JP2001081268A - アクリル系樹脂組成物 - Google Patents

アクリル系樹脂組成物

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JP2001081268A
JP2001081268A JP25516599A JP25516599A JP2001081268A JP 2001081268 A JP2001081268 A JP 2001081268A JP 25516599 A JP25516599 A JP 25516599A JP 25516599 A JP25516599 A JP 25516599A JP 2001081268 A JP2001081268 A JP 2001081268A
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克二 三宅
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孝男 干場
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクリル系樹脂が本来有する高い透明性、美
麗な外観、優れた耐候性などの特長を保持しているうえ
に、耐応力白化性、熱安定性、製膜性および薄膜性など
に優れたアクリル樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 内層の少なくとも1層に架橋弾性重合体
層を有し、最外層に熱可塑性重合体層を有するアクリル
系多層重合体粒子(A)に、特定の極限粘度を有するメ
タクリル系高分子加工助剤(B)および特定の割合でヒ
ンダードフェノール系熱安定剤(C−1)およびリン系
熱安定剤(C−2)を配合してなるアクリル系樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアクリル系樹脂組成
物に関する。より詳細には、本発明は耐応力白化性、透
明性、加工熱安定性、製膜性および薄膜性に優れるアク
リル系樹脂組成物、フィルムまたはシート、および積層
体に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル樹脂は透明性に優れており、美
しい外観と耐候性を有するうえに、成形が容易であるこ
とから、電機部品、車両部品、光学用部品、装飾品、看
板などの用途に幅広く用いられている。しかし、アクリ
ル樹脂の用途が拡大するに伴い、その用途に応じたさら
なる性能向上の検討が行われている。このなかで、近年
は、とくにコストの低減を意識したフィルムやシートな
どの薄物成形品への展開が積極的に図られようとしてい
るが、厚み変動が小さく製膜性に優れ、フィルムを薄く
成形できて薄膜性に優れるアクリル系樹脂成形材料は見
出されていないのが実状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アク
リル系樹脂が本来有する良好な成形性、美麗な外観、高
い透明性、優れた耐候性などの特長を保持しつつ、耐応
力白化性、熱安定性、製膜性、薄膜性に優れたアクリル
系樹脂組成物を提供することである。さらに本発明の目
的は、上記した優れた諸特性を有するアクリル系樹脂組
成物からなる成形品および積層体を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、アクリル系多層構
造重合体に対してある特定の高分子加工助剤を組み合わ
せ、さらに特定の滑剤を配合することによって、耐応力
白化性、透明性、熱安定性、製膜性および薄膜性に優れ
るアクリル系樹脂組成物が得られることを見出し、本発
明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、a)内層の少なくと
も1層に炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸
アルキルエステル単量体単位および/または共役ジエン
系単量体単位から主としてなる架橋弾性重合体層を有
し、最外層に炭素数1〜8のアルキル基を有するメタク
リル酸アルキルエステル単量体単位から主としてなる熱
可塑性重合体層を有するアクリル系多層重合体粒子
(A)100重量部に対し、 b)メタクリル酸メチル単位60重量%以上およびこれ
と共重合可能なビニル系単量体単位40重量%以下から
なり、極限粘度が3〜6dl/gである高分子加工助剤
(B)を0.05〜10重量部;および c)ヒンダードフェノール系熱安定剤(C−1)および
リン系熱安定剤(C−2)を、(C−1)成分の量
((c−1)重量部)と(C−2)成分の量((c−
2)重量部)が下記式(1) 0<(c−2)/(c−1)<10 (1) (但し、(c−1)≠0)が満足される範囲で0.05
〜1重量部;配合してなるアクリル系樹脂組成物を提供
する。
【0006】また、本発明は、上記のアクリル系樹脂組
成物に、さらに、 d)メタクリル酸メチル単位80重量%以上およびこれ
と共重合可能なビニル系単量体単位20重量%以下から
なり、極限粘度が0.3〜1.0dl/gであるアクリ
ル系熱可塑性樹脂(D)を1〜100重量部;配合して
