JP2000178401A - アクリル系多層構造重合体を用いたメタクリル系樹脂組成物 - Google Patents

アクリル系多層構造重合体を用いたメタクリル系樹脂組成物

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JP2000178401A JP10359035A JP35903598A JP2000178401A JP 2000178401 A JP2000178401 A JP 2000178401A JP 10359035 A JP10359035 A JP 10359035A JP 35903598 A JP35903598 A JP 35903598A JP 2000178401 A JP2000178401 A JP 2000178401A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクリル系多層構造重合体をブレンドしたメ
タクリル系樹脂組成物を用い、透明性、耐候性および耐
応力白化性、耐温水白化性等に優れ、良好な成形性を有
しブツの発生が著しく改良されたフィルム用樹脂組成物
を得る。 【解決手段】 各層の単量体混合物の重量比が、第1層
5〜20重量%、第二層50〜80重量%、第三層15
〜45重量%(合計100重量%)で、第三層の重合体
の分子量が内側から外側に向かって次第に小さくなって
いるメタクリル系多層構造重合体50〜80重量部と、
メタクリル酸メチル85〜99.5重量%とアルキル基
の炭素数が1〜8であるアクリル酸アルキル15〜0.
5重量%からなるアクリル系共重合体50〜20重量部
をブレンドしたメタクリル系樹脂組成物を用いることに
より、良好な透明性、耐候性、耐応力白化性および耐温
水白化性を有し、成形性に優れブツの発生が殆ど見られ
ないフィルム用樹脂組成物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、多層構造重合体
を用いたメタクリル系樹脂組成物に関し、詳しくは透明
性、耐候性、耐応力白化性、耐温水白化性等に優れ、良
好な成形性を有する、フィルム製造用原料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル樹脂を中心に、アクリ
ル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、AB
S樹脂などを原料とし色々なフィルムが、Tダイを用い
た押出し法やカレンダリングによるロール加工法などに
より製造されている。特に透明や着色を付した装飾用フ
ィルムでは、現在塩化ビニル樹脂が使用されているが、
耐候性に劣るため色調変化が大きく、さらに焼却の際に
は塩素ガス等が発生するという問題がある。また、ゴム
補強していないアクリル樹脂では、フィルムに加工した
場合、硬質で脆く使用に耐えない。また、アクリル樹脂
にアクリル系やブタジエン系ゴム成分をブレンドし、脆
さを改良した組成物も見られるが、耐候性、耐応力白化
性や耐温水白化性といった性能に問題が発生する場合が
ある。また、特開平5−140410号公報には透明
性、耐候性に優れブツの発生が改良されたメタクリル系
耐衝撃性樹脂組成物が開示されている。特開平9−31
287号公報には、耐候性、耐衝撃性、耐応力白化性、
成形性を改良したアクリルゴム系樹脂組成物が開示され
ているが耐応力白化性、耐温水白化性が充分満足できる
ものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はアクリル系多
層構造重合体を用いたメタクリル系樹脂組成物に関し、
さらに詳しくは、透明性、耐候性および耐応力白化性、
耐温水白化性等に優れ、良好な成形性を有しブツの発生
が著しく改良されたフィルム用樹脂組成物を提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【発明が解決するための手段】本発明者らは、アクリル
系多層構造重合体を鋭意検討した結果、特定な層構造を
持つアクリル系多層構造重合体を用いたメタクリル系樹
脂組成物が、良好な透明性および耐候性を有するととも
に、常温で良好な耐応力白化性および耐温水白化性を有
し、成形性に優れブツの発生が殆ど見られないといった
フィルム用樹脂組成物として優れた特性を示すことを見
い出し本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明は、(A)最内層がメタクリ
ル酸メチル90〜100重量%とこれと共重合可能な単
官能単量体0〜10重量%との混合物を乳化重合させて
得られる、ガラス転移点が25℃以上の重合体であり、
(B)中間層が単独で重合させたときに25℃以下のガ
ラス転移点をもつアルキル基の炭素数が2〜8であるア
クリル酸アルキル65〜99.9重量%と、これと共重
