JP6246149B2 - 射出成形体 - Google Patents

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本発明は、射出成形体に関する。
メタクリル系樹脂は、透明樹脂として他のプラスチック透明樹脂より高い光透過率、耐候性、剛性を有することに特徴があり、従来から、車両用部品、照明器具、建築用材料、看板、銘板、絵画、表示装置の窓等広い用途で用いられている。
中でも、メタクリル系樹脂組成物は、表面硬度の高さに起因する優れた耐擦傷性や、高外観性より、家電・OA製品用の意匠部品や自動車の内外装用の意匠部品として多く使用されている。
前記意匠部品の多くは、他の部品上に取り付けられる装飾用の部品であり、製品の強度を担う部品ではないため、従来、実用上の利用性に耐えられる強度を有していればよいという観点から設計されている。そのため設計上、断面係数を大きく採る必要はないとされている。
また、ウエルドライン発生による意匠面での外観悪化を防止するため、1点ゲートで射出成形する場合が多い。
このため、使用されるメタクリル系樹脂材料としては、通常、高流動性の成形性の良好なものが選択される。
一方において、特に自動車の外装用の意匠部品等として使用される場合には、高い耐熱性と、通常のメタクリル系樹脂が有する耐衝撃性よりも高い耐衝撃性が要求されることがある。
かかる要求に応えるため、上記用途に用いられるメタクリル系樹脂組成物は、通常、高分子量タイプのメタクリル系樹脂が用いられるか、メタクリル系樹脂にゴム成分を添加して用いられる。
しかしながら、一般的に高分子量タイプのメタクリル系樹脂は、流動性が低く、成形加工性が悪いという欠点を有している。
特に薄手長物形状の成形品を、1点ゲートで射出成形する場合であって、金型キャビティの片端側から溶融樹脂を入れなければならない場合は、樹脂の流動性が悪いとショートショットとなる場合があるという問題を有している。仮に流動末端まで樹脂が到達したとしても、かなりの成形歪を持った成形品となるおそれがあるため、成形歪による反りを生じたりし、さらには、有機溶剤と接触する可能性のある成形品においては、ソルベントクラック等のリスクが高まるという問題を有している。
なお、本明細書中、薄手長物形状とは、図1に示すように、チャンネル構造を有する部分以外の最も薄い薄肉部の厚さ(t)が4.0mmよりも薄く、成形品の流動方向の長さ(L)、すなわち、樹脂の流動長L(mm)が、流動方向に垂直な方向の長さ(V)よりも大きいものを言う。すなわち、チャンネル構造を有する部分以外の最も薄い薄肉部の厚さ(t)が4.0mmよりも薄く、樹脂の流動長L(mm)と樹脂の流動方向に垂直な方向の長さV(mm)との関係が、L/V>1の関係を満たせば、薄手長物形状であるとする。
樹脂の流動長L(mm)と樹脂の流動方向に垂直な方向の長さV(mm)との関係は、L/V>1.2であることがより好ましく、L/V>1.3であることがさらに好ましい。
一方において、従来、メタクリル系樹脂にゴム成分を添加した場合には、高い耐衝撃性を発現するものの、流動性の低下、ヘイズの増大による外観悪化、耐熱性の低下が起こってしまうという欠点を有している。
ゴム成分の添加量が少なくした場合には、上記のような物性低下は抑制できるが、十分な耐衝撃性を付与することができないという問題を有している。
かかる問題に鑑み、少量のゴム成分の添加量でも効果的に耐衝撃性を付与する方法として、熱可塑性樹脂に異なる粒径のゴム粒子を併用する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、特許文献1に記載されている方法をメタクリル系樹脂に適用すると、メタクリル系樹脂が有する良好な耐候性や、優れた外観特性が損なわれてしまうという欠点がある。
上記耐候性を確保しながらも、効果的に耐衝撃性を付与し、外観の悪化を抑制する方法として、異なる粒径のアクリル系ゴム粒子を併用したアクリル樹脂フィルムや、当該アクリル樹脂フィルムを積層した積層体を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
しかしながら、特許文献2、3に記載されている方法によると、アクリル樹脂のみで射出成形を実施しようとした時に良好な流動性が発現できず、また、外観特性が十分でない、成形体の耐熱性が良好でないといった問題を有している。
また、メタクリル系樹脂にアクリル系グラフトゴムと熱可塑性エラストマーと相溶化剤を添加する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
特許第3408275号公報 特許第3835275号公報 特開2002−309059号公報 特開2013−213087号公報
しかしながら、特許文献4に記載されている方法によると、射出成形に好適な流動性を有する樹脂組成物が得られるが、成形体において十分な外観特性が得られないという問題を有しており、また、この方法は、熱可塑性エラストマーを用いるため、成形体の耐熱性が十分ではなく、耐熱性を改善させるためには、メタクリル系樹脂の耐候性を低下させてしまうような環境負荷の強い添加物を添加しなければならないという問題を有している。
そこで本発明においては、実用上十分な耐衝撃性及び射出成形に好適な良好な流動性を有し、高い耐熱性、優れた外観特性を有するメタクリル系樹脂組成物からなる射出成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは上述した従来技術の問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、異なる平均粒子径を有するアクリルゴムを添加することにより、実用上十分な耐衝撃性、良好な流動性を有し、高い耐熱性、優れた外観特性を有するメタクリル系樹脂組成物からなる射出成形体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
メタクリル系樹脂Aと、
アクリルゴムBと、
アクリルゴムCと、
を、含有するメタクリル系樹脂組成物Dからなる、バイザー又はピラー用の自動車内外装部材である射出成形体であって、
前記アクリルゴムBの平均粒子径φBと、前記アクリルゴムCの平均粒子径φCとが、
下記式(1)の関係を有し、
φB<φC(1)
前記アクリルゴムBが、粒径50〜169nmであり、
