JP4197205B2 - アクリル系多層構造重合体を用いたメタクリル系樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層構造重合体を用いたメタクリル系樹脂組成物に関し、詳しくは透明性、耐候性、耐応力白化性、耐温水白化性等に優れ、良好な成形性を有する、フィルム製造用原料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、塩化ビニル樹脂を中心に、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂などを原料とし色々なフィルムが、Tダイを用いた押出し法やカレンダリングによるロール加工法などにより製造されている。特に透明や着色を付した装飾用フィルムでは、現在塩化ビニル樹脂が使用されているが、耐候性に劣るため色調変化が大きく、さらに焼却の際には塩素ガス等が発生するという問題がある。また、ゴム補強していないアクリル樹脂では、フィルムに加工した場合、硬質で脆く使用に耐えない。また、アクリル樹脂にアクリル系やブタジエン系ゴム成分をブレンドし、脆さを改良した組成物も見られるが、耐候性、耐応力白化性や耐温水白化性といった性能に問題が発生する場合がある。また、特開平5−140410号公報には透明性、耐候性に優れブツの発生が改良されたメタクリル系耐衝撃性樹脂組成物が開示されている。特開平9−31287号公報には、耐候性、耐衝撃性、耐応力白化性、成形性を改良したアクリルゴム系樹脂組成物が開示されているが耐応力白化性、耐温水白化性が充分満足できるものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はアクリル系多層構造重合体を用いたメタクリル系樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、透明性、耐候性および耐応力白化性、耐温水白化性等に優れ、良好な成形性を有しブツの発生が著しく改良されたフィルム用樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【発明が解決するための手段】
本発明者らは、アクリル系多層構造重合体を鋭意検討した結果、特定な層構造を持つアクリル系多層構造重合体を用いたメタクリル系樹脂組成物が、良好な透明性および耐候性を有するとともに、常温で良好な耐応力白化性および耐温水白化性を有し、成形性に優れブツの発生が殆ど見られないといったフィルム用樹脂組成物として優れた特性を示すことを見い出し本発明を完成するに至った。
【0005】
即ち、本発明は、(A)最内層である、第一層がメタクリル酸メチル90〜100重量%とこれと共重合可能な単官能単量体0〜10重量%との混合物を乳化重合させて得られる、ガラス転移点が25℃以上の重合体であり、(B)中間層である、第二層が単独で重合させたときに25℃以下のガラス転移点をもつアルキル基の炭素数が2〜8であるアクリル酸アルキル65〜99.9重量%と、これと共重合可能な単量体0〜30重量%と多官能グラフト剤0〜5重量%及び0.1〜5重量%の多官能架橋剤を含有する混合物を乳化重合させた重合体であり、(C)最外層である、第三層が単独で重合させたときに25℃以上のガラス転移点をもち、メタクリル酸メチル80〜99重量%とこれと共重合可能な単官能単量体1〜20重量%からなる単量体混合物に連鎖移動剤を段階的に増加させ、n段階(nは2〜4)で乳化重合させた重合体から成り、この重合体の分子量が内側から外側に向かって次第に小さくなっており、その第一段階の単量体混合物の重量は、第三層全単量体重量の少なくとも1/n以上であって、第一段階で得られた重合体の分子量が30万〜500万であり、各層の単量体混合物の重量比が、第1層5〜20重量%、第二層50〜80重量%、第三層15〜45重量%(合計100重量%)であることを特徴とするメタクリル系三層構造重合体50〜80重量部と、メタクリル酸メチル85〜99.5重量%とアルキル基の炭素数が1〜8であるアクリル酸アルキル15〜0.5重量%からなるアクリル系共重合体50〜20重量部をブレンドしてなることを特徴とするフィルム製造用メタクリル系樹脂組成物、および該組成物に芳香族カルボン酸、脂肪族カルボン酸から選ばれる少なくとも一種類の酸、アルキル基の炭素数が4〜24の脂肪族高級アルコール、及び芳香族アルコールのエステルから選ばれる少なくとも一種の可塑剤を1〜40重量部ブレンドしてなることを特徴とするフィルム製造用メタクリル系樹脂組成物に関する。
【0006】