合可能な単量体0〜30重量%と多官能グラフト剤0〜
5重量%及び0.1〜5重量%の多官能架橋剤を含有す
る混合物を乳化重合させた重合体であり、(C)最外層
が単独で重合させたときに25℃以上のガラス転移点を
もち、メタクリル酸メチル80〜99重量%とこれと共
重合可能な単官能単量体1〜20重量%からなる単量体
混合物に連鎖移動剤を段階的に増加させ、n段階(nは
2〜4)で乳化重合させた重合体から成り、この重合体
の分子量が内側から外側に向かって次第に小さくなって
おり、その第一段階の単量体混合物の重量は、第三層全
単量体重量の少なくとも1/n以上であって、各層の単
量体混合物の重量比が、第1層5〜20重量%、第二層
50〜80重量%、第三層15〜45重量%(合計10
0重量%)であることを特徴とするメタクリル系多層構
造重合体50〜80重量部と、メタクリル酸メチル85
〜99.5重量%とアルキル基の炭素数が1〜8である
アクリル酸アルキル15〜0.5重量%からなるアクリ
ル系共重合体50〜20重量部をブレンドしてなること
を特徴とするフィルム製造用メタクリル系樹脂組成物、
および該組成物に芳香族カルボン酸、脂肪族カルボン酸
から選ばれる少なくとも一種類の酸、アルキル基の炭素
数が6〜24の脂肪族高級アルコール、及び芳香族アル
コールのエステルから選ばれる少なくとも一種の可塑剤
を1〜40重量部ブレンドしてなることを特徴とするフ
ィルム製造用メタクリル系樹脂組成物に関する。
【0006】本発明の多層構造重合体は乳化重合法によ
り得られる。この場合、第二層、第三層の重合を行う際
に新たな粒子が生成しないことが必要であり、その為に
いわゆるシード重合法が用いられる。即ち、次の重合を
行う際に新たに乳化剤を添加しないで重合する。新たな
粒子が生成しているかどうかは電子顕微鏡により容易に
知ることができる。
【0007】使用される乳化剤としては、アクリル酸エ
ステルやメタクリル酸エステルの乳化重合に一般に使用
される乳化剤、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ミリ
スチン酸ナトリウムなどの長鎖脂肪酸の塩類、ジオクチ
ルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク
酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
などのスルホン酸の塩類、ジアルキルスルホサクシネー
ト、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなど
がある。使用される重合開始剤としては特に制限はな
く、通常用いられている水溶性の過硫酸塩、過ホウ酸塩
などの無機系開始剤を単独で、或いは亜硫酸塩、チオ硫
酸塩などを併用してレドックス開始剤系として用いるこ
ともできる。さらに油溶性の有機過酸化物/第一鉄塩、
有機過酸化物/ソジウムスルホキシレートのようなレド
ックス開始剤系も用いることができる。
【0008】第一層形成工程は、メタクリル酸メチルを
主成分とする単量体混合物を乳化重合によって多層構造
重合体の第一層を形成する工程であり、その共重合体の
ガラス転移温度(以下Tgと記す)は50℃以上である
ことが望ましい。必要に応じて10重量%以下の単官能
性不飽和単量体を共重合させることができるが、多官能
性不飽和単量体は使用しないことが必要である。多官能
性不飽和単量体を用いると目的とする高い衝撃強度を得
ることができない。使用される単官能性不飽和単量体と
しては、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、
スチレンなどの不飽和芳香族系単量体、アクリロニトリ
ルなどの不飽和ニトリル系単量体などがある。
【0009】第二層形成工程は、アクリル酸アルキルを
主成分とする単量体混合物を第一層形成工程の生成物に
加えて乳化重合を行う多層構造重合体の第二層を形成す
る工程であり、その単量体混合物を単独で重合した場
合、その共重合体のTgは0℃以下であることが望まし
い。使用されるアクリル酸アルキルとしては、アクリル
酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシルなど
があるが、特に好ましくはアクリル酸ブチル、アクリル
酸2−エチルヘキシルである。
【0010】共重合体可能な単官能性単量体としては上
記以外のアクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、
不飽和芳香族系単量体、不飽和ニトリル系単量体などが
ある。アクリル樹脂とブレンドする場合、特に透明性が
要求される場合は、第二層の重合体の屈折率がアクリル
樹脂の屈折率と実質的に等しくなるように共重合可能な
