JP3131479B2 - メタクリル系耐衝撃性樹脂組成物 - Google Patents
メタクリル系耐衝撃性樹脂組成物Info
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- JP3131479B2 JP3131479B2 JP03329491A JP32949191A JP3131479B2 JP 3131479 B2 JP3131479 B2 JP 3131479B2 JP 03329491 A JP03329491 A JP 03329491A JP 32949191 A JP32949191 A JP 32949191A JP 3131479 B2 JP3131479 B2 JP 3131479B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメタクリル系耐衝撃性樹
脂組成物、更に詳しくは、透明性および耐候性を損なう
ことなく、ブツの発生が著しく改良されたメタクリル系
耐衝撃性樹脂組成物に関する。
脂組成物、更に詳しくは、透明性および耐候性を損なう
ことなく、ブツの発生が著しく改良されたメタクリル系
耐衝撃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】メタクリル樹脂は無色透明で美しい外観
と耐候性を有し、成形が容易なことから、ルーバー、テ
ールランプ、レンズ、テーブルウェアー等電気部品、車
両部品、光学用途、装飾、雑貨、看板に幅広く用いられ
ているが衝撃に対する強度は必ずしも充分ではなく、そ
の改良、改質が数多く検討され、またメタクリル系耐衝
撃樹脂として製品化されている。しかるに、これら市販
のメタクリル系耐衝撃性樹脂は目的とする耐衝撃性はそ
れなりに満足されるものの、汎用のメタクリル樹脂に添
加混合されている耐衝撃性改良剤が完全相溶するのでは
なく粒子形状で分散していることから、粒子の凝集物あ
るいは凝固物が存在しており、特にシートあるいは薄い
フィルムの成型加工時には少量の凝集物がいわゆる「ブ
ツ」として表面に観察され、いまだ満足される製品が存
在しないのが現状である。
と耐候性を有し、成形が容易なことから、ルーバー、テ
ールランプ、レンズ、テーブルウェアー等電気部品、車
両部品、光学用途、装飾、雑貨、看板に幅広く用いられ
ているが衝撃に対する強度は必ずしも充分ではなく、そ
の改良、改質が数多く検討され、またメタクリル系耐衝
撃樹脂として製品化されている。しかるに、これら市販
のメタクリル系耐衝撃性樹脂は目的とする耐衝撃性はそ
れなりに満足されるものの、汎用のメタクリル樹脂に添
加混合されている耐衝撃性改良剤が完全相溶するのでは
なく粒子形状で分散していることから、粒子の凝集物あ
るいは凝固物が存在しており、特にシートあるいは薄い
フィルムの成型加工時には少量の凝集物がいわゆる「ブ
ツ」として表面に観察され、いまだ満足される製品が存
在しないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、良好な透明
性および耐候性を有し、射出成形品、シートおよびフィ
ルム等でのブツの発生が著しく改良されたメタクリル系
耐衝撃性樹脂組成物、およびメタクリル系耐衝撃性改良
剤を提供することを目的とする。
性および耐候性を有し、射出成形品、シートおよびフィ
ルム等でのブツの発生が著しく改良されたメタクリル系
耐衝撃性樹脂組成物、およびメタクリル系耐衝撃性改良
剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、良好な透
明性および耐候性を有し、ブツの発生が著しく改良され
たメタクリル系耐衝撃性樹脂に関し鋭意研究した結果、
乳化重合により得られる特定の異なる粒子径を有する二
種以上の多層構造重合体と特定の粒子径を有する硬質熱
可塑性重合体をラテックス状態で均一混合した後、凝固
させることにより、良好な透明性および耐候性を有し、
ブツの発生が著しく改良されることを見い出し本発明の
メタクリル系耐衝撃性樹脂組成物、およびメタクリル系
耐衝撃性改良剤を完成するに至った。
明性および耐候性を有し、ブツの発生が著しく改良され
たメタクリル系耐衝撃性樹脂に関し鋭意研究した結果、
乳化重合により得られる特定の異なる粒子径を有する二
種以上の多層構造重合体と特定の粒子径を有する硬質熱
可塑性重合体をラテックス状態で均一混合した後、凝固
させることにより、良好な透明性および耐候性を有し、
ブツの発生が著しく改良されることを見い出し本発明の
メタクリル系耐衝撃性樹脂組成物、およびメタクリル系
耐衝撃性改良剤を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明は、粒子径0.10〜0.5
0μmの多層構造重合体(A)10〜90重量部、粒子
径0.01μm以上0.10μm未満の多層構造重合体
(B)1〜90重量部、および粒子径0.01〜0.5
0μmの硬質熱可塑性重合体(C)1〜90重量部から
なり、かつ(B)の量(b)重量部と、(C)の量
(c)重量部との間に、 0.5(b)+(c)≧10 式(1) を満足する範囲で(A)、(B)、(C)をラテックス
状態で均一混合した後、凝固させて得られるメタクリル
系耐衝撃性樹脂組成物である。ただし、(A)、(B)
は、アルキル基の炭素数が1〜8である少なくとも1種
のアルキルアクリレート50〜99.9重量%、これら
と共重合可能な不飽和単量体0〜50重量%、並びに多
官能架橋性単量体および、または多官能グラフト単量体
0.1〜5重量%からなる単量体混合物を重合してなる
少なくとも1層の軟質重合体層と、アルキル基の炭素数
が1〜4である少なくとも1種のアルキルメタクリレー
ト50〜100重量%、これらと共重合可能な不飽和単
量体0〜50重量%、並びに多官能架橋性単量体およ
び、または多官能グラフト単量体0〜5重量%からなる
単量体混合物を重合してなる少なくとも1層の硬質重合
体層との組み合わせからなる少なくとも2層の重合体層
を有し、かつ最外層が前記硬質重合体層に属する1層か
らなり、多層構造重合体全量に対する最外層の割合が1
0重量%以上である多層構造重合体であり、また(C)