なるアクリル系樹脂組成物を提供する。
【0007】次に、本発明は、上記したアクリル系樹脂
組成物からなるフィルムまたはシートを提供する。ま
た、本発明は、上記したアクリル系樹脂組成物からなる
層および他の熱可塑性重合体からなる層を有することを
特徴とする積層体を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明を更に詳細に説明す
る。本発明で使用するアクリル系多層構造重合体(A)
は、内層の少なくとも1層に、炭素数1〜8のアルキル
基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位およ
び/または共役ジエン系単量体単位から主としてなる架
橋弾性重合体層を有し、最外層に炭素数1〜8のアルキ
ル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体単位
から主としてなる熱可塑性重合体層を有しているもので
あれば特に制限なく使用できる。
【0009】本発明においてアクリル系多層構造重合体
(A)における内層の架橋弾性体層は、この層の分子鎖
と隣接する層中の分子鎖が化学結合によりグラフト結合
されていることが好ましい。この内層の架橋弾性体層を
形成させるために使用される炭素数1〜8のアルキル基
を有するアクリル酸アルキルエステルとしては、例え
ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸プ
ロピル等が挙げられる。また、ジエン系単量体として
は、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン等が挙げ
られる。これらの炭素数1〜8のアルキル基を有するア
クリル酸アルキルエステルまたはジエン系単量体は、こ
れらと共重合可能なビニル系単量体と共重合させて用い
てもよく、その共重合可能なビニル系単量体の例として
は、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタク
リル酸エステル;スチレン、p−メチルスチレン、α−
メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;N−プロピル
マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−o−
クロロフェニルマレイミド等のマレイミド系化合物;エ
チレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコ
ールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタ
クリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、エチ
レングリコールジアクリレート、プロピレングリコール
ジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、アリルメタクリレート、トリアリルイソシアヌレー
ト等の多官能性単量体が挙げられる。
【0010】本発明においてアクリル系多層構造重合体
(A)における最外層の熱可塑性重合体層を形成させる
ために使用される炭素数1〜8のアルキル基を有するメ
タクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロ
ピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル等が挙げられる。
【0011】本発明で使用するアクリル系多層構造重合
体(A)は、コア/シェルと称されている層構造、すな
わち、最外層の熱可塑性重合体層により内層の架橋弾性
体層が覆われている構造を有しており、2層または3層
で構成されていても4層以上で構成されていてもよい。
本発明において特に好ましく用いることができるアクリ
ル系多層構造重合体(A)は、第1層がメタクリル酸メ
チル30〜98.99重量%、炭素数1〜8のアルキル
基を有するアクリル酸アルキルエステル1〜70重量
%、および多官能性単量体0.01〜2重量%からなる
架橋樹脂層であり、第2層が炭素数1〜8のアルキル基
を有するアクリル酸アルキルエステル70〜99.9重
量%、メタクリル酸メチル0〜30重量%、および多官
能性単量体0.1〜5重量%からなる架橋弾性体層であ
り、第3層がメタクリル酸メチル80重量%〜99重量
%、および炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル
酸アルキルエステル1〜20重量%からなる硬質熱可塑
性樹脂層から構成されている3層構造のアクリル系多層
構造重合体である。アクリル系多層構造重合体は熱安定
性および生産性の点で3層構造であることが特に好まし
い。
【0012】本発明において、アクリル系多層構造重合
体(A)の粒子径は0.05〜0.2μmの範囲内であ
ることが好ましい。粒子径が0.05μm未満であると
アクリル系多層構造重合体の取扱適性が低下し、一方、
0.2μmを超えるとアクリル系樹脂組成物の耐応力白
化性が低下する。粒子径は耐応力白化性の観点から0.