単量体を選ぶ必要がある。好ましい単量体はスチレン、
メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ナフチルなどがあ
る。
【0011】多官能グラフト剤としては、異なる反応性
を有する不飽和基を複数個有する単量体で、アクリル酸
アリル、メタクリル酸アリル、フマル酸アリルなどが用
いられる。多官能グラフト剤が5重量%より多いと強度
が低下する。多官能架橋剤としては、エチレングリコー
ルジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、エチレン
グリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジ
メタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクレー
ト、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、
1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、ジプロ
ピレングリコールメタクリレート、ジビニルベンゼンな
どが用いられる。架橋剤量が0.1重量%より少ないと
外観、耐応力白化成が低下し、5重量%より多いと強度
が低下する。
【0012】第三層形成工程は、メタクリル酸メチルを
主成分とする単量体混合物を第二層形成工程の生成物に
加えて乳化重合を行う多層構造重合体の第三層を形成す
る工程であり、その単量体混合物を単独で重合した場
合、その共重合体のTgは50℃以上であることが望ま
しい。この三層はさらにn段(nは2〜4)に分割され
(それぞれ、第一段、…、第n段とする)第一段から第
n段に向かって分子量が除々に低下していることが大き
な特徴である。第一段の分子量は30万〜500万、好
ましくは50万〜200万の範囲にするのが望ましい。
この部分の分子量が30万より小さい場合は良好な耐応
力白化性が得られないし、また500万以上にするには
特殊な反応条件(例えば低温反応や不純物の徹底的な除
去)を要し実用的でない。一方第n段(最も外側)の分
子量は、6万〜20万、好ましくは8万〜15万の範囲
にするのが望ましい。この部分の分子量が6万より小さ
い場合は耐溶剤性、強度、耐応力白化が低下し、20万
より大きい場合は流動性が低下する。各段の分子量は公
知の方法によって、すなわちメチルメルカプタン、エチ
ルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、sec−ド
デシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタンなどのア
ルキル基または置換アルキル基を有する第一、第二級び
第三級メルカプタン、フェニルメルカプタンなどの芳香
族メルカプタン、チオグリコール酸とそのエステル及び
エチレンチオグリコールなどの連鎖移動剤の使用量を変
えることによって容易に調整することができる。更に第
一段の単量体の量は第三層の全単量体量(即ち第一段〜
第n段の単量体の合計量)の1/n以上であることが必
要である。第一段の量が1/nに満たない場合には、所
望の耐応力白化性が得られない。
【0013】各層の重合体の量は、第一層:5〜20重
量部、第二層:50〜80重量部、第三層:15〜45
重量部(合計100重量部)であることが必要である。
各層がこの量からはずれると、強度、耐応力白化性、成
形性のバランスが崩れ、所望の物性が得られない。また
この多層構造重合体の粒子径は800〜1500Åであ
ることが好ましい。粒子径が800より小さいと強度が
低下し、1500より大きいと耐溶剤性、耐応力白化性
が劣る。
【0014】本発明は、上記特性を有するメタクリル系
多層構造重合体50〜80重量部とメタクリル酸メチル
85〜99.5重量%とアルキル基の炭素数が1〜8で
あるアクリル酸アルキル15〜0.5重量%からなるア
クリル系共重合体50〜20重量部をブレンドしてなる
フィルム製造用メタクリル系樹脂組成物で、メタクリル
系多層構造重合体の量が50重量部に満たないと、強度
が低下し脆いフィルムしか得られず好ましくない。ま
た、80重量部より大きいとフィルム製造時の成形性が
低下し好ましくない。アクリル酸アルキルとしては、特
に限定されないが、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチルなどである。アクリル系共重合体
の重合方法としては公知の重合方法、例えば塊状重合、
懸濁重合、乳化重合、溶液重合など、いずれの方法も用
いることができ、ブレンドは通常行われている任意の方
法、例えば単軸や二軸押出機で溶融混練する方法を用い
ることができる。
【0015】更に、上記のメタクリル系多層構造重合体