本発明の多層構造重合体は乳化重合法により得られる。この場合、第二層、第三層の重合を行う際に新たな粒子が生成しないことが必要であり、その為にいわゆるシード重合法が用いられる。即ち、次の重合を行う際に新たに乳化剤を添加しないで重合する。新たな粒子が生成しているかどうかは電子顕微鏡により容易に知ることができる。
【0007】
使用される乳化剤としては、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの乳化重合に一般に使用される乳化剤、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウムなどの長鎖脂肪酸の塩類、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸の塩類、ジアルキルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどがある。使用される重合開始剤としては特に制限はなく、通常用いられている水溶性の過硫酸塩、過ホウ酸塩などの無機系開始剤を単独で、或いは亜硫酸塩、チオ硫酸塩などを併用してレドックス開始剤系として用いることもできる。さらに油溶性の有機過酸化物/第一鉄塩、有機過酸化物/ソジウムスルホキシレートのようなレドックス開始剤系も用いることができる。
【0008】
第一層形成工程は、メタクリル酸メチルを主成分とする単量体混合物を乳化重合によって多層構造重合体の第一層を形成する工程であり、その共重合体のガラス転移温度(以下Tgと記す)は50℃以上であることが望ましい。必要に応じて10重量%以下の単官能性不飽和単量体を共重合させることができるが、多官能性不飽和単量体は使用しないことが必要である。多官能性不飽和単量体を用いると目的とする高い衝撃強度を得ることができない。
使用される単官能性不飽和単量体としては、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、スチレンなどの不飽和芳香族系単量体、アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル系単量体などがある。
【0009】
第二層形成工程は、アクリル酸アルキルを主成分とする単量体混合物を第一層形成工程の生成物に加えて乳化重合を行う多層構造重合体の第二層を形成する工程であり、その単量体混合物を単独で重合した場合、その共重合体のTgは0℃以下であることが望ましい。使用されるアクリル酸アルキルとしては、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどがあるが、特に好ましくはアクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルである。
【0010】
共重合体可能な単官能性単量体としては上記以外のアクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、不飽和芳香族系単量体、不飽和ニトリル系単量体などがある。アクリル樹脂とブレンドする場合、特に透明性が要求される場合は、第二層の重合体の屈折率がアクリル樹脂の屈折率と実質的に等しくなるように共重合可能な単量体を選ぶ必要がある。好ましい単量体はスチレン、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ナフチルなどがある。
【0011】
多官能グラフト剤としては、異なる反応性を有する不飽和基を複数個有する単量体で、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、フマル酸アリルなどが用いられる。多官能グラフト剤が5重量%より多いと強度が低下する。
多官能架橋剤としては、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールメタクリレート、ジビニルベンゼンなどが用いられる。架橋剤量が0.1重量%より少ないと外観、耐応力白化成が低下し、5重量%より多いと強度が低下する。
【0012】
第三層形成工程は、メタクリル酸メチルを主成分とする単量体混合物を第二層形成工程の生成物に加えて乳化重合を行う多層構造重合体の第三層を形成する工程であり、その単量体混合物を単独で重合した場合、その共重合体のTgは50℃以上であることが望ましい。この三層はさらにn段(nは2〜4)に分割され(それぞれ、第一段、…、第n段とする)第一段から第n段に向かって分子量が除々に低下していることが大きな特徴である。第一段の分子量は30万〜500万、好ましくは50万〜200万の範囲にするのが望ましい。この部分の分子量が30万より小さい場合は良好な耐応力白化性が得られないし、また500万以上にするには特殊な反応条件(例えば低温反応や不純物の徹底的な除去)を要し実用的でない。