15μm以下であることがより好ましい。
【0013】アクリル系多層構造重合体(A)を製造す
るための重合法については、特に制限はないが、乳化重
合によるのが好適である。乳化重合に用いることのでき
る乳化剤としては、例えば、アニオン系乳化剤であるジ
オクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジラウリルスルホ
コハク酸ナトリウム等のジアルキルスルホコハク酸塩、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム等のアル
キル硫酸塩;ノニオン系乳化剤であるポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル等;ノニオン・アニオン系乳化剤であるポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム
等のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウ
ム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポ
リオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウムな
どのアルキルエーテルカルボン酸塩等が挙げられる。ノ
ニオン系乳化剤およびノニオン・アニオン系乳化剤の例
示化合物におけるエチレンオキサイドの付加モル数は、
乳化剤の発泡性が極端に大きくならないようにするため
に、一般に30モル以下、好ましくは20モル以下、と
くに好ましくは10モル以下であるのがよい。これらの
乳化剤は2種以上を併用してもよい。
【0014】乳化重合に際しては、過硫酸カリウム、過
硫酸アンモニウム等の過硫酸塩系開始剤、パースルホキ
シレート/有機過酸化物、過硫酸塩/亜硫酸塩等のレド
ックス系開始剤のいずれの重合開始剤を用いてもよい。
【0015】乳化重合後のポリマーラテックスからのア
クリル系多層構造重合体(A)の分離取得は、塩析凝固
法、凍結凝固法、噴霧乾燥法等の公知の方法により行う
ことができる。この中でも、アクリル系多層構造重合体
(A)に含まれる不純物を水洗により容易に除去できる
点から、塩析凝固法および凍結凝固法が好ましい。その
際、凝固工程の前段階で、エマルジョンに混入した異物
を除去する目的で、目開き50μm以下の金網等で該エ
マルジョンを濾過することが好ましい。
【0016】また、アクリル系多層構造重合体(A)の
形態は、特に限定されるものではなく、例えば、相互に
最外層部分で融着した状態のペレット状でもよく、ま
た、パウダー状、グラニュー状のものでもよい。
【0017】本発明において高分子加工助剤(B)は、
メタクリル酸メチル単位60重量%以上およびこれと共
重合可能なビニル系単量体単位40重量%以下からな
り、極限粘度が3〜6dl/gの高分子化合物である。
メタクリル酸メチルと共重合可能なビニル系単量体の例
としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル等の
メタクリル酸エステル;スチレン、p−メチルスチレ
ン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;N−
プロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、
N−o−クロロフェニルマレイミド等のマレイミド系化
合物;エチレングリコールジメタクリレート、プロピレ
ングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコー
ルジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレー
ト、エチレングリコールジアクリレート、プロピレング
リコールジアクリレート、トリエチレングリコールジア
クリレート、アリルメタクリレート、トリアリルイソシ
アヌレート等の多官能性単量体を挙げることができる。
【0018】高分子加工助剤(B)は、本発明のアクリ
ル系樹脂組成物をフィルム状に賦形する際に、フィルム
に製膜性および薄膜性を付与する効果をもたらす。高分
子加工助剤(B)は、通常、乳化重合法により0.05
〜0.5μmの粒子径を有する重合体粒子として製造す
ることができる。該重合体粒子は、単一組成および単一
極限粘度のいわゆる単層粒子であっても、あるいは組成
または極限粘度の異なる2層以上の多層構造であっても
よい。この中でも好ましい構造としては、内層に低極限
粘度の層を有し、外層に極限粘度5dl/g以上の高極
限粘度の層を有する2層構造のものが挙げられる。高分
子加工助剤(B)の全体としての極限粘度は3〜6dl
/gであり、3dl/g未満ではアクリル系樹脂組成物
のフィルム製膜性の十分な改善効果が認められず、一
方、6dl/gを超えると溶融流動性の低下を招きやす
くなり好ましくない。
【0019】本発明において高分子加工助剤(B)の配
合量は、アクリル系多層重合体粒子(A)100重量部
に対し、0.05〜10重量部であり、好ましくは0.
1〜5重量部である。高分子加工助剤の配合量が0.0
5重量部未満であると、フィルム製膜性の十分な改善効
果が発現しなくなるため好ましくなく、一方、10重量
部を超えると溶融流動性の低下を招きやすくなり好まし
くない。
【0020】本発明のアクリル系樹脂組成物において、
アクリル系多層重合体粒子(A)100重量部に対し、
ヒンダードフェノール系熱安定剤(C−1)およびリン
系熱安定剤(C−2)が、(C−1)成分の量を(c−
1)重量部、(C−2)成分の量を(c−2)重量部と
表示したときに、下記式(1) 0<(c−2)/(c−1)<10 (1) (但し、(c−1)≠0)を満足する範囲で0.05〜
1重量部配合されることが必要である。ヒンダードフェ
ノール系熱安定剤(C−1)としては、トリエチレング
リコール−ビス〔3―(3―t―ブチル−5−メチル−
4―ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6―
ヘキサンジオールービス〔3−(3,5―ジ−t―ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,
4−ビス−(n―オクチル)―6−(4―ヒドロキシ−
3,5―ジ−t―ブチルアニリノ)―1,3,5―トリ
アジン、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプ
ロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネ
ート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレ
イト、オクチル化ジフェニルアミン、2,4−ビス
[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、イソオ
クチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネートなどが挙げられる。
【0021】また、リン系熱安定剤(C−2)として
は、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフ
ェニル)オクチルフォスファイト、トリス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)フォスファイト、2−[[2,
4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエテル)
ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェ
ピン6−イル]オキシ]−N,N−ビス[2−[[2,
4,8,10−テトラキス(1,1ジメチルエチル)ジ
ベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピ
ン−6−イル]オキシ]−エチル]エタナミン、ジフェ
ニルトリデシルフォスファイト、トリフェニルフォスフ
ァイトなどが挙げられる。
【0022】これらの熱安定剤(C)の配合量は、アク
リル系多層重合体粒子(A)100重量部に対して0.
