脱炭する技術が必要であ
る。しかしながら、従来の真空下O2上吹法、つまりVOD
法による脱炭精錬法では、成品[C] =0.1 〜0.2 %レベ
ル以下への脱炭は極めて困難である。
(特公平1−25370 号、特開昭58−113314号))にて「真
空下の脱炭精錬において、溶鋼表面に粉体状の脱炭精錬
用添加剤を精錬用気体、キャリア気体などで溶鋼中に十
分侵入しうる速度で吹き付けることにより、[C] 10ppm
以下の極低C鋼を溶製する」方法を開示した。このとき
の添加剤の例としては、クロム酸化物、マンガン酸化
物、そして鉄酸化物をそれぞれ主成分とするものが例示
されている。
1.7 %Mnの溶鋼であって、しかも粉体上吹後ではMn=1.
12%と大幅なマンガンロスが見られる。しかし、[Mn]≧
8wt%の溶鋼に対しても脱炭精錬が効率的に行われ得る
か否か、マンガンロスが見られるか否かについては全く
教えることがない。まして、[Mn]≧8wt%の溶鋼の場合
の最適な粉体組成、還元精錬条件などについて何一つ教
えることがない。
は、 [Mn] ≧8wt %の高Mn溶銑を脱炭精錬して、マンガ
ンロスを可及的小として[C] <0.2 %にまで脱炭でき
る、高Mn鋼のより安価な脱炭精錬方法を提供することで
ある。
同じくVOD 法の優位性に着目し、[Mn]≧8wt%の溶鋼の
場合にあってもマンガンロスを最小限に抑えるとともに
〔C 〕<0.2 %にまで効率的に脱炭できる手段について
検討を重ね、脱炭精錬剤として酸化マンガン粉末を使用
することで、上述の目的が達成されることを知り、『[M
n]≧8wt%の高Mn鋼を減圧下で脱炭精錬する際に、Mn酸
化物を含有する粉体状の脱炭精錬用添加剤を、精錬用気
体および/または他のキャリアガスによって、前記添加
剤が溶鋼中に十分侵入し得る速度で、[Mn]≧8wt%の溶
鋼表面に吹き付けることを特徴とする高Mn鋼の脱炭精錬
方法』を見出し、これについて既に特許出願を行った。
この特許出願にかかる方法においては、Mnの酸化損失を
極力抑えながら[C] =0.05%まで脱炭できたが、上記処
理中のMn損失は、Δ[Mn]/Δ[C] ≒ 3.5であり、さらに
Mn損失を抑えた脱炭法の開発が望まれていた。
[Mn]≧8wt%の高Mn鋼を減圧下で脱炭精錬する
際に、脱炭処理温度において固体状態であるMgOまた
はCaOを含有する塊状スラグにより溶鋼表面を被覆し
ながら、Mn酸化物を含有する粉体状の脱炭精錬用添加
剤を、精錬用気体および/または他のキャリアガスによ
って、前記添加剤が溶鋼中に十分侵入し得る速度で、
[Mn]≧8wt%の溶鋼に上吹することを特徴とする
高Mn鋼の脱炭精錬方法である。ただし、ここで高Mn
溶鋼は、[Mn]≧8wt%であれば特に制限はなく、
例えば[Cr]を1%以上含有する溶鋼をも包含するも
のとする。
溶鋼表面に吹き付けている期間中の少なくとも一部にお
いて、溶鋼の表面下に精錬用または攪拌用気体を導入す
ることによって、さらに反応を促進でき、より優れた脱
炭精錬が実現される。本発明のさらに別の態様によれ
ば、前記添加剤の溶鋼表面への吹付が終了してから、S
iを含有する合金、さらに望ましくはCaOを含有する
化合物をスラグ中に添加し、スラグ中のMn酸化物を還
元し、Mnの歩留りを改善するようにしてもよい。
うに限定した理由について詳述する。まず、本発明にお
いて処理の対象とする溶鋼のMn含有量を8重量%以上に
制限するのは、高Mn鋼として実用性あるものはいずれも
この範囲内のMnを有するからであり、またMn: 8重量%
以上で安定したオーステナイト相を呈し、今日高Mn鋼と
して求められる特性を発揮し得るからである。
は、従来のVOD 法を適用しても[C]≒0.1 〜0.2 %以下
に低減させることは困難である。しかしながら、本発明
によれば、溶鋼の脱炭法として、Mn酸化物を含有する粉
体状の脱炭剤 (酸化剤) を精錬用気体および/または他
のキャリアガスにより、溶鋼表面に上吹きすることによ
り、[C] ≒0.05%まで効果的に低減できる。
体中のMnO2は、飛散することなく溶鋼中へ侵入し、底吹
ガス攪拌の効果により溶鋼中へ分散され、下記の反応に
寄与する。 MnO2 + 2C → Mn + 2CO ・・・(1) ここで、Mn酸化物を含有する粉体によりマンガンロスを
