JP2721596B2 - アクリル系重合体凝固組成物、その製法およびその成形物 - Google Patents
アクリル系重合体凝固組成物、その製法およびその成形物Info
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- JP2721596B2 JP2721596B2 JP3155604A JP15560491A JP2721596B2 JP 2721596 B2 JP2721596 B2 JP 2721596B2 JP 3155604 A JP3155604 A JP 3155604A JP 15560491 A JP15560491 A JP 15560491A JP 2721596 B2 JP2721596 B2 JP 2721596B2
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- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F265/00—Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of unsaturated monocarboxylic acids or derivatives thereof as defined in group C08F20/00
- C08F265/04—Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of unsaturated monocarboxylic acids or derivatives thereof as defined in group C08F20/00 on to polymers of esters
- C08F265/06—Polymerisation of acrylate or methacrylate esters on to polymers thereof
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリル系重合体凝固
組成物、アクリル系重合体組成物、およびそれらの成形
物、並びにアクリル系重合体凝固組成物の製造方法に関
する。
組成物、アクリル系重合体組成物、およびそれらの成形
物、並びにアクリル系重合体凝固組成物の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】アクリル樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニ
ル樹脂等の合成樹脂の耐衝撃性を改善する方法として、
弾性を有するゴム相を硬質樹脂中に不連続的に分散させ
ることが一般的に行われている。ジエン系ゴムの導入が
最も一般的であるが、耐候性の観点からアクリルゴムも
広く用いられている。
ル樹脂等の合成樹脂の耐衝撃性を改善する方法として、
弾性を有するゴム相を硬質樹脂中に不連続的に分散させ
ることが一般的に行われている。ジエン系ゴムの導入が
最も一般的であるが、耐候性の観点からアクリルゴムも
広く用いられている。
【0003】アクリルゴムを用いた改質樹脂としては、
芯、殻構造を基本とする、軟質層と硬質層を組み合わせ
た多層構造重合体が種々検討されている(特公昭54-182
98号公報、特公昭55-27576号公報、特公昭62-41241号公
報等)。その製造方法として乳化重合法が広く用いられ
ている。これらの乳化重合法を用いる重合体の製造方法
においては、重合体ラテックスから重合体を分離する工
程が必要であり、この方法として、塩化アルミニウム、
硫酸マグネシウム等の無機塩を添加する方法、硫酸等の
酸を添加する方法、噴霧乾燥法等がとられている。しか
しながら上記の方法は、得られた重合体が微粉末状で取
り扱いにくいために、生産性の低下や成形加工性の低下
を起こす等の問題を有していた。また一方、これらの重
合体を用いて成形加工されたものは、加熱着色して光学
特性に劣り、熱水に浸漬すると白化しやすく耐熱水性に
劣る等の問題も有していた。
芯、殻構造を基本とする、軟質層と硬質層を組み合わせ
た多層構造重合体が種々検討されている(特公昭54-182
98号公報、特公昭55-27576号公報、特公昭62-41241号公
報等)。その製造方法として乳化重合法が広く用いられ
ている。これらの乳化重合法を用いる重合体の製造方法
においては、重合体ラテックスから重合体を分離する工
程が必要であり、この方法として、塩化アルミニウム、
硫酸マグネシウム等の無機塩を添加する方法、硫酸等の
酸を添加する方法、噴霧乾燥法等がとられている。しか
しながら上記の方法は、得られた重合体が微粉末状で取
り扱いにくいために、生産性の低下や成形加工性の低下
を起こす等の問題を有していた。また一方、これらの重
合体を用いて成形加工されたものは、加熱着色して光学
特性に劣り、熱水に浸漬すると白化しやすく耐熱水性に
劣る等の問題も有していた。
【0004】重合体の取扱性を改善する方法として、耐
衝撃性改質重合体のスラリーと硬質非弾性重合体のスラ
リーを混合後、乾燥することにより乾燥時のブロック化
現象を抑制する方法(特開昭58−1742号公報)が提案さ
れている。多少の改善効果は認められるものの十分満足
できるものではなく、着色、耐熱水性については改善さ
れていない。
衝撃性改質重合体のスラリーと硬質非弾性重合体のスラ
リーを混合後、乾燥することにより乾燥時のブロック化
現象を抑制する方法(特開昭58−1742号公報)が提案さ
れている。多少の改善効果は認められるものの十分満足
できるものではなく、着色、耐熱水性については改善さ
れていない。
【0005】また、着色を改善する方法として、−OS
O 3 M−,−COOM,−SO 3 M(ただしMはKまた
はNa)で表される基を有する乳化剤を用いて重合を行
い、得られたラテックスを硫酸マグネシウム水溶液と接
触させて重合体を分離する方法(特開昭61−108629号公
報)、−PO 3 M 2 ,−PO 2 M(ただしMはアルカリ
金属またはアルカリ土類金属)で表される基を有する乳
化剤を用いて重合を行い、得られたラテックスを硫酸マ
グネシウム水溶液と接触させて重合体を分離する方法
(特開昭63−227606号公報)等が提案されている。多少
の改善効果は認められるものの十分満足できるものでは
なく、しかも分離された重合体形状が微粉末状で取り扱
いにくいという欠点を有しており、耐熱水性も改善され
ていない。
O 3 M−,−COOM,−SO 3 M(ただしMはKまた
はNa)で表される基を有する乳化剤を用いて重合を行
い、得られたラテックスを硫酸マグネシウム水溶液と接
触させて重合体を分離する方法(特開昭61−108629号公
報)、−PO 3 M 2 ,−PO 2 M(ただしMはアルカリ
金属またはアルカリ土類金属)で表される基を有する乳
化剤を用いて重合を行い、得られたラテックスを硫酸マ
グネシウム水溶液と接触させて重合体を分離する方法
(特開昭63−227606号公報)等が提案されている。多少
の改善効果は認められるものの十分満足できるものでは
なく、しかも分離された重合体形状が微粉末状で取り扱
いにくいという欠点を有しており、耐熱水性も改善され
ていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】すなわち本発明の目的
は、アクリル系重合体凝固組成物、アクリル系重合体組
成物からなる耐衝撃性、光学特性、耐熱水性に優れた成
形物、およびそれを得るためのアクリル系重合体凝固組
成物、アクリル系重合体組成物、その製造方法を提供す
ることにある。
は、アクリル系重合体凝固組成物、アクリル系重合体組
成物からなる耐衝撃性、光学特性、耐熱水性に優れた成
形物、およびそれを得るためのアクリル系重合体凝固組
成物、アクリル系重合体組成物、その製造方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
現状に鑑み鋭意検討した結果、乳化重合法によって得ら
れた多層構造重合体組成物であって、かつ凍結凝固され
ていることを特徴とするアクリル系重合体凝固組成物等
により上記問題点が解決されることを見出し、本発明を
完成するに至った。
現状に鑑み鋭意検討した結果、乳化重合法によって得ら
れた多層構造重合体組成物であって、かつ凍結凝固され
ていることを特徴とするアクリル系重合体凝固組成物等
により上記問題点が解決されることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、少なくとも一種のメタ
クリル酸エステル単位50〜100重量%、これらと共
重合可能な他の単量体単位0〜50重量%からなる乳化
重合法によって得られた硬質重合体のラテックスと、最
外層が、(1)少なくとも1種のメタクリル酸エステル
単位40〜100重量%、これらと共重合可能な他の単
量体単位0〜60重量%からなる層であって、該層を単
独で重合したときに25℃以上のガラス転移温度(以
下、Tgという)を有する硬質層であり、内層の少なく
とも一つが、(2)少なくとも一種のアクリル酸エステ
ル単位40〜99.9重量%、これらと共重合可能な他
の単量体単位0〜60重量%、多官能性単量体単位0.