05〜1重量部である。熱安定剤(C)の配合量が0.
05重量部未満では、熱安定性効果が減少し、一方、1
重量部を超えると、熱安定剤のブリードアウトによるロ
ール汚れが発生しやすくなり好ましくない。
【0023】ヒンダードフェノール系熱安定剤(C−
1)およびリン系熱安定剤(C−2)は、熱安定性の点
から、使用重量比(c−2)/(c−1)が0<(c−
2)/(c−1)<10(但し、(c−1)≠0)の関
係式を満足している必要があり、0<(c−2)/(c
−1)<5(但し、(c−1)≠0)の関係式を満足し
ているのが好ましい。(c−2)/(c−1)が10以
上であると、熱安定性効果が低下し、好ましくない。
【0024】本発明のアクリル系樹脂組成物には、アク
リル系多層重合体粒子(A)、高分子加工助剤(B)お
よびヒンダードフェノール系熱安定剤(C−1)および
リン系熱安定剤(C−2)のほかにさらにアクリル系熱
可塑性樹脂(D)を配合することができる。使用可能な
アクリル系熱可塑性樹脂(D)は、メタクリル酸メチル
単位80重量%以上およびこれと共重合可能なビニル系
単量体単位20重量%以下から構成されるものである。
ここで共重合可能なビニル系単量体の例としては、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸プロピル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸
シクロヘキシル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリ
ル酸フェニル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸エス
テル単量体;メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ヘキシル、メ
タクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メ
タクリル酸ベンジル等のメタクリル酸エステル;酢酸ビ
ニル、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチ
レン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルナフタレン等の芳香族ビニル化合物;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のニトリル類;アクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸等のα、β不飽和カルボン
酸;N−エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイ
ミド等のマレイミド化合物などを挙げることができる。
これらのビニル系単量体は2種以上を併用することがで
きる。
【0025】アクリル系熱可塑性樹脂(D)の極限粘度
は、0.3〜1.0dl/gであることを要する。アク
リル系熱可塑性樹脂(D)の極限粘度が0.3未満の場
合、得られるアクリル系樹脂組成物を溶融成形する際の
粘り強さが低下するので好ましくなく、一方、極限粘度
が1.0dl/gを超えると、溶融成形する際の流動性
が低下し好ましくない。アクリル系熱可塑性樹脂(D)
の配合量は、アクリル系多層重合体粒子(A)100重
量部に対し、1〜100重量部であり、好ましくは5〜
70重量部である。アクリル系熱可塑性樹脂(D)の配
合量が100重量部を超えると、得られるアクリル系樹
脂組成物の耐応力白化性が低下し好ましくない。
【0026】アクリル系熱可塑性樹脂(D)は、上記の
条件が満たされる限り、市販のメタクリル樹脂であって
もよく、さらにはISO 8257−1:1997
(E)「プラスチック−ポリ(メチルメタクリレート)
(PMMA)成形用および押し出し用材料」(“Pla
stics−Poly(Methyl Methacr
ylate)(PMMA)moulding and
extrusion material−”)に規定さ
れている材料から選択されてもよい。本発明においてア
クリル系熱可塑性樹脂(D)を製造するための重合法に
ついては、特に制限はなく、乳化重合、懸濁重合、塊状
重合、溶液重合等の公知の重合方法を採用することがで
きる。
【0027】また、本発明において、アクリル系多層構
造重合体(A)、高分子加工助剤(B)、熱安定剤
(C)および必要に応じて他の成分を用いて上記した本
発明のアクリル系樹脂組成物を製造するに当たっては、
これらの成分が均一に分散していることが本発明の効果
を達成するうえで重要である。本発明のアクリル系樹脂
組成物は、上記のエマルジョン凝固物、高分子加工助剤
(B)および必要に応じて乳化重合エマルジョンを経ず
に製造されたアクリル系熱可塑性樹脂(C)を公知のミ
キサー等によりドライブレンドした混合粉体、または該
混合粉体を公知の押出機等により溶融混練したペレット
等の形態で使用することができる。
【0028】本発明のアクリル系樹脂組成物は溶融成形