一方第n段(最も外側)の分子量は、6万〜20万、好ましくは8万〜15万の範囲にするのが望ましい。この部分の分子量が6万より小さい場合は耐溶剤性、強度、耐応力白化が低下し、20万より大きい場合は流動性が低下する。各段の分子量は公知の方法によって、すなわちメチルメルカプタン、エチルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、sec−ドデシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタンなどのアルキル基または置換アルキル基を有する第一、第二級び第三級メルカプタン、フェニルメルカプタンなどの芳香族メルカプタン、チオグリコール酸とそのエステル及びエチレンチオグリコールなどの連鎖移動剤の使用量を変えることによって容易に調整することができる。更に第一段の単量体の量は第三層の全単量体量(即ち第一段〜第n段の単量体の合計量)の1/n以上であることが必要である。第一段の量が1/nに満たない場合には、所望の耐応力白化性が得られない。
【0013】
各層の重合体の量は、第一層:5〜20重量部、第二層:50〜80重量部、第三層:15〜45重量部(合計100重量部)であることが必要である。各層がこの量からはずれると、強度、耐応力白化性、成形性のバランスが崩れ、所望の物性が得られない。またこの多層構造重合体の粒子径は800〜1500Åであることが好ましい。粒子径が800より小さいと強度が低下し、1500より大きいと耐溶剤性、耐応力白化性が劣る。
【0014】
本発明は、上記特性を有するメタクリル系多層構造重合体50〜80重量部とメタクリル酸メチル85〜99.5重量%とアルキル基の炭素数が1〜8であるアクリル酸アルキル15〜0.5重量%からなるアクリル系共重合体50〜20重量部をブレンドしてなるフィルム製造用メタクリル系樹脂組成物で、メタクリル系多層構造重合体の量が50重量部に満たないと、強度が低下し脆いフィルムしか得られず好ましくない。また、80重量部より大きいとフィルム製造時の成形性が低下し好ましくない。アクリル酸アルキルとしては、特に限定されないが、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどである。アクリル系共重合体の重合方法としては公知の重合方法、例えば塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合など、いずれの方法も用いることができ、ブレンドは通常行われている任意の方法、例えば単軸や二軸押出機で溶融混練する方法を用いることができる。
【0015】
更に、上記のメタクリル系多層構造重合体にアクリル系共重合体をブレンドする際に、芳香族カルボン酸、脂肪族カルボン酸から選ばれる少なくとも一種類の酸、アルキル基の炭素数が4〜24の脂肪族高級アルコール、及び芳香族アルコールのエステルから選ばれる少なくとも一種の可塑剤を1〜40重量部加えることができる。この可塑剤を加えたフィルム製造用メタクリル系樹脂組成物は、樹脂の流動性が増しフィルム製造時の成形性が向上するのでより好ましい。但し、可塑剤の量が40重量部を超えるとフィルム整形時に可塑剤が表面に析出したり、フィルムに曇りが発生したり、耐温水白化性が低下したりするので好ましくない。
【0016】
本発明で用いられる可塑剤の具体的な例としては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル類、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどの脂肪族二塩基酸エステル類が挙げられる。
本発明では、必要に応じて上記可塑剤以外に、さらに紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、着色願料、染料などの添加剤を、該メタクリル系樹脂組成物本来の特徴を損なわない範囲で加えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。実施例中における「%」および「部」は全て「重量%」および「重量部」を表す。また、実施例に示した諸物性の測定方法及び使用した添加剤等を以下に示す。
1.分子量
クロロホルム溶媒中、25℃において測定した極限粘度より算出した。
2.粒子径
電子顕微鏡観察により求めた。
3.引張強さ
ASTM−D638に従って測定した。
4.伸び
ASTM−D638に従って測定した。
5.MFR
メルトフローレイト(以下MFR)で、ASTM−D1238の方法により 230℃、荷重3.8Kgの条件で測定した。
6.応力白化性
