JP3342082B2 - アクリル系軟質多層構造樹脂および樹脂組成物 - Google Patents

アクリル系軟質多層構造樹脂および樹脂組成物

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JP3342082B2 JP5655493A JP5655493A JP3342082B2 JP 3342082 B2 JP3342082 B2 JP 3342082B2 JP 5655493 A JP5655493 A JP 5655493A JP 5655493 A JP5655493 A JP 5655493A JP 3342082 B2 JP3342082 B2 JP 3342082B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアクリル系軟質多層構造
樹脂(以下アクリル系軟質樹脂と称す)および樹脂組成
物に関し、更に詳しくは成形が容易であり、常温で良好
な柔軟性、屈曲耐久性を有するとともに良好な透明性お
よび優れた耐候性を有し、射出成形材料、シート、フィ
ルムおよびチューブ等幅広い用途に用いることができ、
一例を挙げると軟質塩化ビニルの代替え用途としてのデ
スクマット、血液等の医療用バック、医療用チューブ等
に最適なアクリル系軟質樹脂および樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、代表的な軟質樹脂としては軟質塩
化ビニル、ウレタン樹脂があり、特に軟質塩化ビニルは
デスクマット、血液等の医療用バックなど広い用途に用
いられている。しかるに、軟質塩化ビニルには軟質化の
ために多量の可塑剤や老化防止用安定剤が含まれ、医療
用途ではこれら添加剤の人体への影響が懸念されてお
り、また塩化ビニルは再生処理が難しく、焼却の際には
塩素ガス等が発生するため埋設処理されているのが現状
であり、これに代わるものが広く望まれてきた。
【0003】本発明のアクリル系軟質樹脂および樹脂組
成物は現時点では、我々の知る限り存在せず、広い分野
から待ち望まれてきた全く新しい樹脂であると言える。
本発明のアクリル系軟質樹脂および樹脂組成物は、従来
の軟質塩化ビニルに含まれる可塑剤等を全く含まずに常
温で良好な柔軟性、屈曲耐久性を有することから、人体
への影響の懸念なく医療用途への展開が期待されるとと
もに、透明性および耐候性に著しく優れることから、よ
り広い分野への展開の可能性を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はアクリル系軟
質樹脂および樹脂組成物に関し、更に詳しくは成形が容
易であり、常温で良好な柔軟性、屈曲耐久性を有すると
ともに良好な透明性および優れた耐候性を有し、射出成
形材料、シート、フィルム、チューブ等幅広い用途に用
いることができるアクリル系軟質樹脂および樹脂組成物
を見い出すことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、成形が容
易であり、常温で良好な柔軟性、屈曲耐久性を有すると
ともに良好な透明性および優れた耐候性を有し、射出成
形材料、シート、フィルムおよびチューブ等幅広い用途
に用いることができるアクリル系軟質樹脂および樹脂組
成物に関し鋭意研究した結果、特定の軟質重合体層の組
み合わせからなる多層構造重合体を見い出だし本発明を
完成するに至った。
【0006】即ち、本発明はアルキル基の炭素数が1
〜12である少なくとも1種のアクリル酸アルキルエス
テル30〜99.9重量%、アルキル基の炭素数が1〜
8である少なくとも1種のメタクリル酸アルキルエステ
ル0〜70重量%、これらと共重合可能な不飽和単量体
0〜30重量%、多官能架橋性単量体およびまたは多
官能グラフト単量体0.1〜10重量%からなる単量体
混合物を重合してなるTgが30℃以下である重合体層
[A]10〜90重量部と、アルキル基の炭素数が1〜
12である少なくとも1種のアクリル酸アルキルエステ
ル30〜99重量%、アルキル基の炭素数が1〜8であ
る少なくとも1種のメタクリル酸アルキルエステル1〜
70重量%、これらと共重合可能な不飽和単量体0〜3
0重量%からなる単量体混合物を重合してなるTgが−
20〜50℃である重合体層[B](但し、Tgが25
℃以上であるものを除く)10〜90重量部とからなる
多層構造重合体であり、かつ内層が重合体層[A]、外