1〜5重量%からなる層であって、該層を単独で重合し
たときに25℃未満のガラス転移温度を有する軟質層で
ある乳化重合法によって得られた多層構造重合体のラテ
ックスとの混合物が凍結凝固されていることを特徴とす
るアクリル系重合体凝固組成物およびその製造方法、さ
らに、硬質重合体1〜99重量%と、上記のアクリル系
重合体凝固組成物1〜99重量%とからなるアクリル系
重合体組成物、およびそれらの成形物に関する。
クリル酸エステル単位50〜100重量%、これらと共
重合可能な他の単量体単位0〜50重量%からなる乳化
重合法によって得られた硬質重合体のラテックスと、最
外層が、(1)少なくとも1種のメタクリル酸エステル
単位40〜100重量%、これらと共重合可能な他の単
量体単位0〜60重量%からなる層であって、該層を単
独で重合したときに25℃以上のガラス転移温度(以
下、Tgという)を有する硬質層であり、内層の少なく
とも一つが、(2)少なくとも一種のアクリル酸エステ
ル単位40〜99.9重量%、これらと共重合可能な他
の単量体単位0〜60重量%、多官能性単量体単位0.
1〜5重量%からなる層であって、該層を単独で重合し
たときに25℃未満のガラス転移温度を有する軟質層で
ある乳化重合法によって得られた多層構造重合体のラテ
ックスとの混合物が凍結凝固されていることを特徴とす
るアクリル系重合体凝固組成物およびその製造方法、さ
らに、硬質重合体1〜99重量%と、上記のアクリル系
重合体凝固組成物1〜99重量%とからなるアクリル系
重合体組成物、およびそれらの成形物に関する。
【0009】本発明のアクリル系重合体凝固組成物にお
ける多層構造重合体は、乳化重合法によって得られたも
のであって、その最外層は、(1)少なくとも1種のメ
タクリル酸エステル単位40〜100重量%、これらと
共重合可能な他の単量体単位0〜60重量%からなる層
であって、該層を単独で重合したときに25℃以上のT
gを有する硬質層であり、その内層の少なくとも一つ
は、(2)少なくとも一種のアクリル酸エステル単位4
0〜99.9重量%、これらと共重合可能な他の単量体
単位0〜60重量%、多官能性単量体単位0.1〜5重
量%からなる層であって、該層を単独で重合したときに
25℃未満のTgを有する軟質層から構成される。多層
構造重合体に占める最外層の割合は特に限定されない
が、溶融混練時の良好な分散性を得るために10〜80
重量%が好ましく、Tgも成形物の良好な耐熱性を得る
ために50℃以上が好ましい。さらに最外層は、分子量
を調整することが好ましい。その理由は、本発明の凝固
組成物を成形加工する場合、または本発明の凝固組成物
を合成樹脂の改質剤として用いる場合に加熱溶融流動性
が必要であり、特に後者の場合には合成樹脂との相溶性
の点から重要であるからである。この調整はメルカプタ
ン等の連鎖移動剤を用いて行うことができる。また、多
層構造重合体に占める25℃未満のTgを有する軟質層
の割合も特に限定されないが、耐衝撃性発現のために1
0〜80重量%が好ましく、Tgも同様な点から0℃以
下が好ましい。さらに多層構造重合体の内層は、前記軟
質層のみかあるいはそれと、少なくとも1種のメタクリ
ル酸エステル単位40〜100重量%、これらと共重合
可能な他の単量体単位0〜60重量%、多官能性単量体
単位0〜5重量%からなる層であって、該層を単独で重
合したときに25℃以上のTgを有する硬質層を含む、
任意の層構造をとることができる。例えば、最外層を含
めた多層構造重合体において、最内層から軟質層−硬質
層の二層構造、硬質層−軟質層−硬質層の三層構造、軟
質層−硬質層−軟質層−硬質層の四層構造、硬質層−軟
質層−軟質層−硬質層の四層構造等の構成がとられる。
ける多層構造重合体は、乳化重合法によって得られたも
のであって、その最外層は、(1)少なくとも1種のメ
タクリル酸エステル単位40〜100重量%、これらと
共重合可能な他の単量体単位0〜60重量%からなる層
であって、該層を単独で重合したときに25℃以上のT
gを有する硬質層であり、その内層の少なくとも一つ
は、(2)少なくとも一種のアクリル酸エステル単位4
0〜99.9重量%、これらと共重合可能な他の単量体
単位0〜60重量%、多官能性単量体単位0.1〜5重
量%からなる層であって、該層を単独で重合したときに
25℃未満のTgを有する軟質層から構成される。多層
構造重合体に占める最外層の割合は特に限定されない
が、溶融混練時の良好な分散性を得るために10〜80
重量%が好ましく、Tgも成形物の良好な耐熱性を得る
ために50℃以上が好ましい。さらに最外層は、分子量
を調整することが好ましい。その理由は、本発明の凝固
組成物を成形加工する場合、または本発明の凝固組成物
を合成樹脂の改質剤として用いる場合に加熱溶融流動性
が必要であり、特に後者の場合には合成樹脂との相溶性
の点から重要であるからである。この調整はメルカプタ
ン等の連鎖移動剤を用いて行うことができる。また、多
層構造重合体に占める25℃未満のTgを有する軟質層
の割合も特に限定されないが、耐衝撃性発現のために1
0〜80重量%が好ましく、Tgも同様な点から0℃以
下が好ましい。さらに多層構造重合体の内層は、前記軟
質層のみかあるいはそれと、少なくとも1種のメタクリ
ル酸エステル単位40〜100重量%、これらと共重合
可能な他の単量体単位0〜60重量%、多官能性単量体
単位0〜5重量%からなる層であって、該層を単独で重
合したときに25℃以上のTgを有する硬質層を含む、
任意の層構造をとることができる。例えば、最外層を含
めた多層構造重合体において、最内層から軟質層−硬質
層の二層構造、硬質層−軟質層−硬質層の三層構造、軟
質層−硬質層−軟質層−硬質層の四層構造、硬質層−軟
質層−軟質層−硬質層の四層構造等の構成がとられる。
【0010】この多層構造重合体の硬質層を構成する単
量体単位としては、以下に示すものが用いられる。メタ
クリル酸エステルとして、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ベン
ジル、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げられ、それ
らは単独または併用して用いられるが、好ましくはメタ
クリル酸メチルである。共重合可能な他の単量体とし
て、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸
シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸エ
ステル、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレ
ン等の芳香族ビニル化合物、N−シクロヘキシルマレイ
ミド、N−o−クロロフェニルマレイミド、N−tert−
ブチルマレイミド等のN−置換マレイミド化合物、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル
化合物が挙げられ、それらは単独または併用して用いら
れる。また、多官能性単量体として、メタクリル酸アリ
ル、アクリル酸アリル、シアヌル酸トリアリル、桂皮酸
アリル、ソルビン酸アリル、マレイン酸ジアリル、フタ
ル酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、フマル酸ジ
アリル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビ
ニルベンゼン、 1,3−ブチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート等の多官能性単量体が挙げられ、それらは単
独または併用して用いられる。
量体単位としては、以下に示すものが用いられる。メタ
クリル酸エステルとして、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ベン
ジル、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げられ、それ
らは単独または併用して用いられるが、好ましくはメタ
クリル酸メチルである。共重合可能な他の単量体とし
て、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸
シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸エ
ステル、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレ
ン等の芳香族ビニル化合物、N−シクロヘキシルマレイ
ミド、N−o−クロロフェニルマレイミド、N−tert−
ブチルマレイミド等のN−置換マレイミド化合物、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル
化合物が挙げられ、それらは単独または併用して用いら
れる。また、多官能性単量体として、メタクリル酸アリ
ル、アクリル酸アリル、シアヌル酸トリアリル、桂皮酸
アリル、ソルビン酸アリル、マレイン酸ジアリル、フタ
ル酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、フマル酸ジ
アリル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビ
ニルベンゼン、 1,3−ブチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート等の多官能性単量体が挙げられ、それらは単
独または併用して用いられる。
【0011】また、多層構造重合体の軟質層を構成する
単量体単位としては、以下に示すものが用いられる。ア
クリル酸エステルとして、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチル
ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベン
ジル等が挙げられ、それらは単独または併用して用いら
れるが、好ましくはアクリル酸ブチル、アクリル酸−2
−エチルヘキシルである。共重合可能な他の単量体とし
て、1,3 −ブタジエン、2,3 −ジメチルブタジエン、イ
ソプレン等のジエン系化合物、スチレン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキ
シル等のメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物が挙げら
れ、それらは単独または併用して用いられる。また、多
官能性単量体として、メタクリル酸アリル、アクリル酸
アリル、シアヌル酸トリアリル、桂皮酸アリル、ソルビ
ン酸アリル、マレイン酸ジアリル、フタル酸ジアリル、
トリメリット酸トリアリル、フマル酸ジアリル、エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、
1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の
多官能性単量体が挙げられ、それらは単独または併用し
て用いられる。
単量体単位としては、以下に示すものが用いられる。ア
クリル酸エステルとして、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチル
ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベン
ジル等が挙げられ、それらは単独または併用して用いら
れるが、好ましくはアクリル酸ブチル、アクリル酸−2
−エチルヘキシルである。共重合可能な他の単量体とし
て、1,3 −ブタジエン、2,3 −ジメチルブタジエン、イ
ソプレン等のジエン系化合物、スチレン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキ
シル等のメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物が挙げら
れ、それらは単独または併用して用いられる。また、多
官能性単量体として、メタクリル酸アリル、アクリル酸
アリル、シアヌル酸トリアリル、桂皮酸アリル、ソルビ
ン酸アリル、マレイン酸ジアリル、フタル酸ジアリル、
トリメリット酸トリアリル、フマル酸ジアリル、エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、
1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の
多官能性単量体が挙げられ、それらは単独または併用し
て用いられる。
【0012】乳化重合法によって得られる多層構造重合
体の粒子は、特に限定されないが0.01〜0.5μの
粒子径範囲に変わりうる。耐衝撃性発現のために好まし
くは0.05〜0.3μである。
体の粒子は、特に限定されないが0.01〜0.5μの
粒子径範囲に変わりうる。耐衝撃性発現のために好まし
くは0.05〜0.3μである。
【0013】本発明における多層構造重合体は、公知の
乳化重合法により製造される。多層構造重合体の製造方
法としては、先ず所望の単量体混合物を乳化重合させて
芯粒子をつくった後、他の単量体混合物をその芯粒子の
存在下において乳化重合させて周りに殻をつくる。次い
で芯と殻からなる該粒子の存在下においてさらに他の単
量体混合物を乳化重合させて別の殻をつくる。この様な
反応を繰り返して所望の多層構造重合体を得る。
乳化重合法により製造される。多層構造重合体の製造方
法としては、先ず所望の単量体混合物を乳化重合させて
芯粒子をつくった後、他の単量体混合物をその芯粒子の
存在下において乳化重合させて周りに殻をつくる。次い
で芯と殻からなる該粒子の存在下においてさらに他の単
量体混合物を乳化重合させて別の殻をつくる。この様な
反応を繰り返して所望の多層構造重合体を得る。
【0014】乳化重合に使用される乳化剤の種類と量
は、重合系の安定性、目的とする粒子径等によって選択
されるが、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、
ノニオン界面活性剤等の公知の乳化剤を単独または併用
して用いることができる。特にアニオン界面活性剤が好
ましく用いられる。アニオン界面活性剤としては、ステ
アリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、N−ラ
ウロイルザルコシン酸ナトリウム等のカルボン酸塩、ジ
オクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩、ラウリル硫酸
ナトリウム等の硫酸エステル塩、モノ−n−ブチルフェ
ニルペンタオキシエチレンリン酸ナトリウム等のリン酸
エステル塩等が挙げられる。
は、重合系の安定性、目的とする粒子径等によって選択
されるが、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、
ノニオン界面活性剤等の公知の乳化剤を単独または併用
して用いることができる。特にアニオン界面活性剤が好
ましく用いられる。アニオン界面活性剤としては、ステ
アリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、N−ラ
ウロイルザルコシン酸ナトリウム等のカルボン酸塩、ジ
オクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩、ラウリル硫酸
ナトリウム等の硫酸エステル塩、モノ−n−ブチルフェ
ニルペンタオキシエチレンリン酸ナトリウム等のリン酸
エステル塩等が挙げられる。
【0015】乳化重合に使用される重合開始剤としても
特に限定されないが、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニ
ウム等の無機過酸化物、過酸化水素−第ー鉄塩系、過硫
酸カリウム−酸性亜硫酸ナトリウム系、過硫酸アンモニ
ウム−酸性亜硫酸ナトリウム系等の水溶性レドックス系
開始剤、クメンハイドロパ−オキシド−ナトリウムホル
ムアルデヒドスルホキシレ−ト系、tert−ブチルハイド
ロパ−オキシド−ナトリウムホルムアルデヒドスルホキ
シレ−ト系等の水溶、油溶レドックス系の開始剤が用い
られる。
特に限定されないが、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニ
ウム等の無機過酸化物、過酸化水素−第ー鉄塩系、過硫
酸カリウム−酸性亜硫酸ナトリウム系、過硫酸アンモニ
ウム−酸性亜硫酸ナトリウム系等の水溶性レドックス系
開始剤、クメンハイドロパ−オキシド−ナトリウムホル