はアルキル基の炭素数が1〜4である少なくとも1種の
アルキルメタクリレート50〜100重量%、これらと
共重合可能な不飽和単量体0〜50重量%からなる単量
体混合物を乳化重合してなる硬質熱可塑性重合体であ
る。また、本発明は、上記のメタクリル系耐衝撃性樹脂
組成物をメタクリル系耐衝撃性改良剤として用い、さら
にメタクリル樹脂とブレンドした樹脂組成物である。
0μmの多層構造重合体(A)10〜90重量部、粒子
径0.01μm以上0.10μm未満の多層構造重合体
(B)1〜90重量部、および粒子径0.01〜0.5
0μmの硬質熱可塑性重合体(C)1〜90重量部から
なり、かつ(B)の量(b)重量部と、(C)の量
(c)重量部との間に、 0.5(b)+(c)≧10 式(1) を満足する範囲で(A)、(B)、(C)をラテックス
状態で均一混合した後、凝固させて得られるメタクリル
系耐衝撃性樹脂組成物である。ただし、(A)、(B)
は、アルキル基の炭素数が1〜8である少なくとも1種
のアルキルアクリレート50〜99.9重量%、これら
と共重合可能な不飽和単量体0〜50重量%、並びに多
官能架橋性単量体および、または多官能グラフト単量体
0.1〜5重量%からなる単量体混合物を重合してなる
少なくとも1層の軟質重合体層と、アルキル基の炭素数
が1〜4である少なくとも1種のアルキルメタクリレー
ト50〜100重量%、これらと共重合可能な不飽和単
量体0〜50重量%、並びに多官能架橋性単量体およ
び、または多官能グラフト単量体0〜5重量%からなる
単量体混合物を重合してなる少なくとも1層の硬質重合
体層との組み合わせからなる少なくとも2層の重合体層
を有し、かつ最外層が前記硬質重合体層に属する1層か
らなり、多層構造重合体全量に対する最外層の割合が1
0重量%以上である多層構造重合体であり、また(C)
はアルキル基の炭素数が1〜4である少なくとも1種の
アルキルメタクリレート50〜100重量%、これらと
共重合可能な不飽和単量体0〜50重量%からなる単量
体混合物を乳化重合してなる硬質熱可塑性重合体であ
る。また、本発明は、上記のメタクリル系耐衝撃性樹脂
組成物をメタクリル系耐衝撃性改良剤として用い、さら
にメタクリル樹脂とブレンドした樹脂組成物である。
【0006】本発明においては多層構造重合体の粒子径
を0.10〜0.50μmと0.01μm以上0.10
μm未満とに分けているが、これには明らかな理由が存
在する。多層構造重合体中の軟質重合体層の重量比率が
同一のとき、多層構造重合体の粒子径が0.10μmを
境として、それ以上では多層構造重合体のブレンド比率
が少ないときでも高い衝撃強度を与える反面、凝固物か
ら粒子への分散性が悪くブツが多発しやすい傾向にあ
る。一方、粒子径が0.10μm未満では凝固物から粒
子への分散性が良好でありブツの発生が少ない反面、多
層構造重合体のブレンド比率が多いときには特に問題は
ないが、ブレンド比率が少なくなると急激に衝撃強度が
低下すると言う相い反する傾向にある。
を0.10〜0.50μmと0.01μm以上0.10
μm未満とに分けているが、これには明らかな理由が存
在する。多層構造重合体中の軟質重合体層の重量比率が
同一のとき、多層構造重合体の粒子径が0.10μmを
境として、それ以上では多層構造重合体のブレンド比率
が少ないときでも高い衝撃強度を与える反面、凝固物か
ら粒子への分散性が悪くブツが多発しやすい傾向にあ
る。一方、粒子径が0.10μm未満では凝固物から粒
子への分散性が良好でありブツの発生が少ない反面、多
層構造重合体のブレンド比率が多いときには特に問題は
ないが、ブレンド比率が少なくなると急激に衝撃強度が
低下すると言う相い反する傾向にある。
【0007】それ故、本発明者らが検討した結果、粒子
径0.10〜0.50μmの多層構造重合体(A)10
〜90重量部、粒子径0.01μm以上0.10μm未
満の多層構造重合体(B)1〜90重量部および粒子径
が0.01〜0.50μmの硬質熱可塑性重合体(C)
1〜90重量部からなり、かつ多層構造重合体(B)の
混合量を(b)重量部、硬質熱可塑性重合体(C)の混
合量を(c)重量部としたとき、 0.5(b)+(c)≧10 式(1) を満足する範囲でそれぞれをラテックス状態で均一混合
した後、凝固させることにより得られるメタクリル系耐
衝撃性樹脂組成物は、多層構造重合体のブレンド比率が
少ないときでもそれに見合った衝撃強度が得られ、透明
性および耐候性が良好で、かつブツの発生が著しく改良
されることが判明した。
径0.10〜0.50μmの多層構造重合体(A)10
〜90重量部、粒子径0.01μm以上0.10μm未
満の多層構造重合体(B)1〜90重量部および粒子径
が0.01〜0.50μmの硬質熱可塑性重合体(C)
1〜90重量部からなり、かつ多層構造重合体(B)の
混合量を(b)重量部、硬質熱可塑性重合体(C)の混
合量を(c)重量部としたとき、 0.5(b)+(c)≧10 式(1) を満足する範囲でそれぞれをラテックス状態で均一混合
した後、凝固させることにより得られるメタクリル系耐
衝撃性樹脂組成物は、多層構造重合体のブレンド比率が
少ないときでもそれに見合った衝撃強度が得られ、透明
性および耐候性が良好で、かつブツの発生が著しく改良
されることが判明した。
【0008】本発明の多層構造重合体(A)の粒子径は
0.10〜0.50μm、より好ましくは0.15〜
0.30μmであり、粒子径が0.50μmをこえると
ブツの発生が急激に増加して好ましくない。添加量は1
0〜90重量部であり、10重量部未満ではそれに見合
った衝撃強度が得られず、90重量部を超えるとブツが
減少しにくく、また耐候性が低下し好ましくない。
0.10〜0.50μm、より好ましくは0.15〜
0.30μmであり、粒子径が0.50μmをこえると
ブツの発生が急激に増加して好ましくない。添加量は1
0〜90重量部であり、10重量部未満ではそれに見合
った衝撃強度が得られず、90重量部を超えるとブツが
減少しにくく、また耐候性が低下し好ましくない。
【0009】多層構造重合体(B)の粒子径は0.01
μm以上0.10μm未満、好ましくは0.05〜0.