前記アクリルゴムCが、粒径170〜300nmであり、
前記メタクリル系樹脂組成物D中に含まれる、
前記アクリルゴムBの個数b(個)と、
前記アクリルゴムCの個数c(個)と、
アクリルゴムの総個数z(個)と、
が、
下記式(5)及び下記式(6)の関係を同時に満し、
1≦b/c≦80 (5)
(b+c)/z≧0.7 (6)
前記射出成形体の表面に存在する前記アクリルゴムB及び前記アクリルゴムCの、
走査型プローブ顕微鏡のTapping Modeにて計測したそれぞれの弾性率Eb(
MPa)、弾性率Ec(MPa)が、
下記式(7)を満たす、射出成形体。
1.1≦Ec(アクリルゴムCの弾性率)/Eb(アクリルゴムBの弾性率) (7)
本発明によれば、良好な耐衝撃性、良好な流動性、良好な耐熱性を有しつつも、メタクリル系樹脂の特長である優れた外観特性を維持したメタクリル系樹脂組成物が得られる。
薄手長物形状の成形体の一例の概略斜視図を示す。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について、詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
〔射出成形体〕
本実施形態の射出成形体は、
メタクリル系樹脂Aと、
アクリルゴムBと、
アクリルゴムCと、
を、含有するメタクリル系樹脂組成物Dからなる射出成形体であって、
前記アクリルゴムBの平均粒子径φBと、前記アクリルゴムCの平均粒子径φCとが、
下記式(1)の関係を有する。
φB<φC ・・・(1)
(メタクリル系樹脂A)
本実施形態の射出成形体に含まれるメタクリル系樹脂Aは、メタクリル酸エステル単量体単位50〜99.99質量%と、メタクリル酸エステル単量体に共重合可能な少なくとも1種のビニル単量体からなるビニル単量体単位0.01〜50質量%とからなるメタクリル系樹脂であることが好ましい。
メタクリル系樹脂Aは、一種単独のメタクリル系樹脂を用いてもよいが、二種以上のメタクリル系樹脂を併用したものであってもよい。
メタクリル系樹脂Aにおいて、メタクリル酸エステル単量体単位の含有量が50~99.99質量%の範囲内である場合、良好な耐熱性を発現する。十分な耐熱性を有することにより、高温にさらされる用途においても、本実施形態の射出成形体の寸法安定性の低下を効果的に防止できる。
また、メタクリル酸エステル単量体と共重合可能な少なくとも1種のビニル単量体からなるビニル単量体単位の含有量が0.01〜50質量%の範囲内である場合、射出成形体を成形する際のシルバー発生を効果的に抑制することができる。
良好な耐熱性を維持しながらも、成形時のシルバー発生を効果的に抑制するために、メタクリル酸エステル単量体と共重合させるビニル単量体の含有量は、0.1〜30質量%であることがより好ましく、0.2〜20質量%であることがさらに好ましい。
メタクリル系樹脂Aに含まれるメタクリル酸エステル単量体単位を構成するメタクリル酸エステル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸(2−エチルヘキシル)、メタクリル酸(t−ブチルシクロヘキシル)、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸(2,2,2−トリフルオロエチル)等が挙げられる。
入手のしやすさ、価格の観点から、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルが好ましい。
前記メタクリル酸エステル単量体は、一種のみを単独で使用してもよく、又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
また、メタクリル酸エステル単量体に共重合可能なビニル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリレート基を1つ有するアクリル酸エステル単量体が挙げられる。
その他にも(メタ)アクリレート基を2つ以上有する、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のエチレングリコール又はそのオリゴマーの両末端水酸基をアクリル酸又はメタクリル酸でエステル化したもの;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレート等の2個のアルコールの水酸基をアクリル酸又はメタクリル酸でエステル化したもの;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール誘導体をアクリル酸又はメタクリル酸でエステル化したもの;といったアクリル酸エステル単量体が挙げられる。
特に、入手しやすさの観点から、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチルが好ましい。
これらは一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
また、前記メタクリル酸エステル単量体に共重合可能な、アクリル酸エステル単量体以外の他のビニル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸やメタクリル酸等のα,β−不飽和酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、桂皮酸等の不飽和基含有二価カルボン酸及びそれらのアルキルエステル;スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、p−エチルスチレン、m−エチルスチレン、о−エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、イソプロペニルベンセン(α−メチルスチレン)等のスチレン系単量体;1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、1,1−ジフェニルエチレン、イソプロペニルトルエン、イソプロペニルエチルベンゼン、イソプロペニルプロピルベンゼン、イソプロペニルブチルベンゼン、イソプロペニルペンチルベンゼン、イソプロペニルヘキシルベンゼン、イソプロペニルオクチルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸無水物類;マレイミドや、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド等;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類;ジビニルベンゼン等の多官能モノマー等が挙げられる。