が可能であり、熱可塑性樹脂を成形するのに一般に採用
されている成形方法および成形装置を用いて成形するこ
とができる。例えば、アクリル系樹脂組成物を粉体また
はペレットなどの形状にして、押出成形、射出成形、イ
ンフレーション成形、ブロー成形、プレス成形、カレン
ダー成形、注型、溶融積層成形などによって、各種成形
品、例えば、フィルム、シート、板、管、棒、その他の
三次元構造の成形品や積層体へと成形加工することがで
きる。
【0029】特に、本発明のアクリル系樹脂組成物は、
従来、アクリル系樹脂から製造するには適さないとされ
ていたフィルムやシートなどの薄物の成形品の製造に適
しており、得られる薄物の成形品は、耐応力白化性に優
れているために折り曲げにより白化が生じることがな
く、厚みのムラが少なくて製膜性に優れているうえに、
薄膜化が可能である。本発明のアクリル系樹脂組成物か
らフィルムおよびシートなどを製造する際しては、Tダ
イによる押出成形法、インフレーション成形法、ブロー
成形法などの公知の成形方法を採用することができる。
【0030】さらに、本発明のアクリル系樹脂組成物は
熱可塑性重合体との接着性に優れているので、本発明の
アクリル系樹脂組成物からなる層および他の熱可塑性重
合体からなる層を有する積層体とすることができる。こ
のような積層体の製造法については、特に制限はなく、
例えば、本発明のアクリル系樹脂組成物を溶融共押出し
て積層体を製造する方法、熱可塑性重合体から予めフィ
ルム、シート、板状物などを製造しておき、その上に本
発明のアクリル系樹脂組成物を押出被覆して積層体を製
造する方法、熱可塑性重合体から予め製造したフィル
ム、シート、板状物などを型内に配置した状態で本発明
のアクリル系樹脂組成物を射出成形や注型などにより型
内に導入して積層体を製造する方法、熱可塑性重合体か
ら予め製造したフィルム、シート、板状物などと本発明
のアクリル系樹脂組成物をプレス成形して積層体を製造
する方法などを挙げることができる。
【0031】本発明の積層体の製造に使用される他の熱
可塑性樹脂の具体例としては、ポリカーボネート系重合
体、塩化ビニル系重合体、フッ化ビニリデン系重合体、
メタクリル樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AS樹脂な
どを挙げることができる。
【0032】本発明のアクリル系樹脂組成物は、上記し
た成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲で必要に
応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、老化防
止剤、可塑剤、染料、顔料、滑剤などの他の成分の1種
または2種以上を含有していてもよい。これらの成分の
含有量は、一般に、アクリル系樹脂組成物100重量%
に対して0.01〜20重量%である。
【0033】
【実施例】以下に本発明を実施例および比較例により具
体的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定される
ものではない。なお、以下の実施例および比較例で用い
た「部」および「%」は全て「重量部」および「重量
%」を意味する。また、実施例および比較例における各
種評価は以下の方法により行った。
【0034】(1)粒子径測定 大塚電子社製光散乱光度計DLS−600を用いて測定
した。
【0035】(2)極限粘度 自動希釈型毛細管粘度計(ウベローデ型、毛細管内径=
0.5mm)を用い、クロロホルムを溶媒として20℃
で測定した。
【0036】(3)フィルムの薄膜性 アクリル系樹脂組成物よりなるペレットを、リップ横幅
300mmおよび上下空隙0.1mmのTダイ押出成形
機を通して溶融押出し、縦方向の延伸倍率を変えながら
引き取ってフィルムを製造した。押出成形開始10分後
から30分後までに測定されたフィルムの最小厚さ(D
min)(μm)と最大厚さ(Dmax)(μm)から、次式
にしたがって厚み変動率を求め、下記の評価基準にした
がってフィルム薄膜性を評価した。 フィルムの厚み変動率(%)={(Dmax−Dmin)/D
min}×100 [フィルム薄膜性の評価基準] ◎:厚み変動率が5%未満であり、フィルム成形性が極
めて良好である。 ○:厚み変動率が5〜20%であり、フィルム成形性が
ほぼ良好である。 ×:厚み変動率が20%を超え、フィルム成形性が極め
て不良である ××:フィルムが破れ、フィルム化不可能。
【0037】(4)熱安定性 アクリル系樹脂組成物よりなるペレットを280℃で5
分間ラボプラストミルを用いて混練し、そのときの状態
を目視で観察して、ゲル化、発泡および黄変が生じてい
ない場合を極めて良好(◎)、黄変のみ生じている場合
ほぼ良好(○)、黄変およびゲル化および/または発泡
が生じている場合を不良(×)として評価した。
【0038】(5)積層成形性 共溶融押出成形により製造した積層板を目視で観察し
て、フローマークおよび層界面における白化の有無を調
べ、フローマークおよび層界面の白化のいずれも生じて