08μmであり、0.01μm未満では衝撃強度が上昇
しないばかりかブツが減少しない。添加量は1〜90重
量部であり、90重量部を超えると耐衝撃性改良剤とし
て汎用メタクリル樹脂とのブレンドで衝撃強度が上昇し
ない領域があり好ましくない。硬質熱可塑性重合体
(C)の粒子径は0.01〜0.50μm、より好まし
くは0.05〜0.25μmであり、0.01μm未満
ではブツが減少せず、また0.50μmを超えてもブツ
が減少しない。硬質熱可塑性重合体(C)の添加量は1
〜90重量部であり、90重量部を超えると衝撃強度が
低下し好ましくない。
μm以上0.10μm未満、好ましくは0.05〜0.
08μmであり、0.01μm未満では衝撃強度が上昇
しないばかりかブツが減少しない。添加量は1〜90重
量部であり、90重量部を超えると耐衝撃性改良剤とし
て汎用メタクリル樹脂とのブレンドで衝撃強度が上昇し
ない領域があり好ましくない。硬質熱可塑性重合体
(C)の粒子径は0.01〜0.50μm、より好まし
くは0.05〜0.25μmであり、0.01μm未満
ではブツが減少せず、また0.50μmを超えてもブツ
が減少しない。硬質熱可塑性重合体(C)の添加量は1
〜90重量部であり、90重量部を超えると衝撃強度が
低下し好ましくない。
【0010】多層構造重合体(A)、(B)および硬質
熱可塑性重合体(C)のラテックスブレンドにおいて、
(A)と(B),(A)と(C)の組み合わせではブツ
は減少するが、本発明を満足させるブツの減少結果は得
られず、また、(B)と(C)の組み合わせではブツに
関しては良好な結果が得られるが、(B)のブレンド比
率が少ないときは衝撃強度が急激に低下し、(A)と
(B)と(C)との組み合わせにより始めて本発明が満
足される。更に、(A)と(B)と(C)との各1種ず
つの組み合わせとともに、式(1)を満足する範囲で、
(A)〜(C)の内の1〜3種がそれぞれ2種以上の粒
子からなる組み合わせも可能である。また、多層構造重
合体(A)と多層構造重合体(B)の組成および層構造
は共に同一である必要はない。
熱可塑性重合体(C)のラテックスブレンドにおいて、
(A)と(B),(A)と(C)の組み合わせではブツ
は減少するが、本発明を満足させるブツの減少結果は得
られず、また、(B)と(C)の組み合わせではブツに
関しては良好な結果が得られるが、(B)のブレンド比
率が少ないときは衝撃強度が急激に低下し、(A)と
(B)と(C)との組み合わせにより始めて本発明が満
足される。更に、(A)と(B)と(C)との各1種ず
つの組み合わせとともに、式(1)を満足する範囲で、
(A)〜(C)の内の1〜3種がそれぞれ2種以上の粒
子からなる組み合わせも可能である。また、多層構造重
合体(A)と多層構造重合体(B)の組成および層構造
は共に同一である必要はない。
【0011】本発明のメタクリル系耐衝撃性樹脂組成
物、およびメタクリル系耐衝撃性改良剤は多層構造重合
体(A)、(B)および硬質熱可塑性重合体(C)を乳
化重合により得られたラテックス状態で均一混合した
後、凝固させることにより得られることを特徴とする。
本発明の多層構造重合体および硬質熱可塑性重合体を得
るための乳化重合は公知の方法が用いられる。乳化重合
に使用される乳化剤の種類と量は、重合系の安定性、目
的とする粒子径等によって選択されるが、アニオン界面
活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤等公
知の乳化剤を単独または併用して用いることができ、特
にアニオン界面活性剤が好ましい。乳化重合に使用され
る重合開始剤としても特に限定されず、パースルフェー
ト系あるいはレドックス系の開始剤が用いられる。ま
た、必要に応じてアルキルメルカプタン等の連鎖移動剤
が用いられる。
物、およびメタクリル系耐衝撃性改良剤は多層構造重合
体(A)、(B)および硬質熱可塑性重合体(C)を乳
化重合により得られたラテックス状態で均一混合した
後、凝固させることにより得られることを特徴とする。
本発明の多層構造重合体および硬質熱可塑性重合体を得
るための乳化重合は公知の方法が用いられる。乳化重合
に使用される乳化剤の種類と量は、重合系の安定性、目
的とする粒子径等によって選択されるが、アニオン界面
活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤等公
知の乳化剤を単独または併用して用いることができ、特
にアニオン界面活性剤が好ましい。乳化重合に使用され
る重合開始剤としても特に限定されず、パースルフェー
ト系あるいはレドックス系の開始剤が用いられる。ま
た、必要に応じてアルキルメルカプタン等の連鎖移動剤
が用いられる。
【0012】乳化重合において、単量体、乳化剤、重合
開始剤、連鎖移動剤等は、一括添加法、分割添加法、連
続添加法等の任意の方法により添加される。
開始剤、連鎖移動剤等は、一括添加法、分割添加法、連
続添加法等の任意の方法により添加される。
【0013】乳化重合により得られたそれぞれの重合体
ラテックスを均一混合した後、析出凝固させる方法は特
に限定されず、塩析法、酸析法、噴霧法および凍結法等
が可能である。
ラテックスを均一混合した後、析出凝固させる方法は特
に限定されず、塩析法、酸析法、噴霧法および凍結法等
が可能である。
【0014】多層構造重合体は、少なくとも1層以上の
軟質重合体層と少なくとも1層以上の硬質重合体層から
なり、かつ最外層が硬質重合体層であることを特徴とす
る。多層構造重合体での軟質重合体層は耐衝撃性および
耐候性の面からアルキル基の炭素数が1〜8である少な
くとも1種のアルキルアクリレート50〜99.9重量
%を主単量体とし、これらと共重合可能な不飽和単量体
0〜50重量%、多官能架橋性単量体および、または多
官能グラフト単量体0.1〜5重量%からなる。軟質重
合体層に用いるアルキルアクリレートとしては、メチル
アクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリ
レート、i−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシル
アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジル
アクリレート等が挙げられ、それらは単独または併用し
て用いられる。これらと共重合可能な不飽和単量体とし
ては、1,3-ブタジエン、イソプレン、スチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、シ
クロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレー
ト、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げら
れ、それらは単独または併用して用いられる。
軟質重合体層と少なくとも1層以上の硬質重合体層から
なり、かつ最外層が硬質重合体層であることを特徴とす
る。多層構造重合体での軟質重合体層は耐衝撃性および
耐候性の面からアルキル基の炭素数が1〜8である少な
くとも1種のアルキルアクリレート50〜99.9重量
%を主単量体とし、これらと共重合可能な不飽和単量体
0〜50重量%、多官能架橋性単量体および、または多
官能グラフト単量体0.1〜5重量%からなる。軟質重
合体層に用いるアルキルアクリレートとしては、メチル
アクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリ
レート、i−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシル
アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジル
アクリレート等が挙げられ、それらは単独または併用し
て用いられる。これらと共重合可能な不飽和単量体とし
ては、1,3-ブタジエン、イソプレン、スチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、シ
クロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレー
ト、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げら
れ、それらは単独または併用して用いられる。
【0015】多官能架橋性単量体としては、エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等が、また
多官能グラフト単量体としては、アリルメタクリレー
ト、アリルアクリレート、アリルマレエート、アリルフ
マレート、ジアリルフマレート、トリアリルシアヌレー
ト等が挙げられ、それらは単独または併用して用いられ
る。
リコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等が、また
多官能グラフト単量体としては、アリルメタクリレー
ト、アリルアクリレート、アリルマレエート、アリルフ
マレート、ジアリルフマレート、トリアリルシアヌレー
ト等が挙げられ、それらは単独または併用して用いられ
る。
【0016】多層構造重合体での硬質重合体層には、透
明性および耐候性の面からアルキル基の炭素数が1〜4
の少なくとも1種のアルキルメタクリレート50〜10
0重量%が用いられ、特に好ましくはメチルメタクリレ
ートである。これらと共重合可能な単量体としては、不
飽和単量体0〜50重量%、多官能架橋性単量体およ
び、または多官能グラフト単量体0〜5重量%であり、
アルキルアクリレートを含む軟質重合体層で用いられた
全ての単量体が使用できる。
明性および耐候性の面からアルキル基の炭素数が1〜4
の少なくとも1種のアルキルメタクリレート50〜10
0重量%が用いられ、特に好ましくはメチルメタクリレ
ートである。これらと共重合可能な単量体としては、不
飽和単量体0〜50重量%、多官能架橋性単量体およ
び、または多官能グラフト単量体0〜5重量%であり、
アルキルアクリレートを含む軟質重合体層で用いられた
全ての単量体が使用できる。
【0017】また、多層構造重合体の最外層は汎用のメ
タクリル樹脂との相溶性の点から前記硬質重合体層に包
含される1層からなり、多層構造重合体全量に対する最
外層の割合が10重量%以上である。最外層を構成する
単量体は、上記硬質重合体と同様、透明性および耐候性
の面からアルキル基の炭素数が1〜4の少なくとも1種
のアルキルメタクリレート50〜100重量%が用いら
れ、特に好ましくはメチルメタクリレートである。ま
た、これらと共重合可能な単量体としては、不飽和単量
体0〜50重量%であり、上記硬質重合体層で用いられ
た全ての単量体が使用できるが、多官能架橋性単量体お
よび多官能グラフト単量体は使用しないことが好まし
い。更に、汎用のメタクリル樹脂との相溶性の面からn
−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等
の連鎖移動剤が好ましく用いられる。
タクリル樹脂との相溶性の点から前記硬質重合体層に包
含される1層からなり、多層構造重合体全量に対する最
外層の割合が10重量%以上である。最外層を構成する
単量体は、上記硬質重合体と同様、透明性および耐候性
の面からアルキル基の炭素数が1〜4の少なくとも1種
のアルキルメタクリレート50〜100重量%が用いら
れ、特に好ましくはメチルメタクリレートである。ま
た、これらと共重合可能な単量体としては、不飽和単量
体0〜50重量%であり、上記硬質重合体層で用いられ
た全ての単量体が使用できるが、多官能架橋性単量体お
よび多官能グラフト単量体は使用しないことが好まし