層が重合体層[B]よりなる二層構造であることを特徴
とするアクリル系軟質多層構造樹脂およびこれらのアク
リル系軟質樹脂を二種以上ブレンドすることにより得ら
れるアクリル系軟質樹脂組成物に関する。
【0007】本発明の多層構造重合体は公知の乳化重合
法が用いられる。乳化重合に使用される乳化剤の種類と
量は、重合系の安定性、目的とする粒子径等によって選
択されるが、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性
剤、ノニオン界面活性剤等公知の乳化剤を単独または併
用して用いることができ、特にアニオン界面活性剤が好
ましい。乳化重合に使用される重合開始剤としても特に
限定されず、パースルフェート系あるいはレドックス系
の開始剤が用いられる。また、必要に応じてアルキルメ
ルカプタン等の連鎖移動剤が用いられる。
【0008】乳化重合において、単量体、乳化剤、重合
開始剤、連鎖移動剤等は、一括添加法、分割添加法、連
続添加法等の任意の方法により添加される。
【0009】乳化重合により得られたそれぞれの重合体
ラテックスを均一混合した後、析出凝固させる方法は特
に限定されず、塩析法、酸析法、噴霧法および凍結法等
が可能である。
【0010】本発明の多層構造重合体は、多官能架橋性
単量体およびまたは多官能グラフト単量体0.1〜1
0重量%を含む単量体混合物を重合してなる1層の重合
体層[A]10〜90重量部と多官能架橋性単量体およ
び多官能グラフト単量体を含まない単量体混合物を重合
してなる1層の重合体層[B]10〜90重量部とか
なる多層構造重合体であり、かつ内層が重合体層
[A]、外層が重合体層[B]よりなる二層構造である
ことを特徴とし、重合体層[A]と重合体層[B]の最
適な組み合わせが良好な成形性、優れた柔軟性、屈曲耐
久性を与える。重合体層[A]が90重量部を超えると
成形性が悪くなり好ましくなく、逆に重合体層[B]が
90重量部を超えるとベトツキが生じ取扱いが難しくな
る。
【0011】一方、多層構造重合体の最外層は重合体層
[B]であり、良好な成形性を得るためには全量に対す
る最外層の割合が10重量部以上が好ましく、更にn−
オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等の
連鎖移動剤が好ましく用いられる。
【0012】本発明の多層構造重合体での重合体層
[A]はアルキル基の炭素数が1〜12である少なくと
も1種のアクリル酸アルキルエステル30〜99.9重
量%、アルキル基の炭素数が1〜8である少なくとも1
種のメタクリル酸アルキルエステル0〜70重量%、こ
れらと共重合可能な不飽和単量体0〜30重量%、多官
能架橋性単量体および、または多官能グラフト単量体
0.1〜10重量%により構成されるTgが30℃以下
の軟質の重合体である。重合体層[A]を構成するアク
リル酸アルキルエステルの組成割合は30〜99.9重
量%、より好ましくは40〜90重量%であり、30重
量%未満では柔軟性、屈曲耐久性が低下し好ましくな
い。また、多官能架橋性単量体および、または多官能グ
ラフト単量体は0.1〜10重量%であり、0.1重量
%未満ではベトツキが生じる場合があり、10重量%を
超えると屈曲耐久性が低下して好ましくない。重合体層
[A]単独のTgは30℃以下、好ましくは25℃以
下、さらに好ましくは0℃以下であり、30℃を超える
と柔軟性、屈曲耐久性が低下し好ましくない。
【0013】一方、重合体層[B]はアルキル基の炭素
数が1〜12である少なくとも1種のアクリル酸アルキ
ルエステル30〜99重量%、アルキル基の炭素数が1
〜8である少なくとも1種のメタクリル酸アルキルエス
テル1〜70重量%、これらと共重合可能な不飽和単量
体0〜30重量%により構成されるTgが−20〜50
℃の重合体である。重合体層[B]を構成するアクリル
酸アルキルエステルの組成割合は30〜99重量%、よ
り好ましくは40〜90重量%であり、30重量%未満
では重合体層[A]と同様柔軟性、屈曲耐久性が低下し
好ましくない。また重合体層[B]単独のTgは−20
〜50℃、好ましくは−10〜40℃であり、重合体層
[A]との組成比率が物性に大きく影響するが、50℃
を超えると柔軟性、屈曲耐久性が低下し好ましくなく、
−20℃以下では重合体ラテックスからの重合体の取り
出しが難しい。多層構造重合体中の各重合体層[A]お