いない場合を良好(○)、フローマークおよび/または
層界面の白化が生じていた場合を不良(×)として評価
した。
【0039】(6)耐応力白化性 アクリル系樹脂組成物からなるペレットを用い、射出成
形機(日本製鋼所製「N70A」)を使用して、引張試
験用のダンベル試験片を制作し、オートグラフ試験機
(島津製作所製「AG―10TB」)を用いて、5mm
/分の引張速度で試験片を引き伸ばし、10%伸び率の
時の白化の有無を目視により観察して、白化が生じてい
ない場合を良好(○)、白化が生じていた場合を不良
(×)として評価した。
【0040】以下の実施例4〜10において、積層体の
製造には次の熱可塑性重合体を使用した。 PC: ポリカーボネート樹脂(住友ダウ社製「ガリ
バーPCX―3354」) PVC: 塩化ビニル樹脂(信越ポリマー社製「EX―
282E」) PVDF:フッ化ビニリデン樹脂(エルフ・アトケム・シ゛ャハ゜ン社
製「ガイナー720」) PMMA:メタクリル樹脂(クラレ社製「パラペットE
H」) ABS: ABS樹脂(JSR社製「ABS―42」) AES: AES樹脂(JSR社製「AES―14
7」) AS: AS樹脂(新日鐵化学社製「エスチレンAS
―20」)
【0041】<実施例1〜3>および<比較例1〜3、
6> (I)アクリル系多層重合体(A−I)の製造 攪拌機、温度計、窒素ガス導入部、単量体導入管お
よび還流冷却器を備えた反応器内に、脱イオン水200
部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリム1部および炭
酸ナトリム0.05部を仕込み、容器内を窒素ガスで十
分に置換して実質的に酸素がない状態にした後、内温を
80℃に設定した。そこに、過硫酸カリウム0.01部
を投入し、5分間攪拌した後、メタクリル酸メチル9.
48部、アクリル酸n−ブチル0.5部およびアリルメ
タクリレート0.02部からなる単量体混合物を20分
かけて連続的に滴下供給し、添加終了後、重合添加率が
98%以上になるようにさらに30分間重合反応を行っ
た。
【0042】 次に、同反応器内に、過硫酸カリウム
0.03部を投入して5分間攪拌した後、メタクリル酸
メチル1.45部、アクリル酸n−ブチル27.67部
およびアリルメタクリレート0.88部からなる単量体
混合物を40分間かけて連続的に滴下供給し、添加終了
後、重合添加率が98%以上になるようにさらに30分
間重合反応を行った。
【0043】 次いで、同反応器内に、過硫酸カリウ
ム0.06部を投入して5分間攪拌した後、 メタクリ
ル酸メチル53.73部、アクリル酸n−ブチル5.9
7部およびn−オクチルメルカプタン(連鎖移動剤)
0.3部を含む単量体混合物を100分間かけて連続的
に滴下供給し、添加終了後、重合添加率が98%以上に
なるようにさらに60分間重合反応を行って、アクリル
系多層構造重合体(A−I)を含むラテックスを得た。
粒子径は0.09μmであった。続いて、アクリル系多
段階重合体(A−I)を含むエマルジョンを−30℃の
温度下で4時間かけて凍結させた。凍結したエマルジョ
ンをその2倍量の80℃温水に投入、溶解してスラリー
とした後、20分間80℃に保持した後、脱水し、70
℃で乾燥して粉体形状のアクリル系多層重合体(A−
I)を得た。
【0044】(II)高分子加工助剤(B−I)の製造 攪拌機、温度計、窒素ガス導入部、単量体導入管および
還流冷却器を備えた反応器内に、脱イオン水200部、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリム1部および炭酸ナ
トリウム0.05部を仕込み、容器内を窒素ガスで十分
に置換して実質的に酸素がない状態にした後、内温を8
0℃に設定した。そこに、過硫酸カリウム0.1部を投
入し、5分間攪拌した後、メタクリル酸メチル95部、
アクリル酸エチル5部およびn−オクチルメルカプタン
(連鎖移動剤)0.0002部からなる単量体混合物を
200分かけて連続的に滴下供給し、添加終了後、重合
添加率が98%以上になるようにさらに60分間重合反
応を行ってアクリル系超高分子重合体(B−I)を含む
ラテックスを得た。粒子径は0.09μmであった。続
いて、アクリル系超高分子重合体(B−I)を含むエマ
ルジョンを−30℃で4時間かけて凍結させた。凍結し
たエマルジョンをその2倍量の80℃温水に投入、溶解
してスラリーとした後、20分間80℃に保持した後、
脱水し、80℃で乾燥して粉体形状のアクリル系多層重
合体(B−I)を得た。得られた重合体0.1gを10
0mlのクロロホルムに溶解し、20℃の温度で極限粘
度を測定した結果4dl/gであった。
【0045】(III)アクリル系熱可塑性樹脂(D−
I)の製造 アクリル系熱可塑性樹脂として、懸濁重合によりメタク
リル酸メチル単位94重量%、アクリル酸メチル単位6
重量%からなり、極限粘度が0.71dl/gのビーズ
状重合体(D−I)を作成した。このアクリル系多層構
造重合体(A−I)を、高分子加工助剤(B−I)、ア
クリル系熱可塑性樹脂(D−I)、ヒンダードフェノー