なお、メタクリル系樹脂Aにおいては、耐熱性、成形加工性等の特性を向上させる目的で、上記例示したビニル単量体以外のビニル系単量体を適宜添加して共重合させてもよい。
上記メタクリル酸エステル単量体に共重合可能なアクリル酸エステル単量体や、前記例示したアクリル酸エステル単量体以外のビニル系単量体は、一種のみを単独で使用してもよく、二種以上組み合わせて使用してもよい。
メタクリル系樹脂Aは、塊状重合法やキャスト重合法、溶液重合法、懸濁重合法により製造できるが、メタクリル系樹脂Aの製造方法は、これらの方法に限定されるものではない。
(アクリルゴムB、アクリルゴムC)
本実施形態の射出成形体は、上述したメタクリル系樹脂Aと、平均粒子径がφBのアクリルゴムBと、平均粒子径がφCのアクリルゴムCを含有するメタクリル系樹脂組成物Dからなる。
本実施形態の射出成形体においては、前記アクリルゴムBの平均粒子径φBと前記アクリルゴムCの平均粒子径φCが、下記式(1)の関係を満たす。
φB<φC ・・・(1)
上記式(1)の関係を満たすことにより、アクリルゴムによる耐衝撃性の付与効果が得られる。
また、本実施形態の射出成形体においては、前記アクリルゴムBの平均粒子径φBと前記アクリルゴムCの平均粒子径φCが、下記式(2)及び式(3)の関係を同時に満たすことが好ましい。
50nm≦φB≦169nm ・・・(2)
170nm≦φC≦300nm ・・・(3)
式(2)に示すように、アクリルゴムBの平均粒子径φBが、50nm≦φB≦169nmであることにより、基材、すなわち本実施形態の射出成形体の破壊前に発生するクレーズを効果的に受け止めたり、繋ぎ止めたりすることができるため、メタクリル系樹脂Aに添加した際、効果的に耐衝撃性を付与することができる。
アクリルゴムBの平均粒子径φBは、好ましくは50nm≦φB≦160nmであり、さらに好ましくは60nm≦φB≦160nmである。
アクリルゴムCの平均粒子径φCが170nm≦φC≦300nmの範囲内であることにより、応力を分散させるクレーズを効果的に発生させることができるため、上記メタクリル系樹脂Aに添加した際、効果的に耐衝撃性を付与することができる。
また、アクリルゴムCの平均粒子径φCが170nm≦φC≦300nmであると、可視光波長である360nmを下回るため、メタクリル系樹脂の特長である優れた外観特性を維持できる。
アクリルゴムCの平均粒子径φCは、より好ましくは180nm≦φC≦280nm、さらに好ましくは180nm≦φC≦270nmである。
アクリルゴムB及び/又はアクリルゴムCは、コアシェル構造を有していることが好ましい。
コアシェル構造のアクリルゴムとは、コアとなる重合体に対して、シェルとして層状に重合体を重ねたアクリルゴムであり、ゴム成分であるアクリル酸アルキルエステルを含有するアクリルゴムを重合体中のコア又はいずれかの層に含む。
コアシェル構造のアクリルゴムのコアとなる重合体に対してシェルとなる重合体の層数は、目的となるアクリルゴムの物性に合わせ、適宜調節することができるが、コアシェル構造のアクリルゴムの最外層は、メタクリル系樹脂の層であることが好ましい。これによりアクリルゴムの凝集物の生成を阻害し、分散性の向上を図ることができる。
コアシェル構造のアクリルゴムは、コアにメタクリル系樹脂の層、中間層のいずれかにアクリル酸アルキルエステルを含有するアクリルゴムの層を有し、最外層にメタクリル系樹脂の層を有する3層以上の構造であることが好ましい。このような構造を取ることで、射出成形時に圧力がかかった際に、アクリルゴムの変形防止を図ることができ、耐衝撃性の付与を効果的に行うことができる。
アクリルゴムの構造としては、以下に限定されるものではないが、例えば、コアとして、メタクリル酸アルキルエステル単位50〜99.9質量%と、アクリル酸アルキルエステル単位0.1〜50質量%と、これらに共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種の単量体0〜50質量%とからなる重合体を有し、中間層として、アクリル酸アルキルエステル50〜99.9質量%と、これと共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種0〜49.9質量%と、アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な架橋性単量体0.1〜10質量%とからなる単量体からなる重合体の層を有し、前記コアと前記中間層の合計100質量部の存在下に、外層として、メタクリル酸エステル50〜100質量%と、アクリル酸エステル0〜50質量%と、これらに共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種0〜49質量%とからなる単量体5〜100質量部を重合させることにより、外層の単量体からなる重合体の層を、コア及び中間層からなる弾性共重合体の層の表面に、少なくとも1層形成された、コアシェル構造のアクリルゴムが得られる。
アクリルゴムBの平均粒子径φBと、前記アクリルゴムCの平均粒子径φCは、重合時に使用する乳化剤の種類や量、モノマー添加量等を調整することにより平均粒子径を上記式(1)〜(3)の要件を満たすように制御することができる。
本実施形態の射出成形体においては、メタクリル系樹脂組成物Dの中に含まれるアクリルゴムBの質量割合WB(質量%)と、アクリルゴムCの質量割合WC(質量%)が、式(4)の関係を満たすことが好ましい。
5(質量%)≦WB+WC≦50(質量%) ・・・(4)
5(質量%)≦WB+WCであることで、本実施形態の射出成形体に効果的に耐衝撃性を付与することができる。
また、WB+WC≦50(質量%)であることで、射出成形に必要な流動性と、射出成形体に必要な耐熱温度を付与することができる。
アクリルゴムの含有量は、より好ましくは10(質量%)≦WB+WC≦45(質量%)であり、さらに好ましくは13(質量%)≦WB+WC≦40(質量%)、さらにより好ましくは15(質量%)≦WB+WC≦35(質量%)である。