よび各重合体層[B]に関して、より良好な透明性を得
るためには重合体層[A]および重合体層[B]間の屈
折率の差の最大値が、0.003以下であることが好ま
しい。
【0014】本発明でいう各重合体層のTg(ガラス転
移温度)とは、通常知られている FOXの式: 1/Tg=a/Tg+a/Tg
+a/Tg+・・・ に従い計算より求めたものであり、式中のTg、Tg
およびTgは各重合体層を構成する単量体を単独で
重合した際に得られる重合体のガラス転移温度(POL
YMER HANDBOOK,THIRD EDITI
ON,WileyInterscienceに記載され
ている値)を表し、式中のa、aおよびaは各重
合体層を構成する単量体単位の重量分率を表わす。ま
た、多層構造重合体のTgはこれら各重合体層のTgの
重量平均により求めた。
【0015】本発明の多層構造重合体で用いられるアク
リル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数
が1〜12である少なくとも1種であり、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸−2−エ
チルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸シクロヘ
キシル、アクリル酸ベンジル等が挙げられ単独または併
用して用いられ、好ましくはアクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルである。
メタクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の
炭素数が1〜8である少なくとも1種でありメタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロ
ピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等が
挙げられ単独または併用して用いられ、好ましくはメタ
クリル酸メチルである。これらと共重合可能な不飽和単
量体としては、ブタジエン、イソプレン、スチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、N−シクロヘキシルマレイミ
ド、N−エチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミ
ド、N−フェニルマレイミド、N−オルソクロロフェニ
ルマレイミド等が挙げられ、それらは単独または併用し
て用いられる。また、多官能架橋性単量体としては、エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等
が、また多官能グラフト単量体としては、アリルメタク
リレート、アリルアクリレート、アリルマレエート、ア
リルフマレート、ジアリルフマレート、トリアリルシア
ヌレート等が挙げられ、それらは単独または併用して用
いられる。
【0016】本発明の多層構造重合体は、これら各層ご
との単量体混合物を逐次乳化重合することにより、重合
体ラテックスとして得られる。
【0017】本発明のアクリル系軟質樹脂および樹脂組
成物とは、上記の多層構造重合体ラテックスの凝固物粉
末、異なる多層構造重合体ラテックス混合物の凝固物粉
末、および異なる多層構造重合体凝固物粉末の混合物、
あるいはこれらのペレット等いずれであってもよい。
【0018】本発明のアクリル系軟質樹脂および樹脂組
成物は良好な成形性を有し、射出成形材料として、また
押出機によりシート、フィルムおよびチューブ等にその
まま加工される。本発明のアクリル系軟質樹脂および樹
脂組成物により得られる射出成形品、シート、フィルム
およびチューブ等これらの加工品は、常温で良好な柔軟
性、屈曲耐久性を有するとともに良好な透明性および優
れた耐候性を有する。
【0019】本発明のアクリル系軟質樹脂および樹脂組
成物には硬質のメタクリル系樹脂に通常用いられる紫外
線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、染顔料等を必要に応じて
添加することができる。用途によっては軟質塩化ビニル
に用いられている可塑剤等の添加も可能である。
【0020】
【実施例】次に本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例における「%」および「部」は全て「重量%」お