ル系熱安定剤(C−1)であるペンタエリスリチル−テ
トラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕(Ciba社製「IR
GANOX1010」)またはオクタデシル−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート、(Ciba社製「IRGANOX10
76」)、およびリン系熱安定剤(C−2)である2,
2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)
オクチルフォスファイト(旭電化社製「アデカスタブH
P−10」)またはトリス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)フォスファイト(旭電化社製「アデカスタブ2
112」)などとともに表1に示す割合でスーパーミキ
サーにて混合し、40φベント付き単軸押出機を用いて
240℃にてペレット化した。得られたペレットをフィ
ルム化および射出成形し、上記した方法で評価した。評
価結果を表1に示す。
【0046】<比較例4>熱安定剤(C)として、チオ
エーテル系熱安定剤:ペンタエリスリトール−テトラキ
ス(β−ラウリルチオプロピオネート) (旭電化社製
「アデガスタブAO−412S」)を用いた以外は実施
例1と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示
す。
【0047】<比較例5>熱安定剤(C−2)を、比較
例4で用いたチオエーテル系熱安定剤(旭電化社製「ア
デガスタブAO−412S」)に変更した以外は実施例
1と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】上記の表1において熱安定剤は次の記号で
示した。ヒンダードフェノール系熱安定剤(C−1) ・I−1010:ペンタエリスリチル−テトラキス〔3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕(Ciba社製「IRGANOX
1010」) ・I−1076:オクタデシル−3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
(Ciba社製「IRGANOX1076」)リン系熱
安定剤(C−2) ・HP―10:2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t
−ブチルフェニル)オクチルフォスファイト(旭電化社
製「アデカスタブHP−10」) ・A−2112:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)フォスファイト(旭電化社製「アデカスタブ21
12」)
【0050】<実施例4〜10>実施例1で得られた、
アクリル系樹脂組成物のペレットを押出機(スクリュー
径30mm)に供給してシリンダー温度250℃の条件
下に溶融し、一方、表3に記載した熱可塑性重合体のペ
レットを別の押出機(スクリュー径50mm)に供給し
て、表3に示すシリンダー温度で溶融し、両方の溶融物
を幅350mmのシート製造用の共押出ダイスに供給し
て、熱可塑性重合体からなる層の両側にアクリル系樹脂
組成物からなる被覆層(各被覆層の厚さ50μm)を有
する全体の厚さが2mmの3層の積層板を製造した。得
られた積層板について積層成形性の評価を行った。評価
結果を表2に示す。なお、積層板におけるアクリル系樹
脂組成物からなる樹脂層の厚さは、積層板を切り出し、
その切断面を研磨して光学顕微鏡を用いて測定した。
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】本発明のアクリル樹脂組成物は、アクリ
ル系樹脂が本来有する高い透明性、美麗な外観、優れた
耐候性などの特長を保持しているうえに、耐応力白化
性、熱安定性、製膜性および薄膜性などに優れており、
これらの特性を活かしてフィルムまたはシートなどの薄
物成形品や積層体などを製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 51/00 33:10) Fターム(参考) 4F100 AH02B AH02H AK01A AK04A AK04J AK12A AK12J AK25A AK25B AK25H AK25J AK27A AK27J AK28B AK45A AK74A AK80A AL01A AL01H AL05B AL09B BA02 BA10A BA10B BA15 CA05B CA30B JA06B JA06H JB16A JJ03 JK00 JL01 JL09 JN01 YY00B YY00H 4J002 BG021 BG062 BG063 EJ016 EJ026 EJ036 EV336 EW067 FA081 FD066 FD067 GF00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)内層の少なくとも1層に炭素数1〜