にアクリル系共重合体をブレンドする際に、芳香族カル
ボン酸、脂肪族カルボン酸から選ばれる少なくとも一種
類の酸、アルキル基の炭素数が6〜24の脂肪族高級ア
ルコール、及び芳香族アルコールのエステルから選ばれ
る少なくとも一種の可塑剤を1〜40重量部加えること
ができる。この可塑剤を加えたフィルム製造用メタクリ
ル系樹脂組成物は、樹脂の流動性が増しフィルム製造時
の成形性が向上するのでより好ましい。但し、可塑剤の
量が40重量部を越えるとフィルム成形時に可塑剤が表
面に析出したり、フィルムに曇りが発生したり、耐温水
白化性が低下したりするので好ましくない。
【0016】本発明で用いられる可塑剤の具体的な例と
しては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタ
ル酸−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ブチルベンジルな
どのフタル酸エステル類、アジピン酸ジブチル、アジピ
ン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキ
シル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン
酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどの
脂肪族二塩基酸エステル類が挙げられる。本発明では、
必要に応じて上記可塑剤以外に、さらに紫外線吸収剤、
光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、着
色願料、染料などの添加剤を、該メタクリル系樹脂組成
物本来の特徴を損なわない範囲で加えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に本発明を実施例により詳細に
説明するが、本発明はこれらによって限定されるもので
はない。実施例中における「%」および「部」は全て
「重量%」および「重量部」を表す。また、実施例に示
した諸物性の測定方法及び使用した添加剤等を以下に示
す。 1.分子量 クロロホルム溶媒中、25℃において測定した極限粘度
より算出した。 2.粒子径 電子顕微鏡観察により求めた。 3.引張強さ ASTM−D638に従って測定した。 4.伸び ASTM−D638に従って測定した。 5.MFR メルトフローレイト(以下MFR)で、ASTM−D1
238の方法により230℃、荷重3.8Kgの条件で
測定した。 6.応力白化性 試験片をアルミニュウム板にセロハンテープにて固定し
180度折曲げたときの白化の状態を目視で調べた。白
化しないものを○、白化したものを×、その中間を△と
した。 7.温水白化性 試験片を80℃の温水に5時間ドブ浸けした後の曇り度
(ヘーズ)をヘーズメーター(日本電色工業(株)製)
にて測定した。 8.耐候性 スガ試験機(株)製サンシャインスーパーロングライフ
ウェザーメーター(以下SWOM)にて暴露した試験片
を用い、全光線透過率及びヘーズをヘーズメーターにて
測定した。また、暴露した試験片の応力白化性を上記
7.の方法にて測定した。 9.チヌビン234 日本チバガイギー(株)製品、ベンゾトリアゾール系紫
外線吸収剤。 10.アデカサイザーPN−150 旭電化工業(株)製品、アジピン酸ポリエステル系可塑
剤。 11.イルガノックス1076 日本チバガイギー(株)製品、ヒンダードフェノール系
酸化防止剤。
【0018】
【実施例1】かき混ぜ機、コンデンサーを備えた10L
ビーカーに蒸留水5.7L、乳化剤としてジオクチルス
ルホコハク酸ソーダ20gを加え均一に溶解する。第一
層としてメタクリル酸メチル(以下MMAと記す)21
0g、アクリル酸ブチル(以下BAと記す)13g、メ
タクリル酸アリル(以下ALMAと記す)0.3g、過
硫酸アンモニウム0.6gの均一溶液を加え80℃で重
合した。約20分で反応は完了した。
【0019】次いで第二層としてBA1300g、AL
MA45g、ポリエチレングリコールジメタクリレート
(商品名M260、東亜合成(株)製)65g、過硫酸
アンモニウム2.0gの均一溶液を1時間に渡って滴下
した。滴下終了後30分で反応は完了した。次に第三層
第一段としてMMA490 g、BA3.0g、過硫酸ア
ンモニウム1.0gの均一溶液を加えた。反応は約10
分で完了した。次に第三層第二段として、n−オクチル
メルカプタン(以下OMと記す)1.5gを添加した他
は第三層第一段と同じ組成の均一溶液を加えた。反応は
約60分で完了した。各段の均一溶液をそれぞれ単独で
重合した場合の得られた重合体の分子量はそれぞれ19
20000、117000であった。次いで温度を95
℃に上げ、その温度に一時間保持した。得られた重合体
の粒子径は1050Åであった。このラテックスを0.