い。更に、汎用のメタクリル樹脂との相溶性の面からn
−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等
の連鎖移動剤が好ましく用いられる。
【0018】多層構造重合体は、これら各層ごとの単量
体混合物を逐次乳化重合することにより、重合体ラテッ
クスとして得られる。多層構造重合体は、粒子径の違い
により粒子径0.10〜0.50μmの多層構造重合体
(A)と粒子径0.01μm以上0.10μm未満の多
層構造重合体(B)の2種類からなり、双方とも上記組
成および構造を満足するが、同一組成および同一構造で
ある必要はない。硬質熱可塑性重合体(C)は、透明性
および耐候性の面からアルキル基の炭素数が1〜4であ
る少なくとも1種のアルキルメタクリレート50〜10
0重量%からなり、特に好ましくはメチルメタクリレー
トである。また、これらと共重合可能な単量体として
は、不飽和単量体0〜50重量%であり、多官能架橋性
単量体および多官能グラフト単量体を除く上記多層構造
重合体の硬質重合体層で用いられた全ての単量体が使用
できる。更に、多層構造重合体および汎用のメタクリル
樹脂との相溶性の面からn−オクチルメルカプタン、n
−ドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤が好ましく用い
られる。更に、硬質熱可塑性重合体(C)は、これら単
量体混合物を乳化重合してなる、粒子径が0.01〜
0.50μmの重合体であり、重合体ラテックスとして
得られる。
体混合物を逐次乳化重合することにより、重合体ラテッ
クスとして得られる。多層構造重合体は、粒子径の違い
により粒子径0.10〜0.50μmの多層構造重合体
(A)と粒子径0.01μm以上0.10μm未満の多
層構造重合体(B)の2種類からなり、双方とも上記組
成および構造を満足するが、同一組成および同一構造で
ある必要はない。硬質熱可塑性重合体(C)は、透明性
および耐候性の面からアルキル基の炭素数が1〜4であ
る少なくとも1種のアルキルメタクリレート50〜10
0重量%からなり、特に好ましくはメチルメタクリレー
トである。また、これらと共重合可能な単量体として
は、不飽和単量体0〜50重量%であり、多官能架橋性
単量体および多官能グラフト単量体を除く上記多層構造
重合体の硬質重合体層で用いられた全ての単量体が使用
できる。更に、多層構造重合体および汎用のメタクリル
樹脂との相溶性の面からn−オクチルメルカプタン、n
−ドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤が好ましく用い
られる。更に、硬質熱可塑性重合体(C)は、これら単
量体混合物を乳化重合してなる、粒子径が0.01〜
0.50μmの重合体であり、重合体ラテックスとして
得られる。
【0019】本発明のメタクリル系耐衝撃性樹脂組成物
は、上記の重合体ラテックス混合物の凝固により得られ
た凝固物粉末あるいはこのペレット等いずれであっても
よく、射出成形材料として、また押出機によりシートお
よびフィルムにそのまま加工される。
は、上記の重合体ラテックス混合物の凝固により得られ
た凝固物粉末あるいはこのペレット等いずれであっても
よく、射出成形材料として、また押出機によりシートお
よびフィルムにそのまま加工される。
【0020】また、メタクリル系耐衝撃性樹脂組成物は
メタクリル系耐衝撃性改良剤としても極めて有効であ
る。ここでメタクリル系耐衝撃性改良剤とは、メタクリ
ル樹脂とブレンドすることにより耐衝撃性を付与し、任
意のメタクリル系耐衝撃性樹脂組成物を与える物をい
い、メタクリル樹脂とは、ISO 8257−1に規定
されているポリメチルメタクリレート成形用および押出
し用材料である。
メタクリル系耐衝撃性改良剤としても極めて有効であ
る。ここでメタクリル系耐衝撃性改良剤とは、メタクリ
ル樹脂とブレンドすることにより耐衝撃性を付与し、任
意のメタクリル系耐衝撃性樹脂組成物を与える物をい
い、メタクリル樹脂とは、ISO 8257−1に規定
されているポリメチルメタクリレート成形用および押出
し用材料である。
【0021】本発明の樹脂組成物等においても、メタク
リル樹脂製造に通常用いられている紫外線吸収剤、酸化
防止剤、滑剤、染顔料等を必要に応じて添加することが
できる。本発明のメタクリル系耐衝撃性樹脂組成物、お
よびメタクリル系耐衝撃性改良剤により得られる射出成
形品、シート・フィルムおよびこれらの加工品は、耐衝
撃性と共に良好な透明性および耐候性を有し、ブツの発
生が著しく改良されている。
リル樹脂製造に通常用いられている紫外線吸収剤、酸化
防止剤、滑剤、染顔料等を必要に応じて添加することが
できる。本発明のメタクリル系耐衝撃性樹脂組成物、お
よびメタクリル系耐衝撃性改良剤により得られる射出成
形品、シート・フィルムおよびこれらの加工品は、耐衝
撃性と共に良好な透明性および耐候性を有し、ブツの発
生が著しく改良されている。
【0022】
【実施例】次に本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例における「%」および「部」は全て「重量%」お
よび「重量部」であり、使用する単量体、重合開始剤、
連鎖移動剤等の略称は下記のものが使用される。
が、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例における「%」および「部」は全て「重量%」お
よび「重量部」であり、使用する単量体、重合開始剤、
連鎖移動剤等の略称は下記のものが使用される。
【0023】メチルメタクリレート(MMA)、メチル
アクリレート(MA)、エチルアクリレート(EA)、
n−ブチルアクリレート(BA)、スチレン(ST)、
アリルメタクリレート(ALMA)、1,3-ブチレングリ
コールジメタクリレート(BGDMA)、n−オクチル