ムアルデヒドスルホキシレ−ト系、tert−ブチルハイド
ロパ−オキシド−ナトリウムホルムアルデヒドスルホキ
シレ−ト系等の水溶、油溶レドックス系の開始剤が用い
られる。
【0016】また、必要に応じて用いられる連鎖移動剤
としては、n−ドデシルメルカプタン、n−ラウリルメ
ルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、sec−ブ
チルメルカプタン等が挙げられる。
としては、n−ドデシルメルカプタン、n−ラウリルメ
ルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、sec−ブ
チルメルカプタン等が挙げられる。
【0017】乳化重合において、単量体、乳化剤、開始
剤、連鎖移動剤等は、一括添加法、分割添加法、連続添
加法等公知の任意の方法で添加されてよい。
剤、連鎖移動剤等は、一括添加法、分割添加法、連続添
加法等公知の任意の方法で添加されてよい。
【0018】本発明のアクリル系重合体凝固組成物は、
少なくとも一種のメタクリル酸エステル単位50〜10
0重量%、これと共重合可能な他の単量体単位0〜50
重量%からなる乳化重合法によって得られた硬質重合体
のラテックスと、乳化重合法によって得られた前記多層
構造重合体のラテックスとの混合物が凍結凝固されたア
クリル系重合体凝固組成物(以下、凝固組成物という場
合がある)である。この凝固組成物の硬質重合体を構成
するメタクリル酸エステルおよび共重合可能な他の単量
体単位としては、前記多層構造重合体の硬質層と同様の
ものが使用可能である。またこの硬質重合体は、成形加
工性を良くするために分子量を調整することが好まし
く、この調整はメルカプタン等の連鎖移動剤を用いて行
うことができる。この凝固組成物の平均粒子径は前記凝
固物と同様の理由で、20〜2000μであることが好
ましい。
少なくとも一種のメタクリル酸エステル単位50〜10
0重量%、これと共重合可能な他の単量体単位0〜50
重量%からなる乳化重合法によって得られた硬質重合体
のラテックスと、乳化重合法によって得られた前記多層
構造重合体のラテックスとの混合物が凍結凝固されたア
クリル系重合体凝固組成物(以下、凝固組成物という場
合がある)である。この凝固組成物の硬質重合体を構成
するメタクリル酸エステルおよび共重合可能な他の単量
体単位としては、前記多層構造重合体の硬質層と同様の
ものが使用可能である。またこの硬質重合体は、成形加
工性を良くするために分子量を調整することが好まし
く、この調整はメルカプタン等の連鎖移動剤を用いて行
うことができる。この凝固組成物の平均粒子径は前記凝
固物と同様の理由で、20〜2000μであることが好
ましい。
【0019】この凝固組成物は、乳化重合法によって得
られた多層構造重合体と、乳化重合法によって得られた
硬質重合体とがラテックス状態で混合された凝固組成物
であるので、凝固物を得た後に混合したものと比較して
混合状態をより均一にできるという利点を有する。この
ことにより、それからなる成形物は相互の分散性が向上
するのに加えて耐衝撃性も向上する。
られた多層構造重合体と、乳化重合法によって得られた
硬質重合体とがラテックス状態で混合された凝固組成物
であるので、凝固物を得た後に混合したものと比較して
混合状態をより均一にできるという利点を有する。この
ことにより、それからなる成形物は相互の分散性が向上
するのに加えて耐衝撃性も向上する。
【0020】本発明の凝固組成物においては、性状の優
れた凍結凝固物であることに最も特徴を有する。これに
対して噴霧乾燥法、酸や塩添加法により凝固されたもの
では、乾燥等の取扱性が悪く、なおかつ押出成形時の押
出安定性が劣るので本発明においては使用できない。
れた凍結凝固物であることに最も特徴を有する。これに
対して噴霧乾燥法、酸や塩添加法により凝固されたもの
では、乾燥等の取扱性が悪く、なおかつ押出成形時の押
出安定性が劣るので本発明においては使用できない。
【0021】本発明において、ラテックス、凍結凝固、
凝固物は以下のように定義される。
凝固物は以下のように定義される。
【0022】ラテックスとは、乳化重合法によって得ら
れ、その表面が界面活性剤等によって保護されている
0.01〜0.5μ程度の直径を有する球状重合体粒子
が水に分散したものである。
れ、その表面が界面活性剤等によって保護されている
0.01〜0.5μ程度の直径を有する球状重合体粒子
が水に分散したものである。
【0023】凍結凝固とは、乳化重合法によって得られ
たラテックスを凍結することにより、多層構造重合体な
どの粒子を凝集、圧着することによって凝固させて乳化
状態を破壊し、ラテックス中から重合体を分離すること
である。
たラテックスを凍結することにより、多層構造重合体な
どの粒子を凝集、圧着することによって凝固させて乳化
状態を破壊し、ラテックス中から重合体を分離すること
である。
【0024】凝固物とは、乳化重合法によって得られた
多層構造重合体の球状粒子が、ラテックスの凍結によっ
て凝集、圧着され、凍結後、融解ついで脱水してラテッ
クスから分離された十数μ〜数千μの粒径を有する固形
物をいう。
多層構造重合体の球状粒子が、ラテックスの凍結によっ
て凝集、圧着され、凍結後、融解ついで脱水してラテッ
クスから分離された十数μ〜数千μの粒径を有する固形
物をいう。
【0025】本発明の凝固組成物は前記のように種々粒
子径をとりうるが、平均粒子径が、20〜2000μ、
さらには50〜1000μであることが好ましい。20
μ未満であると濾過するときの分離性が悪くなり、20
00μを越えると溶融混練時の分散性が悪くなる。その
凝固組成物の平均粒子径が20〜2000μであること
によりその取扱性が非常に向上する。
子径をとりうるが、平均粒子径が、20〜2000μ、
さらには50〜1000μであることが好ましい。20
μ未満であると濾過するときの分離性が悪くなり、20
00μを越えると溶融混練時の分散性が悪くなる。その
凝固組成物の平均粒子径が20〜2000μであること
によりその取扱性が非常に向上する。
【0026】本発明における凍結凝固は、以下に示すよ
うなメカニズムで進行すると考えられる。ラテックスを
水の凝固点以下に冷却すると水相に氷晶が発生し、球状
重合体粒子及び水相に溶解していた水溶性物質を排除し
ながら成長する。球状重合体粒子は氷晶間に閉じ込めら
れ、水溶性物質もそこに濃縮され濃度が飽和値に達する
と沈澱する。氷晶の成長とともに球状重合体粒子は次第
に圧着される。さらに温度が低下すると、水溶性物質の
濃縮水溶液が凍結する。凍結の進行にともない、裸の球
状重合体粒子が圧縮され強固に圧着される。この段階を
経たラテックスを融解すると、球状重合体粒子の圧着は
破壊されず凝固組成物として水相から分離される。
うなメカニズムで進行すると考えられる。ラテックスを
水の凝固点以下に冷却すると水相に氷晶が発生し、球状
重合体粒子及び水相に溶解していた水溶性物質を排除し
ながら成長する。球状重合体粒子は氷晶間に閉じ込めら
れ、水溶性物質もそこに濃縮され濃度が飽和値に達する
と沈澱する。氷晶の成長とともに球状重合体粒子は次第
に圧着される。さらに温度が低下すると、水溶性物質の
濃縮水溶液が凍結する。凍結の進行にともない、裸の球
状重合体粒子が圧縮され強固に圧着される。この段階を
経たラテックスを融解すると、球状重合体粒子の圧着は
破壊されず凝固組成物として水相から分離される。
【0027】ところが、重合体の種類や凍結条件により
生成する凝固組成物およびそれから得られる成形物の性
質はかなり異なり、取扱性、耐衝撃性、光学特性、耐熱
水性等に優れた性質のものが、凍結凝固法により必ずし
も得られるとは限らない。特定の多層構造重合体と凍結
凝固法、好ましくは特定の凍結条件とを組み合わせるこ
とにより、球状重合体粒子の適度な圧着性、凝固物の適
度な粒径、乳化剤等の不純物の洗浄し易さが得られ、本
発明の目的が初めて達成される。
生成する凝固組成物およびそれから得られる成形物の性
質はかなり異なり、取扱性、耐衝撃性、光学特性、耐熱
水性等に優れた性質のものが、凍結凝固法により必ずし
も得られるとは限らない。特定の多層構造重合体と凍結
凝固法、好ましくは特定の凍結条件とを組み合わせるこ
とにより、球状重合体粒子の適度な圧着性、凝固物の適
度な粒径、乳化剤等の不純物の洗浄し易さが得られ、本
発明の目的が初めて達成される。