よび「重量部」であり、使用する単量体、重合開始剤、
連鎖移動剤等の略称は下記のものが使用される。メタク
リル酸メチル(MMA)、アクリル酸メチル(MA)、
アクリル酸エチル(EA)、アクリル酸ブチル(B
A)、スチレン(ST)、メタクリル酸アリル(ALM
A)、アクリル酸アリル(ALA)エチレングリコール
ジメタアクリレート(EGDMA)、過硫酸カリウム
(KPS)、n−オクチルメルカプタン(nOM)。横
線(−)は同一層を形成するために用いられる単量体等
を分けるのに使用され、斜線(/)は層がことなること
を意味する。
【0021】実施例に示した諸物性の測定は下記の方法
に従って実施した。 (1)Tg(ガラス転移点) ;FOXの式に従い計算で求めた値 (2)柔軟性・屈曲耐久性 ;100回の折り曲げ試験でクラックの発生が無 く、初期の形態を保持しているかを判定。(2 mm厚) (3)伸び率 ;ASTM−D638 (3mm厚) (4)全光線透過率、ヘイズ ;ASTM−D1003(3mm厚) (5)粒子径 ;電子顕微鏡で測定。 (6)耐侯性テスト ;促進暴露試験、暴露時間1000hrs サンシャインウェザーメーター(スガ試験機、 WEL−SUN−HC) 上記(2)〜(4)を評価。
【0022】施例1 還流冷却器付き耐圧反応容器に、イオン交換水250
部、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム0.75部
を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら75℃に昇温
後、BA30.6部、MMA28.8部、ALMA0.
6部、1%KPS水溶液6部を仕込んで60分間反応さ
せて重合を完了した。続いて1%KPS水溶液4部を仕
込んだ時点で、BA20部、MMA20部、nOM0.
1部からなる単量体混合物を60分かけて連続添加し、
次いで60分間保持して重合を完了させ2層構造重合体
[I−1]ラテックスを得た。各層の重合終了後ラテッ
クスをサンプリングし、電子顕微鏡観察で新しい粒子の
生成がなく完全に逐次重合が行われていることを確認し
た。得られたラテックスの粒子径は0.09μmであっ
た。このラテックスの組成は、表1の[I−1]に相当
する。
【0023】得られたラテックスをステンレス製容器に
入れ、冷凍庫中、−20℃温度条件下で凍結させた。凍
結したラテックスを20℃で融解させた後、瀘別して2
層構造重合体[I−1]を分離した。さらに蒸留水で水
洗脱水を3回繰り返した後、20℃−10時間真空乾燥
した。
【0024】乾燥後、得られた2層構造重合体[I−
1]を50φのシート押出機を用いてシリンダー温度1
70℃で熔融混練しロール温度30℃で2mmおよび3
mm板厚のシートを得た。得られたシートから試験片を
切りだし評価した結果を表2に示す。透明性、色相は極
めて良好であり、柔軟性および屈曲耐久性に優れ、折り
曲げ白化、高温白化は全く認められなかった。この試験
片をサンシャインウエザーメーターで1000時間の促
進曝露テストを行ったところ、柔軟性、屈曲耐久性、伸
び率の低下および透明性の変化は無かった。
【0025】得られた結果から、本発明によるアクリル
系軟質樹脂は柔軟性、屈曲耐久性に優れるとともに、良
好な透明性および優れた耐候性を有していることが分か
る。また、これらのシートと同一組成のペレットからの
射出成形品もシートと同様の結果を示した。 実施例2〜 実施例1と同様の方法により、層数、組成、粒子径のそ
れぞれ異なる多層構造重合体[I−2]〜[I−]を
得た。これら重合体の層数、組成、粒子径は表1に示
す。得られた各多層構造重合体および異なる多層構造重
合体を混合してなるアクリル系軟質樹脂および樹脂組成
物から得られた2mmおよび3mm板厚のシートの評価
結果を表2に示す。これら実施例で得られたシートは柔
軟性、屈曲耐久性に優れるとともに折り曲げ白化、高温
白化は全く認められず、良好な透明性および優れた耐候
性を有しており本発明を満足するものである。またこれ
らの押出板と同一組成のペレットからの射出成形品も押
出板と同様の結果を示した。 比較例1〜3 実施例1と同様の方法により、層数、組成、粒子径のそ
れぞれ異なる多層構造重合体[II−1]〜[II−3]を
得た。これら重合体の層数、組成、粒子径は表1に示