メルカプタン(n−OM)。
アクリレート(MA)、エチルアクリレート(EA)、
n−ブチルアクリレート(BA)、スチレン(ST)、
アリルメタクリレート(ALMA)、1,3-ブチレングリ
コールジメタクリレート(BGDMA)、n−オクチル
メルカプタン(n−OM)。
【0024】また横線(−)は同一層を形成するために
用いられる単量体等を示し、斜線(/)は層が異なるこ
とを意味する。
用いられる単量体等を示し、斜線(/)は層が異なるこ
とを意味する。
【0025】実施例中のメタクリル系耐衝撃性樹脂組成
物、およびメタクリル系耐衝撃性改良剤により得られた
樹脂組成物からのブツの発生状況は、3本の鏡面ロール
を備えた50φシート押出機で3mm厚の押出板を試作
し、押出板の表面状態を以下の分類により評価した。 ブツ非常に多い … ×× ブツあり … × ブツほとんど無し… △ ブツ無し … ○ 実施例中の樹脂組成物等の物性評価は下記の方法に従い
測定した。 (1) 熱変形温度;HDT ASTM−D648(264
psi) (2) アイゾット衝撃強度(ノッチあり)ASTM−D2
56 (3) 全光線透過率、ヘイズ ASTM−D1003(5m
m厚) (4) 粒子径 電子顕微鏡で測定。 (5) 耐侯性テスト 促進暴露試験、暴露時間1000h
rs(サンシャインウェザーメーター) アイゾット衝
撃強度、ヘイズを評価 実施例1 (1) 多層構造重合体(A-1) ラテックスの製造 還流コンデンサー付き反応槽にイオン交換水250部、
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム1部を仕込み、窒
素雰囲気下で攪拌しながら80℃に昇温後、MMA15
部、ALMA0.075部、1%KPS水溶液1.5部
を仕込んで60分間反応させて重合を完了した。続いて
1%KPS水溶液6部を仕込んだ時点で、BA49部、
ST11部、ALMA0.6部からなる単量体混合物を
60分間連続滴下して全量を仕込んだ後60分間保持し
て重合を完了させた。続いて1%KPS水溶液1部を仕
込んだ時点で、MMA4部、BA5部、ST1部、AL
MA0.05部からなる単量体混合物を20分間連続滴
下して全量を仕込んだ後、30分間保持して重合を完了
させた。続いて1%KPS水溶液1.5部を仕込んだ
後、MMA14.5部、MA0.5部、n−OM0.0
3部からなる単量体混合物を30分間かけて全量を連続
滴下し、次いで60分間保持して重合を完了させ多層構
造重合体(A-1) ラテックスを得た。各層の重合終了後ラ
テックスをサンプリングし、電子顕微鏡観察で新しい粒
子の生成がなく完全に逐次重合が行われていることを確
認した。得られたラテックスの粒子径は0.31μmで
あった。このラテックスの組成は、表1の(A-1) に相当
する。 (2) 多層構造重合体(B-1) ラテックスの製造 多層構造重合体(A-1) と同様、還流コンデンサー付き反
応槽にイオン交換水250部、ジオクチルスルホコハク
酸ナトリウム5部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しなが
ら80℃に昇温後、MMA24.5部、MA0.5部、
ALMA0.12部、1%KPS水溶液3部を仕込んで
60分間反応させて重合を完了した。続いて1%KPS
水溶液6部を仕込んだ時点で、BA41,3部、ST
8.7部、BGDMA0.5部からなる単量体混合物を
60分間連続滴下して全量を仕込んだ後60分間保持し
て重合を完了させた。続いて1%KPS水溶液3部を仕
込んだ後、MMA24部、MA15部、n−OM0.0
4部からなる単量体混合物を40分間かけて全量を連続
滴下し、次いで60分間保持して重合を完了させ多層構
造重合体(B-1) ラテックスを得た。各層の重合終了後ラ
テックスをサンプリングし、電子顕微鏡観察で新しい粒
子の生成がなく完全に逐次重合が行われていることを確
認した。得られたラテックスの粒子径は0.08μmで
あった。このラテックスの組成は、表1の(B-1) に相当
する。 (3) 硬質熱可塑性重合体(C-1) ラテックスの製造 多層構造重合体(A-1) と同様、還流コンデンサー付き反
応槽にイオン交換水250部、ジオクチルスルホコハク
酸ナトリウム4部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しなが
ら80℃に昇温後、MMA47.5部、MA2.5部、
1%KPS水溶液5部を仕込んで60分間反応させて重
合を完了した。続いて1%KPS水溶液5部を仕込んだ
時点で、MMA47.5部、MA2.5部からなる単量
体混合物を60分間連続滴下して全量を仕込んだ後60
分間保持して重合を完了させた。得られたラテックスの
粒子径は0.27μmであった。このラテックスの組成
は、表1の(C-1) に相当する。このようにして得られた
それぞれの重合体ラテックスを重合体換算で、多層構造
重合体(A-1) 50部、多層構造重合体(B-1) 40部、お
よび硬質熱可塑性重合体(C-1) 10部をラテックス状態
で均一混合した後、3%塩化アルミニウム水溶液に添加
して塩析凝固し、水洗・乾燥して重合体粉末を得た。こ
うして得られた重合体粉末100部と押出成形用グレー
ドのメタクリル樹脂[パラペットEHビーズ(株)クラ
レ製]100部をスーパーミキサーで混合し、シート押
出機により押出板とし、ブツの評価をはじめとして諸物
性を測定評価した。その結果を表2に示す。 実施例2〜9 実施例1と同様の方法により、層数、組成、粒子径のそ
れぞれ異なる多層構造重合体(A-2) 〜(A-4) ラテック
ス、多層構造重合体(B-2) 〜(B-3) ラテックス,および
硬質熱可塑性重合体(C-2) 〜(C-3) ラテックスを得た。
これら重合体の層数、組成、粒子径は表1に示す。
物、およびメタクリル系耐衝撃性改良剤により得られた
樹脂組成物からのブツの発生状況は、3本の鏡面ロール