【0028】本発明の凝固組成物の製造において、その
凍結方法としては公知の空気凍結法、接触凍結法、浸漬
凍結法、噴霧凍結法等が用いられるが、その場合4cm/
hr以下の速度で凍結することが好ましい。この条件をと
ることにより、後工程での取扱性や押出安定性がより向
上する。重合体ラテックス温度が0℃になった時を凍結
開始、重合体ラテックス温度が−5℃になった時を凍結
終了とし、その間の時間を凍結時間と定め、単位凍結時
間当りに重合体ラテックスが凍結した厚さを凍結速度と
する。凍結後の融解は40℃〜100℃で行い、得られ
た重合体を0℃〜100℃の水または温水で水洗するこ
とがより好ましい。
凍結方法としては公知の空気凍結法、接触凍結法、浸漬
凍結法、噴霧凍結法等が用いられるが、その場合4cm/
hr以下の速度で凍結することが好ましい。この条件をと
ることにより、後工程での取扱性や押出安定性がより向
上する。重合体ラテックス温度が0℃になった時を凍結
開始、重合体ラテックス温度が−5℃になった時を凍結
終了とし、その間の時間を凍結時間と定め、単位凍結時
間当りに重合体ラテックスが凍結した厚さを凍結速度と
する。凍結後の融解は40℃〜100℃で行い、得られ
た重合体を0℃〜100℃の水または温水で水洗するこ
とがより好ましい。
【0029】本発明のアクリル系重合体組成物は、アク
リル系重合体凝固組成物1〜99重量%と、メタクリル
酸メチル単位50〜100重量%、これと共重合可能な
他の単量体単位0〜50重量%からなる、単独または共
重合体1〜99重量%とから構成されるアクリル系重合
体組成物(以下、重合体組成物という場合がある)であ
る。その配合割合としては、耐衝撃性、光学特性、耐候
性、耐熱性等にバランスのとれた性質を得るために、前
者が5〜70重量%、後者が30〜95重量%であるこ
とが好ましい。
リル系重合体凝固組成物1〜99重量%と、メタクリル
酸メチル単位50〜100重量%、これと共重合可能な
他の単量体単位0〜50重量%からなる、単独または共
重合体1〜99重量%とから構成されるアクリル系重合
体組成物(以下、重合体組成物という場合がある)であ
る。その配合割合としては、耐衝撃性、光学特性、耐候
性、耐熱性等にバランスのとれた性質を得るために、前
者が5〜70重量%、後者が30〜95重量%であるこ
とが好ましい。
【0030】上記後者の単独または共重合体において、
共重合可能な他の単量体単位としては、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベン
ジル等のメタクリル酸エステル、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル等のアクリル酸エステル、スチレン、ビ
ニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化
合物、N−シクロヘキシルマレイミド、N−o−クロロ
フェニルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド等の
N−置換マレイミド化合物、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等のシアン化ビニル化合物が挙げられ、そ
れらは単独または併用して用いられる。また、この単独
または共重合体は、成形加工性を良くするために分子量
を調整することが好ましく、この調整はメルカプタン等
の連鎖移動剤を用いて行うことができる。この単独また
は共重合体は公知の懸濁重合、溶液重合、乳化重合、塊
状重合等により得られる。
共重合可能な他の単量体単位としては、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベン
ジル等のメタクリル酸エステル、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル等のアクリル酸エステル、スチレン、ビ
ニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化
合物、N−シクロヘキシルマレイミド、N−o−クロロ
フェニルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド等の
N−置換マレイミド化合物、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等のシアン化ビニル化合物が挙げられ、そ
れらは単独または併用して用いられる。また、この単独
または共重合体は、成形加工性を良くするために分子量
を調整することが好ましく、この調整はメルカプタン等
の連鎖移動剤を用いて行うことができる。この単独また
は共重合体は公知の懸濁重合、溶液重合、乳化重合、塊
状重合等により得られる。
【0031】従来、弾性を有するゴム相をブレンドした
組成物によりアクリル系樹脂等の耐衝撃性を改善する場
合、その基体樹脂が本来有する諸特性を著しく低下させ
るという欠点を有していたが、本発明のアクリル系重合
体組成物によれば、アクリル系樹脂が本来有する光学特
性、耐熱水性、耐候性等の諸特性をあまり低下させるこ
となく、その樹脂の耐衝撃性を向上させることができる
ので、使用範囲が拡大される。
組成物によりアクリル系樹脂等の耐衝撃性を改善する場
合、その基体樹脂が本来有する諸特性を著しく低下させ
るという欠点を有していたが、本発明のアクリル系重合
体組成物によれば、アクリル系樹脂が本来有する光学特
性、耐熱水性、耐候性等の諸特性をあまり低下させるこ
となく、その樹脂の耐衝撃性を向上させることができる
ので、使用範囲が拡大される。
【0032】本発明のアクリル系重合体組成物におい
て、ブレンドする方法は特に限定されないが、ヘンシェ
ルミキサー等で混合後、押出機を用いて200〜300
℃で溶融混練する等の公知の方法で製造することができ
る。
て、ブレンドする方法は特に限定されないが、ヘンシェ
ルミキサー等で混合後、押出機を用いて200〜300
℃で溶融混練する等の公知の方法で製造することができ
る。
【0033】本発明において、前記アクリル系重合体凝
固組成物を塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂等の合成
樹脂の改質に使用することもできる。その場合、基体樹
脂が本来有する光学特性等の諸特性をあまり低下させる
ことなく、それらの樹脂の耐衝撃性を向上させることが
できる。その際、前記アクリル系重合体凝固物および/
または前記凝固組成物1〜80重量%と、スチレン単
位、塩化ビニル単位、アクリロニトリル単位の少なくと
も一種の50〜100重量%、これらと共重合可能な他
の単量体単位0〜50重量%からなる、単独または共重
合体20〜99重量%とから構成される組成物が有効で
ある。上記後者の単独または共重合体において、共重合
可能な他の単量体単位としては、アクリル系重合体組成
物に使用する共重合体と同様のものが使用でき、単独ま
たは共重合体は公知の懸濁重合、溶液重合、乳化重合、
塊状重合等により得られる。
固組成物を塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂等の合成
樹脂の改質に使用することもできる。その場合、基体樹
脂が本来有する光学特性等の諸特性をあまり低下させる
ことなく、それらの樹脂の耐衝撃性を向上させることが
できる。その際、前記アクリル系重合体凝固物および/
または前記凝固組成物1〜80重量%と、スチレン単
位、塩化ビニル単位、アクリロニトリル単位の少なくと
も一種の50〜100重量%、これらと共重合可能な他
の単量体単位0〜50重量%からなる、単独または共重
合体20〜99重量%とから構成される組成物が有効で
ある。上記後者の単独または共重合体において、共重合
可能な他の単量体単位としては、アクリル系重合体組成
物に使用する共重合体と同様のものが使用でき、単独ま
たは共重合体は公知の懸濁重合、溶液重合、乳化重合、
塊状重合等により得られる。
【0034】本発明は、また前記凝固組成物、前記重合
体組成物等を用いて加熱成形された成形物に関するもの
である。
体組成物等を用いて加熱成形された成形物に関するもの
である。
【0035】本発明における成形物とは、成形材料、シ
ート、フィルム等であり、さらには、射出成形された物
品、およびシート、フィルムの熱加工品等も含まれる。