試験片をアルミニュウム板にセロハンテープにて固定し180度折曲げたときの白化の状態を目視で調べた。白化しないものを○、白化したものを×、その中間を△とした。
7.温水白化性
試験片を80℃の温水に5時間ドブ浸けした後の曇り度(ヘーズ)をヘーズメーター(日本電色工業(株)製)にて測定した。
8.耐候性
スガ試験機(株)製サンシャインスーパーロングライフウェザーメーター(以下SWOM)にて暴露した試験片を用い、全光線透過率及びヘーズをヘーズメーターにて測定した。また、暴露した試験片の応力白化性を上記7.の方法にて測定した。
9.チヌビン234
日本チバガイギー(株)製品、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤。
10.アデカサイザーPN−150
旭電化工業(株)製品、アジピン酸ポリエステル系可塑剤。
11.イルガノックス1076
日本チバガイギー(株)製品、ヒンダードフェノール系酸化防止剤。
【0018】
【実施例1】
かき混ぜ機、コンデンサーを備えた10Lビーカーに蒸留水5.7L、乳化剤としてジオクチルスルホコハク酸ソーダ20gを加え均一に溶解する。第一層としてメタクリル酸メチル(以下MMAと記す)210g、アクリル酸ブチル(以下BAと記す)13g、メタクリル酸アリル(以下ALMAと記す)0.3g、過硫酸アンモニウム0.6gの均一溶液を加え80℃で重合した。約20分で反応は完了した。
【0019】
次いで第二層としてBA1300g、ALMA45g、ポリエチレングリコールジメタクリレート(商品名M260、東亜合成(株)製)65g、過硫酸アンモニウム2.0gの均一溶液を1時間に渡って滴下した。滴下終了後30分で反応は完了した。
次に第三層第一段としてMMA490 g、BA3.0g、過硫酸アンモニウム1.0gの均一溶液を加えた。反応は約10分で完了した。次に第三層第二段として、n−オクチルメルカプタン(以下OMと記す)1.5gを添加した他は第三層第一段と同じ組成の均一溶液を加えた。反応は約60分で完了した。各段の均一溶液をそれぞれ単独で重合した場合の得られた重合体の分子量はそれぞれ1920000、117000であった。次いで温度を95℃に上げ、その温度に一時間保持した。得られた重合体の粒子径は1050Åであった。このラテックスを0.5%硫酸アルミニュウム水溶液中に投入して重合体を凝集させ、洗浄、乾燥してパウダー状の白色重合体を得た。こうして得た多層構造重合体60部とアクリル系共重合体ビーズ(デルペット720V:旭化成(株)製)40部とチヌビン234を2.0部及びイルガノックス1076を0.1部、ヘンシェルミキサーで混合し、50mmΦのベント付き二軸押出機を用い溶融混練りしてメタクリル系樹脂組成物を得た。この組成物を用いコンプレッション成形にて厚さ100μmのフィルムを作製し物性を測定した。優れた特性を示した。結果を第2表及び第3表に示す。
【0020】
【実施例2】
第三層として下記第1表に示す組成を用いた以外は実施例1と同様な方法で樹脂組成物を得た。この組成物を用いコンプレッション成形にて厚さ100μmのフィルムを作製し物性を測定した。優れた特性を示した。結果を第2表及び第3表に示す。
【0021】
【実施例3】
実施例1で得た多層構造重合体60部とアクリル系共重合体ビーズ(デルペット720V:旭化成(株)社製)40部とチヌビン234を2.0部、イルガノックス1076を0.1部及びアデカサイザーPN−150を7.0部、ヘンシェルミキサーで混合し、50mmΦのベント付き二軸押出機を用い溶融混連してメタクリル系樹脂組成物を得た。この組成物を用いコンプレッション成形にて厚さ100μmのフィルムを作製し物性を測定した。優れた特性を示した。結果を第 2表及び第3表に示す。
【0022】
【実施例4】
実施例3でアデカサイザーPN−150の添加量を20部にした以外は実施例3と同様な方法でメタクリル系樹脂組成物を得た。この組成物を用いコンプレッション成形にて厚さ100μmのフィルムを作製し物性を測定した。優れた特性を示した。結果を第2表及び第3表に示す。
【0023】
【実施例5】
実施例1でアクリル系多層構造重合体を80部、アクリル系共重合体ビーズ(デルペット720V:旭化成(株)製)を20部とした以外は、実施例1と同様な方法でメタクリル系樹脂組成物を得た。この組成物を用いコンプレッション成形にて厚さ100μmのフィルムを作製し物性を測定した。優れた特性を示した。結果を第2表に示す。
【0024】
【比較例1】