を備えた50φシート押出機で3mm厚の押出板を試作
し、押出板の表面状態を以下の分類により評価した。 ブツ非常に多い … ×× ブツあり … × ブツほとんど無し… △ ブツ無し … ○ 実施例中の樹脂組成物等の物性評価は下記の方法に従い
測定した。 (1) 熱変形温度;HDT ASTM−D648(264
psi) (2) アイゾット衝撃強度(ノッチあり)ASTM−D2
56 (3) 全光線透過率、ヘイズ ASTM−D1003(5m
m厚) (4) 粒子径 電子顕微鏡で測定。 (5) 耐侯性テスト 促進暴露試験、暴露時間1000h
rs(サンシャインウェザーメーター) アイゾット衝
撃強度、ヘイズを評価 実施例1 (1) 多層構造重合体(A-1) ラテックスの製造 還流コンデンサー付き反応槽にイオン交換水250部、
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム1部を仕込み、窒
素雰囲気下で攪拌しながら80℃に昇温後、MMA15
部、ALMA0.075部、1%KPS水溶液1.5部
を仕込んで60分間反応させて重合を完了した。続いて
1%KPS水溶液6部を仕込んだ時点で、BA49部、
ST11部、ALMA0.6部からなる単量体混合物を
60分間連続滴下して全量を仕込んだ後60分間保持し
て重合を完了させた。続いて1%KPS水溶液1部を仕
込んだ時点で、MMA4部、BA5部、ST1部、AL
MA0.05部からなる単量体混合物を20分間連続滴
下して全量を仕込んだ後、30分間保持して重合を完了
させた。続いて1%KPS水溶液1.5部を仕込んだ
後、MMA14.5部、MA0.5部、n−OM0.0
3部からなる単量体混合物を30分間かけて全量を連続
滴下し、次いで60分間保持して重合を完了させ多層構
造重合体(A-1) ラテックスを得た。各層の重合終了後ラ
テックスをサンプリングし、電子顕微鏡観察で新しい粒
子の生成がなく完全に逐次重合が行われていることを確
認した。得られたラテックスの粒子径は0.31μmで
あった。このラテックスの組成は、表1の(A-1) に相当
する。 (2) 多層構造重合体(B-1) ラテックスの製造 多層構造重合体(A-1) と同様、還流コンデンサー付き反
応槽にイオン交換水250部、ジオクチルスルホコハク
酸ナトリウム5部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しなが
ら80℃に昇温後、MMA24.5部、MA0.5部、
ALMA0.12部、1%KPS水溶液3部を仕込んで
60分間反応させて重合を完了した。続いて1%KPS
水溶液6部を仕込んだ時点で、BA41,3部、ST
8.7部、BGDMA0.5部からなる単量体混合物を
60分間連続滴下して全量を仕込んだ後60分間保持し
て重合を完了させた。続いて1%KPS水溶液3部を仕
込んだ後、MMA24部、MA15部、n−OM0.0
4部からなる単量体混合物を40分間かけて全量を連続
滴下し、次いで60分間保持して重合を完了させ多層構
造重合体(B-1) ラテックスを得た。各層の重合終了後ラ
テックスをサンプリングし、電子顕微鏡観察で新しい粒
子の生成がなく完全に逐次重合が行われていることを確
認した。得られたラテックスの粒子径は0.08μmで
あった。このラテックスの組成は、表1の(B-1) に相当
する。 (3) 硬質熱可塑性重合体(C-1) ラテックスの製造 多層構造重合体(A-1) と同様、還流コンデンサー付き反
応槽にイオン交換水250部、ジオクチルスルホコハク
酸ナトリウム4部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しなが
ら80℃に昇温後、MMA47.5部、MA2.5部、
1%KPS水溶液5部を仕込んで60分間反応させて重
合を完了した。続いて1%KPS水溶液5部を仕込んだ
時点で、MMA47.5部、MA2.5部からなる単量
体混合物を60分間連続滴下して全量を仕込んだ後60
分間保持して重合を完了させた。得られたラテックスの
粒子径は0.27μmであった。このラテックスの組成
は、表1の(C-1) に相当する。このようにして得られた
それぞれの重合体ラテックスを重合体換算で、多層構造
重合体(A-1) 50部、多層構造重合体(B-1) 40部、お
よび硬質熱可塑性重合体(C-1) 10部をラテックス状態
で均一混合した後、3%塩化アルミニウム水溶液に添加
して塩析凝固し、水洗・乾燥して重合体粉末を得た。こ
うして得られた重合体粉末100部と押出成形用グレー
ドのメタクリル樹脂[パラペットEHビーズ(株)クラ
レ製]100部をスーパーミキサーで混合し、シート押
出機により押出板とし、ブツの評価をはじめとして諸物
性を測定評価した。その結果を表2に示す。 実施例2〜9 実施例1と同様の方法により、層数、組成、粒子径のそ
れぞれ異なる多層構造重合体(A-2) 〜(A-4) ラテック
ス、多層構造重合体(B-2) 〜(B-3) ラテックス,および
硬質熱可塑性重合体(C-2) 〜(C-3) ラテックスを得た。
これら重合体の層数、組成、粒子径は表1に示す。
【0026】ラテックスブレンドでの各重合体の混合割
合、シート押出時での汎用メタクリル樹脂の混合割合、
および得られた押出板の評価結果を表2に示す。これら
実施例で得られた押出板にはブツは全く認められず、ア
イゾット衝撃強度を始めとして本発明を満足する諸物性
のものが得られた。実施例で重合体粉末をシート押出機
により押出板とする際に、ブレンドに用いたメタクリル
樹脂は表1に示す。
合、シート押出時での汎用メタクリル樹脂の混合割合、
および得られた押出板の評価結果を表2に示す。これら
実施例で得られた押出板にはブツは全く認められず、ア
イゾット衝撃強度を始めとして本発明を満足する諸物性
のものが得られた。実施例で重合体粉末をシート押出機