ート、フィルム等であり、さらには、射出成形された物
品、およびシート、フィルムの熱加工品等も含まれる。
【0036】本発明の成形物は、前記凝固組成物、前記
重合体組成物のうちの単独から、またはアクリル系重合
体凝固物、前記凝固組成物、前記重合体組成物のうちの
混合物からなり、イエローインデックス(YI)が次式
を満足するものが好ましい。
重合体組成物のうちの単独から、またはアクリル系重合
体凝固物、前記凝固組成物、前記重合体組成物のうちの
混合物からなり、イエローインデックス(YI)が次式
を満足するものが好ましい。
【0037】YI≦0.035X+2.0[ ただし、Xは成形物中の多層構造重合体の割合(重量
%)である。]
%)である。]
【0038】本発明において、前記凝固組成物等を用
い、かつ前記YIの条件を満足することにより、耐衝撃
性、光学特性、耐熱水性に優れた成形物が得られる。従
来の成形物では、耐衝撃性、光学特性、耐熱水性を同時
に満足する優れた成形物を得ることが困難である。ま
た、前記の材料を用いた成形物であっても、イエローイ
ンデックスが上式を満足しないと、成形加工により着色
の増加も大きくなり、使用範囲が限定される恐れがあ
る。イエローインデックスは、板厚3mmの成形物をA
STM−D1925に示された方法で測定した。本発明
における成形物は、射出成形、押出成形、プレス成形、
真空成形等の公知の方法で製造される。現在市販されて
いる成形用材料は、染料を添加して補色したり、安定剤
を添加して黄着色を抑制しているのが現状であるが、本
発明によればそのような添加剤の添加は特に必要としな
い。また、耐熱水性の改善により浴室用品等への使用範
囲が広がり、さらに耐候性も向上する。
い、かつ前記YIの条件を満足することにより、耐衝撃
性、光学特性、耐熱水性に優れた成形物が得られる。従
来の成形物では、耐衝撃性、光学特性、耐熱水性を同時
に満足する優れた成形物を得ることが困難である。ま
た、前記の材料を用いた成形物であっても、イエローイ
ンデックスが上式を満足しないと、成形加工により着色
の増加も大きくなり、使用範囲が限定される恐れがあ
る。イエローインデックスは、板厚3mmの成形物をA
STM−D1925に示された方法で測定した。本発明
における成形物は、射出成形、押出成形、プレス成形、
真空成形等の公知の方法で製造される。現在市販されて
いる成形用材料は、染料を添加して補色したり、安定剤
を添加して黄着色を抑制しているのが現状であるが、本
発明によればそのような添加剤の添加は特に必要としな
い。また、耐熱水性の改善により浴室用品等への使用範
囲が広がり、さらに耐候性も向上する。
【0039】本発明のアクリル系重合体凝固組成物、ア
クリル系重合体組成物および成形物には、必要に応じて
滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止
剤、可塑剤、染顔料、帯電防止剤、難燃剤等を加えるこ
ともできる。
クリル系重合体組成物および成形物には、必要に応じて
滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止
剤、可塑剤、染顔料、帯電防止剤、難燃剤等を加えるこ
ともできる。
【0040】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説
明する。実施例に示した諸特性の測定は下記の方法に従
って実施した。 (1)凝固物、凝固組成物または固形物を乾燥した時の
融着、ブロック化;凝固物、凝固組成物または固形物を
棚段式熱風乾燥機中で80℃、10時間乾燥し、融着、
ブロック化を起こすかどうかを調べ、次のように表に示
した。
明する。実施例に示した諸特性の測定は下記の方法に従
って実施した。 (1)凝固物、凝固組成物または固形物を乾燥した時の
融着、ブロック化;凝固物、凝固組成物または固形物を
棚段式熱風乾燥機中で80℃、10時間乾燥し、融着、
ブロック化を起こすかどうかを調べ、次のように表に示
した。
【0041】×…融着、ブロック化を起こした。
【0042】○…融着、ブロック化を起こさなかった。 (2)凝固物、凝固組成物または固形物の平均粒子径の
測定法;顕微鏡を用いて200個以上の凝固物、凝固組
成物または固形物の粒子径を測定し、数平均粒子径を求
めた。 (3)押出安定性の評価;凝固物、凝固組成物または固
形物とアクリル樹脂ビーズ(パラペットEH用ビーズ:
(株)クラレ製)を1対1の割合で混合し、50φのシ
ート押出機を用いてシリンダー温度250℃で溶融混練
して3mm板厚のシートを得る時の押出安定性を調べ、次
のように示した。
測定法;顕微鏡を用いて200個以上の凝固物、凝固組
成物または固形物の粒子径を測定し、数平均粒子径を求
めた。 (3)押出安定性の評価;凝固物、凝固組成物または固
形物とアクリル樹脂ビーズ(パラペットEH用ビーズ:
(株)クラレ製)を1対1の割合で混合し、50φのシ
ート押出機を用いてシリンダー温度250℃で溶融混練
して3mm板厚のシートを得る時の押出安定性を調べ、次
のように示した。
【0043】良好……サージングを起こさず、良好なシ
ートが得られた。
ートが得られた。
【0044】不安定…サージングを起こし易く、良好な
シートが得られにくかった。 (4)アイゾット衝撃強度;ASTM-D256 (5)耐熱水性の評価;3mm板厚の平板サンプルを80
℃の熱水中に2時間浸漬し、ASTM-D1003によりヘイズ値
を測定してヘイズ値の変化量(Δヘイズ)を測定した。 (6)全光線透過率;ASTM-D1003(3mm板厚) (7)イエローインデックス;ASTM-D1925(3mm板厚) (8)濾過性;直径11cmのTOYO ROSHI Co.製、No2濾
紙を用い、20mmHg減圧下で29重量%の固形分をを含
む500ミリリットルの凍結融解液を濾過し、濾過に要
する時間により濾過性を評価した。
シートが得られにくかった。 (4)アイゾット衝撃強度;ASTM-D256 (5)耐熱水性の評価;3mm板厚の平板サンプルを80
℃の熱水中に2時間浸漬し、ASTM-D1003によりヘイズ値
を測定してヘイズ値の変化量(Δヘイズ)を測定した。 (6)全光線透過率;ASTM-D1003(3mm板厚) (7)イエローインデックス;ASTM-D1925(3mm板厚) (8)濾過性;直径11cmのTOYO ROSHI Co.製、No2濾
紙を用い、20mmHg減圧下で29重量%の固形分をを含
む500ミリリットルの凍結融解液を濾過し、濾過に要
する時間により濾過性を評価した。
【0045】 △…濾過時間5分以上 ○…濾過時間5分未満
【0046】また、実施例、比較例、参考例中に用いた
略称を以下に示す。メタクリル酸メチル(MMA)、ア
クリル酸メチル(MA)、アクリル酸ブチル(BA)、
スチレン(ST)、メタクリル酸アリル(ALMA)、
n−オクチルメルカプタン(n−OM)、ステアリン酸
ナトリウム(SS)、ラウロイルザルコシン酸ナトリウ
ム(LSS)部は重量部、%は重量%を表す。
略称を以下に示す。メタクリル酸メチル(MMA)、ア
クリル酸メチル(MA)、アクリル酸ブチル(BA)、
スチレン(ST)、メタクリル酸アリル(ALMA)、
n−オクチルメルカプタン(n−OM)、ステアリン酸
ナトリウム(SS)、ラウロイルザルコシン酸ナトリウ
ム(LSS)部は重量部、%は重量%を表す。
【0047】参考例1 還流冷却器付反応容器に、イオン交換水250部、SS
1.0部、MMA29.4部、MA0.6部、ALMA
0.15部を投入した。ついで10%過硫酸カリウム水
溶液0.3部を投入し、80℃に昇温し60分保持し
た。
1.0部、MMA29.4部、MA0.6部、ALMA
0.15部を投入した。ついで10%過硫酸カリウム水
溶液0.3部を投入し、80℃に昇温し60分保持し
た。
【0048】ついでこのラテックスの存在下に、10%
過硫酸カリウム水溶液0.5部を投入し、BA40.7
部、ST9.3部、ALMA0.25部からなる単量体
混合物を60分かけて連続的に添加し、添加終了後30
分間保持した。
過硫酸カリウム水溶液0.5部を投入し、BA40.7
部、ST9.3部、ALMA0.25部からなる単量体
混合物を60分かけて連続的に添加し、添加終了後30
分間保持した。
【0049】ついでこのラテックスの存在下に、10%
過硫酸カリウム水溶液0.2部を投入し、MMA19.