実施例1で第3層をMMA980g、BA6.0g、過硫酸アンモニウム2.0gの均一溶液にした以外は実施例1と同様な方法で多層構造重合体を得た。反応は約10分で完了した。この時第3層の均一溶液を単独で重合した場合の得られた重合体の分子量は1910000であった。次いで実施例1と同様な方法でメタクリル系樹脂組成物を得、この組成物を用いコンプレッション成形にて厚さ100μmのフィルムを作製し物性を測定した。耐応力白化性が低下し好ましくない。結果を第2表に示す。
【0025】
【比較例2】
実施例1の第3層第1段にOM1.0gを添加した以外は実施例1と同様な方法でメタクリル系多層構造重合体を得た。この時第3層第1段の均一溶液を単独で重合した場合の得られた重合体の分子量は210000であった。次いで実施例1と同様な方法でメタクリル系樹脂組成物を得、この組成物を用いコンプレッション成形にて厚さ100μmのフィルムを作製し物性を測定した。結果を第2表に示す。耐応力白化性が劣り好ましくない。結果を第2表に示す。
【0026】
【比較例3】
実施例1で第2層のBAを1000g、ALMA30g,ポリエチレングリコールジメタクリレート50g、過硫酸アンモニウム1.5g、第3層第1段、2段のMMAをそれぞれ640g、BAをそれぞれ4.0g、過硫酸アンモニウムをそれぞれ1.3gとした他は実施例1と同様の方法によりメタクリル系多層構造重合体を得た。次いで実施例1と同様な方法でメタクリル系樹脂組成物を得、この組成物を用いコンプレッション成形にて厚さ100μmのフィルムを作製し物性を測定した。強度及び耐応力白性が低下して好ましくない。結果を第2表に示す。
【0027】
【比較例4】
実施例1でアクリル系多層構造重合体を40部、アクリル系共重合体ビーズ(デルペット720V:旭化成(株)製)を60部とした以外は、実施例1と同様な方法でメタクリル系樹脂組成物を得た。この組成物を用いコンプレッション成形にて厚さ100μmのフィルムを作製し物性を測定した。強度及び耐応力白性が低下して好ましくない。結果を第2表に示す。
【0028】
【比較例5】
実施例1でアクリル系多層構造重合体を90部、アクリル系共重合体ビーズ(デルペット720V:旭化成(株)製)を10部とした以外は、実施例1と同様な方法でメタクリル系樹脂組成物を得た。この組成物を用いコンプレッション成形にて厚さ100μmのフィルムを作製し物性を測定した。流動性(加工性)が劣り好ましくない。結果を第2表に示す。
【0029】
【比較例6】
実施例3でアデカサイザーPN−150の添加量を50部にした以外は実施例3と同様な方法でメタクリル系樹脂組成物を得た。この組成物を用いコンプレッション成形にて厚さ100μmのフィルムを作製し物性を測定した。耐温水白化性が劣り好ましくない。結果を第2表に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
Claims (2)
- (A)最内層である、第一層がメタクリル酸メチル90〜100重量%とこれと共重合可能な単官能単量体0〜10重量%との混合物を乳化重合させて得られる、ガラス転移点が25℃以上の重合体であり、(B)中間層である、第二層が単独で重合させたときに25℃以下のガラス転移点をもつアルキル基の炭素数が2〜8であるアクリル酸アルキル65〜99.9重量%と、これと共重合可能な単量体0〜30重量%と多官能グラフト剤0〜5重量%、及び0.1〜5重量%の多官能架橋剤を含有する混合物を乳化重合させた重合体であり、(C)最外層である、第三層が単独で重合させたときに25℃以上のガラス転移点をもち、メタクリル酸メチル80〜99重量%とこれと共重合可能な単官能単量体1〜20重量%からなる単量体混合物に連鎖移動剤を段階的に増加させ、n段階(nは2〜4)で乳化重合させた重合体から成り、この重合体の分子量が内側から外側に向かって次第に小さくなっており、その第一段階の単量体混合物の重量は、第三層全単量体重量の少なくとも1/n以上であって、第一段階で得られた重合体の分子量が30万〜500万であり、各層の単量体混合物の重量比が、第1層5〜20重量%、第二層50〜80重量%、第三層15〜45重量%(合計100重量%)であることを特徴とするメタクリル系三層構造重合体50〜80重量部と、メタクリル酸メチル85〜99.5重量%とアルキル基の炭素数が1〜8であるアクリル酸アルキル15〜0.5重量%からなるアクリル系共重合体50〜20重量部をブレンドしてなるフィルム製造用メタクリル系樹脂組成物。
- 請求項1の組成物に、芳香族カルボン酸、脂肪族カルボン酸から選ばれる少なくとも一種類の酸、アルキル基の炭素数が4〜24の脂肪族高級アルコール、及び芳香族アルコールのエステルから選ばれる少なくとも一種の可塑剤を1〜40重量部ブレンドしてなるフィルム製造用メタクリル系樹脂組成物。
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