により押出板とする際に、ブレンドに用いたメタクリル
樹脂は表1に示す。
【0027】比較例1〜9 実施例での多層構造重合体ラテックス、および硬質熱可
塑性重合体ラテックスを用い、実施例と同様に行った
が、ブツを始めとして満足するものは得られなかつた。
結果は表3のとうりである。
塑性重合体ラテックスを用い、実施例と同様に行った
が、ブツを始めとして満足するものは得られなかつた。
結果は表3のとうりである。
【0028】
【発明の効果】本発明により、良好な透明性および耐候
性を有し、射出成形品、シートおよびフィルム等でのブ
ツの発生が著しく改良されたメタクリル系耐衝撃性樹脂
組成物、およびメタクリル系耐衝撃性改良剤が得られ
る。
性を有し、射出成形品、シートおよびフィルム等でのブ
ツの発生が著しく改良されたメタクリル系耐衝撃性樹脂
組成物、およびメタクリル系耐衝撃性改良剤が得られ
る。
【表1】
【表2】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 33/10 C08F 220/14 C08F 220/28
Claims (2)
- 【請求項1】 粒子径0.10〜0.50μmの多層構
造重合体(A)10〜90重量部、粒子径0.01μm
以上0.10μm未満の多層構造重合体(B)1〜90
重量部、および粒子径0.01〜0.50μmの硬質熱
可塑性重合体(C)1〜90重量部からなり、かつ
(B)の量(b)重量部と、(C)の量(c)重量部と
の間に、 0.5(b)+(c)≧10 式(1) を満足する範囲で(A)、(B)、(C)をラテックス
状態で均一混合した後、凝固させて得られるメタクリル
系耐衝撃性樹脂組成物。ただし、(A)、(B)は、ア
ルキル基の炭素数が1〜8である少なくとも1種のアル
キルアクリレート50〜99.9重量%、これらと共重
合可能な不飽和単量体0〜50重量%、並びに多官能架
橋性単量体および、または多官能グラフト単量体0.1
〜5重量%からなる単量体混合物を重合してなる少なく
とも1層の軟質重合体層と、アルキル基の炭素数が1〜
4である少なくとも1種のアルキルメタクリレート50
〜100重量%、これらと共重合可能な不飽和単量体0
〜50重量%、並びに多官能架橋性単量体および、また
は多官能グラフト単量体0〜5重量%からなる単量体混
合物を重合してなる少なくとも1層の硬質重合体層との
組み合わせからなる少なくとも2層の重合体層を有し、
かつ最外層が前記硬質重合体層に属する1層からなり、
多層構造重合体全量に対する最外層の割合が10重量%
以上である多層構造重合体であり、また(C)はアルキ
ル基の炭素数が1〜4である少なくとも1種のアルキル
メタクリレート50〜100重量%、これらと共重合可
能な不飽和単量体0〜50重量%からなる単量体混合物
を乳化重合してなる硬質熱可塑性重合体である。 - 【請求項2】 請求項1におけるメタクリル系耐衝撃性
樹脂組成物をメタクリル系耐衝撃性改良剤として用い、
さらにメタクリル樹脂とブレンドした樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03329491A JP3131479B2 (ja) | 1991-11-18 | 1991-11-18 | メタクリル系耐衝撃性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03329491A JP3131479B2 (ja) | 1991-11-18 | 1991-11-18 | メタクリル系耐衝撃性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05140410A JPH05140410A (ja) | 1993-06-08 |
JP3131479B2 true JP3131479B2 (ja) | 2001-01-31 |
Family
ID=18221965
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03329491A Expired - Fee Related JP3131479B2 (ja) | 1991-11-18 | 1991-11-18 | メタクリル系耐衝撃性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3131479B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100544904B1 (ko) | 2002-12-24 | 2006-01-24 | 주식회사 엘지화학 | 다층구조를 갖는 충격보강제와 이의 제조방법 및 이를 포함하는 열가소성 수지 |
JP6871154B2 (ja) | 2015-03-02 | 2021-05-12 | 株式会社カネカ | アクリル系樹脂組成物、その成形体及びフィルム |
JP6246149B2 (ja) * | 2015-03-11 | 2017-12-13 | 旭化成株式会社 | 射出成形体 |
CN108884292B (zh) | 2016-03-31 | 2021-07-30 | 株式会社钟化 | 树脂组合物、其成型体和膜 |
US11198783B2 (en) | 2017-05-16 | 2021-12-14 | Kaneka Corporation | Dope for producing film and film production method |
-
1991
- 1991-11-18 JP JP03329491A patent/JP3131479B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05140410A (ja) | 1993-06-08 |
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