5%硫酸アルミニュウム水溶液中に投入して重合体を凝
集させ、洗浄、乾燥してパウダー状の白色重合体を得
た。こうして得た多層構造重合体60部とアクリル系共
重合体ビーズ(デルペット720V:旭化成(株)製)
40部とチヌビン234を2.0部及びイルガノックス
1076を0.1部、ヘンシェルミキサーで混合し、5
0mmΦのベント付き二軸押出機を用い溶融混練りして
メタクリル系樹脂組成物を得た。この組成物を用いコン
プレッション成形にて厚さ100μmのフィルムを作製
し物性を測定した。優れた特性を示した。結果を第2表
及び第3表に示す。
【0020】
【実施例2】第三層として下記第1表に示す組成を用い
た以外は実施例1と同様な方法で樹脂組成物を得た。こ
の組成物を用いコンプレッション成形にて厚さ100μ
mのフィルムを作製し物性を測定した。優れた特性を示
した。結果を第2表及び第3表に示す。
【0021】
【実施例3】実施例1で得た多層構造重合体60部とア
クリル系共重合体ビーズ(デルペット720V:旭化成
(株)社製)40部とチヌビン234を2.0部、イル
ガノックス1076を0.1部及びアデカサイザーPN
−150を7.0部、ヘンシェルミキサーで混合し、5
0mmΦのベント付き二軸押出機を用い溶融混連してメ
タクリル系樹脂組成物を得た。この組成物を用いコンプ
レッション成形にて厚さ100μmのフィルムを作製し
物性を測定した。優れた特性を示した。結果を第 2表
及び第3表に示す。
【0022】
【実施例4】実施例3でアデカサイザーPN−150の
添加量を20部にした以外は実施例3と同様な方法でメ
タクリル系樹脂組成物を得た。この組成物を用いコンプ
レッション成形にて厚さ100μmのフィルムを作製し
物性を測定した。優れた特性を示した。結果を第2表及
び第3表に示す。
【0023】
【実施例5】実施例1でアクリル系多層構造重合体を8
0部、アクリル系共重合体ビーズ(デルペット720
V:旭化成(株)製)を20部とした以外は、実施例1
と同様な方法でメタクリル系樹脂組成物を得た。この組
成物を用いコンプレッション成形にて厚さ100μmの
フィルムを作製し物性を測定した。優れた特性を示し
た。結果を第2表に示す。
【0024】
【比較例1】実施例1で第3層をMMA980 g、BA
6.0g、過硫酸アンモニウム2.0gの均一溶液にし
た以外は実施例1と同様な方法で多層構造重合体を得
た。反応は約10分で完了した。この時第3層第3段の
均一溶液を単独で重合した場合の得られた重合体の分子
量は1910000であった。次いで実施例1と同様な
方法でメタクリル系樹脂組成物を得、この組成物を用い
コンプレッション成形にて厚さ100μmのフィルムを
作製し物性を測定した。耐応力白化性が低下し好ましく
ない。結果を第2表に示す。
【0025】
【比較例2】実施例1の第3層第1段にOM1.0gを
添加した以外は実施例1と同様な方法でメタクリル系多
層構造重合体を得た。この時第3層第1段の均一溶液を
単独で重合した場合の得られた重合体の分子量は210
000であった。次いで実施例1と同様な方法でメタク
リル系樹脂組成物を得、この組成物を用いコンプレッシ
ョン成形にて厚さ100μmのフィルムを作製し物性を
測定した。結果を第2表に示す。耐応力白化性が劣り好
ましくない。結果を第2表に示す。
【0026】
【比較例3】実施例1で第2層のBAを1000g、A
LMA30g,ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト50g、過硫酸アンモニウム1.5g、第3層第1
段、2段のMMAをそれぞれ640g、BAをそれぞれ
4.0g、過硫酸アンモニウムをそれぞれ1.3gとし
た他は実施例1と同様の方法によりメタクリル系多層構
造重合体を得た。次いで実施例1と同様な方法でメタク
リル系樹脂組成物を得、この組成物を用いコンプレッシ
ョン成形にて厚さ100μmのフィルムを作製し物性を
測定した。強度及び耐応力白性が低下して好ましくな
い。結果を第2表に示す。
【0027】