本実施形態の射出成形体においては、前記メタクリル系樹脂組成物D中に含まれるアクリルゴムBの個数bと、アクリルゴムCの個数cと、アクリルゴムの総個数zとが、下記式(5)及び(6)の関係を同時に満たすことが好ましい。
1≦b/c≦80 ・・・(5)
(b+c)/z≧0.7 ・・・(6)
これにより、アクリルゴムによる耐衝撃性の付与を効果的に行うことができる。
アクリルゴムの個数の比は、より好ましくは5≦b/c≦75であり、さらに好ましくは10≦b/c≦70、さらにより好ましくは13≦b/c≦62である。
また、より好ましくは(b+c)/z≧0.75であり、さらに好ましくは(b+c)/z≧0.78であり、さらにより好ましくは(b+c)/z≧0.80である。
前記アクリルゴムBの弾性率Eb(MPa)と、アクリルゴムCの弾性率Ec(MPa)は、下記式(7)の関係を満たすことが好ましい。
1.1≦Ec(アクリルゴムCの弾性率)/Eb(アクリルゴムBの弾性率)・・・(7)
これにより、アクリルゴムによる耐衝撃性の付与を効果的に行うことができる。
弾性率の比は1.1≦Ec/Eb≦4.8であることがより好ましく、さらに好ましくは1.2≦Ec/Eb≦4.1、さらにより好ましくは、1.3≦Ec/Eb≦3.6である。
アクリルゴムBの弾性率EBと、前記アクリルゴムCの弾性率ECは、ゴム成分の比率や、アクリルゴムへの架橋剤の添加割合等を調節することにより、上記式(7)の要件を満たすように制御することができる。
本実施形態の射出成形体を構成するメタクリル系樹脂組成物Dが含有しているゴム粒子群が、平均粒子径の異なるアクリルゴムB及びアクリルゴムCからなることは、例えば、以下に後述する方法で検証することができるが、以下に限定されるものではない。
メタクリル系樹脂組成物Dからなる射出成形体1gを80℃で6.5時間真空乾燥させたものに、アセトン20gを加え、1日静置させた後、2時間振とうする。これを5℃、21000rpmの条件で30分間遠心分離を実施し、発生した沈殿と上澄み液を分離する。
次に、沈殿を80℃で6.5時間真空乾燥したものを試料Cとし、IR測定を行う。また、上澄み液については濾紙によるデカンテーションを実施し、アセトン不溶分とアセトン可溶分を分離し、アセトン不溶分を80℃で6.5時間真空乾燥したものを試料Bとし、IR測定を行う。
この試料B、試料CのIR測定結果が、アクリルゴムのIRピークの中でも特徴的なピークである波長730〜770cm-1、1120〜1160cm-1、1700〜1750cm-1、2930〜2970cm-1の4か所にピークを有していれば、アクリルゴムが含まれていると判断することができる。
また、試料B、試料CのTEM観察画像から、粒子径を求めることができる。試料Bの結果からアクリルゴムBを、試料Cの結果からアクリルゴムCを定性することができる。
(メタクリル系樹脂Aに混合可能な成分)
<その他の樹脂>
前記メタクリル系樹脂Aには、本発明の効果を損なわない範囲で、従来公知のその他の樹脂を混合することができる。
当該その他の樹脂としては、特に限定されるものではなく、公知の硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が好適に使用される。
熱可塑性樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、シンジオタクテックポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、メタクリル系樹脂、AS系樹脂、BAAS系樹脂、MBS樹脂、AAS樹脂、生分解性樹脂、ポリカーボネート−ABS樹脂のアロイ、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、酢化セルロース、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリアルキレンアリレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。
特に、AS樹脂、BAAS樹脂は、流動性を向上させるために好ましく、ABS樹脂、MBS樹脂は耐衝撃性を向上させるために好ましく、また、ポリエステル樹脂は耐薬品性を向上させるために好ましい。
また、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、フェノール系樹脂、ポリカーボネート等は難燃性を向上させる効果が得られる。
また、硬化性樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、キシレン樹脂、トリアジン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ウレタン樹脂、オキセタン樹脂、ケトン樹脂、アルキド樹脂、フラン樹脂、スチリルピリジン樹脂、シリコン樹脂、合成ゴム等が挙げられる。
これらの樹脂は、一種のみを単独で用いてもよく、二種以上の樹脂を組み合わせて用いてもよい。
<添加剤>
メタクリル系樹脂Aには、剛性や寸法安定性等の所定の各種特性を付与するため、本発明の効果を損なわない範囲で各種の添加剤を混合してもよい。
添加剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、フタル酸エステル系、脂肪酸エステル系、トリメリット酸エステル系、リン酸エステル系、ポリエステル系等の可塑剤;高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸のモノ、ジ、又はトリグリセリド系等の離型剤;ポリエーテル系、ポリエーテルエステル系、ポリエーテルエステルアミド系、アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩等の帯電防止剤;酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤等の安定剤;難燃剤、難燃助剤、硬化剤、硬化促進剤、導電性付与剤、応力緩和剤、結晶化促進剤、加水分解抑制剤、潤滑剤、衝撃付与剤、摺動性改良剤、相溶化剤、核剤、強化剤、補強剤、流動調整剤、染料、増感材、着色用顔料、ゴム質重合体、増粘剤、沈降防止剤、タレ防止剤、充填剤、消泡剤、カップリング剤、防錆剤、抗菌・防黴剤、防汚剤、防曇剤、導電性高分子、カーボンブラック等が挙げられる。