極力伴うことなく脱炭が効果的に進行するのは、 粉体が、脱炭気泡の生成核としての役割を果たすた
め、脱炭反応が促進されるためであり、 脱炭サイトにおいて、上吹きで導入された粉体がMn酸
化物を含有するため、MnO が飽和状態に近くなり、溶鋼
中[Mn]の酸化が抑制されるためであり、また 脱炭サイトにおいてMn酸化物が冷材として働くばかり
でなく、Mn酸化物の分解反応の (吸熱反応) により、脱
炭サイトが冷却されるため、溶鋼中[Mn]の蒸発が抑制さ
れるためである。
として、溶鋼表面をスラグによりある程度被覆すること
が効果的である。ここで、脱炭中のMn損失は大きく分け
て以下の2つの理由が考えられる。 酸素精錬に伴う[Mn]の酸化。 酸素精錬に伴う発熱のため、[Mn]の蒸発。
とにより、[Mn]の酸化生成物であるMnO系スラグ
よりMnの回収が可能である。 については、溶鋼表面を浮遊した塊状スラグにより被
覆することによって、溶鋼表面からのMn蒸発を大幅に
低減できる。 スラグ被覆下の溶鋼表面から、COガスが逸脱できるの
は、スラグとして塊状のスラグを使用しているためであ
る。 すなわち、流動性を有するスラグと異なり、塊状ス
ラグが溶鋼表面に浮遊していても、底吹き攪拌により溶
鋼表面が露出する機会が多いため、その裸湯面からCO
ガスが逸脱されるものと推定される。 また、塊状スラグ
を被覆させながらでも、粉体である添加剤を溶鋼中に十
分侵入し得るように上吹きしていることから常に一部の
溶鋼表面は露出している。し たがって、この観点から
は、溶鋼表面を覆うスラグの量はMnの蒸発を抑えるに
必要かつ十分なだけでよい。
他の酸化剤を吹き込んでも良好な結果が得られる。一
方、高Mn鋼の場合は、低Mn鋼の場合と異なり、溶鋼中の
[Mn]が高いため、Mn酸化物以外の他の酸化物を添加する
と、(1) Mn酸化抑制効果がないため[Mn]の酸化損失 (数
%ないし7、8%のオーダ) が激しく、(2) 生成したス
ラグが粉体上吹した酸化物とMnO の低融点混合スラグと
なるため、かつ大量のスラグが生成するため、耐火物の
侵食が激しくなる。従って、高Mn鋼の場合、酸化剤とし
て、Mn酸化物を選択しないと良好な効果は得られない。
周波真空精錬炉を用いて行った予備的実験の結果を示
す。この粉体上吹きを伴うVOD 精錬は、先ず粗溶鋼に対
する通常のO2上吹きによる粗脱炭工程があり、その低C
域では一部のMn、Feが酸化され、MnO −FeO 系スラグが
溶鋼表面に堆積することになる。
は、上記スラグが堆積し始める前、つまり、基礎試験結
果によれば、O2上吹き速度、底吹き攪拌ガス量により変
わるが、おおよそ[C] =0.4 〜0.7 %となったとき、O2
上吹きを終了させ、本発明に係る粉体上吹きによる極低
C化精錬が行われる。すなわち、図1に示す高周波真空
精錬炉の容器1に巻装したコイル2への高周波通電によ
り、溶鋼3を1600℃に維持し、また真空度を20Torrと保
つべくダクト4を介して排気を行った。続いて、溶鋼表
面をほぼ一層覆うように、MgO 塊状フラックス (10〜30
mm角)を添加した。
錬用添加剤、つまり脱炭剤5は 150〜200 メッ
シュの粉末混合物を用い、これを上吹きランス6からキ
ャリアガス (例えばAr) と共に溶鋼3へ高速で吹き付け
た。符号5はこれらの粉末混合物の流れを示す。この上
吹きランス6は、図2に示す如き4孔のノズルを有し、
中心孔8は直径5mmのストレート型ノズルであり、また
その周囲に3等配に形成された3つの側孔9は直径2mm
の内向き角度3°のラバール型ノズルである。
る脱炭剤粉体をキャリアガスとともに約マッハ1(20 To
rr下) で吹き出させた。また、側孔9からは、中心孔8
から吹き出される脱炭剤粉体の加速のために、Arを約マ
ッハ3.8 (20Torr 下) で吹き出させた。なお、中心孔8
のキャリアガス (例えばArの場合) の圧力は、3kg/c
m2、ガス流量は0.2 〜0.4 Nm3/min 、また側孔のそれら
は5kg/cm2、0.4 〜0.5 Nm3/minとした。
5 kg/min・トンで総供給量は、酸化剤成分、粉体上吹き
前の[C] 値により変わるが、おおよそ20〜80 kg/トンで
あった。但し、溶鋼への侵入効率と脱炭反応速度とを考