【比較例4】実施例1でアクリル系多層構造重合体を4
0部、アクリル系共重合体ビーズ(デルペット720
V:旭化成(株)製)を60部とした以外は、実施例1
と同様な方法でメタクリル系樹脂組成物を得た。この組
成物を用いコンプレッション成形にて厚さ100μmの
フィルムを作製し物性を測定した。強度及び耐応力白性
が低下して好ましくない。結果を第2表に示す。
【0028】
【比較例5】実施例1でアクリル系多層構造重合体を9
0部、アクリル系共重合体ビーズ(デルペット720
V:旭化成(株)製)を10部とした以外は、実施例1
と同様な方法でメタクリル系樹脂組成物を得た。この組
成物を用いコンプレッション成形にて厚さ100μmの
フィルムを作製し物性を測定した。流動性(加工性)が
劣り好ましくない。結果を第2表に示す。
【0029】
【比較例6】実施例3でアデカサイザーPN−150の
添加量を50部にした以外は実施例3と同様な方法でメ
タクリル系樹脂組成物を得た。この組成物を用いコンプ
レッション成形にて厚さ100μmのフィルムを作製し
物性を測定した。耐温水白化性が劣り好ましくない。結
果を第2表に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BG061 BG062 BN111 EC066 EF016 EF096 EH096 EH146 FD026 GT00 4J026 AA17 AA45 AA49 AC34 BA27 BA28 BB04 BB07 DA04 DA07 DA14 DA16 DB04 DB08 DB14 DB24 DB26 DB34 FA07 GA01 GA02 GA09

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)最内層がメタクリル酸メチル90
    〜100重量%とこれと共重合可能な単官能単量体0〜
    10重量%との混合物を乳化重合させて得られる、ガラ
    ス転移点が25℃以上の重合体であり、(B)中間層が
    単独で重合させたときに25℃以下のガラス転移点をも
    つアルキル基の炭素数が2〜8であるアクリル酸アルキ
    ル65〜99.9重量%と、これと共重合可能な単量体
    0〜30重量%と多官能グラフト剤0〜5重量%、及び
    0.1〜5重量%の多官能架橋剤を含有する混合物を乳
    化重合させた重合体であり、(C)最外層が単独で重合
    させたときに25℃以上のガラス転移点をもち、メタク
    リル酸メチル80〜99重量%とこれと共重合可能な単
    官能単量体1〜20重量%からなる単量体混合物に連鎖
    移動剤を段階的に増加させ、n段階(nは2〜4)で乳
    化重合させた重合体から成り、この重合体の分子量が内
    側から外側に向かって次第に小さくなっており、その第
    一段階の単量体混合物の重量は、第三層全単量体重量の
    少なくとも1/n以上であって、各層の単量体混合物の
    重量比が、第1層5〜20重量%、第二層50〜80重
    量%、第三層15〜45重量%(合計100重量%)で
    あることを特徴とするメタクリル系多層構造重合体50
    〜80重量部と、メタクリル酸メチル85〜99.5重
    量%とアルキル基の炭素数が1〜8であるアクリル酸ア
    ルキル15〜0.5重量%からなるアクリル系共重合体
    50〜20重量部をブレンドしてなるフィルム製造用メ
    タクリル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1の組成物に、芳香族カルボン
    酸、脂肪族カルボン酸から選ばれる少なくとも一種類の
    酸、アルキル基の炭素数が4〜24の脂肪族高級アルコ
    ール、及び芳香族アルコールのエステルから選ばれる少
    なくとも一種の可塑剤を1〜40重量部ブレンドしてな
    るフィルム製造用メタクリル系樹脂組成物。
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