6部、MA0.4部、n−OM0.06部からなる単量
体混合物を30分かけて連続的に添加し、添加終了後6
0分間保持して三層構造重合体ラテックスを得た。
過硫酸カリウム水溶液0.2部を投入し、MMA19.
6部、MA0.4部、n−OM0.06部からなる単量
体混合物を30分かけて連続的に添加し、添加終了後6
0分間保持して三層構造重合体ラテックスを得た。
【0050】得られたラテックスをステンレス製容器に
高さ6cmになるように入れ、冷凍庫中、−20℃の温度
条件下で凍結させた。ラテックス中に熱伝対を入れて温
度変化を測定した結果、0℃に達してから−5℃を通過
するのに、6時間要した。すなわち凍結速度は1cm/hr
であった。温度が−5℃を通過した後、さらに2時間冷
却して凍結されたラテックスを取り出した。
高さ6cmになるように入れ、冷凍庫中、−20℃の温度
条件下で凍結させた。ラテックス中に熱伝対を入れて温
度変化を測定した結果、0℃に達してから−5℃を通過
するのに、6時間要した。すなわち凍結速度は1cm/hr
であった。温度が−5℃を通過した後、さらに2時間冷
却して凍結されたラテックスを取り出した。
【0051】この凍結されたラテックスを70℃の温度
条件で融解した後、濾別して重合体を分離した。さらに
70℃温水で水洗脱水を3回繰り返した後、80℃−1
0時間乾燥した。融着、ブロック化は起こさず、サラサ
ラした凝固物が得られ、その平均粒子径は200μだっ
た。
条件で融解した後、濾別して重合体を分離した。さらに
70℃温水で水洗脱水を3回繰り返した後、80℃−1
0時間乾燥した。融着、ブロック化は起こさず、サラサ
ラした凝固物が得られ、その平均粒子径は200μだっ
た。
【0052】得られた乾燥後の凝固物とアクリル樹脂ビ
ーズ(パラペットEH用ビーズ:(株)クラレ製)を1
対1の割合で混合し、50φのシート押出機を用いてシ
リンダー温度250℃で溶融混練し、3mm板厚のシート
を得た。このとき、サージングを起こさず良好な押出安
定性を示した。これらの結果を表1に示す。
ーズ(パラペットEH用ビーズ:(株)クラレ製)を1
対1の割合で混合し、50φのシート押出機を用いてシ
リンダー温度250℃で溶融混練し、3mm板厚のシート
を得た。このとき、サージングを起こさず良好な押出安
定性を示した。これらの結果を表1に示す。
【0053】参考例2 参考例 1で得た最終ラテックスを、その2倍量の1%塩
化アルミニウム水溶液を用い、70℃の温度条件で塩析
凝集した。ついで70℃温水で水洗脱水を3回繰り返し
た後80℃−10時間乾燥した。重合体は融着、ブロッ
ク化を起こしていたので、条件を60℃−15時間に変
更して乾燥した。得られた固形物の平均粒子径は20μ
であった。
化アルミニウム水溶液を用い、70℃の温度条件で塩析
凝集した。ついで70℃温水で水洗脱水を3回繰り返し
た後80℃−10時間乾燥した。重合体は融着、ブロッ
ク化を起こしていたので、条件を60℃−15時間に変
更して乾燥した。得られた固形物の平均粒子径は20μ
であった。
【0054】得られた乾燥後の固形物とアクリル樹脂ビ
ーズ(パラペットEH用ビーズ:(株)クラレ製)を1
対1の割合で混合し、50φのシート押出機を用いてシ
リンダー温度250℃で溶融混練し、3mm板厚のシート
を得た。このとき、サージングを起こし易く、良好なシ
ートが得られにくかった。これらの結果を表1に示す。
ーズ(パラペットEH用ビーズ:(株)クラレ製)を1
対1の割合で混合し、50φのシート押出機を用いてシ
リンダー温度250℃で溶融混練し、3mm板厚のシート
を得た。このとき、サージングを起こし易く、良好なシ
ートが得られにくかった。これらの結果を表1に示す。
【0055】参考例3 1 %硫酸水溶液を用いた以外は、参考例2と同様に評価
した結果を表1に示す。
した結果を表1に示す。
【0056】参考例4 参考例 1で得た最終ラテックスを、流入熱風温度170
℃の噴霧乾燥機中に噴霧して重合体を乾燥、分離した。
得られた固形物は微粉末状をしていた。得られた乾燥後
の固形物とアクリル樹脂ビーズ(パラペットEH用ビー
ズ:(株)クラレ製)を1対1の割合で混合し、50φ
のシート押出機を用いてシリンダー温度250℃で溶融
混練し、3mm板厚のシートを得た。このとき、サージン
グを起こし易く、良好なシートが得られにくかった。こ
れらの結果を表1に示す。
℃の噴霧乾燥機中に噴霧して重合体を乾燥、分離した。
得られた固形物は微粉末状をしていた。得られた乾燥後
の固形物とアクリル樹脂ビーズ(パラペットEH用ビー
ズ:(株)クラレ製)を1対1の割合で混合し、50φ
のシート押出機を用いてシリンダー温度250℃で溶融
混練し、3mm板厚のシートを得た。このとき、サージン
グを起こし易く、良好なシートが得られにくかった。こ
れらの結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】参考例5〜8 参考例 1で得られた最終ラテックスを用い、凍結条件を
変えて凍結凝固した。その凍結されたラテックスを70
℃の温度条件で融解した後、濾別して重合体を分離し、
濾過性を調べた。また、これらの濾液を厚さ1cmガラス
製セルに入れ、波長600nm光の光線透過率を測定し
た。これ以外は参考例1と同様に操作して評価した結果
を表2に示す。
変えて凍結凝固した。その凍結されたラテックスを70
℃の温度条件で融解した後、濾別して重合体を分離し、
濾過性を調べた。また、これらの濾液を厚さ1cmガラス
製セルに入れ、波長600nm光の光線透過率を測定し
た。これ以外は参考例1と同様に操作して評価した結果
を表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】実施例1 還流冷却器付反応容器に、イオン交換水250部、LS
S1.0部、MMA47部、MA3部、n−OM 0.
15部を投入した。ついで10%過硫酸カリウム水溶液
0.5部を投入し、80℃に昇温し90分間保持した。
S1.0部、MMA47部、MA3部、n−OM 0.