慮し、供給速度を徐々に低下させてもよい。さらに上吹
きランス6の下端と溶鋼3の湯面との間の距離は、400
〜600 mmとした。
7を介して、1〜2 Nl/min ・トンの攪拌用ガス (例え
ばAr) を吹き込んだ。Mn酸化物含有脱炭剤粉体として
は、MnO2粉、もしくはMn鉱石粉、(T.Mn =54.4%、T.Fe
=1.9 %、Al2O3 =3.9 %、SiO2=1.7 %) などを使用
した。このときの脱炭中の溶鋼表面の様子を図3に示
す。溶鋼表面は、Mn酸化物を粉体上吹している部分 (火
点) およびポーラスプラグの直上部を除いて、約70〜80
%がMgO 塊状スラグにより被覆されていた。
は、 [Mn] ≒ 18 % [C] ≒ 0.5% であり、処理量は1.5 トンであった。これは予め脱酸処
理によって[C] ≒ 0.5%にまで脱酸処理して、そのとき
の生成スラグを除去したものであった。
スラグ中Mnを回収すべく、Fe−Siおよび塩基度調整のた
めCaO を添加し、(2) 式に示すようにMnO を還元した。 2MnO + Si → SiO2 + Mn ・・・(2) 図4は、本例における処理時の経過に伴う溶鋼の[C] お
よび[Mn]の挙動を示す。
されていた成品[C] =0.1 〜0.2 %に対し、本発明の場
合、到達[C] は0.01%以下であった。[C] は十分低減で
きることが分かる。なお、[C] ≧0.05%での脱炭速度定
数は4〜5×10-4 kg/秒・トンと良好であった。また、
脱炭中において目視の溶鋼表面観察によれば、[C] =0.
2 〜0.4 %以上ではMn酸化物系のスラグは生成しておら
ず、溶鋼の強攪拌およびスラグ−溶鋼の強攪拌を実施で
きた。
C域において溶鋼中のCの移動 (溶鋼内バルクから脱炭
サイトへの) が阻害されることにより、(1) 式の反応が
遅れ、脱炭速度が低下する。従って、脱炭速度を十分保
つには、溶鋼攪拌は重要である。[C] =0.2 〜0.4 %以
下では、溶鋼表面に予め添加したMgO 塊状スラグに加え
若干の塊状スラグが生成した。これは成分分析の結果、
MnO を主成分とする高融点化合物であり、また、MgO と
の反応はほどんどなく、耐火物に悪影響を及ぼす低融点
のスラグにはならなかった。
O 塊状スラグを添加しない場合の値(3.5) と比べ、極め
て改善された。 [C] <0.05%では、Mn酸化は急激に増加した。 また、還元精錬時には[Mn]は約2%スラグ中より回収で
きた。なお、還元処理後の (CaO)/(SiO2)≒1.5 であっ
た。
るため、図5に Mn酸化物粉体上吹法 (MgO スラグ被覆有) ・・・本発明法 〃 ( 〃 無) ・・・比較法 O2上吹法 ・・・従来法 における[C] と[Mn]の関係を示す。
Mnの損失が増加し始める[C] 値を臨界[C] と定義すれ
ば、本発明方法およびMgO による被覆を行わない粉体上
吹法の臨界[C] が約0.05%であるのに対し、従来法のそ
れは約0.2 %であり、低C化に対して、本発明方法が優
れていることは明らかである。なお、この優位性は溶鋼
の[Mn]量が高くなればなる程顕著となる。つまり、高マ
ンガンになればなるほど、Mn酸化物粉体上吹時の臨界
[C] の値と、従来法 (O2上吹法、その他) の時の臨界
[C] の値の差は大きくなる。
/Δ[C](図5の直線の傾きに相当)は、臨界[C] 以上の
領域で 本発明法・・・Δ[Mn]/Δ[C] =1.0 MgO による被覆を行い粉体上吹法・・・Δ[Mn]/Δ
[C] =3.5 従来法・・・ Δ[Mn]/Δ[C] =3.5 と本発明法では、大幅に改善された。
化物を含有する化合物、例えば純MnO2、Mn鉱石などが適
している。その他、粉体として、Feの酸化物を含有する
化合物も考えられ、事実、低炭化は可能であったが、以
下の点の如き問題点があることが分かった。 脱炭処理中にFeO −MnO 系スラグが生成し、本発明法
において塊状MnO 系スラグが生成する場合に比べ溶鋼の
Mnの酸化が進行する傾向にある。 上記スラグ生成により、耐火物が溶損される。
攪拌および溶鋼−スラグの強攪拌を確保する必要もある
ため、溶鋼表面に過度にMn酸化物を含むスラグが堆積す
るのを抑制し得る限界の条件、すなわち、おおよそ、0.