前記難燃剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、環状窒素化合物、リン系難燃剤、シリコン、籠状シルセスキオキサン又はその部分開裂構造体、シリカが挙げられる。
前記熱安定剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系加工安定剤等の酸化防止剤等が挙げられ、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。具体的には、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N'−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド、3,3',3'',5,5',5''−ヘキサ−tert−ブチル−a,a',a''−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリン)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミン)フェノール等が挙げられ、ペンタエリスリトールテラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。
また、前記紫外線吸収剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾトリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、オキシベンゾフェノン系化合物、フェノール系化合物、オキサゾール系化合物、マロン酸エステル系化合物、シアノアクリレート系化合物、ラクトン系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンズオキサジノン系化合物等が挙げられ、好ましくはベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾトリアジン系化合物である。これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上併用して用いてもよい。
なお、紫外線吸収剤の融点(Tm)は、本実施形態の射出成形体の熱変形防止の観点から80℃以上であることが好ましく、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは130℃以上、さらにより好ましくは160℃以上である。
紫外線吸収剤は、シルバーなどの成形不良発生防止の観点から23℃から260℃まで20℃/minの速度で昇温した場合の質量減少率が50%以下であることが好ましく、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは15%以下、さらにより好ましくは10%以下、よりさらに好ましくは5%以下である。
〔メタクリル系樹脂組成物Dを用いた射出成形体の製造方法〕
本実施形態のメタクリル系樹脂組成物Dからなる射出成形体は、上述したメタクリル系樹脂組成物Dを射出成形することにより得られる。
メタクリル系樹脂組成物Dは、メタクリル系樹脂A、アクリルゴムB、アクリルゴムC、及び必要に応じて上述した種々の添加剤、その他の樹脂と混合し、混練することにより得られる。
例えば、押出機、加熱ロール、ニーダー、ローラミキサー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練することにより製造できる。
特に押出機による混練が、生産性の観点から好ましい。
混練温度は、メタクリル系樹脂Aの好ましい加工温度に従えばよく、例えば、140〜300℃の範囲が好ましく、より好ましくは180〜280℃の範囲である。
メタクリル系樹脂組成物Dを射出成形し、射出成形体を得る方法については、例えば、射出圧縮成形法、ガスアシスト射出成形法、発泡射出成形法、超薄肉射出成形法(超高速射出成形法)等を適用できる。
本実施形態においては、例えば、図1に示すような良好な流動性を有していないとショートショットになってしまうような成形体を成形する場合であっても、良好な流動性、成形性が得られるため、成形不良等が無い、外観特性が良好な射出成形体が得られる。
〔メタクリル系樹脂組成物Dを用いた射出成形体の用途〕
上述したメタクリル系樹脂A、アクリルゴムB、及びアクリルゴムCを含有するメタクリル系樹脂組成物Dは、1点ゲートで薄手長物形状の射出成形体が得られるような良好な成形流動性を有する。また、本実施形態の射出成形体は、良好な耐熱性、耐衝撃性、外観を有するので、家電分野、OA分野、自動車分野における、射出成形によって製造される各種成形体に用いることができる。特に、高温に対する変形安定性、良好な外観性、良好な耐衝撃性を必要とする用途、例えば、自動車用バイザー、メーターパネル、ディスプレイ用部品、ピラー、テールランプカバー等の自動車内外装部材、レンズカバー、照明カバー等の電気製品部材に好適である。
本実施形態の射出成形体は、射出成形によって製造された成形体ならば、形状、形態のいかんを問わず実施できる。
以下、本発明について具体的な実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明は、後述する実施例に限定されるものではない。
〔測定方法〕
(アクリルゴムの平均粒子径)
後述する実施例及び比較例の射出成形体の任意の10点を丸鋸にて切り出した後、RuO4(ルテニウム酸)染色超薄切片法による観察用の試料を作製した。
(株)日立ハイテクロノジーズ製 透過型電子顕微鏡 機種:HT7700を使用し、染色されたアクリルゴム粒子断面を倍率100000倍で観察し、撮影した。
任意の10点の画像に含まれるすべてのアクリルゴム粒子の粒径を測定した時、粒径50〜169nmのアクリルゴム粒子の平均粒子径をアクリルゴムBの平均粒子径(φB)とし、粒径170〜300nmのアクリルゴム粒子の平均粒子径をアクリルゴムCの平均粒子径(φc)とした。
(アクリルゴムの個数)
上記(アクリルゴムの平均粒子径)と同様の方法によって撮影した画像中のアクリルゴムの個数を算出した。