    8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単
    量体単位および/または共役ジエン系単量体単位から主
    としてなる架橋弾性重合体層を有し、最外層に炭素数1
    〜8のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステ
    ル単量体単位から主としてなる熱可塑性重合体層を有す
    るアクリル系多層重合体粒子(A)100重量部に対
    し、 b)メタクリル酸メチル単位60重量%以上およびこれ
    と共重合可能なビニル系単量体単位40重量%以下から
    なり、極限粘度が3〜6dl/gである高分子加工助剤
    (B)を0.05〜10重量部;並びに c)ヒンダードフェノール系熱安定剤(C−1)および
    リン系熱安定剤(C−2)を、(C−1)成分の量
    ((c−1)重量部)と(C−2)成分の量((c−
    2)重量部)が下記式(1) 0<(c−2)/(c−1)<10 (1) (但し、(c−1)≠0)が満足される範囲で0.05
    〜1重量部;配合してなるアクリル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 a)内層の少なくとも1層に炭素数1〜
    8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単
    量体単位および共役ジエン系単量体単位から主としてな
    る架橋弾性重合体層を有し、最外層に炭素数1〜8のア
    ルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単量体
    単位から主としてなる熱可塑性重合体層を有するアクリ
    ル系多層重合体粒子(A)100重量部に対し、 b)メタクリル酸メチル単位60重量%以上およびこれ
    と共重合可能なビニル系単量体単位40重量%以下から
    なり、極限粘度が3〜6dl/gである高分子加工助剤
    (B)を0.05〜10重量部; c)ヒンダードフェノール系熱安定剤(C−1)および
    リン系熱安定剤(C−2)を、(C−1)成分の量
    ((c−1)重量部)と(C−2)成分の量((c−
    2)重量部)が下記式(1) 0<(c−2)/(c−1)<10 (1) (但し、(c−1)≠0)が満足される範囲で0.05
    〜1重量部;並びに d)メタクリル酸メチル単位80重量%以上およびこれ
    と共重合可能なビニル系単量体単位20重量%以下から
    なり、極限粘度が0.3〜1.0dl/gであるアクリ
    ル系熱可塑性樹脂(D)を1〜100重量部;配合して
    なるアクリル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 アクリル系多層構造重合体(A)が3層
    構造重合体であり、第1層がメタクリル酸メチル30〜
    98.99重量%、炭素数1〜8のアルキル基を有する
    アクリル酸アルキルエステル1〜70重量%、および多
    官能性単量体0.01〜2重量%からなる架橋樹脂層で
    あり、第2層が炭素数1〜8のアルキル基を有するアク
    リル酸アルキルエステル70〜99.9重量%、メタク
    リル酸メチル0〜30重量%、および多官能性単量体
    0.1〜5重量%からなる架橋弾性体層であり、第3層
    がメタクリル酸メチル80〜99重量%、および炭素数
    1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステ
    ル1〜20重量%からなる硬質熱可塑性樹脂層から構成
    され、かつ粒子径が0.05〜0.20μmであること
    を特徴とする請求項1または請求項2記載のアクリル系
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のア
    クリル系樹脂組成物からなるフィルムまたはシート。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のア
    クリル系樹脂組成物からなる層および他の熱可塑性重合
    体からなる層を有することを特徴とする積層体。
  6. 【請求項6】 他の熱可塑性重合体がポリカーボネート
    系重合体、塩化ビニル系重合体、フッ化ビニリデン系重
    合体、メタクリル樹脂、AES樹脂、ABS樹脂および
    AS樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である
    請求項5に記載の積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101214646B1 (ko) 2008-09-22 2012-12-21 주식회사 엘지화학 광학 필름 및 이의 제조방법
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