す。得られた各多層構造重合体から得られた2mmおよ
び3mm板厚のシートの評価結果を表2に示す。これら
比較例で得られたシートは成形性、柔軟性、屈曲耐久性
などのいずれかにおいて劣り、本発明を満足するもので
はなかった。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明のアクリル系軟質多層構造樹脂お
よび樹脂組成物は、成形が容易であり、常温で良好な柔
軟性、屈曲耐久性を有するとともに良好な透明性および
優れた耐候性を有し、射出成形材料、シート、フィルム
およびチューブ等これらの加工品に最適である。
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 譲 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2番28号 株式会社クラレ内 (56)参考文献 特開 平4−356502(JP,A) 特開 昭60−32849(JP,A) 特開 昭55−94917(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 265/06 C08L 51/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキル基の炭素数が1〜12である少
    なくとも1種のアクリル酸アルキルエステル30〜9
    9.9重量%、アルキル基の炭素数が1〜8である少な
    くとも1種のメタクリル酸アルキルエステル0〜70重
    量%、これらと共重合可能な不飽和単量体0〜30重量
    %、多官能架橋性単量体およびまたは多官能グラフト
    単量体0.1〜10重量%からなる単量体混合物を重合
    してなるTgが30℃以下である重合体層[A]10〜
    90重量部と、アルキル基の炭素数が1〜12である少
    なくとも1種のアクリル酸アルキルエステル30〜99
    重量%、アルキル基の炭素数が1〜8である少なくとも
    1種のメタクリル酸アルキルエステル1〜70重量%、
    これらと共重合可能な不飽和単量体0〜30重量%から
    なる単量体混合物を重合してなるTgが−20〜50℃
    である重合体層[B](但し、Tgが25℃以上である
    ものを除く)10〜90重量部とからなる多層構造重合
    体であり、かつ内層が重合体層[A]、外層が重合体層
    [B]よりなる二層構造であることを特徴とするアクリ
    ル系軟質多層構造樹脂。
  2. 【請求項2】 重合体層[A]のTgが25℃以下であ
    り、重合体層[B]のTgが−10〜40℃である請求
    項1記載のアクリル系軟質多層構造樹脂。
  3. 【請求項3】 各重合体層のTgの重量平均により求め
    た多層構造重合体のTgが30℃以下である請求項1
    たは2記載のアクリル系軟質多層構造樹脂。
  4. 【請求項4】 各重合体層[A]および重合体層[B]
    間の屈折率の差の最大値が、0.003以下である請求
    項1〜3のいずれか1項に記載のアクリル系軟質多層構
    造樹脂。
  5. 【請求項5】 アクリル酸アルキルエステルがアクリル
    酸エチル、アクリル酸ブチルまたはアクリル酸−2−エ
    チルヘキシルであり、メタクリル酸アルキルエステルが
    メタクリル酸メチルである請求項1〜4のいずれか1項
    記載のアクリル系軟質多層構造樹脂。
  6. 【請求項6】 多層構造重合体の粒子径が0.01〜
    0.5μmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    アクリル系軟質多層構造樹脂。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のア
    クリル系軟質多層構造樹脂を二種以上ブレンドすること
    により得られるアクリル系軟質樹脂組成物。
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JP2721596B2 (ja) * 1990-07-18 1998-03-04 株式会社クラレ アクリル系重合体凝固組成物、その製法およびその成形物

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