この時、粒子径50nm〜169nmのアクリルゴム粒子の個数を、アクリルゴムBの個数b、粒子径170nm〜300nmのアクリルゴム粒子の個数をアクリルゴムCの個数cとした。なお、粒子径は小数点以下四捨五入した。
bとcの和を(b+c)、染色されたすべての粒子状重合体の数を総数zとし、(b+c)/zを算出した。
(アクリルゴムBの質量割合WBと、アクリルゴムCの質量割合WCの和)
アクリルゴムBの質量割合WBとアクリルゴムCの質量割合WCの和を(WB+WC)とした時、目的とするメタクリル系樹脂組成物Dに対する質量割合を求めた。
(アクリルゴムの弾性率)
アクリルゴムB、Cをメタクリル系樹脂中に分散させ、射出成形体を作製し、測定用サンプルとした。
Bruker AXS社製Dimension Icon AFMのPeak Force QNMモード、TAP170A型シリコン単結晶プローブを用いて、分散したアクリルゴムB、Cの弾性率をそれぞれ測定し、測定データの平均値をそれぞれの弾性率とした。
この時、アクリルゴムを横断するようにラインプロファイルを表示し、最も低い値を測定データとして読み取った。
粒径50〜169nmのアクリルゴム粒子の弾性率をEb、粒径170〜300nmのアクリルゴム粒子の弾性率をEcとし、Ec/Ebを算出した。なお、粒子径は小数点以下四捨五入した。
(耐衝撃性)
後述する実施例及び比較例の射出成形体を用いて、ISO179/1eU規格に準拠した試験片を製造し、シャルピー衝撃試験(ノッチなし)を実施した。
なお耐衝撃性は、40kJ/m2以上であれば○、30kJ/m2以上40kJ/m2未満であれば△、30kJ/m2未満であれば×とした。
30kJ/m2以上であれば、従来の通常のメタクリル系樹脂では使用できないような用途にも使用することができると評価した。
(ヘイズ(Haze))
JIS K 7136に準じ、後述する実施例及び比較例の射出成形体を切り出し、50×100mmの試料サイズにし、その後、日本電色工業(株)製 濁度計型式:1001DPを用いて試験片の厚さ3mmのヘイズを測定し、外観の良さを示す尺度とした。
ヘイズが0.9未満であれば○、0.9〜1.2であれば△、1.3以上であれば×とした。
ヘイズが1.1以下であれば、目視においてもメタクリル樹脂の持つ高外観に遜色が見られなかったため、高外観であると判断した。
(耐熱性)
後述する実施例及び比較例の射出成形体を用い、JIS K7206に準拠して製造した試験片により、以下に記す測定機、試験条件を適用してビカット軟化温度を測定し、耐熱性の評価を行った。
(株)東洋精機製作所製HDT Tester 3M−2を用いて、荷重50N、昇温速度50℃/時間にて、耐熱温度を測定した。
耐熱温度が90℃以上であれば、高温にさらされるような用途でも好適に使用できると評価した。
(スパイラル長さ)
後述する実施例及び比較例で製造したメタクリル系樹脂組成物を、80℃で24時間乾燥させた後、以下に記す射出成形機、測定用金型、成形条件を用い、流動性評価を行った。
具体的には、金型表面の中心部にメタクリル系樹脂組成物を下記条件にて射出し、射出終了40sec後にスパイラル状の成形体を取り出し、スパイラル部分の長さを測定し、これを流動性評価の指標とした。
測定結果を下記表3に示す。
スパイラル長さが30cm以上あれば、薄手長物形状のような高い流動性が要求される射出成形においても、成形ひずみ等の不良がない良好な射出成形体を得ることができると判断した。

射出成形機: 東芝機械製 EC−100SX
測定用金型: 金型の表面に、深さ2mm、幅12.7mmの溝を、
表面の中心部からアルキメデススパイラル状に掘り込んだ金型
成形条件
樹脂温度:250℃
金型温度:55℃
最大射出圧力:75MPa
射出時間:20sec
下記において、メタクリル系樹脂組成物からなる射出成形体の製造方法を説明する。
なお、略号は以下の化合物を示す。
MMA;メチルメタクリレート、BA;n−ブチルアクリレート、St;スチレン、MA;メチルアクリレート、ALMA;アリルメタクリレート、PEGDA;ポリエチレングリコールジアクリレート(分子量200又は600)、n−OM;n−オクチルメルカプタン、HMBT;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
〔メタクリル系樹脂の製造〕
<樹脂1〜3の重合>
樹脂1〜3の重合は、懸濁重合法にて実施した。
まず懸濁剤の調製として、攪拌機を有する5L容器に水2kg、第3リン酸カルシウム65g、炭酸カルシウム39g、ラウリル硫酸ナトリウム0.39gを投入し、それらを撹拌・混合することで懸濁剤を調製した。
次に、60Lの反応器に水25kgを投入して80℃に昇温し、懸濁重合の準備を行った。80℃に達して恒温状態になったことを確認した後、重合原料として、下記表1に記載の原料と、前記懸濁剤を全量、60L反応器の中へ投入し撹拌した。
その後、約80℃を保って懸濁重合を行い、発熱ピークの確認後、92℃に1℃/min速度で昇温し、続いて60分間92℃〜94℃の温度を保持し、続いて50℃まで冷却した後、20質量%硫酸を投入して懸濁剤を溶解させた。
次いで、その重合反応溶液を60L反応器から取り出し、篩目開き1.68mmの篩にかけて巨大凝集物を除去した後、ブフナー漏斗にて水層と固形物とを分離し、ビーズ状ポリマーを得た。
そのビーズ状ポリマーをブフナー漏斗上で、5回、約20Lの蒸留水で洗浄した後、スチームオーブンで乾燥処理を行い、樹脂1〜3に相当するポリマー微粒子を得た。
<樹脂4>
樹脂4の重合は、懸濁重合法にて実施した。
まず懸濁剤の調製として、攪拌機を有する5L容器に水2kg、第3リン酸カルシウム65g、炭酸カルシウム39g、ラウリル硫酸ナトリウム0.39gを投入し、それらを撹拌・混合することで懸濁剤を調製した。
次に、60Lの反応器に水25kgを投入して80℃に昇温し、懸濁重合の準備を行った。
80℃に達して恒温状態になったことを確認した後、重合原料として、下記表2に記載の重合体Iの原料と、前記懸濁剤を全量、60L反応器の中へ投入し撹拌した。
その後、約80℃を保って懸濁重合を行い、発熱ピークの確認後、92℃に1℃/min速度で昇温し、続いて30分間92℃〜94℃の温度を保持した。