1 〜1.0 kg/min ・トンとした。
に関する条件として、 Mn酸化物粉体が溶鋼中に侵入するのをさまたげないこ
と、 溶鋼の[Mn]酸化を助長せぬよう、スラグ中のMnO の活
量は1に近いこと、・・・例えば、常にMnO と反応しな
い塊状スラグであれば、MnO の活量はほぼ1であると見
なしてよい。 耐火物に対し、溶損の懸念のないこと、・・・例え
ば、塊状であれば耐火物に対する悪影響は小さいと考え
られる。
MgO −CaO 、CaO 、MgO −Cr2O3 などの塊状スラグが適
用できる。また、粉体についても、10〜30mm角のものが
目視上、最もよく溶鋼表面を被覆できていた。
スラグの融点は低い方が有利で、その範囲は、(CaO)/(S
iO2)=1〜2以上とするのが好ましく、 MnO の還元を促進させるためには、MnO の溶解度を下
げることが望ましいと考えられ、MnO が弱いながらも塩
基性酸化物であることから、スラグの塩基度は高い方が
望ましいことが挙げられる。次に、実施例を挙げて本発
明をさらに具体的に説明するが、これは単に例示であっ
て、不当に本発明を制限するためのものではない。
Mn源として主に高炭素フェロマンガンを用いて慣用手段
でもって大気溶解、脱りん、粗脱炭を実施した。このよ
うにして得られた高C高Mn溶鋼([C]≒0.9 〜1.0 %、[M
n]≒18〜19%)42トンに対し、次いで、スラグ除去後、
本発明方法を用いて脱炭および還元精錬を行った。な
お、いずれの場合にもキャリアガスとしてマッハ1のAr
ガスを使用した。
施例No.1、2 に示すように、本発明によれば[C] は0.1
%以下となり、[Mn]の酸化・蒸発ロスは各々No.5、6 と
比べて低減できた。同様に実施例No.3、4 においては、
溶鋼表面の被覆スラグとしてそれぞれMgO−Cr2O3 、CaO
の塊状スラグを使用したが、[Mn]の酸化・蒸発は低減
され良好な結果を得た。
階で従来の成品規格[C] =0.1 〜0.2%に対し、[C] =
0.1 %以下まで脱炭することができる。本発明方法は、
近年、生産量の増加している高マンガン鋼を低コストで
製造するのに極めて有用なものである。
過を示すもので、処理時間と[C] 、[Mn]の関係を示すグ
ラフである。
ンガン溶鋼の脱炭を行う本発明方法とMgO スラグなしで
の粉体上吹法および従来方法の脱炭挙動の比較を示すた
めに、脱炭処理中の[C] と[Mn]の関係を示すグラフであ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 [Mn]≧8wt%の高Mn鋼を減圧下
で脱炭精錬する際に、脱炭処理温度において固体状態で
あるMgOまたはCaOを含有する塊状スラグにより溶
鋼表面を被覆しながら、Mn酸化物を含有する粉体状の
脱炭精錬用添加剤を、精錬用気体および/または他のキ
ャリアガスによって、前記添加剤が溶鋼中に十分侵入し
得る速度で、[Mn]≧8wt%の溶鋼に上吹すること
を特徴とする高Mn鋼の脱炭精錬方法。 - 【請求項2】 前記添加剤を溶鋼表面に吹き付けている
期間中の少なくとも一部において、溶鋼の表面下に精錬
用または攪拌用気体を導入することを特徴とする請求項
1記載の高Mn鋼の脱炭精錬方法。 - 【請求項3】 前記添加剤の溶鋼表面への吹付が終了し
てから、Siを含有する合金またはSiを含有する合金
に加えてCaOを含有する化合物をスラグ中に添加し、
スラグ中のMn酸化物を還元することを特徴とする請求
項1または2に記載の高Mn鋼の脱炭精錬方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4356092A JP2778335B2 (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 高Mn鋼の脱炭精錬方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP4356092A JP2778335B2 (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 高Mn鋼の脱炭精錬方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05239539A JPH05239539A (ja) | 1993-09-17 |
JP2778335B2 true JP2778335B2 (ja) | 1998-07-23 |
Family
ID=12667137
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101252642B1 (ko) * | 2008-12-30 | 2013-04-09 | 주식회사 포스코 | 정련로 및 이를 이용한 정련방법 |
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JP5614306B2 (ja) * | 2011-01-26 | 2014-10-29 | Jfeスチール株式会社 | マンガン含有低炭素鋼の溶製方法 |
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1992
- 1992-02-28 JP JP4356092A patent/JP2778335B2/ja not_active Expired - Lifetime
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