15部を投入した。ついで10%過硫酸カリウム水溶液
0.5部を投入し、80℃に昇温し90分間保持した。
【0061】ついで10%過硫酸カリウム水溶液0.5
部を投入した後、MMA47部、MA3部、n−OM
0.15部からなる単量体混合物を30分かけて連続的
に添加し、添加終了後60分間保持して重合体ラテック
スを得た。
部を投入した後、MMA47部、MA3部、n−OM
0.15部からなる単量体混合物を30分かけて連続的
に添加し、添加終了後60分間保持して重合体ラテック
スを得た。
【0062】このラテックスと参考例1で得たラテック
スを1対1の割合で混合した。 得られた混合ラテックス
をステンレス製容器に高さ6cmになるように入れ、冷凍
庫中、−20℃の温度条件下で凍結させた。ラテックス
中に熱伝対を入れて温度を測定した結果、0℃に達して
から−5℃を通過するのに、6時間要した。すなわち凍
結速度は1cm/hrであった。温度が−5℃を通過した
後、さらに2時間冷却して凍結された混合ラテックスを
取り出した。 この凍結された混合ラテックスを70℃の
温度条件で融解した後、濾別して重合体を分離した。さ
らに70℃温水で水洗脱水を3回繰り返した後、80℃
−10時間乾燥した。融着、ブロック化は起こさず、サ
ラサラした凝固組成物が得られ、その平均粒子径は20
0μだった。 得られた乾燥後の凝固組成物とアクリル樹
脂ビーズ(パラペットEH用ビーズ:(株)クラレ製)
を1対1の割合で混合し、50φのシート押出機を用い
てシリンダー温度250℃で溶融混練し、3mm板厚のシ
ートを得た。このとき、サージングを起こさず良好な押
出安定性を示した。これらの結果を表1に示す。
スを1対1の割合で混合した。 得られた混合ラテックス
をステンレス製容器に高さ6cmになるように入れ、冷凍
庫中、−20℃の温度条件下で凍結させた。ラテックス
中に熱伝対を入れて温度を測定した結果、0℃に達して
から−5℃を通過するのに、6時間要した。すなわち凍
結速度は1cm/hrであった。温度が−5℃を通過した
後、さらに2時間冷却して凍結された混合ラテックスを
取り出した。 この凍結された混合ラテックスを70℃の
温度条件で融解した後、濾別して重合体を分離した。さ
らに70℃温水で水洗脱水を3回繰り返した後、80℃
−10時間乾燥した。融着、ブロック化は起こさず、サ
ラサラした凝固組成物が得られ、その平均粒子径は20
0μだった。 得られた乾燥後の凝固組成物とアクリル樹
脂ビーズ(パラペットEH用ビーズ:(株)クラレ製)
を1対1の割合で混合し、50φのシート押出機を用い
てシリンダー温度250℃で溶融混練し、3mm板厚のシ
ートを得た。このとき、サージングを起こさず良好な押
出安定性を示した。これらの結果を表1に示す。
【0063】比較例1〜3 実施例1で得た混合ラテックスを用いた以外は、参考例
2、3、4と同様に操作して評価した結果を表1に示
す。
2、3、4と同様に操作して評価した結果を表1に示
す。
【0064】表1から明らかなように、凍結された凝固
組成物は良好な取扱性、押出安定性を示すことが分か
る。
組成物は良好な取扱性、押出安定性を示すことが分か
る。
【0065】実施例2 実施例1で得られた乾燥後の凝固組成物を40φの押出
機を用いてシリンダー温度250℃で溶融混練しペレッ
トを得た。このペレットを用いシリンダー温度250
℃、金型温度50℃で射出成形し、ASTM基準に基づ
いたアイゾット衝撃強度試験片と50×50×3mmの平
板を得た。この試験片を用いて諸特性を評価した結果を
表3に示す。
機を用いてシリンダー温度250℃で溶融混練しペレッ
トを得た。このペレットを用いシリンダー温度250
℃、金型温度50℃で射出成形し、ASTM基準に基づ
いたアイゾット衝撃強度試験片と50×50×3mmの平
板を得た。この試験片を用いて諸特性を評価した結果を
表3に示す。
【0066】比較例4〜6 比較例1、2、3で得られた乾燥後の固形物を用いた以
外は、それぞれ実施例2と同様に操作して評価した結果
を表3に示す。
外は、それぞれ実施例2と同様に操作して評価した結果
を表3に示す。
【0067】
【表3】
【0068】表3から明らかなように、凍結による凝固
組成物からなる成形物は他と比較して光学特性、耐熱水
性に優れ、かつ良好な耐衝撃性を有していることが分か
る。
組成物からなる成形物は他と比較して光学特性、耐熱水
性に優れ、かつ良好な耐衝撃性を有していることが分か
る。
【0069】
【発明の効果】本発明のアクリル系重合体凝固組成物お
よびアクリル系重合体組成物によれば、濾過、洗浄、乾
燥工程において著しく取扱い性が向上し、なおかつ押出
安定性も向上するので、後工程が非常に容易となり工業
上優れた効果を発揮する。また、熱着色が小さい等の光
学特性に著しく優れ、耐熱水性、耐衝撃性に優れた成形
物を得ることができるので、利用範囲が拡大する。
よびアクリル系重合体組成物によれば、濾過、洗浄、乾
燥工程において著しく取扱い性が向上し、なおかつ押出
安定性も向上するので、後工程が非常に容易となり工業
上優れた効果を発揮する。また、熱着色が小さい等の光
学特性に著しく優れ、耐熱水性、耐衝撃性に優れた成形
物を得ることができるので、利用範囲が拡大する。
フロントページの続き (72)発明者 大谷 三夫 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2番28号 株式会社クラレ内 審査官 油科 壮一 (56)参考文献 特開 昭49−71081(JP,A)
Claims (6)
- 【請求項1】 少なくとも一種のメタクリル酸エステル
単位50〜100重量%、これらと共重合可能な他の単
量体単位0〜50重量%からなる乳化重合法によって得
られた硬質重合体のラテックスと、最外層が、(1)少なくとも1種のメタクリル酸エステ
ル単位40〜100重量%、これらと共重合可能な他の
単量体単位0〜60重量%からなる層であって、該層を
単独で重合したときに25℃以上のガラス転移温度を有
する硬質層であり、内層の少なくとも一つが、(2)少
なくとも一種のアクリル酸エステル単位40〜99.9
重量%、これらと共重合可能な他の単量体単位0〜60
重量%、多官能性単量体単位0.1〜5重量%からなる
層であって、該層を単独で重合したときに25℃未満の
ガラス転移温度を有する軟質層である乳化重合法によっ
て得られた 多層構造重合体のラテックスとの混合物が凍
結凝固されていることを特徴とするアクリル系重合体凝
固組成物。 - 【請求項2】 少なくとも一種のメタクリル酸エステル
単位50〜100重量%、これらと共重合可能な他の単
量体単位0〜50重量%からなる硬質重合体のラテック
スを乳化重合法により製造し、そのラテックスと最外層
が、(1)少なくとも1種のメタクリル酸エステル単位
40〜100重量%、これらと共重合可能な他の単量体
単位0〜60重量%からなる層であって、該層を単独で
重合したときに25℃以上のガラス転移温度を有する硬
質層であり、内層の少なくとも一つが、(2)少なくと
も一種のアクリル酸エステル単位40〜99.9重量
%、これらと共重合可能な他の単量体単位0〜60重量
%、多官能性単量体単位0.1〜5重量%からなる層で
あって、該層を単独で重合したときに25℃未満のガラ
ス転移温度を有する軟質層である乳化重合法により製造
された多層構造重合体のラテックスとを混合し、その混
合ラテックスを凍結、融解ついで脱水することにより、
ラテックスから硬質重合体と多層構造重合体からなる重
合体組成物を分離することを特徴とするアクリル系重合
体凝固組成物の製造方法。 - 【請求項3】 メタクリル酸メチル単位50〜100重
量%、これと共重合可能な他の単量体単位0〜50重量
%からなる、単独または共重合体1〜99重量%と、請
求項1記載のアクリル系重合体凝固組成物99〜1重量
%とからなるアクリル系重合体組成物。 - 【請求項4】 平均粒子径が20〜2000μである、
請求項1記載のアクリル系重合体凝固組成物。 - 【請求項5】 4cm/hr以下の速度で凍結する、請求項
2記載のアクリル系重合体凝固組成物の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1記載のアクリル系重合体凝固組
成物、請求項3記載のアクリル系重合体組成物のうちの
単独またはそれらの混合物からなり、イエローインデッ
クス(YI)が次式を満足する成形物。 YI≦0.035X+2.0[ ただし、Xは成形物中の多層構造重合体の割合(重量
%)である。]
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---|---|
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EP1050546B1 (en) * | 1995-02-06 | 2003-11-26 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Process for isolating polymers of tetrafluoroethylene |
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JP2006131803A (ja) * | 2004-11-08 | 2006-05-25 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 耐衝撃性改質剤及び耐衝撃性樹脂組成物 |
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