続いて80℃まで冷却した後、下記表2記載の重合体IIの原料を投入し、攪拌しながら、約80℃を保って懸濁重合を行い、発熱ピークの確認後、92℃に1℃/min速度で昇温し、続いて45分間92℃〜94℃の温度を保持した。続いて50℃まで冷却した後、20質量%硫酸を投入して懸濁剤を溶解させた。
次いで、その重合反応溶液を60L反応器から取り出し、篩目開き1.68mmの篩にかけて巨大凝集物を除去した後、ブフナー漏斗にて水層と固形物とを分離し、ビーズ状ポリマーを得た。
そのビーズ状ポリマーをブフナー漏斗上で、5回、約20Lの蒸留水で洗浄した後、スチームオーブンで乾燥処理を行い、樹脂4に相当するポリマー微粒子を得た。
〔アクリルゴムの製造〕
〈製造例1〉
攪拌機、コンデンサーを備えた10Lビーカーに蒸留水5.7L、乳化剤としてジオクチルスルホコハク酸ソーダ20g、還元剤としてロンガリットl.3gを加え均一に溶解した。
第一層として、メチルメタクリレート(以下MMAと略す。)220g、n−ブチルアクリレート(以下BAと略す。)30g、アリルメタクリレート(以下ALMAと略す。)0.8g、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド(以下PBPと略す。)0.2gの均一溶液を加え80℃で重合した。約15分で反応は完了した。
次いで、第二層として、BA1270g、スチレン(以下Stと略す。)320g、ジエチレングリコールジアクリレート(以下DEGAと略す。)20g、ALMA13.0g、PBP1.6gの均一溶液を1時間にわたって滴下した。滴下終了後40分で反応は完了した。
次に、第三層1段として、MMA340gへ、BA2.0g、PBP0.3g、n−オクチルメルカプタン(以下OMと略す。)0.1gの均一溶液を加えた。この段階の反応は約15分で完了した。
次に、第三層2段として、OMの量を1.0gにした他は第三層1段と同じ組成の溶液を加えた。この段階は約15分で反応が完了した。次いで温度を95℃に上げ、1時間保持し、得られた乳化物を、0.5%塩化アルミニウム水溶液中に投入して重合体を凝集させ、温水で5回洗浄後、乾燥して白色フロック状の重合体1を得た。
〈製造例2〉
攪拌機、コンデンサーを備えた10Lビーカーに蒸留水5.7L、乳化剤としてジオクチルスルホコハク酸ソーダ20g、還元剤としてロンガリットl.3gを加え、均一に溶解した。
第一層としてメチルメタクリレート(以下MMAと略す。)100g、n−ブチルアクリレート(以下BAと略す。)60g、アリルメタクリレート(以下ALMAと略す。)1.2g、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド(以下PBPと略す。)0.2gの均一溶液を加え、80℃で重合した。約15分で反応は完了した。
次いで、第二層としてBA1470g、スチレン(以下Stと略す。)370g、DEGA22g、ALMA13.5g、PBP1.6gの均一溶液を1時間にわたって滴下した。
滴下終了後40分で反応は完了した。
次に、第三層1段としてMMA260gへ、BA2.0g、PBP0.3g、n−オクチルメルカプタン(以下OMと略す)0.06gの均一溶液を加えた。この段階の反応は約15分で完了した。
次に、第三層2段としてOMの量を1.0gにした他は第三層1段と同じ組成の溶液を加えた。この段階は約15分で反応が完了した。次いで温度を95℃に上げ、1時間保持した。得られた乳化物を0.5%塩化アルミニウム水溶液中に投入して重合体を凝集させ、温水で5回洗浄後、乾燥して白色フロック状の重合体2を得た。
〈製造例3〉
内容積10Lの還流冷却器付反応器に、イオン交換水6860mL、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム13.7gを投入し、250rpmの回転数で攪拌しながら、窒素雰囲気下75℃に昇温し、酸素の影響が事実上無い状態にした。
MMA907g、BA33g、HMBT0.28g、及びALMA0.93gからなる混合物のうち222gを一括添加し、5分後に過硫酸アンモニウム0.22gを添加した。
その40分後から混合物の残りの719gを20分間かけて連続的に添加し、添加終了後さらに60分間保持した。次に、過硫酸アンモニウム1.01gを添加した後BA1067g、St219g、PEGDA27g、HMBT0.39g、ALMA27.3gからなる混合物を140分間かけて連続的に添加し、添加終了後さらに180分間保持した。
次に、過硫酸アンモニウム0.30gを添加した後、MMA730g、BA26.5g、HMBT0.22g、n−OM0.76gからなる混合物を40分間かけて連続的に添加し、添加終了後95℃に昇温し30分間保持した。
得られた乳化物を3質量%硫酸ナトリウム温水溶液中へ投入して、塩析・凝固させ、次いで、脱水・洗浄を繰り返したのち乾燥し、重合体3を得た。
〈製造例4〉
内容積10Lの還流冷却器付反応器に、イオン交換水6860ml、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム13.7gを投入し、250rpmの回転数で攪拌しながら、窒素雰囲気下75℃に昇温し、酸素の影響が事実上無い状態にした。
MMA570g、BA50g、HMBT0.28g、及びALMA0.93gからなる混合物のうち222gを一括添し、5分後に過硫酸アンモニウム0.22gを添加した。
その40分後から混合物の残りの719gを20分間かけて連続的に添加し、添加終了後さらに60分間保持した。
次に、過硫酸アンモニウム1.01gを添加した後BA1367g、St274g、HMBT0.40g、PEGDA24g、ALMA28.0gからなる混合物を140分間かけて連続的に添加し、添加終了後さらに180分間保持した。
次に、過硫酸アンモニウム0.30gを添加した後、MMA730g、BA26.5g、HMBT0.22g、n−OM0.76gからなる混合物を40分間かけて連続的に添加し、添加終了後95℃に昇温し30分間保持した。
得られた乳化物を3質量%硫酸ナトリウム温水溶液中へ投入して、塩析・凝固させ、次いで、脱水・洗浄を繰り返したのち乾燥し、重合体4を得た。
〈製造例5〉
内容積10Lの還流冷却器付反応器に、イオン交換水6860mL、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム13.7gを投入し、250rpmの回転数で攪拌しながら、窒素雰囲気下75℃に昇温し、酸素の影響が事実上無い状態にした。
MMA1107g、BA28g、HMBT0.28g、及びALMA0.97gからなる混合物のうち252gを一括添し、5分後に過硫酸アンモニウム0.22gを添加した。
その40分後から混合物の残りの883gを20分間かけて連続的に添加し、添加終了後さらに60分間保持した。次に、過硫酸アンモニウム1.01gを添加した後BA907g、St188g、HMBT0.39g、PEGDA35g、ALMA29.1gからなる混合物を140分間かけて連続的に添加し、添加終了後さらに180分間保持した。
次に、過硫酸アンモニウム0.30gを添加した後、MMA730g、BA26.5g、HMBT0.22g、n−OM0.76gからなる混合物を40分間かけて連続的に添加し、添加終了後。95℃に昇温し、30分間保持した。
得られた乳化物を、3質量%硫酸ナトリウム温水溶液中へ投入して、塩析・凝固させ、次いで、脱水・洗浄を繰り返したのち乾燥し、重合体5を得た。
〈製造例6〉
内容積10Lの還流冷却器付反応器に、イオン交換水6860mL、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム13.7gを投入し、250rpmの回転数で攪拌しながら、窒素雰囲気下75℃に昇温し、酸素の影響が事実上無い状態にした。
次に、過硫酸アンモニウム1.71gを添加した後、BA2416g、St481g、HMBT0.61g、PEGDA73g、ALMA104.6gからなる混合物を140分間かけて連続的に添加し、添加終了後さらに180分間保持した。180分間保持の終了後、95℃に昇温し、30分間保持した。
得られた乳化物を3質量%硫酸ナトリウム温水溶液中へ投入して、塩析・凝固させ、次いで、脱水・洗浄を繰り返したのち乾燥し、重合体6を得た。
〔ペレット製造〕
上述したメタクリル系樹脂粒子である樹脂1〜4と、アクリルゴムである重合体1〜6を組み合わせて、メタクリル系樹脂組成物Dを製造した。
メタクリル系樹脂組成物Dは、下記表3に示す配合比に従い、メタクリル系樹脂とアクリルゴムを配合し、メタクリル系樹脂組成物D100質量部に対し、紫外線吸収剤である株式会社ADEKA製アデカスタブLA−32 0.02質量部、熱安定剤である東京化成工業(株)製ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート0.05質量部、滑剤である花王株式会社製カルコール8098 0.07質量部とともにヘンシェルミキサーを用いて、20分間混合し、その後、240℃に設定したφ30mmの二軸押出機にて溶融混練し、ストランドを冷却裁断して、メタクリル系樹脂組成物のペレットを得た。
〔射出成形体の製造〕
上記のようにして製造したメタクリル系樹脂組成物のペレットを、インラインスクリュー射出成形機(東芝機械株式会社製、IS−75S型)を用いて、成形温度250℃、射出圧力900kgf/cm2、金型温度55℃の条件で、所定の射出成形体(評価用試験片)を成形し、物性測定を行った。
実施例1〜17、比較例1〜3の、メタクリル系樹脂組成物Dの射出成形体中の、メタクリル系樹脂A、アクリルゴムB、アクリルゴムC、これらの配合量、組成、及び特性評価結果を下記表3に示す。
実施例1〜17においては、実用上十分な耐衝撃性、射出成形に好適な流動性を有し、高い耐熱性、及び優れた外観特性が実現できた。
比較例1においては、メタクリル系樹脂に対し、アクリルゴムを添加していないため、十分な耐衝撃性が得られなかった。
比較例2においては、アクリルゴムBのみしか射出成形体に含まれていなかったため、射出成形体に十分な耐衝撃性を付与することが出来なかった。
比較例3においては、アクリルゴムCのみしか射出成形体に含まれていなかったため、成形流動性が十分ではなく、また、外観においてもメタクリル系樹脂の持つ優れた外観がやや失われてしまっていた。
本発明の射出成形体は、家庭用器具、伝達器具、スポーツ用器具の部品、自動車、船舶又は航空機の構造の内外装部材、メーターパネル、バンパー、フロントグリル、ヘッドランプ、テールランプ、ボディ周辺部品(ピラー、バイザー等)、タイヤ周辺部品として産業上の利用可能性がある。
また、光学材料用射出成形体として、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、リアプロジェクションテレビ等のディスプレイに用いられる導光板、拡散板、ディスプレイ前面板、ディスプレイ基盤、レンズ、タッチパネル等、また、太陽電池に用いられる透明基盤等として産業上の利用可能性がある。
その他としては、照明用カバーや、光通信システム、光交換システム、光計測システムの分野において、導波路、レンズ、LEDのレンズ、レンズカバー等として、産業上の利用可能性がある。
t 成形品の薄肉部の厚さ
L 成形品の樹脂の流動方向の長さ
V 樹脂の流動方向に垂直な方向の長さ

Claims (1)

  1. メタクリル系樹脂Aと、
    アクリルゴムBと、
    アクリルゴムCと、
    を、含有するメタクリル系樹脂組成物Dからなる、バイザー又はピラー用の自動車内外装部材である射出成形体であって、
    前記アクリルゴムBの平均粒子径φBと、前記アクリルゴムCの平均粒子径φCとが、
    下記式(1)の関係を有し、
    φB<φC(1)
    前記アクリルゴムBが、粒径50〜169nmであり、
    前記アクリルゴムCが、粒径170〜300nmであり、
    前記メタクリル系樹脂組成物D中に含まれる、
    前記アクリルゴムBの個数b(個)と、
    前記アクリルゴムCの個数c(個)と、
    アクリルゴムの総個数z(個)と、
    が、
    下記式(5)及び下記式(6)の関係を同時に満し、
    1≦b/c≦80 (5)
    (b+c)/z≧0.7 (6)
    前記射出成形体の表面に存在する前記アクリルゴムB及び前記アクリルゴムCの、
    走査型プローブ顕微鏡のTapping Modeにて計測したそれぞれの弾性率Eb(
    MPa)、弾性率Ec(MPa)が、
    下記式(7)を満たす、射出成形体。
    1.1≦Ec(アクリルゴムCの弾性率)/Eb(アクリルゴムBの弾性率) (7)
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